JP2010182753A - ウエーハの分割方法 - Google Patents

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晋一 藤澤
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Abstract

【課題】 デバイスの抗折強度を向上可能な先ダイシング技術を利用したウエーハの分割方法を提供することである。
【解決手段】 表面に格子状に形成された分割予定ラインによって区画された複数の領域にそれぞれデバイスが形成されたウエーハを個々のデバイスに分割するウエーハの分割方法であって、ウエーハの分割予定ラインを切削してデバイスの仕上がり厚さに相当する深さの切削溝を形成する溝形成工程と、プラズマエッチングによって該切削溝に生じたチッピングを除去するエッチング工程と、ウエーハの表面に保護テープを貼着する保護テープ貼着工程と、ウエーハの裏面を研削してウエーハの表面に形成された前記切削溝を裏面に表出させてウエーハを個々のデバイスに分割するウエーハ研削工程と、ウエーハの裏面から研削歪を除去する研削歪除去工程と、を具備したことを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、表面に格子状に形成された分割予定ラインによって区画された複数の領域にそれぞれデバイスが形成されたウエーハを分割予定ラインに沿って個々のデバイスに分割するウエーハの分割方法に関する。
例えば、半導体デバイス製造プロセスにおいては、略円盤形状である半導体ウエーハの表面に格子状に形成されたストリート(分割予定ライン)によって区画された複数の領域にそれぞれIC,LSI等のデバイスを形成し、該デバイスが形成された各領域を分割予定ラインに沿って分割することにより個々のデバイスを製造している。
半導体ウエーハを個々のデバイスに分割する分割装置としては、一般にダイシング装置と呼ばれる切削装置が用いられており、この切削装置は非常に薄い切刃を有する切削ブレードによって半導体ウエーハを分割予定ラインに沿って切削する。このようにして分割されたデバイスは、パッケージングされて携帯電話やパソコン等の電気機器に広く利用されている。
近年、携帯電話やパソコン等の電気機器はより軽量化、小型化が求められており、より薄いデバイスが要求されている。ウエーハをより薄いデバイスに分割する技術として、所謂先ダイシング法と称する分割技術が開発され、実用化されている(例えば、特開平11−40520号公報参照)。
この先ダイシング法は、半導体ウエーハの表面から分割予定ラインに沿って所定の深さ(デバイスの仕上がり厚さに相当する深さ)の分割溝を形成し、その後、表面に分割溝が形成された半導体ウエーハの裏面を研削して該裏面に分割溝を表出させ個々のデバイスに分割する技術であり、デバイスの厚さを100μm以下に加工することが可能である。
特開平11−40520号公報
従来の先ダイシング法では、分割予定ラインに形成された分割溝の両側に生じたチッピングによって、及びウエーハの裏面を研削することで生じた研削歪によって、デバイスの抗折強度が低下するという問題がある。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、デバイスの抗折強度を向上可能な先ダイシング技術を使用したデバイスの分割方法を提供することである。
本発明によると、表面に格子状に形成された分割予定ラインによって区画された複数の領域にそれぞれデバイスが形成されたウエーハを個々のデバイスに分割するウエーハの分割方法であって、ウエーハの分割予定ラインを切削してデバイスの仕上がり厚さに相当する深さの切削溝を形成する溝形成工程と、プラズマエッチングによって該切削溝に生じたチッピングを除去するエッチング工程と、ウエーハの表面に保護テープを貼着する保護テープ貼着工程と、ウエーハの裏面を研削してウエーハの表面に形成された前記切削溝を裏面に表出させてウエーハを個々のデバイスに分割するウエーハ研削工程と、ウエーハの裏面から研削歪を除去する研削歪除去工程と、を具備したことを特徴とするウエーハの分割方法が提供される。
本発明によると、分割溝の両側に生じたチッピング及びデバイスの裏面に生じた研削歪を除去することができるので、デバイスの抗折強度を従来の500〜1000MPaから900〜3000MPaに向上することができる。
半導体ウエーハの表面側斜視図である。 図2(A)は切削溝形成工程の説明図、図2(B)は切削溝が形成されたウエーハの断面図である。 切削溝が形成されたウエーハの表面側斜視図である。 図4(A)は切削溝形成工程後のウエーハの断面図、図4(B)はプラズマエッチング工程後のウエーハの断面図である。 図5(A)はウエーハの表面に保護テープを貼着する様子を示す斜視図、図5(B)はウエーハの表面に保護テープが貼着された状態の斜視図である。 図6(A)はウエーハの裏面を研削する切削溝表出工程の説明図、図6(B)は研削によりウエーハの裏面に切削溝が表出された状態の断面図、図6(C)はウエーハの裏面に切削溝が表出された状態のウエーハの斜視図である。 研磨装置による研磨工程を示す説明図である。
以下、本発明によるデバイスの分割方法の好ましい実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。図1には、ウエーハとしての半導体ウエーハの斜視図が示されている。
図1に示す半導体ウエーハ2は、例えば、厚さが600μmのシリコンウエーハからなっており、表面2aには複数の分割予定ライン4が格子状に形成されている。そして、半導体ウエーハ2の表面2aには、格子状に形成された複数の分割予定ライン4によって区画された複数の領域にそれぞれIC、LSI等のデバイス6が形成されている。
本発明実施形態のウエーハの分割方法では、まず第1工程として切削溝形成工程を実施する。即ち、所謂先ダイシング法によりウエーハ2の表面2aに形成された分割予定ライン4に沿って所定深さ(各デバイスの仕上がり厚さに相当する深さ)の切削溝を形成する。
この切削溝形成工程は、図2(A)に示す切削装置10を用いて実施する。図2(A)に示す切削装置10は、吸引保持手段を備えX軸方向に移動可能なチャックテーブル8と、切削ユニット12と、切削ユニット12と一体的にY軸方向及びZ軸方向に移動可能なアライメントユニット14を含んでいる。
切削ユニット12は、図示しないモータにより回転駆動されるスピンドル16と、スピンドル16の先端部に装着された切削ブレード18を備えている。アライメントユニット14は、CCDカメラ等の撮像手段20を備えている。
切削溝形成工程を実施するには、チャックテーブル8上に半導体ウエーハ2をその表面2aを上にして載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することにより、ウエーハ2をチャックテーブル8上に保持する。
このようにして、ウエーハ2を吸引保持したチャックテーブル8は、図示しない切削送り機構によって撮像手段20の直下に位置付けられる。チャックテーブル8が撮像手段20の直下に位置付けられると、撮像手段20及び図示しない制御手段によって、ウエーハ2に切削溝を形成すべき切削領域を検出するアライメント作業を実施する。
すなわち、撮像手段20及び図示しない制御手段は、ウエーハ2の所定方向に形成されている分割予定ライン4と、切削ブレード18との位置合わせを行うためのパターンマッチング等の画像処理を実行し、切削領域のアライメントを遂行する。更に、ウエーハ2に形成されている上記所定方向に対して直角方向に伸びる分割予定ライン4に対しても、同様に切削領域のアライメントが遂行される。
このようなアライメント実施後、ウエーハ2を保持したチャックテーブル8を切削領域の切削開始位置に移動する。そして、切削ブレード18を図2(A)において矢印21で示す方向に回転しつつ下方に移動して所定量の切り込み送りを実施する。
この切り込み送り量は、切削ブレード18の外周縁がウエーハ2の表面2aからデバイスの仕上がり厚さに相当する深さ位置(例えば100μm)に設定される。
このようにして、切削ブレード18の切り込み送りを実施したならば、切削ブレード18を回転しつつチャックテーブル8を図2(A)においてX軸方向、すなわち矢印X1で示す方向に切削送りすることによって、図2(B)に示すように、分割予定ライン4に沿ってデバイスの仕上がり厚さに相当する深さ(例えば100μm)の切削溝22が形成される(切削溝形成工程)。この切削溝形成工程をウエーハ2に形成された全ての分割予定ライン4に沿って実施する。その結果得られたウエーハ2の上面側斜視図が図3に示されている。
このように分割予定ライン4に沿って切削溝22を形成すると、図4(A)に示すように切削溝22の角部にチッピング23が生じることがある。このチッピング23をそのまま放置すると、デバイス6の抗折強度が低下することになる。
よって、本実施形態では、例えば特開2004−221175号公報に記載されたようなプラズマエッチング装置を使用して、ウエーハ2に対してプラズマエッチングを実施する。
このプラズマエッチングはドライプロセスの一種であり、プラズマエッチング後には図4(B)に示すように、切削溝22の角部22aがプラズマエッチングガスによりエッチングされてだれた状態となり、チッピング23が除去される。
ウエーハ2の各デバイス6上にはシリコンの酸化膜であるSiOが形成されている。プラズマエッチングの際、シリコン(Si)とSiOのエッチング速度は約20:1であるため、SiO膜は実質上レジスト膜と同様に機能する。
よって、切削溝22を有するシリコンウエーハ2をプラズマエッチングすると、デバイス6の表面はSiO膜により保護されて、シリコン(Si)が露出した切削溝22の角部22aがプラズマエッチングガスにより2〜3分エッチングされて、チッピング23が除去される。
このように、切削溝22の角部22aのチッピング23をプラズマエッチングで除去することにより、個々に分割されたデバイス6の抗折強度を向上することができる。
プラズマエッチング工程を実施後に、図5(A)に示すように半導体ウエーハ2の表面2a(デバイス6が形成されている面)に研削用の保護テープ24を貼着する。保護テープ24としては、例えば厚さが150μmのポリオレフィンテープが用いられる。ウエーハ2の表面2aに保護テープ24を貼着した状態が図5(B)に示されている。
次に、表面に保護テープ24を貼着したウエーハ2の裏面2bを研削し、切削溝22を裏面2bに表出させてウエーハ2を個々のデバイス6に分割する。この切削溝表出工程は、図6(A)に示すように、チャックテーブル28と研削ユニット30を備えた研削装置26によって実施する。
研削ユニット30は、スピンドル33の先端部に固定されたマウンタ32と、このマウンタ32にボルト34により固定された研削砥石36とから構成される。
この切削溝表出工程は、チャックテーブル28上にウエーハ2の裏面2bを上にして保持し、例えば、チャックテーブル28を矢印29で示す方向に300rpmで回転しつつ、研削砥石36を矢印31で示す方向に6000rpmで回転して、ウエーハ2の裏面2bに研削砥石36を接触させることによりウエーハ2の裏面2bを研削して実施する。この研削は、図6(B)に示すように、切削溝22がウエーハ2の裏面2bに表出するまで実施する。
このように切削溝22が表出するまで研削することによって、図6(C)に示すように、ウエーハ2は個々のデバイス6に分割される。尚、分割された複数のデバイス6は、その表面2aに保護テープ24が貼着されているので、ばらばらにはならずウエーハ2の形態が維持される。
ウエーハ2の裏面2bを研削すると、ウエーハ2の裏面2bに研削歪が形成される。この研削歪もデバイス6の抗折強度を阻害する要因となるので、本実施形態では次いで研削歪除去工程を実施する。
この研削歪の除去は、例えば図7に示すようなチャックテーブル28と、研磨ユニット40を備えた研磨装置38により実施する。尚、この研磨装置38は、図6(A)に示した研削装置26において、マウンタ32に研磨パッド42をねじ止めして、研磨装置38として利用することができる。
この研削歪除去工程は、チャックテーブル28上に裏面2bを上にしてウエーハ2を保持し、例えば、チャックテーブル28を矢印29で示す方向に300rpmで回転しつつ、研磨パッド42を矢印31で示す方向に6000rpmで回転させて、ウエーハ2の裏面2bに研磨パッド42を接触させて実施する。
このようにウエーハ2の裏面2bを研磨することにより、ウエーハ2の裏面2bから研削歪を除去することができる。尚、研磨装置38による研削歪除去工程に代えて、プラズマエッチングにより研削歪を除去するようにしても良い。
本実施形態のウエーハの分割方法によると、切削溝22の両側角部に生じたチッピング23をプラズマエッチングにより除去し、さらにデバイス6の裏面に生じた研削歪を研磨又はプラズマエッチングにより除去することができるので、デバイスの抗折強度を従来の500〜1000MPaから900〜3000MPaに向上することができる。
2 半導体ウエーハ
4 分割予定ライン
6 デバイス
8 チャックテーブル
10 切削装置
12 切削ユニット
14 アライメントユニット
18 切削ブレード
20 撮像手段
22 切削溝
22a 切削溝の角部
23 チッピング
24 保護テープ
26 研削装置
36 研削砥石
38 研磨装置
42 研磨パッド

Claims (1)

  1. 表面に格子状に形成された分割予定ラインによって区画された複数の領域にそれぞれデバイスが形成されたウエーハを個々のデバイスに分割するウエーハの分割方法であって、
    ウエーハの分割予定ラインを切削してデバイスの仕上がり厚さに相当する深さの切削溝を形成する溝形成工程と、
    プラズマエッチングによって該切削溝に生じたチッピングを除去するエッチング工程と、
    ウエーハの表面に保護テープを貼着する保護テープ貼着工程と、
    ウエーハの裏面を研削してウエーハの表面に形成された前記切削溝を裏面に表出させてウエーハを個々のデバイスに分割するウエーハ研削工程と、
    ウエーハの裏面から研削歪を除去する研削歪除去工程と、
    を具備したことを特徴とするウエーハの分割方法。
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