JP2014114905A - ワンウェイクラッチおよび無段変速機 - Google Patents

ワンウェイクラッチおよび無段変速機 Download PDF

Info

Publication number
JP2014114905A
JP2014114905A JP2012270309A JP2012270309A JP2014114905A JP 2014114905 A JP2014114905 A JP 2014114905A JP 2012270309 A JP2012270309 A JP 2012270309A JP 2012270309 A JP2012270309 A JP 2012270309A JP 2014114905 A JP2014114905 A JP 2014114905A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spring
way clutch
rollers
spring support
outer member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012270309A
Other languages
English (en)
Inventor
Misato Maki
美里 牧
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2012270309A priority Critical patent/JP2014114905A/ja
Publication of JP2014114905A publication Critical patent/JP2014114905A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Transmission Devices (AREA)

Abstract

【課題】 簡単な構造でワンウェイクラッチのローラの付勢力を均一化する。
【解決手段】 ローラ25の軸方向両側に配置された一対の環状の第1スプリング支持部材32と、一対の第1スプリング支持部材32間を軸方向に接続して複数のローラ25にそれぞれ当接可能な複数の付勢部材33とからなるケージ31をアウター部材22およびインナー部材23間に相対回転可能に配置し、第1スプリング支持部材32と、インナー部材23に設けた第2スプリング支持部材36との間にスプリング24を配置したので、スプリング24の弾発力でケージ31をアウター部材22およびインナー部材23に対して回転方向に付勢し、ケージ31の複数の付勢部材33で複数のローラ25をそれぞれ付勢することができる。
【選択図】 図7

Description

本発明は、環状のアウター部材と、前記アウター部材の内部に同軸に配置されたインナー部材と、前記アウター部材の内周面および前記インナー部材の外周面間に配置された複数のローラと、前記ローラを円周方向に付勢するスプリングとを備え、前記アウター部材および前記インナー部材の所定方向への相対回転により、前記ローラを前記内周面および前記外周面間に噛み込ませて駆動力を伝達するワンウェイクラッチと、そのワンウェイクラッチを用いた無段変速機とに関する。
エンジンに接続された入力軸の回転をコネクティングロッドの往復運動に変換し、コネクティングロッドの往復運動をワンウェイクラッチによって出力軸の回転運動に変換する無段変速機が、下記特許文献1により公知である。
特開2012−1048号公報
ところで、上記従来の無段変速機に用いられているワンウェイクラッチは、アウター部材およびインナー部材間に配置した複数のローラと、各々のローラを個別に付勢する複数のスプリングとを備えており、1個のローラを1個のスプリングで付勢するためにローラの数と同数のスプリングが必要であった。
その結果、スプリングの個数が増加してワンウェイクラッチの大型化を招くだけでなく、スプリングの組み付けに多大な工数を必要とする問題があった。しかも個々のスプリングの長さや弾発力のばらつきによりローラの付勢力が変化してしまい、各ローラがアウター部材およびインナー部材間に噛み込むタイミングがずれてワンウェイクラッチの係合応答性が低下したりフリクションが増加したりする問題があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、簡単な構造でワンウェイクラッチのローラの付勢力を均一化することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、環状のアウター部材と、前記アウター部材の内部に同軸に配置されたインナー部材と、前記アウター部材の内周面および前記インナー部材の外周面間に配置された複数のローラと、前記ローラを円周方向に付勢するスプリングとを備え、前記アウター部材および前記インナー部材の所定方向への相対回転により、前記ローラを前記内周面および前記外周面間に噛み込ませて駆動力を伝達するワンウェイクラッチであって、前記アウター部材および前記インナー部材間に相対回転可能に配置されたケージを備え、前記ケージは前記ローラの軸方向両側に配置された一対の環状の第1スプリング支持部材と、前記一対の第1スプリング支持部材間を軸方向に接続して前記複数のローラにそれぞれ当接可能な複数の付勢部材とからなり、前記アウター部材および前記インナー部材の何れか一方に第2スプリング支持部材を設け、前記第1スプリング支持部材および前記第2スプリング支持部材間に前記スプリングを配置することで、前記付勢部材を前記ローラに向けて付勢することを特徴とするワンウェイクラッチが提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記アウター部材と一体に回転する外輪と前記インナー部材と一体に回転する内輪との間に複数の転動体を配置した一対のベアリングを前記複数のローラの軸方向両側に配置し、前記外輪または前記内輪で前記第2スプリング支持部材を構成したことを特徴とするワンウェイクラッチが提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記スプリングはコイルスプリングからなり、前記第1スプリング支持部材に円周方向に形成した第1スプリング収納溝の一端部と、前記第2スプリング支持部材に円周方向に形成した第2スプリング収納溝の他端部とに前記スプリングの両端部を係止したことを特徴とするワンウェイクラッチが提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1〜請求項3の何れか1項の構成に加えて、前記スプリングの数は前記ローラの数よりも少ないことを特徴とするワンウェイクラッチが提案される。
また請求項5に記載された発明によれば、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のワンウェイクラッチを備え、入力軸の回転を変速して出力軸に伝達する無段変速機であって、前記入力軸の軸線からの偏心量が可変であって該入力軸と共に回転する入力側支点と、前記ワンウェイクラッチの前記アウター部材に設けた出力側支点とをコネクティングロッドで接続し、前記ワンウェイクラッチの前記インナー部材を前記出力軸に接続したことを特徴とする無段変速機が提案される。
請求項1の構成によれば、ワンウェイクラッチは、環状のアウター部材と、アウター部材の内部に同軸に配置されたインナー部材と、アウター部材の内周面およびインナー部材の外周面間に配置された複数のローラと、ローラを円周方向に付勢するスプリングとを備えるので、アウター部材およびインナー部材が所定方向に相対回転したときに、ローラがスプリングによる付勢力でアウター部材の内周面およびインナー部材の外周面間に噛み込んで駆動力を伝達することができる。
ローラの軸方向両側に配置された一対の環状の第1スプリング支持部材と、一対の第1スプリング支持部材間を軸方向に接続して複数のローラにそれぞれ当接可能な複数の付勢部材とからなるケージをアウター部材およびインナー部材間に相対回転可能に配置し、第1スプリング支持部材と、アウター部材およびインナー部材の何れか一方に設けた第2スプリング支持部材との間にスプリングを配置したので、スプリングの弾発力でケージをアウター部材およびインナー部材に対して回転方向に付勢し、ケージの複数の付勢部材で複数のローラをそれぞれ付勢することができる。これにより、複数のスプリングの長さや弾発力にばらつきがあっても各ローラの付勢力を均一化し、各ローラがアウター部材の内周面およびインナー部材の外周面間に噛み込むタイミングを一定にしてワンウェイクラッチの係合応答性の向上およびフリクションの低減が可能になる。
また請求項2の構成によれば、アウター部材と一体に回転する外輪とインナー部材と一体に回転する内輪との間に複数の転動体を配置した一対のベアリングを複数のローラの軸方向両側に配置し、外輪または内輪で第2スプリング支持部材を構成したので、ベアリングの外輪または内輪を第2スプリング支持部材として利用して部品点数の削減およびワンウェイクラッチの小型化が可能になる。
また請求項3の構成によれば、スプリングはコイルスプリングからなり、第1スプリング支持部材に円周方向に形成した第1スプリング収納溝の一端部と、第2スプリング支持部材に円周方向に形成した第2スプリング収納溝の他端部とにスプリングの両端部を係止したので、第1、第2スプリング支持部材の軸方向厚さの範囲にスプリングを収納してワンウェイクラッチの軸方向寸法を小型化することができるだけでなく、スプリングを第1、第2スプリング収納溝に収納して脱落を防止することができる。
また請求項4の構成によれば、スプリングの数はローラの数よりも少ないので、1個のローラを1個のスプリングで付勢する場合に比べてスプリングの数を減少させ、ワンウェイクラッチの部品点数やコストを削減するとともに、ワンウェイクラッチを小型化することができる。
また請求項5の構成によれば、入力軸の回転を変速して出力軸に伝達する無段変速機に本発明のワンウェイクラッチが適用される。無段変速機は、入力軸の軸線からの偏心量が可変であって該入力軸と共に回転する入力側支点と、ワンウェイクラッチのアウター部材に設けた出力側支点とをコネクティングロッドで接続し、ワンウェイクラッチのインナー部材を出力軸に接続したので、入力軸が回転してコネクティングロッドが往復運動すると、ワンウェイクラッチが間欠的に係合して出力軸が間欠的に回転することで駆動力が伝達される。このとき、本発明のワンウェイクラッチの係合応答性が向上することで無段変速機の動力伝達性能が高められる。
車両用動力伝達装置のスケルトン図。 図1の2部詳細図。 図2の3−3線断面図(TOP状態)。 図2の3−3線断面図(LOW状態)。 TOP状態での作用説明図。 LOW状態での作用説明図。 図2の7部詳細図であって図8の7−7線断面図(DP位置)。 図7の8−8線断面図(DP位置)。 図7の9−9線断面図(DP位置)。 ケージの斜視図。 図8および図9に対応する図(係合位置)。 図8および図9に対応する図(ダンピング位置) 図7の13−13線断面図(ダンピング位置)。 図13に対応する図(DP位置)。 図13に対応する図(係合位置)。
以下、図1〜図15に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように、エンジンEの駆動力を左右の車軸10,10を介して駆動輪W,Wに伝達する車両用動力伝達装置は、クランク式の無段変速機TおよびディファレンシャルギヤDを備える。
次に、図2〜6に基づいて無段変速機Tの構造を説明する。
図2および図3に示すように、本実施の形態の無段変速機Tは同一構造を有する複数個(実施の形態では4個)の動力伝達ユニットU…を軸方向に重ね合わせたもので、それらの動力伝達ユニットU…は平行に配置された共通の入力軸11および共通の出力軸12を備えており、入力軸11の回転が減速または増速されて出力軸12に伝達される。
以下、代表として一つの動力伝達ユニットUの構造を説明する。エンジンEに接続されて回転する入力軸11は、電動モータのような変速アクチュエータ14の中空の回転軸14aの内部を相対回転自在に貫通する。変速アクチュエータ14のロータ14bは回転軸14aに固定されており、ステータ14cはケーシングに固定される。変速アクチュエータ14の回転軸14aは、入力軸11と同速度で回転可能であり、かつ入力軸11に対して異なる速度で相対回転可能である。
変速アクチュエータ14の回転軸14aを貫通した入力軸11には第1ピニオン15が固定されており、この第1ピニオン15を跨ぐように変速アクチュエータ14の回転軸14aにクランク状のキャリヤ16が接続される。第1ピニオン15と同径の2個の第2ピニオン17,17が、第1ピニオン15と協働して正三角形を構成する位置にそれぞれピニオンピン16a,16aを介して支持されており、これら第1ピニオン15および第2ピニオン17,17に、円板形の偏心ディスク18の内部に偏心して形成されたリングギヤ18aが噛合する。偏心ディスク18の外周面に、コネクティングロッド19のロッド部19aの一端に設けたリング部19bがボールベアリング20を介して相対回転自在に嵌合する。
出力軸12の外周に設けられたワンウェイクラッチ21は、コネクティングロッド19のロッド部19aにピン19cを介して枢支されたリング状のアウター部材22と、アウター部材22の内部に配置されて出力軸12に固定されたインナー部材23と、アウター部材22の内周の円弧面とインナー部材23の外周の平面との間に形成された楔状の空間に配置されてスプリング24…で付勢されたローラ25…とを備える。尚、ワンウェイクラッチ21の具体的な構造は後から詳述する。
図2から明らかなように、4個の動力伝達ユニットU…はクランク状のキャリヤ16を共有しているが、キャリヤ16に第2ピニオン17,17を介して支持される偏心ディスク18の位相は各々の動力伝達ユニットUで90°ずつ異なっている。例えば、図2において、左端の動力伝達ユニットUの偏心ディスク18は入力軸11に対して図中上方に変位し、左から3番目の動力伝達ユニットUの偏心ディスク18は入力軸11に対して図中下方に変位し、左から2番目および4番目の動力伝達ユニットU,Uの偏心ディスク18,18は上下方向中間に位置している。
次に、図7〜図10に基づいて、ワンウェイクラッチ21の構造を説明する。尚、図3〜図6においてワンウェイクラッチ21は模式的に図示されており、その実際の構造は図7〜図10に示されている。
本実施の形態のワンウェイクラッチ21は、基本的に環状のアウター部材22の円形断面の内周面および筒状のインナー部材23の八角形断面の外周面の間に8個のローラ25…を配置したものであり、アウター部材22の外周にはピン19cを介してコネクティングロッド19が接続され、インナー部材23の内周部には出力軸12が相対回転不能に結合される。
ワンウェイクラッチ21は、コイルスプリングよりなる4本のスプリング24…の弾発力でローラ25…を付勢するためのケージ31を備える。ケージ31は円環状の板材からなる一対の環状部材32,32と、周方向に等間隔で配置されて一対の環状部32,32を相互に接続する8本の棒状の付勢部材33…とで構成され、一対の環状部材32,32が8個のローラ25…の軸方向両側に配置され、8本の付勢部材33…が8個のローラ25…に当接可能に対峙する。
またアウター部材22およびインナー部材23の間には、ローラ25…の軸方向両側に位置する一対のボールベアリング34,34が配置されており、このボールベアリング34,34によってアウター部材22およびインナー部材23が同芯状態を維持しながら相対回転可能に接続される。ボールベアリング34は外輪35および内輪36間に複数のボール37…を配置したものであり、外輪35はアウター部材22の軸方向端部に一体に形成され、内輪36は別部材で構成されてインナー部材23の外周に固定される。ケージ31の環状部材32は本発明の第1スプリング支持部材を構成し、ボールベアリング34の内輪36は本発明の第2スプリング支持部材を構成する。
環状部材32には、出力軸12の軸線を中心とする円弧状の第1スプリング収納溝32a,32aが180°の間隔で2個形成されるとともに、ボールベアリング34の内輪36には、出力軸12の軸線を中心とする円弧状の第2スプリング収納溝36a,36aが180°の間隔で2個形成される。第1スプリング収納溝32a,32aおよび第2スプリング収納溝36a,36aは少なくとも一部が重合するように配置されており、その重合部にコイルスプリングよりなるスプリング24,24が圧縮状態で収納される。このとき、スプリング24,24の一端部が第1スプリング収納溝32a,32aの一方の端部に当接し、かつスプリング24,24の他端部が第2スプリング収納溝36a,36aの他方の端部に当接することで、ボールベアリング34の内輪36に対してケージ31が回転方向に付勢される。その結果、ケージ31の8個の付勢部材33…が8個のローラ25…にそれぞれ当接し、ローラ25…をアウター部材22の内周面およびインナー部材23の外周面間に形成した楔状の空間に押し込むように付勢する。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
先ず、無段変速機Tの一つの動力伝達ユニットUの作用を説明する。変速アクチュエータ14の回転軸14aを入力軸11に対して相対回転させると、入力軸11の軸線L1まわりにキャリヤ16が回転する。このとき、キャリヤ16の中心O、つまり第1ピニオン15および2個の第2ピニオン17,17が成す正三角形の中心は入力軸11の軸線L1まわりに回転する。
図3および図5は、キャリヤ16の中心Oが第1ピニオン15(つまり入力軸11)に対して出力軸12と反対側にある状態を示しており、このとき入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量が最大になって無段変速機TのレシオはTOP状態になる。図4および図6は、キャリヤ16の中心Oが第1ピニオン15(つまり入力軸11)に対して出力軸12と同じ側にある状態を示しており、このとき入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量が最小になって無段変速機TのレシオはLOW状態になる。
図5に示すTOP状態で、エンジンEで入力軸11を回転させるとともに、入力軸11と同速度で変速アクチュエータ14の回転軸14aを回転させると、入力軸11、回転軸14a、キャリヤ16、第1ピニオン15、2個の第2ピニオン17,17および偏心ディスク18が一体になった状態で、入力軸11を中心に反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。図5(A)から図5(B)を経て図5(C)の状態へと回転する間に、偏心ディスク18の外周にリング部19bをボールベアリング20を介して相対回転自在に支持されたコネクティングロッド19は、そのロッド部19aの先端にピン19cで枢支されたアウター部材22を反時計方向(矢印B参照)に回転させる。図5(A)および図5(C)は、アウター部材22の前記矢印B方向の回転の両端を示している。
このようにしてアウター部材22が矢印B方向に回転すると、ワンウェイクラッチ21のアウター部材22およびインナー部材23間の楔状の空間にローラ25…が噛み込み、アウター部材22の回転がインナー部材23を介して出力軸12に伝達されるため、出力軸12は反時計方向(矢印C参照)に回転する。
入力軸11および第1ピニオン15が更に回転すると、第1ピニオン15および第2ピニオン17,17にリングギヤ18aを噛合させた偏心ディスク18が反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。図5(C)から図5(D)を経て図5(A)の状態へと回転する間に、偏心ディスク18の外周にリング部19bをボールベアリング20を介して相対回転自在に支持されたコネクティングロッド19は、そのロッド部19aの先端にピン19cで枢支されたアウター部材22を時計方向(矢印B′参照)に回転させる。図5(C)および図5(A)は、アウター部材22の前記矢印B′方向の回転の両端を示している。
このようにしてアウター部材22が矢印B′方向に回転すると、アウター部材22とインナー部材23との間の楔状の空間からローラ25…がスプリング24…を圧縮しながら押し出されることで、アウター部材22がインナー部材23に対してスリップして出力軸12は回転しない。
以上のように、アウター部材22が往復回転したとき、アウター部材22の回転方向が反時計方向(矢印B参照)のときだけ出力軸12が反時計方向(矢印C参照)に回転するため、出力軸12は間欠回転することになる。
図6は、LOW状態で無段変速機Tを運転するときの作用を示すものである。このとき、入力軸11の位置は偏心ディスク18の中心に一致しているので、入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量はゼロになる。この状態でエンジンEで入力軸11を回転させるとともに、入力軸11と同速度で変速アクチュエータ14の回転軸14aを回転させると、入力軸11、回転軸14a、キャリヤ16、第1ピニオン15、2個の第2ピニオン17,17および偏心ディスク18が一体になった状態で、入力軸11を中心に反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。しかしながら、偏心ディスク18の偏心量がゼロであるため、コネクティングロッド19の往復運動のストロークもゼロになり、出力軸12は回転しない。
従って、変速アクチュエータ14を駆動してキャリヤ16の位置を図3のTOP状態と図4のLOW状態との間に設定すれば、ゼロレシオおよび所定レシオ間の任意のレシオでの運転が可能になる。
無段変速機Tは、並置された4個の動力伝達ユニットU…の偏心ディスク18…の位相が相互に90°ずつずれているため、4個の動力伝達ユニットU…が交互に駆動力を伝達することで、つまり4個のワンウェイクラッチ21…の何れかが必ず係合状態にあることで、出力軸12を連続回転させることができる。
次に、ワンウェイクラッチ21の作用を説明する。
図8はワンウェイクラッチ21のDP(Datum Point)位置、つまりワンウェイクラッチ21が係合する直前の位置を示すものである。ケージ31はスプリング24…によってワンウェイクラッチ21のインナー部材23と一体の部材、つまりボールベアリング34,34の内輪36,36との間に配置されたスプリング24…の弾発力で矢印A方向に付勢されており、ケージ31の8個の付勢部材33…は8個のローラ25…をそれぞれ矢印A方向に押圧している。このとき、ワンウェイクラッチ21は未だ係合しておらず、ローラ25…はアウター部材22の内周面およびインナー部材23の外周面に噛み込まずに接触している。
この状態からインナー部材23に対してアウター部材22が矢印A方向に相対回転すると、ローラ25…は付勢部材33…から受ける付勢力と、アウター部材22およびインナー部材23から受ける摩擦力とにより、矢印A方向に移動してアウター部材22の内周面およびインナー部材23の外周面間の楔状の空間に噛み込むことで、図11に示すようにワンウェイクラッチ21が係合する。
図11に示すワンウェイクラッチ21の係合位置から、インナー部材23に対してアウター部材22が矢印B方向に相対回転すると、アウター部材22およびインナー部材23から受ける摩擦力により、ローラ25…は付勢部材33…から受ける付勢力に抗して矢印B方向に移動し、アウター部材22の内周面およびインナー部材23の外周面間の楔状の空間から離脱することで、図12に示すようにワンウェイクラッチ21が係合解除する。この位置をダンピング位置と呼び、ケージ31はスプリング24…を圧縮しながら矢印B方向に回転し、ローラ25…はアウター部材22の内周面あるいはインナー部材23の外周面間から離反する。その後、スプリング24…の弾発力でケージ31は矢印A方向に回転し、図8に示すDP位置に復帰する。
図13に示すように、ダンピング位置では、環状部材32…の第1スプリング収納溝32a…と内輪36の第2スプリング収納溝36a…とが円周方向に大きくずれるため、スプリング24…のセット長L1は最も短くなり、スプリング24の弾発力F1は最大になる。
図14に示すように、DP位置では、ダンピング位置に比べて環状部材32…の第1スプリング収納溝32a…と内輪36の第2スプリング収納溝36a…との円周方向のずれが減少するため、スプリング24…のセット長L2はダンピング位置に比べて短くなり、スプリング24…の弾発力F2は中程度になる。
図15に示すように、係合位置では、DP位置に比べて環状部材32…の第1スプリング収納溝32a…と内輪36の第2スプリング収納溝36a…との円周方向のずれが更に減少するため、スプリング24…のセット長L3は最も長くなり、スプリング24…の弾発力F3は最小になる。
上記何れの場合においても、4本のスプリング24…の弾発力の総和は8本の付勢部材33…を介して8個のローラ25…に均等に分配され、8個のローラ25…を同じ付勢力で付勢することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、ワンウェイクラッチ21の複数のローラ25…を個別にスプリングで付勢する代わりに、アウター部材22およびインナー部材23間に配置した1個のケージ31をスプリング24…で回転方向に付勢し、このケージ31に設けた複数の付勢部材33…で複数のローラ25…をそれぞれ付勢するので、複数のスプリング24…の長さや弾発力にばらつきがあっても各ローラ25…の付勢力を均一化し、各ローラ25…がアウター部材22の内周面およびインナー部材23の外周面間に噛み込むタイミングを一定にしてワンウェイクラッチ21の係合応答性の向上およびフリクションの低減が可能になる。またローラ25…は棒状の付勢部材33…に当接して付勢されるので、付勢部材33…でローラ25…の傾きを規制してワンウェイクラッチ21の作動を安定させることができる。
しかもスプリング24…の数はローラ25…の数よりも少なくて済むので、1個のローラ25を1個のスプリング24で付勢する場合に比べてスプリング24…の数を減少させ、ワンウェイクラッチ21の部品点数やコストを削減するとともに、ワンウェイクラッチ21を小型化することができる。
またアウター部材22と一体に回転する外輪35とインナー部材23と一体に回転する内輪36との間に複数のボール37…を配置した一対のボールベアリング34,34を複数のローラ25…の軸方向両側に配置し、その内輪26を第2スプリング支持部材として利用するので、部品点数の削減およびワンウェイクラッチ21の小型化が可能になる。
しかもスプリング24…はコイルスプリングからなり、環状部材32よりなる第1スプリング支持部材に円周方向に形成した第1スプリング収納溝32a,32aの一端部と、内輪36よりなる第2スプリング支持部材に円周方向に形成した第2スプリング収納溝36a,36aの他端部とにスプリング24,24の両端部を係止したので、環状部材32および内輪36の軸方向厚さの範囲にスプリング24,24を収納してワンウェイクラッチ21の軸方向寸法を小型化することができるだけでなく、スプリング24,24を第1スプリング収納溝32a,32aおよび第2スプリング収納溝36a,36a間に挟んで脱落を防止することができる。
また本実施の形態の無段変速機Tの動力伝達ユニットUはコネクティングロッド19が高速で往復動するため、ワンウェイクラッチ21は短い周期で係合および係合解除を繰り返すことになり、その係合応答性を高めることが要求される。本実施の形態のワンウェイクラッチ21は、共通のケージ31によって複数のローラ25…が均一な付勢力で付勢されるため、その係合応答性が向上して無段変速機Tの動力伝達性能が高められる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本発明のワンウェイクラッチ21は無段変速機T以外の任意の用途に適用することができる。
また本発明のスプリングは実施の形態のコイルスプリング24に限定されず、任意の形状のスプリングであっても良い。
また本発明のベアリングは実施の形態のボールベアリング34に限定されず、ローラベアリングやニードルベアリングであっても良い。
また実施の形態ではワンウェイクラッチ21のインナー部材23が出力軸12と別部材で構成されているが、インナー部材23をそのまま出力軸12として用いても良い。
また実施の形態では本発明の第2スプリング支持部材をボールベアリング34の内輪36で構成しているが、それを外輪35で構成しても良いし、内輪36でも外輪35でもない別部材で構成しても良い。
また実施の形態ではボールベアリング34の外輪35をワンウェイクラッチ21のアウター部材22で構成しているが、それを別部材で構成してアウター部材22に固定しても良い。
また実施の形態ではボールベアリング34の内輪36をインナー部材23と別部材で構成しているが、それをインナー部材23と一体に形成しても良い。
またワンウェイクラッチ21のローラ25の数やスプリング24の数は実施の形態に限定されるものではない。
11 入力軸
12 出力軸
18 偏心ディスク(入力側支点)
19 コネクティングロッド
19c ピン(出力側支点)
21 ワンウェイクラッチ
22 アウター部材
23 インナー部材
24 スプリング
25 ローラ
31 ケージ
32 環状部材(第1スプリング支持部材)
32a 第1スプリング収納溝
33 付勢部材
34 ボールベアリング(ベアリング)
35 外輪
36 内輪(第2スプリング支持部材)
36a 第2スプリング収納溝
37 ボール(転動体)

Claims (5)

  1. 環状のアウター部材(22)と、前記アウター部材(22)の内部に同軸に配置されたインナー部材(23)と、前記アウター部材(22)の内周面および前記インナー部材(23)の外周面間に配置された複数のローラ(25)と、前記ローラ(25)を円周方向に付勢するスプリング(24)とを備え、前記アウター部材(22)および前記インナー部材(23)の所定方向への相対回転により、前記ローラ(25)を前記内周面および前記外周面間に噛み込ませて駆動力を伝達するワンウェイクラッチであって、
    前記アウター部材(22)および前記インナー部材(23)間に相対回転可能に配置されたケージ(31)を備え、前記ケージ(31)は前記ローラ(25)の軸方向両側に配置された一対の環状の第1スプリング支持部材(32)と、前記一対の第1スプリング支持部材(32)間を軸方向に接続して前記複数のローラ(25)にそれぞれ当接可能な複数の付勢部材(33)とからなり、
    前記アウター部材(22)および前記インナー部材(23)の何れか一方に第2スプリング支持部材(36)を設け、前記第1スプリング支持部材(32)および前記第2スプリング支持部材(36)間に前記スプリング(24)を配置することで、前記付勢部材(33)を前記ローラ(25)に向けて付勢することを特徴とするワンウェイクラッチ。
  2. 前記アウター部材(22)と一体に回転する外輪(35)と前記インナー部材(23)と一体に回転する内輪(36)との間に複数の転動体(37)を配置した一対のベアリング(34)を前記複数のローラ(25)の軸方向両側に配置し、前記外輪(35)または前記内輪(36)で前記第2スプリング支持部材を構成したことを特徴とする、請求項1に記載のワンウェイクラッチ。
  3. 前記スプリング(24)はコイルスプリングからなり、前記第1スプリング支持部材(32)に円周方向に形成した第1スプリング収納溝(32a)の一端部と、前記第2スプリング支持部材(36)に円周方向に形成した第2スプリング収納溝(36a)の他端部とに前記スプリング(24)の両端部を係止したことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のワンウェイクラッチ。
  4. 前記スプリング(24)の数は前記ローラ(25)の数よりも少ないことを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のワンウェイクラッチ。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のワンウェイクラッチ(21)を備え、入力軸(11)の回転を変速して出力軸(12)に伝達する無段変速機であって、
    前記入力軸(11)の軸線からの偏心量が可変であって該入力軸(11)と共に回転する入力側支点(18)と、前記ワンウェイクラッチ(21)の前記アウター部材(22)に設けた出力側支点(19c)とをコネクティングロッド(19)で接続し、前記ワンウェイクラッチ(21)の前記インナー部材(23)を前記出力軸(12)に接続したことを特徴とする無段変速機。
JP2012270309A 2012-12-11 2012-12-11 ワンウェイクラッチおよび無段変速機 Pending JP2014114905A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012270309A JP2014114905A (ja) 2012-12-11 2012-12-11 ワンウェイクラッチおよび無段変速機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012270309A JP2014114905A (ja) 2012-12-11 2012-12-11 ワンウェイクラッチおよび無段変速機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014114905A true JP2014114905A (ja) 2014-06-26

Family

ID=51171129

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012270309A Pending JP2014114905A (ja) 2012-12-11 2012-12-11 ワンウェイクラッチおよび無段変速機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014114905A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016109187A (ja) * 2014-12-04 2016-06-20 本田技研工業株式会社 ワンウェイクラッチおよび車両用動力伝達装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016109187A (ja) * 2014-12-04 2016-06-20 本田技研工業株式会社 ワンウェイクラッチおよび車両用動力伝達装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2014114905A (ja) ワンウェイクラッチおよび無段変速機
JP6168523B2 (ja) 車両用動力伝達装置
JP6176452B2 (ja) ワンウェイクラッチおよびクランク式無段変速機
JP6011972B2 (ja) 車両用動力伝達装置
JP2008057661A (ja) 多板クラッチ
JP6133116B2 (ja) ワンウェイクラッチおよび無段変速機
JP5932621B2 (ja) ワンウェイクラッチおよび無段変速機
JP2014105822A (ja) ワンウェイクラッチおよび無段変速機
JP2014228109A (ja) ワンウェイクラッチ
JP6130196B2 (ja) ワンウェイクラッチおよび無段変速機
JP6125376B2 (ja) ワンウェイクラッチ
JP6068402B2 (ja) ワンウェイクラッチ及び無段変速機
JP6112661B2 (ja) 車両用動力伝達装置
JP6029214B2 (ja) 車両用動力伝達装置
JP2014114906A (ja) 車両用動力伝達装置
JP6143178B2 (ja) 車両用動力伝達装置におけるワンウェイクラッチ構造
JP6035655B2 (ja) 車両用動力伝達装置
JP6074381B2 (ja) 車両用動力伝達装置
JP2014228067A (ja) 車両用動力伝達装置
JP2015137761A (ja) 車両用動力伝達装置
JP6176454B2 (ja) ワンウェイクラッチ
JP6229950B2 (ja) 車両用動力伝達装置
JP2015098924A (ja) 車両用動力伝達装置
JP2015036556A (ja) ワンウェイクラッチ
JP6080211B2 (ja) 車両用動力伝達装置