JP2022115389A - タンパク質含有酸性飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、被膜感の改善されたタンパク質含有酸性飲料、及びその製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】ホエイタンパク質分離物(WPI)とホエイタンパク質濃縮物(WPC)を、乾燥重量に基づくタンパク質含量換算にしてWPI/WPC比=8未満の範囲で含む、タンパク質含有酸性飲料。【選択図】なし

Description

本発明は、風味や食感の良好なタンパク質含有酸性飲料ならびにその製造方法に関する。
近年、手軽にタンパク質を摂取可能な栄養補助食品として、飲料やゼリー食品、ゼリー飲料等の形態のタンパク質含有酸性飲料が販売されている。これらは、単なる栄養補給としてだけでなく、タンパク質によるボディメイクやダイエットへの関心の高まりから、老若男女問わず人気を博している。
多くのタンパク質含有酸性飲料には、タンパク質源としてホエイタンパク質等の乳(牛乳等)由来のタンパク質が利用されている(特許文献1,2)。
しかしながら、ホエイタンパク質を含有するタンパク質含有酸性飲料は、喫食/喫飲した際に「被膜感」として表現される独特の不快感が口内に生じる場合があり、これが当該飲料の風味や食感を低下させる要因となっていた。そのため当該分野においては、被膜感の改善された、風味や食感の良好なタンパク質含有酸性飲料が切望されていた。
特開2020-65547号 WO2005/058071
本発明は、被膜感の改善されたタンパク質含有酸性飲料、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、ホエイタンパク質を含有するタンパク質含有酸性飲料において、ホエイタンパク質濃縮物(WPC)とホエイタンパク質分離物(WPI)を所定の割合で組み合わせて配合した場合に、被膜感が改善され風味や食感の良好なタンパク質含有酸性飲料が得られることを見出した。
本発明はこれらの新規知見に基づくものであり、以下の発明を包含する。
[1] ホエイタンパク質分離物(WPI)とホエイタンパク質濃縮物(WPC)を、乾燥重量に基づくタンパク質含量換算にしてWPI/WPC比=8未満の範囲で含む、タンパク質含有酸性飲料。
[2] WPIとWPCに由来する総タンパク質含量(乾燥重量)が飲料全体の6重量%未満の量である、[1]のタンパク質含有酸性飲料。
[3] ゲル化剤を含む、ゼリー飲料である、[1]又は[2]のタンパク質含有酸性飲料。
[4] pHが4.6以下である、[1]~[3]のいずれかのタンパク質含有酸性飲料。
[5] WPIとWPCを、乾燥重量に基づくタンパク質含量換算にしてWPI/WPC比=8未満の範囲で配合することを含む、タンパク質含有酸性飲料の製造方法。
[6] WPIとWPCに由来する総タンパク質含量(乾燥重量)が飲料全体の6重量%未満の量となるようにWPIとWPCを配合することを含む、[5]の製造方法。
[7] ゲル化剤を配合して、ゼリー飲料とすることを含む、[5]又は[6]の製造方法。
[8] 前記タンパク質含有酸性飲料のpHが4.6以下である、[5]~[7]のいずれかの製造方法。
[9] WPIとWPCを含むタンパク質含有酸性飲料の風味及び/又は食感を向上する方法であって、WPIとWPCを乾燥重量に基づくタンパク質含量換算にしてWPI/WPC比=8未満の範囲で配合することを含む、方法。
[10] WPIとWPCに由来する総タンパク質含量(乾燥重量)が飲料全体の6重量%未満の量となるようにWPIとWPCを配合することを含む、[9]の方法。
[11] 前記タンパク質含有酸性飲料がゲル化剤を含むゼリー飲料である、[9]又は[10]の方法。
[12] 前記タンパク質含有酸性飲料のpHが4.6以下である、[9]~[11]のいずれかの方法。
本発明によれば、被膜感が改善され、風味や食感の良好なタンパク質含有酸性飲料を提供することができる。
本発明は、ホエイタンパク質濃縮物(WPC)とホエイタンパク質分離物(WPI)とを含むタンパク質含有酸性飲料に関する。
「ホエイ」とは、乳(牛乳等)からカゼイン、脂肪、脂溶性ビタミン等を除いて得られる、乳糖、水溶性タンパク質、塩類等を含有する液体である。ホエイはまた、「乳清」、「ホエー」等とも呼ばれる場合がある。
「ホエイタンパク質濃縮物」、又は「whey protein concentrate;WPC」とは、ホエイをタンパク質の濃縮処理に付して得られるタンパク質濃縮物である。ホエイタンパク質濃縮物(WPC)とは、乾燥重量にしてタンパク質が15重量%以上、好ましくは25重量%以上、より好ましくは35重量%以上、さらに好ましくは45重量%以上、よりさらに好ましくは55重量%以上、特に好ましくは65重量%以上、とりわけ好ましくは75重量%以上であり、その上限は80重量%以下の量まで高められたタンパク質濃縮物を意味する。
「ホエイタンパク質分離物」、又は「whey protein isolate;WPI」とは、ホエイ又はホエイタンパク質濃縮物(WPC)をタンパク質の濃縮処理に付して得られたタンパク質濃縮物である。ホエイタンパク質分離物(WPI)とは、乾燥重量にしてタンパク質が80重量%超、好ましくは85重量%以上、より好ましくは90重量%以上であり、その上限は100重量%未満(例えば、95重量%以下)の量まで高められたタンパク質濃縮物を意味する。
ホエイやホエイタンパク質濃縮物(WPC)が付されるタンパク質の濃縮処理方法としては、例えば、限外濾過(ultrafiltration,UF)、逆浸透(reverse osmosis,RO)、精密濾過(microfiltration,MF)、ナノ濾過(nanofiltration,NF)、ダイアフィルトレーション(diafiltration,DF)等の膜分離技術、電気透析法、イオン交換樹脂法、脱塩等が挙げられ(これらに限定はされない)、これらの一又は複数を組み合わせて用いることができる(Milk Science Vol.51,No.1,page 13-26,2002;Milk Science Vol.51,No.2,page 95-103,2002)。例えば、ホエイタンパク質濃縮物(WPC)はホエイを限外濾過法に付すことにより製造することができる。また、ホエイタンパク質分離物(WPI)はホエイを限外濾過法、及び/又はナノ濾過法、ダイアフィルトレーション法、イオン交換樹脂法、もしくは電気透析法に付すことにより製造することができる。
ホエイタンパク質濃縮物(WPC)及びホエイタンパク質分離物(WPI)は粉末等の固体の形態で用いることができる。ホエイタンパク質濃縮物(WPC)及びホエイタンパク質分離物(WPI)の固体形態は、上記タンパク質の濃縮処理に付して得られた各タンパク質濃縮物を、さらに乾燥処理に付すことにより得ることができる。乾燥処理は、一般的な装置や方法を用いて行うことができ、例えば噴霧乾燥(スプレードライヤー)法、ドラム乾燥法、凍結真空乾燥(フリーズドライヤー)法、真空(減圧)乾燥法等が挙げられるが、これらに限定はされない。
本発明において、ホエイタンパク質濃縮物(WPC)及びホエイタンパク質分離物(WPI)は、従来公知の手法にしたがって乳(牛乳等)から製造されたものであってもよいし、あるいは、市販品を利用してもよい。例えば、一実施形態において、ホエイタンパク質濃縮物(WPC)は、ホエイを限外濾過で濃縮後乾燥したものを用いることができ、ホエイタンパク質分離物(WPI)は、ホエイからタンパク質のみを選択的に分離した後乾燥したものを用いることができる。
本発明のタンパク質含有酸性飲料において、ホエイタンパク質濃縮物(WPC)とホエイタンパク質分離物(WPI)とは、乾燥重量に基づくタンパク質含量換算にしてWPI/WPC比が8未満、好ましくは7以下、例えば、6.5以下、6以下、5.5以下、5以下、4.5以下、4以下、3.5以下、3以下、2.5以下、2以下、又は1.5以下の量で含まれる。
前記WPI/WPC比が8未満である場合、被膜感が抑制され風味及び/又は食感の良好なタンパク質含有酸性飲料を得ることができる。一方、WPI/WPC比が8以上であるタンパク質含有酸性飲料においては、被膜感が比較的強く感じられる。
また、前記WPI/WPC比の下限は特に限定されないが、好ましくは0.3超であり、より好ましくは0.5以上、さらに好ましくは1以上である。
前記WPI/WPC比が0.3超である場合、被膜感が抑えられると共に、乳感、臭み、及びもったり感が改善され、また良好な滑らかさを有する、風味及び/又は食感のより良好なタンパク質含有酸性飲料を得ることができる。
前記WPI/WPC比の範囲は前記上限及び下限の数値よりそれぞれ選択される2つの数値を用いて表すことができ、例えば、当該WPI/WPC比は、0.3超8未満、好ましくは0.5以上7以下、より好ましくは1以上7以下の範囲である。
また、前記WPI/WPC比が上記範囲にあることで、タンパク質含有酸性飲料の泡立ちを抑制することができる。
本発明のタンパク質含有酸性飲料において、ホエイタンパク質濃縮物(WPC)とホエイタンパク質分離物(WPI)は、両者を合わせたタンパク質の含量(本明細書中、「総タンパク質含量」と記載する場合がある)(乾燥重量)にして、飲料全体の6重量%未満、好ましくは5.5重量%以下、より好ましくは5重量%以下、例えば、4.5重量%以下、4重量%以下、3.5重量%以下の量で含まれる。当該総タンパク質含量の下限は特に限定されないが、0.5重量%以上、例えば、1重量%以上である。当該総タンパク質含量の範囲は前記上限及び下限の数値よりそれぞれ選択される2つの数値を用いて表すことができ、例えば、当該総タンパク質含量は、飲料全体の0.5重量%以上6重量%未満、好ましくは1重量%以上5.5重量%以下の範囲である。
より詳細には、本発明のタンパク質含有酸性飲料において、ホエイタンパク質濃縮物(WPC)とホエイタンパク質分離物(WPI)は、両者を合わせたタンパク質の含量(本明細書中、「総タンパク質含量」と記載する場合がある)(乾燥重量)にして、飲料180mLあたり、10g未満、好ましくは9g以下、例えば、8.5g以下、8g以下、7.5g以下、7g以下、6.5g以下、6g以下、又は5g以下の量で含まれる。なお、本発明において「飲料180mLあたり、~の量」とは、飲料における前記総タンパク質の濃度を意味するものであり、本発明のタンパク質含有酸性飲料の量を180mLに限定することを意図するものではない。飲料の量が異なる場合には(例えば、100mL、80mL等)、前記濃度と同じになるように前記総タンパク質含量を調整・決定することができる(以下においても同じである)。当該総タンパク質含量の下限は特に限定されないが、飲料180mLあたり、0.5g以上、好ましくは1g以上の量とすることができる。当該総タンパク質含量の範囲は前記上限及び下限の数値よりそれぞれ選択される2つの数値を用いて表すことができ、例えば、当該総タンパク質含量は、飲料180mLあたり、0.5g以上10g未満、好ましくは1g以上9g以下の量である。
本発明のタンパク質含有酸性飲料における前記総タンパク質含量が上記範囲内である場合、被膜感が抑制され風味及び/又は食感の良好なタンパク質含有酸性飲料を得ることができる。一方、本発明のタンパク質含有酸性飲料における前記総タンパク質含量が上記範囲よりも多い場合には、被膜感が比較的強く感じられ、またもったり感や滑らかさの低下により、好ましい風味や食感を有さない場合がある。一方、当該総タンパク質含量が上記範囲よりも少ない場合には、所望される十分な量のタンパク質を摂取することができない場合がある。
本発明のタンパク質含有酸性飲料のpH値は、25℃において4.6以下、例えば、4.3以下、4以下、3.9以下、3.7以下とすることができる。pH値が4.6以下である本発明のタンパク質含有酸性飲料においては、被膜感が弱く感じられ好ましい風味及び/又は食感を有する。より好ましくは、当該飲料のpH値は25℃において3.9以下である。pH値が3.9以下である場合には、被膜感の改善に加えて、もったり感が改善され、また良好な滑らかさを有する、風味及び/又は食感のより良好なタンパク質含有酸性飲料を得ることができる。pH値の下限値は特に限定されないが、3以上、例えば、3.5以上とすることができる。当該飲料のpH値の範囲は前記上限及び下限の数値よりそれぞれ選択される2つの数値を用いて表すことができ、例えば、当該飲料のpH値は3以上4.6以下、好ましくは3.5以上4.6以下、より好ましくは3.5以上3.9以下、さらに好ましくは3.6以上3.7以下である。
本発明のタンパク質含有酸性飲料のpHの調整は、飲食品の製造において一般的に用いられるpH調整剤、酸味料等を配合することにより行うことができる。このようなpH調整剤、酸味料としては例えば、クエン酸、乳酸、フマル酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸、コハク酸、フィチン酸、酢酸、リン酸、アジピン酸、アスコルビン酸、又はそれらの塩等が挙げられ、これらより選択される一又は複数を組み合わせて用いることができる。好ましくは、このようなpH調整剤、酸味料としては、クエン酸ナトリウム等を利用することができる。
本発明のタンパク質含有酸性飲料にはゲル化剤を配合することができる。ゲル化剤を配合することにより、本発明のタンパク質含有酸性飲料をゼリー食品やゼリー飲料の形態で提供することができる。本発明のタンパク質含有酸性飲料に配合することができる「ゲル化剤」としては、ウェランガム、カラギーナン、カードラン、寒天、キサンタンガム、グァーガム、ジェランガム、タマリンドシードガム、タラガム、ローカストビーンガム等の水溶性ゲル化剤が挙げられ、これらより選択される一又は複数を組み合わせて用いることができる。
本発明のタンパク質含有酸性飲料におけるゲル化剤の配合量は、ゼリー食品やゼリー飲料として一般的な粘度を達成することが可能な量を適宜選択することができる。例えば、本発明のタンパク質含有酸性飲料にはゲル化剤を飲料全体の0.01~1重量%、好ましくは0.1~0.5重量%の範囲で適宜含めることができる。
本発明のタンパク質含有酸性飲料には、上記ホエイタンパク質濃縮物(WPC)とホエイタンパク質分離物(WPI)に加えて、必要に応じてさらに、タンパク質含有酸性飲料に一般的に用いられているその他のタンパク質を含めてもよい。このようなタンパク質としては、大豆タンパク質、小麦タンパク質、米タンパク質、エンドウタンパク質、魚タンパク質、アーモンドタンパク質、藻類タンパク質等が挙げられるが、これらに限定はされない。これらのタンパク質は、乾燥・粉末化されたものを利用することができる。本発明のタンパク質含有酸性飲料には、これらのタンパク質を本発明の効果を損なわない範囲の量で適宜配合することができる。
本発明のタンパク質含有酸性飲料には、必要に応じてさらに、飲食品の製造において一般的に用いられている、アミノ酸(例えばグルタミン、システイン、ロイシン、アルギニン等)、多価アルコール(例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、糖アルコール等)、天然高分子(例えば、レシチン、澱粉、デキストリン等)、ビタミン(例えばビタミンC、ビタミンB群等)、ミネラル(例えばカルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄等)、食物繊維(例えばマンナン、ペクチン、ヘミセルロース等)、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤(例えばソルビタン脂肪酸エステル等)、希釈剤、安定化剤、等張化剤、pH調製剤、緩衝剤、湿潤剤、溶解補助剤、懸濁化剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤、香料、酸化防止剤、甘味料、呈味成分、酸味料、果汁、野菜汁、乳化剤等のその他成分を、本発明の効果を損なわない範囲の量で適宜含めることができる。
一態様において、本発明のタンパク質含有酸性飲料は、容器に充填した形態で提供することができる。容器の形態は特に限定されないが、パウチ、缶、瓶、チューブ、ボトル等の形状とすることができる。特に、携帯性や摂取の容易性から、スパウト付きパウチ(スパウチ、チアーパック、ソフトパウチ等と呼ばれることもある)が好ましい。容器の大きさは特に限定されないが、例えば、10~500mL(典型的には10mL、15mL、20mL、30mL、40mL、50mL、95mL、100mL、150mL、180mL、200mL、250mL、300mL、350mL、400mL、450mL又は500mL)の大きさとすることができる。
別の態様において、本発明のタンパク質含有酸性飲料は、粉末飲料の形態で提供することができる。本発明の「粉末飲料」とは上記の各成分を粉末の形態で有してなり、喫食/喫飲時に所定量の水や熱水等を加えて混合・溶解することにより本発明のタンパク質含有酸性飲料として調製され、摂取される飲料を意味する。加えられる水又は熱水の量は、ホエイタンパク質濃縮物(WPC)及びホエイタンパク質分離物(WPI)の上記総タンパク質含量が上述の範囲となる量にて適宜調整することができる。
粉末飲料は、例えば、パウチ、缶、瓶、ボトル等の容器に充填し、喫食/喫飲時にカップ1杯分をスプーン等で計量するもの、1杯分を収容したカップタイプ、カップ1杯分毎に小分け包装したもの(例えば、スティック包装、ピロー包装)等の形態で提供することができる。
本発明のタンパク質含有酸性飲料は、所定量の水と、上記所定量のホエイタンパク質濃縮物(WPC)とホエイタンパク質分離物(WPI)、ならびに必要に応じて、上記ゲル化剤及びその他成分を所定の量にて混合することによって製造することができる。各成分は全て一緒に混合してもよいし、各成分を別々にもしくは任意の組み合わせで順次添加して(順序は問わない)混合してもよい。
製造されたタンパク質含有酸性飲料は、容器への充填、及び/又は加熱殺菌処理に付すことができる。
加熱殺菌処理はタンパク質含有酸性飲料の容器への充填前に行ってもよいし、容器への充填後に行ってもよいし、あるいは容器への充填の前後に行うこともできる。典型的には、タンパク質含有酸性飲料を容器に充填密封した後に加熱殺菌処理を施す様式(後殺菌)と、タンパク質含有酸性飲料を予め加熱殺菌処理し、加熱殺菌処理の温度を保持した状態でタンパク質含有酸性飲料を容器に充填密封し、容器を殺菌する様式(ホットパック殺菌)とが挙げられる。加熱殺菌処理は酸性飲食品(pH4.6以下)に一般的に用いられる方法にて、必要な殺菌価を担保できる条件で適宜行うことができる。
本発明のタンパク質含有酸性飲料が粉末飲料である場合には、喫食時に所定量の冷水(または熱水)等で溶解した際に、上述した各配合量となるように上記各成分の粉末原料を混合すればよい。また、粉末原料は賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等と共に、公知の造粒法により造粒物としてもよい。造粒方法としては、例えば、噴霧造粒、流動層造粒、圧縮造粒、転動造粒、撹拌造粒、押出造粒、粉末被覆造粒等が挙げられる。
本発明はまた、ホエイタンパク質濃縮物(WPC)とホエイタンパク質分離物(WPI)を含むタンパク質含有酸性飲料の風味及び/又は食感を向上する方法に関する。本方法において、「ホエイタンパク質濃縮物」、「ホエイタンパク質分離物」、「タンパク質含有酸性飲料」は上記定義のとおりであり、ホエイタンパク質濃縮物(WPC)とホエイタンパク質分離物(WPI)とを上述した各量で配合することによって、当該タンパク質含有酸性飲料の被膜感を改善し、風味及び/又は食感を向上することができる。
以下、本発明を実施例により、更に詳しく説明する。
1.タンパク質含有酸性飲料の調製(I)
下記表1の組成にしたがって、各原料を混合し、WPI/WPC比の異なるゼリー飲料形態のタンパク質含有酸性飲料No.1-No.13を調製した。飲料中のWPC及びWPIに由来する総タンパク質含量(乾燥重量)は6gとし、飲料のpH(25℃)は3.6~3.7とした。なお、以下の実施例において、「WPC:WPI」、及び「WPI/WPC比」は、乾燥重量に基づくタンパク質含量換算にして表示される両者の量比を示す。
Figure 2022115389000001
2.タンパク質含有酸性飲料の官能評価
よく訓練された官能検査員5名により、タンパク質含有酸性飲料No.1-No.13を試飲し、「乳感」、「もったり感」(粘性の高い流動体の様子)、「被膜感」、「滑らか」、「臭み」、「苦味」、「えぐみ」について官能評価を行った(タンパク質含有酸性飲料No.8-No.12は「乳感」、「もったり感」、「被膜感」、「滑らか」について評価した)。各項目について、3点以上を良好な風味及び食感を有するものとして判断した。
Figure 2022115389000002
3.結果
官能評価の結果を、下記表2に示す。良好な風味及び食感を有すると判断されたもの(3点以上)を下線で示す。
この結果より、WPCのみ、及びWPI/WPC比が7以下となるタンパク質含有酸性飲料No.1-9は、「被膜感」が弱く良好な結果が得られた。タンパク質含有酸性飲料No.4-9においてはさらに、「乳感」、「もったり感」、「滑らか」の項目においても良好な結果が得られ、特に優れた風味及び食感が感じられた。
一方、WPCのみ、及びWPI/WPC比が0.3以下となるタンパク質含有酸性飲料No.1-3においては、「被膜感」は弱く感じられるものの、「乳感」、「もったり感」、「滑らか」、「臭み」について、良好な結果が得られなかった。
また、WPIのみ、及びWPI/WPC比が8以上となるタンパク質含有酸性飲料No.10-13においては、「被膜感」が強く感じられ、良好な結果が得られなかった。
Figure 2022115389000003
4.タンパク質含有酸性飲料の調製(II)
上記表1のタンパク質含有酸性飲料No.5-7,11-13の配合に、甘味料、ビタミン、ミネラル、果汁、フレーバーを加えて配合したタンパク質含有酸性飲料No.5a-7a,11a-13aを調製した。代表的な組成を以下の表3に示す。
ビタミン等をさらに配合して調製したタンパク質含有酸性飲料について、上記官能評価を行った。結果、表2と同様の結果が得られ、ビタミン等の添加は、WPI/WPC比によってもたらされる効果に影響を与えないことが確認された。
Figure 2022115389000004
5.総タンパク質含量の検討
下記表4の組成にしたがって、飲料中のWPC及びWPIに由来する総タンパク質含量(乾燥重量)を6g、7g、8g、9g、10g、11gに変更したタンパク質含有酸性飲料No.14-19を作製し(WPC:WPIは1:5)、「乳感」、「もったり感」、「被膜感」、「滑らか」について上記と同様に官能評価を行った。各項目について、3点以上を良好な風味を有するものとして判断した。
Figure 2022115389000005
官能評価の結果を、下記表5に示す。良好な風味を有すると判断されたもの(3点以上)を下線で示す。
この結果より、飲料中の総タンパク質含量が9g以下となるタンパク質含有酸性飲料No.14-17においては、「被膜感」が弱く良好な結果が得られた。さらに、「乳感」、「もったり感」、「滑らか」のいずれの項目においても良好な結果が感じられた。
一方、飲料中の総タンパク質含量が10g以上となるタンパク質含有酸性飲料No.18、19においては、「被膜感」が強く、また「もったり感」、「滑らか」の項目においても良好な結果が得られなかった。
Figure 2022115389000006
6.飲料pHの検討
下記表6の組成にしたがって、上記飲料No.7の組成において、飲料のpHをクエン酸ナトリウムを用いてpH3.5、3.7、3.9、4.0、4.3、4.6としたタンパク質含有酸性飲料No.20-25を作製し、「乳感」、「もったり感」、「被膜感」、「滑らか」について上記と同様に官能評価を行った。各項目について、3点以上を良好な風味を有するものとして判断した。
Figure 2022115389000007
官能評価の結果を、下記表7に示す。良好な風味を有すると判断されたもの(3点以上)を下線で示す。
この結果より、飲料のpHが4.6以下となるタンパク質含有酸性飲料No.20-25においては、「被膜感」が弱く良好な結果が得られた。さらに、飲料のpHが3.9以下となるタンパク質含有酸性飲料No.20-22においては、「乳感」、「もったり感」、「滑らか」の項目においても良好な結果が得られた。
Figure 2022115389000008
7.飲料形態(粘度)の検討
下記表8の組成にしたがって、上記飲料No.7の組成において、ゲル化剤を含まない(「0%」と表示)液体のタンパク質含有酸性飲料、ならびにゲル化剤の量を50%及び100%とした粘度の異なるゼリー状の各タンパク質含有酸性飲料No.26-28を作製し、「乳感」、「もったり感」、「被膜感」、「滑らか」について上記と同様に官能評価を行った。各項目について、3点以上を良好な風味を有するものとして判断した。
Figure 2022115389000009
官能評価の結果を、下記表9に示す。良好な風味を有すると判断されたもの(3点以上)を下線で示す。
この結果より、飲料の形態又は粘度の程度の違いに関わらず、タンパク質含有酸性飲料No.26-28においては、「乳感」、「もったり感」、「被膜感」「滑らか」のいずれの項目においても良好な結果が得られた。
Figure 2022115389000010
以上の結果より、飲料中に含まれるWPI/WPC比を調整することによって、被膜感の改善された、良好な風味や食感を有するタンパク質含有酸性飲料が得られることが確認された。

Claims (12)

  1. ホエイタンパク質分離物(WPI)とホエイタンパク質濃縮物(WPC)を、乾燥重量に基づくタンパク質含量換算にしてWPI/WPC比=8未満の範囲で含む、タンパク質含有酸性飲料。
  2. WPIとWPCに由来する総タンパク質含量(乾燥重量)が飲料全体の6重量%未満の量である、請求項1に記載のタンパク質含有酸性飲料。
  3. ゲル化剤を含む、ゼリー飲料である、請求項1又は2に記載のタンパク質含有酸性飲料。
  4. pHが4.6以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載のタンパク質含有酸性飲料。
  5. WPIとWPCを、乾燥重量に基づくタンパク質含量換算にしてWPI/WPC比=8未満の範囲で配合することを含む、タンパク質含有酸性飲料の製造方法。
  6. WPIとWPCに由来する総タンパク質含量(乾燥重量)が飲料全体の6重量%未満の量となるようにWPIとWPCを配合することを含む、請求項5に記載の製造方法。
  7. ゲル化剤を配合して、ゼリー飲料とすることを含む、請求項5又は6に記載の製造方法。
  8. 前記タンパク質含有酸性飲料のpHが4.6以下である、請求項5~7のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. WPIとWPCを含むタンパク質含有酸性飲料の風味及び/又は食感を向上する方法であって、WPIとWPCを乾燥重量に基づくタンパク質含量換算にしてWPI/WPC比=8未満の範囲で配合することを含む、方法。
  10. WPIとWPCに由来する総タンパク質含量(乾燥重量)が飲料全体の6重量%未満の量となるようにWPIとWPCを配合することを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記タンパク質含有酸性飲料がゲル化剤を含むゼリー飲料である、請求項9又は10に記載の方法。
  12. 前記タンパク質含有酸性飲料のpHが4.6以下である、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
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