JP6696388B2 - 蓄電デバイス用電極の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、蓄電デバイス用電極の製造方法に関する。
従来、この種の蓄電デバイスとしては、アニオンを吸着脱離しうる層状構造を有する炭素質材料を含む正極と、グラファイト又は難黒鉛性カーボンを含む負極と、リチウム塩を含む有機電解液とを備えたものであって、正極の炭素質材料の層間にインターカレーション可能なアニオンを含む非水電解液中で正極と負極とを対向させ、2.25Vより大きく、3.5V以下の充電電圧で少なくとも1回の充放電サイクルを行わせるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、エッジ部分に官能基としてキノン又は酸無水物を有するミクロポーラス炭素質材料を含む電気化学キャパシタ用の電極が提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、リン酸又は硫酸の電解液中で電気二重層キャパシタの電極体である炭素基材に対して、参照極としての可逆水素電極に対して、下限電位が0〜+0.3V、上限電圧が+0.5〜+0.7Vの範囲で矩形波を印加するものが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2014−207453号公報 特開2014−107361号公報 特開2012−38982号公報
しかしながら、上述の特許文献1〜3の蓄電デバイスでは、例えば、炭素質材料が特定のものであったり、蓄電デバイスの種類が特定のものであるなど、蓄電デバイスの容量を高めるものであっても、十分とはいえず、新たな蓄電デバイス用電極の製造方法が求められていた。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、蓄電デバイスの容量をより高めることができる新規な蓄電デバイス用電極の製造方法を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、所定の基準電位を跨いで上限電圧と下限電圧とを交互に印加する処理を、徐々に上限電圧を増加させると共に徐々に下限電圧を低下させるように行うものとすると、例えば、電気二重層容量などをより高めることができ、新規な製造方法を提供することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本明細書で開示する蓄電デバイス用電極の製造方法は、
キャリアを吸脱着及び/又は挿入脱離しうる炭素質材料を活物質として含む蓄電デバイス用電極と対極と非水系のイオン伝導媒体とを備えたセルに対して、所定の基準電位を跨ぐように前記基準電位より高い上限電圧及び前記基準電位より低い下限電圧を交互に印加する印加サイクルを繰り返し行い、前記上限電圧を印加する際には徐々に高い電圧となる傾向とし、前記下限電圧を印加する際には徐々に低い電圧となる傾向で前記印加サイクルを行う印加工程、を含むものである。
本明細書で開示する蓄電デバイス用電極の製造方法では、蓄電デバイスの容量をより高めることができる。このような効果が得られる理由は以下のように推測される。例えば、アニオンが吸着脱離する炭素質材料の電極表面において、アニオンとカチオンとが吸着および脱着を交互に起こすことで表面が活性化され、活性化された電極の状態が維持されることにより、積分容量や電気二重層容量などが向上した高容量な電極となるものと推察される。また、上限電圧を徐々に高い電圧とすると共に、下限電圧を徐々に低い電圧とすることで、炭素質材料の保護を図りつつ、蓄電デバイスの容量をより高めることができる。
蓄電デバイス20の一例を示す模式図。 実施例1の印加工程における充放電測定結果。 実施例2の印加工程における充放電測定結果。 実施例3の印加工程における充放電測定結果。 実施例4の印加工程における充放電測定結果。 比較例1の印加工程における充放電測定結果。 比較例2の印加工程における充放電測定結果。
本明細書で開示する蓄電デバイス用電極の製造方法は、例えば、電極を作製する電極作製工程と、この電極を用いたセルに所定の電圧を印加する印加工程とを含むものとしてもよい。なお、この製造方法において、電極を別に用意し、電極作製工程を省略するものとしてもよい。最終製造物の蓄電デバイスと、印加工程を実施するセルとは対極やイオン伝導媒体などが同じ構成としてもよいし、異なる構成としてもよい。この蓄電デバイスは、正極と、負極と、非水系のイオン伝導媒体とを備えている。正極は、正極活物質を含むものとしてもよい。負極は、負極活物質を含むものとしてもよい。イオン伝導媒体は、正極と負極との間に介在し金属イオンを伝導するものである。この蓄電デバイスは、例えば、電気二重層キャパシタやハイブリッドキャパシタ、疑似電気二重層キャパシタなどとしてもよい。キャリアであるカチオンやアニオンのうち、カチオンは、金属イオンとしてもよく、Li,Na及びKなどのうちいずれか1以上のアルカリ金属イオンであるものとしてもよい。ここでは、説明の便宜のため、蓄電デバイスと印加工程を実施するセルとが同じ構成であるものとして説明する。また、正極が作用極としての蓄電デバイス用電極であり、負極が対極であり、キャリアをリチウムイオンとしたリチウムイオンキャパシタについて、以下主として説明する。
(電極作製工程)
この工程では、正極と負極とを作製する。この工程で作製する負極は、キャリアとしてのリチウムイオンを吸蔵放出する負極活物質を含むものとしてもよい。負極活物質としては、例えば、リチウム、リチウム合金、スズ化合物などの無機化合物、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な炭素質材料、複数の元素を含む複合酸化物、導電性ポリマーなどが挙げられる。炭素質材料は、例えば、コークス類、ガラス状炭素類、グラファイト類、難黒鉛化性炭素類、熱分解炭素類、炭素繊維などが挙げられる。このうち、人造黒鉛、天然黒鉛などのグラファイト類が好ましい。複合酸化物としては、例えば、リチウムチタン複合酸化物やリチウムバナジウム複合酸化物などが挙げられる。この工程では、例えば、負極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の負極合材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して負極を形成してもよい。導電材は、負極活物質の導電性が低い場合に添加されるものとしてもよく、例えば、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛)や人造黒鉛などの黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウィスカ、ニードルコークス、炭素繊維、金属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金など)などの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。これらの中で、導電材としては、電子伝導性及び塗工性の観点より、カーボンブラック及びアセチレンブラックが好ましい。導電材は、負極合材の固形分全体に対して1質量%以上20質量%以下の範囲で含むことが好ましく、5質量%以上15質量%以下の範囲で含むことがより好ましい。結着材は、活物質粒子及び導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり、例えば、水系バインダーであるセルロース系のカルボキシメチルセルロース(CMC)やスチレンブタジエン共重合体(SBR)、ポリビニルアルコールなどの水分散体等を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることが好ましい。また、結着材は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ゴム、スルホン化EPDMゴム、天然ブチルゴム(NBR)等を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。この負極合材は、カルボキシメチルセルロース及びポリビニルアルコールのうち少なくとも一方である水溶性ポリマーを、負極合材の固形分全体に対して1質量%以上10質量%以下の範囲で含むことが好ましく、2質量%以上8質量%以下の範囲で含むことがより好ましい。また、負極合材は、スチレンブタジエン共重合体を、負極合材の固形分全体に対して8質量%以下の範囲で含むことが好ましい。負極合材の塗布方法としては、例えば、アプリケータロールなどのローラコーティング、スクリーンコーティング、ドクターブレイド方式、スピンコーティング、バーコータなどが挙げられ、これらのいずれかを用いて任意の厚さ・形状とすることができる。集電体としては、アルミニウム、銅、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラスなどを用いることができる。集電体の形状については、箔状、フィルム状、シート状などが挙げられる。集電体の厚さは、例えば1〜500μmのものが用いられる。
この工程で作製する正極は、キャパシタやリチウムイオンキャパシタなどに用いられている公知の正極としてもよい。正極は、例えば、正極活物質として炭素質材料を含むものとしてもよい。炭素質材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、活性炭類、コークス類、ガラス状炭素類、黒鉛類、難黒鉛化性炭素類、熱分解炭素類、炭素繊維類、カーボンナノチューブ類、ポリアセン類などが挙げられる。このうち、高比表面積を示す活性炭類が好ましい。炭素質材料としての活性炭は、比表面積が1000m2/g以上であることが好ましく、1500m2/g以上であることがより好ましい。比表面積が1000m2/g以上では、放電容量をより高めることができる。この活性炭の比表面積は、作製の容易性から3000m2/g以下であることが好ましく、2000m2/g以下であることがより好ましい。なお、正極では、イオン伝導媒体に含まれるアニオン及びカチオンの少なくとも一方を吸着・脱離して蓄電するものと考えられるが、さらに、イオン伝導媒体に含まれるアニオン及びカチオンの少なくとも一方を挿入、脱離して蓄電するものとしてもよい。
この工程では、例えば上述した正極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の正極合材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して正極を形成してもよい。なお、正極活物質が炭素質材料である場合、正極は、導電材を含まないものとしてもよい。正極に用いられる導電材、結着材などは、それぞれ負極で例示したものを用いることができる。
(印加工程)
この工程では、正極と負極と非水系のイオン伝導媒体とを備えたセルを作製し、このセルに対して、所定の基準電位を跨ぐように基準電位より高い上限電圧及び基準電位より低い下限電圧を交互に印加する印加サイクルを繰り返す処理を行う。セルに用いられるイオン伝導媒体としては、正極及び負極のキャリアを支持塩として含む非水電解液などが挙げられる。この非水電解液の溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、フラン類、スルホラン類及びジオキソラン類などが挙げられ、これらを単独又は混合して用いることができる。具体的には、カーボネート類としてエチレンカーボネートやプロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネートなどの環状カーボネート類や、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチル−n−ブチルカーボネート、メチル−t−ブチルカーボネート、ジ−i−プロピルカーボネート、t−ブチル−i−プロピルカーボネートなどの鎖状カーボネート類、γ−ブチルラクトン、γ−バレロラクトンなどの環状エステル類、ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酪酸メチルなどの鎖状エステル類、ジメトキシエタン、エトキシメトキシエタン、ジエトキシエタンなどのエーテル類、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、などのフラン類、スルホラン、テトラメチルスルホランなどのスルホラン類、1,3−ジオキソラン、メチルジオキソランなどのジオキソラン類などが挙げられる。このうち、環状カーボネート類と鎖状カーボネート類との組み合わせが好ましい。この組み合わせによると、充放電の繰り返しでの電池特性を表すサイクル特性が優れているばかりでなく、電解液の粘度、得られる電池の電気容量、電池出力などをバランスの取れたものとすることができる。
支持塩としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、LiSbF6、LiSiF6、LiAlF4、LiSCN、LiClO4、LiCl、LiF、LiBr、LiI、LiAlCl4などが挙げられる。このうち、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4などの無機塩から選ばれる1種又は2種以上の塩を組み合わせて用いることが電気特性の点から見て好ましい。この支持塩は、非水電解液中の濃度が0.1mol/L以上5mol/L以下であることが好ましく、0.5mol/L以上2mol/L以下であることがより好ましい。支持塩を溶解する濃度が0.1mol/L以上では、十分な電流密度を得ることができ、5mol/L以下では、電解液をより安定させることができる。
また、液状のイオン伝導媒体の代わりに、固体のイオン伝導性ポリマーをイオン伝導媒体として用いることもできる。イオン伝導性ポリマーとしては、例えば、アクリロニトリル、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、メチルメタクリレート、ビニルアセテート、ビニルピロリドン、フッ化ビニリデンなどのポリマーと支持塩とで構成されるポリマーゲルを用いることができる。更に、イオン伝導性ポリマーと非水系電解液とを組み合わせて用いることもできる。また、イオン伝導媒体としては、イオン伝導性ポリマーのほか、無機固体電解質あるいは有機ポリマー電解質と無機固体電解質の混合材料、若しくは有機バインダーによって結着された無機固体粉末などを利用することができる。
このセルは、負極と正極との間にセパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン製不織布やポリフェニレンスルフィド製不織布などの高分子不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の薄い微多孔膜が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし複数を混合して用いてもよい。
このセル(蓄電デバイス)の形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。図1は、実施形態の蓄電デバイス20の一例を示す模式図である。この蓄電デバイス20は、カップ形状の電池ケース21と、正極活物質を有しこの電池ケース21の下部に設けられた正極22と、負極活物質を有し正極22に対してセパレータ24を介して対向する位置に設けられた負極23と、絶縁材により形成されたガスケット25と、電池ケース21の開口部に配設されガスケット25を介して電池ケース21を密封する封口板26と、を備えている。この蓄電デバイス20は、正極22と負極23との間の空間に非水系のイオン伝導媒体27が満たされている。この蓄電デバイス20は、正極22及び負極23のうち少なくとも一方に対して、基準電位より高い上限電圧及び基準電位より低い下限電圧を交互に印加する印加サイクルを、上限電圧を印加する際には徐々に高い電圧となる傾向とし、下限電圧を印加する際には徐々に低い電圧となる傾向で行うことにより作製されている。この蓄電デバイス20は、正極活物質として活性炭を備え、負極活物質として黒鉛を備えるものとしてもよい。
この印加工程では、上記作製したセルに対して、所定の基準電位を跨ぐように上限電圧及び下限電圧を交互に印加する印加処理を実行する。この基準電位は、セルの開回路電位であるものとしてもよい。この開回路電位は、例えば、リチウム金属基準で3Vとしてもよい。この印加工程では、上限電圧と下限電圧とを交互に印加する印加サイクルを繰り返し行い、上限電圧を印加する際には徐々に高い電圧となる傾向で印加サイクルを行うものとしてもよい。このとき、リチウム金属基準で3Vから5Vに向かって徐々に高い上限電圧とする印加サイクルを行うことが好ましい。また、印加処理では最終的な上限電圧を4.0V以上とすることが好ましく、より好ましくは4.5V以上であり、更に好ましくは4.8V以上である。この上限電圧をより高くすると、セルの容量をより効果的に向上することができる。なお、この上限電圧は、電極の保護を考慮すると、5.0V未満であることが好ましい。この上限電圧で保持する時間は、例えば、10分以上であることが好ましく、20分以上であることがより好ましい。この保持時間は、製造時間の長期化を抑制する観点からは、60分以下であることが好ましい。なお、「徐々に高い電圧となる傾向」とは、全体としてみたときに開始時に比して終了時ではより高い上限電圧になることを意味し、例えば、印加処理中に同じ電圧が繰り返されたり、低い電圧になる部分が一部存在することを許容する趣旨である。
また、この印加工程では、印加サイクルを繰り返し行うに際して、下限電圧を印加する際には徐々に低い電圧となる傾向で印加サイクルを行うものとしてもよい。このとき、リチウム金属基準で3Vから1Vに向かって徐々に低い下限電圧とする印加サイクルを行うことが好ましい。また、印加処理では最終的な下限電圧を2.0V以下とすることが好ましく、より好ましくは1.5V以下であり、更に好ましくは1.2V以下である。この下限電圧をより低くすると、セルの容量をより効果的に向上することができる。この下限電圧は、電極の保護を考慮すると、1.0Vを超えることが好ましい。この下限電圧で保持する時間は、例えば、10分以上であることが好ましく、20分以上であることがより好ましい。なお、この保持時間は、製造時間の長期化を抑制する観点からは、60分以下であることが好ましい。なお、「徐々に低い電圧となる傾向」とは、全体としてみたときに開始時に比して終了時ではより低い下限電圧になることを意味し、例えば、印加処理中に同じ電圧が繰り返されたり、高い電圧になる部分が一部存在することを許容する趣旨である。
この印加工程では、上限電圧と下限電圧とを交互に印加するが、処理の全体で、上限電圧と下限電圧との差が徐々に大きくなる傾向で上限電圧及び下限電圧を印加することが好ましい。上限電圧と下限電圧との差を徐々に大きくすることにより、いきなり大きな電位差を印加するのに比して電極へかかる負担をより低減することができる。また、より効果的に積分容量や電気二重層容量などをより向上することができる。
以上詳述した蓄電デバイス用電極の製造方法では、蓄電デバイスの電池容量をより高めることができる。このような効果が得られる理由は、以下のように推測される。例えば、アニオンが吸着脱離する炭素質材料の電極表面において、アニオンとカチオンとが吸着および脱着を交互に起こすことで表面が活性化され、活性化された電極の状態が維持されることにより、積分容量や電気二重層容量などが向上した高容量な電極となるものと推察される。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、製造物である蓄電デバイスと、印加工程を実施するセルとが同じ構成であるものとしたが、異なる構成であるものとしてもよい。例えば、作用極を活性炭電極とし、対極をリチウム金属として印加工程を行い、活性炭電極を取り出して、蓄電デバイスの負極(例えば、黒鉛負極など)と組み合わせて蓄電デバイスとしてもよい。このとき、セルの非水電解液に含まれる支持塩と、蓄電デバイスの非水電解液に含まれる支持塩とを変更してもよい。
上述した実施形態では、印加工程を経た正極には活性炭を備え、印加工程を経た負極には黒鉛を備えるものとしたが、特にこれに限定されない。例えば、印加工程を経た活性炭を備える電極を負極に用いてもよいし、印加工程を経た黒鉛を備える電極を正極に用いてもよい。
上述した実施形態では、キャリアをリチウムイオンとそのアニオンとして説明したが、特にこれに限定されず、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオンなどとしてもよい。また、イオン液体のカチオン、アニオンとしてもよい。
以下には、蓄電デバイス用電極の製造方法を具体的に実施した例を実施例として説明する。なお、本発明は以下の実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
(活性炭電極の作製)
活性炭(クラレケミカル製RP−20,6μm)と、導電助剤(東海カーボン製TB5500)と、分散剤(カルボキシメチルセルロース)と、結着剤(スチレンブタジエンゴム)とを質量比で、83.0:10.7:4.0:2.3となるように配合し、溶媒の水を加えてスラリー状の電極合材とした。このスラリーを用いて、Al金属箔の直径1.6cmの集電体に、活物質目付量が3.0mg/cm2、電極活物質密度が0.4g/cm3となるように塗布、乾燥し、活性炭電極とした。
(黒鉛電極の作製)
人造黒鉛(大阪ガスケミカル製)と、結着剤(スチレンブタジエンゴム)とを質量比で95:5となるように配合し、溶媒の水を加えてスラリー状の電極合材とした。このスラリーを用いて、Al金属箔の直径1.6cmの集電体に、活物質目付量が5.6mg/cm2、電極活物質密度が1.2g/cm3となるように塗布、乾燥し、黒鉛電極とした。
(セルの作製)
上記活性炭電極を作用極とし、リチウム金属箔(厚さ300μm)を対極として両電極の間に非水電解液を含浸させたセパレータ(東レ東燃製)を挟んで二極式セルを作製した。電解液は、1MのLiPF6を支持塩とし、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネートとの体積比で30:40:30の比率で混合した溶媒に溶解したものを用いた。また、1MのLiBF4、及び1MのLiN(SO2F)2を支持塩とする電解液も作製した。
[実施例1]
活性炭電極と金属リチウム電極と,LiPF6を含む電解液からなるセルを実施例1とした。このセルに対して、表1のステップ1〜4を行うパターン1〜10を順次行う条件で、充放電させる印加工程を行った。実施例1では、リチウム金属基準における開回路電位である3Vを跨ぎながら上限電圧および下限電圧を交互に徐々に拡大させ(図2(a)参照)充放電を行った。なお、各設定電位で保持する時間は、10分とした。図2は、実施例1の充放電測定結果であり、図2(a)が印加工程の上下限電位のプロファイルであり、図2(b)が充放電時のリチウム基準の電位と電気二重層容量との関係図、図2(c)が積分容量とリチウム基準電位との関係図、図2(d)が印加工程の実施前後の電位に対する電気二重層容量の関係図である。図2(a)のように、上限電圧が4Vを上回るまで徐々に増加させ、下限電圧が2Vを下回るまで徐々に減少させるような印加工程を施した実施例1では、図2(b)に示すように、電気二重層容量が100F/gから200F/gへと増加することが分かった。また、印加処理後の電極と未処理の電極とを同条件化において比較すると、図2(c)のように積分容量が増加し、図2(d)のように電気二重層容量も増加することがわかった。なお、上記の処理を行った電極では,図2(d)に示すように充電方向で3Vから4V、放電方向で3Vから2Vの領域において、特徴的な電気二重層容量の増加が確認できた。
[実施例2]
実施例1と同様のセルを用い、電流値を約3倍の1.0mAとした以外は実施例1と同様の印加処理を行ったものを実施例2とした。リチウム金属基準における開回路電位である3Vを跨ぎながら上限電圧および下限電圧を交互に徐々に拡大させ充放電を行った。図3は、実施例2の充放電測定結果であり、図3(a)が印加工程の上下限電位のプロファイルであり、図3(b)が充放電時のリチウム基準の電位と電気二重層容量との関係図、図3(c)が積分容量とリチウム基準電位との関係図、図3(d)が印加処理の実施前後の電位に対する電気二重層容量の関係図である。図3に示すように、電流値を高め、保持時間を短縮した場合においても、積分容量および電気二重層が増加することがわかった。
[実施例3]
活性炭電極と、金属リチウム電極と、LiBF4を含む電解液からなるセルを実施例3とした。このセルに対して、表1のステップ1〜4を行うパターン1〜10を順次行う条件で、充放電させる印加工程を行った。図4は、実施例3の充放電測定結果であり、図4(a)が印加工程の上下限電位のプロファイルであり、図4(b)が充放電時のリチウム基準の電位と電気二重層容量との関係図、図4(c)が積分容量とリチウム基準電位との関係図、図4(d)が印加処理の実施前後の電位に対する電気二重層容量の関係図である。図4に示すように、実施例3では、リチウム金属基準における開回路電位である3Vを跨ぎながら上限電圧および下限電圧を交互に徐々に拡大させ充放電を行ったところ,上限電圧が4Vを上回り,下限電圧が2Vを下回るような処理を行うことで、容量増加が確認でき、積分容量および電気二重層が増加することがわかった。
[実施例4]
黒鉛電極と金属リチウム電極と、LiPF6を含む電解液からなるセルにて,このセルに対して、表1のステップ1〜4を行うパターン1〜10を順次行う条件で、充放電させる印加工程を行った。即ち、実施例4では、リチウム金属基準における開回路電位である3Vを跨ぎながら上限電圧および下限電圧を交互に徐々に拡大させ充放電を行った。図5は、実施例4の充放電測定結果であり、図5(a)が印加工程の上下限電位のプロファイルであり、図5(b)が充放電時のリチウム基準の電位と電気二重層容量との関係図である。図5に示すように、実施例4では、上限電圧が4Vを上回り,下限電圧が2Vを下回るような処理を行うことで、電気二重層が増加した.
[比較例1]
実施例1と同様のセルを用い、表2のステップ1〜4を行うパターン1〜10を順次行う条件で、充放電させる印加工程を行った。比較例1では、リチウム金属基準における開回路電位である3Vを跨がないで,上限電圧のみを増加させる印加処理を実行した。比較例1では、設定電位での保持時間を10分とした。図6は、比較例1の充放電測定結果であり、図6(a)が印加工程の上下限電位のプロファイルであり、図6(b)が充放電時のリチウム基準の電位と電気二重層容量との関係図である。図6に示すように、開回路電位を跨がずに上限電圧を増加させるだけでは、電気二重層容量の顕著な増加は得られないことがわかった。
[比較例2]
実施例1と同様のセルを用い、表3のステップ1〜4を行うパターン1〜10を順次行う条件で、充放電させる印加工程を行った。比較例2では、リチウム金属基準における開回路電位である3Vを跨がないで,下限電圧のみを減少させる印加処理を実行した。比較例2では、設定電位での保持時間を10分とした。図7は、比較例2の充放電測定結果であり、図7(a)が印加工程の上下限電位のプロファイルであり、図7(b)が充放電時のリチウム基準の電位と電気二重層容量との関係図である。図7に示すように、開回路電位を跨がずに下限電圧を減少させるだけでは、電気二重層容量の顕著な増加は得られないことがわかった。
(結果と考察)
上述したように、基準電位としての開回路電位を跨いで上限電圧を5V近傍まで徐々に増加させると共に下限電圧を1V近傍まで徐々に減少させて印加するサイクルを繰り返し行うものとすると、容量増加が確認でき、積分容量および電気二重層が増加することがわかった。
本発明は、電池産業に利用可能である。
20 蓄電デバイス、21 電池ケース、22 正極、23 負極、24 セパレータ、25 ガスケット、26 封口板、27 イオン伝導媒体。

Claims (6)

  1. キャリアを吸脱着及び/又は挿入脱離しうる炭素質材料を活物質として含む蓄電デバイス用電極と対極と非水系のイオン伝導媒体とを備えたセルに対して、所定の基準電位を跨ぐように前記基準電位より高い上限電圧及び前記基準電位より低い下限電圧を交互に印加する印加サイクルを繰り返し行い、前記上限電圧を印加する際には徐々に高い電圧となる傾向とし、前記下限電圧を印加する際には徐々に低い電圧となる傾向で前記印加サイクルを行う印加工程、
    を含む蓄電デバイス用電極の製造方法。
  2. 前記印加工程では、前記基準電位を前記セルの開回路電位とする、請求項1に記載の蓄電デバイス用電極の製造方法。
  3. 前記印加工程では、リチウム金属基準で3Vから5Vに向かって徐々に高い上限電圧とする前記印加サイクルを行う、請求項1又は2に記載の蓄電デバイス用電極の製造方法。
  4. 前記印加工程では、リチウム金属基準で3Vから1Vに向かって徐々に低い下限電圧とする前記印加サイクルを行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用電極の製造方法。
  5. 前記蓄電デバイス用電極は、正極であり、
    前記対極は、前記蓄電デバイスの負極であり、
    前記イオン伝導媒体は、前記キャリアを伝導し、
    前記セルは、前記蓄電デバイスである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用電極の製造方法。
  6. 前記炭素質材料は、活性炭及び黒鉛のうち1以上であり、
    前記イオン伝導媒体は、LiPF6及びLiBF4のうち以上を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用電極の製造方法。
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