JP6180876B2 - 切削装置及びウエーハの切削方法 - Google Patents

切削装置及びウエーハの切削方法 Download PDF

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本発明は、ウエーハに形成された分割予定ラインを切削して個々のデバイスに分割する切削装置及びウエーハの切削方法に関するものである。
IC、LSI等のデバイスが分割予定ラインによって区画されて複数形成されたウエーハは、高速回転する切削ブレードを用いて分割予定ラインを縦横に切削して分離させることにより個々のデバイスに分割される。切削時には、分割予定ラインの中央部に切削ブレードを位置付け、分割予定ラインの中央部を切削することとしている(例えば特許文献1参照)。
また、デバイスを区画する分割予定ラインに、TEG(Test Element Group)と呼ばれるデバイスの特性を検査するためのテスト用素子が複数形成されているタイプのウエーハを分割する場合においても、切削ブレードの切り刃部を用いてテスト用素子を含めて、分割予定ラインの中央部を切削する。このように切削することで、分割予定ラインの中央部に切り溝が形成される。そして、すべての分割予定ラインを、同様に切削することによって個々のデバイスに分割される。
特開2005−311033号公報
しかし、TEGを切削ブレードで除去する際には、TEGを不完全に除去すると、ウエーハの表面に残存したTEGが剥がれてしまうとともに、ウエーハの表面膜も剥離してしまう問題がある。
本発明は、上記問題にかんがみなされたもので、その目的は、テスト用素子の除去を確実に行うことができる切削装置及びウエーハの切削方法を提供することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の切削装置は、テスト用素子が形成された分割予定ラインによって複数のデバイスが区画されて形成されたウエーハを保持するチャックテーブルと、先端がV形状に形成され、かつ該チャックテーブルに保持された該ウエーハの該分割予定ラインを該テスト用素子上から該ウエーハの厚み方向の途中まで切り込んで、切削溝を形成し、該分割予定ラインの表面から該テスト用素子を除去する第一の切削ブレードを含む第一の切削手段と、該第一の切削ブレードよりも厚みが薄く、かつ該切削溝内に切り込んで、該ウエーハの完全切断を行う第二の切削ブレードを含む第二の切削手段と、構成要素を制御する制御手段と、を少なくとも備え、該チャックテーブルと該第一の切削手段及び該第二の切削手段とを相対的に切削送り及び割り出し送りし、ウエーハの該分割予定ラインを切削して個々のデバイスに分割する切削装置であって、前記制御手段は、各分割予定ラインと各分割予定ラインに形成された該テスト用素子の最大幅とを関連付けた幅情報と、該第一の切削ブレードの切り込み量と該切削溝の幅との関係を示す切り込み量情報とを記憶しており、切削する分割予定ラインの該テスト用素子の最大幅を該幅情報から抽出し、該抽出した最大幅を除去できる切削溝の幅となるように、該切り込み量情報に基づいた切り込み量で該第一の切削ブレードを該ウエーハに切り込ませて、該分割予定ライン上の該テスト用素子を除去する除去工程を実施し、該除去工程を実施した後に該切削溝に沿って該第二の切削ブレードでウエーハの完全切断を行い複数のデバイスに分割する分割工程を実施することを特徴とする。
本発明のウエーハの切削方法は、ウエーハを保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持されたウエーハを切削する切削ブレードを含む切削手段とを少なくとも備えた切削装置を用い、該チャックテーブルと該切削手段とを相対的に切削送り及び割り出し送りし、テスト用素子が形成された分割予定ラインによって複数のデバイスが区画されて形成されたウエーハの該分割予定ラインを切削して個々のデバイスに分割するウエーハの切削方法であって、先端がV形状に形成された第一の切削ブレードをウエーハの途中まで切り込み該分割予定ラインに沿って切削を行い切削溝を形成しつつ該分割予定ライン上の該テスト用素子を除去する除去工程と、該除去工程を実施した後に該切削溝に沿って該切削溝の幅よりも細い幅の第二の切削ブレードでウエーハの完全切断を行い複数のデバイスに分割する分割工程と、から構成され、該除去工程においては、各分割予定ラインと各分割予定ラインに形成された該テスト用素子の最大幅とを関連付けた幅情報から切削する該分割予定ラインの該テスト用素子の最大幅を抽出し、該抽出した最大幅を除去できる切削溝の幅となるように、該第一の切削ブレードの切り込み量と該第一の切削ブレードの切削溝の幅との関係を示す切り込み量情報に基づいた切り込み量でウエーハの途中まで切り込ませることを特徴とする。
本発明は、テスト用素子の幅に応じて、各分割予定ライン毎に、全てのテスト用素子を除去可能な幅の切削溝になるように、V形状の第一の切削ブレードの切り込み量を設定するので、テスト用素子の除去を確実に行うことができる。また、本発明は、すべての分割予定ラインに形成されたテスト用素子のうちの最大の幅のテスト用素子を除去可能な幅の切削溝により、全ての分割予定ラインに切削溝を形成する場合に比べて、テスト用素子の無い分割予定ラインでの切り込み量を低減できるので、V形状の第一の切削ブレードの先端摩耗を抑えることができる。
図1は、実施形態に係るウエーハの切削方法に用いられる切削装置の構成例を示す斜視図である。 図2は、実施形態に係るウエーハの切削方法により個々のデバイスに分割されるウエーハの要部の断面図である。 図3は、実施形態に係るウエーハの切削方法の除去工程の概要を示す断面図である。 図4は、実施形態に係るウエーハの切削方法の分割工程の概要を示す断面図である。 図5は、実施形態に係るウエーハの切削方法に用いられる切削装置の制御手段に記憶された幅情報を示す図である。 図6は、実施形態に係るウエーハの切削方法に用いられる切削装置の制御手段に記憶された切り込み量情報を示す図である。 図7は、切削前の分割予定ラインを撮像して得た画像を示した図である。 図8は、切り込み量を10μmとして切削した後の分割予定ラインを撮像して得た画像を示した図である。 図9は、切り込み量を20μmとして切削した後の分割予定ラインを撮像して得た画像を示した図である。 図10は、切り込み量を30μmとして切削した後の分割予定ラインを撮像して得た画像を示した図である。 図11は、切り込み量を40μmとして切削した後の分割予定ラインを撮像して得た画像を示した図である。 図12は、切り込み量を46μmとして切削した後の分割予定ラインを撮像して得た画像を示した図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
〔実施形態〕
実施形態に係るウエーハの切削方法を、図1から図6に基づいて説明する。図1は、実施形態に係るウエーハの切削方法に用いられる切削装置の構成例を示す斜視図である。図2は、実施形態に係るウエーハの切削方法により個々のデバイスに分割されるウエーハの要部の断面図である。図3は、実施形態に係るウエーハの切削方法の除去工程の概要を示す断面図である。図4は、実施形態に係るウエーハの切削方法の分割工程の概要を示す断面図である。図5は、実施形態に係るウエーハの切削方法に用いられる切削装置の制御手段に記憶された幅情報を示す図である。図6は、実施形態に係るウエーハの切削方法に用いられる切削装置の制御手段に記憶された切り込み量情報を示す図である。
実施形態に係るウエーハの切削方法(以下、単に、切削方法と記す)は、図1に示された切削装置1を用いて、ウエーハWを個々のデバイスDに分割する方法である。
なお、本実施形態に係る切削方法により個々のデバイスDに分割されるウエーハWは、本実施形態ではシリコン、サファイア、ガリウムなどを母材とする円板状の半導体ウエーハや光デバイスウエーハである。ウエーハWは、図1に示すように、TEG200(図2などに示し、テスト用素子に相当)が形成された分割予定ラインLによって複数のデバイスDが区画されて形成されたものである。TEG200は、デバイスDの特性を検査するためのものである。ウエーハWは、複数のデバイスDが形成された表面Waに保護膜(図示せず)が形成されており、表面Waの裏側の裏面WbにダイシングテープTが貼着され、ダイシングテープTに環状フレームFが貼着されて、ダイシングテープTを介して環状フレームFに貼着される。
なお、ウエーハWの分割予定ラインL上に形成されたTEG200の位置や幅は、分割予定ラインL毎に適宜設定されている。即ち、全長に亘ってTEG200が形成される分割予定ラインLもあり、一箇所又は複数箇所にTEG200が形成される分割予定ラインLもあり、TEG200が全く形成されない分割予定ラインLもある。また、幅の異なる複数のTEG200が形成された分割予定ラインLもある。また、ウエーハWの複数の分割予定ラインLには、同じ位置に同じ幅のTEG200が形成された分割予定ラインLが複数存在することもあり、全ての分割予定ラインL上に形成されたTEG200の位置や幅が異なることもある。
例えば、図2に示された場合では、左側の分割予定ラインL(以下、L1と記す)に形成されたTEG200の幅が中央の分割予定ラインL(以下、L2と記す)に形成されたTEG200の幅よりも大きく形成されている。また、図2に示された場合では、右側の分割予定ラインL(以下、L3と記す)には、TEG200が全く形成されていない。
切削方法に用いられる切削装置1は、ウエーハWを保持するチャックテーブル10と、チャックテーブル10に保持されたウエーハWを切削する切削ブレード21a,21bを含む切削手段20a,20bとを少なくとも備える。切削装置1は、図1に示すように、切削手段20a,20b(以下、第一の切削手段及び第二の切削手段と記す)を2つ備えた、即ち、2スピンドルのダイサ、いわゆるフェイシングデュアルタイプの切削装置である。
切削装置1は、第一の切削手段20aを用いて、分割予定ラインLに沿って切削を行い切削溝R(図4に示す)を形成した後、第二の切削手段20bを用いて、切削溝Rに沿って切削を行いウエーハWの完全切断を行って、ウエーハWを複数のデバイスDに分割するものである。切削装置1は、図1に示すように、チャックテーブル10と、切削手段20a,20bに加えて、X軸移動手段30(切削送り手段に相当)と、Y軸移動手段40(割り出し送り手段に相当)と、Z軸移動手段50(切り込み送り手段に相当)と、制御手段100とを備えている。
チャックテーブル10は、切削加工前のウエーハWが載置されて、ダイシングテープTを介して環状フレームFの開口に貼着されたウエーハWを保持するものである。チャックテーブル10は、表面を構成する部分がポーラスセラミック等から形成された円盤形状であり、図示しない真空吸引経路を介して図示しない真空吸引源と接続され、表面に載置されたウエーハWを吸引することで保持する。なお、チャックテーブル10は、X軸移動手段30によりX軸方向に移動自在に設けられかつ回転駆動源(図示せず)により中心軸線(Z軸と平行である)回りに回転自在に設けられている。
第一の切削手段20a及び第二の切削手段20bは、チャックテーブル10に保持されたウエーハWに加工水を供給しながら切削するものである。第一の切削手段20a及び第二の切削手段20bは、それぞれ、チャックテーブル10に保持されたウエーハWに対して、Y軸移動手段40によりY軸方向に移動自在に設けられ、かつ、Z軸移動手段50によりZ軸方向に移動自在に設けられている。
第一の切削手段20aは、略リング形状を有する極薄の切削砥石でありかつスピンドル(図示せず)により回転することでウエーハWを切削する第一の切削ブレード21aなどを含んで構成されている。第一の切削ブレード21aの外縁の先端は、図3などに示すように、断面V形状に形成されている。第一の切削ブレード21aは、ウエーハWの分割予定ラインLをTEG200上からウエーハWの厚み方向の途中まで切り込んで、断面V字状の切削溝Rを形成し、分割予定ラインLの表面からTEG200及び保護膜を除去するものである。
第二の切削手段20bは、略リング形状を有する極薄の切削砥石でありかつスピンドル(図示せず)により回転することでウエーハWを切削する第二の切削ブレード21bなどを含んで構成されている。第二の切削ブレード21bの外縁の先端は、図4などに示すように、平坦に形成されている。第二の切削ブレード21bは、厚みが、第一の切削ブレード21aの厚みよりも薄く形成されて、第一の切削ブレード21aが形成した切削溝Rの幅よりも細い幅である。第二の切削ブレード21bは、切削溝R内に切り込んで、ウエーハWの完全切断を行うものである。
なお、本実施形態の2つの切削手段20a,20bのスピンドルの軸心方向は、Y軸方向と平行に設定されている。第一の切削手段20aは、図1に示すように、Y軸移動手段40、Z軸移動手段50などを介して、装置本体2から立設した一方の柱部3aに設けられている。第二の切削手段20bは、図1に示すように、Y軸移動手段40、Z軸移動手段50などを介して、他方の柱部3bに設けられている。
切削手段20a,20bは、Y軸移動手段40及びZ軸移動手段50により、チャックテーブル10の表面の任意の位置に切削ブレード21a,21bを位置付け可能となっている。また、第一の切削手段20aは、ウエーハWの上面を撮像する撮像手段80が、スピンドルと一体的に移動するように固定されている。撮像手段80は、チャックテーブル10に保持された分割加工前のウエーハWの分割すべき領域を撮像するCCDカメラを備えている。CCDカメラは、チャックテーブル10に保持されたウエーハWを撮像して、ウエーハWと切削ブレード21a,21bとの位置合わせを行なうアライメントを遂行するための画像を得、得た画像を制御手段100に出力する。
制御手段100は、切削装置1を構成する上述した構成要素をそれぞれ制御して、ウエーハWに対する分割加工を切削装置1に行わせるものである。なお、制御手段100は、例えばCPU等で構成された演算処理装置やROM、RAM等を備える図示しないマイクロプロセッサを主体として構成されており、加工動作の状態や前記画像などを表示する表示手段や、オペレータが加工内容情報などを登録する際に用いる図示しない操作手段と接続されている。
また、制御手段100は、ウエーハWの各分割予定ラインLと、各分割予定ラインLに形成されたTEG200の最大幅W1、W2・・・Wnとを1対1で関連付けた幅情報WI(図5に示す)を記憶している。TEG200の最大幅W1、W2・・・Wnとは、各分割予定ラインLに複数のTEG200が形成されている場合には、複数のTEG200のうちの幅が最大のTEG200の幅を示し、各分割予定ラインLにTEG200が一つのみ形成されている場合には、この一つのTEG200の幅が最大となる位置の幅を示している。
さらに、制御手段100は、第一の切削ブレード21aが実際に加工した切り込み量と第一の切削ブレード21aが実際に加工した切削溝Rの幅との関係を示す切り込み量情報SI(図6に示す)を記憶している。例えば、図6に示す切り込み量情報SIは、幅がAμmである切削溝Rを分割予定ラインL上に形成するための切り込み量が、Bμmであることを示している。なお、切り込み量とは、第一の切削ブレード21aがウエーハWの途中まで切り込む際の、保護膜から第一の切削ブレード21aの先端までの距離である。
制御手段100は、第一の切削手段20aの第一の切削ブレード21aで分割予定ラインLに沿って切削を行う際に、図5に示された幅情報WIを参照して、切削を行う分割予定ラインLのTEG200の最大幅を抽出する。そして、制御手段100は、幅情報WIを参照して抽出したTEG200の最大幅に所定値(例えば、数μm)を加えたものが、切削溝Rの幅となるように、図6に示された切り込み量情報SIに基づいた切り込み量で第一の切削ブレード21aをウエーハWの途中まで切り込ませる。また、制御手段100は、TEG200が形成されていない分割予定ラインL3では、第二の切削ブレード21bの幅よりも大きい切削溝Rの幅Cとなるように、切り込み量を最小切り込み量Dc(図6に示す)となるように、第一の切削ブレード21aをウエーハWの途中まで切り込ませる。
また、本発明では、制御手段100は、第一の切削ブレード21aの先端角度(例えば、45度や60度)を予め記憶しておき、TEG200の最大幅に所定値(例えば、数μm)を加えたものが切削溝Rの幅となるように、第一の切削ブレード21aの先端角度に基づき、切り込み量を調整しながら、第一の切削ブレード21aをウエーハWの途中まで切り込ませてもよい。
例えば、図3の右側のTEG200が形成されていない分割予定ラインL3の第一の切削ブレード21aの切り込み量は、最小切り込み量Dcとなり、最小切り込み量Dcは、図3の左側の分割予定ラインL1での切り込み量Da及び図3の中央の分割予定ラインL2での切り込み量Dbよりも小さい。また、図3の左側の分割予定ラインL1のTEG200の最大幅が図3の中央の分割予定ラインL2のTEG200の最大幅よりも大きいために、図3の左側の分割予定ラインL1での切り込み量Daは、図3の中央の分割予定ラインL2での切り込み量Dbよりも大きくなる。このように、分割予定ラインL1,L2,L3・・・上に形成されるTEG200の最大幅が大きくなるのにしたがって、切り込み量が大きくなり、図3に示された場合では、切り込み量Da>切り込み量Db>最小切り込み量Dcとなる。
次に、実施形態に係る切削装置1を用いた切削方法について説明する。切削方法は、切削装置1を用い、チャックテーブル10と切削手段20a,20bとを相対的にX軸方向に切削送り及びY軸方向に割り出し送りし、ウエーハWの分割予定ラインLを切削して個々のデバイスDに分割する方法である。切削方法は、除去工程と、分割工程などから構成される。切削方法では、オペレータが加工内容情報を制御手段100に登録し、オペレータから加工動作の開始指示があった場合に、切削装置1が加工動作を開始する。まず、切削方法では、吸着工程において、オペレータが切削手段20a,20bから離間したチャックテーブル10の表面にウエーハWを載置し、制御手段100が、チャックテーブル10の表面にウエーハWを吸引保持して、除去工程に進む。
次に、除去工程では、制御手段100は、X軸移動手段30によりチャックテーブル10を切削手段20a,20bの下方に向かって移動して、第一の切削手段20aに固定された撮像手段80の下方にチャックテーブル10に保持されたウエーハWを位置付け、撮像手段80に撮像させる。撮像手段80は、撮像した画像の情報を制御手段100に出力する。そして、制御手段100が、チャックテーブル10に保持されたウエーハWの分割予定ラインLと、切削手段20a,20bの切削ブレード21a,21bとの位置合わせを行なうためのパターンマッチング等の画像処理を実行し、チャックテーブル10に保持されたウエーハWと切削手段20a,20bとの相対位置を調整する。
そして、制御手段100は、加工内容情報に基づいて、最初に切削する分割予定ラインL上のTEG200の最大幅を幅情報WIから抽出する。そして、制御手段100は、第一の切削ブレード21aを回転させ、抽出したTEG200の最大幅に所定値(例えば、数μm)を加えたものが、切削溝Rの幅となるように、各分割予定ラインL毎に切り込み量情報SIに基づき、Z軸移動手段50に切り込み量を調整させながらX軸移動手段30にチャックテーブル10を所定の切削送り速度で移動させて、第一の切削ブレード21aをウエーハWの途中まで切り込む。そして、X軸移動手段30によるチャックテーブル10の切削送りにより、第一の切削ブレード21aで分割予定ラインLに沿って切削を行い切削溝Rを形成しつつ、第一の切削ブレード21aにより分割予定ラインL上のTEG200を除去する。
そして、制御手段100は、最初に切削する分割予定ラインLの切削が完了し、切削溝Rを形成すると、X軸移動手段30、Y軸移動手段40、Z軸移動手段50及び回転駆動源によりチャックテーブル10と第一の切削手段20aとを相対的に移動させて、各分割予定ラインLに順に切削溝Rを形成する。この際、制御手段100は、第一の切削ブレード21aの切り込み量を幅情報WI及び切り込み量情報SIに基いて調整する。このように、除去工程においては、ウエーハの分割予定ラインL毎のTEG200の最大幅を除去できる切削溝R幅になるように、表面からの第一の切削ブレード21aの切り込み量が分割予定ラインL毎に設定されている。全ての分割予定ラインLに切削溝Rを形成すると、分割工程に進む。
分割工程では、制御手段100は、除去工程を実施した後に、X軸移動手段30、Y軸移動手段40、Z軸移動手段50及び回転駆動部を用いて、第二の切削手段20bとチャックテーブル10とを相対的に移動させて、分割予定ラインLに順に、第二の切削ブレード21bで切削する。この際、各分割予定ラインLの切削では、図4に示すように、切削溝Rに沿って、切削溝Rの幅よりも細い幅の第二の切削ブレード21bでウエーハWの完全切断を行い、ウエーハWを複数のデバイスDに分割する。そして、搬出工程に進む。なお、分割工程における第二の切削ブレード21bの切り込み量は、図4に示すように、全ての分割予定ラインL1,L2,L3において等しくなっている。
搬出工程では、制御手段100は、チャックテーブル10を切削手段20a,20bの下方から退避させた後、チャックテーブル10の吸引保持を解除する。そして、オペレータが分割された複数のデバイスDなどをチャックテーブル10上から取り除くとともに、切削前のウエーハWを再度、チャックテーブル10上に載置し、前述の工程を繰返して、ウエーハWを個々のデバイスDに分割する。
以上のように、実施形態に係る切削方法は、TEG200の最大幅に応じて、各分割予定ラインL毎に、全てのTEG200を除去可能な幅の切削溝Rになるように、断面V形状の第一の切削ブレード21aの切り込み量を設定する。このために、切削方法は、除去工程において、TEG200の除去を確実に行うことができる。また、切削方法は、全ての分割予定ラインLに、最も幅の広いTEG200を除去可能な幅の切削溝Rを形成する場合に比べて、TEG200の無い分割予定ラインLでの切り込み量を低減できるので、断面V形状の第一の切削ブレード21aの先端摩耗を抑えることができる。したがって、切削方法は、TEG200の不完全除去による表面膜の剥がれを防ぐことができる。
次に、本発明の発明者は、前述した実施形態の効果を確認した。確認にあたっては、最大幅が59μmのTEG200が形成された分割予定ラインLを、切り込み量を10μm、20μm、30μm、40μm、46μmとして第一の切削ブレード21aを用いて切削した後の分割予定ラインLを撮像した。結果を図7〜図12の上段に示す。図7の上段は、切削前の分割予定ラインLを撮像して得た画像を示した図であり、図8の上段は、切り込み量を10μmとして切削した後の分割予定ラインLを撮像して得た画像を示した図であり、図9の上段は、切り込み量を20μmとして切削した後の分割予定ラインLを撮像して得た画像を示した図であり、図10の上段は、切り込み量を30μmとして切削した後の分割予定ラインLを撮像して得た画像を示した図であり、図11の上段は、切り込み量を40μmとして切削した後の分割予定ラインLを撮像して得た画像を示した図であり、図12の上段は、切り込み量を46μmとして切削した後の分割予定ラインLを撮像して得た画像を示した図である。また、図7〜図12の下段には、比較として、上段と同じ切り込み量で切削した後のTEG200が形成されていない分割予定ラインLを撮像して得た画像を示している。
なお、図8では、切削溝Rの幅が約17μmとなり、図9では、切削溝Rの幅が約31μmとなり、図10では、切削溝Rの幅が約48μmとなり、図11では、切削溝Rの幅が約72μmとなり、図12では、切削溝Rの幅が約87μmとなる。
図8から図10の上段と下段とを比較すると、切削溝Rの幅がTEG200の最大幅よりも小さい場合には、切削溝Rの外縁にTEG200の剥がれが生じることが明らかとなった。また、図11の上段と下段とを比較すると、切削溝Rの幅をTEG200の最大幅よりも13μm大きくても、切削溝Rの外縁にTEG200の剥がれが若干生じることが明らかとなった。これに対し、図12の上段と下段とを比較すると、上段の画像と下段の画像とが殆ど等しいので、切削溝Rの幅をTEG200の最大幅よりも28μm大きくすることで、切削溝Rの外縁にTEG200の剥がれが生じないことが明らかとなった。
本発明では、除去工程におけるX軸移動手段30によるチャックテーブル10の切削送り速度をTEG200の最大幅に応じて変化させてもよく、分割工程におけるX軸移動手段30によるチャックテーブル10の切削送り速度を切削溝Rの幅に応じて変化させてもよい。この場合、除去工程におけるX軸移動手段30によるチャックテーブル10の切削送り速度をTEG200の最大幅が大きくなるのにしたがって徐々に遅くしてもよく、分割工程におけるX軸移動手段30によるチャックテーブル10の切削送り速度を切削溝Rの幅が大きくなるのにしたがって徐々に早くしてもよい。
また、前述した実施形態では、制御手段100が、予め幅情報WIと切り込み量情報SIとを記憶しているが、本発明では、制御手段100が、予めウエーハWの各分割予定ラインLと各分割予定ラインLの切り込み量とを1対1で関連付けた情報を記憶してもよい。さらに、本発明では、撮像手段80が撮像して得た画像から各分割予定ラインL上のTEG200の最大幅を抽出して、切り込み量を算出してもよい。
なお、本発明は上記実施形態及び変形例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
1 切削装置
10 チャックテーブル
20a,20b 切削手段
21a 第一の切削ブレード
21b 第二の切削ブレード
200 TEG(テスト用素子)
W ウエーハ
D デバイス
L 分割予定ライン
R 切削溝

Claims (2)

  1. テスト用素子が形成された分割予定ラインによって複数のデバイスが区画されて形成されたウエーハを保持するチャックテーブルと、
    先端がV形状に形成され、かつ該チャックテーブルに保持された該ウエーハの該分割予定ラインを該テスト用素子上から該ウエーハの厚み方向の途中まで切り込んで、切削溝を形成し、該分割予定ラインの表面から該テスト用素子を除去する第一の切削ブレードを含む第一の切削手段と、
    該第一の切削ブレードよりも厚みが薄く、かつ該切削溝内に切り込んで、該ウエーハの完全切断を行う第二の切削ブレードを含む第二の切削手段と、
    構成要素を制御する制御手段と、を少なくとも備え、該チャックテーブルと該第一の切削手段及び該第二の切削手段とを相対的に切削送り及び割り出し送りし、ウエーハの該分割予定ラインを切削して個々のデバイスに分割する切削装置であって、
    前記制御手段は、各分割予定ラインと各分割予定ラインに形成された該テスト用素子の最大幅とを関連付けた幅情報と、該第一の切削ブレードの切り込み量と該切削溝の幅との関係を示す切り込み量情報とを記憶しており、
    切削する分割予定ラインの該テスト用素子の最大幅を該幅情報から抽出し、該抽出した最大幅を除去できる切削溝の幅となるように、該切り込み量情報に基づいた切り込み量で該第一の切削ブレードを該ウエーハに切り込ませて、該分割予定ライン上の該テスト用素子を除去する除去工程を実施し、
    該除去工程を実施した後に該切削溝に沿って該第二の切削ブレードでウエーハの完全切断を行い複数のデバイスに分割する分割工程を実施する
    ことを特徴とする切削装置。
  2. ウエーハを保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持されたウエーハを切削する切削ブレードを含む切削手段とを少なくとも備えた切削装置を用い、該チャックテーブルと該切削手段とを相対的に切削送り及び割り出し送りし、テスト用素子が形成された分割予定ラインによって複数のデバイスが区画されて形成されたウエーハの該分割予定ラインを切削して個々のデバイスに分割するウエーハの切削方法であって、
    先端がV形状に形成された第一の切削ブレードをウエーハの途中まで切り込み該分割予定ラインに沿って切削を行い切削溝を形成しつつ該分割予定ライン上の該テスト用素子を除去する除去工程と、
    該除去工程を実施した後に該切削溝に沿って該切削溝の幅よりも細い幅の第二の切削ブレードでウエーハの完全切断を行い複数のデバイスに分割する分割工程と、から構成され、
    該除去工程においては、
    各分割予定ラインと各分割予定ラインに形成された該テスト用素子の最大幅とを関連付けた幅情報から切削する該分割予定ラインの該テスト用素子の最大幅を抽出し、
    該抽出した最大幅を除去できる切削溝の幅となるように、該第一の切削ブレードの切り込み量と該第一の切削ブレードの切削溝の幅との関係を示す切り込み量情報に基づいた切り込み量でウエーハの途中まで切り込ませること、を特徴とするウエーハの切削方法。
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