JP6171484B2 - 画像記録装置 - Google Patents

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Description

この発明は、放射線硬化型インクを吐出して記録媒体上に形成されたインクドットを放
射線照射により硬化させることで、当該インクドットにより形成される画像を記録媒体に
定着させる画像記録装置に関するものである。
この種の画像記録装置の代表例として、例えば特許文献1に記載されているように、紫
外線硬化型のインクを用いるインクジェット記録方式の装置が知られている。このインク
ジェット記録方式の画像記録装置では、ヘッドのノズルからインクが液滴状に吐出されて
記録媒体の表面に着弾してインクドットを形成した後、当該インクドットが表面上で広が
っていく。このため、着弾インクの広がりを規制しないとすれば、隣り合うドットと大き
く重なり合って色が混じり合う、いわゆるブリード現象が生じて画像品質の低下を招くお
それがある。また、これは線太りの主要因のひとつになる。そこで、紫外線硬化型インク
は紫外線を照射することにより硬化するという性質を有している点を利用し、記録媒体の
表面上のインクドットが過剰に広がる前に硬化させて記録媒体に定着させている。
このように記録媒体の表面に紫外線を照射するためには、紫外線照射手段を設ける必要
がある。しかも、インクドットが広がる前に紫外線を照射する必要がある。これらの観点
から、上記画像記録装置では紫外線照射手段がヘッドから比較的近い位置に並んで配置さ
れている。しかしながら、何の工夫もなく当該配置構造を採用すると、ヘッドのノズルの
吐出口に紫外線が到達し、その結果、吐出口のインクが硬化して目詰まりが発生してしま
うおそれがあり、これが画質低下や安定した画像記録の阻害要因となる。そこで、特許文
献1に記載の装置では、当該課題を解消すべく、紫外線照射手段とヘッドとの間隔が所定
範囲となるように紫外線照射手段とヘッドを配置し、ヘッドへの紫外線の到達を防止して
いる(紫外線防止技術)。
特開2004−284141号公報(図2、図4など) 特開2011−67964号公報(図1)
ところで、特許文献1に記載の装置は、2つの搬送ロールの間に張架された無縁端ベル
トを用いて記録媒体を水平姿勢で搬送しながらヘッドから紫外線硬化型のインクを吐出す
る方式の装置である。これ以外に、画像記録方式としては、例えば特許文献2に記載され
ているように、プラテンドラムを用いる方式がある。この特許文献2に記載の画像記録装
置は、プラテンドラムに巻き掛けた記録媒体をプラテンドラムの周方向に搬送しつつ、記
録媒体の表面に紫外線硬化型のインクを吐出する方式の装置である。このように記録媒体
を湾曲させた状態で紫外線照射を行う装置では、特許文献1で採用した紫外線防止技術を
そのまま適用することができず、ドラムなどの曲面を有する支持部材で記録媒体を支持し
ながら紫外線硬化型インクなどの放射線硬化型インクで画像を記録する画像記録装置に適
した放射線防止技術の提供が望まれている。
この発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、曲面を有する支持部材で記録媒体を
支持しながら放射線硬化型インクを用いて高画質な画像を安定して記録することができる
画像記録装置を提供することを目的とする。
この発明にかかる画像記録装置は、曲面を有し、曲面で記録媒体の一方主面を支持しながら記録媒体を搬送方向に搬送する支持部材と、放射線硬化型インクを吐出する複数の吐出口を一定のノズルピッチで配置したノズル面を曲面で支持される記録媒体の他方主面に向けた状態で各吐出口から放射線硬化型インクを吐出し、記録媒体に着弾させてインクドットを形成するヘッドと、インクドットが形成されるドット形成位置から搬送方向の下流側に離れた第1放射線照射位置でインクドットに第1放射線を照射して硬化させる第1放射線照射部と、支持部材により搬送される記録媒体の搬送速度を制御する制御部とを備え、第1放射線照射部は、第1放射線を発生させる光源と、光源から出射された第1放射線の第1放射線照射部外部への放出範囲を規定する開口部と、を有し、開口部は、ノズル面を構成する辺のうち最も第1放射線照射部に近い辺を通って曲面と接する仮想平面を境として、該境よりも支持部材側に配置され、制御部は、インクドットの形成直後からインクドットの直径がノズルピッチの2倍と等しくなるまでの時間が記録媒体の種類により相違するとき、記録媒体の種類毎の上記時間において最も短い時間を第1時間とし、当該第1時間と同じもしくは短い第2時間で、ドット形成位置に形成されたインクドットが第1放射線照射位置に移動するように搬送速度を制御することを特徴としている。
このように構成された発明では、記録媒体が支持部材の曲面で支持されながら搬送方向に搬送される。そして、ヘッドが放射線硬化型インクを吐出してドット形成位置で記録媒体上にインクドットを形成した後、記録媒体の搬送に伴って当該インクドットが第1放射線照射位置に移動してくると、第1放射線照射部からの放射線の照射を受けて硬化する。この放射線照射時に照射された放射線がヘッドのノズル面に到達してしまうと、吐出口の目詰りが発生してしまうおそれがあるが、本発明では支持部材が曲面を有していることを利用してノズル面への放射線の到達を防止している。より具体的には、放射線を放出する第1放射線照射部の開口部が上記仮想平面と第1放射線照射位置との間に配置されるという配設条件が満足されている。このため、当該開口部に対してノズル面は支持部材の曲面で隠れており、ノズル面に向かって放出される放射線は支持部材の曲面で遮断される。その結果、ノズル面への放射線の到達が確実に防止される。
また、ドット形成位置に形成されたインクドットが第1放射線照射位置に移動するまで
に要する第2時間が上記第1時間を超えると、隣り合うインクドットが相互に大きく重な
って滲みや線太りなどの不具合を引き起こしてしまう。しかしながら、本発明では、搬送
速度が制御されて第2時間が第1時間と同じもしくは短いという搬送速度条件が満足され
ているため、上記不具合の発生が防止される。
以上のように、本発明は、上記した配設条件と搬送速度条件を満足させることで、曲面
を有する支持部材で記録媒体を支持しながら放射線硬化型インクを用いて高画質な画像を
安定して記録することが可能となっている。
ここで、ドット形成位置から搬送方向の下流側に離れ、しかも第1放射線照射位置から
搬送方向の上流側に離れた第2放射線照射位置で第1放射線照射部の照射強度の5分の1
以下の照射強度を有する放射線を照射する第2放射線照射部をさらに設けてもよい。この
場合、インクドットへの放射線照射は2段階で行われる。つまり、比較的少ない積算光量
で仮硬化が行われた後で、比較的多い積算光量で本硬化が実行される。このように仮硬化
処理を加えることで、第1時間の長時間化が可能となり、第1放射線照射位置や搬送速度
などの設定に関して自由度が向上し、装置設計の自由度を高めることができる。
なお、第1放射線照射位置での放射線照射によってインクドットの広がりを停止させて
定着処理を完了するためには、第1放射線照射部が、第2時間の間にインクドットに照射
される放射線の積算光量が記録媒体上でのインクドットの広がりを停止させるのに必要な
積算光量以上となるように、光源を制御するように構成するのが望ましい。また、支持部
材の一例としては円筒型のドラムを用いることができる。
本発明にかかる画像記録装置の第1実施形態の主要構成を示す図。 図1のプリンターを制御する電気的構成を模式的に示すブロック図。 図1のプリンターによる画像形成動作を模式的に示す図。 線幅の変化を調べるのに使用したインクの組成を示す図。 インクドットの広がりと基材との関係を示す図。 本発明にかかる画像記録装置の第2実施形態の主要構成を示す図。 ピニング処理、インクドットの広がりおよび基材の関係を示す図。
図1は本発明にかかる画像記録装置の第1実施形態であるプリンターの主要構成を示す
図である。また、図2は図1のプリンターを制御する電気的構成を模式的に示すブロック
図である。このプリンター1は、1枚のシートM(ウエブ)に画像を記録する装置であり
、図1への図示を省略しているが、特許文献2に記載の装置と同様に、繰出モーター21
(図2)を作動させることでロール状に巻き取られたシートMを繰り出す繰出部と、繰出
部から繰り出されたシートMに画像を記録するプロセス部3と、巻取モーター41を作動
させることで画像が記録されたシートMを巻き取る巻取部とが設けられている。プロセス
部3は、繰出部から繰り出されたシートMをプラテンドラム30で支持しつつ当該プラテ
ンドラム30により所定の搬送方向Dsに搬送する。そして、プラテンドラム30の外周
面に沿って配置された複数の記録ヘッドおよび複数の紫外線照射ユニットによりシートM
に画像を記録する。このように、第1実施形態にかかる画像記録装置の基本構成は特許文
献2に記載の装置と多くの部分で共通しているが、次に説明するように紫外線照射ユニッ
トから放出される紫外線が当該紫外線照射ユニットと並んで配置される記録ヘッドに到達
するのを防止するために特有の放射線防止技術を採用している点で大きく相違している。
以下、放射線防止技術に関連する構成および動作を中心に説明する。
プロセス部3では、図示を省略するが、プラテンドラム30の両側に前駆動ローラーと
後駆動ローラーとが設けられており、前駆動ローラーから後駆動ローラーへと搬送される
シートMがプラテンドラム30に支持されて、画像記録を受ける。前駆動ローラーは、溶
射によって形成された複数の微小突起を外周面に有しており、繰出部から繰り出されたシ
ートMを巻き掛ける。この前駆動ローラーは前駆動モーター31(図2)に接続されてお
り、プリンター全体を制御するプリンター制御部200からの動作指令に応じて前駆動モ
ーター31が作動することで所定方向に回転し、繰出部から繰り出されたシートMを搬送
方向Dsの下流側へと搬送する。
プラテンドラム30は図示を省略する支持機構により回転自在に支持された、例えば4
00[mm]の直径を有する円筒形状のドラムであり、前駆動ローラーから後駆動ローラーへ
と搬送されるシートMを裏面側から巻き掛ける。このプラテンドラム30は、シートMと
の間の摩擦力を受けてシートMの搬送方向Dsに従動回転しつつ、シートMを裏面側から
支持するものである。
後駆動ローラーは、前駆動ローラーと同様に溶射によって形成された複数の微小突起を外周面に有しており、プラテンドラム30から搬送されてきたシートMを巻き掛ける。この後駆動ローラーは後駆動モーター32(図2)に接続されており、プリンター制御部200からの動作指令に応じて後駆動モーター32が作動することで所定方向に回転し、画像記録されたシートMを巻取部へと搬送する。
このように、本実施形態では、シートMは裏面をプラテンドラム30で支持されながら搬送方向Dsに搬送可能となっており、プリンター制御部200により前駆動モーター31および後駆動モーター32を制御することでシートMの搬送速度を調整可能となっている。このため、シート搬送速度の調整によってドット形成位置から紫外線照射位置にシートMを搬送するのに要する時間を制御可能となっている。なお、「ドット形成位置」とは次に説明するようにシートMの表面に画像を記録するために記録ヘッド33から紫外線硬化型インクを吐出してインクドットを形成する位置を意味している。また、「紫外線照射位置」とは、シートM上のインクドットに対して紫外線を照射して硬化させてシートM上でのインクドットの広がりを停止する、つまりインク定着を行う位置を意味している。
図1では単一の記録ヘッド33のみが図示されているが、第1実施形態におけるプロセ
ス部3では、シートMの表面に対してカラー画像を記録するために、互いに異なる色に対
応した複数の記録ヘッド33が色順で搬送方向Dsに並んで配置されている。各記録ヘッ
ド33は、図1(c)に示すように、吐出口331からインクを液滴状に吐出するノズル
332を複数個有している。各ノズル332では、複数の吐出口331を一定のピッチN
Pで配置したノズル面333が設けられており、ノズル面333がプラテンドラム30に
巻き掛けられたシートMの表面に対して若干のクリアランスを空けて対向するように各記
録ヘッド33は配置されている。そして、記録ヘッド33は各吐出口331からインクを
インクジェット方式で吐出し、ドット形成位置Pdで搬送方向Dsへ搬送されるシートMの
表面Msに着弾させてインクドットを形成する。
ちなみに、インクとしては、紫外線(光)を照射することで硬化するUV(ultraviole
t)インク(光硬化型インク)が用いられる。第1実施形態におけるプロセス部3では、
インクを硬化させてシートMに定着させるために、図1に示すように単一の紫外線照射ユ
ニット34が設けられているが、紫外線照射ユニット34を複数配置するようにしてもよ
い。なお、インク硬化については、特許文献2にも記載されているように仮硬化と本硬化
の二段階に分けて実行することもあるが、第1実施形態では本硬化のみを行うように構成
しており、紫外線照射ユニット34によって照射される紫外線の積算光量は比較的多い。
なお本発明において、本硬化はインクが完全に硬化した状態のみを指すのではなく、記録
媒体上に吐出されたインクドットが記録媒体上で広がらなくなった状態も含むものとする
。また仮硬化は、記録媒体上に吐出されたインクドット上に別のインクドットを重ねたと
きに2つのインクドットがブリードを起こさない程度にインクが硬化した状態を指す。よ
り具体的には、紫外線照射ユニット34では、図1(d)に示すように、プラテンドラム
30側の端部に発光本体部341が配置されている。この発光本体部341の内部で基板
342の下面に複数の発光素子(光源)343が取り付けられるとともに、基板342の
上面には各発光素子343を駆動する駆動回路(図示省略)が取り付けられている。発光
素子343としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーレーザー、紫外線
レーザ、冷陰極管、熱陰極管、ブラックライト、LED(light emitting
diode)等が適用可能である。また、発光本体部341の下端部では、発光素子34
3から出射された紫外線のユニット外部への放出範囲を規定する開口部が設けられるとと
もに、当該開口部を塞ぐように紫外線を透過させるカバーガラスやレンズなどの透過性光
学部材344が取り付けられている。ここで開口部は、例えば発光素子343を覆うカバ
ー部材や、透過性光学部材344を支持する透過性光学部材支持部材によって規定されて
いる。そして、透過性光学部材344がプラテンドラム30に巻き掛けられたシートMの
表面の紫外線照射位置に対して若干のクリアランスを空けて対向するように、紫外線照射
ユニット34が配置されている。このため、プリンター制御部200からの点灯指令に応
じて発光素子343は発光すると、紫外線が透過性光学部材344を通して放出されて紫
外線照射位置でシートM上のインクを硬化させる。なお、紫外線照射ユニット34の点灯
タイミングは任意であるが、少なくとも紫外線照射位置でインクを本硬化させてインクの
広がりを停止させるためには、紫外線照射位置に移動してくるまでにインクに与えられる
照射光量および紫外線照射位置での照射光量の総和、つまり積算光量がインクドットの広
がりを停止させるのに必要な光量となるように制御しなければならず、これらの点を考慮
して紫外線照射位置での紫外線の積算光量を制御するのが望ましい。
このように本実施形態では、紫外線照射ユニット34からの紫外線の放出範囲は開口部
により制限されているが、紫外線照射ユニット34の配設条件によっては紫外線照射ユニ
ット34からの紫外線が記録ヘッド33に到達することがある。例えばノズル面333を
規定する辺のうち最も紫外線照射ユニット34に近い辺を通ってプラテンドラム30の表
面(曲面)30sと接する仮想平面VP(図1(b)参照)よりもプラテンドラム30か
ら離れるように紫外線照射ユニット34を配置すると、紫外線照射ユニット34から放出
される紫外線がノズル面333に到達して吐出口331のインクを硬化させてしまい、ノ
ズルの吐出口331の目詰まりを引き起こす可能性がある。逆に、図1(b)に示すよう
に、仮想平面VPよりもプラテンドラム30に近い位置に紫外線照射ユニット34を配置
すると、ノズル面333への紫外線の到達を確実に防止することができる。そこで、本実
施形態では、開口部を仮想平面VPとプラテンドラム30との間に位置するように紫外線
照射ユニット34を配置している。したがって、このような配置構成を採用することで記
録ヘッド33への紫外線の進入を阻止することが可能となっている。カバー部材や透過性
光学部材支持部材を設けず、発光素子343がむき出しである場合には、発光素子343
を仮想平面VPよりもプラテンドラム30に近い位置に配置する。ただし、当該配置構成
を採用したのみでは、画質低下を招いてしまう可能性がある。そこで、本実施形態では、
上記配置構成に加え、シートMの搬送速度が所定の搬送速度条件を満足するように構成し
ている。以下、この搬送速度条件について図1および図3を参照しつつ説明する。
図3は図1のプリンターによる画像形成動作を模式的に示す図である。なお、同図にお
いて、破線で仕切った領域のうち上側領域に記載された図面は概略断面図である一方、下
側領域に記載された図面はシートMおよびドラム表面30sを上方から見た概略平面図で
ある。
本実施形態では、ドット形成位置Pdにおいて各吐出口331からインクが液滴状に吐
出されてシートMの表面Msに着弾してインクドットDTが形成される。このドット形成
直後では、図3(a)に示すように、インクドットDTはノズルピッチNPだけ離間して
形成される。例えば600[dpi]の解像度で画像を形成する場合、ノズルピッチNP
は約42[μm]に設定されており、ドット形成時点ではインクドットDTのドットピッ
チも42[μm]となっている。そして、シートMが搬送方向Dsに搬送されて各ドット
DTが紫外線照射位置Pi1に到達するまでの間、シートMの表面Ms上でドットDTを構
成するインクが広がり、ドットDTの直径が徐々に広がっていく。例えば図3(b)では
、インクドットDTの形成時点から第1時間T1をかけてインクドットDTがドット形成
位置Pdから紫外線照射位置Pi1に搬送され、紫外線照射位置Pi1でインクドットDTの
直径がノズルピッチNPの2倍となっている。その結果、隣り合うインクドットDTが一
部重なるが、この程度であればインク滲みや線の太りなどによる画質低下は認められず、
一般的には許容される範囲である。一方、これを越えると、画質低下が発生していると認
識される。
そこで、本実施形態では、ドット形成位置Pdに形成されたインクドットDTが紫外線照射位置Pi1に移動するまでに要する時間T(以下「照射までの時間」という)が上記第1時間T1と同じ、あるいはそれよりも短くなうようにプリンター制御部200は前駆動モーター31および後駆動モーター32を制御している。これによって、紫外線照射による硬化処理までに互いに隣り合うインクドットDTが過剰に重なり合って画質低下を招くのを防止している。なお、ドット形成位置Pdで形成されるインクドットDTの直径がノズルピッチNPよりも小さい場合には、インクドットDTが紫外線照射位置Pi1に移動するまでに各インクドットDTの直径がノズルピッチNPと同じ値となって隣り合うインクドットDT同士が互いに繋がるように搬送速度を制御するのが望ましい。
以上のように、本実施形態によれば、円筒曲面を有するプラテンドラム30の外周面で
シートMを支持しつつ上記搬送速度条件で搬送しながらドット形成位置Pdでインクドッ
トDTを形成し、さらに上記配設条件を満足するように配置された紫外線照射ユニット3
4により第1紫外線照射位置Pi1で上記インクドットDTに紫外線を照射して硬化させて
いる。このように、配設条件と搬送速度条件を満足させているため、高品質な画像を安定
して記録することが可能となっている。
ところで、シートMの表面Ms上でのインクドットDTの広がり方は使用するインクや
シートの種類によって異なることがある。これらのうちシートMの種類は、紙系とフィル
ム系に大別される。具体例を挙げると、紙系には上質紙、キャスト紙、アート紙、コート
紙等があり、フィルム系には合成紙、PET(Polyethylene terephthalate)、PP(polyp
ropylene)等がある。また、紫外線硬化型インクとしては次のような組成物を用いるのが
一般的である。なお、以下の説明において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート
及びそれに対応するメタクリレートのうち少なくともいずれかを意味し、「(メタ)アク
リル」はアクリル及びそれに対応するメタクリルのうち少なくともいずれかを意味する。
以下の説明において、「硬化性」とは、光の照射により、光重合開始剤の存在下又は不
存在下で重合硬化する性質をいう。「吐出安定性」とは、ノズルの目詰まりがなく常に安
定したインク滴をノズルから吐出させる性質をいう。
〔重合性化合物〕 本実施形態のインク組成物に含まれる重合性化合物は、後述する光重
合開始剤の作用により紫外光照射時に重合し、シートM上に形成されたインクドットを硬
化させることができる。
(モノマーA) 本実施形態において必須の重合性化合物であるモノマーAは、ビニルエ
ーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類であり、下記一般式(I)で示される。
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 ・・・(I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であ
り、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
インク組成物がモノマーAを含有することにより、インクの硬化性を良好なものとする
ことができる。
上記の一般式(I)において、R2で表される炭素数2〜20の2価の有機残基として
は、炭素数2〜20の直鎖状、分枝状又は環状のアルキレン基、構造中にエーテル結合及
び/又はエステル結合による酸素原子を有する炭素数2〜20のアルキレン基、炭素数6
〜11の置換されていてもよい2価の芳香族基が好適である。これらの中でも、エチレン
基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、及びブチレン基などの炭素数2〜6のアルキ
レン基、オキシエチレン基、オキシn−プロピレン基、オキシイソプロピレン基、及びオ
キシブチレン基などの構造中にエーテル結合による酸素原子を有する炭素数2〜9のアル
キレン基が好適に用いられる。
上記の一般式(I)において、R3で表される炭素数1〜11の1価の有機残基として
は、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基、炭素数6〜11の置換され
ていてもよい芳香族基が好適である。これらの中でも、メチル基又はエチル基である炭素
数1〜2のアルキル基、フェニル基及びベンジル基などの炭素数6〜8の芳香族基が好適
に用いられる。
上記の有機残基が置換されていてもよい基である場合、その置換基は、炭素原子を含む
基及び炭素原子を含まない基に分けられる。まず、上記置換基が炭素原子を含む基である
場合、当該炭素原子は有機残基の炭素数にカウントされる。炭素原子を含む基として、以
下に限定されないが、例えばカルボキシル基、アルコキシ基等が挙げられる。次に、炭素
原子を含まない基として、以下に限定されないが、例えば水酸基、ハロ基が挙げられる。
上記のモノマーAとしては、以下に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸2−
ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1
−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ
)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−3−ビニロキシプ
ロピル、(メタ)アクリル酸1−ビニロキシメチルプロピル、(メタ)アクリル酸2−メ
チル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1,1−ジメチル−2−ビニロキシ
エチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2
−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸
4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸6−ビニロキシヘキシル、(メタ)
アクリル酸4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロ
キシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシメチルシクロヘキ
シルメチル、(メタ)アクリル酸p−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリ
ル酸m−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸o−ビニロキシメチルフ
ェニルメチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリ
ル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエ
トキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)イソプロピル、(メ
タ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(
ビニロキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキ
シエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)エ
チル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)エチル、(メタ)
アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル
酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシ
エトキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキ
シエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポ
キシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)イソプロピル
、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ
)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリ
ル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル
酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニ
ロキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロ
ペノキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキ
シ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシ)エ
チル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)
エチル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、及び(メタ)
アクリル酸ポリプロピレングリコールモノビニルエーテルが挙げられる。
これらの中でも、低粘度で、引火点が高く、かつ、硬化性に優れるため、(メタ)アク
リル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、すなわち、アクリル酸2−(ビニロキシエト
キシ)エチル及びメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルのうち少なくともいず
れかが好ましく、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルがより好ましい。(メタ
)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルとしては、(メタ)アクリル酸2−(2
−ビニロキシエトキシ)エチル及び(メタ)アクリル酸2−(1−ビニロキシエトキシ)
エチルが挙げられ、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルとしては、アクリル酸
2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(以下「VEEA」ともいう。)及びアクリル酸
2−(1−ビニロキシエトキシ)エチルが挙げられる。
モノマーAの製造方法としては、以下に限定されないが、(メタ)アクリル酸と水酸基
含有ビニルエーテルとをエステル化する方法(製法B)、(メタ)アクリル酸ハロゲン化
物と水酸基含有ビニルエーテルとをエステル化する方法(製法C)、(メタ)アクリル酸
無水物と水酸基含有ビニルエーテルとをエステル化する方法(製法D)、(メタ)アクリ
ル酸エステルと水酸基含有ビニルエーテルとをエステル交換する方法(製法E)、(メタ
)アクリル酸とハロゲン含有ビニルエーテルとをエステル化する方法(製法F)、(メタ
)アクリル酸アルカリ(土類)金属塩とハロゲン含有ビニルエーテルとをエステル化する
方法(製法G)、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとカルボン酸ビニルとをビニル
交換する方法(製法H)、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとアルキルビニルエー
テルとをエーテル交換する方法(製法I)が挙げられる。
(モノマーA以外の重合性化合物) また、上記のビニルエーテル基含有(メタ)アクリ
ル酸エステル(モノマーA)以外に、従来公知の、単官能、2官能、及び3官能以上の多
官能といった種々のモノマー及びオリゴマーも使用可能である(以下、「その他の重合性
化合物」という。)。上記モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸
、クロトン酸、イソクロトン酸及びマレイン酸等の不飽和カルボン酸やそれらの塩又はエ
ステル、ウレタン、アミド及びその無水物、アクリロニトリル、スチレン、種々の不飽和
ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、並びに不飽和ウレタンが挙げら
れる。また、上記オリゴマーとしては、例えば、直鎖アクリルオリゴマー等の上記のモノ
マーから形成されるオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート、オキセタン(メタ)ア
クリレート、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート、芳香族ウレタン(メタ)アクリレー
ト及びポリエステル(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、他の単官能モノマーや多官能モノマーとして、N−ビニル化合物を含んでいても
よい。N−ビニル化合物としては、N−ビニルフォルムアミド、N−ビニルカルバゾール
、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、及びア
クリロイルモルホリン、並びにそれらの誘導体などが挙げられる。
その他の重合性化合物のうち、(メタ)アクリル酸のエステル、即ち(メタ)アクリレ
ートが好ましい。
上記(メタ)アクリレートのうち、単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、イ
ソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)ア
クリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミリス
チル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
−ジグリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ブ
トキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコ
ール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェ
ノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イ
ソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ラクトン変性可とう性
(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペン
タニル(メタ)アクリレート、及びジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレー
トが挙げられる。
上記(メタ)アクリレートのうち、2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ
)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート
、ビスフェノールAのEO(エチレンオキサイド)付加物ジ(メタ)アクリレート、ビス
フェノールAのPO(プロピレンオキサイド)付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、及び1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート
とアミン化合物とを反応させて得られるアクリル化アミン化合物が挙げられる。なお、1
,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートとアミン化合物とを反応させて得られる
アクリル化アミン化合物の市販品としては、EBECRYL 7100(アミノ基2個及
びアクリロイル基2個の含有化合物、サイテック社(Cytech, Inc.)製商品名)等が挙げ
られる。
上記(メタ)アクリレートのうち、3官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては
、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ
)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロー
ルプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレー
ト、カウプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエ
リスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、及びカプロラクタム変性ジペンタエ
リスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、これらの中でも、その他の重合性化合物は単官能(メタ)アクリレートを含むこ
とが好ましい。この場合、インク組成物が低粘度となり、光重合開始剤その他の添加剤の
溶解性に優れ、かつ、吐出安定性が得られやすい。さらにインク塗膜の強靭性、耐熱性、
及び耐薬品性が増すため、単官能(メタ)アクリレートと2官能(メタ)アクリレートと
を併用することがより好ましい。
さらに、上記単官能(メタ)アクリレートは、芳香環骨格、飽和脂環骨格、及び不飽和
脂環骨格からなる群より選択される1種以上の骨格を有することが好ましい。上記その他
の重合性化合物が上記骨格を有する単官能(メタ)アクリレートであることにより、イン
ク組成物の粘度を低下させることができる。
芳香環骨格を有する単官能(メタ)アクリレートとして、例えば、フェノキシエチル(
メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート
が挙げられる。また、飽和脂環骨格を有する単官能(メタ)アクリレートとして、例えば
、イソボルニル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート
及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、不飽和脂環骨格を有
する単官能(メタ)アクリレートとして、例えば、ジシクロペンテニルオキシエチル(メ
タ)アクリレートが挙げられる。
これらの中でも、粘度及び臭気を低下させることができるため、フェノキシエチル(メ
タ)アクリレートが好ましい。
モノマーA以外の重合性化合物の含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に
対し、好ましくは10〜35質量%である。含有量が上記範囲内であると、添加剤の溶解
性に優れ、かつ、インク塗膜の強靭性、耐熱性、及び耐薬品性に優れる。
上記の重合性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
〔光重合開始剤〕 本実施形態のインク組成物に含まれる光重合開始剤は、紫外光の照射
による光重合によって、被記録媒体の表面に存在するインクを硬化させて印字を形成する
ために用いられる。放射線の中でも紫外光(UV)を用いることにより、安全性に優れ、
且つ光源ランプのコストを抑えることができる。
上記の光重合開始剤は、上記のとおり、アシルフォスフィン系光重合開始剤及びチオキサントン系光重合開始剤を含有する。これにより、インクの硬化性を優れたものとできることに加え、印刷後初期の硬化膜の着色を防止することもできる。
これに加えて、アシルフォスフィン系光重合開始剤及びチオキサントン系光重合開始剤の合計の含有量は、上記のとおり、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、9〜14質量%であり、好ましくは10〜13質量%であり、より好ましくは11〜13質量%である。これらのインク中における総含有量が上記範囲内である場合、インクの硬化性及び吐出安定性に極めて優れる。特に、含有量が9質量%以上であると、粘度が比較的高くなり、画像の汚れの原因であるミストの増加を防止できるため、インクの吐出安定性に優れる。
(アシルフォスフィン系光重合開始剤) 本実施形態における光重合開始剤は、アシルフォスフィン系光重合開始剤、すなわちアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤(以下、単に「アシルフォスフィンオキサイド」ともいう。)を含む。これにより、特にインクの硬化性に優れ、かつ、印刷後初期の硬化膜の着色、及び硬化膜の経時後の着色を防止できる(硬化膜の初期着色度が小さくなる。)。
このアシルフォスフィンオキサイドとして、特に限定されないが、例えば、2、4,6
−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリエチル
ベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリフェニルベンゾイル
−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フ
ェニルフォスフィンオキサイド、及びビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,
4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイドが挙げられる。
アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の市販品としては、例えば、DAROC
UR TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド
)、IRGACURE 819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニル
フォスフィンオキサイド)、及びCGI 403(ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル
)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド)が挙げられる。
また、上記のアシルフォスフィンオキサイドは、モノアシルフォスフィンオキサイドを
含むことが好ましい。これにより、光重合開始剤が十分に溶解して硬化が十分に進行する
とともに、インクの硬化性に優れる。
このモノアシルフォスフィンオキサイドとして、特に限定されないが、例えば、2,4
,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリエ
チルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリフェニルベンゾ
イル−ジフェニルフォスフィンオキサイドが挙げられる。これらの中でも、2,4,6−
トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイドであることが好ましい。
モノアシルフォスフィンオキサイドの市販品としては、例えば、DAROCUR TP
O(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド)が挙げら
れる。
本実施形態における光重合開始剤は、重合性化合物への溶解性及びインク塗膜の内部硬
化性に優れ、且つ初期着色度が小さくなるため、モノアシルフォスフィンオキサイドであ
るか、又は、モノアシルフォスフィンオキサイドとビスアシルフォスフィンオキサイドと
の混合物であることが好ましい。
なお、上記のビスアシルフォスフィンオキサイドとして、特に限定されないが、例えば
、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキ
サイドが挙げられる。これらの中でも、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フ
ェニルフォスフィンオキサイドであることが好ましい。
アシルフォスフィンオキサイドの含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に
対し、8〜11質量%の範囲が好ましく、10〜11質量%の範囲がより好ましい。含有
量が上記範囲内であると、インクの硬化性に優れ、かつ、硬化膜の初期着色度が小さい。
(チオキサントン系光重合開始剤) 本実施形態における光重合開始剤は、チオキサント
ン系光重合開始剤(以下、単に「チオキサントン」ともいう。)を含む。これにより、イ
ンクの硬化性に優れ、かつ、特に硬化膜の初期着色度が小さくなる。
チオキサントンの中でも、アシルフォスフィンオキサイドへの増感効果、重合性化合物
に対する溶解性、及び安全性に優れるため、2,4−ジエチルチオキサントンが好ましい
チオキサントンの市販品としては、例えば、KAYACURE DETX−S(2,4
−ジエチルチオキサントン)(日本化薬社(Nippon Kayaku Co., Ltd.)製商品名)IT
X(BASF社製)、Quantacure CTX(Aceto Chemical社製)が挙げられる。
チオキサントンの含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、1〜3質
量%の範囲が好ましく、2〜3質量%の範囲がより好ましい。含有量が上記範囲内である
と、インクの硬化性に優れ、かつ、硬化膜の初期着色度が小さくなる。
また、その他の光重合開始剤としては、Speedcure TPO(2,4,6−ト
リメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド)、Speedcure D
ETX(2,4−ジエチルチオキサンテン−9−オン)(以上、Lambson社製商品名)な
どが挙げられる。
〔色材〕 本実施形態のインク組成物は、色材をさらに含んでもよい。色材は、顔料を用
いることができる。
(顔料) 本実施形態において、色材として顔料を用いることにより、インク組成物の耐
光性を向上させることができる。顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用すること
ができる。
無機顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャ
ネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック 7)類、酸化鉄、酸
化チタンを使用することができる。
有機顔料としては、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等
のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キ
ナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタ
ロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キ
レート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニト
ロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料が挙げられる。
更に詳しくは、ブラックインクとして使用されるカーボンブラックとしては、No.2
300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等(以上、三菱化学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製商品名)、Raven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven 1255、Raven 700等(以上、コロンビアカーボン(Carbon Columbia)社製商品名)、Rega 400R、Rega 330R、Rega 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等(キャボット社(CABOT JAPAN K.K.)製商品名)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color Back S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4等(以上、デグッサ(Degussa)社製商品名)が挙げられる。
ホワイトインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメント ホワイト 6、18
、21が挙げられる。また、ホワイト顔料として使用可能な金属原子含有化合物も用いる
ことができ、例えば、従来から白色顔料として用いられている金属酸化物、硫酸バリウム
や炭酸カルシウムが挙げられる。上記の金属酸化物としては、特に制限されないが、例え
ば、二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム等が挙げられる。
イエローインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメント イエロー 1,2,
3,4,5,6,7,10,11,12,13,14,16,17,24,34,35,
37,53,55,65,73,74,75,81,83,93,94,95,97,9
8,99,108,109,110,113,114,117,120,124,128
,129,133,138,139,147,151,153,154,155,167
,172,180が挙げられる。
マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメント レッド 1,2,3
,4,5,6,7,8,9,10,11,12,14,15,16,17,18,19,
21,22,23,30,31,32,37,38,40,41,42,48(Ca),
48(Mn),57(Ca),57:1,88,112,114,122,123,14
4,146,149,150,166,168,170,171,175,176,17
7,178,179,184,185,187,202,209,219,224,24
5,又はC.I.ピグメント ヴァイオレット 19,23,32,33,36,38,
43,50が挙げられる。
シアンインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメント ブルー 1,2,3,
15,15:1,15:2,15:3,15:34,15:4,16,18,22,25
,60,65,66,又はC.I.バット ブルー 4,60が挙げられる。
また、マゼンタ、シアン及びイエロー以外の顔料としては、例えば、C.I.ピグメン
ト グリーン 7,10,又はC.I.ピグメント ブラウン 3,5,25,26,又
はC.I.ピグメント オレンジ 1,2,5,7,13,14,15,16,24,3
4,36,38,40,43,63が挙げられる。
上記顔料は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記の顔料を使用する場合、その平均粒子径は2μm以下が好ましく、30〜300n
mがより好ましい。平均粒子径が上記の範囲内にあると、インク組成物における吐出安定
性や分散安定性などの信頼性に一層優れるとともに、優れた画質の画像を形成することが
できる。ここで、本明細書における平均粒子径は、動的光散乱法により測定される。
色材の含有量は、良好な発色性を有し、色材自身の光吸収によるインク塗膜の硬化阻害
を低減できるため、インク組成物の総質量(100質量%)に対して、CMYKの場合1
.5〜6質量%の範囲が好ましく、Wの場合15〜30質量%の範囲が好ましい。
〔分散剤〕 本実施形態のインク組成物が顔料を含む場合、顔料分散性をより良好なもの
とするため、分散剤をさらに含んでもよい。分散剤として、特に限定されないが、例えば
、高分子分散剤などの顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。そ
の具体例として、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマー及
びコポリマー、アクリル系ポリマー及びコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイ
ミド、ポリウレタン、アミン系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポ
リマー、及びエポキシ樹脂のうち一種以上を主成分とするものが挙げられる。
高分子分散剤の市販品として、味の素ファインテクノ社製のアジスパーシリーズ(商品
名)、ルーブリゾール社(Lubrizol Corporation)から入手可能なソルスパーズシリーズ
(Solsperse 36000、Solsperse 32000等、商品名)、B
YKChemie社製のディスパービックシリーズ(商品名)、楠本化成社製のディスパ
ロンシリーズ(商品名)が挙げられる。
〔レベリング剤〕 本実施形態のインク組成物は、印刷基材への濡れ性が良好となるため
、レベリング剤(界面活性剤)をさらに含んでもよい。レベリング剤としては、特に限定
されないが、例えば、シリコーン系界面活性剤として、ポリエステル変性シリコーンやポ
リエーテル変性シリコーンを用いることができ、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサ
ン又はポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを用いることが特に好ましい。具体例と
しては、BYK−347、BYK−348、BYK−UV3500、3510、3530
、3570(ビックケミー・ジャパン社(BYK Japan KK)製商品名)を挙げることができ
る。
〔重合禁止剤〕 本実施形態のインク組成物は、インク組成物の保存安定性を良好なもの
とするため、重合禁止剤をさらに含んでもよい。重合禁止剤としては、特に限定されない
が、例えば、IRGASTAB UV10及びUV22(BASF社製商品名)、ハイドロキ
ノンモノメチルエーテル(MEHQ、関東化学社(KANTO CHEMICAL CO., INC)製商品名
)を用いることができる。
〔その他の添加剤〕 本実施形態のインク組成物は、上記に挙げた添加剤以外の添加剤(
成分)を含んでもよい。このような成分としては、特に制限されないが、例えば従来公知
の、重合促進剤、浸透促進剤、及び湿潤剤(保湿剤)、並びにその他の添加剤があり得る
。上記のその他の添加剤として、例えば従来公知の、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止
剤、紫外光吸収剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤が挙げられる。
〔インク組成物の物性〕 本実施形態のインク組成物は、20℃での粘度が15mPa・
s以下であることが好ましく、9〜14mPa・sであることがより好ましい。粘度が上
記範囲内であると、光重合開始剤その他の添加剤の溶解性に優れ、かつ、吐出安定性が得
られやすい。なお、本明細書における粘度は、DKSHジャパン社(DKSH Japan K.K.)
製のレオメーターMCR300を用いて測定した値である。また、本実施形態のインク組
成物は、発光ピーク波長が365〜405nmの範囲にある紫外光を照射することにより
硬化可能である。
ここで、これらの組成で構成された紫外線硬化型インクのひとつ(本実施形態では、図
4に示す組成を有するブラックインク)を用い、互いに異なる2種類のシートMの各々に
線像(ドットライン)を形成した場合の線幅の変化を調べると、図5に示すようにシート
Mの種類によって第1時間T1が相違することがわかった。なお、同図中のシートMの基
材として広く使用されているもののうち、代表的な2種類、
基材A…PET基材(Avery Dennison Fasson社製 72825)
基材B…PE基材(Avery Dennison Fasson社製 76911)
を用いている。基材AのシートMを用いる場合、シートM上に形成されたインクドットは
比較的広がりやすく、ドット形成から極僅かの時間(数[msec]程度)でノズルピッ
チNPを越え、さらに大きく広がっており、第1時間T1(線幅がノズルピッチNP(=
42[μm])の2倍の84[μm]に広がる時間)は約50[msec]であった。一
方、基材BのシートMを用いる場合、インクドットの広がりは小さく、ドット形成から僅
かの時間(約20[msec])でノズルピッチNPを越えるものの、500[msec
]以上計測したが、その線幅はノズルピッチNPの2倍に達することはなく、約65[μ
m]程度に止まっている。
このようにシートM上でのインクドットの広がり態様がシートMの種類によって異なる場合があるが、いずれの場合についても良好な画質で画像を記するためには、予め上記したようにシート毎に第1時間T1を計測した上で、それらのうち最も短い値を上記「照射までの時間T」に設定すればよい。このように構成することで、いずれの基材で構成されたシートMについても、紫外線によるノズル詰まりを防止しながら優れた画質で画像を記録することができる。なお、カラー画像を形成するために、色毎にインク組成が異なって第1時間T1もインク毎に異なる可能性があるが、これについてもプリンター1で使用するインクに上記計測を行って適切な第1時間T1を選定し、これに適合する搬送速度でシートMを搬送するように構成すればよい。
図6は本発明にかかる画像記録装置の第2実施形態(プリンター)の主要構成を示す図
である。この第2実施形態が第1実施形態と大きく相違する点は、搬送方向Dsにおいて
ドット形成位置Pdと紫外線照射位置Pi1との間の位置Pi2でシートM上のインクドット
に紫外線を照射する紫外線照射ユニット35が追加されている点である。ここでは、2つ
の位置Pi1、Pi2を区別するとともに、2つの紫外線照射ユニット34、35を区別する
ため、紫外線照射ユニット34を「第1紫外線照射ユニット」とし、それにより紫外線を
照射する位置Pi1を「第1紫外線照射位置」と称する一方、紫外線照射ユニット35を「
第2紫外線照射ユニット」とし、それにより紫外線を照射する位置Pi2を「第2紫外線照
射位置」と称する。
この第2実施形態において2種類の紫外線照射ユニット34、35を設けた理由は、イ
ンク硬化を仮硬化と本硬化の二段階に分けて実行する点にある。つまり、第2紫外線照射
ユニット35は単位面積当たりの積算光量が、例えば第1紫外線照射ユニット34の積算
光量の5分の1以下の積算光量となる紫外線を照射することで、インクドットDTの形状
が崩れない程度にインクを仮硬化させるものであり、インクドットDTを完全に硬化させ
てインクドットDTの広がりを停止させるものではない。また、記録ヘッド33のノズル
面333に対し、第2紫外線照射ユニット35から放出される紫外線が照射されたとして
も、積算光量が小さいために、所定の稼働時間内であればノズルの目詰まりは発生しない
。一方、第1紫外線照射ユニット34は第1実施形態と同様に大きい積算光量をインクド
ットDTに照射することで、インクドットDTを本硬化させるものである。
このようにインクを仮硬化させる、つまりピニング処理を行う場合、図7に示すように
、第1時間T1を大幅に長くすることが可能となる。例えば基材Aで構成されたシートM
に対して本硬化のみを施す場合(第1実施形態)、第1時間T1は50[msec]であ
ったが、ドット形成から20[msec]経過した時点で仮硬化させると、第1時間T1
は200[msec]以上に延びた。また、基材A、Bと異なる基材C(合成紙 リンテ
ック社製 ユポ)で構成されたシートMに対して同様の計測を行ったところ、本硬化のみ
を施す場合、第1時間T1は約45[msec]であったが、ドット形成から20[ms
ec]経過した時点で仮硬化させると、第1時間T1は100[msec]程度に延びた
。このように適当な第2紫外線照射位置Pi2でピニング処理を行うことによって搬送速度
の設定可能範囲が広がる。
また、別の視点から見れば、ピニング処理を実行することでドット形成位置Pdから第1紫外線照射位置Pi1までの距離をより長く設定することが可能となり、これによって設計自由度を高めることができる。さらに、特許文献2に記載の装置と同様に、搬送方向Dsに並んだ複数の紫外線照射ユニットのうち最も下流側の紫外線照射ユニットを「第1紫外線照射ユニット34」として構成する一方、残りの紫外線照射ユニットを「第2紫外線照射ユニット35」として構成することも可能であり、この場合、最も下流側の紫外線照射ユニット34が上記した配設条件および搬送速度条件を満足するように構成すればよい。
以上のように、上記実施形態では、プリンター1が本発明の「画像記録装置」の一例に
相当し、シートMが本発明の「記録媒体」の一例に相当し、シートMの裏面が本発明の「
一方主面」に相当し、シートMの表面が本発明の「他方主面」に相当し、プラテンドラム
30が本発明の「支持部材」の一例に相当し、搬送方向Dsが本発明の「搬送方向」に相
当している。また、紫外線照射ユニット34、35がそれぞれ本発明の「第1放射線照射
部」および「第2放射線照射部」の一例に相当し、紫外線が本発明の「放射線」の一例に
相当している。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りに
おいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記実施形
態では、円筒形状のプラテンドラム30でシートMを支持して搬送しているが、プラテン
ドラム30の形状は円筒形状に限定されるものではない。例えば、太鼓橋形状や円弧形状
であってもよい。また、ドラム30の代わりに複数のローラーに掛け渡されたベルトでシ
ートMを支持して搬送しながら一のローラーに掛け渡された領域でインクドット形成およ
び紫外線照射を行う画像記録装置に対しても本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では紫外線硬化型インクを用いて画像を記録しているため、硬化処
理のために紫外線照射ユニット34を用いるとともに、ピニング処理のために紫外線照射
ユニット35を用いているが、他の波長域の放射線により硬化する放射線硬化型インクを
用いる画像記録装置に対しても本発明を適用することができ、当該波長域の放射線を照射
する放射線照射ユニットを紫外線照射ユニット34、35の代わりに本発明の「第1放射
線照射部」および「第2放射線照射部」の一例として用いればよい。
また、上記の実施形態では、開口部を塞ぐように透過性光学部材344を設けたが、設
けない構成としてもよい。
1…プリンター(画像記録装置)、 3…プロセス部、 200…プリンター制御部(
制御部)、 30…プラテンドラム(支持部材)、 30s…曲面、 33…記録ヘッド
、 34…(第1)紫外線照射ユニット、 35…(第2)紫外線照射ユニット、 33
1…吐出口、 332…ノズル、333…ノズル面、 343…発光素子(光源)、 3
44…透過性光学部材、 Ds…搬送方向、 DT…インクドット、 M…シート(記録
媒体)、 Ms…(シートの)表面、 NP…ノズルピッチ、 Pd…ドット形成位置、
Pi1…(第1)紫外線照射位置、 Pi2…(第2)紫外線照射位置、 VP…仮想平面

Claims (4)

  1. 曲面を有し、前記曲面で記録媒体の一方主面を支持しながら前記記録媒体を搬送方向に搬送する支持部材と、
    放射線硬化型インクを吐出する複数の吐出口を一定のノズルピッチで配置したノズル面を前記曲面で支持される前記記録媒体の他方主面に向けた状態で各吐出口から放射線硬化型インクを吐出し、前記記録媒体に着弾させてインクドットを形成するヘッドと、
    前記インクドットが形成されるドット形成位置から前記搬送方向の下流側に離れた第1放射線照射位置で前記インクドットに第1放射線を照射して硬化させる第1放射線照射部と、
    前記支持部材により搬送される前記記録媒体の搬送速度を制御する制御部とを備え、
    前記第1放射線照射部は、前記第1放射線を発生させる光源と、前記光源から出射された前記第1放射線の前記第1放射線照射部外部への放出範囲を規定する開口部と、を有し、
    前記開口部は、前記ノズル面を構成する辺のうち最も前記第1放射線照射部に近い辺を通って前記曲面と接する仮想平面を境として、該境よりも前記支持部材側に配置され、
    前記制御部は、前記インクドットの形成直後から前記インクドットの直径が前記ノズルピッチの2倍と等しくなるまでの時間が前記記録媒体の種類により相違するとき、前記記録媒体の種類毎の前記時間において最も短い時間を第1時間とし、前記第1時間と同じもしくは前記第1時間よりも短い第2時間の間に、前記ドット形成位置に形成された前記インクドットが前記第1放射線照射位置に移動するように前記搬送速度を制御する
    ことを特徴とする画像記録装置。
  2. 請求項1に記載の画像記録装置であって、
    前記ドット形成位置から前記搬送方向の下流側に離れ、且つ、前記第1放射線照射位置から前記搬送方向の上流側に離れた第2放射線照射位置に配置された第2放射線を放射する第2放射線照射部を備え、
    前記第2放射線照射部が前記記録媒体の単位面積あたりに照射する前記第2放射線の第2積算光量は、前記第1放射線照射部が前記記録媒体の前記単位面積あたりに照射する前記第1放射線の第1積算光量の5分の1以下である画像記録装置。
  3. 請求項1または2に記載の画像記録装置であって、
    前記インクドットに照射される前記第1放射線の積算光量が前記記録媒体上での前記インクドットの広がりを停止させるのに必要な積算光量以上となるように、前記光源を制御する画像記録装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の画像記録装置であって、
    前記支持部材は円筒型のドラムである画像記録装置。
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