JP2014105822A - ワンウェイクラッチおよび無段変速機 - Google Patents

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彰彦 佐々木
Misato Maki
美里 牧
Satoru Sato
哲 佐藤
Fumiyasu Suga
文康 菅
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Abstract

【課題】 ワンウェイクラッチのローラを付勢する付勢部材の摩耗を回避する。
【解決手段】 アウター部材22およびインナー部材23が所定方向に相対回転してローラ25がアウター部材22の内周面22aおよびインナー部材23の外周面23a間に噛み込む際に、ローラ25は前記相対回転により内周面22aおよび外周面23aから受ける摩擦力で自転するが、そのとき付勢部材24はローラ25から離反するためにローラ25との摺動による摩耗が回避され、ワンウェイクラッチ21の耐久性が向上する。
【選択図】 図11

Description

本発明は、環状のアウター部材と、前記アウター部材の内部に同軸に配置されたインナー部材と、前記アウター部材の内周面および前記インナー部材の外周面間に配置された複数のローラと、前記複数のローラにそれぞれ当接して円周方向に付勢する複数の付勢部材とを備え、前記アウター部材および前記インナー部材の所定方向への相対回転により、前記ローラを前記内周面および前記外周面間に噛み込ませて駆動力を伝達するワンウェイクラッチと、そのワンウェイクラッチを用いた無段変速機とに関する。
エンジンに接続された入力軸の回転をコネクティングロッドの往復運動に変換し、コネクティングロッドの往復運動をワンウェイクラッチによって出力軸の回転運動に変換する無段変速機が、下記特許文献1により公知である。
特開2012−1048号公報
ところで、上記従来の無段変速機に用いられているワンウェイクラッチは、アウター部材およびインナー部材間に配置した複数のローラと、各々のローラを噛み込み方向に付勢する複数のコイルスプリングとを備える構造であった。かかるワンウェイクラッチでは、アウター部材およびインナー部材が所定方向に相対回転してローラがアウター部材の内周面およびインナー部材の外周面間に噛み込む際に、ローラは前記相対回転により内周面および外周面から受ける摩擦力で自転するため、コイルスプリングおよびローラが接触部において摺動してコイルスプリングが摩耗し、ワンウェイクラッチの耐久性が低下する問題があった。特に、上記特許文献1に記載された無段変速機に使用されるワンウェイクラッチは短い時間間隔で係合および係合解除を繰り返すため、そのワンウェイクラッチの耐久性を高めることが必要となる。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、ワンウェイクラッチのローラを付勢する付勢部材の摩耗を回避することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、環状のアウター部材と、前記アウター部材の内部に同軸に配置されたインナー部材と、前記アウター部材の内周面および前記インナー部材の外周面間に配置された複数のローラと、前記複数のローラにそれぞれ当接して円周方向に付勢する複数の付勢部材とを備え、前記アウター部材および前記インナー部材の所定方向への相対回転により、前記ローラを前記内周面および前記外周面間に噛み込ませて駆動力を伝達するワンウェイクラッチであって、前記ローラが前記内周面および前記外周面間に噛み込んだ直後に、前記付勢部材は前記ローラから離反するように構成されることを特徴とするワンウェイクラッチが提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1に記載のワンウェイクラッチを備え、入力軸の回転を変速して出力軸に伝達する無段変速機であって、前記入力軸の軸線からの偏心量が可変であって該入力軸と共に回転する入力側支点と、前記ワンウェイクラッチの前記アウター部材に設けた出力側支点とをコネクティングロッドで接続し、前記ワンウェイクラッチの前記インナー部材を前記出力軸に接続したことを特徴とする無段変速機が提案される。
尚、実施の形態の偏心ディスク18は本発明の入力側支点に対応し、実施の形態のピン19cは本発明の出力側支点に対応し、実施の形態のエンゲージスプリング24は本発明の付勢部材に対応する。
請求項1の構成によれば、ワンウェイクラッチは、環状のアウター部材と、アウター部材の内部に同軸に配置されたインナー部材と、アウター部材の内周面およびインナー部材の外周面間に配置された複数のローラと、ローラを円周方向に付勢する付勢部材とを備えるので、アウター部材およびインナー部材が所定方向に相対回転したときに、ローラが付勢部材による付勢力でアウター部材の内周面およびインナー部材の外周面間に噛み込んで駆動力を伝達することができる。
アウター部材およびインナー部材が所定方向に相対回転してローラがアウター部材の内周面およびインナー部材の外周面間に噛み込む際に、ローラは前記相対回転により内周面および外周面から受ける摩擦力で自転するが、そのとき付勢部材はローラから離反するためにローラとの摺動による摩耗が回避され、ワンウェイクラッチの耐久性が向上する。
また請求項2の構成によれば、入力軸の回転を変速して出力軸に伝達する無段変速機に本発明のワンウェイクラッチが適用される。無段変速機は、入力軸の軸線からの偏心量が可変であって該入力軸と共に回転する入力側支点と、ワンウェイクラッチのアウター部材に設けた出力側支点とをコネクティングロッドで接続し、ワンウェイクラッチのインナー部材を出力軸に接続したので、入力軸が回転してコネクティングロッドが往復運動すると、ワンウェイクラッチが間欠的に係合して出力軸が回転することで駆動力が伝達される。無段変速機のワンウェイクラッチは短い時間間隔で係合および係合解除を繰り返すために付勢手段が摩耗し易いが、本発明により付勢手段の摩耗が回避されてワンウェイクラッチの耐久性が向上する。
車両用動力伝達装置のスケルトン図。 図1の2部詳細図。 図2の3−3線断面図(TOP状態)。 図2の3−3線断面図(LOW状態)。 TOP状態での作用説明図。 LOW状態での作用説明図。 ワンウェイクラッチの分解斜視図。 ケージおよびエンゲージスプリングの斜視図。 図2の9部拡大図。 図9の10−10線断面図。 図10の11部拡大図(係合状態)。 図11に対応する図(DP状態)。 図11に対応する図(ダンピング状態)。 エンゲージスプリングが傾いたときの作用説明図。 ローラが傾いたときの作用説明図。
以下、図1〜図15に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように、エンジンEの駆動力を左右の車軸10,10を介して駆動輪W,Wに伝達する車両用動力伝達装置は、クランク式の無段変速機TおよびディファレンシャルギヤDを備える。
次に、図2〜図6に基づいて無段変速機Tの構造を説明する。
図2および図3に示すように、本実施の形態の無段変速機Tは同一構造を有する複数個(実施の形態では4個)の動力伝達ユニットU…を軸方向に重ね合わせたもので、それらの動力伝達ユニットU…は平行に配置された共通の入力軸11および共通の出力軸12を備えており、入力軸11の回転が減速または増速されて出力軸12に伝達される。
以下、代表として一つの動力伝達ユニットUの構造を説明する。エンジンEに接続されて回転する入力軸11は、電動モータのような変速アクチュエータ14の中空の回転軸14aの内部を相対回転自在に貫通する。変速アクチュエータ14のロータ14bは回転軸14aに固定されており、ステータ14cはケーシングに固定される。変速アクチュエータ14の回転軸14aは、入力軸11と同速度で回転可能であり、かつ入力軸11に対して異なる速度で相対回転可能である。
変速アクチュエータ14の回転軸14aを貫通した入力軸11には第1ピニオン15が固定されており、この第1ピニオン15を跨ぐように変速アクチュエータ14の回転軸14aにクランク状のキャリヤ16が接続される。第1ピニオン15と同径の2個の第2ピニオン17,17が、第1ピニオン15と協働して正三角形を構成する位置にそれぞれピニオンピン16a,16aを介して支持されており、これら第1ピニオン15および第2ピニオン17,17に、円板形の偏心ディスク18の内部に偏心して形成されたリングギヤ18aが噛合する。偏心ディスク18の外周面に、コネクティングロッド19のロッド部19aの一端に設けたリング部19bがボールベアリング20を介して相対回転自在に嵌合する。
出力軸12の外周に設けられたワンウェイクラッチ21は、コネクティングロッド19のロッド部19aにピン19cを介して枢支されたリング状のアウター部材22と、アウター部材22の内部に配置されて出力軸12に固定されたインナー部材23と、アウター部材22とインナー部材23との間に形成された楔状の空間に配置されてエンゲージスプリング24…で付勢されたローラ25…とを備える。尚、ワンウェイクラッチ21の具体的な構造は後から詳述する。
図2から明らかなように、4個の動力伝達ユニットU…はクランク状のキャリヤ16を共有しているが、キャリヤ16に第2ピニオン17,17を介して支持される偏心ディスク18の位相は各々の動力伝達ユニットUで90°ずつ異なっている。例えば、図2において、左端の動力伝達ユニットUの偏心ディスク18は入力軸11に対して図中上方に変位し、左から3番目の動力伝達ユニットUの偏心ディスク18は入力軸11に対して図中下方に変位し、左から2番目および4番目の動力伝達ユニットU,Uの偏心ディスク18,18は上下方向中間に位置している。
次に、図7〜図10に基づいて、ワンウェイクラッチ21の構造を説明する。尚、図3〜図6においてワンウェイクラッチ21は模式的に図示されており、その実際の構造は図7〜図10に示されている。
本実施の形態のワンウェイクラッチ21は、基本的に環状のアウター部材22の円形の内周面22aと、筒状のインナー部材23の波状に屈曲する外周面23aとの間に12個のローラ25…を配置したものであり、アウター部材22の外周に設けた突出部22b,22bにピン19cおよびクリップ40,40を介してコネクティングロッド19が接続され、インナー部材23の内周部には出力軸12が相対回転不能に結合される。
ワンウェイクラッチ21は、ローラ25…を付勢するエンゲージスプリング24…を支持するためのケージ31を備える。ケージ31は円環状の板材からなる一対の環状部材32,32と、周方向に等間隔で配置されて一対の環状部32,32を相互に接続する12本のスプリング支持ロッド33…とで構成され、一対の環状部材32,32が12個のローラ25…の軸方向両側に配置され、12本のスプリング支持ロッド33…が12個のローラ25…間に配置される。環状部材32の内周部は波状に形成されており、それがインナー部材23の波状の外周面23aに凹凸係合することで、ケージ31はインナー部材23に相対回転不能に結合される。
エンゲージスプリング24は1枚の弾性板材を断面S字状に屈曲させたもので、その一端側がケージ31のスプリング支持ロッド33に溶接等で固定され、他端側には4本の平行な切り込み24a…により分割された5個の付勢部24b…が形成される。5個の付勢部24b…は、軸方向外側に位置するものほどローラ25側に接近するように偏倚している(図9および図11(B)参照)。つまり軸方向中央の付勢部24bは最も小さい荷重でローラ25を付勢し、その両側の2個の付勢部24b,24bは中程度の荷重でローラ25を付勢し、軸方向両端の2個の付勢部24b,24bは最も大きい荷重でローラ25を付勢する。
またアウター部材22およびインナー部材23の間には、ローラ25…の軸方向両側に位置する一対のボールベアリング34,34が配置されており、このボールベアリング34,34によってアウター部材22およびインナー部材23が同芯状態を維持しながら相対回転可能に接続される。ボールベアリング34は外輪35および内輪36間に複数のボール37…を配置したものであり、外輪35はアウター部材22の軸方向端部に一体に形成され、内輪36は別部材で構成されてインナー部材23の外周に固定される。尚、ボールベアリング34…には複列ものと単列のものとがあり、4個のワンウェイクラッチ21…の軸方向両端に位置する2個のボールベアリング34,34は単列であり、それ以外の3個ボールベアリング34…は隣接する2個のワンウェイクラッチ21,21に共有されるために複列となる。
一方のボールベアリング34と、ケージ31の一方の環状部材32との間にアキシャルスプリング38が配置されており、アキシャルスプリング38の内周から突出する複数の突起38a…が、前記環状部材32の内周の凹部32a…間を通過してローラ25…の端面に弾発的に当接する。またアウター部材22の内周面に形成した環状溝22cに環状のリングスプリング39が配置されており、このリングスプリング39はローラ25…の周面に当接してインナー部材23の外周面23aに向けて付勢する。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
先ず、無段変速機Tの一つの動力伝達ユニットUの作用を説明する。変速アクチュエータ14の回転軸14aを入力軸11に対して相対回転させると、入力軸11の軸線L1まわりにキャリヤ16が回転する。このとき、キャリヤ16の中心O、つまり第1ピニオン15および2個の第2ピニオン17,17が成す正三角形の中心は入力軸11の軸線L1まわりに回転する。
図3および図5は、キャリヤ16の中心Oが第1ピニオン15(つまり入力軸11)に対して出力軸12と反対側にある状態を示しており、このとき入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量が最大になって無段変速機TのレシオはTOP状態になる。図4および図6は、キャリヤ16の中心Oが第1ピニオン15(つまり入力軸11)に対して出力軸12と同じ側にある状態を示しており、このとき入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量が最小になって無段変速機TのレシオはLOW状態になる。
図5に示すTOP状態で、エンジンEで入力軸11を回転させるとともに、入力軸11と同速度で変速アクチュエータ14の回転軸14aを回転させると、入力軸11、回転軸14a、キャリヤ16、第1ピニオン15、2個の第2ピニオン17,17および偏心ディスク18が一体になった状態で、入力軸11を中心に反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。図5(A)から図5(B)を経て図5(C)の状態へと回転する間に、偏心ディスク18の外周にリング部19bをボールベアリング20を介して相対回転自在に支持されたコネクティングロッド19は、そのロッド部19aの先端にピン19cで枢支されたアウター部材22を反時計方向(矢印B参照)に回転させる。図5(A)および図5(C)は、アウター部材22の前記矢印B方向の回転の両端を示している。
このようにしてアウター部材22が矢印B方向に回転すると、ワンウェイクラッチ21のアウター部材22およびインナー部材23間の楔状の空間にローラ25…が噛み込み、アウター部材22の回転がインナー部材23を介して出力軸12に伝達されるため、出力軸12は反時計方向(矢印C参照)に回転する。
入力軸11および第1ピニオン15が更に回転すると、第1ピニオン15および第2ピニオン17,17にリングギヤ18aを噛合させた偏心ディスク18が反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。図5(C)から図5(D)を経て図5(A)の状態へと回転する間に、偏心ディスク18の外周にリング部19bをボールベアリング20を介して相対回転自在に支持されたコネクティングロッド19は、そのロッド部19aの先端にピン19cで枢支されたアウター部材22を時計方向(矢印B′参照)に回転させる。図5(C)および図5(A)は、アウター部材22の前記矢印B′方向の回転の両端を示している。
このようにしてアウター部材22が矢印B′方向に回転すると、アウター部材22とインナー部材23との間の楔状の空間からローラ25…がエンゲージスプリング24…を圧縮しながら押し出されることで、アウター部材22がインナー部材23に対してスリップして出力軸12は回転しない。
以上のように、アウター部材22が往復回転したとき、アウター部材22の回転方向が反時計方向(矢印B参照)のときだけ出力軸12が反時計方向(矢印C参照)に回転するため、出力軸12は間欠回転することになる。
図6は、LOW状態で無段変速機Tを運転するときの作用を示すものである。このとき、入力軸11の位置は偏心ディスク18の中心に一致しているので、入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量はゼロになる。この状態でエンジンEで入力軸11を回転させるとともに、入力軸11と同速度で変速アクチュエータ14の回転軸14aを回転させると、入力軸11、回転軸14a、キャリヤ16、第1ピニオン15、2個の第2ピニオン17,17および偏心ディスク18が一体になった状態で、入力軸11を中心に反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。しかしながら、偏心ディスク18の偏心量がゼロであるため、コネクティングロッド19の往復運動のストロークもゼロになり、出力軸12は回転しない。
従って、変速アクチュエータ14を駆動してキャリヤ16の位置を図3のTOP状態と図4のLOW状態との間に設定すれば、ゼロレシオおよび所定レシオ間の任意のレシオでの運転が可能になる。
無段変速機Tは、並置された4個の動力伝達ユニットU…の偏心ディスク18…の位相が相互に90°ずつずれているため、4個の動力伝達ユニットU…が交互に駆動力を伝達することで、つまり4個のワンウェイクラッチ21…の何れかが必ず係合状態にあることで、出力軸12を連続回転させることができる。
次に、ワンウェイクラッチ21の作用を説明する。
図12はワンウェイクラッチ21のDP(Datum Point)状態、つまりワンウェイクラッチ21が係合する直前の状態を示すものである。DP状態ではエンゲージスプリング24の5個の付勢部24b…のうちの軸方向外側の2個の付勢部24b,24bがローラ25の外周面に当接し、ローラ25をアウター部材22の内周面22aおよびインナー部材23の外周面23a間に噛み込む方向に付勢する。このとき、ワンウェイクラッチ21は未だ係合しておらず、ローラ25…はアウター部材22の内周面22aおよびインナー部材23の外周面23aに噛み込まずに接触している。
この状態からインナー部材23に対してアウター部材22が矢印A方向に相対回転すると、ローラ25はエンゲージスプリング24から受ける付勢力と、アウター部材22およびインナー部材23から受ける摩擦力とにより、矢印A方向に移動してアウター部材22の内周面22aおよびインナー部材23の外周面23a間の楔状の空間に噛み込むことで、図11に示すようにワンウェイクラッチ21が係合する。
図11に示すワンウェイクラッチ21の係合状態から、インナー部材23に対してアウター部材22が矢印B方向に相対回転すると、アウター部材22およびインナー部材23から受ける摩擦力により、ローラ25はエンゲージスプリング24から受ける付勢力に抗して矢印B方向に移動し、アウター部材22の内周面22aおよびインナー部材23の外周面23a間の楔状の空間から離脱することで、図13に示すようにワンウェイクラッチ21が係合解除する。この状態をダンピング状態と呼び、ローラ25はエンゲージスプリング24の全ての付勢部24b…を圧縮しながら矢印B方向に回転し、ローラ25はアウター部材22の内周面22aあるいはインナー部材23の外周面23aから離反する。その後、ローラ25はエンゲージスプリング24により付勢されて図12に示すDP状態に速やかに復帰する。
尚、係合状態からダンピング状態に移行する過程でローラ25がアウター部材22の内周面22aおよびインナー部材23の外周面23a間の楔状の空間から押し出されるとき、アキシャルスプリング38で軸方向に付勢されたローラ25の端面がケージ31の環状部材32に押し付けられるため、その摩擦力でローラ25の挙動を安定させることができる。またローラ25がアウター部材22の内周面22aおよびインナー部材23の外周面23a間の楔状の空間から押し出されるとき、ローラ25は遠心力で径方向外側に位置するアウター部材22の内周面に押し付けられるが、それをリングスプリング39の径方向内向きの弾発力で抑制することができる。
ところで、ローラ25がアウター部材22の内周面22aおよびインナー部材23の外周面23a間に噛み込むときにローラ25が傾斜すると、ローラ25はスムーズに噛み込むことができず、エンゲージスプリング24の弾発力に抗して弾き返される現象(ポップアウト現象)が発生してしまい、ワンウェイクラッチ21の安定した係合および係合解除が妨げられる可能性がある。
図14(A)に示すように、仮にエンゲージスプリング24の付勢部24b…が分割されていないと、エンゲージスプリング24が傾斜したときに、エンゲージスプリング24の一端部だけがローラ25の一端部に当接し、ローラ25が傾斜してポップアウトが発生する可能性がある。しかしながら、本実施の形態によれば、図14(B)に示すように、エンゲージスプリング24が5個の付勢部24b…に分割されているため、エンゲージスプリング24が傾斜しても5個の付勢部24b…はローラ25に当接することができ、ローラ25の傾斜を防止することができる。
また図15(A)に示すように、エンゲージスプリング24が5個の付勢部24b…に分割されていても、それらの付勢部24b…の先端が直線状に整列していると、ローラ25が傾斜した場合にエンゲージスプリング24の一端側の付勢部24bだけに当接するため、ローラ25が矢印P方向の荷重が作用して軸方向位置がずれてしまい、ワンウェイクラッチ21のスムーズな係合が妨げられる可能性がある。しかしながら、本実施の形態によれば、図15(B)に示すように、5個の付勢部24b…が、その軸方向端部側のものほどローラ25に接近するように山型に配置されているため、ローラ25が傾斜しても両端の付勢部24b,24bが優先的にローラ25の両端部に当接し、ローラ25に矢印P方向およびQ方向の逆向きの荷重が加わって軸方向位置が適切に保たれ、ワンウェイクラッチ21のスムーズな係合が可能になる。
さて、ローラ25が図12のDP状態からアウター部材22の内周面22aおよびインナー部材23の外周面23a間に噛み込んで図11の係合状態になる際に、ローラ25は相対回転するアウター部材22およびインナー部材23から受ける摩擦力で図12の矢印R方向に回転し、エンゲージスプリング24の付勢部24b…に対して摺動するため、ローラ25との摩擦により摩耗する可能性がある。
しかしながら、本実施の形態によれば、ローラ25が図12のDP状態から図11の係合状態に移行した直後に、つまりローラ25が矢印R方向に回転してエンゲージスプリング24の付勢部24b…に対して摺動する過程でエンゲージスプリング24がローラ25から離反するので、エンゲージスプリング24の摩耗が抑制されてワンウェイクラッチ21の耐久性が向上する。ワンウェイクラッチ21が係合状態になった直後には、ローラ25はアウター部材22およびインナー部材23から受ける摩擦力で係合方向に付勢されるため、エンゲージスプリング24により付勢力が消滅してもワンウェイクラッチ21のスムーズな係合が妨げられることはない。
また本実施の形態の無段変速機Tの動力伝達ユニットUはコネクティングロッド19が高速で往復運動するため、ワンウェイクラッチ21は短い周期で係合および係合解除を繰り返すことになり、その係合応答性を高めることが要求される。本実施の形態のワンウェイクラッチ21は、エンゲージスプリング24が5分割された付勢部24b…を備えることでローラ25の姿勢が安定するため、ローラ25のポップアウトが防止されて確実な噛み込みが可能になり、ワンウェイクラッチ21の係合応答性が向上して無段変速機Tの動力伝達性能が高められる。
また無段変速機Tの動力伝達ユニットUのワンウェイクラッチ21は、係合する過程でローラ25が回転してエンゲージスプリング24に摺接するが、それが頻繁に繰り返されることでエンゲージスプリング24の付勢部24b…の摩耗が促進される可能性がある。本実施の形態は、上記摩耗が発生するとき、つまりローラ25がアウター部材22の内周面22aおよびインナー部材23の内周面23a間に噛み込む瞬間にエンゲージスプリング24がローラ25から離反するため、摩耗が発生し易い無段変速機Tのワンウェイクラッチ21…であってもエンゲージスプリング24…の摩耗が抑制される。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本発明のワンウェイクラッチ21は無段変速機T以外の任意の用途に適用することができる。
また本発明の付勢部材は実施の形態のリーフスプリングよりなるエンゲージスプリング24に限定されず、コイルスプリング等の任意の種類の付勢部材であっても良いし、エンゲージスプリングやコイルスプリングにより付勢されてローラ25に当接する部材であっても良い。
また実施の形態の無段変速機Tは4個の動力伝達ユニットUを備えているが、動力伝達ユニットUの数は4個に限定されるものではない。
また実施の形態ではワンウェイクラッチ21のインナー部材23が出力軸12と別部材で構成されているが、インナー部材23をそのまま出力軸12として用いても良い。
また実施の形態ではケージ31をインナー部材23に固定しているが、それをアウター部材22に固定しても良い。
またワンウェイクラッチ21のローラ25の数やエンゲージスプリング24の数は実施の形態に限定されるものではない。
また実施の形態ではエンゲージスプリング24が5個の付勢部24b…を備えているが、付勢部24b…の数は5個に限定されず、3個以上であれば良い。
11 入力軸
12 出力軸
18 偏心ディスク(入力側支点)
19 コネクティングロッド
19c ピン(出力側支点)
21 ワンウェイクラッチ
22 アウター部材
22a 内周面
23 インナー部材
23a 外周面
24 エンゲージスプリング(付勢部材)
25 ローラ

Claims (2)

  1. 環状のアウター部材(22)と、前記アウター部材(22)の内部に同軸に配置されたインナー部材(23)と、前記アウター部材(22)の内周面(22a)および前記インナー部材(23)の外周面(23a)間に配置された複数のローラ(25)と、前記複数のローラ(25)にそれぞれ当接して円周方向に付勢する複数の付勢部材(24)とを備え、前記アウター部材(22)および前記インナー部材(23)の所定方向への相対回転により、前記ローラ(25)を前記内周面(22a)および前記外周面(23a)間に噛み込ませて駆動力を伝達するワンウェイクラッチであって、
    前記ローラ(25)が前記内周面(22a)および前記外周面(23a)間に噛み込んだ直後に、前記付勢部材(24)は前記ローラ(25)から離反するように構成されることを特徴とするワンウェイクラッチ。
  2. 請求項1に記載のワンウェイクラッチ(21)を備え、入力軸(11)の回転を変速して出力軸(12)に伝達する無段変速機であって、
    前記入力軸(11)の軸線からの偏心量が可変であって該入力軸(11)と共に回転する入力側支点(18)と、前記ワンウェイクラッチ(21)の前記アウター部材(22)に設けた出力側支点(19c)とをコネクティングロッド(19)で接続し、前記ワンウェイクラッチ(21)の前記インナー部材(23)を前記出力軸(12)に接続したことを特徴とする無段変速機。
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JP2016017530A (ja) * 2014-07-04 2016-02-01 本田技研工業株式会社 ラジアル・スラスト軸受のプリロード調節構造、及びこれを用いた無段変速機

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