JP6070365B2 - 印刷装置 - Google Patents

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本発明は、印刷装置に関する。
紫外線(UV)の照射を受けることによって硬化するインク(UVインク)を用いて印刷を行うインクジェット方式の印刷装置が知られている。このような印刷装置では、UV照射装置から照射されたUVがインク吐出ヘッドのノズル面に入射することによって、該ノズル面においてUVインクが硬化してしまい、ノズルの目詰まりが生じるという問題がある。これに対して、特許文献1では、UV照射装置をインク吐出ヘッドから遠ざかる方向に傾けてノズル面にUVが入射しにくいようすることで、ノズルの目詰まりを抑制する方法が提案されている。また、特許文献2では、ノズル面に付着したUVインクに対してワイピング等を実施してクリーニングすることで、ノズルの目詰まりを抑制する方法が提案されている。
特開2004-284141号公報 特開2004-338223号公報
特許文献1の方法は、インク吐出ヘッドとUV照射装置が媒体の搬送方向に交互に並ぶラインプリンター等に適用することが難しかった。このようなラインプリンターでは、UV照射装置を傾けた方向にもインク吐出ヘッドが存在するため、UV照射装置を傾けた方の吐出ヘッドにおいてノズルの目詰まりが生じ易くなるからである。また、特許文献2の方法は、UVインクの特性(例えば色の違い)によってクリーニング性が異なるため、ノズル目詰まりを十分に抑制することは難しかった。
本発明は、UVインクを用いて印刷を行うラインプリンターにおいて、インク吐出ヘッドに設けられたノズルの目詰まりを抑制することを目的としている。
上記目的を達成するための主たる発明は、媒体を支持する支持部材と、前記支持部材に支持された前記媒体を搬送方向へ搬送する搬送装置と、前記媒体に放射線硬化型の第1インクを吐出する第1ヘッドと、前記第1ヘッドよりも前記搬送方向の下流側に配置され、前記媒体に放射線硬化型の第2インクを吐出する第2ヘッドと、前記搬送方向において、前記第1ヘッドと前記第2ヘッドとの間に配置され、前記第1ヘッドから前記媒体に吐出された前記第1インクに、前記第1インクが完全に硬化しない程度の放射線を照射する第1照射部と、前記搬送方向において、前記第2ヘッドの下流側に配置され、前記第2ヘッドから前記媒体に吐出された前記第2インクに、前記第2インクが完全に硬化しない程度の放射線を照射する第2照射部と、を備え、
前記第1ヘッドと前記第1照射部との距離は、前記第1照射部と前記第2ヘッドとの距離及び前記第2ヘッドと前記第2照射部との距離よりも短く、前記第1インクにおける3官能以上の多官能モノマーの含有率は、前記第2インクにおける3官能以上の多官能モノマーの含有率よりも小さいことを特徴とする印刷装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
プリンター1の全体構成を示すブロック図である。 プリンター1の基本構成を表した概略側面図である。 図3Aは、ヘッドユニット30の第1ヘッド31及び第2ヘッド32における複数の短尺ヘッドの配置を説明する図である。図3Bは、各短尺ヘッドの下面に配置されるノズル列の様子を説明する図である。 短尺ヘッドの構造を示した断面図である。 ノズルの目詰まりについて説明する図である。 クリーニング性を向上させることが可能なプリンター1の構成を表す概略側面図である。 仮硬化用のUV照射エネルギーの大きさと、各色インクのクリーニング性との関係を表す図である。 第1実施形態で用いられるKCMYの各色UVインクの組成を表す図である。 変形例におけるプリンター2の構成を表す概略側面図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
媒体を支持する支持部材と、前記支持部材に支持された前記媒体を搬送方向へ搬送する搬送装置と、前記媒体に放射線硬化型の第1インクを吐出する第1ヘッドと、前記第1ヘッドよりも前記搬送方向の下流側に配置され、前記媒体に放射線硬化型の第2インクを吐出する第2ヘッドと、前記搬送方向において、前記第1ヘッドと前記第2ヘッドとの間に配置され、前記第1ヘッドから前記媒体に吐出された前記第1インクに、前記第1インクが完全に硬化しない程度の放射線を照射する第1照射部と、前記搬送方向において、前記第2ヘッドの下流側に配置され、前記第2ヘッドから前記媒体に吐出された前記第2インクに、前記第2インクが完全に硬化しない程度の放射線を照射する第2照射部と、を備え、
前記第1ヘッドと前記第1照射部との距離は、前記第1照射部と前記第2ヘッドとの距離及び前記第2ヘッドと前記第2照射部との距離よりも短く、前記第1インクにおける3官能以上の多官能モノマーの含有率は、前記第2インクにおける3官能以上の多官能モノマーの含有率よりも小さいことを特徴とする印刷装置。
このような印刷装置によれば、印刷装置のインク吐出ヘッドに設けられたノズルの目詰まりを抑制することが可能になる。
かかる印刷装置であって、前記第1インクの色はマゼンタであり、前記第2インクの色はシアンまたはブラックのいずれか一方である、ことが望ましい。
このような印刷装置によれば、照射部からの距離が近い第1ヘッドからクリーニング性の良いマゼンタインクを吐出し、照射部からの距離が遠い第2ヘッドからクリーニング性の悪いシアンまたはブラックインクを吐出することで、ノズル面を効率的にクリーニングできるようになり、ノズルの目詰まりを抑制することができる。
かかる印刷装置であって、前記3官能以上の多官能モノマーとして、少なくとも6官能モノマーを有する、ことが望ましい。
このような印刷装置によれば、第1インクでは、多官能モノマーである6官能モノマーの含有率を小さくすることで、クリーニングを行う際に、硬化したインクが洗浄液に溶解しやすくなるため、ノズルの目詰まりを抑制しやすくなる。
かかる印刷装置であって、前記第1ヘッドのノズル面及び前記第2ヘッドのノズル面をクリーニングするための洗浄液を供給する洗浄液供給部を備え、前記洗浄液に対する硬化した前記第2インクの溶解度は、前記洗浄液に対する硬化した前記第1インクの溶解度よりも小さい、ことが望ましい。
このような印刷装置によれば、硬化した第1のインクは、硬化した第2のインクよりも洗浄液に溶解しやすくなるため、照射部と近い位置のノズルであっても、クリーニングを行うことによってノズルの目詰まりを抑制しやすくなる。
かかる印刷装置であって、前記支持部材は曲面を有し、前記第1ヘッド及び前記第2ヘッドと、前記第1照射部及び前記第2照射部とは、前記曲面に沿って配置されている、ことが望ましい。
このような印刷装置によれば、ドラム搬送型の印刷装置において、ノズルの目詰まりを抑制することができる。
かかる印刷装置であって、前記第1ヘッドよりも前記搬送方向の上流側に配置され、前記媒体に放射線硬化型の第3インクを吐出する第3ヘッドと、前記搬送方向において、前記第1ヘッドと前記第3ヘッドとの聞に配置され、前記第3ヘッドから前記媒体に吐出された前記第3インクに、前記第3インクが完全に硬化しない程度の放射線を照射する第3照射部と、を備え、前記第3照射部と前記第1ヘッドとの距離は、前記第3ヘッドと前記第3照射部との距離、前記第1照射部と前記第2ヘッドとの距離、及び、前記第2ヘッドと前記第2照射部との距離よりも短く、前記第1インクにおける3官能以上の多官能モノマーの含有率は、前記第3インクにおける3官能以上の多官能モノマーの含有率よりも小さい、ことが望ましい。
このような印刷装置によれば、第3インクを用いて印刷を行うことができる。その際、第1インクを吐出する第1ヘッドよりも照射部から遠い位置に配置される第3ヘッドから第3インクを吐出させることで、第3ヘッドにおいて、ノズルの目詰まりを生じにくくすることができる。
かかる印刷装置であって、前記第2インクの色がシアンである場合は、前記第3インクの色はブラックであり、前記第2インクの色がブラックである場合は、前記第3インクの色はシアンである、ことが望ましい。
このような印刷装置によれば、硬化した時の溶解度が低いシアン及びブラックの色のインクを照射部から遠い位置に配置される第1ヘッドもしくは第3ヘッドから吐出することにより、両ヘッドにおいてノズルの目詰まりを生じにくくすることができる。
かかる印刷装置であって、前記第2ヘッドよりも前記搬送方向の下流側に配置され、前記媒体に放射線硬化型の第4インクを吐出する第4ヘッドと、前記搬送方向において、前記第4ヘッドよりも前記搬送方向の下流側に配置され、前記第4ヘッドから前記媒体に吐出された前記第4インクに、前記媒体に着弾した後の前記第4インクが前記媒体上で濡れ広がるのを停止する程度の放射線を照射する第4照射部と、を備え、前記第4インクの色はイエローであり、前記第4インクにおける3官能以上の多官能モノマーの含有率は、前記第2インク及び前記第3インクにおける3官能以上の多官能モノマーの含有率よりも小さい、ことが望ましい。
このような印刷装置によれば、第4のインクとしてイエローを用いて印刷を行うことができる。イエローは、多官能モノマーである6官能モノマーの含有率が低いため、硬化した時に洗浄液に溶解しやすく、照射部から近い位置に配置される第4ヘッドから吐出する場合でも、ノズルの目詰まりが生じにくくなる。
かかる印刷装置であって、前記第3インクの色としてシアンを採用した時のガマットの広さと、前記第3インクの色としてブラックを採用した時のガマットの広さとを比較して、ガマットが広い方の色が前記第3インクの色として設定される、ことが望ましい。
このような印刷装置によれば、より広い色域で高画質な画像を印刷することができる。
===印刷装置の基本的な構成===
はじめに、印刷装置の形態として、ラインプリンター(プリンター1)の一般的な構成について説明する。プリンター1は、紙、布、フィルムシート等の被記録媒体(以下、単に媒体とも呼ぶ)に向けて、インク等の液体を吐出することで画像を記録する印刷装置である。プリンター1は、インクジェット方式のプリンターであるが、かかるインクジェット方式プリンターは、インクを吐出して印刷可能な印刷装置であれば、いかなる吐出方法を採用した装置でも良い。
図1は、プリンター1の全体構造を示すブロック図である。プリンター1は、搬送ユニット20、ヘッドユニット30、照射ユニット40、検出器群50、コントローラー60、及びクリーニング機構70を有する。コントローラー60は、外部装置であるコンピューター110から受信した印刷データに基づいてヘッドユニット30や照射ユニット40等の各ユニットを制御する制御部である。プリンター1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は検出結果をコントローラー60に出力する。コントローラー60は検出器群50から出力された検出結果に基づいて各ユニットを制御する。
<コンピューター110>
プリンター1は、外部装置であるコンピューター110と通信可能に接続されている。コンピューター110にはプリンタードライバーがインストールされている。プリンタードライバーは、表示装置にユーザーインターフェースを表示させ、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換させるためのプログラムである。このプリンタードライバーは、フレキシブルディスクFDやCD−ROMなどの記録媒体(コンピューターが読み取り可能な記録媒体)に記録されている。また、プリンタードライバーはインターネットを介してコンピューター110にダウンロードすることも可能である。なお、このプログラムは、各種の機能を実現するためのコードから構成されている。
コンピューター110はプリンター1に画像を印刷させるため、印刷させる画像に応じた印刷データをプリンター1に出力する。印刷データは、プリンター1が解釈できる形式のデータであって、各種のコマンドデータと、画素データとを有する。コマンドデータとは、プリンター1に特定の動作の実行を指示するためのデータである。このコマンドデータには、例えば、媒体供給を指示するコマンドデータ、媒体の搬送量を示すコマンドデータ、媒体排出を指示するコマンドデータがある。また、画素データは、印刷される画像の画素に関するデータである。
ここで、画素とは画像を構成する単位要素であり、この画素が2次元的に並ぶことにより画像が構成される。印刷データにおける画素データは、媒体(例えば紙Sなど)上に形成されるドットに関するデータ(例えば、階調値)である。画素データは画素毎に、例えば2ビットのデータによって構成される。この2ビットの画素データは1つの画素を4階調で表現できるデータである。
<搬送ユニット20>
図2に、プリンター1の基本構成を表した概略側面図を示す。
搬送ユニット20は、媒体を支持しつつ所定の方向(以下、搬送方向という)に搬送させるためのものである。すなわち、搬送ユニット20は、上方に固定されているヘッドユニット30(後述)に対して、媒体を支持しながら相対的に移動させる。この搬送ユニット20は、搬送方向上流側の上流側搬送ローラー23A及び搬送方向下流側の下流側搬送ローラー23Bと、ベルト24とを有する(図2)。不図示の搬送モーターが回転すると、上流側搬送ローラー23A及び下流側搬送ローラー23Bが回転し、ベルト24が回転する。媒体供給ローラー(不図示)によって供給された媒体は、ベルト24によって印刷可能な領域(後述するヘッドユニット30等と対向する領域)まで搬送される。印刷可能な領域を通過した媒体はベルト24によって外部へ排出される。なお、搬送中の媒体はベルト24に静電吸着又はバキューム吸着されている。つまり、ベルト24は媒体を支持する支持部材でもある。
<ヘッドユニット30>
ヘッドユニット30は、媒体にインクを吐出するためのものである。ヘッドユニット30はインクの色毎に設けられ、搬送中の媒体に対して各色インクを吐出することによって多数のインクドット(インク液滴)を形成し、媒体上に画像を印刷する。図2で説明されるプリンター1はラインプリンターであり、ヘッドユニット30は搬送される媒体の上方に固定されている。そして、ヘッドユニット30の各ヘッドは媒体幅分のドットを一度に形成することができる。
ヘッドユニット30は、第1ヘッド31及び第2ヘッド32を備える。図2に示されるように、プリンター1では搬送方向の上流側に第1ヘッド31が設けられ、第1ヘッド31の搬送方向下流側に第2ヘッド32が設けられる。第1ヘッド31は第1のインクを吐出し、第2ヘッド32は第2のインクを吐出する。図2では、第1ヘッド31及び第2ヘッド32の2つのヘッドが搬送方向に並んでいるが、ヘッドの数は、印刷に使用されるインクの色の種類や印刷装置の仕様等に応じて適宜変更可能である。
本実施形態において、ヘッドユニット30から吐出されるインクは、放射線の照射を受けることによって硬化する放射線硬化型インクである。本明細書中では、紫外線(UV)の照射によって硬化する紫外線硬化性インク(以下、UVインクとも呼ぶ)を用いて印刷を行う例について説明する。紫外線硬化性インク(UVインク)の詳細については後で説明する。
各ヘッドは各々、複数の短尺ヘッドから構成され、各短尺ヘッドはUVインクを吐出するための吐出口であるノズルを複数備えている。
図3Aは、ヘッドユニット30の第1ヘッド31及び第2ヘッド32における複数の短尺ヘッドの配置を説明する図である。図3Bは、各短尺ヘッドの下面に配置されるノズル列の様子を説明する図である。なお、図3A及び図3Bはノズルを上面から仮想的に見た図である。図4は、短尺ヘッドの構造を示した断面図である。
第1ヘッド31では、媒体の搬送方向と交差する方向である媒体の幅方向に沿って、8個の短尺ヘッドが千鳥列状に並んでいる。同様に、第2ヘッド32も8個の短尺ヘッドが千鳥列状に並んでいる。ただし、各ヘッドを構成する短尺ヘッドの数は8個より多くてもよいし、少なくてもよい。
各短尺ヘッドには複数のノズル列が形成されている(図3B)。ノズル列は、インクを吐出するノズルをそれぞれ180個ずつ備えており、該ノズルは媒体の幅方向に沿って#1〜#180まで一定のノズルピッチ(例えば360dpi)で並んでいる。図3Bの場合は2列のノズル列が平行に並んでおり、各ノズル列のノズル同士は媒体の幅方向に720dpiずつずれた位置に設けられている。なお、1列のノズル数は180個には限られない。例えば、1列に360個のノズルを備えていても良いし、90個のノズルを備えていてもよい。また、各短尺ヘッドに設けられるノズル列の数も2列には限られない。
各短尺ヘッドは、ケース311と、流路ユニット312と、ピエゾ素子群PZTとを有する(図4)。ケース311はピエゾ素子群PZTを収納し、ケース311の下面に流路ユニット312が接合されている。流路ユニット312は、流路形成板312aと、弾性板312bと、ノズルプレート312cとを有する。流路形成板312aには、圧力室312dとなる溝部、ノズル連通口312eとなる貫通口、共通インク室312fとなる貫通口、インク供給路312gとなる溝部が形成されている。弾性板312bはピエゾ素子PZTの先端が接合されるアイランド部312hを有する。そして、アイランド部312hの周囲には弾性膜312iによる弾性領域が形成されている。インクカートリッジに貯留されたインクが、共通インク室312fを介して、各ノズルNzに対応した圧力室312dに供給される。ノズルプレート312cはノズルNzが形成されたプレートである。
ピエゾ素子群は、櫛歯状の複数のピエゾ素子PZT(駆動素子)を有し、ノズルNzに対応する数分だけ設けられている。ピエゾ素子群はユニット制御回路64により生成される駆動信号により駆動される。具体的には、配線基板であるフレキシブルケーブル(不図示)によってピエゾ素子PZTに駆動信号が印加され、駆動信号の電位に応じてピエゾ素子は上下方向に伸縮する。ピエゾ素子PZTが伸縮すると、図4に示されるアイランド部312hは圧力室312d側に押されたり、反対方向に引かれたりする。このとき、アイランド部312h周辺の弾性膜312iが変形し、圧力室312d内の圧力が上昇・下降することにより、ノズルからインク滴が噴出される。
<照射ユニット40>
照射ユニット40は、ヘッドユニット30から吐出されて媒体に着弾したUVインクドットに対してUVを照射するものである。媒体上に形成されたドットは、照射ユニット40からのUVの照射を受けることにより、硬化する。
照射ユニット40は、第1照射部41と、第2照射部42と本硬化用照射部45とを備えている(図2参照)。第1照射部41は、第1ヘッド31の搬送方向下流側で第2ヘッド32よりも搬送方向上流側に設けられる。そして、第1ヘッド31から媒体上に吐出された第1のインク(インクドット)に対して、当該第1のインクが完全に硬化しない程度(例えば、インクドットの表面が硬化する程度)のUVを照射する。以下、このような硬化を「仮硬化」とも呼ぶ。第2照射部42は、第2ヘッド32の搬送方向下流側に設けられ、第2ヘッド32から媒体上に吐出された第2のインク(インクドット)に対して、当該第2のインクが完全に硬化しない程度のUVを照射する。つまり、第1照射部41及び第2照射部42は各ヘッドに対応する仮硬化用照射部である。
本硬化用照射部45は、搬送方向の最下流側に設けられ、第1ヘッド31及び第2ヘッド32から吐出されたインクが媒体上で濡れ広がるのを停止する程度のUVを照射する。以下、このような硬化を「本硬化」とも呼ぶ。本硬化用のUVは仮硬化用のUVよりも強いエネルギーで照射されることが多い。これにより、仮硬化されていたインクがほぼ硬化して、媒体上に画像が固定される。
照射ユニット40は、UV照射の光源として発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を備える。LEDは入力電流の大きさを制御することによって、照射エネルギーを容易に変更することが可能である。UV照射強度を制御することでUVインクドットを最適な硬さに硬化させることができる。また、本硬化用照射部45のUV照射の光源としては、ランプ(メタルハライドランプ、水銀ランプなど)を用いてもよい。
<検出器群50>
検出器群50には、ロータリー式エンコーダー(不図示)や、媒体検出センサー(不図示)などが含まれる。ロータリー式エンコーダーは上流側搬送ローラー23Aや下流側搬送ローラー23Bの回転量を検出する。ロータリー式エンコーダーの検出結果に基づいて媒体の搬送量を検出することができる。媒体検出センサーは媒体供給中媒体の先端位置を検出する。
<コントローラー60>
コントローラー60は、プリンターの制御を行うための制御ユニット(制御部)である。コントローラー60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリー63と、ユニット制御回路64とを有する。
インターフェース部61は、外部装置であるコンピューター110とプリンター1との間でデータの送受信を行う。CPU62は、プリンター1の全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子によって構成される。そして、CPU62は、メモリー63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して搬送ユニット20等の各ユニットを制御する。
<クリーニング機構70>
クリーニング機構70はヘッドユニット30のインク吐出部分のクリーニングを行なう。インク吐出部分とは、図4で、ノズルNzが形成されているノズルプレート312c外面側のことであり、以下、ノズル面とも呼ぶ。クリーニング機構70は、ワイピング部71と、洗浄液供給部72とを有する(共に不図示)。ワイピング部71は、ノズル面に付着した異物(インク飛沫等)を除去するヘラ状や刷毛状の部材であり、エラストマー等によって形成される。このワイピング部71によってノズルプレート312cの表面を拭うことで、ノズル面に付着した異物が除去され、ノズル面の洗浄が行なわれる。洗浄液供給部72は、ノズル面を洗浄するための洗浄液をワイピング部71に供給する。本実施形態では、洗浄液としてEDGAC等の有機溶剤が用いられる。
===UVインクについて===
本実施形態で印刷を行うのに使用される紫外線硬化性インク(UVインク)としては次のような組成物を用いるのが一般的である。なお、以下の説明において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びそれに対応するメタクリレートのうち少なくともいずれかを意味し、「(メタ)アクリル」はアクリル及びそれに対応するメタクリルのうち少なくともいずれかを意味する。
以下の説明において、「硬化性」とは、光の照射により、光重合開始剤の存在下又は不存在下で重合硬化する性質をいう。「吐出安定性」とは、ノズルの目詰まりがなく常に安定したインク滴をノズルから吐出させる性質をいう。
〔重合性化合物〕 本実施形態のインク組成物に含まれる重合性化合物は、後述する光重合開始剤の作用により紫外光照射時に重合し、媒体上に形成されたインクドットを硬化させることができる。
(モノマーA) 本実施形態において必須の重合性化合物であるモノマーAは、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類であり、下記一般式(I)で示される。
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 ・・・(I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
インク組成物がモノマーAを含有することにより、インクの硬化性を良好なものとすることができる。
上記の一般式(I)において、R2で表される炭素数2〜20の2価の有機残基としては、炭素数2〜20の直鎖状、分枝状又は環状のアルキレン基、構造中にエーテル結合及び/又はエステル結合による酸素原子を有する炭素数2〜20のアルキレン基、炭素数6〜11の置換されていてもよい2価の芳香族基が好適である。これらの中でも、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、及びブチレン基などの炭素数2〜6のアルキレン基、オキシエチレン基、オキシn−プロピレン基、オキシイソプロピレン基、及びオキシブチレン基などの構造中にエーテル結合による酸素原子を有する炭素数2〜9のアルキレン基が好適に用いられる。
上記の一般式(I)において、R3で表される炭素数1〜11の1価の有機残基としては、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基、炭素数6〜11の置換されていてもよい芳香族基が好適である。これらの中でも、メチル基又はエチル基である炭素数1〜2のアルキル基、フェニル基及びベンジル基などの炭素数6〜8の芳香族基が好適に用いられる。
上記の有機残基が置換されていてもよい基である場合、その置換基は、炭素原子を含む基及び炭素原子を含まない基に分けられる。まず、上記置換基が炭素原子を含む基である場合、当該炭素原子は有機残基の炭素数にカウントされる。炭素原子を含む基として、以下に限定されないが、例えばカルボキシル基、アルコキシ基等が挙げられる。次に、炭素原子を含まない基として、以下に限定されないが、例えば水酸基、ハロ基が挙げられる。
上記のモノマーAとしては、以下に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−ビニロキシメチルプロピル、(メタ)アクリル酸2−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1,1−ジメチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸6−ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸m−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸o−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、及び(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコールモノビニルエーテルが挙げられる。
これらの中でも、低粘度で、引火点が高く、かつ、硬化性に優れるため、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、すなわち、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル及びメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルのうち少なくともいずれかが好ましく、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルがより好ましい。(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルとしては、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル及び(メタ)アクリル酸2−(1−ビニロキシエトキシ)エチルが挙げられ、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルとしては、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(以下「VEEA」ともいう。)及びアクリル酸2−(1−ビニロキシエトキシ)エチルが挙げられる。
モノマーAの製造方法としては、以下に限定されないが、(メタ)アクリル酸と水酸基含有ビニルエーテルとをエステル化する方法(製法B)、(メタ)アクリル酸ハロゲン化物と水酸基含有ビニルエーテルとをエステル化する方法(製法C)、(メタ)アクリル酸無水物と水酸基含有ビニルエーテルとをエステル化する方法(製法D)、(メタ)アクリル酸エステルと水酸基含有ビニルエーテルとをエステル交換する方法(製法E)、(メタ)アクリル酸とハロゲン含有ビニルエーテルとをエステル化する方法(製法F)、(メタ)アクリル酸アルカリ(土類)金属塩とハロゲン含有ビニルエーテルとをエステル化する方法(製法G)、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとカルボン酸ビニルとをビニル交換する方法(製法H)、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとアルキルビニルエーテルとをエーテル交換する方法(製法I)が挙げられる。
(モノマーA以外の重合性化合物) また、上記のビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル(モノマーA)以外に、従来公知の、単官能、2官能、及び3官能以上の多官能といった種々のモノマー及びオリゴマーも使用可能である(以下、「その他の重合性化合物」という。)。上記モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸及びマレイン酸等の不飽和カルボン酸やそれらの塩又はエステル、ウレタン、アミド及びその無水物、アクリロニトリル、スチレン、種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、並びに不飽和ウレタンが挙げられる。また、上記オリゴマーとしては、例えば、直鎖アクリルオリゴマー等の上記のモノマーから形成されるオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート、オキセタン(メタ)アクリレート、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート、芳香族ウレタン(メタ)アクリレート及びポリエステル(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、他の単官能モノマーや多官能モノマーとして、N−ビニル化合物を含んでいてもよい。N−ビニル化合物としては、N−ビニルフォルムアミド、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、及びアクリロイルモルホリン、並びにそれらの誘導体などが挙げられる。
その他の重合性化合物のうち、(メタ)アクリル酸のエステル、即ち(メタ)アクリレートが好ましい。
上記(メタ)アクリレートのうち、単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ラクトン変性可とう性(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、及びジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記(メタ)アクリレートのうち、2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのEO(エチレンオキサイド)付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO(プロピレンオキサイド)付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、及び1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートとアミン化合物とを反応させて得られるアクリル化アミン化合物が挙げられる。なお、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートとアミン化合物とを反応させて得られるアクリル化アミン化合物の市販品としては、EBECRYL 7100(アミノ基2個及びアクリロイル基2個の含有化合物、サイテック社(Cytech, Inc.)製商品名)等が挙げられる。
上記(メタ)アクリレートのうち、3官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、カウプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、及びカプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、これらの中でも、その他の重合性化合物は単官能(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。この場合、インク組成物が低粘度となり、光重合開始剤その他の添加剤の溶解性に優れ、かつ、吐出安定性が得られやすい。さらにインク塗膜の強靭性、耐熱性、及び耐薬品性が増すため、単官能(メタ)アクリレートと2官能(メタ)アクリレートとを併用することがより好ましい。
さらに、上記単官能(メタ)アクリレートは、芳香環骨格、飽和脂環骨格、及び不飽和脂環骨格からなる群より選択される1種以上の骨格を有することが好ましい。上記その他の重合性化合物が上記骨格を有する単官能(メタ)アクリレートであることにより、インク組成物の粘度を低下させることができる。
芳香環骨格を有する単官能(メタ)アクリレートとして、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、飽和脂環骨格を有する単官能(メタ)アクリレートとして、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、不飽和脂環骨格を有する単官能(メタ)アクリレートとして、例えば、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの中でも、粘度及び臭気を低下させることができるため、フェノキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
モノマーA以外の重合性化合物の含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、好ましくは10〜35質量%である。含有量が上記範囲内であると、添加剤の溶解性に優れ、かつ、インク塗膜の強靭性、耐熱性、及び耐薬品性に優れる。
上記の重合性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
〔光重合開始剤〕 本実施形態のインク組成物に含まれる光重合開始剤は、紫外光の照射による光重合によって、被記録媒体の表面に存在するインクを硬化させて印字を形成するために用いられる。放射線の中でも紫外光(UV)を用いることにより、安全性に優れ、且つ光源ランプのコストを抑えることができる。
上記の光重合開始剤は、上記のとおり、アシルフォスフィン系光重合開始剤及びチオキサントン系光重合開始剤を含有する。これにより、インクの硬化性を優れたものとできることに加え、印刷後初期の硬化膜の着色を防止することもできる。
これに加えて、アシルフォスフィン系光重合開始剤及びチオキサントン系光重合開始剤の合計の含有量は、上記のとおり、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、9〜14質量%であり、好ましくは10〜13質量%であり、より好ましくは11〜13質量%である。これらのインク中における総含有量が上記範囲内である場合、インクの硬化性及び吐出安定性に極めて優れる。特に、含有量が9質量%以上であると、粘度が比較的高くなり、画像の汚れの原因であるミストの増加を防止できるため、インクの吐出安定性に優れる。
(アシルフォスフィン系光重合開始剤) 本実施形態における光重合開始剤は、アシルフォスフィン系光重合開始剤、すなわちアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤(以下、単に「アシルフォスフィンオキサイド」ともいう。)を含む。これにより、特にインクの硬化性に優れ、かつ、印刷後初期の硬化膜の着色、及び硬化膜の計時後の着色を防止できる(硬化膜の初期着色度が小さくなる。)。
このアシルフォスフィンオキサイドとして、特に限定されないが、例えば、2、4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリエチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリフェニルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、及びビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイドが挙げられる。
アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の市販品としては、例えば、DAROCUR TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド)、IRGACURE 819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド)、及びCGI 403(ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド)が挙げられる。
また、上記のアシルフォスフィンオキサイドは、モノアシルフォスフィンオキサイドを含むことが好ましい。これにより、光重合開始剤が十分に溶解して硬化が十分に進行するとともに、インクの硬化性に優れる。
このモノアシルフォスフィンオキサイドとして、特に限定されないが、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリエチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリフェニルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイドが挙げられる。これらの中でも、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイドであることが好ましい。
モノアシルフォスフィンオキサイドの市販品としては、例えば、DAROCUR TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド)が挙げられる。
本実施形態における光重合開始剤は、重合性化合物への溶解性及びインク塗膜の内部硬化性に優れ、且つ初期着色度が小さくなるため、モノアシルフォスフィンオキサイドであるか、又は、モノアシルフォスフィンオキサイドとビスアシルフォスフィンオキサイドとの混合物であることが好ましい。
なお、上記のビスアシルフォスフィンオキサイドとして、特に限定されないが、例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイドが挙げられる。これらの中でも、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドであることが好ましい。
アシルフォスフィンオキサイドの含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、8〜11質量%の範囲が好ましく、10〜11質量%の範囲がより好ましい。含有量が上記範囲内であると、インクの硬化性に優れ、かつ、硬化膜の初期着色度が小さい。
(チオキサントン系光重合開始剤) 本実施形態における光重合開始剤は、チオキサントン系光重合開始剤(以下、単に「チオキサントン」ともいう。)を含む。これにより、インクの硬化性に優れ、かつ、特に硬化膜の初期着色度が小さくなる。
チオキサントンの中でも、アシルフォスフィンオキサイドへの増感効果、重合性化合物に対する溶解性、及び安全性に優れるため、2,4−ジエチルチオキサントンが好ましい。
チオキサントンの市販品としては、例えば、KAYACURE DETX−S(2,4−ジエチルチオキサントン)(日本化薬社(Nippon Kayaku Co., Ltd.)製商品名)ITX(BASF社製)、Quantacure CTX(Aceto Chemical社製)が挙げられる。
チオキサントンの含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、1〜3質量%の範囲が好ましく、2〜3質量%の範囲がより好ましい。含有量が上記範囲内であると、インクの硬化性に優れ、かつ、硬化膜の初期着色度が小さくなる。
また、その他の光重合開始剤としては、Speedcure TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド)、Speedcure DETX(2,4−ジエチルチオキサンテン−9−オン)(以上、Lambson社製商品名)などが挙げられる。
〔色材〕 本実施形態のインク組成物は、色材をさらに含んでもよい。色材は、顔料を用いることができる。
(顔料) 本実施形態において、色材として顔料を用いることにより、インク組成物の耐光性を向上させることができる。顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。
無機顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック 7)類、酸化鉄、酸化チタンを使用することができる。
有機顔料としては、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料が挙げられる。
更に詳しくは、ブラックインクとして使用されるカーボンブラックとしては、No.2
300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等(以上、三菱化学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製商品名)、Raven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven 1255、Raven 700等(以上、コロンビアカーボン(Carbon Columbia)社製商品名)、Rega1 400R、Rega1 330R、Rega1 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等(キャボット社(CABOT JAPAN K.K.)製商品名)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color B1ack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4等(以上、デグッサ(Degussa)社製商品名)が挙げられる。
ホワイトインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメント ホワイト 6、18、21が挙げられる。また、ホワイト顔料として使用可能な金属原子含有化合物も用いることができ、例えば、従来から白色顔料として用いられている金属酸化物、硫酸バリウムや炭酸カルシウムが挙げられる。上記の金属酸化物としては、特に制限されないが、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム等が挙げられる。
イエローインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメント イエロー 1,2,3,4,5,6,7,10,11,12,13,14,16,17,24,34,35,37,53,55,65,73,74,75,81,83,93,94,95,97,98,99,108,109,110,113,114,117,120,124,128,129,133,138,139,147,151,153,154,155,167,172,180が挙げられる。
マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメント レッド 1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,40,41,42,48(Ca),48(Mn),57(Ca),57:1,88,112,114,122,123,14
4,146,149,150,166,168,170,171,175,176,177,178,179,184,185,187,202,209,219,224,245,又はC.I.ピグメント ヴァイオレット 19,23,32,33,36,38,43,50が挙げられる。
シアンインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメント ブルー 1,2,3,15,15:1,15:2,15:3,15:34,15:4,16,18,22,25,60,65,66,又はC.I.バット ブルー 4,60が挙げられる。
また、マゼンタ、シアン及びイエロー以外の顔料としては、例えば、C.I.ピグメント グリーン 7,10,又はC.I.ピグメント ブラウン 3,5,25,26,又はC.I.ピグメント オレンジ 1,2,5,7,13,14,15,16,24,34,36,38,40,43,63が挙げられる。
上記顔料は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記の顔料を使用する場合、その平均粒子径は2μm以下が好ましく、30〜300nmがより好ましい。平均粒子径が上記の範囲内にあると、インク組成物における吐出安定性や分散安定性などの信頼性に一層優れるとともに、優れた画質の画像を形成することができる。ここで、本明細書における平均粒子径は、動的光散乱法により測定される。
色材の含有量は、良好な発色性を有し、色材自身の光吸収によるインク塗膜の硬化阻害を低減できるため、インク組成物の総質量(100質量%)に対して、CMYKの場合1.5〜6質量%の範囲が好ましく、Wの場合15〜30質量%の範囲が好ましい。
〔分散剤〕 本実施形態のインク組成物が顔料を含む場合、顔料分散性をより良好なものとするため、分散剤をさらに含んでもよい。分散剤として、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。その具体例として、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマー及びコポリマー、アクリル系ポリマー及びコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミン系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、及びエポキシ樹脂のうち一種以上を主成分とするものが挙げられる。
高分子分散剤の市販品として、味の素ファインテクノ社製のアジスパーシリーズ(商品名)、ルーブリゾール社(Lubrizol Corporation)から入手可能なソルスパーズシリーズ(Solsperse 36000、Solsperse 32000等、商品名)、BYKChemie社製のディスパービックシリーズ(商品名)、楠本化成社製のディスパロンシリーズ(商品名)が挙げられる。
〔レベリング剤〕 本実施形態のインク組成物は、印刷基材への濡れ性が良好となるため、レベリング剤(界面活性剤)をさらに含んでもよい。レベリング剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン系界面活性剤として、ポリエステル変性シリコーンやポリエーテル変性シリコーンを用いることができ、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを用いることが特に好ましい。具体例としては、BYK−347、BYK−348、BYK−UV3500、3510、3530、3570(ビックケミー・ジャパン社(BYK Japan KK)製商品名)を挙げることができる。
〔重合禁止剤〕 本実施形態のインク組成物は、インク組成物の保存安定性を良好なものとするため、重合禁止剤をさらに含んでもよい。重合禁止剤としては、特に限定されないが、例えば、IRGASTAB UV10及びUV22(BASF社製商品名)、ハイドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ、関東化学社(KANTO CHEMICAL CO., INC)製商品名)を用いることができる。
〔その他の添加剤〕 本実施形態のインク組成物は、上記に挙げた添加剤以外の添加剤(成分)を含んでもよい。このような成分としては、特に制限されないが、例えば従来公知の、重合促進剤、浸透促進剤、及び湿潤剤(保湿剤)、並びにその他の添加剤があり得る。上記のその他の添加剤として、例えば従来公知の、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外光吸収剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤が挙げられる。
〔インク組成物の物性〕 本実施形態のインク組成物は、20℃での粘度が15mPa・s以下であることが好ましく、9〜14mPa・sであることがより好ましい。粘度が上記範囲内であると、光重合開始剤その他の添加剤の溶解性に優れ、かつ、吐出安定性が得られやすい。なお、本明細書における粘度は、DKSHジャパン社(DKSH Japan K.K.)製のレオメーターMCR300を用いて測定した値である。また、本実施形態のインク組成物は、発光ピーク波長が365〜405nmの範囲にある紫外光を照射することにより硬化可能である。
===ノズルのクリーニング===
ラインプリンターでUVインクを用いて印刷を行う場合、ノズルNzの目詰まりが問題となる場合がある。図5は、ノズルの目詰まりについて説明する図である。上述したように、印刷を行う際には、搬送ユニット20によって搬送される媒体に対してヘッドユニット30(例えば第1ヘッド31)からUVインクを吐出してインクドットを形成させる。そして、ヘッドユニット30の下流側に設けられた照射ユニット40(例えば第1照射部41)からUVを照射することによって、インクドットを硬化(仮硬化)させる。
照射ユニット40から照射されたUVは、一部が媒体表面で反射して図5に示されるように、ヘッドユニット20のインク吐出面(つまり、図4のノズルプレート312c及びノズルNz)に入射する。印刷動作中、ノズルNzからは断続的にインクドットが吐出されるため、飛散したインク飛沫等がノズルプレート312cの表面に付着して、ノズル面にはインクの薄膜が形成される。このインク薄膜に対してUVが照射されると、当該薄膜が硬化するため、ノズルNzが薄膜によって塞がれる場合がある。これにより、ノズルの目詰まりが生じる。さらに、ヘッドユニット30の搬送方向両側に照射ユニット40が配置されている場合、このような現象が生じやすくなる。例えば、図5の第2ヘッド32は、搬送方向上流側に配置された第1照射部41及び搬送方向下流側に配置された第2照射部42の両方からUVの照射(反射光)を受けるため、ノズルの目詰まりが生じやすい。
ノズルの目詰まりが生じると、インクの吐出を正常に行なうことができなくなり、印刷画像の画質が悪化する。
そこで、所定時間継続して印刷を行った場合は、インク吐出部分(ノズル面)をクリーニングして、該ノズル面に付着したインクを除去することにより、ノズル目詰まりを抑制する必要がある。なお、ノズル面のクリーニングについては、特開2004-338223号公報等に記載されている公知の方法で行なうことができるため、ここでは詳細な説明は省略する。
本実施形態においても所定時間(例えば66分間)印刷動作を継続した場合には、クリーニング機構70により、ノズル面のクリーニングを実施する。しかし、クリーニングを実施してもインクの性質の違いによって、クリーニング効果に差が生じる場合がある。例えば、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色のインクを用いて印刷を行う場合、シアン(C)を吐出するヘッドとブラック(K)を吐出するヘッドは、マゼンタ(M)を吐出するヘッドやイエロー(Y)を吐出するヘッドと比較してクリーニング性が悪くなる。この場合、シアン(C)を吐出するヘッドとブラック(K)を吐出するヘッドで目詰まりが生じやすくなる。
そこで、以下に説明するように、印刷装置において、ヘッドユニット30から吐出されるインクの色や、照射ユニット40の配置を変更することにより、各色インクを吐出するヘッドのクリーニング性を向上させ、ノズル目詰まりを抑制する。
===実施形態===
<本実施形態の印刷装置の構成>
図6は、クリーニング性を向上させることが可能なプリンター1の構成を表す概略側面図である。基本的な構成は、図1及び図2で説明したとおりである。ここでは、ヘッドユニット30や照射ユニット40等の具体的構成について説明する。
本実施形態のプリンター1では、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色のインクを用いて印刷を行う。図6に示されるように、プリンター1では、搬送方向の上流側から順に、第3ヘッド33、第3照射部43、第1ヘッド31、第1照射部41、第2ヘッド32、第2照射部42、第4ヘッド34、第4照射部44が配置されている。第1ヘッド31、第1照射部41、第2ヘッド32、第2照射部42の機能は図2で説明したとおりである。第3ヘッド33は、第3のインクを吐出する吐出部である。第3照射部43は、吐出された第3のインクに対して仮硬化用のUVを照射する照射部である。第4ヘッド34は、第4のインクを吐出する吐出部である。第4照射部44は、仮硬化されたインクドットを本硬化するための本硬化用UV照射部であり、図2における本硬化用照射部45に相当する。なお、本実施形態のプリンター1では、第4ヘッド34から吐出された第4のインクを仮硬化させるための仮硬化用UV照射部は設けられていない。
また、図6には、各ヘッドと各照射部との距離関係が示されている。すなわち、第3ヘッド33と第3照射部43との間の距離はb、第3照射部43と第1ヘッド31との間の距離はaである。同様に、第1ヘッド31と第1照射部41との間の距離はaである。第1照射部41と第2ヘッド32との間の距離はbである。第2ヘッド32と第2照射部42との間の距離はbである。第2照射部42と第4ヘッド34との間の距離はaである。そして、第4ヘッド34と第4照射部44との間の距離はcである。ここで、各ヘッドと各照射部との間の距離は、ヘッドから吐出されたインクドットが媒体支持部材であるベルト24(ベルト24に支持された媒体)に着弾する位置と、照射部から照射された紫外線の媒体搬送方向における光束中心と支持部材との交点位置との距離のことである(図6参照)。本実施形態では、a<b<cとなるように距離が設定される。
<第1〜第4のインクについて>
次に、第1〜第4のインクの決定方法について説明する。本実施形態では、KCMYの4色のインク(UVインク)を用いて画像を印刷すると説明したが、どの色のインクをどの位置のヘッドから吐出するかによって、各ヘッドのクリーニング性が変化する。すなわち、各色インクを吐出させるための最適なヘッドの位置(順番)を選択することにより、当該ヘッドにおけるノズル目詰まりの発生を抑制することができる。
図7は、仮硬化用のUV照射エネルギーの大きさと、各色インクのクリーニング性との関係を表している。図では、KCMYの各色について個別に同じ条件で印刷動作を行った後で、ノズル面のクリーニングを行なったときの吐出状態を表している。具体的には、66分間同じヘッドから各色インクを吐出すると共に、同じ照射部から所定の出力でUVを照射する。その後、洗浄液を用いてノズル面のクリーニングを行なったときに、ノズルの目詰まりがほとんど発生していなかった場合は○、ノズルの目詰まりが顕著に発生していた場合は×、その中間の場合は△として表している。なお、66分間という時間は、本実施形態のプリンター1を用いて1ジョブで想定される連続印刷時間である。
図7に示されるように、UV照射エネルギーが0〜5mJ/cmでは、KCMYの各色とも、クリーニング後のノズル目詰まりは確認されなかった。一方、UV照射エネルギーが10mJ/cmでは、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)ではクリーニング後のノズル目詰まりが確認されなかったが、ブラック(K)では目詰まりが確認された。また、UV照射エネルギーが15mJ/cmでは、ブラック(K)に加えてシアン(C)でも顕著な目詰まりが確認された。
このような、インクの色の違いによってクリーニング性に差が生じるのは、UVインク中に含まれる成分の違いに起因するものと考えられる。図8は、本実施形態で用いられるKCMYの各色UVインクの組成を表している。これらの組成のうち、多官能モノマーについて着目する。なお、本実施形態では便宜上、1官能モノマーを単官能モノマーと呼び、2官能以上のモノマーを多官能モノマーと呼ぶ。本実施形態のUVインクで、シアン(C)及びブラック(K)には多官能モノマーのうち6官能モノマーであるA−DPHがそれぞれ8%の割合で含まれている。一方、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)にはA−DPHが含まれていない。また、多官能モノマーのうち2官能モノマーであるDPGHは、シアン(C)に17.6%、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)にそれぞれ24.1%、ブラックに18.1%含まれている。
一般に、多官能モノマーは単官能モノマーと比較して結合手が多いため、硬化した際の結合力が単官能モノマーよりも強くなる。そのため、6官能モノマーを含有するシアン(C)及びブラック(K)のインクは硬化すると洗浄液に対する溶解性が低く、ノズル面のクリーニングを行なっても硬化したインクを除去しにくいため、ノズルの目詰まりを解消しにくいと考えられる。また、2官能モノマーを含有するマゼンタ(M)及びイエロー(Y)では、ノズル面のクリーニング後はノズルの目詰まりが確認されていない。したがって、硬化したこれらのインクはシアン(C)及びブラック(K)と比較して洗浄液に対する溶解性が高く、少なくとも2官能以下のモノマーを含有していてもクリーニング性に与える影響は小さいと考えられる。したがって、UVインク中に3官能以上のモノマーを含有する場合、クリーニング性が悪くなると考えられる。
なお、同じ6官能モノマーを含有するシアン(C)とブラック(K)とで、UV照射エネルギー10mJ/cmにおけるクリーニング性が異なる理由は(図7参照)、顔料成分の違いによるものと思われる。本実施形態でクリーニングの際に使用される洗浄液(EDGAC)が有機系の洗浄液であるのに対して、シアンインク(C)に使用される顔料は有機物であるピグメントブルーである。一方、ブラックインク(K)に使用される顔料は無機物であるカーボンブラック(ピグメントブラック7)である。そのため、同じ有機系であるシアンインク(C)の方が。クリーニング性が良くなると考えられる。
また、UVインクに多官能モノマーを含有させるのは以下の理由による。
シアンインク(C)の場合は、粘度調整のためである。シアンインクは粘度が低く、そのまま使用する場合、他の色のヘッドと駆動波形を変える必要が生じる。したがって、各ヘッドについて駆動波形を共通化させる目的で、シアンインクに多官能モノマーを含有させて、粘度をその他の色に合わせている。
ブラックインク(K)の場合は、凝固対策の為である。凝固とは、インクドットの表面に“しわ”が発生することであり、凝固が発生すると印刷画像の画質が悪化する。ブラックインクに含まれる顔料(カーボンブラック)は、照射ユニット40から仮硬化の際に照射されるUVのピーク波長(約395nm程度)においてUVを吸収しやすい。そのため、ブラックのインクドットに照射されたUVは、インクドット表面で吸収されてしまい、内部まで届きにくくなる。すなわち、インクドットの表面だけが硬化されて内部は流動性を有する状態となる。この状態で本硬化用のUV照射部(図6の第4照射部44)から大きなエネルギーでUVを照射すると、ドットの内部で流動するインクが硬化して収縮するため、ドット表面にしわが発生する。そこで、ブラックインクに多官能モノマーを含有させることにより、流動性を悪くすることで、凝固を生じにくくしている。
なお、イエローインク(Y)に含まれる顔料(ピグメントイエロー155)はブラックインクよりもさらに395nm程度のUVを吸収しやすいため、ブラックインクよりも凝固を生じやすい。そこで、本実施形態では、搬送方向の最下流側に配置されたヘッド(つまり、第4ヘッド34)からイエローインクを吐出し、仮硬化を行わずにいきなり本硬化用のUVを照射してインクを硬化させる。これにより、凝固が発生することを抑制することができる。
<インク吐出位置の決定>
以上のことを考慮して、各色インク(KCMY)を吐出するべきヘッドを決定する。言い換えると、インクの吐出位置を決定する
まず、上述したように、イエロー(Y)を第4のインクに設定し、搬送方向の最下流側のヘッド(図6の第4ヘッド34)から吐出させるようにする。凝固対策のため、仮硬化用のUVが照射されない状態で、本硬化用照射部45からUVを照射させるためである。
続いて、クリーニング性の良いマゼンタ(M)を第1のインクに設定し、第1ヘッド31から吐出させるようにする。本実施形態において第1ヘッド31と搬送方向上流側に位置する第3照射部43との距離はaであり、第1ヘッド31と搬送方向下流側に位置する第1照射部41との距離もaである。また、図6における距離関係はa<b<cであるため、第1ヘッド31は他のヘッドと比較して搬送方向両側の照射部から近い位置に配置されている。したがって、第1ヘッド31のノズル面は第3照射部43及び第1照射部41の2つの照射部からUVの照射(反射)を受けやすくなる(図5参照)。しかし、図7に示されるように、マゼンタ(M)は比較的高いエネルギーでUV照射を受けた場合でも良好なクリーニング性を有することから、2つの照射部からUV照射を受けたとしても、ノズルの目詰まりは生じにくい。
続いて、クリーニング性の悪いブラック(K)及びシアン(C)を、それぞれ第2のインクまたは第3のインクに設定する。第2のインクを吐出する第2ヘッド32と搬送方向上流側に位置する第1照射部41との距離はbであり、第2ヘッド32と搬送方向下流側に位置する第2照射部42との距離もbである(a<b<c)。つまり、第2ヘッド32は他のヘッドと比較して搬送方向両側の照射部から遠い位置に配置されている。したがって、第2ヘッド32のノズル面は第1照射部41及び第2照射部42の2つの照射部からUVの照射(反射)を受けにくくなる(図5参照)。これにより、ノズル面において第2のインクが硬化しにくくなり、ノズルの目詰まりが抑制される。
同様に、第3のインクを吐出する第3ヘッド33と搬送方向下流側に位置する第3照射部43との距離はbであり、搬送方向上流側には照射部が配置されていない。つまり、第3ヘッド33は他のヘッドと比較して照射部から遠い位置に配置されている。したがって、第3ヘッド33のノズル面は第3照射部43からUVの照射(反射)を受けにくくなる(図5参照)。これにより、ノズル面において第3のインクが硬化しにくくなり、ノズルの目詰まりが抑制される。
つまり、本実施形態では、3官能以上の多官能モノマーの含有率が高いインク(ブラックやシアン)を第2のインクもしくは第3のインクとして設定し、照射部から遠い位置に配置されたヘッドから吐出することで、ノズルの目詰まりを生じにくくする。逆に、上記よりも3官能以上の多官能モノマーの含有率が低いインク(マゼンタ)を第1のインクとして設定し、照射部から近い位置に配置されたヘッドから吐出する。このように構成することで、第2及び第3のインクを吐出するヘッドのノズル面において、ノズルの目詰まりを抑制しつつ、プリンターをコンパクトに構成することが可能になる。
また、上述した凝固を考慮すると、ブラック(K)を第2のインクに設定して、第2ヘッド32から吐出させるようにすることが望ましい。UVインクは、弱いエネルギーのUVが複数回照射されることによって、より凝固が生じやすくなる。そのため、ブラックインク(K)が仮硬化用のUV照射を受ける回数はなるべく少ない方が良い。仮に、ブラック(K)が第3のインクに設定されると、第3ヘッド31から吐出されて媒体上に着弾した後、搬送方向に搬送される過程で、第3照射部43、第1照射部41、第2照射部42から少なくとも3回のUV照射を受けることになり、凝固がより生じやすくなる。これに対して、ブラック(K)が第2のインクに設定される場合、第2ヘッド32から吐出されて媒体上に着弾した後、搬送方向に搬送される過程で、仮硬化用のUV照射を受けるのは第2照射部42から照射される1回だけであり、凝固が生じにくい。したがって、凝固しやすいブラック(K)を第2のインクに設定して、シアン(C)を第3のインクに設定することがより望ましい。
また、ガマットを考慮して第2のインク及び第3のインクを決定してもよい。ガマットとは色域のことを意味し、その印刷装置で表現できる色の領域を表す。ガマットが広いほど、元のデータ(画像)の色を正確に再現しやすくなる。印刷装置1のようなラインプリンターでKCMYの4色のインクを用いて印刷を行う場合、どの色のインクをどの順番で吐出するかによって元のデータの色の再現度が変化する。そこで、ガマットがなるべく広くなるようにインクを吐出する順番を決定する。
まず、印刷時の搬送過程において1番目に吐出される第3のインクとしてシアン(C)を使用し、3番目に吐出される第2のインクとしてブラック(K)を使用して印刷を行った場合のガマットの広さを計測する。次に、第3のインクとしてブラック(K)を使用し、第2のインクとしてシアン(C)を使用して印刷を行った場合のガマットの広さを計測する。そして、計測された2つの値を比較して、がマットの値が大きい方の組み合わせを採用する。これにより、印刷画像においてより広い色域を再現することができるようになる。
<印刷装置の変形例>
上述の実施形態では、媒体が直線上に搬送される印刷装置(図6)について説明されていたが、印刷装置の構成はこれに限られるものではない。例えば、搬送ドラムを回転させることによって媒体を搬送しながらインクを吐出する印刷装置であってもよい。
図9は、変形例におけるプリンター2の構成を表す概略側面図である。全体的な構成や各部の機能は第1実施形態とほぼ同様であるが(図1参照)、搬送ユニット20、ヘッドユニット30、及び照射ユニット40の構成が異なる。
変形例の搬送ユニット20は、上流側搬送ローラー26A及び下流側搬送ローラー26Bと、ロール状に巻かれた長尺の記録媒体を周面にて搬送する搬送ドラム27とを有する。不図示の搬送モーターが回転すると、上流側搬送ローラー26A及び下流側搬送ローラー26Bが回転し、搬送ドラム27が回転する。搬送ドラム27の周面に沿わされて上流側搬送ローラー26A及び下流側搬送ローラー26Bにて押圧支持された媒体は、搬送ドラム27の回転に伴って図9の時計回り方向(正方向)に搬送される。すなわち、本変形例において、媒体の搬送方向は搬送ドラム27の回転方向(ドラムの周面の方向)である。なお、搬送ユニット20による媒体搬送速度(搬送ドラム27の回転速度)は、コントローラー60によって所定の速度(ほぼ一定の速度)になるように制御される。また、搬送ドラム27を反時計回り方向に回転させることで逆方向に媒体を搬送させることも可能である。
搬送ドラム27の外側には、上流側搬送ローラー26A及び下流側搬送ローラー26Bの間に、搬送ドラムの周面と対向してヘッドユニット30、及び、照射ユニット40が設けられる。搬送ドラム27の回転により搬送された媒体は、印刷可能な領域(ヘッドユニット30と対向する領域)にて印刷されながら搬送方向の下流側へと搬送される。すなわち、搬送ドラム27が媒体を搬送することによって、媒体がヘッドユニット30に対して搬送方向に移動する。なお、搬送中の媒体は、搬送ドラム27の表面の摩擦力によって搬送ドラム27支持されている。つまり、搬送ドラム27は媒体を曲面状に支持する支持部材でもある。
プリンター2では、搬送ドラム27の曲面(周面)に沿って、搬送方向の上流側から順に、第3ヘッド33、第3照射部43、第1ヘッド31、第1照射部41、第2ヘッド32、第2照射部42、第4ヘッド34、第4照射部44が配置されている(図9)。
各ヘッド及び各照射部の距離関係は以下のとおりである。すなわち、第3ヘッド33と第3照射部43との間の距離はb、第3照射部43と第1ヘッド31との間の距離はaである。同様に、第1ヘッド31と第1照射部41との間の距離はaである。第1照射部41と第2ヘッド32との間の距離はbである。第2ヘッド32と第2照射部42との間の距離はbである。第2照射部42と第4ヘッド34との間の距離はaである。そして、第4ヘッド34と第4照射部44との間の距離はcである。ここで、各ヘッドと各照射部との間の距離は、ヘッドから吐出されたインクドットが媒体支持部材である搬送ドラム27(搬送ドラム27に支持された媒体)に着弾する位置と、照射部から照射された紫外線の光束中心と支持部材との交点位置との間のドラムの曲面(周面)に沿った距離のことである(図9参照)。本変形例でも、図6の場合と同様、a<b<cとなるように距離が設定される。
===その他の実施形態===
一実施形態としてのプリンター等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<ピエゾ素子について>
前述の各実施形態では、液体を吐出させるための動作を行う素子としてピエゾ素子PZTを例示したが、他の素子であってもよい。例えば、発熱素子や静電アクチュエーターを用いてもよい。
<プリンタードライバーについて>
前述の各実施形態では、プリンタードライバーの処理はコンピューター110(PC)によって行われていたが、プリンタードライバーをコントローラー60にインストールして、プリンター自体でプリンタードライバーの処理を行ってもよい。
1 プリンター、2 プリンター、
20 搬送ユニット、
23A 上流側搬送ローラー、23B 下流側搬送ローラー、24 ベルト、
26A 上流側搬送ローラー、26B 下流側搬送ローラー、27 搬送ドラム、
30 ヘッドユニット、
31 第1ヘッド、
311 ケース、312 流路ユニット、312a 流路形成板、312b 弾性板、
312c ノズルプレート、312d 圧力室、312e ノズル連通口、
312f 共通インク室、312g インク供給路、312h アイランド部、
312i 弾性膜、
32 第2ヘッド、33 第3ヘッド、34 第4ヘッド、
40 照射ユニット、
41 第1照射部、42 第2照射部、43 第3照射部、44 第4照射部、
45 本硬化用照射部、
50 検出器群、
60 コントローラー、61 インターフェース部、62 CPU、63 メモリー、
64 ユニット制御回路、
70 クリーニング機構、71 ワイピング部、72 洗浄液供給部、
110 コンピューター

Claims (9)

  1. 媒体を支持する支持部材と、
    前記支持部材に支持された前記媒体を搬送方向へ搬送する搬送装置と、
    前記媒体に放射線硬化型の第1インクを吐出する第1ヘッドと、
    前記第1ヘッドよりも前記搬送方向の下流側に配置され、前記媒体に放射線硬化型の第2インクを吐出する第2ヘッドと、
    前記搬送方向において、前記第1ヘッドと前記第2ヘッドとの間に配置され、前記第1ヘッドから前記媒体に吐出された前記第1インクに、前記第1インクが完全に硬化しない程度の放射線を照射する第1照射部と、
    前記搬送方向において、前記第2ヘッドの下流側に配置され、前記第2ヘッドから前記媒体に吐出された前記第2インクに、前記第2インクが完全に硬化しない程度の放射線を照射する第2照射部と、
    を備え、
    前記第1ヘッドと前記第1照射部との距離は、前記第1照射部と前記第2ヘッドとの距離及び前記第2ヘッドと前記第2照射部との距離よりも短く、
    前記第1インクにおける3官能以上の多官能モノマーの含有率は、前記第2インクにおける3官能以上の多官能モノマーの含有率よりも小さいことを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記第1インクの色はマゼンタであり、前記第2インクの色はシアンまたはブラックのいずれか一方である、ことを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項1または2に記載の印刷装置であって、
    前記3官能以上の多官能モノマーとして、少なくとも6官能モノマーを有する、ことを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記第1ヘッドのノズル面及び前記第2ヘッドのノズル面をクリーニングするための洗浄液を供給する洗浄液供給部を備え、
    前記洗浄液に対する硬化した前記第2インクの溶解度は、前記洗浄液に対する硬化した前記第1インクの溶解度よりも小さい、ことを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記支持部材は曲面を有し、前記第1ヘッド及び前記第2ヘッドと、前記第1照射部及び前記第2照射部とは、前記曲面に沿って配置されている、ことを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記第1ヘッドよりも前記搬送方向の上流側に配置され、前記媒体に放射線硬化型の第3インクを吐出する第3ヘッドと、
    前記搬送方向において、前記第1ヘッドと前記第3ヘッドとの聞に配置され、前記第3ヘッドから前記媒体に吐出された前記第3インクに、前記第3インクが完全に硬化しない程度の放射線を照射する第3照射部と、を備え、
    前記第3照射部と前記第1ヘッドとの距離は、前記第3ヘッドと前記第3照射部との距離、前記第1照射部と前記第2ヘッドとの距離、及び、前記第2ヘッドと前記第2照射部との距離よりも短く、
    前記第1インクにおける3官能以上の多官能モノマーの含有率は、前記第3インクにおける3官能以上の多官能モノマーの含有率よりも小さい、ことを特徴とする印刷装置。
  7. 請求項6に記載の印刷装置であって、
    前記第2インクの色がシアンである場合は、前記第3インクの色はブラックであり、前記第2インクの色がブラックである場合は、前記第3インクの色はシアンである、ことを特徴とする印刷装置。
  8. 請求項6または7に記載の印刷装置であって、
    前記第2ヘッドよりも前記搬送方向の下流側に配置され、前記媒体に放射線硬化型の第4インクを吐出する第4ヘッドと、
    前記搬送方向において、前記第4ヘッドよりも前記搬送方向の下流側に配置され、前記第4ヘッドから前記媒体に吐出された前記第4インクに、前記媒体に着弾した後の前記第4インクが前記媒体上で濡れ広がるのを停止する程度の放射線を照射する第4照射部と、を備え、
    前記第4インクの色はイエローであり、
    前記第4インクにおける3官能以上の多官能モノマーの含有率は、前記第2インク及び前記第3インクにおける3官能以上の多官能モノマーの含有率よりも小さい、ことを特徴とする印制装置。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記第3インクの色としてシアンを採用した時のガマットの広さと、前記第3インクの色としてブラックを採用した時のガマットの広さとを比較して、ガマットが広い方の色が前記第3インクの色として設定される、ことを特徴とする印制装置。
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