JP6170570B2 - ムカデの防除方法及びムカデ用毒餌剤 - Google Patents

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Description

本発明は、害虫用毒餌剤に関し、より詳しくは、特にムカデの防除に適した害虫用毒餌剤に関する。
従来、ムカデ、ゴキブリ、アリ等の害虫の防除のために、害虫の嗜好性が高くかつ殺虫成分を含有する毒餌剤を、害虫の発生場所に設置し、害虫に喫食させて防除する方法がある。
例えばムカデは、草むら、石垣の間、土壌中等に生息し、小型の昆虫、クモ、ミミズ等を食物とし、時には食物を求めて家屋内に侵入したり、家具や靴の中に潜んで、その際に人を咬んでアレルギー反応を起こすという被害をもたらすことから、防除の対象とされている。
ムカデを防除するに際して毒餌剤を用いる場合、ムカデを誘引して毒餌剤を十分に喫食させることが重要となってくる。この課題を解決するために、例えば、下記特許文献1には、イカの乾燥粉末、魚白子の乾燥粉末、カニ殻の粉末のうち、少なくとも1種を含有したムカデ用誘引剤、およびこの誘引剤と殺虫成分を含有したムカデ用毒餌剤が開示されている。
日本国特開2005−35922号公報
しかしながら、毒餌剤に誘引剤を添加しても、毒餌剤の硬さや柔らかさ、大きさ、表面状態等によって害虫の喫食が影響を受けることがある。
特に、ムカデのような捕食性の害虫は小型の昆虫など動くものを捕食していることから、誘引剤を含む毒餌剤を単に置いただけではこれを食物とは認識せず、十分に喫食させることは難しい。
そこで本発明の目的は、特にムカデの防除に適した毒餌剤であって、高い喫食性を有する害虫用毒餌剤を提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、ムカデのような捕食性害虫に毒餌剤を十分に喫食させるには、該毒餌剤に含まれる誘引成分を潮解させ、潮解した誘引成分で毒餌剤の表面を覆うことにより前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は、以下の(1)〜(2)によって達成されるものである。
(1)ムカデの防除に適した毒餌剤であって、殺虫成分と誘引成分とを含有し、経時的に大気中の水分を吸収して誘引成分が潮解し、液状となった前記誘引成分で表面が覆われた状態となる固形状の害虫用毒餌剤。
(2)毒餌剤の表面から重心までの最短距離が10mm以下である前記(1)に記載の害虫用毒餌剤。
本発明の害虫用毒餌剤は、そこに含まれる誘引成分を潮解させ、液状となった誘引成分で毒餌剤の表面を覆うようにしたので、毒餌剤に接触した害虫が餌と認識しやすくなり、喫食性が高まるため、防除効果を高めることができる。特にムカデに対する高い喫食性を有し、殺虫成分を十分に喫食させることができるので、ムカデの防除に極めて有効である。
図1(a)及び図1(b)は検体1および2の害虫用毒餌剤の加湿環境に保存前の状態を示す写真図面であり、図1(a)は検体1の害虫用毒餌剤、図1(b)は検体2の害虫用毒餌剤である。 図2(a)及び図2(b)は検体1および2の害虫用毒餌剤の加湿環境で保存後の状態を示す写真図面であり、図2(a)は検体1の害虫用毒餌剤、図2(b)は検体2の害虫用毒餌剤である。 図3(a)は加湿環境で保存後の検体1の害虫用毒餌剤上にワイピングクロスを載置した状態を示す写真図面とその模式図であり、図3(b)は回収したワイピングクロスの状態を示す写真図面とその模式図である。 図4(a)は加湿環境で保存後の検体2の害虫用毒餌剤上にワイピングクロスを載置した状態を示す写真図面とその模式図であり、図4(b)は回収したワイピングクロスの状態を示す写真図面とその模式図である。 図5(a)及び図5(b)は、本発明の害虫用毒餌剤の形態を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態について、さらに詳細に説明する。ここでは好適な対象であるムカデを例に詳細を説明するが、バッタ、ダンゴムシ、ヤスデ、ゲジ、アリ等の他の害虫に適用することを排除するものではない。
本発明の害虫用毒餌剤(以下、単に「毒餌剤」という)は殺虫成分と誘引成分とを含有し、経時的に大気中の水分を吸収して誘引成分が潮解し、液状となった前記誘引成分で表面が覆われた状態となることを特徴とする。毒餌剤の表面が液状物で覆われ、濡れたような状態になることで、害虫が喫食しやすくなる。中でもムカデ等の捕食性の害虫は、その口に水分を含む誘引成分(液状物)が触れると、食べものと認識して、喫食する行動をとるため、特にムカデに対して好適に用いられ、効果的に防除することができる。
なお、「潮解」とは、物質が大気中の水分を取り込んで水溶液となる現象のことであり、本発明においては、毒餌剤中の誘引成分が潮解性の性質を有する。
本発明で使用する殺虫成分としては、害虫に対して殺虫効果を有するものであれば制限されるものではなく、例えば、フェニトロチオン、ダイアジノン、マラソン、ピリダフェンチオン、プロチオホス、ホキシム、クロルピリホス等の有機リン系化合物、カルバリル、プロポクスル、メソミル、チオジカルブ等のカーバメイト系化合物、アレスリン、レスメトリン、フラメトリン、フタルスリン、ペルメトリン、フェノトリン、サイパーメスリン、シフェノトリン、プラレトリン、エンペントリン、トランスフルトリン、メトフルトリン、プロフルトリン等のピレスロイド系化合物、メトキサジアゾン等のオキサジアゾール系化合物、フィプロニル等のフェニルピラゾール系化合物、ホウ酸、ホウ砂、ヒドラメチルノン、ジノテフラン、イミプロトリン等が挙げられる。これらの殺虫成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
殺虫成分の配合量は、誘引成分の潮解により毒餌剤表面が液状物により包囲されることが妨げられない限り、力価を考慮して適宜設定することができる。具体的には、毒餌剤中、0.1重量%以上含有するのが好ましく、0.5重量%以上がより好ましい。また上限は30重量%未満が好ましい。
本発明で使用する誘引成分は、害虫が嗜好する成分であり、かつ前記したように経時的に大気中の水分を吸収して潮解する性質を有するものを選択することができる。例えば、グルコース、果糖、ガラクトース、麦芽糖、ショ糖、デキストリン、グラニュー糖、黒糖等の糖類、アラニン、グリシン、バリン、アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミノ酸等が挙げられる。これらの誘引成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの誘引成分は、毒餌剤が屋内や屋外の所望の場所に設置された後に空気中の水分を吸って液状となり、毒餌剤の表面に滲み出てくるような量が含有されていればよく、毒餌剤の形状、大きさ等により適宜設定すればよい。
本発明において、潮解した誘引成分が毒餌剤の表面に滲み出るようにするためには、毒餌剤の表面から重心までの最短距離が関係している。なお、毒餌剤の重心とは、毒餌剤の軸心上に位置する重量中心だけでなく、軸心上の幾何学的中心であってもよい。
本発明において、毒餌剤の表面から重心までの最短距離が10mm以下となるように毒餌剤を成形することが好ましい。毒餌剤の表面から重心までの最短距離を10mm以下とすることで、毒餌剤中の表面部分に近い誘引成分だけでなく、内部の誘引成分も空気中の水分を吸着して液状化し、毒餌剤の表面に滲み出やすくなる。
なお、毒餌剤の表面から重心までの最短距離が短くなればなるほど誘引成分が毒餌剤の表面に滲み出やすくなるため、粒径の小さい毒餌剤では誘引成分の含有量を少なくすることができる。よって、毒餌剤の表面から重心までの最短距離に応じて毒餌剤中の誘引成分の含有量を調整することができる。
具体的には、毒餌剤の表面から重心までの最短距離が2mm未満の場合は、潮解する前の重量を基準として、毒餌剤中、誘引成分を40重量%以上含有させるのが好ましく、最短距離が2mm以上2.5mm未満の場合は誘引成分を60重量%以上含有させるのが好ましく、最短距離が2.5mm以上6mm未満の場合は誘引成分を70重量%以上含有させるのが好ましく、最短距離が6mm以上の場合は誘引成分を80重量%以上含有させるのが好ましい。また本発明の効果を十分発揮させるためには最短距離を10mm以下とするのが好ましい。
毒餌剤の形態としては、固形状であれば特に限定されず、適宜設定すればよい。例えば、顆粒状、粉状、円柱状、円盤状、ブロック状、塊状、ペースト状等が挙げられる。図5(a)に示すように、毒餌剤1Aが円盤状の製剤のときは、毒餌剤の軸方向Xの表面から重心までの長さを最短距離mとし、図5(b)に示すように、毒餌剤1Bが長軸の円柱状の製剤のときは、毒餌剤の軸方向Yとは直交する方向の表面から重心までの長さ(軸方向Yに対する切断面の半径長さ)を最短距離nとして誘引成分の配合量を適宜調整すればよい。
上記のように毒餌剤の表面から重心までの最短距離に応じて誘引成分の含有量を調整することにより、潮解作用により誘引成分が十分に液状となり、害虫が食べものであると認識する程度に毒餌剤の表面を液状物で覆うことができる。誘引成分の含有量が十分でない場合は、毒餌剤表面を液状物で十分に覆うことができず、害虫が食物であると認識するには不十分となるので好ましくない。
本発明の毒餌剤は、誘引成分が空気中の水分を吸収して潮解するため、自然環境の湿度等の変化に応じて毒餌剤の表面を湿潤状態に保つことができる。また、上記のように毒餌剤の表面から重心までの最短距離に応じて所定量以上の誘引成分を含有させておくことで、夜間や冬季などの低湿度環境においても毒餌剤表面を液状物で覆うことができる。
なお、対象害虫がムカデの場合、ムカデは夜行性であるため、潮解状態を一晩(例えば、12〜16時間)程度保つことができるように誘引成分の配合量を調整することが好ましい。
本発明の毒餌剤には、前記した潮解性の誘引成分、殺虫成分以外に、必要に応じて、公知の各種成分を配合することができる。その他の成分としては、例えば、賦形剤、酸化防止剤、保存剤、誤食防止剤、溶剤等が挙げられる。
賦形剤としては、例えば、ホワイトカーボン、珪藻土、結晶セルロース、クレー、カオリン、タルク、ベントナイト、シリカ、カルボキシメチルセルロース、パラフィン、ポリエチレングリコール、スチレン樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、dl−α−トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル等が挙げられる。
保存剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸ナトリウム、塩化セチルピリジニウム等が挙げられる。
誤食防止剤としては、例えば、安息香酸デナトニウム、トウガラシ末等が挙げられる。
溶剤としては、水、イソプロピルアルコール、エタノール、グリセリン等のアルコール類、プロピレングリコール、エチレングリコール等のグリコール類、パラフィン類等が挙げられる。
この他にも、必要に応じて、香料、着色剤、pH調整剤等を用いることができる。
さらに本発明においては、発明の効果を損なわない範囲において、潮解性の性質を持たないその他の誘引成分、例えば、さなぎ粉、コーンスターチ、ハチノコ、ビーフ、タマゴ、オキアミ、エビ、チーズ、畜肉、魚肉、澱粉、小麦粉、フスマ、豆、米ぬか、種子、綿実、やし油、オリーブ油、肉油、魚油、ゴマ油等を用いることもできる。
本発明の毒餌剤の調製方法としては、公知の手法が採用され、例えば、原料成分を混合、打錠する方法、造粒方法等が挙げられる。
本発明の毒餌剤は、その表面が、非使用時は乾燥状態であり、使用時に潮解状態になるように包装・保存することが好ましい。非使用時を乾燥状態にすることにより、流通時または保管時のハンドリング性を向上させることができる。非使用時に本発明の毒餌剤を乾燥状態に保つためには、例えば、毒餌剤を使用するまで気密性を有する容器・袋等の内部にシリカゲル等の乾燥剤と共に保存するなどして、湿度が極めて低い状態を保つことが好ましい。
本発明において、使用時に誘引成分が潮解し、毒餌剤の表面が液状物で覆われた潮解状態は目視で確認することができる。また、パルプ製のワイピングクロス(例えば日本製紙クラシエ株式会社製「キムワイプS−200」)を荷重をかけることなく約5秒間接触させた際に、液状となった誘引成分がパルプ製ワイピングクロス表面に付着する、という事象によっても確認することができる。
以下、本発明を以下の試験例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
<毒餌剤の経時試験>
表1に記載の毒餌剤基剤100重量部に対し、水4.5重量部、エタノール3重量部を加えて混練し、図5(b)に示すような、直径約5mm、長さ約10mmの円柱状に成形して毒餌剤を得た(検体1、2)。続いて、得られた各毒餌剤約1gを、20〜23℃、湿度100%の条件下で72時間保存した。
成形直後の毒餌剤の状態を図1(a)及び図1(b)に、保存後の毒餌剤の状態を図2(a)及び図2(b)に示す。図1(a)及び図2(a)は検体1の毒餌剤を示し、図1(b)及び図2(b)は検体2の毒餌剤を示す。
Figure 0006170570
図2(a)及び図2(b)の結果から、検体1の毒餌剤は、保存中に経時的に大気中の水分を吸収して誘引成分が潮解し、液状となった前記誘引成分で表面が覆われた状態となることが分かった。これに対し、検体2の毒餌剤は、誘引成分が潮解せず、保存前後で形状の変化はほとんど見られなかった。
<毒餌剤の吸湿確認>
検体1および2の毒餌剤約1gについて、20〜23℃、湿度100%の条件下で72時間保存した後の重量増加倍率を以下の式により求めた。試験は各検体につき2回ずつ行い、その平均を求めた。結果を表2に示す。
吸湿による重量増加倍率=保存後の毒餌剤の重量/保存前の毒餌剤の重量
Figure 0006170570
表2の結果から、検体1および検体2の毒餌剤の保存後の吸湿による重量増加倍率は同程度であり大きな差はないことがわかる。図2(a)及び図2(b)に示したように、検体1の毒餌剤は、保存後において表面が液状物で覆われた状態になるのに対し、検体2の毒餌剤はほとんど変化がないことから、検体1では経時的に大気中の水分を吸収して誘引成分が潮解し、毒餌剤の表面に滲み出てくるのに対し、検体2は、毒餌剤全体で水分を吸収し、水分を毒餌剤内に取り込んでいるものと考えられる。
<毒餌剤の表面状態確認試験>
上記保存後の検体1および2の毒餌剤に対し、1cm幅の短冊状に切断したワイピングクロス(日本製紙クラシエ株式会社製「キムワイプS−200」)を、荷重をかけずに毒餌剤上に静置し、5秒間放置した。その後ワイピングクロスを回収し、ワイピングクロスの表面状態を目視で確認した。検体1の結果を図3(a)及び図3(b)に示し、検体2の結果を図4(a)及び図4(b)に示す。
保存後の検体1の毒餌剤は、図3(a)に示したように、ワイピングクロスと接触直後に、毒餌剤の表面を覆っている液状となった誘引成分がワイピングクロスに吸収され、図3(b)に示したように、5秒後に回収したワイピングクロスの表面には液状となった誘引成分とともに毒餌剤の一部も付着していた。一方、検体2の毒餌剤は、図4(a)および図4(b)に示したように、ワイピングクロス表面に何も付着しなかった。
このことからも、検体1の毒餌剤は、経時的にその表面状態が変化することがわかる。
<喫食試験1>
保存後の検体1および2の毒餌剤を用いてムカデの喫食性を評価した。
検体1および2の保存後の毒餌剤約1gを置いたケージ(縦30cm、横50cm、深さ40cm)内に体長約20cmのトビズムカデを1匹放ち、ムカデが毒餌剤にはじめて接触した際に毒餌剤を喫食するか否かを調べた。試験は5回繰り返して行った。
試験の結果、検体1の毒餌剤を使用した場合、全てのムカデで毒餌剤を喫食したことが確認されたが、検体2の毒餌剤を使用した場合は、全てのムカデが毒餌剤に接近することはあっても、毒餌剤を喫食することはなかった。
<喫食試験2>
表3に記載の毒餌剤基剤100重量部に対し、水4.5重量部、エタノール3重量部を加えて混練し、図5(b)に示すような、直径約5mm、長さ約10mmの円柱状に成形して毒餌剤を得た(検体3〜5)。続いて、得られた各毒餌剤約1gを20〜23℃、湿度100%の条件下で72時間保存した。
保存後の各検体を目視にて観察し、潮解状態となり、毒餌剤の表面が液状物で覆われたものを「〇」、潮解状態が確認できなかったものを「×」として評価した。
検体3〜5の毒餌剤は、経時的に大気中の水分を吸収して誘引成分が潮解し、液状となった誘引成分で表面が覆われた状態となったことが確認された。結果を表3に示す。
Figure 0006170570
次に、検体3〜5について保存前と保存後の毒餌剤を用いてムカデの喫食性を評価した。
検体3〜5の保存前と保存後の毒餌剤約1gをそれぞれ置いたケージ(縦30cm、横50cm、深さ40cm)内に体長約20cmのトビズムカデを1匹放ち、ムカデが毒餌剤にはじめて接触した際に毒餌剤を喫食するか否かを調べた。ムカデが喫食したものを「○」、ムカデが喫食しなかったものを「×」と評価した。試験は5回繰り返して行った。また、各検体におけるムカデの致死率も求めた。結果を表4に示す。
Figure 0006170570
表4の結果から、表面から重心までの最短距離が2.5mmの毒餌剤において、保存前の毒餌剤では、検体3〜5はいずれもムカデの喫食が確認されなかった。しかし保存後の状態において、検体3〜5の毒餌剤は、60%以上の喫食率であり、喫食したムカデは全て致死した。特に保存後の検体3は、すべてのムカデが、毒餌剤を喫食し致死したことが確認された。
<喫食試験3>
表5に記載の毒餌剤基剤100重量部に対し、水4.5重量部、エタノール3重量部を加えて混練し、図5(b)に示すような、直径約2mm、長さ約5mmの円柱状に成形して毒餌剤を得た(検体6〜10)。続いて、得られた各毒餌剤約0.5gを20〜23℃、湿度100%の条件下で48時間保存した。
保存後の各検体を目視にて観察し、前記<喫食試験2>と同様に毒餌剤の表面状態を観察した。
検体6〜8の毒餌剤は、経時的に大気中の水分を吸収して誘引成分が潮解し、液状となった誘引成分で表面が覆われた状態となったことが確認されたが、検体9、10の毒餌剤は、保存後の潮解現象が確認されなかった。
また、毒餌剤の吸湿による重量増加倍率を上記式により求めた。結果を併せて表6に示す。
Figure 0006170570
Figure 0006170570
次に、検体6〜10について、前記<喫食試験2>と同様にしてムカデの喫食性を評価し、致死率を求めた。なお、毒餌剤は約0.5gを使用した。結果を表7に示す。
Figure 0006170570
表7の結果から、表面から重心までの最短距離が1mmの毒餌剤において、検体6〜8の毒餌剤は、保存前ではいずれもムカデの喫食が確認されなかったが、保存後の状態において、100%の喫食率であり、喫食したムカデは全て致死した。一方、検体9、10の毒餌剤は、保存後の状態においてほとんど喫食されず、ムカデが餌と認識しなかったものと考えられる。
<喫食試験4>
表8に記載の毒餌剤基剤100重量部に対し、水4.5重量部、エタノール3重量部を加えて混練し、図5(a)に示すような、直径約20mm、厚み約20mmの円盤状に打錠して毒餌剤を得た(検体11〜13)。続いて、得られた各毒餌剤の約5〜8gを、20〜23℃、湿度100%の条件下で48時間保存した。
保存後の各検体を目視にて観察し、前記<喫食試験2>と同様に毒餌剤の表面状態を観察した。
検体11、12の毒餌剤は、経時的に大気中の水分を吸収して誘引成分が潮解し、液状となった誘引成分で表面が覆われた状態となったことが確認されたが、検体13の毒餌剤は、保存後の潮解現象は確認されなかった。
また、毒餌剤の吸湿による重量増加倍率を上記式により求めた。結果を併せて表9に示す。
Figure 0006170570
Figure 0006170570
次に、検体11〜13について、前記<喫食試験2>と同様にしてムカデの喫食性を評価し、致死率を求めた。なお、毒餌剤は約5〜8gを使用し、試験は6回繰り返して行った。結果を表10に示す。
Figure 0006170570
表10の結果から、表面から重心までの最短距離が10mmの毒餌剤において、誘引成分を80重量%以上含有させた検体11、12は潮解状態となり、保存後のものにおいてはムカデの喫食性を高めることができることがわかった。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は、2013年12月6日出願の日本特許出願(特願2013−253645)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
1A,1B 毒餌剤
m 円盤状の毒餌剤の軸方向の表面から重心までの最短距離
n 円柱状の毒餌剤の軸方向の表面から重心までの最短距離

Claims (3)

  1. 殺虫成分と誘引成分とを含有する固形状のムカデ用毒餌剤を大気中の水分を吸収して前記誘引成分が潮解し、液状となった前記誘引成分で表面が覆われた状態でムカデに喫食させるムカデの防除方法。
  2. 前記ムカデ用毒餌剤の表面から重心までの最短距離が10mm以下である、請求項1に記載のムカデの防除方法。
  3. 殺虫成分と誘引成分とを含有し、大気中の水分を吸収して前記誘引成分が潮解し、液状となった前記誘引成分で表面が覆われたムカデ用毒餌剤。
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