JP6182932B2 - 蓄電デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、蓄電デバイスに関する。
従来、出力密度の高い蓄電デバイスとして電気二重層キャパシタが知られている。この電気二重層キャパシタは、通常、電解液に一対の活性炭電極を浸漬した構造を有している。しかしながら、この電気二重層キャパシタは、エネルギー密度が小さく、長時間の放電が必要とされる用途では設置スペースが大きくなるなど、不向きであり、高エネルギ密度化(高容量化)が検討されるようになった。高容量化の代表的な方法として、活性炭電極の比表面積の増大が考えられ、例えば、活性炭を種々の方法で処理することにより容量の増大化が図られた。
また、電解液についても、種々の検討がなされている。例えば、非水系溶媒と、リチウム塩と第四級アンモニウム塩を含み、塩濃度が電解液全体に対して3.0mol/dm3以下の電解液を用いると、正極の静電容量を高めることができるとされている(特許文献1参照)。また、例えば、LiBF4を含む1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EMIBF4)を電解液として用いると、エネルギー密度を高め、特に、正極の静電容量を高めることができるとされている(非特許文献1参照)。
特開2008−283161号公報
Electrochemistry, Vol. 73. No.08 2005, 600-602
しかしながら、上述した特許文献1や非特許文献1に記載のものでは、正極の静電容量を高めることができるものの、負極の静電容量を高めることについては検討されていなかった。このため、負極の静電容量を高めることが望まれていた。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、負極の静電容量を高めることのできる蓄電デバイスを提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明者らは、LiBF4などの電解質の他に、アミンを含む非水電解液を用いて蓄電デバイスを作製したところ、負極の静電容量を高めることができることを見いだし、本発明を完成するに至った
即ち、本発明の蓄電デバイスは、
イオン及びアミンを含む非水電解液と、
前記非水電解液に含まれるイオンを吸着脱離可能な負極と、
前記非水電解液を介して前記負極と対向する正極と、
を備えたものである。
この蓄電デバイスでは、負極の静電容量を高めることができる。こうした効果が得られる理由としては、例えば、非水電解液に含まれるイオンとアミンとの間に何らかの相互作用が働くことによって、負極表面へのイオンの吸着量が増加するためと推察される。
蓄電デバイス10の概略を示す説明図。 実施例1及び比較例1,2の10サイクル目のサイクリックボルタモグラム。 実施例1及び比較例1,2の10サイクル目の負極の静電容量と電圧との関係を表すグラフ。 実施例1の16〜20サイクル目のサイクリックボルタモグラム。
本発明の蓄電デバイスは、イオン及びアミンを含む非水電解液と、非水電解液に含まれるイオンを吸着脱離可能な負極と、非水電解液を介して負極と対向する正極と、を備えている。本発明の蓄電デバイスにおいて、非水電解液は、アニオンやカチオンといったイオンを含んでおり、負極は、非水電解液に含まれるイオンの吸着により蓄電し、正極は、非水電解液に含まれるイオンの吸着、インターカレーション又は電気化学反応のうち1以上により蓄電するものとしてもよい。即ち、本発明の蓄電デバイスは、電気二重層キャパシタや、イオンキャパシタや、ハイブリッドキャパシタなどの電気化学キャパシタとして構成してもよい。以下、本発明の蓄電デバイスは、電気二重層キャパシタとして構成されているものを主として説明する。
本発明の蓄電デバイスにおいて、非水電解液は、イオン及びアミンを含んでいる。非水電解液は、例えば、支持塩を含む有機溶媒にアミンを添加したものとしてもよい。こうした非水電解液では、支持塩を構成するアニオンやカチオンをイオンとして含む。支持塩を構成するアニオンとしては、例えば、PF6 -、BF4 -、ClO4 -、Br-、Cl-、F-等の無機アニオンのほか、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(TFSI) や、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(BETI)等のイミドアニオンなどが挙げられる。支持塩を構成するカチオンは、特に限定されるものではないが、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン及びオニウムイオンからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。アルカリ金属イオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどが好ましく、リチウムイオンがより好ましい。アルカリ土類金属イオンとしては、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオンなどが好ましい。オニウムイオンとしては、アンモニウムイオン(第四級アンモニウムイオン)や、ホスホニウムイオン、オキソニウムイオン、スルホニウムイオン、フルオロニウムイオン、クロロニウムイオン、ヨードニウムイオンなどが好ましく、アンモニウムイオンがより好ましい。アンモニウムイオンとしては、例えば、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピペリジニウムイオンなどの環状のアンモニウムイオンや、鎖状のアンモニウムイオン等が挙げられる。イミダゾリウムとしては、1−エチル−3−メチル−イミダゾリウム(EMI)、1−エチル−3−ブチルイミダゾリウム、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウム、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウム、1−(ヒドロキシエチル)−3−メチルイミダゾリウムなどが挙げられる。ピリジニウムとしては、1−ブチル−3−メチルピリジニウムや1−ブチルピリジニウムなどが挙げられる。ピロリジニウムとしては、N,N−ジメチルプロピルピロリジニウム、N−メチル−N−エチルピロリジニウム、N−メチル−N−プロピルピロリジニウム(P13)、N−メチル−N−ブチルピロリジニウム(P14)などが挙げられる。ピペリジニウムとしては、N,N−ジメチルプロピルピペリジニウム、N−メチル−N−エチルピペリジニウム、N−メチル−N−プロピルピペリジニウム(PP13)、N−メチル−N−ブチルピペリジニウム(PP14)などが挙げられる。鎖状のアンモニウムとしては、N,N,N−トリエチル−N−メチルアンモニウム(TEMA)、N,N,N−トリメチル−N−プロピルアンモニウム(TMPA)、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム、N,N−ジメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムなどが挙げられる。アニオンとカチオンの組み合わせは特に限定されないが、例えば、LiBF4やTEMA・BF4などが好ましい。支持塩の濃度としては、0.1〜2.0Mであることが好ましく、0.8〜1.8Mであることがより好ましい。有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネートやプロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネートなどの環状カーボネート類や、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチル−n−ブチルカーボネート、メチル−t−ブチルカーボネート、ジ−i−プロピルカーボネート、t−ブチル−i−プロピルカーボネートなどの鎖状カーボネート類、γ−ブチルラクトン、γ−バレロラクトンなどの環状エステル類、ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酪酸メチルなどの鎖状エステル類、ジメトキシエタン、エトキシメトキシエタン、ジエトキシエタンなどのエーテル類、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、などのフラン類、スルホラン、テトラメチルスルホランなどのスルホラン類、1,3−ジオキソラン、メチルジオキソランなどのジオキソラン類などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
アミンは、特に限定されるものでなく、メチルアミンやエチルアミン、フェニルアミン、ベンジルアミン、エチレンジアミン、ペンタン−1,2,5トリイルトリアミンなどの第一級アミンでもよいし、ジメチルアミンやジエチルアミン、エチルメチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピロール、ピリジンなどの第二級アミンでもよいし、トリメチルアミンやトリエチルアミン、N−エチル−Nメチルブタン−1−アミン、N−ブチルジメチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、1−エチルピロリジン、1−(3−シアノプロピル)ピロリジンや、4−メチルモルホリンなどの第三級アミンでもよいが、例えば第三級アミンを好適に用いることができる。また、アミンは、脂肪族アミンでもよいし、脂環族アミンでもよいし、芳香族アミンでもよいが、脂肪族アミン及び脂環族アミンが好ましい。負極の静電容量をより高めることができるからである。なお、窒素に結合する鎖状の炭化水素基は、直鎖でもよいし分岐鎖を有するものでもよい。鎖状の炭化水素基の炭素数は、1以上10以下や、1以上5以下などとしてもよい。炭素数が比較的小さいものでは、プロピレンカーボネートのような極性の高い溶媒に対する溶解性を高めることができる。また、鎖状の炭化水素基は、シアノ基などの置換基を有していてもよい。
この、アミンは、酸解離定数pKaが、0.1以上13以下であることが好ましい。このうち、7以上であることがより好ましく、9以上であることがさらに好ましい。また、12以下であるものとしてもよく、11以下であるものとしてもよい。こうしたものでは、そのルイス塩基性により、負極の静電容量をより高めることができる。なお、pKaの一例を挙げると、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)のpKaは12.7であり、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)のpKaは12.5であり、N,N−ジイソプロピルエチルアミンのpKaは11であり、ジエチルアミンのpKaは10.9であり、トリエチルアミンのpKaは10.7であり、エチルアミンのpKaは10.6であり、N−ブチルジメチルアミンのpKaは9.84であり、トリメチルアミンのpKaは9.8であり、アンモニアのpKaは9.3であり、4−メチルモルホリンのpKaは7.4であり、ピロールのpKaは0.4である。DBNやDBUは、有機化合物系の塩基(非金属系)で容易に入手できる試薬において、特に強い塩基性を示すものとして知られている。
アミンの濃度としては、0.1M以上5M以下であることが好ましく、0.8M以上1.8M以下であることがより好ましい。また、アミンの溶解量は、負極で吸着脱離されるイオンの溶解量に対して、0.1モル当量以上5モル当量以下が好ましく、0.5モル当量以上2モル当量以下がより好ましい。0.1モル当量以上であれば、イオンとアミンとの間に十分に相互作用が働くと考えられ、5モル当量以下であれば、アミンが多くなりすぎない。なお、負極で吸着脱離されるイオンの濃度は、上述した支持塩を構成するアニオンとカチオンの比率が1:1の場合には、支持塩の濃度と同じである。
本発明の蓄電デバイスにおいて、負極は、例えば負極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の負極材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成したものとしてもよい。負極活物質は、非水電解液に含まれるイオンを吸着脱離可能であることが好ましく、カチオンを吸着脱離可能であることが好ましい。こうした負極活物質としては、例えば、比表面積の大きな炭素材料としてもよい。炭素材料としては、例えば、活性炭や活性炭素繊維、ケッチェンブラックなどが挙げられ、このうち、活性炭が好ましい。炭素材料の比表面積は、例えば、100m2/g以上であることが好ましく、500m2/g以上であることがより好ましい。比表面積が100m2/g以上であれば、イオンの吸着脱離をより多く行うことができ 、放電容量をより高めることができる。
導電材は、電極性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば特に限定されず、例えば、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛)や人造黒鉛などの黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウィスカ、カーボンナノチューブ、ニードルコークス、炭素繊維、金属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金など)などの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。結着材は、活物質粒子及び導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)、スルホン化EPDMゴム、天然ブチルゴム(NBR)等を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。活物質、導電材、結着材を分散させる溶剤としては、例えばN−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチレントリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどの有機溶剤を用いることができる。また、水に分散剤、増粘剤等を加え、SBRなどのラテックスで活物質をスラリー化してもよい。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどの多糖類を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。塗布方法としては、例えば、アプリケータロールなどのローラコーティング、スクリーンコーティング、ドクターブレイド方式、スピンコーティング、バーコータなどが挙げられ、これらのいずれかを用いて任意の厚さ・形状とすることができる。集電体としては、アルミニウム、銅、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラスなどのほか、接着性、導電性及び耐酸化性向上の目的で、アルミニウムや銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものを用いることができる。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。集電体の形状については、箔状、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などが挙げられる。集電体の厚さは、例えば1〜500μmのものが用いられる。
本発明の蓄電デバイスにおいて、正極は、例えば正極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の正極材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成したものとしてもよい。正極活物質は、アニオンを吸蔵放出可能なものであることが好ましく、例えば、炭素材料や金属酸化物などが挙げられる。炭素材料としては、黒鉛、カーボンブラック、活性炭などが挙げられる。金属酸化物としては、例えば、ニッケル、コバルト、マンガンなどの遷移金属を含むリチウム遷移金属複合酸化物などが挙げられる。正極に用いられる導電材、結着材、溶剤などは、それぞれ負極で例示したものを用いることができる。正極の集電体としては、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラスなどのほか、接着性、導電性及び耐酸化性向上の目的で、アルミニウムや銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものを用いることができる。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。集電体の形状は、負極と同様のものを用いることができる。
本発明の蓄電デバイスは、負極と正極との間にセパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、蓄電デバイスの使用範囲に耐えうる組成であれば特に限定されないが、例えば、ガラス繊維製のガラスフィルタや、ポリプロピレン製不織布、ポリフェニレンスルフィド製不織布などの高分子不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の薄い微多孔膜が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
本発明の蓄電デバイスの形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。
こうした蓄電デバイスでは、負極の静電容量を高めることができる。こうした効果が得られる理由としては、例えば、非水電解液に含まれるイオンとアミンとの間に何らかの相互作用が働くことによって、負極表面へのイオンの吸着量が増加するためと推察される。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
以下では、蓄電デバイスを具体的に作製した例について、実施例として説明する。
[実施例1]
1.蓄電デバイス(セル)の作製
非水電解液は、以下のように調整した。まず、1Mのリチウムテトラフルオロボレート(LiBF4)のプロピレンカーボネート(PC)溶液(富山薬品化学工業)を準備した。この溶液に、第三級アミンであるN−ブチルジメチルアミン(東京化成工業)を、非水電解液中の支持塩(LiBF4)に対して1モル当量となるように混合し、非水電解液を調整した。
電極は、以下のように作製した。まず、活物質としての活性炭(MSP−20、関西熱化学株式会社、BET:2000m2/g)と、導電材としてのアセチレンブラックと、結着材としてのPVDF粉末とを、85:5:10の割合で混合し、乳鉢で混錬し、成形装置を用いてシート化した。得られたシートから、直径1.2cmの円形のシートを打ち抜いて、負極を作製した。また、得られたシートから、直径1.6cmの円形のシートを打ち抜いて、正極を作製した。
得られた非水電解液、負極及び正極を用いて、次のように蓄電デバイスを作製した。図1は、3電極セルとして構成された蓄電デバイス10の構成を表す説明図である。まず、アルミニウム製の円筒基体12に集電部材32を接続した。そして、円筒基体12の上面中央に設けられたキャビティ14に、負極16とセパレータ18と正極20とをこの順に積層した。次に、キャビティ14の内周に密接するように絶縁リング22を配置し、キャビティ14に1mLの非水電解液36を注入し、絶縁リング22の内周に導電性の押圧部材33を挿入した。なお、絶縁リング22は、図示しない貫通孔が上下方向に設けられ、非水電解液36が流通可能となっている。続いて、押圧部材33の上部中央に設けられた支柱に導電性の押圧バネ34を挿通した。次に、円筒基体12の上面にパッキン28及び絶縁リング29を配置し、その上に導電性の蓋26を配置した。蓋26は、あらかじめ、集電部材37を接続し、側面が絶縁体でコーティングされた参照極42を挿入したものである。そして、図示しない挟持部材で円筒基体12の下面と蓋26の上面とを挟持し、円筒基体12と蓋26とが近接する方向に力を加えて固定した。最後に、参照極42の先端が非水電解液36に接触するよう、参照極42の高さを調整して、蓄電デバイス10とした。この蓄電デバイス10は、集電部材32と円筒基体12と負極16とが一体化されて負極側となり、集電部材37と蓋26と押圧バネ34と押圧部材33と正極20とが一体化されて正極側となり、参照極42が参照極側となる。このとき、押圧部材33、正極20、セパレータ18及び負極16にかかる押圧力は、押圧バネ34によって、適切な力に調整されている。なお、蓄電デバイス10は、負極16と正極20と参照極42とが、絶縁リング22及び絶縁リング29により絶縁されている。また、セパレータにはポリエチレンセパレーター(旭化成社製)を、参照極には非水溶媒系参照電極(Ag/Ag+)(ビーエーエス社製)を用いた。セルの作製は、アルゴン置換グローブボックス中で行った。
2.サイクリックボルタンメトリー(CV)の測定
CV測定は、電気化学測定システム(北斗電工社製、HZ−3000)を用いて行った。負極の静電容量を調べるため、自然電位からLi基準換算で1.5Vまでの電位範囲の間で測定を行った。走査速度は0.5mV/sとした。そして、10サイクル目のCV測定における通過電気量を走査電位範囲で割ることにより負極の静電容量を算出した。
[実施例2,3]
N−ブチルジメチルアミンを1−エチルピロリジン(和光純薬工業)に変えた以外は、実施例1と同様にして実施例2のセルを作製し、CV測定を行った。N−ブチルジメチルアミンを1−(3−シアノプロピル)ピロリジン(東京化成工業)に変えた以外は、実施例1と同様にして実施例3のセルを作製し、CV測定を行った。
[実施例4,5]
N−ブチルジメチルアミンを4−メチルモルホリン(東京化成工業)に変えた以外は、実施例1と同様にして実施例4のセルを作製し、CV測定を行った。また、4−メチルモルホリン(東京化成工業)の量を、非水電解液中の支持塩に対して1モル当量から2モル当量に変えた以外は、実施例4と同様にして実施例5のセルを作製し、CV測定を行った。
[実施例6]
N−ブチルジメチルアミンの量を、非水電解液中の支持塩に対して1モル当量から0.5モル当量に変えた以外は、実施例1と同様にして実施例6のセルを作製し、CV測定を行った。
[実施例7]
N−ブチルジメチルアミンを1−メチルピロール(東京化成工業)に変えた以外は、実施例1と同様にして実施例7のセルを作製し、CV測定を行った。
[実施例8]
1MのLiBF4のPC溶液を、1Mのトリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート(TEMA・BF4)のPC溶液(富山薬品化学工業)に変え、N−ブチルジメチルアミンを4−メチルモルホリン(東京化成工業)に変えた以外は、実施例1と同様にして実施例8のセルを作製し、CV測定を行った。
[実施例9]
N−ブチルジメチルアミンをN,N−ジイソプロピルエチルアミン(東京化成工業)に変えた以外は、実施例1と同様にして実施例9のセルを作製し、CV測定を行った。なお、この実施例9では、非水電解液の調整にあたり、一晩撹拌したが、N,N−ジイソプロピルエチルアミンのPC溶媒に対する溶解性が低く2層に分離した為、リチウム塩が溶解している層を非水電解液として用いた。
[比較例1,2]
N−ブチルジメチルアミンを含まない非水電解液を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例1のセルを作製し、CV測定を行った。また、4−メチルモルホリンを含まない非水電解液を用いた以外は、実施例8と同様にして比較例2のセルを作製し、CV測定を行った。
[実験結果]
表1には、実施例1〜9及び比較例1,2の負極の静電容量(10サイクル目)を示した。なお、この表1には、非水電解液中のアミンの種類、構造式、支持塩に対するモル当量や、支持塩の種類も示した。また、図2には、実施例1及び比較例1,2の10サイクル目のサイクリックボルタモグラムを示した。図3には、実施例1及び比較例1,2の10サイクル目の負極の静電容量と電圧との関係を表すグラフを示した。図4には、実施例1の16〜20サイクル目のサイクリックボルタモグラムを示した。
Figure 0006182932
まず、支持塩としてLiBF4を用いた実施例1〜7,9及び比較例1を比較すると、アミンを添加しなかった比較例1では負極の静電容量は90F/gであったのに対して、アミンを含む実施例1〜7,9では負極の静電容量は122〜260F/gと高くなった。このことから、アミンを添加することで、負極の静電容量を高めることができることがわかった。
このうち、アミンの溶解量が同一(支持塩に対して1モル当量)で、アミンの種類が異なる実施例1〜4,7を比較すると、pKaが9.84であるN−ブチルジメチルアミンを用いた実施例1や、pKaがN−ブチルジメチルアミンと同程度以上と考えられる1−エチルピロリジンや1−(3−シアノプロピルピロリジン)を用いた実施例2,3では負極の静電容量が特に高かった。また、pKaが7.4である4−メチルモルホリンを用いた実施例4では負極の静電容量が次に高く、pKaが0.4程度と考えられる1−メチルピロールを用いた実施例7では負極の静電容量がその次に高かった。以上より、アミンは、pKaが、例えば0.1以上であることが好ましく、7以上であることがより好ましく、9以上であることがさらに好ましいと推察された。また、負極の静電容量が特に高かった実施例1のアミンは脂肪族アミンであり、負極の静電容量が特に高かった実施例2,3及び次に高かった比較例4のアミンは脂環族アミンであった。このことから、アミンは、脂肪族アミン又は脂環族アミンであることが好ましいと推察された。
また、アミンの種類が同一(4−メチルモルホリン)で、添加量が異なる実施例4,5を比較すると、添加量が多い実施例5のほうが、負極の静電容量が高かった。また、アミンの種類が同一(N−ブチルジメチルアミン)で、添加量が異なる実施例1,6を比較すると、添加量が多い実施例1のほうが、負極の静電容量が高かった。以上より、アミンの溶解量を増やすことで、負極の静電容量を高めることができると推察された。
さらに、実施例9では、pKaが11であるN,N−ジイソプロピルエチルアミンを用いているが、負極の静電容量が低かった。この理由は、N,N−ジイソプロピルエチルアミンは、非水電解液に対する溶解性が低く、非水電解液に溶解しているアミンの量が少ないためと推察された。このことから、アミンは、非水電解液に対する溶解度が高いものであることが好ましいと推察された。
次に、支持塩としてTEMA・BF4を用いた実施例8及び比較例2を比較すると、アミンを添加しなかった比較例2では、負極の静電容量は、130F/gであるのに対して、アミンを含む実施例8では、負極の静電容量は170F/gと高くなった。このことから、支持塩に含まれるカチオンは、アルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオンに限定されず、オニウムイオンなどでもよいことがわかった。
また、図2や図4に示すように、実施例1のものでは、サイクリックボルタモグラムが非常に安定していた。また、実施例2〜9についても同様であった。このことから、本発明の蓄電デバイスは、サイクル特性も良好であると推察された。
10 蓄電デバイス、12 円筒基体、14 キャビティ、16 負極、18 セパレータ、20 正極、22 絶縁リング、26 蓋、28 パッキン、29 絶縁リング、32,37 集電部材、33 押圧部材、34 押圧バネ、36 非水電解液、42 参照極。

Claims (8)

  1. イオン及びN−ブチルジメチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、1−エチルピロリジン、1−(3−シアノプロピル)ピロリジン、4−メチルモルホリン及び1−メチルピロールのうち1以上のアミンを含む非水電解液と、
    前記非水電解液に含まれるイオンを吸着脱離可能な負極と、
    前記非水電解液を介して前記負極と対向する正極と、
    を備えた蓄電デバイス。
  2. 前記アミンは、酸解離定数pKaが、0.1以上13以下である、請求項1に記載の蓄電デバイス。
  3. 前記アミンは、第三級アミンである、請求項1又は2に記載の蓄電デバイス。
  4. 前記イオンは、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン及びオニウムイオンからなる群より選ばれる1種以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄電デバイス。
  5. 前記非水電解液において、前記アミンの溶解量は、前記イオンの溶解量に対して0.5モル当量以上2モル当量以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄電デバイス。
  6. 前記アミンは、脂肪族アミン及び脂環族アミンのうち少なくとも一方である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の蓄電デバイス。
  7. 前記アミンは、窒素に結合する鎖状の炭化水素基が全て直鎖である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の蓄電デバイス。
  8. 前記蓄電デバイスは、電気化学キャパシタである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の蓄電デバイス。
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