JP2013218786A - 非水系空気電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】非水系空気電池の電池容量をより高めると共に、放電電圧をより高める。
【解決手段】本発明の非水系空気電池は、正極と、負極と、正極と負極との間に介在し、ランタノイドを含む第3族金属イオンを含む非水系のイオン伝導媒体と、を備えたものである。この非水系空気電池は、酸素により充放電するものであり、イオン伝導媒体は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、典型金属のイオンを伝導するものとしてもよい。このうち、リチウムを伝導する非水系のリチウム空気電池が好ましい。また、第3族金属イオンとしては、スカンジウム、イットリウム及びランタンのうち少なくとも1以上であることが好ましい。この第3族金属イオンの添加量は、0.001M以上1.0M以下の濃度範囲であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、非水系空気電池に関する。
従来、非水系空気電池としては、正極と、負極と、非水電解質と、正極に酸素を供給するための空気孔を備えるケースとを具備した非水系空気電池において、正極が組成の異なる2つの層からなり、空気孔側に少なくとも酸素還元能を有する層、負極側に少なくともリチウムイオン吸蔵能を有する層が、それぞれ配置されたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この電池では、高容量で、かつ大電流放電に対応可能であるとしている。
特開2006−286414号公報
しかしながら、上述の特許文献1の非水系空気電池では、正極を2層に形成することにより、高容量で、かつ大電流放電に対応可能なものとしているが、まだ十分でなく、電池性能の更なる向上が望まれていた。例えば、リチウム空気電池の放電電位は、放電反応によって生じるLi酸化物の酸化還元電位で決定されるが、一般的なリチウムイオン電池(約3.7V)と比べても低く(約2.5V)、これを向上できればより利便性の高い電池になると考えられる。しかし一方で、伝導するLiと酸素との組み合わせが決まっている以上、その電位は普遍であるとも考えられ、その電位そのものを向上しようという試みは従来なされていなかった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、電池容量をより高めると共に、放電電圧をより高めることができる非水系空気電池を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、非水系の電解液に第3族元素のイオンを溶解させると、電池容量をより高めると共に、放電電圧をより高めることができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の非水系空気電池は、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に介在し、ランタノイドを含む第3族金属イオンを含む非水系のイオン伝導媒体と、を備えたものである。
本発明の非水系空気電池は、電池容量をより高めると共に、放電電圧をより高めることができる。このような効果が得られる理由は明らかではないが、以下のように推測される。例えば、空気電池の放電電位は、酸素(O2)が酸素イオン(O2-)になるための還元電位によって決定される。その際、予め酸素イオンに対して強力に結合する金属イオンをイオン伝導媒体に添加しておくと、酸素イオンがこの金属イオンによって安定化されるため、還元電位が電気化学的に卑にシフトし、すなわち電池としての放電電位が高くなるものと推察される。また、この効果により、放電時に生成する酸化物(例えば、リチウム空気電池では過酸化物のLi22)の生成速度も速くなることから、その蓄積状態がより均一になり、すなわちより多くの酸化物を電極上に析出、蓄積させることができ、放電容量が大幅に増大するものと推察される。
F型電気化学セル20の説明図。 実施例1及び比較例1の放電曲線。 実施例2及び比較例1の放電曲線。 実施例3及び比較例1の放電曲線。
本発明の非水系空気電池は、正極と、負極と、正極と負極との間に介在し、ランタノイドを含む第3族金属イオン(以下、単に第3族金属イオンとも称する)を含む非水系のイオン伝導媒体と、を備えたものである。この非水系空気電池は、酸素により充放電するものであり、酸素源としては、酸素ガスを用いるものとしてもよいし、空気を用いるものとしてもよい。また、イオン伝導媒体は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、典型金属のイオンを伝導するものとしてもよい。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどが挙げられ、アルカリ土類金属としては、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられ、典型金属としては、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛などが挙げられる。このうち、リチウムが好ましく、以下、非水系のリチウム空気電池について主として説明する。
本発明の非水系空気電池において、イオン伝導媒体は、非水系電解液としてもよい。この非水系電解液は、例えばリチウムを有する支持塩を非水系の溶媒に溶解させたものであってもよい。リチウムを有する支持塩は、特に限定されるものではないが、例えば、ヘキサフルオロホスフェート塩(LiPF6),パークロレート塩(LiClO4),テトラフルオロボレート塩(LiBF4),ペンタフルオロアルシン塩(LiAsF5),ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド塩(Li(CF3SO22N),ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド塩(LiN(C25SO22),トリフルオロメタンスルホン酸塩(Li(CF3SO3)),ノナフルオロブタンスルホン酸塩(Li(C49SO3))、ペンタフルオロアルシン塩(LiAsF5)などの公知の支持塩を用いることができる。このうち、パークロレート塩、テトラフルオロボレート塩、イミド塩であることが好ましく、Li(CF3SO22Nがより好ましい。この支持塩の濃度としては、0.1mol/L以上2.0mol/L以下であることが好ましく、0.5mol/L以上1.2mol/L以下であることがより好ましい。リチウムを有する支持塩は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。
非水系の溶媒としては、エチレンカーボネート,プロピレンカーボネート,ブチレンカーボネート,ビニレンカーボネートなどの環状カーボネート、ジエチルカーボネート,ジメチルカーボネート,エチルメチルカーボネートなどの鎖状カーボネート、ガンマブチロラクトン,ガンマバレロラクトンなどの環状エステルカーボネート、テトラヒドロフラン,2−メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテル、ジメトキシエタン,エチレングリコールジメチルエーテルなどの鎖状エーテルなどのほか、クロロエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、3−メトキシプロピオニトリル、リン酸トリメチル、リン酸トリフェニル、スルホラン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルなどの公知の有機溶媒を用いることができる。これらの有機溶媒は、単独で用いてもよいが、2以上を混合して用いてもよい。また、これらの有機溶媒の水素の全部又は一部が重水素である重水素化溶媒を用いてもよい。例えば、3−メトキシプロピオニトリルやジメチルスルホキシド、アセトニトリルの重水素化溶媒、具体的には、ジメチルスルホキシド−d6、アセトニトリル−d3のいずれかの重水素化溶媒を用いることができる。また、非水系溶媒としては、そのほかにイオン性液体やゲル電解質などを用いてもよい。イオン性液体としては、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロスルホニル)イミド、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロスルホニル)イミド、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロスルホニル)イミド、1−エチル−3−ブチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートなどを用いることができる。また、イオン性液体と上述した有機溶媒及び重水素化溶媒のうち1以上が含まれる混合溶媒であってもよい。ゲル電解質としては、公知のゲル電解質を用いることができ、例えば、ポリフッ化ビニリデンやポリエチレングリコール、ポリアクリロニトリルなどの高分子、アミノ酸誘導体、ソルビトール誘導体などの糖類に、上述した支持塩を含む電解液を含ませてなるゲル電解質が挙げられる。
この非水系イオン伝導媒体は、ランタノイドを含む第3族金属イオンを含んでいる。この第3族金属イオンは、酸素イオンとの結合エネルギー△Eが高いほど好ましい。この結合エネルギー△E(eV)は、酸素イオン(O2 ・-)−金属イオン(Men+;nは2〜4)の結合エネルギーを、電子スピン共鳴法(ESR)により求めた値をいうものとする。この測定方法については、非特許文献1;(Chemistry A European Journal.6,No.24 4532-4535(2000))に記載されている。この結合エネルギーは、例えば、Li+が0.53eVであり、Mg2+が0.65eV、Ca2+が0.58eV、Sr2+が0.52eV、Sc3+が1.00eV、Y3+が0.85eV、La3+が0.82eV、Eu3+が0.82eV、Yb3+が0.83eV、Lu3+が0.83eVである。この第3族金属イオンは、酸素イオンとの結合エネルギー(△E)がリチウムイオンの結合エネルギーよりも高いことが好ましく、0.80eV以上であることがより好ましい。こうすれば、非水系空気電池の電池容量をより高めると共に、放電電圧をより高めることができる。このうち、スカンジウム、イットリウム及びランタンのうち少なくとも1以上が、より好ましい。比較的豊富に存在し、取り扱いも容易であるからである。この第3族金属イオンの添加量は、0.001M以上1.0M以下の濃度範囲であることが好ましく、0.005M以上0.5M以下の濃度範囲であることがより好ましい。0.001Mより少ないと酸素イオンの発生量に及ばず効果が薄く、また、1Mより多い場合はリチウムイオンの輸送が妨げられるためである。
第3族金属イオンのカウンターアニオンは、特に限定されないが、例えば、イオン伝導媒体に含まれる支持塩のカウンターアニオンと同じものとすることが好ましい。イオン伝導媒体に添加する第3族金属化合物としては、例えば、第3族金属イオンのヘキサフルオロホスフェート塩,パークロレート塩,テトラフルオロボレート塩,ペンタフルオロアルシン塩,ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド塩,ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド塩,トリフルオロメタンスルホン酸塩,ノナフルオロブタンスルホン酸塩、ペンタフルオロアルシン塩などを用いることができる。このうち、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド塩などが好ましい。
ここで、酸素イオンとの結合エネルギー△Eと、電池性能との関係について説明する。例えば、空気電池の放電電位は、酸素(O2)が酸素イオン(O2-)になるための還元電位によって決定される。その際、予め酸素イオンに対して強力に結合する第3族金属イオンをイオン伝導媒体に添加しておくと、酸素イオンがこの第3族金属イオンによって安定化されるため、還元電位が電気化学的に卑にシフトし、すなわち電池としての放電電位が高くなるものと推察される。また、この効果により、放電時に生成する酸化物(例えば、リチウム空気電池では過酸化物のLi22)の生成速度も速くなることから、その蓄積状態がより均一になり、すなわちより多くの酸化物を電極上に析出、蓄積させることができ、放電容量が大幅に増大するものと推察される。
本発明の非水系空気電池において、正極は、酸素を正極活物質とするものである。正極活物質の酸素は、空気に含まれる酸素であってもよいし、純粋な酸素ガスであってもよい。この正極は、例えば、導電材と結着剤とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の正極合材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。導電材は、正極の電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば特に限定されず、例えば、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛)や人造黒鉛などの黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウィスカ、ニードルコークス、炭素繊維、金属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金など)などの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。これらの中で、導電材としては、電子伝導性及び塗工性の観点より、カーボンブラック及びアセチレンブラックが好ましい。結着剤は、活物質粒子及び導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル等の熱可塑性樹脂、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ゴム、スルホン化EPDMゴム、天然ブチルゴム(NBR)等を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。また、水系バインダであるセルロース系やスチレンブタジエンゴム(SBR)の水分散体等を用いることもできる。バインダ量としては、導電材100質量部に対し3質量部以上15質量部以下であることが好ましい。3質量部以上であれば、正極の強度を保つために十分であり、15質量部以下であれば、後述する酸化還元触媒や導電材の量が少なくなりすぎず、電池反応の進行を阻害しないと考えられるからである。導電材、結着剤を分散させる溶剤としては、例えばN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチレントリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン、エタノールなどのアルコール、などの有機溶剤を用いることができる。また、水に分散剤、増粘剤等を加え、SBRなどのラテックスで活物質をスラリー化してもよい。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどの多糖類を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。塗布方法としては、例えば、アプリケータロールなどのローラコーティング、スクリーンコーティング、ドクターブレイド方式、スピンコーティング、バーコータなどが挙げられ、これらのいずれかを用いて任意の厚さ・形状とすることができる。また、混練した正極合材をメッシュ状の集電体に圧着するものとしてもよい。集電体としては、酸素の拡散を速やかに行わせるため、網状やメッシュ状など多孔体であることが好ましく、ステンレス鋼やニッケル、アルミニウム、銅などの多孔体の金属板であってもよい。なお、この集電体は、酸化を抑制するためにその表面に耐酸化性の金属または合金の被膜を被覆したものでもよい。また、InSnO2、SnO2、ZnO、In23等の透明導電材又はフッ素ドープ酸化錫(SnO2:F)、アンチモンドープ酸化錫(SnO2:Sb)、錫ドープ酸化インジウム(In23:Sn)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(ZnO:Al)、ガリウムドープ酸化亜鉛(ZnO:Ga)等の不純物がドープされた材料の単層又は積層を、ガラスや高分子上に形成させたものでもよい。その膜厚は、特に限定されるものではないが、3nm以上10μm以下であることが好ましい。なお、ガラスや高分子の表面はフラットなものでもよいし、表面に凹凸を有しているものでもよい。
この正極は、酸素の酸化還元触媒を含んでいるものとしてもよい。酸素の酸化還元触媒としては、二酸化マンガン、四酸化三コバルトなどの金属酸化物であってもよいし、Pt、Pd、Coなどの金属であってもよいし、金属ポルフィリン、金属フタロシアニン、イオン化フラーレン、カーボンナノチューブなどの有機及び無機化合物であってもよい。このうち、電解二酸化マンガンであれば、容易に入手することができる点で好ましい。酸化還元触媒は正極合材あたり2質量%以上50質量%以下であることが好ましく、5質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。2質量%以上であれば酸素の酸化還元を行うのに少なすぎず、50質量%以下であれば、導電材や結着剤が少なくなりすぎず電気伝導性や強度を確保することができる。
本発明の非水系空気電池において、負極は、負極活物質を有するものとしてもよい。この負極活物質は、少なくともリチウムを吸蔵放出可能なものであればよく、空気電池に使用されるものであれば特に限定されない。リチウムを吸蔵放出可能な負極としては、例えば金属リチウムやリチウム合金のほか、金属酸化物、金属硫化物、リチウムを吸蔵放出する炭素質物質などが挙げられる。リチウム合金としては、例えばアルミニウムやスズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、シリコンなどとリチウムとの合金が挙げられる。金属酸化物としては、例えばスズ酸化物、ケイ素酸化物、リチウムチタン酸化物、ニオブ酸化物、タングステン酸化物などが挙げられる。金属硫化物としては、例えばスズ硫化物やチタン硫化物などが挙げられる。リチウムを吸蔵放出する炭素質物質としては、例えば黒鉛、コークス、メソフェーズピッチ系炭素繊維、球状炭素、樹脂焼成炭素などが挙げられる。この他、リン化鉄などとしてもよい。このような負極活物質を有するものとすれば、リチウム空気電池とすることができる。負極に用いられる導電材、結着剤、溶剤などは、それぞれ正極で例示したものを用いることができる。負極の集電体には、銅、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラス、Al−Cd合金などのほか、接着性、導電性及び耐還元性向上の目的で、例えば銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものも用いることができる。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。集電体の形状については、箔状、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などが挙げられる。
本発明の非水系空気電池は、正極と負極との間にセパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、非水系空気電池の使用に耐え得る組成であれば特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン製不織布やポリフェニレンスルフィド製不織布などの高分子不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の微多孔フィルムが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複合して用いてもよい。
本発明の非水系空気電池の形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。
以上詳述した本実施形態の非水系空気電池は、非水系イオン伝導媒体に、リチウムイオンのほか、ランタノイドを含む第3族金属イオンを含んでいるため、電池容量をより高めると共に、放電電圧をより高めることができる。この理由は、例えば、第3族金属イオンは、酸素イオンとの結合エネルギー△Eが0.8eV以上と高く、酸素イオンがこの第3族金属イオンによって安定化されるため、放電電位が高まるものと推察される。また、この結果、放電時に生成する酸化物の生成速度も速くなり、その蓄積状態がより均一になるため、電池容量が増大するものと推察される。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
以下には、本発明の非水系空気電池を具体的に作成した例を示す。
[評価セルの作製]
図1は充放電試験に使用したF型電気化学セル20(北斗電工製)の断面図である。F型電気化学セル20はアルゴン雰囲気下のグローブボックス内で次のようにして組み立てた。まず、SUS製のケーシング22に負極24及びセパレータ25を設置し、正極26と負極24とを対向するようにセットし、電解液28を5mL注入した。その後、正極26に発泡ニッケル板32を載せ、その上に、空気が正極26側へ流通可能なガス溜め34を配置し、セルを固定して実施例1の電気化学セルを得た。なお、F型電気化学セル20のガス溜め34にはドライ酸素を充填した。
(実施例1)
正極は次のようにして作製した。導電材としてケッチェンブラック(三菱化学製ECP−600JD)を90質量部、結着材としてポリテトラフルオロエチレン(ダイキン工業製)を10質量部の比率で、溶剤をエタノールとして乳鉢を用いて混合かつ練り合わせた合材を、圧延することでシート状にした。得られた合材シートを5mg、ステンレス製のメッシュ(SUS304,#50、線径0.12mm)に圧着し、100℃のオーブン中で120分、加熱真空乾燥することにより、正極を得た。負極は、直径10mm、厚さ0.4mmの金属リチウム(本城金属製)を用いた。次に、1mol/Lのリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを溶解したN−メチル−N−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(関東化学製)を用意し、さらにこれに対し0.05mol/Lの濃度になるようにトリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(III)塩を添加剤として溶解させ、非水電解液とした。アルゴン雰囲気下のグローブボックス内で、図1に示す北斗電工製のF型電気化学セルに、負極、ポリエチレンセパレーター及び正極を設置し、負極、正極間に上記の非水電解液を満たし、実施例1の空気電池を得た。
(比較例1)
1mol/Lのリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを溶解したN−メチル−N−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドのみの電解液を用いた以外は、実施例1と同様の工程により作製した評価セルを比較例1とした。
[充放電試験]
北斗電工製の充放電装置(HJ1001SM8A)にF型セルを接続し、正極と負極の間で正極材料あたり50mA/gの電流で2.3Vまで放電し、その後、正極材料あたり50mA/gの電流で3.85Vまで充電した。図2は、実施例1及び比較例1の放電曲線である。比較例1では、初期放電容量は1517mAh/g、1000mAh/g時点の放電電圧は2.46Vであった。これに対して、実施例1では、初期放電容量は2519mAh/g、1000mAh/g時点の放電電圧は2.56Vであり、放電容量と放電電圧の両面で優れる空気電池であることが分かった。
(実施例2)
トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(III)塩をトリフルオロメタンスルホン酸イットリウム(III)塩に代えた電解液を用いた以外は、実施例1と同様の工程により作製した評価セルを実施例2とした。図3は、実施例2及び比較例1の放電曲線である。実施例2では、初期放電容量は2358mAh/g、1000mAh/g時点の放電電圧は2.66Vであり、放電容量と放電電圧の両面で優れる空気電池であることが分かった。
(実施例3)
トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(III)塩をトリフルオロメタンスルホン酸 ランタン(III)塩に代えた電解液を用いた以外は、実施例1と同様の工程により作製した評価セルを実施例3とした。図4は、実施例3及び比較例1の放電曲線である。実施例3では、初期放電容量は2823mAh/g、1000mAh/g時点の放電電圧は2.65Vであり、放電容量と放電電圧の両面で優れる空気電池であることが分かった。
(実験結果と考察)
測定結果をまとめて表1に示す。表1に示すように、ランタノイドを含む第3族金属イオンを電解液中に添加した実施例1〜3は、電池容量及び放電電圧がより高いことがわかった。このような効果が得られる理由は、例えば、酸素イオンに対して強力に結合する金属イオンが電解液中に存在すると、酸素イオンがこの金属イオンによって安定化されるため、還元電位が電気化学的に卑にシフトし、すなわち電池としての放電電位が高くなるものと推察された。また、この効果により、放電時に生成する過酸化物(Li22)の生成速度も速くなることから、その蓄積状態がより均一になり、すなわちより多くの酸化物を電極上に析出、蓄積させることができ、放電容量が大幅に増大するものと推察された。特に、酸素イオンとの結合エネルギー△Eが0.8eV以上という、酸素イオンに対して強力に結合する第3族金属イオンが電解液に存在することが好ましいことがわかった。
Figure 2013218786
20 F型電気化学セル、22 ケーシング、24 負極、25 セパレータ、26 正極、28 電解液、32 発泡ニッケル板、34 ガス溜め。

Claims (3)

  1. 正極と、
    負極と、
    前記正極と前記負極との間に介在し、ランタノイドを含む第3族金属イオンを含む非水系のイオン伝導媒体と、
    を備えた、非水系空気電池。
  2. 前記イオン伝導媒体は、リチウムイオンを伝導する、請求項1に記載の非水系空気電池。
  3. 前記イオン伝導媒体は、スカンジウム、イットリウム及びランタンのうち少なくとも1以上の前記第3族金属イオンを含む、請求項1又は2に記載の非水系空気電池。
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