JP5304497B2 - 液体噴射装置 - Google Patents
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本発明は、媒体のカールを防止することを目的とする。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
このような液体噴射装置によれば、媒体のカールを防止することができる。
このような液体噴射装置によれば、媒体のカールを防止しつつ、ドットの形成面にゴミやミストが付着するのを防止することができる。
このような液体噴射装置によれば、画質の劣化を防止することができる。
このような液体噴射装置によれば、搬送ローラーにインクが付着するのを防止することができる。
このような液体噴射装置によれば、光沢を高めることができ、画質の向上を図ることができる。
<プリンターの構成について>
図1は、プリンター1の全体構成のブロック図である。また、図2は、印刷領域周辺の概略図である。
プリンター1は、紙、布、フィルム等の媒体に画像を印刷する印刷装置であり、外部装置であるコンピューター110と通信可能に接続されている。
コンピューター110にはプリンタードライバーがインストールされている。プリンタードライバーは、表示装置(不図示)にユーザーインターフェイスを表示させ、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換させるためのプログラムである。このプリンタードライバーは、フレキシブルディスクFDやCD−ROMなどの記録媒体(コンピューター読み取り可能な記録媒体)に記録されている。または、このプリンタードライバーは、インターネットを介してコンピューター110にダウンロードすることも可能である。なお、このプログラムは、各種の機能を実現するためのコードから構成されている。
そして、コンピューター110は、プリンター1に画像を印刷させるため、印刷させる画像に応じた印刷データをプリンター1に出力する。
上流側搬送ローラー21Aは、搬送ドラム22の図中左下の位置に設けられている。また、下流側搬送ローラー21Bは、搬送ドラム22よりも重力方向の下方向に、搬送ドラム22から離れて設けられている。上流側搬送ローラー21A及び下流側搬送ローラー21Bが回転することによって、媒体が搬送されるとともに搬送ドラム22が回転する。
搬送ドラム22は、円筒形状の搬送部材であり、ロール状に巻かれた長尺の紙Sを周面にて搬送する。本実施形態では、図2に示すように、搬送ドラム22の半径をRとし、下流側搬送ローラー21Bの半径をr(<R)とする。
なお、紙Sは上流側の給紙ロール(不図示)から供給され、下流側の巻き取りローラー(不図示)によって巻き取られる。また、紙Sは所定の張力で搬送ドラム22に密着するように搬送される。
なお、ヘッドユニット30の構成の詳細については、後で説明する。
これらの仮硬化用照射部42a〜42eの媒体幅方向の長さは媒体幅以上であり、各ヘッドによって媒体に形成されたドットに仮硬化のためのUV光を照射することができる。本実施形態において、仮硬化とは、インク間の滲みやドットの広がりを抑制するために行う硬化のことである。
なお、仮硬化の詳細については後述する。
本実施形態の本硬化用照射部44は、UV照射の光源として、ランプ(メタルハライドランプ、水銀ランプなど)を備えている。
図に示すように、本実施形態の本硬化用照射部44は、搬送ドラム22と下流側搬送ローラー21Bの間の紙Sの印刷面に向けて、本硬化のためのUVを照射する。
なお、本硬化の詳細については後述する。
本実施形態のプリンター1は、前述したように4つのカラーインク用ヘッド(ブラックインクヘッドK、シアンインクヘッドC、マゼンダインクヘッドM、イエローインクヘッドY)を備えている。これらの各ヘッドは、画像を印刷するためのUVインク(カラーインク)をインク色毎に噴射する。
図に示すように各ヘッドは、図に示すように「A列」「B列」の2個のノズル列を備える。
各列のノズルは、搬送方向と交差する方向(ノズル列方向)に沿って、1/180インチの間隔(ノズルピッチ)で並んでいる。また、A列のノズルのノズル列方向の位置と、B列のノズルのノズル列方向の位置は、半ノズルピッチ分(1/360インチ)だけずれている。これにより、1/360インチの解像度でカラードットを形成可能になっている。
なお、これらの各ノズル列のノズル列方向(紙幅方向)の長さは、媒体幅分の長さ以上であり、これにより媒体幅分のドットを一度に形成することができる。
本実施形態のプリンター1では、照射ユニット40として、仮硬化用照射部42a〜42dと本硬化用照射部44とを備えており、ドットの形成後に仮硬化と本硬化の2段階の硬化を行なっている。以下、各硬化の機能について説明する。
UVの照射タイミングが早い場合、例えば図4Aのようになる。この場合、インク間の滲みやドットの広がりを抑制することができるが、ドットによって構成される媒体表面の凹凸が大きくなるため光沢が悪化する。
一方、UVの照射タイミングが遅い場合、例えば図4Cのようになる。この場合、光沢は良好になる。但し、他のインクとの間で滲みが生じやすくなる。
(第1比較例)
図5は、本硬化用照射部44の配置についての第1比較例を示す図である。なお、図において本硬化用照射部44の配置以外は図2と同じ構成である。
この第1比較例では、本硬化用照射部44を、仮硬化用照射部42dよりも搬送方向下流側であり、且つ、搬送ドラム22の周面に対向する位置に配置している。
よって、この第1比較例では、紙Sが曲率1/Rで湾曲している状態で紙S上のドットが完全に固化することになる。このため、紙Sがカールするおそれがある。また、本硬化用照射部44のUV照射によって搬送ドラム22が加熱される。
図6は、本硬化用照射部44の配置についての第2比較例を示す図である。なお、図において本硬化用照射部44の配置以外は図2と同じ構成である。
第1比較例から、搬送ドラム22の加熱を防止するため、また、紙Sのカールを防止するため、本硬化は搬送ドラム22上ではなく、搬送ドラム22から離れた平らな場所で行うのが望ましいことがわかる。
そこで、第2比較例では、本硬化用照射部44を下流側搬送ローラー21Bよりも搬送方向下流側で紙Sが平らに搬送されている場所に配置している。
本実施形態では、図2に示すように、搬送ドラム22と下流側搬送ローラー21Bとの間の平らな所に本硬化用照射部44を配置して、紙Sが搬送ドラム22から離れた後、曲率半径が印刷時(ドット形成時)よりも小さくなる前に(すなわち下流側搬送ローラー21Bの手前で)本硬化を行うようにしている。こうすることで、第1比較例と比べると、紙Sがカールするのを防止できる。また、搬送ドラム22を加熱しないようにすることができる。
また、本硬化の際に、紙Sが重力方向に傾斜しており、且つ、印刷面が重力方向の下方を向いているので、第2比較例と比べると、紙Sの印刷面にゴミやミストが付着しにくい。また、下流側搬送ローラー21Bの手前で本硬化しているので、下流側搬送ローラー21Bを通過する際に曲率半径が小さくなることによる画質の劣化を防止できる。また、紙Sの印刷面が下流側搬送ローラー21Bと接しても、下流側搬送ローラー21Bにインクが付着しないようにできる。
プリンター1が印刷を開始する際には、予め紙Sが搬送ドラム22の周面に沿わされた状態で、上流側搬送ローラー21A、下流側搬送ローラー21Bにて支持されている。
プリンター1がコンピューター110から印刷データを受信すると、コントローラー60は、不図示の搬送モーターを一定速度で回転させる。これにより、上流側搬送ローラー21A及び下流側搬送ローラー21Bが図の矢印方向に一定速度で回転する。また、この回転によって、搬送ドラム22が矢印方向(搬送方向)に回転する。搬送ドラム22の周面に沿わされて上流側搬送ローラー21A及び下流側搬送ローラー21Bにて支持された紙Sは、搬送ドラム22の回転に応じて搬送方向に搬送される。なお、搬送中の紙Sは、搬送ドラム22に静電吸着又はバキューム吸着されている。
コントローラー60は、紙Sが搬送ドラム22の周面上で搬送されている間に、印刷データに基づき、ヘッドユニット30の各ヘッドのノズルからインクを断続的に噴射させることによって媒体にドットを形成するとともに、照射ユニット40の各照射部からUVを照射させる。
まず、紙SがブラックインクヘッドKの下を通る際に、ブラックインクヘッドKからブラックインクを噴射させてブラックを印刷する(S101)。そして、ブラックの印刷後、仮硬化用照射部42aからUVを照射させてブラックインクで形成されたドットの仮硬化を行う(S102)。
図8は、第2実施形態の印刷領域周辺の概略図である。なお、図8において、図2と同一構成の部分には同一符号を付し説明を省略する。第1実施形態(図2)と比べると、クリアインクヘッドCLが設けられている点が異なる。
クリアインクヘッドCL(第2ヘッドに相当する)は、UVが照射されることによって硬化する無色透明のクリアインク(加工液の一種)を噴射するものであり、仮硬化用照射部42dよりも搬送方向下流側に、搬送ドラム22と対向するように設けられている。
そして、クリアインクを塗布した後、本硬化用照射部44から紙Sの印刷面にUVを照射して本硬化を行う。
なお、紙Sにクリアインク塗布を塗布した後には仮硬化を行っていない。これは、カラーインクの場合ではインク同士が混ざると滲みが生じるが、クリアインクは無色透明のインクなので、インク同士が混じってもカラーインクの場合のような滲みが生じないからである。なお、クリアインクを塗布するときには、カラーインク(カラードット)はすでに仮硬化されているので、クリアインクとカラーインクとの間で滲みは生じない。
このように、クリアインク塗布後に仮硬化を行わないことによって、クリアインク(クリアドット)の広がりが大きくなるので、紙Sの表面を平滑にすることができ、これによって、光沢をより高めることができる。なお、クリアインク塗布後に、仮硬化用照射部42a〜42dの照射強度よりも弱い照射強度でUV照射を行うようにしてもよい。
図9は、第2実施形態における本硬化時の紙Sの状態を示す概略図である。
本実施形態では、カラードット形成後の紙Sにクリアイクを塗布した後、クリアインク(クリアドット)の仮硬化を行なっていない。よって、クリアドットは、広がりやすい状態になっている。ここで、本硬化時には図のように、紙Sの印刷面は重力方向の下方を向いており、且つ、紙S(紙Sの搬送方向)は重力方向に斜めに傾斜している。このため、媒体に形成されたドットに働く重力は、媒体の斜面に平行な分力(a1)と、斜面に垂直な方向の分力(a2)に分けられる。また、紙Sが搬送方向に搬送されることにより、クリアドットは搬送方向と逆向きの空気抵抗(b)を受ける。これらの各力に応じて、クリアドットの広がりが促される。例えば、空気抵抗bは搬送速度が速いほど大きくなり、搬送速度が遅いほど小さくなる。また、紙Sの重力方向への傾斜が大きいと分力a1が大きくなり、分力a2が小さくなる。一方、重力方向への傾斜が小さいと分力a2が大きくなり、分力a1が小さくなる。よって、搬送速度を速くし、紙Sの重力方向の傾きを大きくすると、図のようにカラードットによる段差がある場合でも、その上に塗布されたクリアインク(クリアドット)の段差を低減することができる。つまり、表面がより平らになり、光沢を高めることができる。
さらに、下流側搬送ローラー21Bよりも手前で本硬化しているので、紙Sの印刷面が下流側搬送ローラー21Bと接しても、下流側搬送ローラー21Bにインクが付着しないようにすることができる。
一実施形態としてのプリンター等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
前述の実施形態では、装置の一例としてプリンターが説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の印刷装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。
前述の実施形態は、紫外線(UV)の照射を受けることによって硬化するインク(UVインク)をノズルから噴射していた。しかし、ノズルから噴射する液体は、このようなインクに限られるものではなく、UV以外の他の電磁波(例えば可視光線など)の照射を受けることによって硬化する液体をノズルから噴射しても良い。この場合、仮硬化用照射部及び本硬化用照射部から、その液体を硬化させるための電磁波(可視光線など)を照射するようにすればよい。
第2実施形態では、画像以外のドットを形成するのに無色透明のクリアインクを用いていたが、クリアインクに限られない。例えば、媒体の表面に光沢性をもたせる半透明な加工液であっても良い。また、加工するのは光沢でなくても良い。媒体の表面の質感を調整するような加工液であっても良い。
前述した実施形態では仮硬化用照射部42a〜42dによって、各色のカラードット形成後にそれぞれ仮硬化を行っていたが、仮硬化を行わなくても良い。あるいは、紙Sにカラードットを全て形成後に仮硬化を行っても良い。この場合、画質が劣化するおそれはあるが、図2のように紙Sが平らなところで本硬化することによって、紙Sのカールを防止することができる。
前述の実施形態では、本硬化時に紙Sが重力方向に所定角度で傾斜していたが、紙Sが重力方向に平行になっていても良い。また、紙Sが重力方向と交差する方向に搬送されていても良い。また、前述の実施形態では、本硬化時に紙Sの印刷面が重力方向の下方を向いていたが、重力方向の上方を向いていてもよい。この場合、印刷面にゴミやミストが付着する可能性が高くなるが、紙Sを平らな状態で本硬化することによって、紙Sのカールを防止することができる。
前述の実施形態では、下流側搬送ローラー21Bが、紙Sの印刷面と接していたが、下流側搬送ローラー21Bが紙Sの印刷面と接しないようにしても良い。
図10は、下流側搬送ローラー21Bの配置を変えた一例を示す図である。
なお、図において、下流側搬送ローラー21B及び本硬化用照射部44の配置以外の構成は図2と同じである。
この場合、紙Sが搬送ドラム22上から離れる位置を搬送ドラム22の中心よりも重力方向の上側になるようにしており、また、下流側搬送ローラー21Bを、搬送ドラム22の右端よりも右側で、且つ、搬送ドラム22の中心よりも重力方向の下側に設けている。
そして、下流側搬送ローラー21Bは、図2の場合と逆側方向に回転することにより、紙Sの印刷面と逆側の面(裏面)と接して紙Sを搬送する。なお、この場合においても、下流側搬送ローラー21Bを通過する際に、曲率半径が印刷時よりも小さくなる。よって、図のように本硬化用照射部44を下流側搬送ローラー21Bの手前に配置して、紙Sが搬送ローラー21Bに到達する前に本硬化を行うことが望ましい。
20 搬送ユニット、21A 上流側搬送ローラー、21B 下流側搬送ローラー、
22 搬送ドラム、
30 ヘッドユニット、40 照射ユニット、
42a〜42d 仮硬化用照射部、44 本硬化用照射部、
50 検出器群、60 コントローラー、61 インターフェイス部、62 CPU、
63 メモリー、64 ユニット制御回路、
110 コンピューター
K ブラックインクヘッド、C シアンインクヘッド、
M マゼンダインクヘッド、Y イエローインクヘッド、
CL クリアインクヘッド
Claims (4)
- 媒体を周面にて搬送する円筒形状の搬送部材と、
前記搬送部材の前記周面に対向して設けられたヘッドであって、電磁波が照射されることによって硬化する液体を噴射して前記搬送部材上の前記媒体にドットを形成するヘッドと、
前記ドット形成後の前記媒体が前記搬送部材から離れた後、前記媒体の前記ドットに前記電磁波を照射する照射部と、
を備え、
前記照射部が前記電磁波を照射するときに、前記媒体は重力方向に対して傾斜しており、且つ、前記媒体の前記ドットの形成された側の面が重力方向下向きであることを特徴とする液体噴射装置。 - 請求項1に記載の液体噴射装置であって、
前記照射部は、前記搬送部材から離れた後の前記媒体の搬送経路における曲率半径が、前記ドットの形成時の曲率半径よりも小さくなる前に、前記媒体に前記電磁波を照射する
ことを特徴とする液体噴射装置。 - 請求項2に記載の液体噴射装置であって、
前記搬送部材よりも半径が小さい搬送ローラーであって、前記搬送部材から離れた前記媒体の前記ドットの形成面と接する搬送ローラーを有し、
前記照射部は、前記搬送ローラーの手前で前記電磁波を照射する
ことを特徴とする液体噴射装置。 - 請求項1〜3に記載の液体噴射装置であって、
前記ヘッドは、
画像を印刷するための液体を噴射する第1ヘッドと、
前記第1ヘッドよりも前記媒体の搬送方向の下流側で、前記媒体の表面を加工する加工液を噴射する第2ヘッドと、
を含み、
前記第1ヘッドと前記第2ヘッドとの間に、前記照射部よりも照射強度の弱い電磁波を照射する仮硬化用照射部を有することを特徴とする液体噴射装置。
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