JP2006042619A - ネイティブ型ジェランガムの溶解方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ネイティブ型ジェランガムを水に溶解する際、粘度を発現せずサラサラの溶液となり、更には、該サラサラ状態の溶液を溶解温度(80℃)以上に加熱し冷却することにより、物性面で大きく変化させることなく、増粘・ゲル化し、所望のゾル状或いはゲル状食品となる製法を提供する。
【解決手段】ネイティブ型ジェランガム及び水溶性カルシウム塩を共存させた状態で溶解する。また、水溶性カルシウム塩を含む溶液にネイティブ型ジェランガムを添加配合するか、または水溶性カルシウム塩及びネイティブ型ジェランガムを同時に水溶液に配合することにより調製する。
【選択図】なし

Description

本発明は、粘度を発現せずにネイティブ型ジェランガムを溶解する方法に関する。詳細には、ネイティブ型ジェランガムを溶解温度以下の溶液に添加した場合、ネイティブ型ジェランガムの粉体粒子が水を吸収し膨潤することで攪拌不可能な粘度を発生させるが、この粘度の発現を抑制し、加熱することで溶解させることができ、ネイティブ型ジェランガムの本来の性質であるゲル化性・増粘性・分散安定性を発揮させることができる、ネイティブ型ジェランガムの取扱い性及び操作性に優れた溶解方法に関する。
ネイティブ型ジェランガムは、分散力が非常に優れた増粘・ゲル化剤であり、ゼリー、プリン等のゲル状食品、飲料、冷菓、ドレッシング、フライ食品など各種食品への用途が開示されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5)。これら食品の多くは、ネイティブ型ジェランガムを80℃以上の温度の水中で加熱攪拌溶解することにより完全溶解させてから各種食品を調製する。加熱する際、水が80℃より低い温度時にネイティブ型ジェランガムを投入すると、溶解せずネイティブ型ジェランガムの粉末粒子が急激に水を吸い込み膨潤するため、非常に高粘度になるという問題があった。
一方、ネイティブ型ジェランガムとカルシウムやナトリウム塩を併用した食品として、特許文献1には、不溶性カルシウムをカルシウム強化の目的でネイティブ型ジェランガムにより分散させた飲料が記載されているが、あくまでも不溶性のカルシウムをネイティブ型ジェランガムの溶解した液状食品中で分散させているものである。また、特許文献2には、ネイティブ型ジェランガムと脱アシル型ジェランガムを使用したゼリー食品の製造時乳酸カルシウムを添加することが記載されている。しかし、特許文献2ではネイティブ型ジェランガムと脱アシル型ジェランガムを含むゲル化剤を80℃10分間加熱攪拌溶解した後に、乳酸カルシウムを添加する製法で製造されている。更には、特許文献3にはネイティブ型ジェランガム及び塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの塩分を含み低粘度で分散安定化された液状食品が記載されているのみであり、水溶性カルシウムを使用することについては記載がない。
一般にゲル化剤や安定剤を水に溶解させるには加熱を要するため、実際の製造においては、熱効率や生産性の点から、可能な限りゲル化剤や安定剤の高濃度溶液を作成し、加熱溶解後、調合中で希釈する方法や、溶解温度以下でゲル化剤や安定剤の分散液(未溶解状態)を作成し、UHT殺菌機等の熱交換器を通すことにより加熱溶解する方法等が取られている。しかしながら、ネイティブ型ジェランガムは、ゲル化剤や安定剤に使用される他の多糖類と異なり、溶解温度以下の溶媒に添加すると粉体が水を吸い膨潤状態となるため、攪拌不可能な状態となるという問題点がある。このため、前述の高濃度の溶液を作成する方法や、分散溶液を調製し熱交換器で溶解する等の生産効率を高めた製造方法を行うことが難しい状況であった。
このため、ネイティブ型ジェランガムの優れたゲル化性や増粘性、分散安定性を有しているにかかわらず、実際の製造においてこの様な制約があるため、効率的な生産が不可能であった。これらのことから最終的なゲル化性や増粘性などの物性には影響を与えず、且つ、製造工程中で粘度発現することことなく溶解する調製方法が求められていた。
特開平10−234316号公報 特開2003−274874号公報 特開2000−69932号公報 特開平10−150942号公報 特開2000−189090号公報
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたもので、最終的なゲル化性や増粘性などの物性には影響を与えず、且つ、製造工程中で粘度発現することなく溶解する調製方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねていたところ、ネイティブ型ジェランガムを水に溶解する際、ネイティブ型ジェランガム及び水溶性カルシウム塩を共存させた状態で溶解することにより、当該溶液が粘度を発現せずサラサラの溶液として調製されること、更には、当該サラサラ状態の溶液を溶解温度(80℃)以上に加熱し、冷却することにより、速やかに増粘・ゲル化し、最終的なゲル化性や増粘性などの物性には大きく影響されず、所望のゾル状或いはゲル状食品を調製することができることを見出した。
本発明により、製造工程中において、ネイティブ型ジェランガムを水に溶解する際、粘度を発現せずサラサラの溶液として調製されること、更には、該サラサラ状態の溶液を溶解温度(80℃)以上に加熱し冷却することにより、速やかに増粘・ゲル化し、最終的なゲル化性や増粘性などの物性には大きく影響されず、所望のゾル状或いはゲル状食品に効果を発揮するようになった。
本発明は、ネイティブ型ジェランガム及び水溶性カルシウム塩を共存させた状態で溶解する、粘度を発現せずにネイティブ型ジェランガムを溶解する方法に関する。
本発明で使用するネイティブ型ジェランガムは、Sphingomonas elodeaが産出する発酵多糖類であり、1−3結合したグルコース、1−4結合したグルクロン酸、1−4結合したグルコース及び1−4結合したラムノースの4分子を構成単位とする直鎖状の高分子多糖類の、1−3結合したグルコースに1構成単位当たりグリセリル基1残基とアセチル基が平均1/2残基結合したものである。1構成単位辺りカルボキシル基1残基を有する。
ネイティブ型ジェランガムの商業的に入手可能な製品として、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製の、ケルコゲル[商標:CPケルコ社]LT−100、ケルコゲル[商標:CPケルコ社]HM及びケルコゲル[商標:CPケルコ社]HT、ゲルアップ[商標:三栄源エフ・エフ・アイ株式会社]MOTなどを挙げることができる。
本発明で使用する水溶性カルシウム塩としては、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、塩化カルシウム、乳清カルシウムが挙げられる。中でも乳酸カルシウムを使用するのが好ましい。
本発明では、ネイティブ型ジェランガムと水溶性カルシウム塩の配合割合として、ネイティブ型ジェランガム1重量部に対して、カルシウムとして0.001重量部以上、好ましくは、0.006重量部以上を使用すると良く、例えば、水溶性カルシウム塩として乳酸カルシウムを使用した場合、ネイティブ型ジェランガム1重量部に対して、水溶性カルシウム塩を0.05重量部以上使用するのが好ましい。なお、水溶性カルシウム塩の割合が多くなればなるほど、ネイティブ型ジェランガムを溶解時の粘度の発現を抑えることができるが、ネイティブ型ジェランガム1重量部に対して、カルシウムとして0.25重量部以上添加しても、これ以上の粘度発現抑制の向上効果は見られなくなる。
本発明では、ネイティブ型ジェランガム及び水溶性カルシウム塩を共存させた状態で溶解することを特徴とする、溶解時には加熱攪拌を行うが、条件としては、ネイティブ型ジェランガムの水への溶解温度である80℃以上で溶解すると良く、80〜130℃、数秒〜30分間程度の条件を挙げることができる。なお、本発明では、例えば20〜30℃程度の室温の水にネイティブ型ジェランガム及び水溶性カルシウム塩を共存させた状態として、室温から80℃以上の温度まで加温し、溶解することも可能である。よって、加熱タンクなどを使用せず、室温の水に増粘・ゲル化剤を分散させた状態(未溶解の状態)でプレートヒーターなどに通して加熱攪拌溶解させても、膨潤が起こらず、粘度を発現せずにネイティブ型ジェランガムを溶解することができる。更には、溶解したネイティブ型ジェランガム含有溶液を、冷却することにより、速やかに増粘・ゲル化し、最終的なゲル化性や増粘性などの物性には大きく影響されない、所望のゾル状或いはゲル状食品が調製できる。
本発明は、ネイティブ型ジェランガム及び水溶性カルシウム塩を共存させた状態で溶解することにより、粘性を発現せずにネイティブ型ジェランガムを溶解する方法であるが、水溶性カルシウム塩を含む溶液にネイティブ型ジェランガムを添加配合するか、または水溶性カルシウム塩及びネイティブ型ジェランガムを同時に水溶液に配合することにより調製することができる。
更には、本発明はネイティブ型ジェランガムと水溶性カルシウムを配合することを特徴とする、溶解性が改善されたゲル化剤製剤、安定剤製剤などの糊料製剤に関する。本発明の当該糊料製剤中の、ネイティブ型ジェランガムと水溶性カルシウム塩の配合割合として、ネイティブ型ジェランガム1重量部に対して、カルシウムとして0.001重量部以上、好ましくは、0.006重量部以上を配合すると良く、例えば、水溶性カルシウム塩として乳酸カルシウムを使用した場合、ネイティブ型ジェランガム1重量部に対して、水溶性カルシウム塩を0.05重量部以上配合するのが好ましい。なお、水溶性カルシウム塩の割合が多くなればなるほど、ネイティブ型ジェランガムを溶解時の粘度の発現を抑えることができるが、ネイティブ型ジェランガム1重量部に対して、カルシウムとして0.25重量部以上添加しても、これ以上の粘度発現抑制の向上効果は見られず、逆に食品系で風味への影響が出るため好ましくない。
更に、本発明の当該糊料製剤はネイティブ型ジェランガムと水溶性カルシウムを配合することを特徴とするが、本発明の効果に悪影響を及ぼさない限度で、他に任意の成分を配合することもできる。他の食品添加物、例えば、ネイティブ型ジェランガム以外の増粘・ゲル化剤、例えば、キサンタンガム、グァーガム、ローカストビーンガム、カラギナン、タラガム、カシアガム、グルコマンナン、脱アシル型ジェランガム、タマリンドシードガム、ペクチン、サイリウムシードガム、ゼラチン、トラガントガム、カラヤガム、アラビアガム、マクロホモプシスガム、寒天、アルギン酸類(アルギン酸、アルギン酸塩)、カードラン、プルラン、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)ナトリウム、カルボキシメチルセルロース(CMC)カルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、微結晶セルロース、発酵セルロース、微小繊維状セルロース等のセルロース誘導体、水溶性ヘミセルロース、大豆多糖類、加工・化工でん粉、未加工・未化工でん粉(生でん粉)など:ショ糖、異性化糖、乳糖、麦芽糖、ブドウ糖、果糖、転化糖、水飴、粉末水飴、還元麦芽水飴、蜂蜜、トレハロース、パラチノース、D−キシロース等の糖類:スクラロース、ソーマチン、アセスルファムカリウム、アスパルテーム等の高甘味度甘味料:エリスリトール、キシリトール、マルチトールなどの糖アルコール:ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK等のビタミン類;鉄、カルシウム、マグネシウム等の各種ミネラル類:香料:着色料:調味料:日持向上剤:保存料;α、βアミラーゼ、α、βグルコシダ−ゼ、パパイン等の酵素;クエン酸、フマル酸、コハク酸等のpH調整剤;ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、レシチン、ポリソルベート等の乳化剤等を添加することができる。
本発明の方法や本発明の糊料製剤を使用することにより製造時粘性を発現せずにネイティブ型ジェランガムを溶解できる性質を利用して、各種食品を調製することができる。例えば、コーヒー、紅茶の乳飲料、ヨーグルト、プリン、ムース、ババロア、ゼリー、杏仁豆腐、くずきり、水ようかん、くず餅風デザート、等が例示される。また、食品に、含まれる固体若しくは液体等の不連続相が安定して分散することが要求される分散安定食品にも適用でき、例えばココア飲料、カルシウム強化食品、抹茶入り食品、野菜・果物の果汁若しく果肉汁入り食品、豆乳飲料、ゼリー入り飲料、汁粉ドリンクまたは小豆入り飲料、スープ、味噌汁、ドレッシング、液体調味料等を例示することができる。
なお、これらの食品は、上記方法で調製されるものであれば特に制限されず、上記の成分の他に、食品の分野で広く用いられている糖類、香料、中和剤、カラメル、乳化剤、食塩、食用油脂、安定剤、酸化防止剤、保存料、色素、酸味料などが含まれていてもよい。
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例等を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、処方中、特に記載のない限り、「部」は「重量部」を示すものとし、文中「*」印のものは、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、文中「※」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標を示す。
実験例1
20℃の水に、下記表1の配合通り、ネイティブ型ジェランガム及び乳酸カルシウムをそれぞれ配合し全量を100部となるように調整する。20℃での粘度を測定した後、攪拌しながら加温し、40℃時の粘度、及び80℃で攪拌し溶解した時の粘度をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。なお、粘度の測定は、B型回転粘度計((株)トキメック製)を用いて60rpmで行った。
Figure 2006042619
表1より、ネイティブ型ジェランガムのみを溶解した比較例1及び2は20℃及び40℃で増粘するのに対し、ネイティブ型ジェランガム及び乳酸カルシウムを併用して加温攪拌溶解した実施例1及び2は、20℃及び40℃での攪拌時殆ど粘度を発現せず、良好な作業性だった。
実験例2
20℃の水に、下記表2の配合通り、ネイティブ型ジェランガム及び乳酸カルシウムをそれぞれ配合し全量を100部となるように調整する。20℃での粘度を測定した後、攪拌しながら加温し、40℃時の粘度を測定後、更に80℃以上で攪拌し、一晩冷却してゲルを調製し、得られたゲルの強度(ゲル強度及び破断強度)をそれぞれ測定した。結果を表2に示す。
なお、粘度の測定は、B型回転粘度計((株)トキメック製)を用いて60rpmで行った。ゲルの強度の測定について、レオメーター(SUN RHEO METER COMPAC-100:株式会社サン科学製)を用い、ゲル強度は調製したゲルの表面から4mm押した時の応力(g)を測定し、破断強度は、ゲルを破断するまでに与えた応力(g/cm)を測定した。
Figure 2006042619
表2より、ネイティブ型ジェランガム及び水溶性カルシウム塩である乳酸カルシウムを共存させて加温溶解した実施例3〜13は、ネイティブ型ジェランガムのみを同量添加した比較例3〜5よりも、20℃及び40℃での粘度が低く抑えられ、また冷却固化後のゼリーはネイティブ型ジェランガムのみのゲルとほぼ同等のゲル強度を示した。また食感にも変化無く乳酸カルシウム添加による物性変化は殆ど見られなかった。
また、ネイティブ型ジェランガムと乳酸カルシウムの配合割合であるが、表2実施例3〜9で比べると、ネイティブ型ジェランガム0.3重量部に対して、乳酸カルシウム0.03重量部以上、より良好には、0.05重量部以上添加すると、より顕著な粘度発現抑制効果を示すことが判った。
実施例14:ノンオイルドレッシング
下記表3の処方のうち、予め果糖ブドウ糖液糖に増粘剤及び乳酸カルシウムを分散させたものを20℃の水に添加し、80℃10分間撹拌溶解した後、醸造酢、リンゴ酢、レモン果汁、食塩、L-グルタミン酸ナトリウム、DL-リンゴ酸を加え、5分間加熱撹拌を行い、香料及びバジルチップを加え、更に撹拌後、全量補正し、冷却してノンオイルドレッシングを得た。得られたノンオイルドレッシングは、バジルチップが安定に分散し、ネイティブ型ジェランガムの固形分散効果が発揮されていたが、製造中には増粘することなく良好な作業性であった。
Figure 2006042619
実施例15:さのう入りオレンジ飲料
下記表4の処方のうち、水(室温)と果糖ブドウ糖液糖及び乳酸カルシウムを混合した液に、砂糖、増粘剤、クエン酸三ナトリウムの混合物を加え、80℃10分間攪拌溶解後、レモン透明果汁、ミカンさのう、50%W/Vクエン酸(無水)溶液を加え、全量調整し、93℃まで加熱し、香料を添加混合した後ホットパックして、さのう入りオレンジ飲料を得た(pH 3.6)。得られたオレンジ飲料は、さのうが安定に分散し、ネイティブ型ジェランガムの固形分散効果が発揮されていたが、製造中には増粘することなく良好な作業性であった。
Figure 2006042619
実施例16:果汁入り清涼飲料
下記表5の処方のうち、水(室温)に砂糖と増粘剤(ネイティブ型ジェランガム及び乳酸カルシウム含有)を粉体混合したものを投入し、加温し、80℃10分間撹拌溶解後、果汁及びクエン酸を加え、93℃まで加熱後、香料を添加し、ホットパックして果汁入り清涼飲料を調製した。得られたオレンジ飲料は、果汁分の沈澱を防止でき、ネイティブ型ジェランガムの固形分散効果が発揮されていたが、製造中には増粘することなく良好な作業性であった。
Figure 2006042619
実施例17:抹茶飲料
下記表6の処方のうち、水(室温)に、砂糖と増粘剤及び乳酸カルシウムの粉体混合物を投入し、80℃10分間撹拌溶解した後、20℃まで冷却し、牛乳と抹茶を加え、70℃まで加熱し、14700kPa=150kgf/cmの圧力でホモゲナイズ後、香料を添加し、容器に充填、120℃20分間レトルト殺菌して抹茶飲料を調製した。得られた抹茶飲料は、抹茶粉末の沈澱を防止でき、ネイティブ型ジェランガムの固形分散効果が発揮されていたが、製造中には増粘することなく良好な作業性であった。
Figure 2006042619
実施例18:和風ゼリー
(1)下層ゼリー部の調製
下記表7の処方のうち、室温の水と生あんにグラニュー糖、ゲル化剤及び乳酸カルシウムの粉体混合物を添加し、添加後、80℃10分間攪拌溶解した後、香料を添加し、全量を補正し、カップに適当量充填後、冷却固化させて下層ゼリー部を調製した。
Figure 2006042619
(2)上層ゼリー部の調製
下記表8の処方のうち、室温の水にグラニュー糖、ゲル化剤及び乳酸カルシウムの粉体混合物を添加し、乳酸カルシウムを添加し80℃10分間攪拌溶解後、香料と予めお湯で溶解した色素を添加し、全量調整して得られたゼリー液を固化した下層ゼリー部の上に充填し、121℃20分間レトルト殺菌し、冷却して、2層和風ゼリーを調製した。
得られた2層和風ゼリーは、もちの様な弾力性のあるゼリーとなりネイティブ型ジェランガムのゲル化能が発揮されていたが、製造中には溶液の状態では増粘することなく良好な作業性であった。
Figure 2006042619
本発明により、ネイティブ型ジェランガムを水に溶解する際、粘度を発現せずサラサラの溶液として調製されること、更には、該サラサラ状態の溶液を溶解温度(80℃)以上に加熱し冷却することにより、物性面で大きく変化させることなく、増粘・ゲル化し、所望のゾル状或いはゲル状食品ができる。

Claims (3)

  1. ネイティブ型ジェランガム及び水溶性カルシウム塩を共存させた状態で溶解することを特徴とする、粘度を発現せずにネイティブ型ジェランガムを溶解する方法。
  2. 水溶性カルシウム塩を含む溶液にネイティブ型ジェランガムを添加配合するか、または水溶性カルシウム塩及びネイティブ型ジェランガムを同時に水溶液に配合することにより調製される、請求項1の記載の方法。
  3. ネイティブ型ジェランガム及び水溶性カルシウムを配合することを特徴とする、溶解性が改善された糊料製剤。






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