JP6176959B2 - セメント用収縮低減剤およびセメント組成物 - Google Patents
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Description
セメント組成物の硬化には、外気温や湿度条件等による水分の散逸が伴う。このため、乾燥収縮が進行し、セメント硬化物中にひび割れが生じ、強度や耐久性が低下するといった問題がある。特にコンクリートのひび割れは美観を損なうだけではなく、鉄骨腐食の促進や、水密性の低下等の耐久性劣化を招くことから、建築物の長期耐久性を向上させるためになるべく収縮を低減することが望まれている。
しかしながら、これらのセメント用収縮低減剤は、コンクリートに使用した場合に強度が低下するという問題がある。このため、強度を保つためにセメントペースト分の割合を高くする必要があり、コンクリートコストが高くなるという問題も生じていた。
本発明のセメント用収縮低減剤は、下記一般式(1)で表されるアルキレンオキサイド付加物Aを必須成分とするセメント用収縮低減剤であって、
前記アルキレンオキサイド付加物Aの 13 C−NMRスペクトルおよび 1 H−NMRスペクトルを測定したチャートに基づいて、下記で各々定義されるN EO−OH 、N PO−OH 、N 1OH およびN 2OH を読み取り、
N EO−OH :末端水酸基に直接結合しているEOの炭素に帰属される 13 C−NMRスペクトルの積分値の和
N PO−OH :末端水酸基に直接結合しているPOの炭素に帰属される 13 C−NMRスペクトルの積分値の和
N 1OH :1級水酸基の結合したメチレン基のプロトンに帰属される 1 H−NMRスペクトルの積分値の和
N 2OH :2級水酸基の結合したメチン基のプロトンに帰属される 1 H−NMRスペクトルの積分値の和
そして、得られた読み取り値を各々下記計算式(I)および(II):
E EO−OH (%)=100×N EO−OH /(N EO−OH +N PO−OH ) (I)
E OH (%)=100×N 2OH /(N 1OH +N 2OH ) (II)
に代入して得られる末端水酸基が直結しているオキシエチレン基の百分率E EO−OH 、および末端水酸基の2級化率E OH のパラメーターが、下記数式(I−A)および(II−A)を満足する。
0≦E EO−OH ≦20 (I−A)
80≦E OH ≦100 (II−A)
RO−(EO)p−[(PO)q/(EO)r]−(PO)s−H (1)
(但し、Rは炭素数1〜30のアルキル基またはアルケニル基を示し、直鎖または分枝鎖のいずれの構造から構成されていてもよい。POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基を示す。p、q、rおよびsは、各々の平均付加モル数を示し、p=1〜10、q=1〜20、r=1〜20、s=1〜15およびp+q+r+s=7〜65である。[(PO)q/(EO)r]はqモルのPOとrモルのEOとがランダム付加してなるポリオキシアルキレン基である。)
(A)前記アルキレンオキサイド付加物Aの起泡力(ロスマイルス試験法、濃度0.1重量%および温度25℃の測定条件下)が、流下直後において10mm以下であり、流下直後から5分後において5mm以下である。
(B)前記アルキレンオキサイド付加物Aの1重量%水溶液の曇点が0℃以上である。
(D)前記Rの炭素数が1〜8である。
(G)前記(p+q+r+s)が7〜15である。
EEO−OH(%)=100×NEO−OH/(NEO−OH+NPO−OH) (I)
EOH(%)=100×N2OH/(N1OH+N2OH) (II)
に代入して得られる末端水酸基が直結しているオキシエチレン基の百分率EEO−OH、および末端水酸基の2級化率EOHのパラメーターが、下記数式(I−A)および(II−A)を満足する。
0≦EEO−OH≦20 (I−A)
80≦EOH≦100 (II−A)
EEO−OH=0 (I−B)
EOH=100 (II−B)
(H)前記アルキレンオキサイド付加物A以外のその他の界面活性剤をさらに含み、前記その他の界面活性剤の0.1重量%水溶液の表面張力が25℃において20〜40mN/mである。
R1O−[(PO)x/(EO)y]−(PO)z (2)
(但し、R1は炭素数8〜30のアルキル基またはアルケニル基を示し、直鎖または分枝鎖のいずれの構造から構成されていてもよい。POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基を示す。x、yおよびzは、各々の平均付加モル数を示し、x=1〜20、y=1〜20、z=0〜20およびx+y+z=2〜60である。[(PO)x/(EO)y]はxモルのPOとyモルのEOとがランダム付加してなるポリオキシアルキレン基である。)
本発明のセメント組成物は、上記セメント用収縮低減剤、セメント、水および骨材を含有する組成物である。
本発明のセメント組成物は、本発明のセメント用収縮低減剤を含有するため、収縮低減効果に優れ、硬化後のセメント組成物の比重変化が小さい。
本発明で用いられるアルキレンオキサイド付加物Aは、下記一般式(1)で表される。
下記一般式(1):
RO−(EO)p−[(PO)q/(EO)r]−(PO)s−H (1)
(但し、Rは炭素数1〜30のアルキル基またはアルケニル基を示し、直鎖または分枝鎖のいずれの構造から構成されていてもよい。POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基を示す。p、q、rおよびsは、各々の平均付加モル数を示し、p=1〜10、q=1〜20、r=1〜20、s=0〜15およびp+q+r+s=3〜65である。[(PO)q/(EO)r]はqモルのPOとrモルのEOとがランダム付加してなるポリオキシアルキレン基である。)
pはRおよび[(PO)q/(EO)r]に結合する(ポリ)オキシエチレン基((EO)p)中のオキシエチレン基の平均付加モル数を表す。qはポリオキシアルキレン基([(PO)q/(EO)r])中のオキシプロピレン基の平均付加モル数を表し、rはポリオキシアルキレン基([(PO)q/(EO)r])中のオキシエチレン基の平均付加モル数を表す。sはポリオキシアルキレン基([(PO)q/(EO)r])に結合し、アルキレンオキサイド付加物Aの末端に位置する(ポリ)オキシプロピレン基((PO)s)中のオキシプロピレン基の平均付加モル数を表す。但し、s=0の場合は(ポリ)オキシプロピレン基((PO)s)は存在しない。
オキシプロピレン基の平均付加モル数qとしては、特に限定はないが、通常1〜20、好ましくは1〜15、より好ましくは1〜10、さらに好ましくは2〜10、特に好ましくは2〜8、最も好ましくは2〜7である。オキシプロピレン基の平均付加モル数qが1未満であると、硬化後のセメント組成物の比重変化が大きいことがある。一方、オキシプロピレン基qの平均付加モル数が20超であると、収縮低減効果が十分ではないことがある。
オキシプロピレン基の平均付加モル数sとしては、特に限定はないが、通常0〜15、好ましくは0〜10、より好ましくは0〜8、さらに好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜7、最も好ましくは2〜6である。オキシプロピレン基sの平均付加モル数が10超であると、収縮低減効果が十分ではないことがある。一方、オキシプロピレン基sの平均付加モル数が小さいと、硬化後のセメント組成物の比重変化が大きいことがある。
[(PO)q/(EO)r]は、qモルのオキシプロピレン基とrモルのオキシエチレン基とがランダム付加してなるポリオキシアルキレン基である。この発明でランダム付加とは、オキシプロピレン基およびオキシエチレン基が無秩序に共重合して配列された付加状態になっていることを言う。
アルキレンオキシド付加物Aの重量平均分子量としては、特に限定はないが、好ましくは200〜5000、より好ましくは200〜2000、さらに好ましくは200〜1000、特に好ましくは300〜1000、最も好ましくは300〜900である。重量平均分子量が200未満であると、収縮低減効果が十分ではないことがある。重量平均分子量が5000超であると、ハンドリング性が低いことがある。本発明では、重量平均分子量を実施例で詳しく説明する方法で測定する。
アルキレンオキサイド付加物Aの起泡力は、以下の実施例で詳しく説明するように、濃度0.1重量%、温度25℃の測定条件下でロスマイルス試験法により測定した値とする。アルキレンオキサイド付加物の流下直後の起泡力は、好ましくは50mm以下、より好ましくは40mm以下、さらに好ましくは30mm以下、特に好ましくは20mm以下、最も好ましくは10mm以下である。流下直後から5分後の起泡力は、好ましくは25mm以下、より好ましくは20mm以下、さらに好ましくは15mm以下、特に好ましくは10mm以下、最も好ましくは5mm以下である。流下直後の起泡力が50mm超であると、硬化後のセメント組成物の比重変化が大きいことがある。一方、流下直後から5分後の起泡力が25mm超であると、硬化後のセメント組成物の比重変化が大きいことがある。
本発明のセメント用収縮低減剤は、上記アルキレンオキサイド付加物Aを必須成分とすればよい。セメント用収縮低減剤には、界面活性成分としてアルキレンオキサイド付加物Aが含まれている。セメント用収縮低減剤には、界面活性成分として、後述するアルキレンオキサイド付加物A以外のその他の界面活性剤(以下では、単に「その他の界面活性剤」ということがある)がさらに含まれていてもよい。つまり、界面活性成分は、界面活性を示す成分であって、アルキレンオキサイド付加物Aが必須であり、その他の界面活性剤がさらに含まれていることがある成分である。
セメント用収縮低減剤中の界面活性成分がアルキレンオキサイド付加物Aのみで構成される場合における、セメント用収縮低減剤に占めるアルキレンオキサイド付加物Aの重量割合については、特に限定はないが、好ましくはセメント用収縮低減剤の10〜100重量%、より好ましくは50〜100重量%、さらに好ましくは70〜100重量%、特に好ましくは90〜100重量%、最も好ましくは100重量%である。アルキレンオキサイド付加物Aの重量割合がセメント用収縮低減剤の10重量%未満であると、収縮低減効果が低下し、硬化後のセメント組成物の比重変化が大きくなることがある。
アルキレンオキサイド付加物Aは、たとえば、下記一般式(A):
ROH (A)
(Rは炭素数1〜30のアルキル基またはアルケニル基を示し、直鎖または分枝鎖のいずれの構造から構成されていてもよい。)
で表されるアルコールに対して、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドを供給して付加反応させて製造できる。
Rの炭素数は、通常1〜30、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜12、さらに好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜6、最も好ましくは2〜6である。Rの炭素数が30超であると、収縮低減効果が十分ではないことがある。Rの具体例としては、以下に示すアルコールROHの具体例から水酸基を除いた基である。
上記ROHアルコールとしては、特に限定はないが、たとえば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナオール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、へキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノール、エイコサノール、ヘネイコサノール、ドコサノール、トリコサノール、テトラコサノール、ペンタコサノール、ヘキサコサノール、ヘプタコサノール、オクタコサノール、ノナコサノールおよびトリアコサノール等の直鎖アルカノール;2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、2−エチルへキサノール、2−プロピルヘプタノール、2−ブチルオクタノール、1−メチルヘプタデカノール、2−ヘキシルオクタノール、1−ヘキシルヘプタノール、イソデカノール、イソトリデカノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール等の分岐アルカノール;ヘキセノール、ヘプテノール、オクテノール、ノネノール、デセノール、ウンデセノール、ドデセノール、トリデセノール、テトラデセノール、ペンタデセノール、へキサデセノール、ペンタデセノール、ヘキサデセノール、ヘプタデセノール、オクタデセノール、ノナデセノール、エイセノール、ドコセノール、テトラコセノール、ペンタコセノール、ヘキサコセノール、ヘプタコセノール、ヘプタコセノール、オクタコセノール、ノナコセノールおよびトリアコンセノール等の直鎖アルケノール;イソヘキセノール、2−エチルへキセノール、イソトリデセノール、1−メチルヘプタデセノール、1−ヘキシルヘプテノール、イソトリデセノールおよびイソオクタデセノール等の分岐アルケノール等が挙げられる。これらのアルコールは、1種または2種以上を併用してもよい。アルコールの製品の具体例としては、特に限定はないが、たとえば、ヤシアルコール、パームアルコール等の天然油脂由来の高級アルコールや、合成アルコール等が挙げられる。これらのアルコールは、1種または2種以上を併用してもよい。
触媒の使用量については、特に限定はないが、アルコール100重量部に対して、好ましくは0.001〜10重量部、より好ましくは0.001〜8重量部、さらに好ましくは0.01〜6重量部、特に好ましくは0.05〜5重量部、最も好ましくは0.05〜3重量部である。触媒の使用量が0.001重量部未満であると付加反応が十分に進行しないことがあり、アルキレンオキサイド付加物Aの製造に時間を要することがある。一方、触媒の使用量が10重量部超であるとアルキレンオキサイド付加物Aが着色し易くなり、アルキレンオキサイド付加物Aの品質が低下するおそれがある。
上記付加反応に要する時間(反応時間)については特に限定はないが、好ましくは0.1〜100時間、より好ましくは0.1〜80時間、さらに好ましくは0.1〜60時間、特に好ましくは0.1〜40時間、最も好ましくは0.5〜30時間である。反応時間が0.1時間未満であると、付加反応が十分に進行しないことがある。一方、反応時間が100時間超であると、生産効率が悪くなることがある。
NEO−OH:末端水酸基に直接結合しているEOの炭素に帰属される13C−NMRスペクトルの積分値の和
NPO−OH:末端水酸基に直接結合しているPOの炭素に帰属される13C−NMRスペクトルの積分値の和
N1OH:1級水酸基の結合したメチレン基のプロトンに帰属される1H−NMRスペクトルの積分値の和
N2OH:2級水酸基の結合したメチン基のプロトンに帰属される1H−NMRスペクトルの積分値の和
EEO−OH(%)=100×NEO−OH/(NEO−OH+NPO−OH) (I)
EOH(%)=100×N2OH/(N1OH+N2OH) (II)
末端水酸基が直結しているオキシエチレン基の百分率EEO−OH、および末端水酸基の2級化率EOHのパラメーターが、下記数式(I−A)、(II−A)を各々満足すると、収縮低減効果に優れるので好ましい。
0≦EEO−OH≦20 (I−A)
80≦EOH≦100 (II−A)
NEO−OHは、13C−NMRスペクトルにおいて末端水酸基に直接結合しているEOの炭素に帰属される全ての積分値の和であり、61.0〜63.0ppmの範囲に確認される全ての積分値の和である。
末端水酸基の2級化率EOH(%)は、好ましくは80≦EOH≦100、より好ましくは85≦EOH≦100、さらに好ましくは90≦EOH≦100、特に好ましくは95≦EOH≦100、最も好ましくはEOH=100である。EOHが80%未満であると、低起泡性、低粘性に優れない場合がある。なお、EOHを求めるための1H−NMRスペクトル測定では、アルキレンオキサイド付加物を無水トリフルオロ酢酸でトリフルオロアセチル化した試料を用いる。
N1OHは、1H−NMRスペクトルにおいて1級水酸基の結合したメチレン基のプロトンに帰属される全ての積分値の和であり、通常4.1〜4.7ppmの範囲に確認される全ての積分値の和である。
本発明のセメント用収縮低減剤は、上記アルキレンオキサイド付加物A以外のその他の界面活性剤をさらに含んでいてもよい。本発明のセメント用収縮低減剤がその他の界面活性剤をさらに含むと、セメント組成物を製造する際、分散性が高まり、硬化後のセメント組成物の美観が向上する場合がある。
その他の界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれかで構成されるものであればよく、1種または2種以上を含んでいてもよい。
その他の界面活性剤である陽イオン性界面活性剤としては、たとえば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩;ジアルキルジメチルアンモニウム塩;トリアルキルメチルアンモニウム塩、アルキルアミン塩が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。
その他の界面活性剤の表面張力は、アルキレンオキサイド付加物Aの表面張力と同じ方法で測定した値とする。その他の界面活性剤の表面張力は、好ましくは20〜40mN/m、より好ましくは20〜38mN/m、さらに好ましくは22〜38mN/m、特に好ましくは24〜36mN/m、最も好ましくは27〜35mN/mである。一方、表面張力が20mN/m未満であると、セメント組成物の乾燥性が良くないことがある。表面張力が40mN/m超であると、収縮低減効果が十分ではないことがある。
セメント用収縮低減剤中の界面活性成分がアルキレンオキサイド付加物Aとともにその他の界面活性剤を含む場合、その他の界面活性剤が、100重量部のアルキレンオキサイド付加物Aに対して、好ましくは0.1〜1000重量部、さらに好ましくは1〜100重量部、特に好ましくは5〜50重量部であると、収縮低減効果が向上する。その他の界面活性剤が、100重量部のアルキレンオキサイド付加物Aに対して、0.1重量部より少ないと、セメント組成物を製造する際、分散性が低下することがある。一方、その他の界面活性剤が、1000重量部より多いと、硬化後のセメント組成物の比重変化が大きくなることがある。
R1O−[(PO)x/(EO)y]−(PO)z (2)
(但し、R1は炭素数8〜30のアルキル基またはアルケニル基を示し、直鎖または分枝鎖のいずれの構造から構成されていてもよい。POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基を示す。x、yおよびzは、各々の平均付加モル数を示し、x=1〜20、y=1〜20、z=1〜20およびx+y+z=3〜60である。[(PO)x/(EO)y]はxモルのPOとyモルのEOとがランダム付加してなるポリオキシアルキレン基である。)
R1の具体例としては、上記に示したアルコールROHの具体例から水酸基を除いた基であって、炭素数8〜30である基を挙げることができる。
オキシプロピレン基の平均付加モル数xとしては、特に限定はないが、通常1〜20、好ましくは1〜15、より好ましくは1〜12、さらに好ましくは1〜10、特に好ましくは2〜10、最も好ましくは2〜8である。オキシプロピレン基の平均付加モル数xが1未満であると、硬化後のセメント組成物の比重変化が大きいことがある。一方、オキシプロピレン基xの平均付加モル数が20超であると、収縮低減効果が十分ではないことがある。
オキシプロピレン基の平均付加モル数zとしては、特に限定はないが、通常0〜20、好ましくは0〜15、より好ましくは1〜15、さらに好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜8、最も好ましくは2〜8である。オキシプロピレン基の平均付加モル数zが1未満であると、硬化後のセメント組成物の比重変化が大きいことがある。一方、オキシプロピレン基zの平均付加モル数が10超であると、収縮低減効果が十分ではないことがある。
[(PO)x/(EO)y]は、xモルのオキシプロピレン基とyモルのオキシエチレン基とがランダム付加してなるポリオキシアルキレン基である。
アルキレンオキサイド付加物Bの重量平均分子量としては、特に限定はないが、好ましくは200〜5000、より好ましくは300〜4000、さらに好ましくは300〜4000、特に好ましくは300〜2000、最も好ましくは500〜1500である。重量平均分子量が200未満であると、収縮低減効果が十分ではないことがある。重量平均分子量が5000超であると、ハンドリング性が低いことがある。
アルキレンオキサイド付加物Bの起泡力の説明としては、上記で示すアルキレンオキサイド付加物Aの起泡力の説明をそのまま適用することができ、好ましい数値範囲等も同じである。
アルキレンオキサイド付加物Bの13C−NMRスペクトルおよび1H−NMRスペクトルの積分値を読み取り得られたNEO−OH、NPO−OH、N1OH、N2OHより計算されるEEO−OH、EOHは、それぞれアルキレンオキサイド付加物Aで記載した範囲と同様であることが好ましい。
その他の界面活性剤に占めるアルキレンオキサイド付加物Bの重量割合については、特に限定はないが、好ましくはその他の界面活性剤の50〜100重量%、より好ましくは70〜100重量%、さらに好ましくは80〜100重量%、特に好ましくは90〜100重量%、最も好ましくは100重量%である。アルキレンオキサイド付加物Bの重量割合がその他の界面活性剤の50重量%未満であると、硬化後のセメント組成物の比重変化が大きくなることがある。
本発明のセメント用収縮低減剤は、その他の成分としてpH調整剤、水溶性高分子物質、高分子エマルジョン、遅延剤、早強剤・促進剤、防水剤、防錆剤、ひび割れ低減剤、膨張材、セメント湿潤剤、増粘剤、分離低減剤、凝集剤、強度増進剤、セルフレベリング剤、着色剤、防カビ剤、高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石膏、炭酸塩粉末等を含んでいてもよい。
pH調整剤は主にセメント用収縮低減剤のpHを中性付近に調整するための成分であり、セメント用収縮低減剤の変色および変性を抑制する効果が得られ保存安定性が向上する場合がある。
pH調整剤の配合量としては、特に限定はないが、アルキレンオキサイド付加物Aおよびアルキレンオキサイド付加物Bの合計量100重量部に対して、好ましくは0.0001〜5重量部、より好ましくは0.001〜5重量部、さらに好ましくは0.01〜5重量部、特に好ましくは0.01〜2重量部、最も好ましくは0.01〜1重量部である。pH調整剤の量が5重量部超であると、セメント用収縮低減剤に特異臭が発生する場合がある。一方、pH調整剤の量が0.0001重量部未満であると、セメント用収縮低減剤の変色および変性を抑制する効果が少ない。
本発明のセメント組成物は、本発明のセメント用収縮低減剤、セメント、水および骨材を含有する。本発明のセメント組成物は、具体的には、これらの構成成分を含有するモルタル組成物およびコンクリート組成物等が挙げられる。
本発明のセメント組成物に占めるセメント用収縮低減剤の重量割合としては、特に限定はないが、好ましくは0.01〜20重量%、より好ましくは0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.01〜5重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%、最も好ましくは1〜5重量%である。セメント用収縮低減剤の重量割合が0.01重量%未満であると、収縮低減効果が十分でない場合がある。一方、セメント用収縮低減剤の重量割合が20重量%超であると、硬化後のセメント組成物の比重変化が大きいことがある。
骨材としては、細骨材と粗骨材とがある。細骨材としては、「JIS A5308:2003の付属書1(規定)レディ−ミクストコンクリート用骨材」に準拠する骨材等が使用でき、川砂、陸砂、山砂、海砂および砕砂等が挙げられる。粗骨材としては、「JIS A5308:2003の付属書1(規定)レディーミクストコンクリート用骨材」に準拠する骨材等が使用でき、川砂利、陸砂利、山砂利および砕石等が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。
本発明のセメント組成物は、フライアッシュ、高炉スラグ混和材、シリカフューム混和材、減水剤、高性能減水剤、AE剤、AE減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤、膨張材、起泡剤、発泡剤、消泡剤、硬化促進剤(急結剤)、硬化遅延剤、防錆剤、増粘剤、ポリマーセメントコンクリート、ポリマーモルタル用のポリマーディスパージヨン等の各種混和剤を含んでもよい。
ュ」に準拠するもの等が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。
高炉スラグとしては「JIS A6206:2008コンクリート用高炉スラグ微粉末」に準拠するもの等が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。
減水剤および高性能減水剤としては、セメント組成物を得るのに必要な水量を減少させるものであればよく、特に限定はないが、たとえば、リグニンスルホン酸塩、ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物塩(縮合度:5〜20)、メラミンホルマリン酸ホルマリン縮合物塩(縮合度:5〜20)、ポリカルボン酸塩(数平均分子量:5000〜6万)、アミノスルホン酸ホルマリン縮合物塩(縮合度:2〜20)、ポリオキシアルキレン基含有ポリカルボン酸塩(数平均分子量:1万〜60万)等が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。
消泡剤としては、特に限定はないが、たとえば、エステル系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、鉱物油系消泡剤、シリコーン系消泡剤、粉末消泡剤等が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。
流動化剤としては、あらかじめ練り混ぜられたコンクリートに添加し攪拌することによって流動性を増大させられるものであればよく、特に限定はないが、ナフタリンスルホン酸ホルムアルデヒド高縮合物塩、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド高縮合物塩、スチレンスルホン酸共重合物塩等が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。
硬化遅延剤としては、特に限定はないが、たとえば、糖類およびオキシカルボン酸塩等が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。
増粘剤としては、特に限定はないが、たとえば、ポリアクリルアミド、セルロースエーテル等が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。
セメント組成物の製造方法については、特に限定はない。上記で説明したセメント組成物を構成する各成分を同時に混合してもよく、成分ごとに順番に混合してもよく、予めいくつかの成分を混合しておいて残りの成分を後で添加混合等してもよい。
本発明のセメント用収縮低減剤を添加混練したモルタル又はコンクリートの施工方法としては、特に限定はないが、たとえば、湿空養生、水中養生、散水養生および加熱促進養生(蒸気養生およびオートクレーブ養生)等水分が十分供給される養生方法が好ましい。
測定試料約30mgを直径5mmのNMR用試料管に秤量し、重水素化溶媒として約0.5mlの重水素化クロロホルムを加え溶解させて、13C−NMR測定装置(BRUKER社製AVANCE400,100MHz)で測定した。
測定試料約30mgを直径5mmのNMR用試料管に秤量し、重水素化溶媒として約0.5mlの重水素化クロロホルムを加え溶解させる。その後、約0.1mlの無水トリフルオロ酢酸を添加し、分析用試料とし、1H−NMR測定装置(BRUKER社製AVANCE400,400MHz)で測定した。
アルキレンオキサイド付加物を不揮発分濃度が約0.2質量%濃度となるようにテトラヒドロフランに溶かした後、以下の測定条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を測定した。次いで、分子量既知のポリエチレングリコールのGPC測定結果から、検量線を作成し、重量平均分子量を算出した。
(測定条件)
機器名:HLC−8220(東ソー社製)
カラム:KF−G、KF−402HQ、KF−403HQ各1本ずつを直列に連結(いずれもShodex社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
注入量:10μl
溶離液の流量:0.3ml/分
温度:40℃
アルキレンオキサイド付加物の1重量%水溶液を調製した。次いで、加温して一旦曇点試験液を濁らせ、徐々に冷却して濁りが無くなる温度を曇点とした。
ロスマイルス試験法により温度25℃の測定条件下で測定した。アルキレンオキサイド付加物の0.1重量%水溶液を試験液とし、試験液の50mlをロスマイルス測定装置の管壁に沿って流し込み、上部の流下ピペットにも試験液の200mlを入れて準備した。ロスマイルス測定装置の円筒中央に試験液の液滴が落ちるようにピペットをセットし、90cmの高さから試験液を流下させ、流下が終わった直後(流下直後)の泡沫の高さと、流下直後から5分後の泡沫の高さを測定した。
アルキレンオキサイド付加物の0.1重量%水溶液を試験液とし、以下の測定条件で表面張力を測定した。
(測定条件)
機器名:自動表面張力計K100(KRUSS社製)
測定法:ウィルヘルミー法
温度:25℃
セメント組成物を、4cm×4cm×16cmの型枠内に充填し、1日間密封養生した後、モルタルを型枠から取り出し、モルタル試験体を温度20℃の雰囲気下に静置した。28日目に、モルタル試験体の長さを「JIS
A1129−3:2001モルタル及びコンクリートの長さ変化試験方法−第3部ダイヤルゲージ法」に準拠した方法で測定し、長さ変化率を計算した。長さ変化率の評価基準は以下のとおり。
◎:長さ変化率が0.0001未満である。
○:長さ変化率が0.0001〜0.00015の範囲である。
×:長さ変化率が0.00015超である。
上記した長さ変化率の測定と同様の方法でモルタル試験体を作製し、温度20℃の雰囲気下でモルタル試験体を静置し28日目の比重を測定した。収縮低減剤を含まないモルタル試験体の比重についても同様の方法で測定してそれをブランクとした。比重変化率は下記の式により計算され、比重変化率の値が小さいほど硬化後のセメント組成物の比重変化が小さい。
比重変化率(%)=(静置後28日目のブランクの比重−静置後28日目のモルタル試験体の比重)/静置後28日目のブランクの比重×100
◎:比重変化率が5%未満である。
○:比重変化率が5〜10%の範囲である。
×:比重変化率が10%超である。
実施例および比較例で用いたアルキレンオキサイド付加物1〜15の一般式を以下に示す。アルキレンオキサイド付加物1〜6はアルキレンオキサイド付加物Aに該当し、アルキレンオキサイド付加物7〜11はアルキレンオキサイド付加物Bに該当する。アルキレンオキサイド付加物12〜15はアルキレンオキサイド付加物Aおよびアルキレンオキサイド付加物Bのいずれにも該当しない。代表例として、ポリアルキレンオキサイド付加物1および7の具体的な製造方法を以下の製造例1および2に示す。各アルキレンオキサイド付加物の物性を表1〜3に示す。
アルキレンオキサイド付加物2:C12H25O−(EO)3−[(PO)4/(EO)3]−(PO)5−H
アルキレンオキサイド付加物3:C10H21O−(EO)2−[(PO)4/(EO)4]−(PO)3−H
アルキレンオキサイド付加物4:CH3O−(EO)2−[(PO)4/(EO)3]−(PO)5−H
アルキレンオキサイド付加物5:C4H9O−(EO)2−[(PO)3/(EO)2]−H
アルキレンオキサイド付加物6:CH3O−(EO)3−[(PO)5/(EO)2]−H
アルキレンオキサイド付加物7:C10H21O−[(PO)6/(EO)6]−(PO)4−H
アルキレンオキサイド付加物8:C18H37O−[(PO)4/(EO)5]−(PO)7−Hアルキレンオキサイド付加物9:C12H25O−[(PO)5/(EO)4]−(PO)4−H
アルキレンオキサイド付加物10:C9H19O−[(PO)8/(EO)4]−H
アルキレンオキサイド付加物11:C12H25O−[(PO)3/(EO)5]−H
アルキレンオキサイド付加物12:C10H21O−[(PO)6/(EO)6]−(EO)4−H
アルキレンオキサイド付加物13:C4H9O−[(PO)4/(EO)6]−H
アルキレンオキサイド付加物14:C4H9O−[(PO)2/(EO)4]−(EO)3−H
アルキレンオキサイド付加物15:C12H25O−(PO)4−(EO)6−H
(アルキレンオキサイド付加物1の製造)
1Lのオートクレーブに、ブチルアルコール(分子量74)100gと、水酸化カリウム0.3gとを仕込んだ後、オートクレーブ内を窒素置換してから、攪拌しつつ80℃で減圧脱水を行った。
次いで、130℃まで昇温した後、反応温度145±5℃、反応圧力3.5±0.5kg/cm2を維持しつつ約150分間でエチレンオキサイド119gを供給した。
エチレンオキサイドの供給が完了した後、反応温度を維持しつつ、内圧が低下して一定になるまで熟成させた。
エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドの供給が完了した後、反応温度を維持しつつ、内圧が低下して一定になるまで熟成させた。
プロピレンオキサイドの供給が完了した後、反応温度を維持しつつ、内圧が低下して一定になるまで熟成させ、80℃まで冷却した。後処理として、得られた反応混合物に合成吸着剤(キョーワード700、協和化学工業(株))9gを加えて、90℃で窒素気流下1時間攪拌して処理した後、ろ過により触媒を除去して、アルキレンオキサイド付加物1を得た。
得られたアルキレンオキサイド付加物1の13C−NMRスペクトル(図1)および1H−NMRスペクトル(図2)の積分値を読み取り、NEO−OH、NPO−OH、N1OH、N2OHは、各々0、1.0、0、1.0であった。これらの積分値より計算されるEEO−OH、EOHは、各々0、100であった。得られたアルキレンオキサイド付加物1の重量平均分子量は438であった。曇点は95℃超であった。表面張力は50.3であった。起泡力は、直後が5mm、5分後が0mmであった。
(アルキレンオキサイド付加物7の製造)
1Lのオートクレーブに、デカノール(分子量159)100gと、水酸化カリウム0.3gとを仕込んだ後、オートクレーブ内を窒素置換してから、攪拌しつつ80℃で減圧脱水を行った。
次いで、130℃まで昇温した後、反応温度145±5℃、反応圧力3.5±0.5kg/cm2を維持しつつ約210分間でエチレンオキサイド166gおよびプロピレンオキサイド219gを同時に供給した。
次いで、130℃まで昇温した後、反応温度145±5℃、反応圧力3.5±0.5kg/cm2を維持しつつ約150分間でプロピレンオキサイド146gを供給した。
得られたアルキレンオキサイド付加物7のエチレンオキサイド付加モル数(x)は6であり、プロピレンオキサイド付加モル数(y)は6であり、エチレンオキサイド付加モル数(z)は4であった。
セメントの400g、標準砂の800g、収縮低減剤としてポリアルキレンオキサイド付加物1の2g、AE剤としてアルキルベンゼンスルフォン酸ソーダ塩の1g、減水剤としてポリカルボン酸ソーダ塩の1g、水道水200gを混合してセメント組成物を得た。
このセメント組成物の長さ変化率および比重変化率を評価し、その結果を表4に示す。
実施例2〜16では、実施例1において、表4および5に示すようにそれぞれ変更する以外は、実施例1と同様にセメント組成物をそれぞれ得て、物性等も実施例1と同様に評価した。その結果を表4および5に示す。
セメントの400g、標準砂の800g、収縮低減剤としてポリアルキレンオキサイド付加物12の2g、AE剤としてアルキルベンゼンスルフォン酸ソーダ塩の1g、減水剤としてポリカルボン酸ソーダ塩の1g、水道水200gを混合してセメント組成物を得た。
このセメント組成物の長さ変化率および比重変化率を評価し、その結果を表6に示す。
比較例2〜7では、比較例1において、表6に示すようにそれぞれ変更する以外は、比較例1と同様にアルキレンオキサイド付加物をそれぞれ得て、物性等も比較例1と同様に評価した。その結果を表6に示す。
Claims (11)
- 下記一般式(1)で表されるアルキレンオキサイド付加物Aを必須成分とするセメント用収縮低減剤であって、
前記アルキレンオキサイド付加物Aの 13 C−NMRスペクトルおよび 1 H−NMRスペクトルを測定したチャートに基づいて、下記で各々定義されるN EO−OH 、N PO−OH 、N 1OH およびN 2OH を読み取り、
N EO−OH :末端水酸基に直接結合しているEOの炭素に帰属される 13 C−NMRスペクトルの積分値の和
N PO−OH :末端水酸基に直接結合しているPOの炭素に帰属される 13 C−NMRスペクトルの積分値の和
N 1OH :1級水酸基の結合したメチレン基のプロトンに帰属される 1 H−NMRスペクトルの積分値の和
N 2OH :2級水酸基の結合したメチン基のプロトンに帰属される 1 H−NMRスペクトルの積分値の和
そして、得られた読み取り値を各々下記計算式(I)および(II):
E EO−OH (%)=100×N EO−OH /(N EO−OH +N PO−OH ) (I)
E OH (%)=100×N 2OH /(N 1OH +N 2OH ) (II)
に代入して得られる末端水酸基が直結しているオキシエチレン基の百分率E EO−OH 、および末端水酸基の2級化率E OH のパラメーターが、下記数式(I−A)および(II−A)を満足する、セメント用収縮低減剤。
0≦E EO−OH ≦20 (I−A)
80≦E OH ≦100 (II−A)
RO−(EO)p−[(PO)q/(EO)r]−(PO)s−H (1)
(但し、Rは炭素数1〜30のアルキル基またはアルケニル基を示し、直鎖または分枝鎖のいずれの構造から構成されていてもよい。POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基を示す。p、q、rおよびsは、各々の平均付加モル数を示し、p=1〜10、q=1〜20、r=1〜20、s=1〜15およびp+q+r+s=7〜65である。[(PO)q/(EO)r]はqモルのPOとrモルのEOとがランダム付加してなるポリオキシアルキレン基である。) - 前記(p+q+r+s)が7〜15である、請求項1に記載のセメント用収縮低減剤。
- 前記アルキレンオキサイド付加物Aの起泡力(ロスマイルス試験法、濃度0.1重量%および温度25℃の測定条件下)が、流下直後において10mm以下であり、流下直後から5分後において5mm以下である、請求項1又は2に記載のセメント用収縮低減剤。
- 前記アルキレンオキサイド付加物Aの1重量%水溶液の曇点が0℃以上である、請求項1〜3のいずれかに記載のセメント用収縮低減剤。
- 前記アルキレンオキサイド付加物Aの0.1重量%水溶液の表面張力が25℃において30〜60mN/mである、請求項1〜4のいずれかに記載のセメント用収縮低減剤。
- 前記Rの炭素数が1〜8である、請求項1〜5のいずれかに記載のセメント用収縮低減剤。
- 前記qおよびrが0.8<q/r<2.0を満足する、請求項1〜6のいずれかに記載のセメント用収縮低減剤。
- 下記数式(I−B)および(II−B)をさらに満足する、請求項1〜7のいずれかに記載のセメント用収縮低減剤。
EEO−OH=0 (I−B)
EOH=100 (II−B) - 前記アルキレンオキサイド付加物A以外のその他の界面活性剤をさらに含み、前記その他の界面活性剤の0.1重量%水溶液の表面張力が25℃において20〜40mN/mである、請求項1〜8のいずれかに記載のセメント用収縮低減剤。
- 前記その他の界面活性剤が下記一般式(2)で表されるアルキレンオキサイド付加物Bを含む、請求項9に記載のセメント用収縮低減剤。
R1O−[(PO)x/(EO)y]−(PO)z (2)
(但し、R1は炭素数8〜30のアルキル基またはアルケニル基を示し、直鎖または分枝鎖のいずれの構造から構成されていてもよい。POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基を示す。x、yおよびzは、各々の平均付加モル数を示し、x=1〜20、y=1〜20、z=0〜20およびx+y+z=2〜60である。[(PO)x/(EO)y]はxモルのPOとyモルのEOとがランダム付加してなるポリオキシアルキレン基である。) - 請求項1〜10のいずれかに記載のセメント用収縮低減剤、セメント、水および骨材を含有する、セメント組成物。
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