JP6175418B2 - 磁気テープ - Google Patents

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Description

本発明は、磁気テープに関する。
磁気記録媒体にはテープ状のものとディスク状のものがあり、データバックアップ等のストレージ用途には、テープ状の磁気記録媒体、即ち磁気テープが主に用いられている。
磁気テープへの信号の記録再生は、通常、磁気テープをドライブ内で走行させテープ表面(磁性層表面)とヘッドとを接触(摺動)させることにより行われる。しかし、磁性層表面とヘッドとの摺動時の摩擦係数が高い状態で走行を繰り返すと、走行が不安定となることによってノイズが増加したり、磁性層表面やヘッドの一部が削れることにより発生した削れ屑により生じたスペーシングにより出力が変動(スペーシングロス)することにより、SNR(Signal-to-Noise-Ratio)は低下してしまう。そのため磁気テープには、繰り返し走行後も高いSNRを維持することができること(優れた走行耐久性)が求められる。
上記の走行耐久性については、従来、磁性層や非磁性層に潤滑剤を含有させることにより、走行中の磁性層表面とヘッドとの摺動性を安定化し走行耐久性を高めることが提案されてきた。これに対し特許文献1には、非磁性支持体の磁性層とは反対側に位置するバックコート層に、潤滑剤を含有させることが提案されている。
特開2009−283082号公報
特許文献1に提案されているようにバックコート層に潤滑剤を含有させることによって、磁気テープカートリッジ内でリールに巻き取られた状態で磁性層表面とバックコート層とが接触することにより、バックコート層表面から磁性層表面に潤滑剤を供給することができると考えられる。
しかるに本発明者らの検討の結果、単にバックコート層に潤滑剤を含有させるのみでは、繰り返し走行後にSNRが低下する場合があること、即ち、走行耐久性が改善されない場合があることが判明した。
かかる状況下、本発明の目的は、優れた走行耐久性を有する磁気テープを提供することにある。
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、以下の磁気テープ:
非磁性支持体の一方の表面上に、非磁性粉末、潤滑剤および結合剤を含む非磁性層を有し、
非磁性層の表面上に、強磁性粉末、潤滑剤および結合剤を含む磁性層を有し、
非磁性支持体の非磁性層および磁性層を有する面とは反対の表面上に、非磁性粉末、潤滑剤および結合剤を含むバックコート層を有し、
磁性層表面の水に対する接触角は95°〜100°の範囲であり、かつ、
バックコート層表面の水に対する接触角は95°〜100°の範囲である、磁気テープ、
を新たに見出し、本発明を完成させた。
以下において、水に対する接触角を、水接触角とも記載する。水接触角は、液滴法により評価するものとする。具体的には、水接触角とは、25℃、相対湿度25%の測定環境において、θ/2法により、あるサンプルについて測定用液体として水を用いて6回測定を行い得られた値の算術平均値をいうものとする。磁性層表面の水接触角、バックコート層表面の水接触角は、ロール状に巻き取られている磁気テープ(磁気テープロール)のロールの端部から一定長さ切り取り得られたテープサンプルを、測定試料として用いて測定するものとする。測定方法の具体的態様の一例は、実施例について後述する。
一態様では、非磁性層の厚さは、0.05〜0.50μmの範囲である。
一態様では、磁性層は、
平均粒子サイズφ1の非磁性フィラー1と、
φ1(単位:nm)より小さい平均粒子サイズφ2(単位:nm)と非磁性フィラー1のモース硬度より高いモース硬度とを有する非磁性フィラー2と、
を含み、φ1とφ2とは、下記式1:
20nm<φ1−φ2<50nm …式1
を満たす。
一態様では、非磁性フィラー1は、無機酸化物粒子およびカーボンブラックからなる群から選択される。
一態様では、非磁性フィラー1は、コロイド粒子である。
一態様では、非磁性フィラー1は、コロイダルシリカである。
一態様では、非磁性フィラー2は、アルミナ粉末および炭化ケイ素粉末からなる群から選択される。
一態様では、バックコート層におけるニトロセルロース含有量は、非磁性粉末全量100.00質量部に対して0.00〜1.00質量部の範囲である。
一態様では、バックコート層に含まれる非磁性粉末は、無機酸化物粉末およびカーボンブラックを含む。
一態様では、バックコート層に含まれる非磁性粉末は、非磁性粉末全量100.00質量部に対して1.00〜30.00質量部の範囲のカーボンブラックを含む。
一態様では、非磁性層に含まれる非磁性粉末は、カーボンブラックを含む。
一態様では、磁性層に含まれる潤滑剤、非磁性層に含まれる潤滑剤およびバックコート層に含まれる潤滑剤は、それぞれ、脂肪酸、脂肪酸エステルおよび脂肪酸アミドからなる群から選択される一種以上の潤滑剤を含む。
一態様では、磁性層に含まれる潤滑剤およびバックコート層に含まれる潤滑剤は、それぞれ、脂肪酸を少なくとも含む。
本発明によれば、優れた走行耐久性を有する磁気テープを提供することができる。
本発明の磁気テープは、非磁性層の表面上に、強磁性粉末、潤滑剤および結合剤を含む磁性層を有し、非磁性支持体の非磁性層および磁性層を有する面とは反対の表面上に、非磁性粉末、潤滑剤および結合剤を含むバックコート層を有し、磁性層表面の水に対する接触角は95°〜100°の範囲であり、かつ、バックコート層表面の水に対する接触角は95°〜100°の範囲である。
以下は、本発明を何ら限定するものではないが、上記磁気テープが優れた走行耐久性を示すことができる理由を、本発明者らは次のように考えている。
磁気テープの磁性層表面の潤滑剤は、通常、ヘッドとの摺動時にヘッドに付着することにより減少するが、磁性層内部や磁性層の下層に位置する非磁性層から磁性層表面へ潤滑剤が移行することにより減少分が補われることで摩擦係数の上昇を抑制することができる。また、磁気テープはドライブ内で一対のリールの一方から送り出し他方に巻き取ることを繰り返しながら走行し、巻き取られた状態では磁性層表面とバックコート層表面とが接触する。したがって、特許文献1に提案されているようにバックコート層に潤滑剤を含有させれば、この接触時にバックコート層表面から磁性層表面へ潤滑剤を移行させることができると考えられる。
しかるに上述のように、本発明者らによる検討によれば、単にバックコート層に潤滑剤を含有させるのみでは、繰り返し走行後にSNRが低下する現象が見られた。即ち、単にバックコート層に潤滑剤を含有させるのみでは、磁気テープの走行耐久性を高めることは困難であった。
そこで本発明者らは更に検討を重ねた結果、磁性層表面の水接触角、バックコート層表面の水接触角を、ともに95°〜100°の範囲とすることにより、バックコート層に潤滑剤を含み、かつ優れた走行耐久性を示すことができる磁気テープが得られることを新たに見出すに至った。各層の表面で測定される水接触角は、その表面に存在する潤滑剤量の指標と本発明者らは考えている。そして、磁性層表面の水接触角、バックコート層表面の水接触角が、ともに95°〜100°の範囲であることは、磁性層表面の潤滑剤存在量とバックコート層表面の潤滑剤存在量が大きく異ならないことを意味していると、本発明者らは推察している。このことが、バックコート層表面から磁性層表面への潤滑剤の移行を促進し、または移行を妨げることなく、磁性層表面に走行耐久性を確保するに足る量の潤滑剤を存在させることに寄与することが、上記磁気テープが優れた走行耐久性を示すことができる理由ではないかと、本発明者らは考えている。
これに対し、バックコート層表面に存在する潤滑剤が、磁性層表面に存在する潤滑剤に対して過少であると(即ちバックコート層の水接触角が、磁性層の水接触角より小さい値であると)、潤滑剤存在量が過少なバックコート層表面に対して磁性層表面から潤滑剤が供給されてしまうことにより磁性層表面の潤滑剤が不足してしまうか、または磁性層表面に対して相対的に潤滑剤量が少ないバックコート層表面から磁性層表面に潤滑剤が十分に供給されないことが、単にバックコート層に潤滑剤を添加するのみでは、走行耐久性を高めることが困難な理由であると、本発明者らは推察している。
ただし、以上は本発明者らによる推察であって、本発明を何ら限定するものではない。
以下、上記磁気テープについて、更に詳細に説明する。
<1.磁性層表面の水接触角、バックコート層表面の水接触角>
上記磁気テープにおいて、磁性層表面の水接触角は95°〜100°であり、バックコート層表面の水接触角は95°〜100°である。磁性層表面の水接触角、バックコート層表面の水接触角が、それぞれ上記範囲である磁気テープは、良好な走行耐久性を示すことができる。詳しくは、繰り返し走行後も良好なSNRを得ることができる。これは、繰り返し走行中にバックコート層表面から磁性層表面へ、走行耐久性を確保するに足る量の潤滑剤を移行させることができることによるものであると、本発明者らは考えている。これにより磁性層表面やヘッドが繰り返し走行中に削れてスペーシングロスを引き起こすことを抑制することができると、本発明者らは推察している。また、磁性層表面の水接触角、バックコート層表面の水接触角がともに100°以下であることは、磁性層表面からヘッドに付着した潤滑剤によるスペーシングロスに起因する出力低下を抑制することに寄与する、即ち、過剰量の潤滑剤がヘッド表面に付着することを抑制することに寄与すると、本発明者らは考えている。
磁性層表面やヘッドの削れをより効果的に抑制する観点からは、磁性層表面の水接触角、バックコート層表面の水接触角は、少なくとも一方が96°以上であることが好ましく、少なくとも一方が97°以上であることがより好ましく、両方が96°以上であることが更に好ましく、両方が97°以上であることが一層好ましい。
また、磁性層表面からヘッドに付着する潤滑剤によるスペーシングロスをより低減する観点からは、磁性層表面の水接触角、バックコート層表面の水接触角は、少なくとも一方が99°以下であることが好ましく、少なくとも一方が98°以下であることがより好ましく、両方が99°以下であることが更に好ましく、両方が98°以下であることが一層好ましい。
以上記載した磁性層表面の水接触角およびバックコート層表面の水接触角は、磁性層、非磁性層、バックコート層の各層に含有させる潤滑剤の種類、含有量、潤滑剤とともに各層に存在する成分の種類、含有量等によって制御することができる。一般に、例えば、磁性層、非磁性層およびバックコート層の潤滑剤含有量を増量することにより磁性層表面の水接触角を高めることができ、減量することにより低下させることができる。例えば、バックコート層の潤滑剤含有量を増量することによりバックコート層表面の水接触角を高めることができ、減量することにより低下させることができる。また、例えば、磁性層、非磁性層、バックコート層において潤滑剤と相互作用しやすい成分の含有量を減量することにより、またはそのような成分を含有させないことにより、磁性層表面の水接触角を高めることができ、そのような成分の含有量を増量することにより、磁性層表面の水接触角を低下させることができる。例えば、バックコート層において潤滑剤と相互作用しやすい成分の含有量を減量することにより、またはそのような成分を含有させないことにより、バックコート層表面の水接触角を高めることができ、そのような成分の含有量を増量することにより、バックコート層表面の水接触角を低下させることができる。したがって、例えば上記手段の1つまたは2つ以上を任意に組み合わせることにより、磁性層表面の水接触角およびバックコート層表面の水接触角を、それぞれ上記範囲に制御することができる。より詳しくは、後述する。なお、磁性層表面の水接触角およびバックコート層表面の水接触角は、ともに95°〜100°の範囲であれば、どちらが大きくても小さくてもよい。
以下、磁性層、非磁性層、バックコート層の各層について、更に説明する。
<2.磁性層>
(2−1.潤滑剤)
磁性層に含まれる潤滑剤としては、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等の磁気テープに通常使用される各種潤滑剤を挙げることができる。
例えば、脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ベヘン酸、エルカ酸、エライジン酸等を挙げることができ、ステアリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸が好ましく、ステアリン酸がより好ましい。なお脂肪酸は、金属塩等の塩の形態で磁性層に含まれていてもよい。
脂肪酸エステルとしては、上記各種脂肪酸のエステル、例えば、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸ブチル、ステアリン酸ブチル、ネオペンチルグリコールジオレエート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、オレイン酸オレイル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸イソトリデシル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸ブトキシエチル等を挙げることができる。
脂肪酸アミドとしては、各種脂肪酸のアミド、例えば、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド等を挙げることができる。
磁性層は、少なくとも、磁性層内部から磁性層表面へ移行し易い傾向がある脂肪酸を含有することが好ましく、脂肪酸と一種以上の脂肪酸の誘導体とを含むことがより好ましく、脂肪酸エステルおよび脂肪酸アミドからなる群から選択される一種以上と脂肪酸とを含むことが更に好ましく、脂肪酸、脂肪酸エステルおよび脂肪酸アミドを含むことが一層好ましい。
脂肪酸と脂肪酸の誘導体(エステル、アミド等)とを併用する場合、脂肪酸誘導体の脂肪酸由来部位は、併用される脂肪酸と同様または類似の構造を有することが好ましい。例えば、一例として、脂肪酸としてステアリン酸を用いる場合には、ステアリン酸エステルやステアリン酸アミドを使用することは好ましい。
また、潤滑剤としては、特開2009−96798号公報段落0111に記載されているものを用いることもできる。
磁性層の潤滑剤含有量は、強磁性粉末100.00質量部あたり、例えば2.00〜20.00質量部であり、好ましくは4.00〜15.00質量部、より好ましくは6.00〜10.00質量部である。なお潤滑剤として二種以上の異なる潤滑剤を使用する場合、含有量とは、それらの合計含有量をいうものとする。この点は、本明細書において、特記しない限り、他の成分の含有量についても同様とする。
(2−2.結合剤)
本発明の磁気テープは塗布型の磁気テープであり、磁性層、ならびに後述する非磁性層およびバックコート層は結合剤を含む。磁性層に含まれる結合剤としては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレートなどを共重合したアクリル系樹脂、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアルキラール樹脂などから単独または複数の樹脂を混合して用いることができる。これらの中で好ましいものはポリウレタン樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂である。これらの樹脂は、後述する非磁性層、バックコート層においても結合剤として使用することができる。以上の結合剤については、特開2010−24113号公報段落0028〜0031を参照できる。また、結合剤については、特開2014−080563号公報段落0014〜0027および同公報の実施例の記載、特開2013−065381号公報0012〜0016、0040〜0136および同公報実施例の記載も参照できる。結合剤含有量は、強磁性粉末100.0質量部に対して、例えば5.00〜50.00質量部の範囲、好ましくは10.00〜30.00質量部の範囲とすることができる。
また、上記樹脂とともに硬化剤を使用することも可能である。硬化剤としては、ポリイソシアネートが好適である。ポリイソシアネートの詳細については、特開2011−216149号公報段落0124〜0125を参照できる。硬化剤は、磁性層形成用組成物(塗布液)中に、結合剤100.00質量部に対して例えば0.00〜80.00質量部、塗膜強度向上の観点からは好ましくは50.00〜80.00質量部の量で添加し使用することができる。
(2−3.強磁性粉末)
次に、潤滑剤および結合剤とともに磁性層に含まれる強磁性粉末について説明する。
強磁性粉末としては、高密度記録化の観点からは、平均粒子サイズが50nm以下の強磁性粉末が好ましい。また、磁化の安定性の観点からは、強磁性粉末の平均粒子サイズは10nm以上であることが好ましい。
上記強磁性粉末の平均粒子サイズは、透過型電子顕微鏡を用いて、以下の方法により測定する値とする。
強磁性粉末を、透過型電子顕微鏡を用いて撮影倍率100000倍で撮影し、総倍率500000倍になるように印画紙にプリントして強磁性粉末を構成する粒子の写真を得る。得られた粒子の写真から目的の粒子を選びデジタイザーで粒子の輪郭をトレースし粒子(一次粒子)のサイズを測定する。一次粒子とは、凝集のない独立した粒子をいう。
以上の測定を、無作為に抽出した500個の粒子について行う。こうして得られた500個の粒子の粒子サイズの算術平均を、強磁性粉末の平均粒子サイズとする。上記透過型電子顕微鏡としては、例えば日立製透過型電子顕微鏡H−9000型を用いることができる。また、粒子サイズの測定は、公知の画像解析ソフト、例えばカールツァイス製画像解析ソフトKS−400を用いて行うことができる。
本発明において粉末についての平均粒子サイズとは、上記方法により求められる平均粒子サイズをいうものとする。後述の実施例に示す平均粒子サイズは、透過型電子顕微鏡として日立製透過型電子顕微鏡H−9000型、画像解析ソフトとしてカールツァイス製画像解析ソフトKS−400を用いて行った。
なお、粒子サイズ測定のために磁性層から強磁性粉末等の試料粉末を採取する方法としては、例えば特開2011−048878号公報の段落0015に記載の方法を採用することができる。
本発明において、強磁性粉末等の粉末を構成する粒子のサイズ(以下、「粒子サイズ」と言う)は、上記の粒子写真において観察される粒子の形状が、
(1)針状、紡錘状、柱状(ただし、高さが底面の最大長径より大きい)等の場合は、粒子を構成する長軸の長さ、即ち長軸長で表され、
(2)板状または柱状(ただし、厚さまたは高さが板面または底面の最大長径より小さい)場合は、その板面または底面の最大長径で表され、
(3)球形、多面体状、不特定形等であって、かつ形状から粒子を構成する長軸を特定できない場合は、円相当径で表される。円相当径とは、円投影法で求められるものを言う。
また、粉末の平均針状比は、上記測定において粒子の短軸の長さ、即ち短軸長を測定し、各粒子の(長軸長/短軸長)の値を求め、上記500個の粒子について得た値の算術平均を指す。ここで、短軸長とは、上記粒子サイズの定義で(1)の場合は、粒子を構成する短軸の長さを、同じく(2)の場合は、厚さまたは高さを各々指し、(3)の場合は、長軸と短軸の区別がないから、(長軸長/短軸長)は、便宜上1とみなす。
そして、粒子の形状が特定の場合、例えば、上記粒子サイズの定義(1)の場合、平均粒子サイズは平均長軸長であり、同定義(2)の場合、平均粒子サイズは平均板径であり、平均板状比とは、(最大長径/厚さまたは高さ)の算術平均である。同定義(3)の場合、平均粒子サイズは、平均直径(平均粒径、平均粒子径ともいう)である。
上記強磁性粉末の好ましい具体例としては、六方晶フェライト粉末を挙げることができる。六方晶フェライト粉末の平均粒子サイズ(平均板径)は、高密度記録化と磁化の安定性の観点から、10nm以上50nm以下であることが好ましく、20nm以上50nm以下であることがより好ましい。六方晶フェライト粉末の詳細については、例えば特開2011−216149号公報の段落0134〜0136を参照できる。
上記強磁性粉末の好ましい具体例としては、強磁性金属粉末を挙げることもできる。強磁性金属粉末の平均粒子サイズ(平均長軸長)は、高密度記録化と磁化の安定性の観点から、10nm以上50nm以下であることが好ましく、20nm以上50nm以下であることがより好ましい。強磁性金属粉末の詳細については、例えば特開2011−216149号公報の段落0137〜0141を参照できる。
磁性層における強磁性粉末の含有量(充填率)は、好ましくは50〜90質量%の範囲であり、より好ましくは60〜90質量%の範囲である。上記充填率が高いことは、記録密度向上の観点から好ましい。
(2−4.添加剤)
磁性層には、強磁性粉末、潤滑剤および結合剤が含まれ、必要に応じて一種以上の添加剤が含まれていてもよい。添加剤としては、研磨剤、分散剤・分散助剤、防黴剤、帯電防止剤、酸化防止剤、カーボンブラックなどを挙げることができる。添加剤は、所望の性質に応じて市販品を適宜選択して使用することができる。
以下、添加剤の一態様を説明するが、本発明は下記態様に限定されるものではない。
(2−4−1.非磁性フィラー)
磁性層には、一種または二種以上の非磁性フィラーが含まれることが好ましい。非磁性フィラーとしては、研磨剤として機能することができる非磁性フィラー、磁性層表面に適度に突出する突起を形成する突起形成剤として機能する非磁性フィラーが挙げられる。突起形成剤は、磁性層表面の摩擦特性制御に寄与し得る成分である。上記磁気テープの磁性層には、これらの少なくとも一方が含まれることが好ましく、両方が含まれることが好ましい。
研磨剤および突起形成剤を含む磁性層では、好ましくは、研磨剤は、突起形成剤と比べ、平均粒子サイズは小さく、モース硬度は高い。突起形成剤を非磁性フィラー1、研磨剤を非磁性フィラー2とすると、非磁性フィラー1の平均粒子サイズφ1(単位:nm)、非磁性フィラー2の平均粒子サイズφ2(単位:nm)は、走行耐久性の更なる向上の観点からは、下記式1の関係を満たすことが好ましい。また上記の通り、非磁性フィラー2のモース硬度は、非磁性フィラー1のモース硬度より高いことが好ましい。
20nm<φ1−φ2<50nm …式1
差分(φ1−φ2)が50nm以下であることは、ヘッド削れによるスペーシングロスの発生をより効果的に抑制する観点から好ましい。この点から、差分(φ1−φ2)は、より好ましくは40nm以下であり、更に好ましくは35nm以下である。また、差分(φ1−φ2)が20nm以上であることは、摩擦係数をより効果的に低減する観点から好ましい。この点から、差分(φ1−φ2)は、25nm以上であることがより好ましい。
研磨剤は、一般に、ヘッド付着物除去能(研磨性)を発揮することにより走行耐久性を維持することに寄与する成分である。非磁性フィラー2(研磨剤)としては、研磨剤としてヘッド付着物除去能を良好に発揮することができるという観点から、モース硬度が7以上の非磁性フィラーが好ましい。モース硬度とは、物質の硬さの指標として広く知られた指標である。モース硬度によれば、10段階で物質の硬さが規定される。モース硬度は、ダイヤモンドのモース硬度10が最大値である。非磁性フィラー2のモース硬度は、好ましくは8以上である。また、非磁性フィラー2のモース硬度は、9以下えあることが好ましい。非磁性フィラー2としては、磁性層の研磨剤として通常使用される物質であるアルミナ(Al)、炭化ケイ素、ボロンカーバイド(BC)、SiO、TiC、酸化クロム(Cr)、酸化セリウム、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化鉄、ダイヤモンドの各粉末を挙げることができ、中でもアルミナ粉末および炭化ケイ素粉末が好ましい。非磁性フィラー2の形状は、針状、球状、サイコロ状等のいずれの形状でもよいが、形状の一部に角を有するものが研磨性が高く好ましい。
なお、研磨剤を含む磁性層に使用され得る添加剤の一例としては、特開2013−131285号公報段落0012〜0022に記載の分散剤を、研磨剤の分散性を向上するための分散剤として挙げることができる。
非磁性フィラー1としては、一般に突起形成剤として使用される非磁性フィラーを用いることができる。これらは、無機物質であっても有機物質であってもよい。一態様では、摩擦特性の均一化の観点からは、非磁性フィラーの粒度分布は、分布中に複数のピークを有する多分散ではなく、単一ピークを示す単分散であることが好ましい。単分散粒子の入手容易性の点からは、非磁性フィラーは無機物質の粉末であることが好ましい。無機物質の粉末としては、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物の各粉末を挙げることができ、無機酸化物の粉末であることが好ましい。非磁性フィラー1は、より好ましくはコロイド粒子であり、より好ましくは無機酸化物コロイド粒子である。また、単分散粒子の入手容易性の観点からは、無機酸化物は二酸化ケイ素(シリカ)であることが好ましく、コロイダルシリカ(シリカコロイド粒子)であることがより好ましい。なおコロイド粒子については、平均粒子サイズは、特開2011−048878号公報段落0015に平均粒径の測定方法として記載されている方法により求められる値とする。また、他の一態様では、非磁性フィラー1は、カーボンブラックであることも好ましい。
非磁性フィラー1(突起形成剤)の平均粒子サイズφ1は、例えば30〜300nmであり、好ましくは50〜200nmである。また、非磁性フィラー2(研磨剤)の平均粒子サイズφ2は、例えば30〜300nmであり、好ましくは50〜200nmである。また、平均粒子サイズφ1、φ2の差分(φ1−φ2)については、先に記載した通りである。
また、突起形成剤、研磨剤が、各機能をより良好に発揮することができるという観点から、磁性層における非磁性フィラー1(突起形成剤)の含有量は、好ましくは強磁性粉末100.00質量部に対して、1.00〜4.00質量部であり、より好ましくは1.50〜3.50質量部である。一方、非磁性フィラー2(研磨剤)については、磁性層における含有量は、好ましくは強磁性粉末100.00質量部に対して1.00〜20.00質量部であり、より好ましくは3.00〜15.00質量部であり、更に好ましくは4.00〜10.00質量部である。
(2−4−2.分散剤)
一般に、磁性層の表面平滑性が高まるほど、高密度記録化には有利である。磁性層の表面平滑性を高めるための手段の1つとしては、強磁性粉末の分散性の向上に寄与する成分(分散剤)の使用が挙げられる。上記磁気テープも、一種または二種以上の分散剤を磁性層に含んでもよく、含むことが好ましい。分散剤としては、公知の分散剤を何ら制限なく用いることができる。
好ましい分散剤の一例としては、ポリアルキレンイミン系ポリマーについて説明するが、本発明は、下記ポリアルキレンイミン系ポリマーを磁性層に含むものに限定されるものではない。
(2−4−3.ポリアルキレンイミン系ポリマー)
(2−4−3−a.ポリアルキレンイミン鎖)
ポリアルキレンイミン系ポリマーとは、ポリアルキレンイミン鎖を1つ以上含むポリマーである。なお本発明において、ポリマーとは、同一または異なる複数の繰り返し単位により構成される多量体であって、ホモポリマーとコポリマーとを包含する意味で用いるものとする。また、ポリアルキレンイミン鎖とは、同一または異なるアルキレンイミン鎖の2つ以上を含む重合構造である。含まれるアルキレンイミン鎖としては、下記の式Aで表されるアルキレンイミン鎖、および式Bで表されるアルキレンイミン鎖を挙げることができる。下記式で表されるアルキレンイミン鎖の中で、式Aで表されるアルキレンイミン鎖は、他のポリマー鎖との結合位置を含み得るものである。また、式Bで表されるアルキレンイミン鎖は、他のポリマー鎖と塩架橋基(詳細は後述する。)により結合することができる。また、ポリアルキレンイミン鎖は、直鎖構造のみからなるものであっても、分岐した三級アミン構造を有するものであってもよい。分岐構造を含むものとしては、下記式A中の*において隣接するアルキレンイミン鎖と結合するもの、下記式B中の*において隣接するアルキレンイミン鎖と結合するものを挙げることができる。
式A中、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表し、a1は2以上の整数を表し、*は隣接する他のポリマー鎖(例えば隣接するアルキレンイミン鎖や後述するポリエステル鎖)、または水素原子もしくは置換基との結合位置を表す。
式B中、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表し、a2は2以上の整数を表す。式Bで表されるアルキレンイミン鎖は、アニオン性基を有する他のポリマー鎖と、式B中のNと他のポリマー鎖に含まれるアニオン性基が塩架橋基を形成することにより結合する。
式A、B中の*、および式B中の*は、それぞれ独立に、隣接するアルキレンイミン鎖、または水素原子もしくは置換基と結合する位置を表す。
以下、上記式A、式Bについて、更に詳細に説明する。なお、本発明において、特記しない限り、記載されている基は置換基を有してもよく無置換であってもよい。ある基が置換基を有する場合、置換基としては、アルキル基(例えば炭素数1〜6のアルキル基)、ヒドロキシル基、アルコキシ基(例えば炭素数1〜6のアルコキシ基)、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子)、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、アシル基、カルボキシル基等を挙げることができる。また、置換基を有する基について「炭素数」とは、置換基を含まない部分の炭素数を意味するものとする。
式A中のRおよびR、ならびに式B中のRおよびRは、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。アルキル基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基を挙げることができ、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基であり、より好ましくはメチル基またはエチル基であり、更に好ましくはメチル基である。式A中のRおよびRの組み合わせとしては、一方が水素原子であって他方がアルキル基である態様、両方が水素原子である態様、両方がアルキル基(同一または異なるアルキル基)である態様があり、好ましくは両方が水素原子である態様である。以上の点は、式B中のRおよびRについても、同様である。
アルキレンイミンとして環を構成する炭素数が最小の構造はエチレンイミンであり、エチレンイミンの開環により得られたアルキレンイミン鎖(エチレンイミン鎖)の主鎖の炭素数は2である。したがって、式A中のa1および式B中のa2の下限は2である。即ち、式A中のa1および式B中のa2は、それぞれ独立に、2以上の整数である。強磁性粉末の粒子表面への吸着性の観点からは、式A中のa1および式B中のa2は、それぞれ独立に、10以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましく、4以下であることが更に好ましく、2または3であることがいっそう好ましく、2であることがよりいっそう好ましい。
式Aで表されるアルキレンイミン鎖、式Bで表されるアルキレンイミン鎖と他のポリマー鎖との結合の詳細については、後述する。
上記の各アルキレンイミン鎖は、各式中の*で表される位置において、隣接するアルキレンイミン鎖、または水素原子もしくは置換基と結合する。置換基としては、例えばアルキル基(例えば炭素数1〜6のアルキル基)等の一価の置換基を例示することができるが、これらに限定されるものではない。また、置換基として、他のポリマー鎖(例えば後述のポリエステル鎖)が結合してもよい。
ポリアルキレンイミン系ポリマーに関し、本発明者らは、ポリアルキレンイミン鎖が、ポリアルキレンイミン系ポリマーが強磁性粉末の粒子表面に吸着するための吸着部として機能し得ると考えている。強磁性粉末の粒子表面への吸着性の観点からは、ポリアルキレンイミン鎖の数平均分子量は、300以上であることが好ましく、500以上であることがより好ましい。また同様の観点から、3,000以下であることが好ましく、2,000以下であることがより好ましい。
本発明において、ポリアルキレンイミン系ポリマーに含まれるポリアルキレンイミン鎖の数平均分子量とは、ポリアルキレンイミン系ポリマーを加水分解して得られたポリアルキレンイミンについて、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算で求められる値をいう。こうして求められる値は、ポリアルキレンイミン系ポリマーを合成するために用いたポリアルキレンイミンについて、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算で求められる値と同様である。したがって、ポリアルキレンイミン系ポリマーを合成するために用いたポリアルキレンイミンについて求めた数平均分子量を、ポリアルキレンイミン系ポリマーに含まれるポリアルキレンイミン鎖の数平均分子量として採用することができる。ポリアルキレンイミン鎖の数平均分子量の測定条件については、後述の実施例を参照できる。なおポリアルキレンイミンとは、アルキレンイミンの開環重合により得ることができるポリマーである。
また、ポリアルキレンイミン系ポリマーの加水分解は、エステルの加水分解法として通常用いられている各種方法により行うことができる。そのような方法の詳細については、例えば、「実験化学講座14 有機化合物の合成II−アルコール・アミン(第5版)」(日本化学会編、丸善出版、2005年8月発行)95〜98頁に記載の加水分解法に関する記載、「実験化学講座16 有機化合物の合成IV−カルボン酸・アミノ酸・ペプチド(第5版)」(日本化学会編、丸善出版、2005年3月発行)10〜15頁に記載の加水分解法に関する記載等を参照できる。
得られた加水分解物から、液体クロマトグラフィー等の公知の分離手段によりポリアルキレンイミンを分離し、数平均分子量を求めることができる。
強磁性粉末の分散性向上の観点から、ポリアルキレンイミン系ポリマーにおいてポリアルキレンイミン鎖の占める割合(以下、「ポリアルキレンイミン鎖比率」とも記載する。)は、5.0質量%未満であることが好ましく、4.9質量%以下であることがより好ましく、4.8質量%以下であることが更に好ましく、4.5質量%以下であることが一層好ましく、4.0質量%以下であることがより一層好ましく、3.0質量%以下であることが更に一層好ましい。また、同様の観点から、ポリアルキレンイミン鎖比率は、0.2質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましく、0.5質量%以上であることが更に好ましい。
以上記載したポリアルキレンイミン鎖の占める割合は、例えば、合成時に用いるポリアルキレンイミンとポリエステルとの混合比によって制御することができる。
ポリアルキレンイミン系ポリマーにおいてポリアルキレンイミン鎖の占める割合は、核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance;NMR)、より詳しくは、H−NMRおよび13C−NMR、ならびに公知の手法による元素分析による分析結果から、算出することができる。こうして算出される値は、ポリアルキレンイミン系ポリマーの合成原料の配合比から求められる理論値と同様であるため、配合比から求められる理論値を、ポリアルキレンイミン系ポリマーにおけるポリアルキレンイミン鎖の占める割合(ポリアルキレンイミン鎖比率)として採用することができる。
(2−4−3−b.ポリエステル鎖)
ポリアルキレンイミン系ポリマーは、以上説明したポリアルキレンイミン鎖とともに、他のポリマー鎖を含むことが好ましい。他のポリマー鎖が磁性層を形成するための組成物中で立体反発鎖として強磁性粉末の粒子同士の凝集を抑える作用を果たすことができると考えられる。この点から、好ましいポリマー鎖は、ポリエステル鎖である。ポリエステル鎖は、一態様では、式Aで表されるアルキレンイミン鎖と、式A中の*において、式Aに含まれる窒素原子Nとカルボニル結合−(C=O)−により結合し、−N−(C=O)−を形成することができる。また、他の一態様では、式Bで表されるアルキレンイミン鎖とポリエステル鎖とが、式B中の窒素カチオンNとポリエステル鎖が有するアニオン性基により塩架橋基を形成することができる。塩架橋基としては、ポリエステル鎖に含まれる酸素アニオンOと式B中のNとにより形成されるものを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
式Aで表されるアルキレンイミン鎖と、式Aに含まれる窒素原子Nとカルボニル結合−(C=O)−により結合するポリエステル鎖としては、下記式1で表されるポリエステル鎖を挙げることができる。下記式1で表されるポリエステル鎖は、*で表される結合位置において、アルキレンイミン鎖に含まれる窒素原子とポリエステル鎖に含まれるカルボニル基−(C=O)−とが−N−(C=O)−を形成することにより、式Aで表されるアルキレンイミン鎖と結合することができる。
また、式Bで表されるアルキレンイミン鎖と、式B中のNとポリエステル鎖に含まれるアニオン性基が塩架橋基を形成することにより結合するポリエステル鎖としては、下記式2で表されるポリエステル鎖を挙げることができる。下記式2で表されるポリエステル基は、酸素アニオンOにより、式B中のNと塩架橋基を形成することができる。
式1中のL、式2中のLは、それぞれ独立に二価の連結基を表す。二価の連結基としては、好ましくは炭素数3〜30のアルキレン基を挙げることができる。なおアルキレン基の炭素数は、アルキレン基が置換基を有する場合には、先に記載したように、置換基を除く部分(主鎖部分)の炭素数をいうものとする。
式1中のb11、式2中のb21は、それぞれ独立に2以上の整数を表し、例えば200以下の整数である。後述の実施例に示すラクトン繰り返し単位数は、式1中のb11または式2中のb21に相当する。
式1中のb12、式2中のb22は、それぞれ独立に0または1を表す。
式1中のX、式2中のXは、それぞれ独立に、水素原子または一価の置換基を表す。一価の置換基としては、アルキル基、ハロアルキル基(例えばフルオロアルキル基等)、アルコキシ基、ポリアルキレンオキシアルキル基およびアリール基からなる群から選択される一価の置換基を挙げることができる。
アルキル基は置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。置換基を有するアルキル基としては、ヒドロキシル基が置換したアルキル基(ヒドロキシアルキル基)、ハロゲン原子が1つ以上置換したアルキル基が好ましい。また、炭素原子と結合する全水素原子がハロゲン原子に置換したアルキル基(ハロアルキル基)も好ましい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等を挙げることができる。アルキル基としては、より好ましくは炭素数1〜30、更に好ましくは炭素数1〜10のアルキル基である。アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状および環状のいずれであってもよい。ハロアルキル基についても、同様である。
置換または無置換のアルキル基、ハロアルキル基の具体例としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基、へキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、2−エチルヘキシル基、tert−オクチル基、2−ヘキシルデシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシルメチル基、オクチルシクロヘキシル基、2−ノルボルニル基、2,2、4−トリメチルペンチル基、アセチルメチル基、アセチルエチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシヘプチル基、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシノニル基、ヒドロキシデシル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロプロピル基、ペンタデカフルオロヘプチル基、ノナデカフルオロノニル基、ヒドロキシウンデシル基、ヒドロキシドデシル基、ヒドロキシペンタデシル基、ヒドロキシヘプタデシル基、ヒドロキシオクタデシル基が挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ヘキシルオキシ基、メトキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシメチル基等を挙げることができる。
ポリアルキレンオキシアルキル基とは、R10(OR11)n(O)m−で表される一価の置換基である。R10はアルキル基を表し、R11はアルキレン基を表し、nは2以上の整数を表し、mは0または1を表す。
10で表されるアルキル基については、X、Xで表されるアルキル基について記載した通りである。R11で表されるアルキレン基の詳細については、X、Xで表されるアルキル基に関する上記の記載を、これらアルキレン基から水素原子を1つ取り去ったアルキレン基に読み替えて(例えば、メチル基はメチレン基に読み替えて)適用することができる。nは2以上の整数であり、例えば10以下、好ましくは5以下の整数である。
アリール基は置換基を有していても縮環していてもよく、より好ましくは炭素数6〜 24のアリール基であり、例えばフェニル基、4−メチルフェニル基、4−フェニル安息香酸、3−シアノフェニル基、2−クロロフェニル基、2−ナフチル基等を挙げることができる。
以上記載した式1、式2で表されるポリエステル鎖は、公知のポリエステル合成法により得られたポリエステル由来の構造であることができる。ポリエステル合成法としては、例えば、ラクトンの開環重合を挙げることができる。ラクトンとしては、例えば、ε−カプロラクトン、δ−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、エナントラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ヘキサノラクトン、γ−オクタノラクトン、δ−ヘキサラノラクトン、δ−オクタノラクトン、δ−ドデカノラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、ラクチド等を挙げることができる。なおラクチドは、L体であってもD体であってもよい。ポリエステル合成において、ラクトンは一種のみ用いてもよく、異なる構造の二種以上を用いてもよい。ラクトンとしては、ε−カプロラクトン、ラクチドまたはδ−バレロラクトンが、反応性・入手性の観点から好ましい。ただし、これらに限定されるものではなく、開環重合によりポリエステルを得ることができるものであれば、いずれのラクトンであってもよい。
ラクトンの開環重合のための求核試薬としては、カルボン酸、アルコール等を用いることができ、カルボン酸が好ましい。カルボン酸は一種用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
カルボン酸は、R12(C=O)OHで表すことができ、R12(C=O)−部が、式1で表されるポリエステル鎖において、X−(C=O)−部として存在し得る。式2で表されるポリエステル鎖におけるX−(C=O)−部についても同様である。
12は、非環状構造(直鎖構造または分岐構造)であってもよく、環状構造であってもよい。R12の詳細は、先に式1中のX、式2中のXについて記載した通りである。
カルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、n−ヘキサン酸、n−オクタン酸、n−デカン酸、n−ドデカン酸、パルミチン酸、2−エチルヘキサン酸、シクロヘキサン酸、ステアリン酸、グリコール酸、乳酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、4−ヒドロキシドデカン酸、5−ヒドロキシドデカン酸、シクロヘキシル酢酸、アダマンタンカルボン酸、アダマンタン酢酸、リシノール酸、12−ヒドロキシドデカン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、2,2−ビス(ヒロドキシメチル)酪酸、[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)]酢酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、ブロモ酢酸、ノナフルオロ吉草酸、ヘプタデカフルオロノナン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、アセチル酢酸、4−オキソバレリン酸、安息香酸、4−フェニル安息香酸、2−ナフトエ酸等が挙げられる。中でも、1分子中の総炭素数(置換基を有するものは置換基の炭素数も含む)が、1〜20のカルボン酸が好ましい。より好ましくは、R12がポリアルキレンオキシアルキル基であるカルボン酸(ポリアルキレンオキシアルキルカルボン酸)、R12がハロアルキル基であるカルボン酸(ハロアルキルカルボン酸)、炭素数6〜20の直鎖脂肪族カルボン酸、炭素数1〜20のヒドロキシル基含有カルボン酸である。
ただし、上記ポリエステル鎖は、ラクトンの開環重合により得られたポリエステル由来の構造に限定されるものではなく、公知のポリエステル合成法、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合、ヒドロキシカルボン酸の重縮合、等により得られたポリエステル由来の構造であることもできる。
強磁性粉末の分散性向上の観点からは、ポリエステル鎖の数平均分子量は、200以上であることが好ましく、400以上であることがより好ましく、500以上であることが更に好ましい。また、同様の観点から、ポリエステル鎖の数平均分子量は、100,000以下であることが好ましく、50,000以下であることがより好ましい。ポリエステル鎖の数平均分子量とは、ポリアルキレンイミン系ポリマーを加水分解して得られたポリエステルについて、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算で求められる値をいう。こうして求められる値は、ポリアルキレンイミン系ポリマーを合成するために用いたポリエステルについて、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算で求められる値と同様である。したがって、ポリアルキレンイミン系ポリマーを合成するために用いたポリエステルについて求めた数平均分子量を、ポリアルキレンイミン系ポリマーに含まれるポリエステル鎖の数平均分子量として採用することができる。ポリエステル鎖の数平均分子量の測定条件については、後述の実施例におけるポリエステルの数平均分子量の測定条件を参照できる。
(2−4−3−c.ポリアルキレンイミン系ポリマーの重量平均分子量)
ポリアルキレンイミン系ポリマーの分子量は、重量平均分子量として、例えば1,000以上であり、また例えば80,000以下である。また、ポリアルキレンイミン系ポリマーの重量平均分子量は、1,500以上であることが好ましく、2,000以上であることがより好ましく、3,000以上であることが更に好ましい。また、一態様では、ポリアルキレンイミン系ポリマーの重量平均分子量は、60,000以下であることが好ましく、40,000以下であることがより好ましく、35,000以下であることが更に好ましく、34,000以下であることが一層好ましい。
本発明において、ポリアルキレンイミン系ポリマーの重量平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算で求められる値をいう。測定条件については、後述の実施例を参照できる。
(2−4−3−d.合成方法)
ポリアルキレンイミン系ポリマーの合成方法は、特に限定されるものではない。合成方法の好ましい一態様としては、ポリアルキレンイミン(以下、「成分A−1」と記載する。)とポリエステル(以下、「成分A−2」と記載する。)とを反応させる方法を挙げることができる。
成分A−1は、先にポリアルキレンイミン鎖について記載した数平均分子量を有することが好ましい。成分A−1の数平均分子量について、測定方法および好ましい範囲等の詳細については、先にポリアルキレンイミン鎖について記載した通りである。
ポリアルキレンイミンとは、先に記載した通り、アルキレンイミンの開環重合により得ることができる重合体である。ポリアルキレンイミンの構造の詳細については、先にポリアルキレンイミン鎖について記載した通りである。
開環重合によりポリアルキレンイミンをもたらすアルキレンイミンとしては、同一二種以上の異なるアルキレンイミンを用いることができる。上記アルキレンイミンの炭素数の詳細については、先に式A、B、C中のa1、a2、a3について記載した通りである。好ましくは炭素数が2〜4のアルキレンイミン、より好ましくは炭素数2または3のアルキレンイミン、更に好ましくは炭素数2のアルキレンイミン、即ちエチレンイミンを用いることができる。なおアルキレンイミンについての炭素数とは、環を構成する炭素数を言うものとする。
成分A−1として使用可能なポリアルキレンイミンは、公知の方法により合成可能であり、また市販品として入手することもできる。
成分A−2はポリエステルであり、成分A−2によってポリアルキレンイミン系ポリマーにポリエステル鎖をもたらすことができる。成分A−2の数平均分子量について、測定方法および好ましい範囲等の詳細については、先にポリエステル鎖について記載した通りである。
成分A−2は、ポリアルキレンイミンと反応し得る官能基を1つ以上有することにより、ポリアルキレンイミンと反応することができる。こうして形成されるポリアルキレンイミン系ポリマーにおいて、先に記載したように、ポリエステル鎖は、好ましくは、−N−(C=O)−または塩架橋基によって、ポリアルキレンイミン鎖を構成するアルキレンイミン鎖と結合することができる。そのような結合をもたらすために好ましくは、ポリエステルは、上記官能基として、一価の酸性基を有することができる。ここで酸性基とは、水中または水を含む溶媒(水性溶媒)中でHを放出しアニオンに解離可能な基をいう。そのような基は、ポリアルキレンイミン鎖と結合を形成し、または塩架橋基を形成することができる。具体例としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、それらの塩の形態等を挙げることができ、好ましくはカルボキシル基およびカルボキシル塩基である。ここでカルボキシル基(−COOH)の塩の形態とは、−COOMにおいてMがアルカリ金属イオン等のカチオンを表すカルボキシル塩基を意味する。他の酸性基の塩の形態についても、同様である。立体反発鎖として有効に機能し得るポリエステル鎖を導入する観点からは、成分A−2に含まれる上記官能基の数は、好ましくは1つである。また同様の観点から、成分A−2において、上記官能基は、好ましくは末端官能基として含まれる。
なお上記では酸性基を水中または水性溶媒に関して規定したが、ポリアルキレンイミン系ポリマーは、水系(ここで「系」とは、「含む」の意味で用いる。)溶媒中で用いられるものに限定されるものではなく、非水系溶媒中で好ましく使用され得る。また、後述する磁性層、非磁性層およびバックコート層の各層形成用組成物に含まれる溶媒も、水系溶媒に限定されるものではなく、非水系溶媒でもよく、好ましくは非水系溶媒である。
ポリエステルの構造の詳細については、先にポリエステル鎖について記載した通りである。以上説明したポリエステルは、公知の方法により合成可能であり、また市販品として入手することもできる。例えばカルボン酸等の求核試薬存在下でラクトンの開環重合を行う方法により、末端官能基としてカルボキシル基を有するポリエステルを得ることができる。ポリエステル合成の合成条件については、公知技術を何ら制限なく適用することができる。末端官能基としてカルボキシル基を有するポリエステルは、式Aで表されるアルキレンイミン鎖と−N−(C=O)−により結合することができる。または、式Bで表されるアルキレンイミン鎖と先に記載した塩架橋基によって結合することができる。カルボン酸の具体例等の詳細については、先に記載した通りである。
以上説明した成分A−1と成分A−2との反応は、溶液重合等の公知の重合方法により行うことができる。例えば成分A−1と成分A−2とを、任意に有機溶媒の存在下で撹拌混合することにより行うことができる。上記反応は、無溶媒でも進行し得る。例えば、成分A−1および成分A−2を含む反応溶液を、空気中または窒素雰囲気下で攪拌しながら加熱(加熱温度は、例えば50〜200℃)することにより、またはモノブチルすずオキシド等の有機すず化合物、トリメチルアンモニウムブロミド等のアンモニウム塩、ベンジルジメチルアミンなどの3級アミンや4級アンモニウム塩等の触媒を添加しながら加熱(加熱温度は、例えば40〜150℃)することにより、上記反応を行うことができる。有機溶媒の例としては、例えば、酢酸エチル、クロロホルム、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、アセトン、アセトニトリル、トルエン等が挙げられる。
(2−4−4−e.他のポリマー鎖)
ポリアルキレンイミン系ポリマーは、ポリマー鎖として、ポリエステル鎖以外のポリマー鎖を有するものであってもよく、ポリエステル鎖とともにポリエステル鎖以外のポリマー鎖を有するものであってもよい。そのようなポリマー鎖も、ポリエステル鎖の導入について上記した方法と同様の方法によって、ポリアルキレンイミン系ポリマーに導入することができる。
(2−4−4−f.ポリアルキレンイミン系ポリマーの含有量)
磁性層が、以上説明したポリアルキレンイミン系ポリマーを含む場合、強磁性粉末の分散性を高める観点から、磁性層におけるポリアルキレンイミン系ポリマーの含有量は、強磁性粉末100.00質量部に対して0.50質量部以上とすることが好ましく、1.00質量部以上とすることがより好ましい。他方、高密度記録の観点からは、強磁性粉末の充填率を高くするために他の成分の含有量は相対的に低くすることが好ましい。この点からは、磁性層におけるポリアルキレンイミン系ポリマーの含有量は、強磁性粉末100.00質量部に対して50.00質量部以下とすることが好ましく、40.00質量部以下とすることがより好ましい。なお上記ポリアルキレンイミン系ポリマーによれば、例えば平均粒子サイズが50nm以下の高密度記録に好適な粒子サイズの小さな強磁性粉末の分散性を高めることができる。
以上説明した磁性層は、非磁性支持体上に、非磁性層を介して設けられる。非磁性層、非磁性支持体の詳細については、後述する。
<3.非磁性層>
次に非磁性層について説明する。本発明の磁気テープは、非磁性支持体と磁性層との間に、非磁性粉末と結合剤を含む非磁性層を有する。非磁性層に使用できる非磁性粉末は、無機物質でも有機物質でもよい。また、カーボンブラック等も使用できる。無機物質としては、例えば金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物などが挙げられる。これらの非磁性粉末は、市販品として入手可能であり、公知の方法で製造することもできる。その詳細については、特開2011−216149号公報段落0146〜0150、特開2013−049832号公報段落001〜0020を参照できる。
非磁性層における非磁性粉末の含有量は、好ましくは50〜90質量%の範囲であり、より好ましくは60〜90質量%の範囲である。
非磁性層の結合剤、潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他は、磁性層のそれが適用できる。特に、結合剤量、種類、添加剤、分散剤の添加量、種類に関しては磁性層に関する公知技術が適用できる。また、非磁性層にはカーボンブラックや有機質粉末を添加することも可能である。それらについては、例えば特開2010−24113号公報段落0040〜0042を参照できる。
非磁性層も潤滑剤を含有することが好ましい。非磁性層は、磁性層へ潤滑剤を供給するタンクとしての機能を果たすことができるからである。非磁性層に添加可能な潤滑剤については、磁性層に関する前述の記載を参照できる。非磁性層の潤滑剤含有量は、非磁性粉末100.00質量部あたり、例えば0.50〜10.00質量部であり、好ましくは1.50〜6.00質量部、より好ましくは2.50〜4.00質量部である。なお、カーボンブラックは、非磁性層の非磁性粉末として使用され得る各種非磁性粉末と比べ潤滑剤を吸着し難い傾向がある。非磁性粉末が潤滑剤を吸着し難いことは、非磁性層から磁性層へ、更には磁性層表面へと移行する潤滑剤量を増やすことにつながる。したがって、磁性層表面の水接触角を制御するための一手段として、非磁性層の非磁性粉末の一部または全部として、カーボンブラックを使用することも好ましい。
また、非磁性層の添加剤の一例としては、非磁性粉末の分散性を向上するための分散剤として機能することができる添加剤を挙げることができる。そのような添加剤としては、例えば、有機三級アミンを挙げることができる。有機三級アミンは、非磁性粉末としてカーボンブラックを含む非磁性層に添加することが好ましい。添加することにより、カーボンブラックの分散性を向上することができる。有機三級アミンについては、特開2013−049832号公報段落0011〜0018、0021を参照できる。また、有機三級アミンによりカーボンブラックの分散性を高めるための組成物の処方等については、同公報段落0022〜0024、0027を参照できる。
<4.バックコート層>
本発明の磁気テープは、非磁性支持体の非磁性層および磁性層を有する表面とは反対の表面上にバックコート層を有する。バックコート層は、非磁性粉末、潤滑剤、結合剤を少なくとも含み、公知の添加剤を任意に含むことができる。バックコート層の非磁性粉末については、非磁性層の非磁性粉末に関する上記記載を参照できる。バックコート層の非磁性粉末としては、カーボンブラックとカーボンブラック以外の非磁性粉末を併用するか、またはカーボンブラックを用いることが好ましい。バックコート層形成のための結合剤、各種添加剤は、磁性層や非磁性層の処方を適用することができる。
なお先に記載した特許文献1の実施例には、結合剤としてニトロセルロースを含むバックコート層が開示されているが、ニトロセルロースは潤滑剤を溶解し易い傾向がある。そのため、バックコート層に含まれる結合剤に占めるニトロセルロースの割合を低くすることによりバックコート層表面の水接触角は高まり、その割合を高くすることによりバックコート層表面の水接触角は低くなる傾向がある。バックコート層表面の水接触角を前述の範囲に制御する観点からは、バックコート層におけるニトロセルロース含有量は、バックコート層に含まれる非磁性粉末100.00質量部に対して0.00〜1.00質量部とすることが好ましく、0.00〜0.50質量部とすることがより好ましく、バックコート層にニトロセルロースを含まないことが、より好ましい。なお、磁性層における強磁性粉末100.00質量部に対するニトロセルロース含有量、非磁性層における非磁性粉末100.00質量部に対するニトロセルロース含有量の好ましい範囲も同様である。
また、先に非磁性層の非磁性粉末に関して記載した通り、カーボンブラックは、各種非磁性粉末と比べ潤滑剤を吸着し難い傾向がある。バックコート層に含まれる非磁性粉末が潤滑剤を吸着し難いことは、バックコート層表面の水接触角を高めることにつながる。この逆に、バックコート層に含まれる非磁性粉末に占めるカーボンブラックの割合を低減することは、バックコート層表面の水接触角を低くすることにつながる。したがって、バックコート層表面の水接触角を制御するための一手段としては、バックコート層の非磁性粉末に占めるカーボンブラックの割合を調整することも好ましい。一態様では、バックコート層の非磁性粉末全量に占める100.00質量部に占めるカーボンブラックの割合は、1.00〜30.00質量部であることが好ましく、5.00〜30.00質量部であることがより好ましく、10.00〜30.00質量部であることが更に好ましい。
バックコート層に含まれる潤滑剤については、磁性層に関する前述の記載を参照できる。バックコート層表面の水接触角を高める手法の1つとしては、少なくとも、バックコート層内部からバックコート層表面に移行し易い潤滑剤である脂肪酸をバックコート層に含有させることを挙げることもできる。バックコート層は、脂肪酸と一種以上の脂肪酸の誘導体とを含むことがより好ましく、脂肪酸エステルおよび脂肪酸アミドからなる群から選択される一種以上と脂肪酸とを含むことが更に好ましく、脂肪酸、脂肪酸エステルおよび脂肪酸アミドを含むことが一層好ましい。バックコート層に含まれる潤滑剤量は、バックコート層に含まれる非磁性粉末100.00質量部に対し、例えば0.30〜15.00質量部であり、好ましくは1.00〜8.00質量部、より好ましくは2.00〜4.00質量部である。
<5.非磁性支持体>
次に、非磁性支持体について説明する。非磁性支持体としては、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド等の公知のものが挙げられる。これらの中でもポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドが好ましい。
これらの支持体はあらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理などを行ってもよい。
<6.各層および非磁性支持体の厚み>
非磁性支持体の厚みは、好ましくは3.00〜80.00μm、より好ましくは3.00〜50.00μm、特に好ましくは3.00〜10.00μmである。
磁性層の厚みは、用いる磁気ヘッドの飽和磁化量やヘッドギャップ長、記録信号の帯域により最適化されるものであるが、高密度記録化のためには0.01〜0.10μmであることが好ましく、0.02〜0.09μmであることがより好ましい。磁性層は少なくとも一層あればよく、磁性層を異なる磁気特性を有する2層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関する構成が適用できる。
非磁性層の厚みは、例えば0.05μm以上であり、好ましくは0.07μm以上であり、より好ましくは0.10μm以上である。一方、非磁性層の厚みは、0.50μm以下であることが好ましく、0.30μm以下であることがより好ましい。磁気テープでは、磁気テープカートリッジ1巻あたりの記録容量を高めるために磁気テープ総厚を薄くすることが好ましく、非磁性層の厚みが薄いことは総厚を薄くすることにつながるため、好ましい。磁性層へ潤滑剤を供給するタンクとしての機能を果たし得る非磁性層が薄くなると非磁性層から磁性層への潤滑剤の供給量は少なくなる傾向があるが、磁性層表面の水接触角、バックコート層表面の水接触角を、それぞれ上記範囲とすることにより、非磁性層を薄くした磁気テープにおいて、優れた走行耐久性を実現することができる。
なお、本発明における磁気テープの非磁性層には、非磁性粉末とともに、例えば不純物として、または意図的に、少量の強磁性粉末を含む実質的に非磁性な層も包含されるものとする。ここで実質的に非磁性な層とは、この層の残留磁束密度が10mT以下であるか、保磁力が7.96kA/m(100Oe)以下であるか、または、残留磁束密度が10mT以下であり、かつ保磁力が7.96kA/m(100Oe)以下である層をいうものとする。非磁性層は、残留磁束密度および抗磁力を持たないことが好ましい。
バックコート層の厚みは、0.90μm以下であることが好ましく、0.10〜0.70μmであることが更に好ましい。
なお磁気テープの各層および非磁性支持体の厚みは、公知の膜厚測定法により求めることができる。一例として、例えば、磁気テープの厚み方向の断面を、イオンビーム、ミクロトーム等の公知の手法により露出させた後、露出した断面において走査型電子顕微鏡による断面観察を行う。断面観察において厚み方向の1箇所において求められた厚み、または2箇所以上の複数箇所において求められた厚みの算術平均として、各種厚みを求めることができる。または、各層の厚みは、製造条件から算出される設計厚みとして求めてもよい。
<7.磁性層表面粗さ>
高密度記録化の観点から、本発明の磁気テープは、一態様では、磁性層表面において原子間力顕微鏡により測定される中心線平均表面粗さRaが、3.0nm以下であることが好ましい。より好ましくは2.7nm以下、更に好ましくは2.5nm以下である。また、例えば、磁性層表面において原子間力顕微鏡により測定される中心線平均表面粗さRaは、1.0nm以上であることが好ましい。ただし、磁性層表面粗さが低くなり磁性層表面が平滑になるほど、磁性層表面とヘッドとの摺動時の摩擦が増大し走行耐久性が低下する傾向がある。そのような場合にも、磁性層表面の水接触角、バックコート層表面の水接触角を、それぞれ上記範囲とすることにより、優れた走行耐久性を実現することができる。
原子間力顕微鏡により測定される中心線平均表面粗さRaは、磁性層表面の面積40μm×40μmの領域において測定される中心線平均表面粗さRaをいうものとする。原子間力顕微鏡としては、例えば一例として、DIGITALINSTRUMENT社製のNANO SCOPE(登録商標)IIIをコンタクトモードで用いることができる。
磁性層表面粗さは、磁性層、非磁性層における各種成分の分散性を高めることにより低減することができる。また、磁性層表面を表面処理することによっても低減することができる。例えば、先に記載した強磁性粉末、カーボンブラック、研磨剤の分散性を高めるための添加剤(分散剤)の使用、磁性層形成用組成物(塗布液)の分散条件の調整、磁性層表面の表面処理の実施をはじめとする特開2010−231843号公報段落0022〜0030に記載の各種手段の1つまたは2つ以上を組み合わせることができる。
また、磁性層表面の表面処理としては、特開平5−62174号公報に記載の研磨手段を用いる研磨処理を挙げることもできる。上記表面処理については、同公報段落0005〜0032および全図面を参照できる。一例としては、特開平5−62174公報に記載のダイヤモンドホイールによる表面処理(同公報の図1〜図3に示されている態様)によって、磁性層の表面処理を行うことができる。
<8.磁気テープの製造工程>
本発明の磁気テープは、塗布型磁気テープであり、磁性層、非磁性層およびバックコート層の各層を形成するための組成物(塗布液)を用いて製造することができる。以下に、磁気テープの製造工程の具体的態様を説明する。ただし本発明の磁気テープは、前述の範囲の磁性層表面の水接触角およびバックコート層表面の水接触角を有するものであればよく、下記態様の製造工程により製造されるものに限定されるものではない。
(8−1.各層形成用組成物および調製方法)
磁性層形成用組成物(塗布液)は、先に説明した各種成分とともに、通常、溶媒を含む。溶媒としては、一般に塗布型磁気テープ製造のために使用される有機溶媒を挙げることができる。磁性層形成用組成物における溶媒含有量は、強磁性粉末100.0質量部に対して、例えば100.0〜800.0質量部に範囲であり、好ましくは200.0〜600.0質量部の範囲である。
磁性層、非磁性層、バックコート層の各層を形成するための組成物を調製する工程は、通常、混練工程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上にわかれていてもかまわない。強磁性粉末、非磁性粉末、結合剤、カーボンブラック、各種添加剤、溶媒などすべての原料はどの工程の最初または途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。磁性層形成用組成物については、強磁性粉末を含有する分散液(磁性液)、突起形成剤(非磁性フィラー1)を含有する分散液(突起形成剤液)、研磨剤(非磁性フィラー2)を含有する分散液(研磨剤液)、をそれぞれ別分散して調製した後、同時または順次、潤滑剤等の他の成分と混合し磁性層形成用組成物を調製することが好ましい。潤滑剤、硬化剤、溶媒の一部または全部を、磁性液、突起形成剤液および研磨剤液を混合した混合液に添加してもよい。その他、各層形成用組成物の調製については、特開2010−231843号公報段落0065も参照できる。
非磁性層は、非磁性層形成用組成物(塗布液)を、非磁性支持体表面に、例えば直接塗布することにより、形成することができる。非磁性層形成用組成物は、先に説明した各種成分とともに、通常、溶媒を含む。溶媒としては、一般に塗布型磁気テープ製造のために使用される有機溶媒を挙げることができる。その他、非磁性層形成用組成物の調製の詳細については、磁性層形成用組成物に関する上述の記載を参照できる。
バックコート層形成用組成物(塗布液)の調製の詳細についても、磁性層形成用組成物に関する上述の記載を参照できる。
(8−2.塗布工程)
磁性層は、磁性層形成用組成物を、非磁性層形成用組成物と逐次または同時に重層塗布することにより形成することができる。また、バックコート層は、非磁性支持体の磁性層、非磁性層を形成する表面とは反対の表面にバックコート層形成用組成物を塗布することにより形成することができる。
各層形成のための塗布の詳細については、特開2010−231843号公報段落0066を参照できる。
(8−3.その他工程)
磁気テープ製造のためのその他の各種工程については、特開2010−231843号公報段落0067〜0070を参照できる。また、磁性層表面の表面処理については、先に記載した通り、特開平5−62174号公報も参照できる。
以上記載した本発明の磁気テープは、繰り返し走行後も高いSNRを示すことが可能である。これは、信号の記録再生時に磁性層表面とヘッド表面とが接触する接触摺動型の磁気記録再生システムにおいてスペーシングロスを引き起こすヘッド付着物(磁性層表面、ヘッドの削れ屑、潤滑剤)の発生を抑制することができることによるものと推察される。
以下に、本発明を実施例に基づき説明する。但し、本発明は実施例に示す態様に限定されるものではない。なお、特記しない限り、以下に記載の「部」および「%」は質量基準である。
<I.ポリアルキレンイミン系ポリマーAの合成例>
下記の酸価およびアミン価は、電位差法(溶媒:テトラヒドロフラン/水=100/10(体積比)、滴定液:0.01N(0.01mol/l)水酸化ナトリウム水溶液(酸価)、0.01N (0.01mol/l)塩酸(アミン価))により決定した。
下記の数平均分子量、重量平均分子量は、GPC法により測定しポリスチレン換算値として求めた。
ポリエステル、ポリアルキレンイミン、およびポリアルキレンイミン系ポリマーの平均分子量の測定条件は、それぞれ以下の通りとした。
(ポリエステルの平均分子量の測定条件)
測定器:HLC−8220GPC(東ソー社製)
カラム:TSKgel Super HZ 2000/TSKgel Super HZ 4000/TSKgel Super HZ−H(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)、
流速:0.35mL/min、
カラム温度:40℃
検出器:示差屈折(RI)検出器
(ポリアルキレンイミンの平均分子量、ポリアルキレンイミン系ポリマーの平均分子量の測定条件)
測定器:HLC−8320GPC(東ソー社製)
カラム:TSKgel Super AWM−H(東ソー社製)3本
溶離液:N−メチル−2−ピロリドン(添加剤として10mM臭化リチウム添加)
流速:0.35mL/min
カラム温度:40℃
検出器:RI
なお、ポリアルキレンイミン鎖の数平均分子量は、以下の方法により求めることもできる。
合成したポリアルキレンイミン系ポリマーを、エステル加水分解法により、例えば、実験化学講座16 有機化合物の合成IV−カルボン酸・アミノ酸・ペプチド(第5版)」(日本化学会編、丸善出版、2005年3月発行)11頁に記載の酸加水分解法により加水分解する。得られた加水分解物から、液体クロマトグラフィーによりポリアルキレンイミンを分離し上記測定条件により測定される数平均分子量を、ポリアルキレンイミン系ポリマーに含まれるポリアルキレンイミン鎖の数平均分子量とすることもできる。
(ポリエステル(i−1)の合成)
500mL3口フラスコに、カルボン酸としてn−オクタン酸(和光純薬社製)16.8g、ラクトンとしてε−カプロラクトン(ダイセル工業化学社製プラクセルM)100g、触媒としてモノブチルすずオキシド(和光純薬社製)(CSn(O)OH)2.2gを混合し、160℃で1時間加熱した。ε−カプロラクトン100gを5時間かけて滴下し更に2時間攪拌した。その後、室温まで冷却しポリエステル(i-1)を得た。
合成スキームを以下に示す。
得られたポリエステルの数平均分子量、重量平均分子量を下記表1に示す。また、原料仕込み比より算出したラクトン繰り返し単位の単位数も下記表1に示す。
(ポリアルキレンイミン(ポリエチレンイミン)系ポリマーAの合成)
ポリエチレンイミン(日本触媒製SP-006、数平均分子量数平均分子量600)2,4gおよびポリエステル(i−1)100gを混合し、110℃で3時間加熱して、ポリエチレンイミン系ポリマーを得た。
得られたポリアルキレンイミン系ポリマーについて、1H−NMR、13C−NMRの両NMR分析結果および燃焼法による元素分析の分析結果から、ポリアルキレンイミン系ポリマーに占めるポリアルキレンイミン鎖の割合(ポリアルキレンイミン鎖比率)を算出した。結果を表1に示す。算出されたポリアルキレンイミン鎖比率は、ポリアルキレンイミンおよびポリエステルの仕込み量から算出された値と同様の値であった。
<II.磁気テープ作製例>
[実施例1]
(磁性層形成用組成物)
(磁性液)
強磁性バリウムフェライト粉末:100.00部
(Hc:175kA/m(2200Oe)、平均粒子サイズ:27nm)
オレイン酸:1.50部
ポリアルキレンイミン系ポリマーA:10.00部
塩化ビニル共重合体(日本ゼオン製MR−104):10.00部
SONa基含有ポリウレタン樹脂:4.00部
メチルエチルケトン:150.00部
シクロヘキサノン:150.00部
(研磨剤液)
非磁性フィラー2(α−アルミナ(角形)、平均粒子サイズ100nm、BET法による比表面積19m/g):6.00部
SONa基含有ポリウレタン樹脂:0.60部
2,3−ジヒドロキシナフタレン:0.20部
シクロヘキサノン:23.00部
(突起形成剤液)
非磁性フィラー1(コロイダルシリカ、平均粒子サイズ130nm):2.00部
メチルエチルケトン:8.00部
(潤滑剤・硬化剤液)
ステアリン酸:2.50部
ステアリン酸アミド:0.30部
ステアリン酸ブチル:6.00部
メチルエチルケトン:110.00部
シクロヘキサノン:110.00部
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製コロネート(登録商標)L):2.50部
(非磁性層形成用組成物A)
カーボンブラック(平均一次粒子サイズ16nm、DBP(Dibutyl phthalate)吸油量74cm3/100g):100.00部
トリオクチルアミン:3.00部
塩化ビニル共重合体(日本ゼオン製MR−104):19.00部
SONa基含有ポリウレタン樹脂:12.00部
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製コロネートL):5.00部
メチルエチルケトン:370.00部
シクロヘキサノン:370.00部
ステアリン酸:1.50部
ステアリン酸アミド:0.30部
ステアリン酸ブチル:1.50部
(バックコート層形成用組成物)
α−酸化鉄:80.00部
カーボンブラック(平均一次粒子サイズ16nm、DBP吸油量74cm3/100g):20.00部
フェニルホスホン酸:3.00部
塩化ビニル共重合体(日本ゼオン製MR−104):12.00部
SONa基含有ポリウレタン樹脂:8.00部
アルミナ粉末(比表面積17m/gのα−アルミナ):5.00部
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製コロネートL):5.00部
メチルエチルケトン:600.00部
トルエン:600.00部
ステアリン酸:1.00部
ステアリン酸アミド:0.30部
ステアリン酸ブチル:1.50部
(磁性層形成用組成物の作製)
磁性層形成用組成物は以下の方法によって作製した。
上記磁性液をオープン型ニーダーにより混練・希釈処理後、横型ビーズミル分散機により、粒径0.1mmのジルコニア(ZrO2)ビーズ(以下、「Zrビーズ」と記載する)を用い、ビーズ充填率80%、ローター先端周速10m/秒で、1パス滞留時間を2分とし、30パスの分散処理を行った。
研磨剤液は、上記成分を混合して粒径0.3mmのZrビーズとともに横型ビーズミル分散機に入れ、ビーズ体積/(研磨剤液体積+ビーズ体積)が80%になるように調整し、120分間ビーズミル分散処理を行い、処理後の液を取り出し、フロー式の超音波分散濾過装置を用いて、超音波分散濾過処理を施した。
磁性液、突起形成剤液および研磨剤液と、その他の成分としての潤滑剤・硬化剤液をディゾルバー攪拌機に導入し、周速10m/秒で30分間攪拌した後、フロー式超音波分散機により流量7.5kg/分で3パス処理した後に、1μmのフィルタで濾過して磁性層形成用組成物を作製した。
(非磁性層形成用組成物の作製)
非磁性層形成用組成物は以下の方法によって作製した。
潤滑剤(ステアリン酸、ステアリン酸アミド、ステアリン酸ブチル)およびポリイソシアネートを除く、上記成分をオープン型ニーダーにより混練・希釈処理して、その後、横型ビーズミル分散機により分散処理を実施した。その後、潤滑剤(ステアリン酸、ステアリン酸アミド、ステアリン酸ブチル)およびポリイソシアネートを添加して、ディゾルバー攪拌機にて攪拌・混合処理を施して非磁性層形成用組成物を作製した。
(バックコート層形成用組成物の作製)
バックコート層形成用組成物は以下の方法によって作製した。
潤滑剤(ステアリン酸、ステアリン酸アミド、ステアリン酸ブチル)およびポリイソシアネートを除く、上記成分をディゾルバー攪拌機に導入し、周速10m/秒で30分間攪拌した後、横型ビーズミル分散機により分散処理を実施した。その後、潤滑剤(ステアリン酸、ステアリン酸アミド、ステアリン酸ブチル)およびポリイソシアネートを添加して、ディゾルバー攪拌機にて攪拌・混合処理を施し、バックコート層形成用組成物を作製した。
(磁気テープの作製)
厚さ6.00μmの非磁性支持体(ポリエチレンナフタレート支持体)の一方の表面上に、乾燥後の厚さが0.10μmになるように非磁性層形成用組成物を塗布し乾燥させた後、他方の表面上に、バックコート層形成用組成物を乾燥後の厚さが0.50μmになるように塗布し乾燥させた。一度巻き取りロールに巻き取った支持体を70℃の環境下で36時間熱処理を行った。
熱処理後の非磁性層表面上に、乾燥後の厚さが0.07μmになるように磁性層形成用組成物を塗布し乾燥させた。
その後、金属ロールのみから構成されるカレンダで速度40m/min、線圧300kg/cm(294kN/m)、温度100℃で表面平滑化処理(カレンダ処理)を行った。その後、70℃の環境下で36時間熱処理を行った。熱処理後、1/2インチ幅にスリットを行った。スリット品の送り出し、巻き取り装置を持った装置に不織布とカミソリブレードが磁性層表面に押し当たるように取り付けたテープクリーニング装置で磁性層の表面のクリーニングを行った。その後、得られた磁気テープは、ロール状にリールに巻き取った後、下記の評価方法によりその特性を評価した。
なお本実施例および後述の実施例、比較例について、各層の厚さは、製造条件から算出される設計厚みである。
<評価方法>
(磁性層表面、バックコート層表面の水接触角の測定)
接触角測定機(協和界面科学(株)製 接触角測定装置 DropMaster700)により、以下の方法により接触角測定を行った。
ロール状に巻き取った磁気テープをロールの端部から一定長さ切り取り得られたテープサンプルを、バックコート層表面がスライドガラス表面と接触するようにスライドガラス上に設置した。テープサンプル表面(磁性層表面)に測定用液体(水)2.0μlを滴下し、液滴安定時間として1秒間放置後に、上記接触角測定機に付随の接触角解析ソフトウェアFAMASにより液滴像を解析し、テープサンプルと液滴の接触角を測定した。接触角の算出はθ/2法によって行い、1サンプルにつき6回測定した平均値(算術平均)を接触角とした。測定は温度20℃相対湿度25%RHの環境で行い、以下の解析条件で磁性層表面の水接触角を求めた。
同じ磁気テープロールから新たにテープサンプルを切り出し、磁性層表面がスライドガラス表面と接触するようにスライドガラス上に設置し、上記と同様の方法でバックコート層表面の水接触角を求めた。
・手法:液滴法(θ/2法)
・着滴認識:自動
・着滴認識ライン(針先からの距離):50dot
・アルゴリズム:自動
・イメージモード:フレーム
・スレッシホールドレベル:自動
(走行耐久性の評価)
以下の方法により繰り返し走行後のSNR変化量を測定した。測定は、ヘッドを固定した1/2インチ リニアシステムを用いて行った。ヘッド/テープの相対速度は5m/secとした。記録は飽和磁化1.6Tのリングヘッド(トラック幅18μm)を使い、記録電流は各テープの最適電流に設定した。再生ヘッドには素子厚み25nm、シールド間隔0.2μmの異方性型MRヘッド(A−MR)を用いた。
記録波長0.2μmの信号を記録し、再生信号をアドバンテスト製スペクトラムアナライザーで周波数分析し、キャリア信号(波長0.2μm)の出力とスペクトル全域の積分ノイズとの比をS/N比とした。
キャリア信号(波長0.2μm)の出力をモニターしながら、実施例、比較例の磁気記録テープを1パス800mとして繰返し10000パス走行させ、最初のパスのSNR(初期SNR)を0dBとして、10000パス走行後のSNR変化量(初期SNR−10000パス走行後のSNR)を求め、以下の評価基準により走行耐久性を評価した。
評価基準
A:10000パス走行後のSNR変化量が1dB
B:10000パス走行後のSNR変化量が2dB
C:10000パス走行後のSNR変化量が2dBより大きい
[実施例2〜10、比較例1〜4]
磁性層形成用組成物中の非磁性フィラー1、2の種類および平均粒子サイズ、磁性層形成用組成物の磁性液中の塩化ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂、ステアリン酸の処方量、バックコート層形成用組成物中のα−酸化鉄、カーボンブラック、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル共重合体、ニトロセルロース、ステアリン酸の処方量、ならびに非磁性層の厚みを表2に示すようにした点以外、実施例1と同様に磁気テープの作製および評価を行った。
[実施例11]
磁性層形成用組成物の突起形成剤液を、以下のものに変更し、下記方法で調製した点以外、実施例1と同様に磁気テープの作製および評価を行った。
(突起形成剤(カーボンブラック)液)
非磁性フィラー1(カーボンブラック、平均一次粒子サイズ130nm):0.50部
トリオクチルアミン:0.05部
シクロヘキサノン:4.50部
(カーボンブラック液の調製)
カーボンブラック液は、以下の処理方法により調製した。攪拌機付きバッチ型超音波分散装置にて、攪拌回転数1500rpmで、6時間超音波処理して液化処理した。液化したカーボンブラック液を横型ビーズミル分散機により、粒径0.5mmのZrビーズを用い、ビーズ充填率80%、ローター先端周速10m/秒で、1パス滞留時間を2分とし、6パスの分散処理を行った。その液をディゾルバー攪拌機で周速10m/秒で30分攪拌後、フロー式超音波分散機にて流量3kg/分で、3パス処理した。
[比較例6]
磁性層形成用組成物中の非磁性フィラー1、2の種類および平均粒子サイズ、磁性層形成用組成物の磁性液中の塩化ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂、ステアリン酸の処方量、バックコート層形成用組成物中のα−酸化鉄、カーボンブラック、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル共重合体、ニトロセルロース、ステアリン酸の処方量、ならびに非磁性層の厚みを表2に示すようにした点、磁性層形成用組成物にポリアルキレンイミン系ポリマーAを添加しなかった点以外、実施例11と同様に磁気テープの作製および評価を行った。
以上の結果を、下記表2に示す。なお、実施例の磁気テープについて、原子間力顕微鏡としてDIGITALINSTRUMENT社製のNANOSCOPE IIIをコンタクトモードで用いて、先に記載した方法により磁性層表面の中心線平均表面粗さRaを測定したところ、いずれも2.0〜2.5nmの範囲内であり、実施例の磁気テープは磁性層表面の表面平滑性も優れることが確認された。
表2に示す結果から、実施例の磁気テープは、繰り返し走行後後のSNRの低下が少なく、優れた走行耐久性を有することが確認できる。
本発明は、データバックアップテープ等のデータストレージ用磁気テープの製造分野において有用である。

Claims (13)

  1. 非磁性支持体の一方の表面上に、非磁性粉末、潤滑剤および結合剤を含む非磁性層を有し、
    前記非磁性層の表面上に、強磁性粉末、潤滑剤および結合剤を含む磁性層を有し、
    前記非磁性支持体の前記非磁性層および磁性層を有する面とは反対の表面上に、非磁性粉末、潤滑剤および結合剤を含むバックコート層を有し、
    前記磁性層表面の水に対する接触角は95°〜100°の範囲であり、かつ、
    前記バックコート層表面の水に対する接触角は95°〜100°の範囲であり、
    前記磁性層は、
    平均粒子サイズφ1の非磁性フィラー1と、
    φ1より小さい平均粒子サイズφ2と非磁性フィラー1のモース硬度より高いモース硬度とを有する非磁性フィラー2と、
    を含み、φ1およびφ2の単位はnmであり、
    φ1とφ2との差分、φ1−φ2、が20nm以上50nm以下である磁気テープ。
  2. φ1とφ2とが、下記式1: 20nm<φ1−φ2<50nm …式1
    を満たす請求項1に記載の磁気テープ。
  3. 前記非磁性層の厚さは、0.05〜0.50μmの範囲である請求項1または2に記載の磁気テープ。
  4. 非磁性フィラー1は、無機酸化物粒子およびカーボンブラックからなる群から選択される請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気テープ。
  5. 非磁性フィラー1は、コロイド粒子である請求項4に記載の磁気テープ。
  6. 非磁性フィラー1は、コロイダルシリカである請求項5に記載の磁気テープ。
  7. 非磁性フィラー2は、アルミナ粉末および炭化ケイ素粉末からなる群から選択される請求項〜6のいずれか1項に記載の磁気テープ。
  8. 前記バックコート層におけるニトロセルロース含有量は、非磁性粉末全量100.00質量部に対して0.00〜1.00質量部の範囲である請求項1〜7のいずれか1項に記載の磁気テープ。
  9. 前記バックコート層に含まれる非磁性粉末は、無機酸化物粉末およびカーボンブラックを含む請求項1〜8のいずれか1項に記載の磁気テープ。
  10. 前記バックコート層に含まれる非磁性粉末は、非磁性粉末全量100.00質量部に対して1.00〜30.00質量部の範囲のカーボンブラックを含む請求項9に記載の磁気テープ。
  11. 前記非磁性層に含まれる非磁性粉末は、カーボンブラックを含む請求項1〜10のいずれか1項に記載の磁気テープ。
  12. 前記磁性層に含まれる潤滑剤、非磁性層に含まれる潤滑剤およびバックコート層に含まれる潤滑剤は、それぞれ、脂肪酸、脂肪酸エステルおよび脂肪酸アミドからなる群から選択される一種以上の潤滑剤を含む請求項1〜11のいずれか1項に記載の磁気テープ。
  13. 前記磁性層に含まれる潤滑剤およびバックコート層に含まれる潤滑剤は、それぞれ、脂肪酸を少なくとも含む請求項12に記載の磁気テープ。
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