JP6416546B2 - 水硬性組成物、水硬性モルタル、及びその硬化体 - Google Patents

水硬性組成物、水硬性モルタル、及びその硬化体 Download PDF

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Description

本発明は水硬性組成物、水硬性モルタル、及びその硬化体に関する。
セメント等の水硬性成分を含有する水硬性組成物は、水との水和反応により硬化して硬化体となる過程で収縮する特性があり、収縮量が大きいと硬化体にひび割れが発生することがある。このような硬化体の収縮を抑制するために、例えば、特許文献1には、低級アルキル基を有するアルキレンオキサイド系収縮低減剤が用いられている。一方、収縮低減剤を用いた場合、一般に、得られる硬化体の凍結融解抵抗性が低下すると言われている(非特許文献1)。
ところで、収縮量(長さ変化量)の評価は、通常、JISに規定された方法で行われている。この方法では、水硬性組成物と水とを混練して得られる水硬性モルタルを型枠に打設し、所定時間養生した後に脱型して得られた供試体(硬化体)を用いて評価を行う。この場合に、水硬性モルタルの型枠中での養生は、20℃程度の温度において、打設してから約24時間行うことが定められている(JIS A1129−1等参照)。
特開2013−133261号公報
「収縮低減剤を使用したコンクリートの凍結融解抵抗性」、セメント・コンクリ−ト論文集、No.54、P410−417、2000年
しかしながら、本発明者らの検討によれば、24時間養生後からの収縮を抑制するだけでは、ひび割れの発生を十分に抑制できないことが分かった。さらに検討したところ、水硬性組成物が水との水和反応により硬化する過程で、接水直後から24時間以内に生じる自己収縮と乾燥収縮とを併せた初期収縮量が、ひび割れの発生に大きく寄与していることを見出した。
上記観点から初期収縮量を評価すると、特許文献1に記載された収縮低減剤では収縮低減効果が十分ではなく、さらに、30℃以上の高温環境下では収縮低減効果が小さくなる問題があった。一方、高級アルキル基を有するアルキレンオキサイド系収縮低減剤の収縮低減効果は、低級アルキル基を有するアルキレンオキサイド系収縮低減剤と比べて大きくなる傾向がある。しかしながら、高級アルキル基を有するアルキレンオキサイド系収縮低減剤は、気泡を発生させ易く、硬化体中の空気量を過剰に増大させることから水硬性組成物に適用することが困難であった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高温環境下においても優れた収縮低減効果を有し、且つ、適度な空気量を有し良好な凍結融解抵抗性を維持できる硬化体を得ることが可能な、水硬性組成物及び水硬性モルタル、並びに、その硬化体を提供することを目的とする。
本発明は、下記一般式(1)で表される第1のアルキレンオキサイド付加物、及び、水硬性成分を含み、上記第1のアルキレンオキサイド付加物の1質量%水溶液の曇点が18〜72℃である、水硬性組成物を提供する。
RO−[(PO)/(EO)]−H (1)
(式(1)中、Rは炭素数18以上のアルキル基又はアルケニル基を示し、R中の上記アルキル基又はアルケニル基は直鎖状又は分枝鎖状であり、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基を示し、p及びqは下記式(A)〜(C)を満たす。)
1≦p≦20 (A)
1≦q≦30 (B)
10<p+q≦30 (C)
本発明の水硬性組成物によれば、高温環境下においても優れた収縮低減効果を有し、適度な空気量を有する硬化体を得ることができる。このため、強度に優れ、さらに凍結融解抵抗性を有する硬化体を得ることが可能となる。
上記第1のアルキレンオキサイド付加物のHLB値が8を超え、20以下であることが好ましい。上記HLB値が8を超えていることにより、適度な水溶性が得られる傾向がある。
上記水硬性組成物は上記第1のアルキレンオキサイド付加物とは異なる消泡剤をさらに含むことが好ましい。
上記水硬性組成物がさらに消泡剤を含むことにより、硬化体中の空気量をより適度な範囲に低減することができる。
上記消泡剤は下記一般式(2)で表される第2のアルキレンオキサイド付加物であり、上記第2のアルキレンオキサイド付加物の1質量%水溶液の曇点は18℃未満であることが好ましい。
R’O−[(PO)/(EO)]−H (2)
(式(2)中、R’は水素原子、又は炭素数1〜18のアルキル基若しくはアルケニル基を示し、R’中の上記アルキル基又はアルケニル基は直鎖状又は分枝鎖状であり、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基を示し、xは11〜100であり、yは0〜20である。)
上記第2のアルキレンオキサイド付加物は第1のアルキレンオキサイド付加物との相溶性に優れ、より高い消泡性を得ることができる傾向がある。
本発明はまた、上記水硬性組成物、及び、水を含む、水硬性モルタルを提供する。本発明はさらに、上記水硬性モルタルを硬化させてなる、硬化体を提供する。
本発明によれば、高温環境下においても優れた収縮低減効果を有し、且つ、適度な空気量を有し良好な凍結融解抵抗性を維持できる硬化体を得ることが可能な、水硬性組成物及び水硬性モルタル、並びに、その硬化体を提供することができる。
参考例1及び比較例1で得られた水硬性モルタルの高温環境下での水和初期における長さ変化量の変化を比較したグラフである。 参考例7及び比較例13で得られた水硬性モルタルの硬化体の凍結融解抵抗性を比較したグラフである。 曇点測定器具を示す概略図である。 収縮量(長さ変化量)測定装置を示す概略図であり、(a)は、その上面図であり、(b)は、(a)に示す長さ変化量測定装置のb−b線に沿った断面図である。
以下、本発明の好適な一実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
(水硬性組成物)
本実施形態の水硬性組成物は、下記一般式(1)で表される第1のアルキレンオキサイド付加物、及び、水硬性成分を含む。
RO−[(PO)/(EO)]−H (1)
上記一般式(1)中、Rは炭素数18以上のアルキル基又はアルケニル基を示す。R中の上記アルキル基又はアルケニル基は直鎖状又は分枝鎖状である。上記Rの炭素数が18以上であることにより、接水直後から24時間以内の初期において優れた収縮低減効果が得られる。また、ハンドリング性の観点から、Rの炭素数は22以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましい。Rの炭素数が18未満であると高温環境下では優れた収縮低減効果が得られない場合がある。
上記一般式(1)中のPOはオキシプロピレン基(−CO−)、EOはオキシエチレン基(−CO−)を示し、[(PO)/(EO)]は、p個のオキシプロピレン基(PO)とq個のオキシエチレン基(EO)とが結合したポリオキシアルキレン基である。上記ポリオキシアルキレン基の一方の末端は、エーテル結合を介して、上記R(アルキル基又はアルケニル基)と結合しており、他方の末端は水素原子と結合している。以下では、ポリオキシアルキレン基と水素原子が結合して形成される水酸基を末端水酸基ということがある。
上記一般式(1)中、pは第1のアルキレンオキサイド付加物1モル中のオキシプロピレン基の平均付加モル数であり、下記式(A)を満たす。
1≦p≦20 (A)
pが1以上であることにより十分な収縮低減効果を得ることができる。pが20以下であることにより第1のアルキレンオキサイド付加物の疎水性が強くなりすぎず、水への溶解性の低下を抑えることができる。同様の観点から、2≦p≦18であることが好ましく、3≦p≦16であることがより好ましく、4≦p≦15であることがさらに好ましく、5≦p≦14であることが特に好ましい。
上記一般式(1)中、qは第1のアルキレンオキサイド付加物1モル中のオキシエチレン基の平均付加モル数であり、下記式(B)を満たす。
1≦q≦30 (B)
qが1以上であることによりアルキレンオキサイド付加物に親水性を付与することができる。qが30以下であることにより第1のアルキレンオキサイド付加物の親水性が強くなりすぎず、気泡の発生を抑えることができる。同様の観点から、1≦q≦25であることが好ましく、3≦q≦23であることがより好ましく、10≦q≦20であることがさらに好ましく、11≦q≦17であることが特に好ましい。
また、p及びqは下記式(C)を満たす。
10<p+q≦30 (C)
p及びqの和が10を超えることにより、より高い収縮低減効果を得ることができる傾向がある。p及びqの和が30以下であることにより、優れたハンドリング性が得られる傾向がある。同様の観点から、10≦p+q≦29であることが好ましく、12≦p+q≦28であることがより好ましく、13≦p+q≦27であることがさらに好ましく、14≦p+q≦26であることがよりさらに好ましく、15≦p+q≦25であることが特に好ましく、16≦p+q≦21であることが最も好ましい。
q/pの下限値は0.1であることが好ましく、0.2であることがより好ましく、1.0であることがさらに好ましく、1.5であることがよりさらに好ましく、2.0であることが特に好ましい。一方、q/pの上限値は10.0であることが好ましく、0.5であることがより好ましい。q/pが0.1以上であることにより、収縮低減剤の親水性及び曇点が増加する傾向がある。
第1のアルキレンオキサイド付加物は、ランダム付加型、ブロック付加型及びランダム/ブロック付加型のいずれであってもよい。「ランダム付加型」とは、オキシプロピレン基及びオキシエチレン基が無秩序に共重合して配列された付加形態である。「ブロック付加型」とは、オキシプロピレン基及びオキシエチレン基のうちの1種のみが付加したブロックが少なくとも1つ配列された付加形態である。「ランダム/ブロック付加型」とは、上記ランダム付加型及びブロック付加型が混在した付加形態である。アルキレンオキサイド付加物は、上記オキシアルキレン基の付加形態により、広範囲の曇点を有し得る。
第1のアルキレンオキサイド付加物の重量平均分子量は、特に限定されないが、好ましくは300〜3000、より好ましくは500〜2500、さらに好ましくは500〜2000、よりさらに好ましくは1000〜2000、特に好ましくは1000〜1500である。重量平均分子量が300以上であることにより、より高い収縮低減効果が得られる傾向がある。重量平均分子量が3000以下であることにより、より高いハンドリング性が得られる傾向がある。
第1のアルキレンオキサイド付加物の1質量%水溶液における曇点(以下、1%曇点と言うことがある)は18〜72℃である。第1のアルキレンオキサイド付加物の1質量%水溶液における曇点が18℃以上であることにより、高温環境下での水への溶解性が向上することから、高い収縮低減性が得られる。第1のアルキレンオキサイド付加物の1%曇点が72℃以下であることにより、高いハンドリング性(フロー値)が得られ、また、空気連行性を低減し、硬化体の強度低下を抑制することができる。第1のアルキレンオキサイド付加物の1%曇点は、同様の観点から、20〜71℃であることが好ましく、22〜70℃であることがより好ましく、30〜65℃であることがさらに好ましく、50〜60℃であることが特に好ましい。
第1のアルキレンオキサイド付加物のHLB(Hydrophile Lipophile Balance)値は8を超え、20以下であることが好ましい。第1のアルキレンオキサイド付加物のHLB値は8を超えることにより、適度な水溶性が得られる傾向がある。同様の観点から、上記HLB値は9以上であることがより好ましく、10以上であることがさらに好ましい。また、セメントの分散性を維持する観点から、上記HLB値は16以下であることがより好ましく、15以下であることがさらに好ましい。上記HLB値は、以下の実施例で詳しく説明するグリフィンの式から計算される値を用いる。
水硬性組成物中の第1のアルキレンオキサイド付加物の含有量は、水硬性成分100質量部に対して、0.001〜10質量部であることが好ましく、0.005〜5質量部であることがより好ましく、0.01〜2質量部であることがさらに好ましい。第1のアルキレンオキサイド付加物の含有量が上記下限値以上であることにより、収縮低減効果が十分得られる傾向があり、上記上限値以下であることにより、硬化体中に残った第1のアルキレンオキサイド付加物が脆弱相となって、圧縮強度が低下することを抑制することができる傾向がある。
水硬性成分は、セメントを含み、セメントの他に、必要に応じて本発明の効果が大きく損なわれない範囲で石膏を含むことができる。
セメントとしては、ポルトランドセメント(JIS R5210);エコセメント(JIS R5214);高炉セメント(JIS R5211)、シリカセメント(JIS R5212)及びフライアッシュセメント(JIS R5213)等の混合セメント;アルミナセメント等の特殊セメント等が挙げられる。セメントは、1種を単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
アルミナセメントは、鉱物組成の異なるものが数種知られ市販されているが、いずれも主成分はカルシウムアルミネート組成物であり、市販品はその種類によらず使用することができる。
石膏としては、無水、半水等の石膏をその種類を問わず用いることが可能であり、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
水硬性組成物中の水硬性成分の含有量は、20.0〜60.0質量%であることが好ましく、30.0〜50.0質量%であることがより好ましく、35.0〜45.0質量%であることがさらに好ましく、40.0〜45.0質量%であることが特に好ましい。水硬性成分の含有量が60.0質量%以下であるとき、流動特性の低下、及び断熱温度の上昇による硬化過程でのひび割れ等を抑制する傾向がある。また、水硬性成分の含有量が20.0質量%以上であることにより、圧縮強度の低下、及びブリーディングを抑制する傾向がある。
本実施形態の水硬性組成物はさらに消泡剤を含むことが好ましい。消泡剤としては、例えば、第1のアルキレンオキサイド付加物とは異なるアルキレンオキサイド付加物;ヒマシ油等の油脂系消泡剤;ステアリン酸等の脂肪酸系消泡剤;シリコーン系消泡剤;シリカ;及び、鉱物油等が挙げられる。消泡剤は1種を単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。消泡剤は第1のアルキレンオキサイド付加物とは異なる、第2のアルキレンオキサイド付加物であることが好ましい。消泡剤が第2のアルキレンオキサイド付加物であるとき、第1のアルキレンオキサイド付加物との相溶性に優れる傾向がある。
さらに、高い消泡性を得る観点から、上記第2のアルキレンオキサイド付加物は下記一般式(2)で表されるアルキレンオキサイド付加物であることがより好ましい。
R’O−[(PO)/(EO)]−H (2)
上記一般式(2)中、R’は水素原子、又は炭素数1〜18のアルキル基若しくはアルケニル基を示す。上記R’中のアルキル基又はアルケニル基は直鎖状又は分枝鎖状である。上記R’の炭素数が18以下であることにより、優れたハンドリング性が得られる傾向がある。R’の炭素数は16以下であってもよく、14以下であってもよい。
上記一般式(2)中の[(PO)/(EO)]は、x個のオキシプロピレン基とy個のオキシエチレン基とが結合したポリオキシアルキレン基である。上記ポリオキシアルキレン基の一方の末端は、エーテル結合を介して、上記R’(アルキル基又はアルケニル基)と結合しており、他方の末端は水素原子と結合している。
上記一般式(2)中、xは第2のアルキレンオキサイド付加物1モル中のオキシプロピレン基の平均付加モル数であり、11〜100であることが好ましい。xが11以上であることにより十分な消泡効果を得ることができ、xが100以下であることにより第2のアルキレンオキサイド付加物の疎水性が強くなりすぎず、水への溶解性の低下を抑えることができる傾向がある。同様の観点から、xは20〜100であることがより好ましく、30〜95であることがさらに好ましく、40〜90であることがよりさらに好ましく、45〜85であることがよりさらに好ましく、50〜80であることが特に好ましい。
上記一般式(2)中、yは第2のアルキレンオキサイド付加物1モル中のオキシエチレン基の平均付加モル数であり、0〜20であることが好ましい。yが20以下であることにより第2のアルキレンオキサイド付加物の親水性が強くなりすぎず、消泡効果の低下を抑えることができる。同様の観点から、yは19以下であることがより好ましく、18以下であることがさらに好ましく、17以下であることがよりさらに好ましく、16以下であることがよりさらに好ましく、15以下であることが特に好ましい。また、適度な親水性付与の観点から、yは1以上であることがより好ましく、2以上であることがさらに好ましく、3以上であることがよりさらに好ましく、4以上であることがよりさらに好ましく、5以上であることが特に好ましい。
第2のアルキレンオキサイド付加物は、ランダム付加型、ブロック付加型及びランダム/ブロック付加型のいずれであってもよい。
第2のアルキレンオキサイド付加物の重量平均分子量は、特に限定されないが、好ましくは800〜7000、より好ましくは900〜6500、さらに好ましくは1000〜6000、よりさらに好ましくは2000〜5500、特に好ましくは3000〜5000である。重量平均分子量が800以上であることにより、より高い消泡効果が得られる傾向がある。重量平均分子量が7000以下であることにより、より高いハンドリング性が得られる傾向がある。
第2のアルキレンオキサイド付加物の1質量%水溶液における曇点(以下、1%曇点と言うことがある)は18℃未満である。第2のアルキレンオキサイド付加物の1質量%水溶液における曇点が18℃未満であることにより、高い消泡性が得られる傾向がある。第2のアルキレンオキサイド付加物の1%曇点は、同様の観点から、15℃未満であることがより好ましく、10℃未満であることがさらに好ましく、5℃未満であることがよりさらに好ましく、0℃未満であることが特に好ましい。
本実施形態の水硬性組成物中の上記消泡剤の含有量は、水硬性成分100質量部に対して、0.0001〜0.30質量部であることが好ましく、0.0010〜0.25質量部であることがより好ましく、0.0020〜0.22質量部であることがさらに好ましい。水硬性成分に対する消泡剤の含有量が上記下限値以上であることにより、消泡効果が十分得られる傾向があり、上記上限値以下であることにより、良好な凍結融解抵抗性が維持できる傾向がある。また、水硬性組成物中の消泡剤の含有量は、第1のアルキレンオキサイド付加物100質量部に対して、好ましくは0.01〜200質量部、より好ましくは0.01〜25質量部、さらに好ましくは0.1〜20質量部、よりさらに好ましくは0.5〜15質量部、特に好ましくは0.5〜10質量部である。第1のアルキレンオキサイド付加物に対する消泡剤の含有量が0.01質量部以上であると、消泡性の効果が得られ、優れた圧縮強度が得られる傾向がある。一方、第1のアルキレンオキサイド付加物に対する消泡剤の含有量が、30質量部以下であると、凍結融解抵抗性及びハンドリング性の低下を抑制できる傾向がある。
本実施形態の水硬性組成物は、さらに、細骨材、膨張材、流動化剤、増粘剤、pH調整剤、凝結調整剤、樹脂粉末及び無機質微粉末等を含んでいてもよい。
細骨材としては、珪砂、川砂、海砂、山砂及び砕砂等の砂類、ウレタンフォーム、EVA(エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂)フォーム及び発泡樹脂等の粉砕物、並びにアルミナセメントクリンカー細骨材等が挙げられる。なお、上記水硬性組成物が粗骨材を含まない場合に、本実施形態の水硬性組成物の効果がより顕著に得られる傾向がある。
細骨材は、水硬性組成物の材料分離抑制の観点から、粒子径1180μm未満の粒子、好ましくは、粒子径850μm未満の粒子のみからなることが好ましい。すなわち、細骨材全体に対する、粒子径1180μm以上の粒子の質量割合が0質量%であることが好ましく、粒子径850μm以上の粒子の質量割合が0質量%であることがより好ましい。細骨材の粒子径は、JIS Z 8801−2006に規定される目開き寸法の異なる数個の篩いを用いて測定することができる。また、本明細書において、「粒子径1180μm以上の粒子の質量割合」とは、目開き1180μmの篩を用いたとき篩いを通過せずに篩上に残った細骨材粒子の細骨材全体に対する質量割合のことをいう。
また、水硬性組成物の施工性向上の観点から、細骨材の粒子径75μm未満の粒子の質量割合は10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、2質量%以下であることがさらに好ましい。また、本明細書において、「粒子径75μm未満の粒子の質量割合」とは、目開き75μmの篩を用いたとき篩いを通過する細骨材粒子の細骨材全体に対する質量割合のことをいう。
水硬性組成物中の細骨材の含有量は、水硬性成分100質量部に対して、60〜250質量部であることが好ましく、80〜200質量部であることがより好ましく、100〜180質量部であることがさらに好ましく、120〜160質量部であることが特に好ましい。細骨材の含有量が上記範囲にあることにより、良好な硬化体強度が得られる傾向がある。
膨張材としては、無機系膨張材及び金属系膨張材等が挙げられる。無機系膨張材は、硬化過程において膨張性を有する水和物を生成し、主に初期収縮以降の長期的な収縮を抑制することで、長期のひび割れ抵抗性を向上させる傾向がある。
無機系膨張材としては、カルシウムサルフォアルミネート等のエトリンガイト形成物質を膨張成分とするカルシウムサルフォアルミネート系膨張材、遊離生石灰を膨張成分として含む生石灰系膨張材、生石灰−石膏系膨張材、及び仮焼ドロマイト等が挙げられる。無機系膨張材は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。無機系膨張材は収縮補償効果とともに反応時の水和発熱によって低温環境下の強度増強効果を有する生石灰を有効成分として含む生石灰系膨張材又は生石灰−石膏系膨張材であることが好ましく、生石灰−石膏系膨張材であることがより好ましい。これら膨張材中の生石灰含有量は特に限定されないが、生石灰含有量が高いもの(100質量%を含む)では水和反応が急激に進行することがあるので、膨張材中の生石灰含有量は80質量%以下であることが好ましい。
水硬性組成物中の無機系膨張材の含有量は、水硬性成分100質量部に対して、1.0〜13.0質量部であることが好ましく、3.0〜11.0質量部であることがより好ましく、5.0〜9.0質量部であることがさらに好ましい。無機系膨張材の含有量が1.0質量部以上であることにより、硬化過程での長期的な収縮を抑制する効果を発現できる傾向がある。無機系膨張材の含有量が13.0質量部以下であることにより、硬化過程での過度の膨張と、膨張によるひび割れを抑制できる傾向がある。
金属系膨張材としては、アルミニウム粉、鉄粉等の金属粉等が挙げられる。比重の面から、金属系膨張材は、アルミニウム粉であることが好ましい。アルミニウム粉は、JIS K−5906「塗装用アルミニウム粉」の第2種に準ずるものが好ましい。
流動化剤としては、ポリカルボン酸系流動化剤及びナフタレンスルフォン酸系流動化剤が挙げられる。これら流動化剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。
増粘剤としては、セルロース系、蛋白質系、ラテックス系、変性アクリル系及び水溶性ポリマー系等が挙げられる。増粘剤は変性アクリル系又はセルロース系増粘剤であることが好ましい。また、増粘剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
pH調整剤としては、特に限定はないが、例えば、塩酸、硫酸、亜硫酸、過硫酸、リン酸、亜リン酸、硝酸、亜硝酸及び炭酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、2−エチルヘキシル酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、エルシン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、アクリル酸、メタクリル酸及びマレイン酸等の有機酸;並びに、上記有機酸又は無機酸の塩が挙げられる。上記有機酸又は無機酸の塩は、塩酸、硫酸、リン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸、グルタル酸、クエン酸、リンゴ酸及びグルコン酸からなる群より選ばれる酸のナトリウム、カリウム、マグネシウム及びカルシウム塩であることが好ましい。pH調整剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。水硬性組成物中のpH調整剤の含有量は、アルキレンオキサイド付加物100質量部に対して、0.0001〜5質量部であることが好ましい。
凝結調整剤は、用いる水硬性成分に応じて、特性を損なわない範囲で適宜添加することができ、凝結促進剤及び凝結遅延剤の成分、添加量及び混合比率を適宜選択して、可使時間及び凝結等を調整することができる。
樹脂粉末としては、エチレン/酢酸ビニル共重合体、及びアクリル系重合体等の乳化重合した高分子エマルジョンを噴霧乾燥して調製した樹脂粉末等が挙げられる。
無機質微粉末としては、炭酸カルシウム、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフューム、及び溶融スラグ等が挙げられる。
(水硬性組成物の製造方法)
本実施形態の水硬性組成物は、上述の各成分を混合することにより得られる。第1のアルキレンオキサイド付加物の製造方法としては、特に限定はないが、例えば、下記一般式(1a):
ROH (1a)
で表されるアルコールに対して、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドを供給して付加反応させる工程を含む製造方法等を挙げることができる。ただし、Rは炭素数18以上のアルキル基又はアルケニル基を示す。R中のアルキル基又はアルケニル基は直鎖状又は分枝鎖状である。
上記製造方法では、アルキレンオキサイドがランダム付加及び/又はブロック付加するように付加反応させる。また、ランダム付加とブロック付加を組み合わせて付加反応させてもよい。
上記製造方法では、付加反応を1つの工程のみで行ってもよく、複数の工程に分けて行ってもよい。付加反応を1つの工程のみで行う製造方法としては、例えば、プロピレンオキサイド及びエチレンオキサイドをランダム付加させる工程のみを備える製造方法等を挙げることができる。また、付加反応を複数の工程に分けて行う場合として、例えば、2工程で行う製造方法としては、例えば、プロピレンオキサイド又はエチレンオキサイドをアルコールにブロック付加させる工程と、ブロック付加後のアルキレンオキサイド付加物にプロピレンオキサイド及びエチレンオキサイドをランダム付加させる工程を備える製造方法;プロピレンオキサイド及びエチレンオキサイドをランダム付加させる工程と、ランダム付加後のアルキレンオキサイド付加物にプロピレンオキサイド又はエチレンオキサイドをブロック付加させる工程を備える製造方法等を挙げることができる。
上記一般式(1a)で表されるアルコールとしては、特に限定はないが、オクタデカノール、ノナデカノール、及びエイコサノール等の直鎖状アルカノール;1−メチルヘプタデカノール等の分枝鎖状アルカノール;オクタデセノール、ノナデセノール、及びエイセノール等の直鎖状アルケノール;並びに、1−メチルヘプタデセノール等の分枝鎖状アルケノール等が挙げられる。これらのアルコールは、1種又は2種以上を併用してもよい。
付加反応は、触媒の存在下で行われてもよい。触媒としては、特に限定はないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、及び水酸化ストロンチウム等のアルカリ(土類)金属の水酸化物;酸化カリウム、酸化ナトリウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、及び酸化ストロンチウム等のアルカリ(土類)金属の酸化物;金属カリウム及び金属ナトリウム等のアルカリ金属;水素化ナトリウム及び水素化カリウム等の金属の水素化物;炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、及び炭酸カリウム等のアルカリ(土類)金属の炭酸塩;並びに、硫酸ナトリウム及び硫酸マグネシウム等のアルカリ(土類)金属の硫酸塩等が挙げられる。これらの触媒は、1種又は2種以上を併用してもよい。
触媒の使用量については、特に限定はないが、アルコール100質量部に対して、好ましくは0.001〜10質量部、より好ましくは0.001〜8質量部、さらに好ましくは0.01〜6質量部、よりさらに好ましくは0.05〜5質量部、特に好ましくは0.05〜3質量部である。触媒の使用量が0.001質量部以上であることにより、付加反応が十分に進行する傾向がある。一方、触媒の使用量が10質量部以下であることにより、第1のアルキレンオキサイド付加物の着色を抑える傾向がある。
上記製造方法では、アルコール及び触媒等の原料を反応容器に仕込み、そして上記反応容器に対して脱ガス処理又は脱水処理等を行うことが好ましい。脱ガス処理の方法としては、例えば、減圧脱気方式及び真空脱気方式等が挙げられる。また、脱水処理の方法としては、例えば、加熱脱水方式、減圧脱水方式及び真空脱水方式等が挙げられる。
上記製造方法では、付加反応を減圧状態から開始してもよいし、大気圧の状態から開始してもよいし、さらには加圧状態から開始してもよい。大気圧状態又は加圧状態から開始する場合には、付加反応は不活性ガスの雰囲気下で行われることが好ましい。付加反応が不活性ガスの雰囲気下で行われると、アルキレンオキサイドと酸素との副反応等に起因して生成する不純物を十分に除去することが可能となり、また、安全性の観点からも有用であるので好ましい。不活性ガスとしては特に限定はないが、例えば、窒素ガス、アルゴンガス、及び二酸化炭素ガス等が挙げられる。これらの不活性ガスは1種又は2種以上を併用してもよい。
反応容器内の初期圧力については、特に限定はないが、例えば、ゲージ圧で好ましくは0〜0.50MPa、より好ましくは0〜0.45MPa、さらに好ましくは0〜0.4MPa、よりさらに好ましくは0〜0.35MPa、特に好ましくは0〜0.3MPaである。反応容器内の初期圧力が0MPa以上であることにより、不純物の発生量を低減できる傾向がある。一方、反応容器内の初期圧力が0.50MPa以下であることにより、反応速度を高く維持することができる傾向がある。
アルコールに対してアルキレンオキサイドを供給すると、付加反応が生起する。付加反応時の反応容器内の圧力は、アルキレンオキサイドの供給速度、反応温度、及び触媒量等に影響される。付加反応時の反応容器内の圧力は、特に限定はないが、ゲージ圧で好ましくは0〜5.0MPa、より好ましくは0〜4.0MPa、さらに好ましくは0〜3.0MPa、よりさらに好ましくは0〜2.0MPa、特に好ましくは0.1〜1.0MPaである。付加反応時の反応容器内の圧力が0MPa以上であることにより、反応速度を高く維持することができる傾向がある。一方、付加反応時の反応容器内の圧力が5.0MPa以下であることにより、製造が容易となる傾向がある。
付加反応の反応温度としては特に限定はないが、好ましくは70〜240℃、より好ましくは80〜220℃、さらに好ましくは90〜200℃、特に好ましくは100〜190℃、最も好ましくは110〜180℃である。反応温度が70℃以上であることにより、付加反応が十分に進行する傾向がある。一方、反応温度が240℃以下であることにより、得られるアルキレンオキサイド付加物の着色及びアルキレンオキサイド付加物中のポリオキシアルキレン基の分解が抑制される傾向がある。
上記付加反応に要する時間(反応時間)は、特に限定はないが、好ましくは0.1〜100時間、より好ましくは0.1〜80時間、さらに好ましくは0.1〜60時間、よりさらに好ましくは0.1〜40時間、特に好ましくは0.5〜30時間である。反応時間が0.1時間以上であることにより、付加反応が十分に進行する傾向がある。一方、反応時間が100時間以下であることにより、生産効率の低下を抑制できる傾向がある。
アルキレンオキサイドの供給が完了すると反応容器内の内圧はアルキレンオキサイドが消費されることにより徐々に低下していく。付加反応は内圧の変化が認められなくなるまで継続することが好ましい。付加反応は一定時間における内圧の変化が認められなくなった時点で反応を終了する。必要に応じて加熱減圧操作等を実施し、未反応のアルキレンオキサイドを回収してもよい。
また、付加反応終了後に、必要に応じて、触媒を中和及び/又は除去してもよい。触媒の中和は、通常の方法により行えばよく、例えば、触媒がアルカリ触媒である場合は、塩酸、リン酸、酢酸、乳酸、クエン酸、コハク酸、アクリル酸、及びメタクリル酸等の酸を添加して行う方法等が挙げられる。
触媒の除去は、特に限定はないが、例えば、触媒を吸着剤に吸着させた後、固液分離する方法が挙げられる。
また、消泡剤としての第2のアルキレンオキサイド付加物は、上記第1のアルキレンオキサイド付加物と同様の製造方法から得てもよいし、市販品を購入して得てもよい。
(水硬性モルタル)
本実施形態の水硬性モルタルは、上記水硬性組成物と水とを含み、混練装置を用いて、又は、混練機構を有するミキサー設備を用いて、混練することにより得ることができる。本実施形態の水硬性組成物によれば、高温環境下においても収縮低減効果が得られることから、30℃以上の高温環境下においても混練することができる。
上記水硬性モルタルは、トンネルやシールドの裏込め、ダムの継ぎ目、構造物の補修や補強、鉄筋継手、機械基礎の固定、下水道の補修等、及び土木・建築分野の構造物を施工するための各種工事において、高流動性、無収縮性及び高強度といった性能を有することからその利用価値は大きい。
(硬化体)
本実施形態の硬化体は、上記水硬性モルタルを硬化させてなるものであり、スラリー状の水硬性モルタルを要求に応じた形状を有する型枠に流し込み、養生することにより形成される。一定時間養生することにより、水和反応が起こり、型枠内の水硬性モルタルが硬化し、型枠の形状に沿った硬化体が得られる。型枠内の水硬性モルタルの養生環境は、硬化体を要する場所の環境に応じて適宜選択され、温度5〜35℃、湿度50〜100%RHであることが好ましい。本実施形態の水硬性組成物を用いることにより、高温環境下においても収縮低減効果が得られることから、ひび割れが少ない硬化体を得ることができる。
上記のようにして得られた硬化体では、良好な凍結融解抵抗性が維持される。具体的には、本実施形態の硬化体の凍結融解サイクル300回後の相対動弾性係数は、90〜110%であることが好ましい。硬化体の相対弾性係数が上記範囲内にあることで、凍結融解過程(条件)下の硬化体における、ひび割れの発生又は強度低下を抑制できる傾向がある。同様の観点から、硬化体の凍結融解サイクル300回後の相対弾性係数は、92〜108%であることがより好ましく、94〜106%であることがさらに好ましく、95〜105%であることがよりさらに好ましく、96〜104%であることが特に好ましい。また、本実施形態の硬化体の凍結融解サイクル300回後の質量減少率は、0.50%以下であることが好ましい。硬化体の質量減少率が上記範囲内であることで、凍結融解過程(条件)下の硬化体における、ひび割れの発生又は強度低下を抑制できる。同様の観点から、硬化体の凍結融解サイクル300回後の質量減少率は、0.40%以下であることがより好ましく、0.30%以下であることがさらに好ましく、0.20%以下であることが特に好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<評価方法>
(1)アルキレンオキサイド付加物の1%曇点
アルキレンオキサイド付加物の1%曇点を測定するための曇点測定器具を、図3を参照しながら説明する。曇点測定器具1では、氷水9が貯留されたビーカー2に試験管3の下端が挿入されている。試験管3はクランプで保持され、試験管3の下端はビーカー2内の氷水9中に配置されている。試験管3には下記実施例及び比較例で得られたアルキレンオキサイド付加物の1質量%水溶液8が導入されている。試験管3の内部にはアルキレンオキサイド付加物の1質量%水溶液8の温度を測定する温度計5aが固定されている。ビーカー2の内部には、氷水9を加熱するためのパイプヒーター6、及び氷水9の温度を測定する温度計5bが固定されている。
温度計5aはゴム栓4を貫通して保持されている。ビーカー2は氷水9を攪拌可能なマグネチックスターラー7a上に設置され、ビーカー2中にはスターラーチップ7bが配置されている。用具の詳細は以下のとおりである。
ビーカー2:容量1000mL、直径120mm、高さ150mm
試験管3:直径20mm、高さ180mm、試験管3底部とビーカー2底面との距離20mm、ビーカー2の水面が試験管3中のアルキレンオキサイド付加物の1質量%水溶液の液面より10cm高くなるように試験管3が設置される。
ゴム栓4:直径20mm
温度計5a,5b:−20℃から100℃までのもの、1/10℃目盛
パイプヒーター6:長さ約120mm、銅製
アルキレンオキサイド付加物の1質量%水溶液を調製し、試験管3に10mL採取した。上記試験管3を上述のように氷水9中に配置し、アルキレンオキサイド付加物の1質量%水溶液8の温度が0℃になったことを確認した。パイプヒーター6及びマグネチックスターラー7aを電源に接続し、マグネチックスターラー7aでビーカー2中の氷水9を攪拌しながら加熱した。アルキレンオキサイド付加物の1質量%水溶液8が0℃から0.2℃/分の速さで加熱されるように氷水9を加熱して水溶液の曇りを目視にて確認した。水溶液が曇り始め、温度計5aの水銀球の中心まで曇りが認められたときの温度を曇点とした。なお、アルキレンオキサイド付加物の1質量%水溶液8の温度が0℃であっても曇りが認められた場合には、曇点が0℃未満であると判断した。また、アルキレンオキサイド付加物の1質量%水溶液8の温度が99℃となってもなお曇りが認められなかった場合には、曇点が99℃を超えると判断した。
(2)アルキレンオキサイド付加物のHLB値
下記実施例及び比較例で得られたアルキレンオキサイド付加物のHLB値を下記式(i)(グリフィンの式)より算出した。
Figure 0006416546

式(i)中、親水基部分とは、例えば、上記式(1)又は(2)で表されるアルキレンオキサイド付加物を構成するRO−、R’O−、(PO)、及び(EO)のうちの(EO)のみを示すものとした。上記式(1)で表されるアルキレンオキサイド付加物であって、例えばq=5である場合には、アルキレンオキサイド付加物の分子量のうちの親水基部分相当量は220(=44×5)となる。
(3)アルキレンオキサイド付加物の重量平均分子量
アルキレンオキサイド付加物を、不揮発分濃度が約0.2質量%となるように、テトラヒドロフランに溶解させ、溶離液を調製した。溶離液を用いて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下の条件でアルキレンオキサイド付加物の重量平均分子量を測定した。検量線の作成には分子量既知のポリエチレングリコールを用いた。
機器名:HLC−8220(東ソー株式会社製)
カラム:KF−G、KF−402HQ、及びKF−403HQの各1本ずつを直列に連結(いずれもShodex社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
注入量:10μL
溶離液の流量:0.3mL/分
温度:40℃
(4)オキシアルキレン基の平均付加モル数
アルキレンオキサイド付加物約30mgを直径5mmの試料管に秤量し、約0.5mLの重水素化クロロホルムを加え溶解させ、測定用溶液を作製した。H−NMR測定装置(BRUKER社製、商品名:AVANCE400、100MHz)で、測定用溶液のH−NMRスペクトルを得た。H−NMRスペクトルにおいてオキシプロピレン基及びオキシエチレン基それぞれに帰属されるピークの積分値を読み取り、オキシプロピレン基の平均付加モル数及びオキシエチレン基の平均付加モル数を算出した。また、末端のアルコキシ基(上記式(1)中のRO−、又は、上記式(2)中のR’O−)の炭素数は、アルキル基又はアルケニル基に帰属されるピークの積分値を読み取り、算出した。
(5)アルキレンオキサイド付加物の表面張力
アルキレンオキサイド付加物の0.1質量%水溶液を試験液とし、自動表面張力計(KRUSS社製、商品名:Tensiometer K100)を用いて、ウィルヘルミー法により温度25℃の測定条件下で測定した。
(6)空気量
下記実施例及び比較例で得られた水硬性モルタルを用い、JIS A5308:1998の付属書3モルタルの圧縮強度による砂の試験方法に規定されたモルタルの空気量測定法に準拠して、空気量(体積%)を測定した。
(7)収縮量(長さ変化量)
水硬性モルタルの長さ変化量の測定には図4に示す長さ変化量測定装置10を用いた。図4(a)は長さ変化量測定装置10の上面図であり、図4(b)は(a)のb−b線に沿った断面図である。図4(a)に示すように、長さ変化量測定装置10は水硬性モルタルが打設される収容部20を形成する型枠11を有する。型枠11の収容部20を形成する長手方向の一端の側壁の内側及び外側にそれぞれ緩衝材14が設置されている。x−y方向に移動可能なSUS製棒13aは、型枠11の側壁及び該側壁を挟んで設けられる緩衝材14,14を貫通して設置されている。SUS製棒13aの両端部には、SUS製円盤12a,12bが設けられている。ここで、SUSとは、JISに規定されるステンレス鋼材料を指す。
型枠11の他方の側壁面の内面には、SUS製棒13bが設置されている。SUS製棒13bの側壁面と反対側の端部には、SUS製円盤12bと対向するようにSUS製円盤12cが設けられている。測定前のSUS製円盤12bとSUS製円盤12cとの距離dは210mmである。図4(b)に示すように、型枠11の内面にはフッ素樹脂シート16が設置されている。ここで、型枠11の内壁の高さh=30mmであり、型枠11の内壁底面の短手方向の幅w=40mmである。
型枠11内に打設した水硬性モルタルが収縮するとSUS製円盤12a,12bが測定前の位置から矢印xの方向へ変位し、水硬性モルタルが膨張すると矢印y方向へ変位する。型枠11外部には、SUS製円盤12aのx−y方向の変位を測定可能なレーザ変位センサ15が配置されている。
下記実施例及び比較例で得られた混練直後の水硬性モルタルを型枠11の収容部20に型枠の高さまで打設し、後述の養生条件における打設直後から24時間後までの長さの変化(SUS製円盤12aのx−y方向の変位a)を1分毎に測定した。なお、下記混練条件Aで混練した水硬性モルタルの養生は温度20℃、湿度65%RHの大気中(養生条件A)で、下記混練条件Bで混練した水硬性モルタルの養生は温度35℃、湿度65%RHの大気中(養生条件B)で行った。
水硬性モルタルの長さ変化量は、SUS製円盤12aのx−y方向の変位a(μm)を、測定前のSUS製円盤12bとSUS製円盤12cとの距離dで除して、1000倍した値(μm/m)として算出した(下記式(ii)参照)。長さ変化量の(−)は収縮を意味し、(+)は膨張を意味する。
長さ変化量=(a×1000)/d …(ii)
また、打設直後から12時間経過した時点での長さ変化量(μm/m)を下記基準に従って評価した。
A:長さ変化量が−500を超える。
B:長さ変化量が−500以下であり、−700を超える。
C:長さ変化量が−700以下であり、−1000を超える。
D:長さ変化量が−1000以下であり、−1500を超える。
E:長さ変化量が−1500以下である。
(8)フロー値
フロー値は、建築改修工事監理指針に記載の簡易テーブルフロー試験方法に準拠して測定した。すなわち、厚さ5mmのみがき板ガラスの上に内径50mm、高さ102mmの塩化ビニル製パイプ(内容積200mL)を置き、下記実施例及び比較例で得られた水硬性モルタルを充填した後、パイプを引き上げた。広がりが静止した後、直角2方向の直径を測定し、その平均値をフロー値(mm)とした。
(9)終結時間
下記実施例及び比較例で得られた混練直後の水硬性モルタルに対し、JIS R5201:1997のセメントの物理試験方法に規定されたモルタルの凝結試験方法に準拠して、終結時間(分)を測定した。
(10)圧縮強度
下記実施例及び比較例で得られた水硬性モルタルを、温度20℃、湿度95%RHの大気中の型内で硬化させた。翌日、硬化体を脱型後、20℃の水中で28日間養生し、試験体(φ5×10cm)を得た。試験体に対して、JIS A−1108に準拠して、圧縮強度(N/mm)の評価を行った。
(11)凍結融解抵抗性
下記実施例及び比較例で得られた水硬性モルタルを型枠内に入れ、1日後脱型し、その後28日間20℃の水中で養生を行うことで、3個の供試体を得た。供試体は、断面形状が正方形である直方体であり、上記正方形の一辺の長さが100mmであり、高さが400mmであるものとした。
水硬性モルタルの硬化体の凍結融解抵抗性は、JIS A 1148−2010「コンクリートの凍結融解試験方法(A法)」に記載の試験方法に準拠し、上記供試体に対して凍結融解工程を繰り返し、凍結融解工程後の供試体のたわみ振動の一次共鳴振動数及び質量を測定し、相対動弾性係数及び質量減少率を算出することにより、評価した。凍結融解工程の1サイクルは、供試体の中心部温度を5℃から−18℃に下げる凍結工程と、−18℃から5℃に上げる融解工程とからなるものであり、1サイクルは3〜4時間で行った。相対動弾性係数及び質量減少率を30サイクルごとに算出した。
<アルキレンオキサイド付加物の調製>
(製造例1)
エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドの供給ラインを各々接続した1Lのオートクレーブに、ステアリルアルコール(分子量270)100gと、水酸化カリウム0.3gとを仕込んだ後、オートクレーブ内を窒素置換してから、攪拌しつつ80℃で減圧脱水を行った。
次いで、130℃まで昇温した後、反応温度145±5℃、反応圧力3.5±0.5kg/cmを維持しつつ、約120分間でエチレンオキサイド49g及びプロピレンオキサイド279gを同時に供給した。
エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドの供給が完了した後、反応温度を維持しつつ、内圧が低下して一定になるまで熟成させ、80℃まで冷却した。後処理として、得られた反応混合物に合成吸着剤(キョーワード700、協和化学工業(株))3gを加えて、90℃で窒素気流下1時間攪拌して処理した後、ろ過により触媒を除去して、アルキレンオキサイド付加物1を得た。
得られたアルキレンオキサイド付加物1のプロピレンオキサイドの平均付加モル数pは13であり、エチレンオキサイド平均付加モル数qは3であった。また、重量平均分子量は1149であり、表面張力は32.5mN/mであり、曇点は20℃であった。Rの炭素数は、原料として用いたアルコール(ステアリルアルコール)の炭素数と同一である。
(製造例2〜11)
原料のアルコール、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドの供給量を変更した以外は製造例1と同様にして、アルキレンオキサイド付加物2〜11を得た。得られたアルキレンオキサイド付加物1〜11の特性を表1に示す。
Figure 0006416546
<水硬性組成物及び水硬性モルタルの調製>
参考例1,3、実施例2,4及び比較例1〜12)
下記表3〜6に示す質量部で水硬性組成物と水とを下記混練条件A及びBにて混練し、それぞれの条件で混練した水硬性モルタルを調製した。得られた水硬性モルタルに対し、上記方法に従って、空気量、収縮量、フロー値、終結時間、及び圧縮強度を評価した。評価結果を表7に示す。
(1)混練条件A
温度20℃、湿度65%RHの恒温室において、2Lポリ容器に恒温室と同じ温度に養生した水を入れた。攪拌機を用いて300rpmで攪拌しながら水硬性組成物を加え、700rpmで2分間混練し、水硬性モルタルを得た。攪拌機には、タービン羽根を取り付けた0.15KW攪拌機(新東科学社製、品番:スリーワンモータBL600)を使用した。
(2)混練条件B
温度35℃、湿度65%RHの恒温室において混練したこと以外は、混練条件Aと同様にして、水硬性モルタルを得た。
(3)混練条件C
温度30〜35℃、湿度45〜60%RHの屋外実験場において混練したこと以外は、混練条件Aと同様にして、水硬性モルタルを得た。
表3〜6に記載される材料の名称の詳細は以下のとおりである。なお、下記比表面積の測定方法は、JIS R5201−1997に規定されているブレーン空気透過装置を用いたものである。各粒子径における粒子の下記質量割合は、JIS Z 8801−2006に規定される目開き寸法の異なる数個の篩を用いて測定した値である。また、下記粘度は、増粘剤の2質量%水溶液を、B型粘度計(BROOKFIELD社製デジタル粘度計:RVDV−1+)を用いて、ローターNo.4、回転速度12rpm、20℃で測定した値である。
セメント:早強ポルトランドセメント、ブレーン比表面積4500cm/g。
細骨材A:5号珪砂及び6号珪砂の混合物、各粒子径における粒子の質量割合(粒度構成)を表2に示す。
流動化剤A:ポリカルボン酸系流動化剤。
増粘剤A:変性アクリル系増粘剤、粘度4,283mPa・s。
消泡剤1:式(2)で表されるアルキレンオキサイド付加物。式(2)中のxは70〜80であり、yは10以下であり、R’は炭素数16〜18のアルキル基であった。重量平均分子量は約5000であった。曇点は0℃以下であった。
Figure 0006416546
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Figure 0006416546
Figure 0006416546
アルキレンオキサイド付加物を含まない比較例1では、収縮量が大きかった。アルキレンオキサイド付加物を含んでいても、アルキル基Rの炭素数が少ない比較例2及び3、並びに、曇点が小さい比較例4〜8では、特に高温での収縮低減効果が確認できなかった。一方、曇点の高いアルキレンオキサイド付加物を用いた比較例9〜12では、20℃付近での収縮低減効果は確認できたものの、空気量を抑制できず、強度低下を招いた他、ハンドリング性の低下も生じた。
また、参考例1と比較例1にて混練条件Cで得られた水硬性モルタルを、温度30〜35℃、湿度45〜60%RHの屋外実験場(養生条件C)で保管した。養生条件Cで保管したときの収縮量の経時変化を比較したグラフを図1に示す。図1からは、比較例1における水和初期の収縮が著しく、比較例1と比べて参考例1では収縮量が大きく低減されていることが確認できる。また、参考例1の養生条件Cで保管して得られた硬化体にはひび割れが確認できなかったのに対し、比較例1の養生条件Cで保管して得られた硬化体には大きなひび割れが確認された。
参考例5〜7及び比較例13)
下記表9に示す質量部で水硬性組成物と水とを上記混練条件A及びBにて混練し、それぞれの条件で混練した水硬性モルタルを調製した。得られた水硬性モルタルに対し、上記方法に従って、収縮量を評価した。評価結果を表10に示す。また、参考例7及び比較例13で得られた水硬性モルタルに対し、上記方法に従って、凍結融解抵抗性を評価した。評価結果を図2に示す。
表9に記載される新たな材料の名称の詳細は以下のとおりである。なお、各粒子径における粒子の下記質量割合は、JIS Z 8801−2006に規定される目開き寸法の異なる数個の篩を用いて測定した値である。また、下記粘度は、増粘剤の2質量%水溶液を、B型粘度計(BROOKFIELD社製デジタル粘度計:RVDV−1+)を用いて、ローターNo.4、回転速度12rpm、20℃で測定した値である。
細骨材B:5号珪砂、6号珪砂及び8号珪砂の混合物、各粒子径における粒子の質量割合(粒度構成)を表8に示す。
無機系膨張材:生石灰−石膏系膨張材(生石灰の含有量:50質量%)。
金属系膨張材:アルミニウム粉末(粒子径44μm以下の粒子の含有量:60質量%以上)。
流動化剤B:変性ポリカルボン酸系流動化剤。
増粘剤B:メチルセルロース系増粘剤(粘度:5,150mPa・s)。
Figure 0006416546
Figure 0006416546
Figure 0006416546
参考例8〜11
下記表11に示す質量部で水硬性組成物と水とを上記混練条件にて混練し、水硬性モルタルを調製した。得られた水硬性モルタルに対し、上記方法に従って、空気量を評価した。評価結果を表12に示す。
Figure 0006416546
Figure 0006416546
参考例12〜15
下記表13に示す質量部で水硬性組成物と水とを上記混練条件にて混練し、水硬性モルタルを調製した。得られた水硬性モルタルに対し、上記方法に従って、空気量を評価した。評価結果を表14に示す。
表13に記載される新たな材料の名称の詳細は以下のとおりである。
消泡剤2:式(2)で表されるアルキレンオキサイド付加物。式(2)中のxは70〜80であり、yは10以下であり、R’は炭素数16〜18のアルキル基であった。重量平均分子量は約5000であった。曇点は0℃以下であった。
Figure 0006416546
Figure 0006416546
表10の結果からは、一般式(1)で表されるアルキレンオキサイド付加物を含む参考例5〜7の水硬性モルタルでは、上記アルキレンオキサイド付加物を含まない比較例13と比べて、収縮量が大きく低減したことが確認された。また、図2のグラフに記載されるように、一般式(1)で表されるアルキレンオキサイド付加物を含む参考例7の水硬性モルタルから得られる硬化体と、上記アルキレンオキサイド付加物を含まない比較例13の水硬性モルタルから得られる硬化体との間で、相対動弾性係数及び質量減少率の算出値が300サイクル後においてもほぼ同等であった(すなわち、300サイクル後における参考例7の相対動弾性係数は103%、質量減少率は0.17%であり、比較例13の相対動弾性係数は102%、質量減少率は0.12%であった)。このことから、一般式(1)で表されるアルキレンオキサイド付加物を含む水硬性モルタルから得られる硬化体が上記アルキレンオキサイド付加物を含まない水硬性モルタルの硬化体とほぼ同等の凍結融解抵抗性を有することが確認された。表12及び表14の結果からは、消泡剤を含む参考例7〜10及び参考例12〜15の水硬性モルタルでは、消泡剤を含まない参考例11の水硬性モルタルと比べて、硬化体の空気量が大きく低減した。このことから、空気量がさらに低減された硬化体が得られることが確認された。
1…曇点測定器具、2…ビーカー、3…試験管、4…ゴム栓、5a,5b…温度計、10…長さ変化量測定装置、11…型枠、12a,12b,12c…SUS製円盤、13a,13b…SUS製棒、14…緩衝材、15…レーザ変位センサ、16…フッ素樹脂シート、20…収容部。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表される第1のアルキレンオキサイド付加物、及び、水硬性成分を含み、
    前記第1のアルキレンオキサイド付加物の1質量%水溶液の曇点が18〜72℃であり、
    前記第1のアルキレンオキサイド付加物のHLB値が8を超え、20以下である、水硬性組成物。
    RO−[(PO)/(EO)]−H (1)
    (式(1)中、Rは炭素数18以上のアルキル基又はアルケニル基を示し、R中の前記アルキル基又はアルケニル基は直鎖状又は分枝鎖状であり、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基を示し、p及びqは下記式(A)〜(C)を満たす。)
    1≦p≦20 (A)
    1≦q≦30 (B)
    10<p+q≦30 (C)
  2. 前記第1のアルキレンオキサイド付加物とは異なる消泡剤をさらに含み、
    前記消泡剤が下記一般式(2)で表される第2のアルキレンオキサイド付加物であり、
    前記第2のアルキレンオキサイド付加物の1質量%水溶液の曇点が18℃未満である、請求項に記載の水硬性組成物。
    R’O−[(PO) /(EO) ]−H (2)
    (式(2)中、R’は水素原子、又は炭素数1〜18のアルキル基若しくはアルケニル基を示し、R’中の前記アルキル基又はアルケニル基は直鎖状又は分枝鎖状であり、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基を示し、xは11〜100であり、yは0〜20である。)
  3. 請求項1又は2に記載の水硬性組成物、及び、水を含む、水硬性モルタル。
  4. 請求項に記載の水硬性モルタルを硬化させてなる、硬化体。
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