JP6176452B2 - ワンウェイクラッチおよびクランク式無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、インナー部材の外周面およびアウター部材の内周面間に配置したケージに保持した複数のローラをエンゲージスプリングで周方向に付勢し、前記インナー部材および前記アウター部材の一方向への相対回転により前記ローラを前記外周面および前記内周面間に噛み込ませて駆動力を伝達するワンウェイクラッチと、そのワンウェイクラッチを備えるクランク式無段変速機とに関する。
ワンウェイクラッチのローラを周方向に付勢するエンゲージスプリングをコイルばねで構成するとともに、ローラを保持するケージにコイルばねの軸方向変位を規制する張り出し部を設けることで、コイルばねの姿勢を安定させてローラが傾いた状態で内輪および外輪間に噛み込むのを防止するものが、下記特許文献1により公知である。
特許第3903157号公報
ところで、ローラを周方向に付勢するエンゲージスプリングとして板ばねを用いた場合には、コイルばねを必須とする上記特許文献1の構造を採用することができないため、ローラの第1端面をアキシャルスプリングで軸方向に付勢することで、ローラの第2端面をケージの側面に押し付けて傾きを防止することが考えられる。
しかしながら、ローラの傾きを防止するためにアキシャルスプリングを設けても、ローラがダンピングポイントからデイタムポイントに移動する間に僅かに傾くと、ローラの第2端面の外周部がケージの側面に引っ掛かってしまい、デイタムポイントでローラが傾いてワンウェイクラッチのスムーズな係合が妨げられたり、ローラの第2端面の外周部がケージの側面と擦れ合って摩耗の原因となったりする可能性がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、アキシャルスプリングで軸方向に付勢されたローラの端面の外周部がケージの側面に噛み込むのを防止することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、インナー部材の外周面およびアウター部材の内周面間に配置したケージに保持した複数のローラをエンゲージスプリングで周方向に付勢し、前記インナー部材および前記アウター部材の一方向への相対回転により前記ローラを前記外周面および前記内周面間に噛み込ませて駆動力を伝達するとともに、前記ケージは前記ローラの第1端面および第2端面にそれぞれ対向する第1側面および第2側面を備え、前記第1側面に設けたアキシャルスプリングで前記第1端面を軸方向に付勢して前記第2端面を前記第2側面に当接させることで前記ローラの姿勢を規制するワンウェイクラッチであって、前記第1側面に付勢部材を軸方向移動自在に支持し、前記付勢部材を前記アキシャルスプリングで前記第1端面に向けて軸方向に付勢するとともに、前記第2側面に前記第2端面が当接する凸部を形成し、前記付勢部材のローラ当接面と前記凸部のローラ当接面とを同一形状とし、かつ前記ローラの軸方向両側において同軸上に対向させることで、前記第1端面および前記付勢部材間に作用する摩擦力と、前記第2端面および前記凸部間に作用する摩擦力とを一致させたことを特徴とするワンウェイクラッチが提案される。
また請求項に記載された発明によれば、請求項の構成に加えて、前記ローラが前記インナー部材の外周面および前記アウター部材の内周面間に噛み込む直前の待機位置であるデイタムポイントにあるときに、前記付勢部材および前記凸部のローラ当接面の外周部は、前記第1、第2端面の外周部の内側にあることを特徴とするワンウェイクラッチが提案される。
また請求項に記載された発明によれば、請求項1または請求項に記載のワンウェイクラッチを備えるクランク式無段変速機であって、前記ワンウェイクラッチの前記インナー部材は、駆動源に接続された入力軸の回転を変速して出力軸に伝達する動力伝達ユニットの前記出力軸の外周に固設され、前記動力伝達ユニットは、前記入力軸の軸線からの偏心量が可変であって該入力軸と共に回転する入力側支点と、前記ワンウェイクラッチの前記アウター部材に設けた出力側支点と、前記入力側支点および前記出力側支点を接続するコネクティングロッドとを備えることを特徴とするクランク式無段変速機が提案される。
尚、実施の形態の偏心ディスク18は本発明の入力側支点に対応し、実施の形態のピン19cは本発明の出力側支点に対応し、実施の形態のエンジンEは本発明の駆動源に対応し、実施の形態の第1当接面P1は本発明の付勢部材のローラ当接面に対応し、実施の形態の第2当接面P2は本発明の凸部のローラ当接面に対応する。
請求項1の構成によれば、ワンウェイクラッチは、インナー部材の外周面およびアウター部材の内周面間に配置したケージに保持した複数のローラをエンゲージスプリングで周方向に付勢し、インナー部材およびアウター部材の一方向への相対回転によりローラを外周面および内周面間に噛み込ませて駆動力を伝達する。ケージはローラの第1端面および第2端面にそれぞれ対向する第1側面および第2側面を備え、第1側面に設けたアキシャルスプリングで第1端面を軸方向に付勢して第2端面を第2側面に当接させることでローラの姿勢を規制する。
ローラの第1端面に作用する摩擦力と、ローラの第2端面に作用する摩擦力とを一致させたので、ローラがデイタムポイントからエンゲージポイントに向かって移動する際に第1、第2端面の摩擦力のアンバランスにより傾くことを抑制し、傾いたローラの第1、第2端面の外周部がケージの第1側面および第2側面に接触して摩耗するのを防止するとともに、ローラをインナー部材の外周面およびアウター部材の内周面間にスムーズに噛み込ませてワンウェイクラッチの係合応答性を高めることができる。
しかも、第1側面に付勢部材を軸方向移動自在に支持し、付勢部材をアキシャルスプリングで第1端面に向けて軸方向に付勢するとともに、第2側面に第2端面が当接する凸部を形成し、付勢部材のローラ当接面と凸部のローラ当接面とを同一形状とし、かつローラの軸方向両側において同軸上に対向させることで、第1端面および付勢部材間に作用する摩擦力と、第2端面および凸部間に作用する摩擦力とを一致させたので、付勢部材にローラの付勢機能と摩擦力の調整機能とを併せ持たせることができるだけでなく、ローラの第1、第2端面の摩擦力を精度良くバランスさせることができる。
また請求項の構成によれば、ローラがデイタムポイントにあるときに、付勢部材および凸部のローラ当接面の外周部は、第1、第2端面の外周部の内側にあるので、ローラがインナー部材の外周面およびアウター部材の内周面間に噛み込む直前の待機位置であるデイタムポイントからエンゲージポイントに向かって移動する際に、第1、第2端面の外周部が付勢部材のローラ当接面や凸部のローラ当接面に引っ掛かってローラが傾くのを一層確実に防止することができる。
また請求項の構成によれば、ワンウェイクラッチのインナー部材は、駆動源に接続された入力軸の回転を変速して出力軸に伝達する動力伝達ユニットの出力軸の外周に固設され、動力伝達ユニットは、入力軸の軸線からの偏心量が可変であって該入力軸と共に回転する入力側支点と、ワンウェイクラッチのアウター部材に設けた出力側支点と、入力側支点および出力側支点を接続するコネクティングロッドとを備えるので、入力軸が回転してコネクティングロッドが往復運動すると、ワンウェイクラッチが間欠的に係合して出力軸が間欠的に回転することで駆動力が伝達される。その際にワンウェイクラッチは短い時間間隔で係合および係合解除を繰り返すため、請求項1または請求項の発明の効果が一層有効に発揮されて動力伝達ユニットの性能が向上する。
車両用動力伝達装置のスケルトン図。 図1の2部詳細図。 図2の3−3線断面図(OD状態)。 図2の3−3線断面図(GN状態)。 OD状態での作用説明図。 GN状態での作用説明図。 ワンウェイクラッチの分解斜視図。 アンギュラボールベアリングの内輪の部分斜視図。 図2の9部拡大図(図11の9−9線断面図)。 図9の10部拡大図。 図9の11−11線断面図。 図10の12−12線断面図。
以下、図1〜図12に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1〜図3に示すように、エンジンEの駆動力を左右の車軸10,10を介して駆動輪W,Wに伝達する車両用動力伝達装置は、クランク式の無段変速機TおよびディファレンシャルギヤDを備える。本実施の形態の無段変速機Tは同一構造を有する複数個(実施の形態では4個)の動力伝達ユニットU…を軸方向に重ね合わせたもので、それらの動力伝達ユニットU…は平行に配置された共通の入力軸11および共通の出力軸12を備えており、入力軸11の回転が減速または増速されて出力軸12に伝達される。
次に、図2〜図6に基づいて無段変速機Tの構造を説明する。
先ず、代表として一つの動力伝達ユニットUの構造を説明する。エンジンEに接続されて回転する入力軸11は、電動モータのような変速アクチュエータ14の中空の回転軸14aの内部を相対回転自在に貫通する。変速アクチュエータ14のロータ14bは回転軸14aに固定されており、ステータ14cはケーシングに固定される。変速アクチュエータ14の回転軸14aは、入力軸11と同速度で回転可能であり、かつ入力軸11に対して異なる速度で相対回転可能である。
変速アクチュエータ14の回転軸14aを貫通した入力軸11には第1ピニオン15が固定されており、この第1ピニオン15を跨ぐように変速アクチュエータ14の回転軸14aにクランク状のキャリヤ16が接続される。第1ピニオン15と同径の2個の第2ピニオン17,17が、第1ピニオン15と協働して正三角形を構成する位置にそれぞれピニオンピン16a,16aを介して支持されており、これら第1ピニオン15および第2ピニオン17,17に、円板形の偏心ディスク18の内部に偏心して形成されたリングギヤ18aが噛合する。偏心ディスク18の外周面に、コネクティングロッド19のロッド部19aの一端に設けたリング部19bがボールベアリング20を介して相対回転自在に嵌合する。
出力軸12の外周に設けられたワンウェイクラッチ21は、コネクティングロッド19のロッド部19aにピン19cを介して枢支されたリング状のアウター部材22と、アウター部材22の内部に配置されて出力軸12に固定されたインナー部材23と、アウター部材22とインナー部材23との間に形成された楔状の空間に配置されてエンゲージスプリング24…で付勢されたローラ25…とを備える。尚、ワンウェイクラッチ21の具体的な構造は後から詳述する。
図2から明らかなように、4個の動力伝達ユニットU…はクランク状のキャリヤ16を共有しているが、キャリヤ16に第2ピニオン17,17を介して支持される偏心ディスク18の位相は各々の動力伝達ユニットUで90°ずつ異なっている。例えば、図2において、左端の動力伝達ユニットUの偏心ディスク18は入力軸11に対して図中上方に変位し、左から3番目の動力伝達ユニットUの偏心ディスク18は入力軸11に対して図中下方に変位し、左から2番目および4番目の動力伝達ユニットU,Uの偏心ディスク18,18は上下方向中間に位置している。
次に、図7〜図12に基づいて、ワンウェイクラッチ21の構造を説明する。尚、図3〜図6においてワンウェイクラッチ21は模式的に図示されており、その実際の構造は図7〜図12に示されている。
本実施の形態のワンウェイクラッチ21は、基本的に環状のアウター部材22の円形の内周面22aと、筒状のインナー部材23の波状に屈曲する外周面23aとの間に12個のローラ25…を配置したものであり、アウター部材22の外周に設けた突出部22b,22bにピン19cおよびクリップ40,40を介してコネクティングロッド19が接続され、インナー部材23の内周部に出力軸12が相対回転不能に結合される。
ワンウェイクラッチ21は、ローラ25…を周方向に付勢するエンゲージスプリング24…を支持するためのケージ31を備える。ケージ31は後述するアンギュラボールベアリング34,34の一対の内輪36,36と、周方向に等間隔で配置されて一対の内輪36,36を相互に接続する12本のスプリング支持ロッド33…とで構成され、一対の内輪36,36が12個のローラ25…の軸方向両側に配置され、12本のスプリング支持ロッド33…が12個のローラ25…間に配置される。内輪36,36の内周部をインナー部材23の外周面23aに圧入することで、ケージ31はインナー部材23に相対回転不能に結合される。
エンゲージスプリング24は1枚の弾性板材を断面S字状に屈曲させたもので、その一端側がケージ31のスプリング支持ロッド33に溶接等で固定され、他端側にはローラ25に当接して弾性変形可能な付勢部24aが形成される。
またアウター部材22の内周面22aに形成した環状溝22cに環状のリングスプリング39が配置されており、このリングスプリング39はローラ25…の周面に当接してインナー部材23の外周面23aに向けて付勢する。
隣接する二つのワンウェイクラッチ21,21間には一つのアンギュラボールベアリング34が配置されており、このアンギュラボールベアリング34によってアウター部材22,22およびインナー部材23が同芯状態を維持しながら相対回転可能に接続される。アンギュラボールベアリング34は二つの外輪35,35および一つの内輪36間に複数のボール37…を配置したものであり、二つの外輪35,35は軸方向に隣接する二つのアウター部材22,22の相互に対向する軸方向端部に一体に形成され、一つの内輪36は別部材で構成されてインナー部材23の外周面23aに圧入される。つまり、一つのアンギュラボールベアリング34が共通のボール37…で二つの外輪35,35を支持することで、隣接する二つのワンウェイクラッチ21,21の二つのアウター部材22,22は相対回転可能に支持される。
尚、並置された4個のワンウェイクラッチ21…の軸方向両端に位置する2個のアンギュラボールベアリング34,34(図9参照)のボール37…には、一つの内輪36と一つの外輪35だけが当接する。
図7、図8、図10および図12に示すように、各ワンウェイクラッチ21の軸方向両側には一対のアンギュラボールベアリング34,34が配置され、一方のアンギュラボールベアリング34の内輪36に形成された第1側面36aと、他方のアンギュラボールベアリング34の内輪36に形成された第2側面36bとが相互に対向する。ローラ25の軸方向両端には平坦な第1端面25aおよび第2端面25bが形成されており、ローラ25の第1端面25aは内輪36の第1側面36aに対向し、ローラ25の第2端面25bは内輪36の第2側面36bに対向する。
一方のアンギュラボールベアリング34の内輪36の第1側面36aには円周方向に等間隔で12個の凹部36d…が形成されており、これらの凹部36d…に軸方向摺動自在に嵌合する円板状の付勢部材26…が、凹部36d…内に収納されたコイルスプリングよりなるアキシャルスプリング38によってローラ25の第1端面25a…に向かって付勢される。また他方のアンギュラボールベアリング34の内輪36の第2側面36bには円周方向に等間隔で12個の凸部36c…が形成されており、これらの凸部36c…はローラ25の第2端面25b…に向かって突出する。
アキシャルスプリング38の弾発力は付勢部材26を介してローラ25の第1端面25aを押圧し、ローラ25の第2端面25bを凸部36cに押し付けることで、ローラ25の傾きを防止して姿勢の安定化が図られる。
図12に示すように、ローラ25はアウター部材22およびインナー部材23に対して周方向に相対移動可能であり、ローラ25の位置には、ローラ25がアウター部材22の内周面22aおよびインナー部材23の外周面23a間に形成された楔状の空間に噛み込んで駆動力を伝達する位置(エンゲージポイント)と、ローラ25が前記楔状の空間に噛み込む直前の待機位置(デイタムポイント)と、ローラ25がワンウェイクラッチ21が係合解除した瞬間にエンゲージポイントからデイタムポイントを超えて逆方向に最大限に押し戻された位置(ダンピングポイント)とがある。
付勢部材26の外径D1および円形の凸部36cの外径D1はローラ25の外径Dよりも小さく設定されており、かつ円形の付勢部材26の中心O1および円形の凸部36cの中心O1は、デイタムポイントにあるローラ25の中心に一致している。
付勢部材26がローラ25の第1端面25aに当接する第1当接面P1と、凸部36cがローラ25の第2端面25bに当接する第2当接面P2とは、ローラ25の直径Dよりも小さい同一の直径D1を有しており、かつデイタムポイントにあるローラ25と中心O1を共有している。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
先ず、無段変速機Tの一つの動力伝達ユニットUの作用を説明する。変速アクチュエータ14の回転軸14aを入力軸11に対して相対回転させると、入力軸11の軸線L1まわりにキャリヤ16が回転する。このとき、キャリヤ16の中心O、つまり第1ピニオン15および2個の第2ピニオン17,17が成す正三角形の中心は入力軸11の軸線L1まわりに回転する。
図3および図5は、キャリヤ16の中心Oが第1ピニオン15(つまり入力軸11)に対して出力軸12と反対側にある状態を示しており、このとき入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量が最大になって無段変速機Tの変速比は最小のOD(オーバドライブ)状態になる。図4および図6は、キャリヤ16の中心Oが第1ピニオン15(つまり入力軸11)に対して出力軸12と同じ側にある状態を示しており、このとき入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量がゼロになって無段変速機Tの変速比は無限大のGN(ギヤドニュートラル)状態になる。
図5に示すOD状態で、エンジンEで入力軸11を回転させるとともに、入力軸11と同速度で変速アクチュエータ14の回転軸14aを回転させると、入力軸11、回転軸14a、キャリヤ16、第1ピニオン15、2個の第2ピニオン17,17および偏心ディスク18が一体になった状態で、入力軸11を中心に反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。図5(A)から図5(B)を経て図5(C)の状態へと回転する間に、偏心ディスク18の外周にリング部19bをボールベアリング20を介して相対回転自在に支持されたコネクティングロッド19は、そのロッド部19aの先端にピン19cで枢支されたアウター部材22を反時計方向(矢印B参照)に回転させる。図5(A)および図5(C)は、アウター部材22の前記矢印B方向の回転の両端を示している。
このようにしてアウター部材22が矢印B方向に回転すると、ワンウェイクラッチ21のアウター部材22およびインナー部材23間の楔状の空間にローラ25…が噛み込み、アウター部材22の回転がインナー部材23を介して出力軸12に伝達されるため、出力軸12は反時計方向(矢印C参照)に回転する。
入力軸11および第1ピニオン15が更に回転すると、第1ピニオン15および第2ピニオン17,17にリングギヤ18aを噛合させた偏心ディスク18が反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。図5(C)から図5(D)を経て図5(A)の状態へと回転する間に、偏心ディスク18の外周にリング部19bをボールベアリング20を介して相対回転自在に支持されたコネクティングロッド19は、そのロッド部19aの先端にピン19cで枢支されたアウター部材22を時計方向(矢印B′参照)に回転させる。図5(C)および図5(A)は、アウター部材22の前記矢印B′方向の回転の両端を示している。
このようにしてアウター部材22が矢印B′方向に回転すると、アウター部材22とインナー部材23との間の楔状の空間からローラ25…がエンゲージスプリング24…を圧縮しながら押し出されることで、アウター部材22がインナー部材23に対してスリップして出力軸12は回転しない。
以上のように、アウター部材22が往復回転したとき、アウター部材22の回転方向が反時計方向(矢印B参照)のときだけ出力軸12が反時計方向(矢印C参照)に回転するため、出力軸12は間欠回転することになる。
図6は、GN状態で無段変速機Tを運転するときの作用を示すものである。このとき、入力軸11の位置は偏心ディスク18の中心に一致しているので、入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量はゼロになる。この状態でエンジンEで入力軸11を回転させるとともに、入力軸11と同速度で変速アクチュエータ14の回転軸14aを回転させると、入力軸11、回転軸14a、キャリヤ16、第1ピニオン15、2個の第2ピニオン17,17および偏心ディスク18が一体になった状態で、入力軸11を中心に反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。しかしながら、偏心ディスク18の偏心量がゼロであるため、コネクティングロッド19の往復運動のストロークもゼロになり、出力軸12は回転しない。
従って、変速アクチュエータ14を駆動してキャリヤ16の位置を図3のOD状態と図4のGN状態との間に設定すれば、無限大変速比および最小変速比間の任意の変速比での運転が可能になる。
無段変速機Tは、並置された4個の動力伝達ユニットU…の偏心ディスク18…の位相が相互に90°ずつずれているため、4個の動力伝達ユニットU…が交互に駆動力を伝達することで、つまり4個のワンウェイクラッチ21…の何れかが必ず係合状態にあることで、出力軸12を連続回転させることができる。
次に、ワンウェイクラッチ21のローラ25の傾き防止作用について説明する。
ワンウェイクラッチ21が係合解除した瞬間、エンゲージポイントにあるローラ25はデイタムポイントを超えてエンゲージスプリング24を圧縮しながらダンピングポイントまで押し戻された後、圧縮されたエンゲージスプリング24の弾発力でデイタムポイントに復帰し、ワンウェイクラッチ21の次の係合に備えて待機する。
ローラ25がダンピングポイントからデイタムポイントまで移動するとき、アキシャルスプリング38で付勢された付勢部材26の第1当接面P1がローラ25の第1端面25aに当接し、かつローラ25の第2端面25bが内輪36の第2側面36bの第2当接面P2に当接するため、第1当接面P1および第2当接面P2のガイド作用でローラ25の傾きが抑制される。
このとき、仮にローラ25の第1端面25aおよび第2端面25bに作用する摩擦力がアンバランスであると、ローラ25に傾きが発生する可能性があるが、本実施の形態によれば、第1端面25aに当接する付勢部材26の第1当接面P1と、第2端面25bに当接する凸部36cの第2当接面P2とは同一形状であり、かつ第1当接面P1および第2当接面P2はローラ25の軸方向両側に対称に配置されるので、ローラ25の第1端面25aおよび第2端面25bに作用する摩擦力は同じ大きさになる。その結果、デイタムポイントにおけるローラ25の傾きが防止され、ローラ25は正しい姿勢でデイタムポイントからエンゲージポイントに移動し、ワンウェイクラッチ21のスムーズな係合が可能になる。
またローラ25が傾くと、第1端面25aあるいは第2端面25bの外周部が第1側面36aあるいは第2側面36bに噛み込んで摩耗が促進される虞があるが、ローラ25の傾きが防止されることで前記摩耗が抑制される。特に、ローラ25がデイタムポイントにあるとき、ローラ25の第1端面25aおよび第2端面25bには、それよりも直径の小さい付勢部材26の第1当接面P1および凸部36cの第2当接面P2が当接するため、第1端面25aあるいは第2端面25bの外周部が第1側面36aあるいは第2側面36bに噛み込むことが確実に防止されて前記摩耗が一層効果的に抑制される。
またクランク式の無段変速機Tのワンウェイクラッチ21…は短い時間間隔で係合および係合解除を繰り返すために高い係合応答性が要求されるが、本発明のワンウェイクラッチ21…をクランク式の無段変速機Tに提供することで、その効果が一層有効に発揮される。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本発明のワンウェイクラッチの用途は、実施の形態の無段変速機Tに限定されるものではない。しかしながら、実施の形態の無段変速機Tのワンウェイクラッチ21は短い時間間隔で係合および係合解除を繰り返すため、そのワンウェイクラッチ21に本発明を適用することで効果が一層有効に発揮される。
また実施の形態ではアンギュラボールベアリング34をケージ31の一部として利用することで、ケージ31の構造を簡素化して部品点数を削減しているが、ケージ31をアンギュラボールベアリング34と別部材で構成することができる。
11 入力軸
12 出力軸
18 偏心ディスク(入力側支点)
19 コネクティングロッド
19c ピン(出力側支点)
21 ワンウェイクラッチ
22 アウター部材
22a 内周面
23 インナー部材
23a 外周面
24 エンゲージスプリング
25 ローラ
25a 第1端面
25b 第2端面
26 付勢部材
31 ケージ
36a 第1側面
36b 第2側面
36c 凸部
38 アキシャルスプリング
E エンジン(駆動源)
P1 第1当接面(付勢部材のローラ当接面)
P2 第2当接面(凸部のローラ当接面)
U 動力伝達ユニット

Claims (3)

  1. インナー部材(23)の外周面(23a)およびアウター部材(22)の内周面(22a)間に配置したケージ(31)に保持した複数のローラ(25)をエンゲージスプリング(24)で周方向に付勢し、前記インナー部材(23)および前記アウター部材(22)の一方向への相対回転により前記ローラ(25)を前記外周面(23a)および前記内周面(22a)間に噛み込ませて駆動力を伝達するとともに、
    前記ケージ(31)は前記ローラ(25)の第1端面(25a)および第2端面(25b)にそれぞれ対向する第1側面(36a)および第2側面(36b)を備え、前記第1側面(36a)に設けたアキシャルスプリング(38)で前記第1端面(25a)を軸方向に付勢して前記第2端面(25b)を前記第2側面(36b)に当接させることで前記ローラ(25)の姿勢を規制するワンウェイクラッチであって、
    前記第1側面(36a)に付勢部材(26)を軸方向移動自在に支持し、前記付勢部材(26)を前記アキシャルスプリング(38)で前記第1端面(25a)に向けて軸方向に付勢するとともに、前記第2側面(36b)に前記第2端面(25b)が当接する凸部(36c)を形成し、前記付勢部材(26)のローラ当接面(P1)と前記凸部(36c)のローラ当接面(P2)とを同一形状とし、かつ前記ローラ(25)の軸方向両側において同軸上に対向させることで、前記第1端面(25a)および前記付勢部材(26)間に作用する摩擦力と、前記第2端面(25b)および前記凸部(36c)間に作用する摩擦力とを一致させたことを特徴とするワンウェイクラッチ。
  2. 前記ローラ(25)が前記インナー部材(23)の外周面(23a)および前記アウター部材(22)の内周面(22a)間に噛み込む直前の待機位置であるデイタムポイントにあるときに、前記付勢部材(26)および前記凸部(36c)のローラ当接面(P1,P2)の外周部は、前記第1、第2端面(25a,25b)の外周部の内側にあることを特徴とする、請求項に記載のワンウェイクラッチ。
  3. 請求項1または請求項に記載のワンウェイクラッチ(21)を備えるクランク式無段変速機であって、
    前記ワンウェイクラッチ(21)の前記インナー部材(23)は、駆動源(E)に接続された入力軸(11)の回転を変速して出力軸(12)に伝達する動力伝達ユニット(U)の前記出力軸(12)の外周に固設され、
    前記動力伝達ユニット(U)は、前記入力軸(11)の軸線からの偏心量が可変であって該入力軸(11)と共に回転する入力側支点(18)と、前記ワンウェイクラッチ(21)の前記アウター部材(22)に設けた出力側支点(19c)と、前記入力側支点(18)および前記出力側支点(19c)を接続するコネクティングロッド(19)とを備えることを特徴とするクランク式無段変速機。
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