JP2014228067A - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車両用動力伝達装置の偏心部材およびコネクティングロッドのリング部間に配置される複列ボールベアリングの部品点数の削減および小型化を図る。
【解決手段】 複列ボールベアリング20は、第1列のボール33群と、第2列のボール34群と、第1、第2列のボール33,34群に共用される単一の外輪31と、第1、第2列のボール群33,34に共用される単一の内輪32と、第1列のボール33群を保持する第1保持器35と、第2列のボール34群を保持する第2保持器36とを備えるので、外輪31および内輪32をそれぞれ2分割せずとも保持器35,36を組み付けることが可能になる。これにより、複列ボールベアリング20の部品点数を削減するとともに軸方向寸法を小型化し、しかも精度を高めることができる。
【選択図】 図8

Description

本発明は、駆動源に接続された入力軸の回転を変速して出力軸に伝達する無段変速機が、前記入力軸の軸線からの偏心量が可変であって該入力軸と共に回転する偏心部材と、前記出力軸に接続されたワンウェイクラッチと、前記偏心部材および前記ワンウェイクラッチの入力部材に両端を接続されて往復運動するコネクティングロッドと、前記偏心部材の偏心量を変更する変速アクチュエータとを備え、前記偏心部材および前記コネクティングロッドのリング部間に複列ボールベアリングを配置した車両用動力伝達装置に関する。
エンジンに接続された入力軸の回転を複数のコネクティングロッドの相互に位相が異なる往復運動に変換し、前記複数のコネクティングロッドの往復運動を複数のワンウェイクラッチによって出力軸の回転運動に変換する無段変速機が、下記特許文献1により公知である。
またボールを2列の千鳥状に配置した複列ボールベアリングにおいて、外輪および内輪をそれぞれ2部材に分割し、2列のボールを保持する保持器を1部材で構成したものが、下記特許文献2により公知である。
特開2013−19429号公報 特開平7−19239号公報
ところで、上記特許文献1に記載された無段変速機は、入力軸に対して偏心回転する偏心ディスクとコネクティングロッドのリング部との間にローラベアリングを備えているが、コネクティングロッドのリング部は薄肉のリング状に形成されているため、ローラベアリングのローラから受ける荷重で非円形に変形してしまい、フリクションが増大する問題があった。
図9(A)に示すように、コネクティングロッドのリング部01の荷重がローラ02の位置に加わると、そのローラ02に強いピーク荷重が作用することになる。また図9(B)に示すように、コネクティングロッドのリング部01荷重が円周方向に隣接する二つのローラ02,02の中間位置に加わると、二つのローラ02,02にそれぞれピーク荷重が作用するが、そのピーク荷重は図9(A)の場合に比べて低くなる。従って、ローラ02のピーク荷重を低減するには、多数のローラ02…を細かいピッチで配置すれば良いが、寸法上の制約からローラ02…の数を増加させることは困難である。
そこで、特許文献2に記載されたような複列ボールベアリングを採用し、第1ボール群のボールと第2ボール群のボールとを円周方向に半ピッチずらして千鳥状に配置すれば、ボールの円周方向の間隔を狭めてピーク荷重を低減し、ボールベアリングの耐久性を高めることができる。しかしながら、特許文献2に記載された複列ボールベアリングは、組立上の制約から外輪および内輪をそれぞれ2部材に分割する必要があるため、部品点数が増加したり軸方向寸法が増加したりする問題がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、車両用動力伝達装置の偏心部材およびコネクティングロッドのリング部間に配置される複列ボールベアリングの部品点数の削減および小型化を図ることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、駆動源に接続された入力軸の回転を変速して出力軸に伝達する無段変速機が、前記入力軸の軸線からの偏心量が可変であって該入力軸と共に回転する偏心部材と、前記出力軸に接続されたワンウェイクラッチと、前記偏心部材および前記ワンウェイクラッチの入力部材に両端を接続されて往復運動するコネクティングロッドと、前記偏心部材の偏心量を変更する変速アクチュエータとを備え、前記偏心部材および前記コネクティングロッドのリング部間に複列ボールベアリングを配置した車両用動力伝達装置であって、前記複列ボールベアリングは、第1列のボール群と、前記第1列のボール群に対して千鳥状に配置された第2列のボール群と、前記第1、第2列のボール群に共用される単一の外輪と、前記第1、第2列のボール群に共用される単一の内輪と、前記第1列のボール群を保持する第1保持器と、前記第2列のボール群を保持する第2保持器とを備えることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記第1保持器は前記第2保持器側に突出する複数の第1係合部を備えるとともに、前記第2保持器は前記第1保持器側に突出する複数の第2係合部を備え、前記第1係合部および前記第2係合部は径方向に見て相互にオーバーラップし、前記第1、第2係合部のうちの径方向外側に位置する係合部の径方向内面は、その突出方向先端側が径方向内側に向けて傾斜することを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項2の構成に加えて、前記第1、第2保持器は互換可能な同一部品であり、前記第1係合部の円周方向の間隔および前記第2係合部の円周方向の間隔を1ピッチとしたとき、前記第1、第2保持器は円周方向に相互に半ピッチずれて組み付けられることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1〜請求項3の何れか1項の構成に加えて、前記外輪は前記コネクティングロッドの前記リング部の内周部で構成され、前記内輪は前記偏心部材の外周部で構成されることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
尚、実施の形態の偏心ディスク18は本発明の偏心部材に対応し、実施の形態のアウター部材22は本発明の入力部材に対応し、実施の形態の第1ボール33は本発明の第1列のボールに対応し、実施の形態の第2ボール34は本発明の第2列のボールに対応し、実施の形態のエンジンEは本発明の駆動源に対応する。
請求項1の構成によれば、駆動源に接続された入力軸が回転すると偏心部材が偏心回転し、偏心部材に一端を接続されたコネクティングロッドが往復運動すると、コネクティングロッドの他端が接続されたワンウェイクラッチを介して出力軸が回転する。変速アクチュエータで入力軸に対する偏心部材の偏心量を変化させると、コネクティングロッドの往復ストロークが変化することで、出力軸の回転角が変化して変速比が変更される。
偏心部材およびコネクティングロッドのリング部間に複列ボールベアリングを配置したので、単列ボールベアリングを配置した場合に比べてコネクティングロッドのリング部の径方向寸法を小型化することができる。またコネクティングロッドのリング部は肉厚が小さいため、ボールベアリングのボールから受ける荷重で非円形に変形してフリクションが増加する問題があるが、複列ボールベアリングを採用したことで千鳥状に配置されたボールの円周方向の間隔が小さくなり、ボールから受ける荷重でコネクティングロッドのリング部が変形し難くなってフリクションの増加が抑制される。
複列ボールベアリングは、第1列のボール群と、第2列のボール群と、第1、第2列のボール群に共用される単一の外輪と、第1、第2列のボール群に共用される単一の内輪と、第1列のボール群を保持する第1保持器と、第2列のボール群を保持する第2保持器とを備えるので、内輪および外輪をそれぞれ2分割せずとも保持器を組み付けることが可能になる。これにより複列ボールベアリングの部品点数を削減するとともに軸方向寸法を小型化し、しかも精度を高めることができる。
また請求項2の構成によれば、第1保持器は第2保持器側に突出する複数の第1係合部を備えるとともに、第2保持器は第1保持器側に突出する複数の第2係合部を備え、第1係合部および第2係合部は径方向に見て相互にオーバーラップし、第1、第2係合部のうちの径方向外側に位置する係合部の径方向内面は、その突出方向先端側が径方向内側に向けて傾斜するので、遠心力の作用で径方向外側に位置する係合部の径方向内面に径方向内側に位置する係合部の径方向外面が押し付けられたとき、第1、第2保持器を相互に接近させる保持力を作用させて第1、第2保持器および第1、第2ボール群のがたつきを防止することができる。特に、偏心部材は偏心回転するために大きな遠心力が作用し、第1、第2保持器および第1、第2ボール群のがたつきが発生し易いという問題があるが、遠心力の増大に応じて前記保持力を強めることでがたつきが発生を効果的に防止することができる。
また請求項3の構成によれば、第1、第2保持器は互換可能な同一部品であり、第1係合部の円周方向の間隔および第2係合部の円周方向の間隔を1ピッチとしたとき、第1、第2保持器は円周方向に相互に半ピッチずれて組み付けられるので、部品の種類を減らして製造コストを削減することができる。
また請求項4の構成によれば、外輪はコネクティングロッドのリング部の内周部で構成され、内輪は偏心部材の外周部で構成されるので、外輪および内輪を別部材で構成する場合に比べて部品点数を削減するとともに寸法の小型化を図ることができる。
車両用動力伝達装置のスケルトン図。(実施の形態) 図1の2部詳細図。(実施の形態) 図2の3−3線断面図(TOP状態)。(実施の形態) 図2の3−3線断面図(LOW状態)。(実施の形態) TOP状態での作用説明図。(実施の形態) LOW状態での作用説明図。(実施の形態) 図3の7−7線矢視図。(実施の形態) 図7の8A−8A線、8B−8B線および8C−8C線断面図。(実施の形態) ローラベアリングのローラに加わる荷重の説明図。(従来例)
以下、図1〜図8に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように、エンジンEの駆動力を左右の車軸10,10を介して駆動輪W,Wに伝達する車両用動力伝達装置は、入力軸11および出力軸12間に配置された無段変速機TとディファレンシャルギヤDとを備える。無段変速機Tは同一構造を有する複数個(実施の形態では4個)の変速ユニットU…を軸方向に重ね合わせたもので、それらの変速ユニットU…は入力軸11の回転を減速または増速して出力軸12に伝達する。
以下、代表として一つの変速ユニットUの構造を、図2および図3に基づいて説明する。エンジンEに接続されて回転する入力軸11は、電動モータのような変速アクチュエータ14の中空の回転軸14aの内部を相対回転自在に貫通する。変速アクチュエータ14のロータ14bは回転軸14aに固定されており、ステータ14cはケーシングに固定される。変速アクチュエータ14の回転軸14aは、入力軸11と同速度で回転可能であり、かつ入力軸11に対して異なる速度で相対回転可能である。
変速アクチュエータ14の回転軸14aを貫通した入力軸11には第1ピニオン15が固定されており、この第1ピニオン15を跨ぐように変速アクチュエータ14の回転軸14aにクランク状のキャリヤ16が接続される。第1ピニオン15と同径の2個の第2ピニオン17,17が、第1ピニオン15と協働して正三角形を構成する位置にそれぞれピニオンピン16a,16aを介して支持されており、これら第1ピニオン15および第2ピニオン17,17に、円板形の偏心ディスク18の内部に偏心して形成されたリングギヤ18aが噛合する。偏心ディスク18の外周面に、コネクティングロッド19のロッド部19aの一端に設けたリング部19bが複列ボールベアリング20を介して相対回転自在に嵌合する。
出力軸12の外周に設けられたワンウェイクラッチ21は、コネクティングロッド19のロッド部19aにピン19cを介して枢支されたリング状のアウター部材22と、アウター部材22の内部に配置されて出力軸12に固定されたインナー部材23と、アウター部材22の内周の円弧面とインナー部材23の外周の平面との間に形成された楔状の空間に配置されてスプリング24…で付勢されたローラ25…とを備える。
図2から明らかなように、4個の変速ユニットU…はクランク状のキャリヤ16を共有しているが、キャリヤ16に第2ピニオン17,17を介して支持される偏心ディスク18の位相は各々の変速ユニットUで90°ずつ異なっている。例えば、図2において、左端の変速ユニットUの偏心ディスク18は入力軸11に対して図中上方に変位し、左から3番目の変速ユニットUの偏心ディスク18は入力軸11に対して図中下方に変位し、左から2番目および4番目の変速ユニットU,Uの偏心ディスク18,18は上下方向中間に位置している。
次に、図7および図8に基づいて、偏心ディスク18およびコネクティングロッド19のリング部19b間に配置された複列ボールベアリング20の構造を説明する。
複列ボールベアリング20は、コネクティングロッド19のリング部19bの内周部で構成される外輪31と、偏心ディスク18の外周部で構成される内輪32と、外輪31の内周面に形成された2本の外側環状溝31a,31bと、内輪32の外周面に形成された2本の内側環状溝32a,32bと、軸方向一方の外側環状溝31aおよび内側環状溝32aに転動可能に嵌合する複数の第1ボール33…と、軸方向他方の外側環状溝31bおよび内側環状溝32bに転動可能に嵌合する複数の第2ボール34…と、第1ボール33…を円周方向に所定間隔で保持する合成樹脂製の第1保持器35と、第2ボール34…を円周方向に所定間隔で保持する合成樹脂製の第2保持器36とを備える。第1保持器35および第2保持器36は互換可能な同一部品であり、円周方向に相互に半ピッチずれた状態で組み付けられる。ここで1ピッチとは、第1ボール33…の円周方向の間隔、あるいは第2ボール34…の円周方向の間隔である。
第1保持器35は、軸方向寸法が小さい筒状に形成された本体部35aと、本体部35aに円周方向に1ピッチ間隔で形成されて第1ボール33…を保持する複数のボール保持孔35b…と、ボール保持孔35b…の円周方向両側から本体部35aの軸方向他方側に向けて突出する凸部35c…と、円周方向に隣接する一対のボール保持孔35b…間で本体部35aの軸方向他方の端縁を軸方向一方側に向けて矩形状に切り欠いた凹部35d…と、凸部35c…に隣接する位置から半ピッチ間隔で軸方向他方側に突出する第1係合部35e…とを備える。第1係合部35eの形状は2種類あり、本体部35aの径方向外端から突出するもの(図8(A)参照)と、本体部35aの径方向内端から突出するもの(図8(C)参照)とが、円周方向に交互に配置される。上述したように、第2保持器36は第1保持器35と同一部材であるが、その各部の符号は、第1保持器35の符号「35」を第2保持器36の符号「36」に変えたものとする。但し、第1保持器35の係合部は第1係合部35eと名付けられ、それに対応する第2保持器36の係合部は第2係合部36eと名付けられる。
図8(A)および図8(C)を比較すると明らかなように、図8(A)の断面位置では第1保持器35の第1係合部35eが上側になって第2保持器36の第2係合部36eが下側になるように重なっており、相互に当接する第1保持器35の第1係合部35eの径方向内面aと、第2保持器36の第2係合部36eの径方向外面bとは軸方向に対して傾斜している。即ち、径方向外側に重なる第1保持器35の第1係合部35eの径方向内面aは、その第1係合部35eの突出方向先端側(つまり第2保持器36側)が、径方向内側に向かうように傾斜している。
また図8(C)の断面位置では第2保持器36の第2係合部36eが上側になって第1保持器35の第1係合部35eが下側になるように重なっており、相互に当接する第2保持器36の第2係合部36eの径方向内面aと、第1保持器35の第1係合部35eの径方向外面bとは軸方向に対して傾斜している。即ち、径方向外側に重なる第2保持器36の第2係合部36eの径方向内面aは、その第2係合部36eの突出方向先端側(つまり第1保持器35側)が、径方向内側に向かうように傾斜している。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
先ず、無段変速機Tの一つの変速ユニットUの作用を説明する。変速アクチュエータ14の回転軸14aを入力軸11に対して相対回転させると、入力軸11の軸線L1まわりにキャリヤ16が回転する。このとき、キャリヤ16の中心O、つまり第1ピニオン15および2個の第2ピニオン17,17が成す正三角形の中心は入力軸11の軸線L1まわりに回転する。
図3および図5は、キャリヤ16の中心Oが第1ピニオン15(つまり入力軸11)に対して出力軸12と反対側にある状態を示しており、このとき入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量が最大になって無段変速機TのレシオはTOP状態になる。図4および図6は、キャリヤ16の中心Oが第1ピニオン15(つまり入力軸11)に対して出力軸12と同じ側にある状態を示しており、このとき入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量が最小になって無段変速機TのレシオはLOW状態になる。
図5に示すTOP状態で、エンジンEで入力軸11を回転させるとともに、入力軸11と同速度で変速アクチュエータ14の回転軸14aを回転させると、入力軸11、回転軸14a、キャリヤ16、第1ピニオン15、2個の第2ピニオン17,17および偏心ディスク18が一体になった状態で、入力軸11を中心に反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。図5(A)から図5(B)を経て図5(C)の状態へと回転する間に、偏心ディスク18の外周にリング部19bを複列ボールベアリング20を介して相対回転自在に支持されたコネクティングロッド19は、そのロッド部19aの先端にピン19cで枢支されたアウター部材22を反時計方向(矢印B参照)に回転させる。図5(A)および図5(C)は、アウター部材22の前記矢印B方向の回転の両端を示している。
このようにしてアウター部材22が矢印B方向に回転すると、ワンウェイクラッチ21のアウター部材22およびインナー部材23間の楔状の空間にローラ25…が噛み込み、アウター部材22の回転がインナー部材23を介して出力軸12に伝達されるため、出力軸12は反時計方向(矢印C参照)に回転する。
入力軸11および第1ピニオン15が更に回転すると、第1ピニオン15および第2ピニオン17,17にリングギヤ18aを噛合させた偏心ディスク18が反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。図5(C)から図5(D)を経て図5(A)の状態へと回転する間に、偏心ディスク18の外周にリング部19bを複列ボールベアリング20を介して相対回転自在に支持されたコネクティングロッド19は、そのロッド部19aの先端にピン19cで枢支されたアウター部材22を時計方向(矢印B′参照)に回転させる。図5(C)および図5(A)は、アウター部材22の前記矢印B′方向の回転の両端を示している。
このようにしてアウター部材22が矢印B′方向に回転すると、アウター部材22とインナー部材23との間の楔状の空間からローラ25…がスプリング24…を圧縮しながら押し出されることで、アウター部材22がインナー部材23に対してスリップして出力軸12は回転しない。
以上のように、アウター部材22が往復回転したとき、アウター部材22の回転方向が反時計方向(矢印B参照)のときだけ出力軸12が反時計方向(矢印C参照)に回転するため、出力軸12は間欠回転することになる。
図6は、LOW状態で無段変速機Tを運転するときの作用を示すものである。このとき、入力軸11の位置は偏心ディスク18の中心に一致しているので、入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量はゼロになる。この状態でエンジンEで入力軸11を回転させるとともに、入力軸11と同速度で変速アクチュエータ14の回転軸14aを回転させると、入力軸11、回転軸14a、キャリヤ16、第1ピニオン15、2個の第2ピニオン17,17および偏心ディスク18が一体になった状態で、入力軸11を中心に反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。しかしながら、偏心ディスク18の偏心量がゼロであるため、コネクティングロッド19の往復運動のストロークもゼロになり、出力軸12は回転しない。
従って、変速アクチュエータ14を駆動してキャリヤ16の位置を図3のTOP状態と図4のLOW状態との間に設定すれば、ゼロレシオおよび所定レシオ間の任意のレシオでの運転が可能になる。
無段変速機Tは、並置された4個の変速ユニットU…の偏心ディスク18…の位相が相互に90°ずつずれているため、4個の変速ユニットU…が交互に駆動力を伝達することで、つまり4個のワンウェイクラッチ21…の何れかが必ず係合状態にあることで、出力軸12を連続回転させることができる。
次に、複列ボールベアリング20の作用を説明する。
複列ボールベアリング20を組み立てるには、外輪31の外側環状溝31aおよび内輪32の内側環状溝32aに第1ボール33…を圧入し、外輪31の外側環状溝31bおよび内輪32の内側環状溝32bに第2ボール34…を圧入した後、外輪31および内輪32間の隙間に軸方向一端側から第1保持器35を弾性変形させながら挿入し、外輪31および内輪32間の隙間に軸方向他端側から第2保持器36を弾性変形させながら挿入することで、第1保持器35のボール保持孔35b…に第1ボール33…を嵌合させ、第2保持器36のボール保持孔36b…に第2ボール34…を嵌合させ、更に第1保持器35の第1係合部35e…および第2保持器36の第2係合部36e…を相互に係合させる。
この組み付け状態において、第1保持器35の第1係合部35e…および第2保持器36の第2係合部36e…の径方向の位置関係は円周方向に交互に反転する(図8(A)および図8(C)参照)。また第1係合部35e…および第2係合部36e…は径方向内面aおよび径方向外面bが相互に噛み合うことで、軸方向両側に脱落しないように一体に結合される。そして第1保持器35に保持された第1ボール33…と、第2保持器36に保持された第2ボール34…とは、円周方向に半ピッチ間隔で千鳥状に配置される。
以上のように、複列ボールベアリング20の外輪31および内輪32をそれぞれ一部材で構成しても、保持器を第1保持器35および第2保持器36に2分割したことで、複列ボールベアリング20を支障なく組み立てることができる。また上記特許文献1に記載された複列ボールベアリングは、外輪および内輪をそれぞれ2分割し、保持器を一部材で構成しているために合計5部材が必要になるが、本実施の形態では外輪31、内輪32、第1保持器35および第2保持器36の合計4部材で済むため、1部材分だけ部品点数を削減することができる。また外輪および内輪をそれぞれ2分割すると、複列ボールベアリングの軸方向寸法が大型化するが、本実施の形態では外輪31および内輪32をそれぞれ一部材で構成したことで軸方向寸法を小型化することができる。
また外輪および内輪をそれぞれ2分割すると、 分割された各半体間に寸法誤差や位置誤差が発生することが避けられず、複列ボールベアリングの精度が低下する問題があるが、本実施の形態では外輪31および内輪32をそれぞれ一部材で構成することが可能であるため、複列ボールベアリング20の精度が高められる。しかも外輪31をコネクティングロッド19のリング部19bの一部として構成し、内輪32を偏心ディスク18の一部として構成しているので、それらを別部材で構成する場合に比べて部品点数を削減するとともに寸法を小型化することができる。
また第1ボール33…および第2ボール34…が千鳥状に配置されていることから、第1ボール33…および第2ボール34…の円周方向の間隔が半ピッチになり、コネクティングロッド19のリング部19bの一部である外輪31の変形が抑制されてフリクションが低減する。
また第1保持器35および第2保持器36を互換可能な同一部品としてコストを削減しながら、それらを相互に対向させて円周方向に半ピッチずらすことで、第1係合部35e…および第2係合部36e…を支障なく係合させて組み付けることができる。
更に、第1係合部35e…および第2係合部36e…のうち、径方向外側に位置する係合部の径方向内面aは、その突出方向先端側が径方向内側に向けて傾斜するので、図8(A)および図8(C)に示すように、遠心力Frの作用で環状の第1保持器35および第2保持器36が伸長して直径が増加し、径方向外側の係合部が外輪31の内周面に当接すると、径方向内側の係合部の径方向外面bが遠心力で径方向外側の係合部の径方向内面aに荷重Frで押し付けられる。これにより、第1保持器35および第2保持器36を相互に接近させる保持力Fa,Faを発生させ、第1保持器35、第2保持器36、第1ボール33…および第2ボール34…のがたつきを防止することができる。
特に、偏心ディスク18は入力軸11の外周を偏心回転するために大きな遠心力Frが作用し、複列ボールベアリング20の各部品のがたつきが発生し易いという問題があるが、遠心力Frの増加に応じて前記保持力Fa,Faが増加することでがたつきの発生を効果的に防止することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施の形態では第1係合部35e…および第2係合部36e…の径方向内面aおよび径方向外面bの両方を傾斜させているが、遠心力で第1保持器35および第2保持器36を相互に接近する方向に付勢するためには、径方向内面aが傾斜していることが必須であり、径方向内面aに当接する径方向外面bは必ずしも傾斜している必要はなく、径方向外面bを単なる突起で置き換えても良い。
11 入力軸
12 出力軸
14 変速アクチュエータ
18 偏心ディスク(入力部材)
19 コネクティングロッド
19b リング部
20 複列ボールベアリング
21 ワンウェイクラッチ
22 アウター部材(入力部材)
31 外輪
32 内輪
33 第1ボール(第1列のボール)
34 第2ボール(第2列のボール)
35 第1保持器
35e 第1係合部
36 第2保持器
36e 第2係合部
a 径方向内面
E エンジン(駆動源)
T 無段変速機

Claims (4)

  1. 駆動源(E)に接続された入力軸(11)の回転を変速して出力軸(12)に伝達する無段変速機(T)が、前記入力軸(11)の軸線からの偏心量が可変であって該入力軸(11)と共に回転する偏心部材(18)と、前記出力軸(12)に接続されたワンウェイクラッチ(21)と、前記偏心部材(18)および前記ワンウェイクラッチ(21)の入力部材(22)に両端を接続されて往復運動するコネクティングロッド(19)と、前記偏心部材(18)の偏心量を変更する変速アクチュエータ(14)とを備え、前記偏心部材(18)および前記コネクティングロッド(19)のリング部(19b)間に複列ボールベアリング(20)が配置される車両用動力伝達装置であって、
    前記複列ボールベアリング(20)は、第1列のボール(33)群と、前記第1列のボール(33)群に対して千鳥状に配置された第2列のボール(34)群と、前記第1、第2列のボール(33,34)群に共用される単一の外輪(31)と、前記第1、第2列のボール(33,34)群に共用される単一の内輪(32)と、前記第1列のボール(33)群を保持する第1保持器(35)と、前記第2列のボール(34)群を保持する第2保持器(36)とを備えることを特徴とする車両用動力伝達装置。
  2. 前記第1保持器(35)は前記第2保持器(36)側に突出する複数の第1係合部(35e)を備えるとともに、前記第2保持器(36)は前記第1保持器(35)側に突出する複数の第2係合部(36e)を備え、前記第1係合部(35e)および前記第2係合部(35e)は径方向に見て相互にオーバーラップし、前記第1、第2係合部(35e,36e)のうちの径方向外側に位置する係合部の径方向内面(a)は、その突出方向先端側が径方向内側に向けて傾斜することを特徴とする、請求項1に記載の車両用動力伝達装置。
  3. 前記第1、第2保持器(35,36)は互換可能な同一部品であり、前記第1係合部(35e)の円周方向の間隔および前記第2係合部(36e)の円周方向の間隔を1ピッチとしたとき、前記第1、第2保持器(35,36)は円周方向に相互に半ピッチずれて組み付けられることを特徴とする、請求項2に記載の車両用動力伝達装置。
  4. 前記外輪(31)は前記コネクティングロッド(19)の前記リング部(19b)の内周部で構成され、前記内輪(32)は前記偏心部材(18)の外周部で構成されることを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両用動力伝達装置。
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