JP7079602B2 - ムカデ類防除用毒餌剤 - Google Patents

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Description

本発明は、多足類害虫防除用毒餌剤に関する。
トビズムカデ、アオズムカデ、アカズムカデ等のムカデは、野外環境に生息し、毒腺のある顎肢を用いて小型の虫等を捕食する。しかし、ムカデは温暖な環境を好む習性を有するため家屋等に侵入することが多く、家屋等での人との接触により刺咬被害を引き起こすことがある。そこで、ムカデ等の多足類害虫を防除する毒餌剤が利用されている。
例えば、トリメチルグリシンを配合した害虫防除用ベイト剤がある(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1の害虫防除用ベイト剤は、トリメチルグリシンによって保湿されることで乾燥、変質を防ぎ、野外での設置でも長期間の薬効を保つものである。
また、高吸水性ポリマーを配合した害虫防除用ベイト剤組成物がある(例えば、特許文献2を参照)。特許文献2の害虫防除用ベイト剤組成物は、高吸水性ポリマーにより土壌水分等を吸水し、乾燥条件下においても長期間にわたり水分を保持することで、誘引性及び摂食性を向上させるものである。
特開2001-181106号公報 特開昭57-62201号公報
害虫防除用毒餌剤の誘引性及び摂食性は、害虫の種類によってその効力の発現に差が生じる。しかしながら、特許文献1の害虫防除用ベイト剤は、アリ及びゴキブリを主な防除対象としたものであり、特許文献2の害虫防除用ベイト剤組成物は、農作物に被害を及ぼす土壌害虫を防除対象としたものであり、何れも多足類害虫の防除に最適化されたものではない。そのため、特許文献1及び2の毒餌剤は、多足類害虫に対して必ずしも高い防除効果を奏するものではない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ムカデ等の多足類害虫に対して高い防除効果を奏することができる多足類害虫防除用毒餌剤を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係る多足類害虫防除用毒餌剤の特徴構成は、
多足類害虫防除用毒餌剤であって、
害虫防除成分、摂食促進成分である糖類、誘引成分である食品香料、保湿成分である多価アルコール、及び水を含有する薬液を含むことにある。
本構成の多足類害虫防除用毒餌剤によれば、薬液が摂食促進成分である糖類、誘引成分である食品香料、保湿成分である多価アルコール、及び水を含有することで、多足類害虫に対する優れた誘引性、及び摂食性を発揮し、さらに薬液が害虫防除成分を含有することで、摂食した多足類害虫に対する優れた殺虫効果を発揮することができる。その結果、ムカデ等の多足類害虫に対する高い防除効果を奏することができる。
本発明に係る多足類害虫防除用毒餌剤において、
前記食品香料は、フレッシュミルクオイル、ストロベリーエッセンス、アセトイン、マンゴーエッセンス、鰹・鮪エキス、カマンベールチーズフレーバー、アップルオイル、鰹塩辛エキス、鮪エキス、バナナエッセンス、ノリフレーバー、イカペースト、及びメープルエッセンスからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本構成の多足類害虫防除用毒餌剤によれば、上記の食品香料を含有することにより、多足類害虫、特にムカデに対する優れた誘引性を発揮し、摂食させることができるため、ムカデに対する高い防除効果を奏することができる。
本発明に係る多足類害虫防除用毒餌剤において、
前記薬液は、ゲル化剤でゲル化されていることが好ましい。
本構成の多足類害虫防除用毒餌剤によれば、薬液がゲル化剤でゲル化されていることにより、取り扱いが容易なものとなり、さらに、長期間にわたって乾燥することなく、多足類害虫を防除することができる。
本発明に係る多足類害虫防除用毒餌剤において、
前記薬液と前記ゲル化剤とは、重量比として、20:1~70:1で配合されていることが好ましい。
本構成の多足類害虫防除用毒餌剤によれば、薬液とゲル化剤との配合比を上記の範囲に調整することにより、多足類害虫が摂食しやすい硬さ、及び含水率の毒餌剤が得られ、多足類害虫に対する高い防除効果を奏することができる。
本発明に係る多足類害虫防除用毒餌剤において、
前記薬液における糖類の含有量は、10~70重量%であることが好ましい。
本構成の多足類害虫防除用毒餌剤によれば、薬液における糖類の含有量を上記の範囲に調整することにより、低温でも結晶化することなく、多足類害虫に対する優れた摂食性を発揮することができる。
本発明に係る多足類害虫防除用毒餌剤において、
前記ゲル化剤は、吸水性樹脂、キサンタンガム、カラギナン、ローカストビーンガム、及び寒天からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本構成の多足類害虫防除用毒餌剤によれば、ゲル化剤が上記の物質であることにより、使い勝手が良好なゲル状の毒餌剤を調整することができる。ゲル状の毒餌剤は、多足類害虫、特にムカデに対する摂食性に優れるため、多足類害虫に対する高い防除効果を奏することができる。
本発明に係る多足類害虫防除用毒餌剤において、
界面活性剤を含有しないことが好ましい。
本構成の多足類害虫防除用毒餌剤によれば、界面活性剤を含有しないことで、多足類害虫、特にムカデに対する摂食性に優れ、高い防除効果を奏することができる。
図1は、食品香料へのトビズムカデの平均接触回数を示すグラフである。
本発明に係る多足類害虫防除用毒餌剤は、害虫防除成分、摂食促進成分である糖類、誘引成分である食品香料、保湿成分である多価アルコール、及び水を含有する薬液を含む。以下、本発明の多足類害虫防除用毒餌剤に関する実施形態について説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定されることを意図しない。
<薬液>
[害虫防除成分]
薬液の主成分の一つである害虫防除成分は、ムカデ、ヤスデ等の多足類害虫の駆除に有効な成分が使用される。そのような成分として、ネオニコチノイド系殺虫剤、カーバメート系殺虫剤が挙げられ、特に、ネオニコチノイド系殺虫剤が好ましい。ネオニコチノイド系殺虫剤としては、例えば、ジノテフラン、アセタミプリド、イミダクロプリド、クロチアニジン、チアクロプリド、チアメトキサム、及びニテンピラムが挙げられ、特に、ジノテフランが好ましい。なお、ジノテフランには、不斉炭素に基づく光学異性体や幾何異性体が存在するが、それらも害虫防除成分に含まれる。カーバメート系殺虫剤としては、プロポクスル、カルバリル、メソミル、チオジカルブが挙げられ、特に、プロポクスルが好ましい。これらのネオニコチノイド系殺虫剤、及びカーバメート系殺虫剤は、単独で使用してもよいし、複数種を組み合わせて使用してもよい。薬液中の害虫防除成分の含有量は、0.1~1.0重量%が好ましい。このような範囲であれば、例えば、薬液がゲル化剤に含浸された状態においても、害虫防除成分の効果を奏することができる。薬液中の害虫防除成分の含有量が0.1重量%未満である場合、害虫防除成分が不足し殺虫効果が不十分なものとなる。一方、薬液中の害虫防除成分の含有量が1.0重量%を超える場合、害虫防除成分の濃度が高くなるため、薬液を適切に調製し難くなる。
[摂食促進成分]
薬液の主成分の一つである摂食促進成分は、糖類が使用される。糖類としては、例えば、グルコース、及びフルクトース等の単糖類、スクロース、マルトース、及びトレハロース等の二糖類、三温糖、グラニュー糖、及び上白糖等の精製糖が挙げられ、特に、三温糖が好ましい。これらの糖類は、単独で使用してもよいし、複数種を組み合わせて使用してもよい。また、糖類だけではなく、ソルビトール、キシリトール等の糖アルコール、及びその他の甘味料を摂食促進成分として配合することも可能である。薬液中の摂食促進成分の含有量は、10~70重量%が好ましい。このような範囲であれば、多足類害虫に対する優れた摂食性を発揮することができ、さらに、低温でも摂食促進成分が結晶化することがないため多足類害虫防除用毒餌剤の保存性に優れる。薬液中の摂食促進成分の含有量が10重量%未満であると、多足類害虫の摂食性が不十分なものとなる場合がある。一方、薬液中の摂食促進成分の含有量が70重量%を超えると、低温環境において摂食促進成分が結晶化する虞がある。
[誘引成分]
ムカデは、動物性蛋白質からフルーツ、樹液等の植物由来の物質まで幅広い食性を有し、特に好む食物は諸説ある。そこで、本発明者らは、ムカデの誘引性について詳細に検討を行ったところ、ムカデは特定の種類の食品香料に強く誘引される傾向があることが判明した。この新たな知見に基づき、多足類害虫防除用毒餌剤に、誘引成分として特定の種類の食品香料を含有させた結果、優れた誘引効果が認められた。そこで、薬液の主成分の一つである誘引成分として、食品香料を使用する。食品香料としては、例えば、フレッシュミルクオイル、ストロベリーエッセンス、アセトイン、マンゴーエッセンス、鰹・鮪エキス、カマンベールチーズフレーバー、アップルオイル、鰹塩辛エキス、鮪エキス、バナナエッセンス、ノリフレーバー、イカペースト、及びメープルエッセンスが挙げられる。これらの食品香料は、単独で使用してもよいし、複数種を組み合わせて使用してもよい。さらに、本発明者らによるムカデの誘引性についての検討過程において、多足類害虫防除用毒餌剤に界面活性剤を添加した場合に、ムカデに対する摂食性が低下する傾向があることが明らかとなった。そのため、界面活性剤の添加が不要となる水溶性の食品香料が好ましい。そのような水溶性の食品香料として、例えば、ストロベリーエッセンス、アセトイン、マンゴーエッセンス、鰹・鮪エキス、カマンベールチーズフレーバー、鰹塩辛エキス、鮪エキス、バナナエッセンス、ノリフレーバー、イカペースト、及びメープルエッセンスが挙げられる。薬液中の誘引成分の含有量は、0.1~5重量%が好ましい。このような範囲であれば、多足類害虫に対する優れた誘引性を発揮することができる。薬液中の誘引成分の含有量が0.1重量%未満であると、多足類害虫の誘引性が不十分なものとなる場合がある。一方、薬液中の誘引成分の含有量が5重量%を超えると、多足類害虫防除用毒餌剤を閉鎖空間に設置した場合等に、臭気が過剰に強くなる虞がある。
[保湿成分]
薬液の主成分の一つである保湿成分は、多価アルコールが使用される。多価アルコールとしては、例えば、グリセリンや、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、及びベンジルグリコール等のグリコール類が挙げられ、特に、グリセリンが好ましい。これらの多価アルコールは、単独で使用してもよいし、複数種を組み合わせて使用してもよい。薬液中の保湿成分の含有量は、10~40重量%が好ましい。保湿成分の含有量がこのような範囲であれば、多足類害虫防除用毒餌剤を設置後、乾燥、変質を防ぎ、ムカデに対する誘引性及び摂食性を長期間にわたって維持することができる。薬液中の保湿成分の含有量が10重量%未満であると、設置後に多足類害虫防除用毒餌剤が早期に乾燥、変質し、ムカデに対する誘引性及び摂食性を維持できない虞がある。薬液中の保湿成分の含有量が40重量%を超える場合、保湿成分の濃度が高くなるため、薬液を適切に調製し難くなる。
[その他の成分]
薬液には、本発明の効果に支障を来たさない限り、必要に応じ、カビ類や菌類等を対象とした防カビ剤、抗菌剤、殺菌剤、ビトレックス等の苦味剤、pH調整剤、着色剤等を適宜配合してもよい。防カビ剤、抗菌剤、及び殺菌剤としては、ヒノキチオール、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-(4-チアゾリル)ベンツイミダゾール、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、トリホリン、3-メチル-4-イソプロピルフェノール、オルト-フェニルフェノール等が挙げられる。また、上述したように、多足類害虫防除用毒餌剤に界面活性剤を添加した場合、ムカデに対する摂食性が低下する傾向があるため、本発明に係る多足類害虫防除用毒餌剤は、界面活性剤を含有しないことが好ましい。
<ゲル化剤>
ゲル化剤は、薬液をゲル化させ、ゲル状の多足類害虫防除用毒餌剤を形成するものである。これにより、多足類害虫防除用毒餌剤は、取り扱いが容易なものとなり、さらに、長期間にわたって乾燥することなく、多足類害虫を防除することができる。ゲル化剤としては、例えば、吸水性樹脂、キサンタンガム、カラギナン、ローカストビーンガム、及び寒天等を使用することができる。さらに、本発明者らは、ゲル化剤の種類によって摂食性に相違があることを見出し、ゲルの性状に注目してムカデに対する摂食性を検討したところ、曳糸性の高いゲルではムカデに対する摂食性が低下する傾向があることが判明した。そのため、ゲル化剤としては、曳糸性が低い吸水性樹脂の使用が好ましい。そのような吸水性樹脂として、自重の100倍以上の水を吸収することができるアクリル酸重合体部分ナトリウム塩架橋物等のアクリル酸系吸水性ポリマーが挙げられる。薬液とゲル化剤とは、重量比として、20:1~70:1で配合されることが好ましい。薬液とゲル化剤との配合比がこのような範囲であれば、ムカデが摂食しやすい硬さ、及び含水率の粒状の毒餌剤が得られ、ムカデに対する高い防除効果を奏することができる。薬液とゲル化剤との配合比が20:1より小さい、即ち薬液をゲル化剤に対して20:1の配合比よりも減らすと、摂食促進成分による摂食性、及び誘引成分による誘引性が十分に効力を示さず、多足類害虫を防除できない虞がある。薬液とゲル化剤との配合比が70:1より大きい、即ち薬液をゲル化剤に対して70:1の配合比よりも増やすと、多足類害虫防除用毒餌剤の粘度が過度に小さくなり、取り扱いの面で不便なものとなる虞がある。
以下、本発明の多足類害虫防除用毒餌剤を用いて実施したムカデの誘引性、及び摂食性に関する実施例について説明する。
〔実施例1〕
害虫防除成分としてジノテフラン0.3g、誘引成分としてアセトイン1g、及び鰹・鮪エキス1g、摂食促進成分として三温糖40g、保湿成分としてグリセリン20g、その他の成分としてイソチアゾリン系抗菌剤0.02g、及びビトレックス0.002gを、精製水に混合して100gとすることで、薬液を調製した。さらに、吸水性樹脂(三洋化成、サンフレッシュ)0.3gに薬液10gを分注して膨潤させることで、実施例1の多足類害虫防除用毒餌剤を得た。
実施例1の多足類害虫防除用毒餌剤は、ゲル状の粒状体の集塊となり、取り扱いが容易であった。また、石膏を流し込んだプラスチックケース(幅21cm、長さ37cm、高さ28cm)に供試虫(トビズムカデ)を1匹放ち、馴化させた後に、実施例1の多足類害虫防除用毒餌剤2gをプラスチックケースに設置して、トビズムカデの行動を観察したところ、実施例1の多足類害虫防除用毒餌剤は、ムカデに対して優れた誘引性、摂食性、及び致死効果を示した。
様々な食品香料について誘引性確認試験を行い、ムカデに対する高い誘引性を有する食品香料を選定した。誘引性確認試験では、石膏を流し込んだプラスチックケース(幅21cm、長さ37cm、高さ28cm)に供試虫(トビズムカデ)を1匹放ち、馴化させた後に、食品香料のサンプル2gを入れたシャーレ(直径3.8cm、高さ1cm、蓋に直径2mmの小孔を6つ開口)をプラスチックケースに設置して、トビズムカデの行動を1時間観察した。プラスチックケースはサンプル毎に3つ用意し、シャーレへのトビズムカデの平均接触回数を求めた。図1は、食品香料へのトビズムカデの平均接触回数を示すグラフである。図1には、コントロールとして水道水2gを入れたシャーレへのトビズムカデの平均接触回数(2.9回)を合わせて示している。
誘引性確認試験の結果、平均接触回数が5回以上である食品香料を、ムカデに対する誘引性が高い食品香料として選定した。具体的には、図1において破線より上側に示したフレッシュミルクオイル、ストロベリーエッセンス、アセトイン、マンゴーエッセンス、鰹・鮪エキス、カマンベールチーズフレーバー、アップルオイル、鰹塩辛エキス、鮪エキス、バナナエッセンス、ノリフレーバー、イカペースト、及びメープルエッセンスが、平均接触回数が5以上となり優れた誘引性を有することが確認された。
〔実施例2~7、比較例1~4、参考例1〕
実施例1に準じて表1に示す各種の組成で多足類害虫防除用毒餌剤を調製し、摂食性確認試験を実施した。
摂食性確認試験では、石膏を流し込んだプラスチックケース(幅21cm、長さ37cm、高さ28cm)に供試虫(トビズムカデ)を1匹放ち、馴化させた後に、自由移動中のムカデの前方、又は静止中のムカデの頭部付近に多足類害虫防除用毒餌剤(サンプル)を提示し、摂食回数を記録し、摂食率(%)を下式により求めた。試験結果を、表1に示す。
摂食率(%) = Ce/Cd × 100
Cd:サンプルの提示回数
Ce:摂食回数
Figure 0007079602000001
摂食性確認試験の結果、本発明の特徴構成を備えた実施例2~7の多足類害虫防除用毒餌剤では、誘引成分として複数種類の食品香料を含有する実施例2~4、6~7、及び誘引成分として食品香料を1種類のみ含有する実施例5の何れでも摂食率が50%以上となり、優れた摂食性が確認された。また、実施例2~7の多足類害虫防除用毒餌剤のうち、摂食促進成分の含有量が最も少ない実施例2の摂食率が最も低く、摂食促進成分の含有量が最も多い実施例7の摂食率が最も高くなることから、摂食促進成分の含有量が多い程、多足類害虫防除用毒餌剤の摂食性が向上する傾向が確認された。なお、実施例2~7の多足類害虫防除用毒餌剤は、ゲル状の粒状体の集塊となり、中でも薬液とゲル化剤との配合比が30:1である実施例3と、薬液とゲル化剤との配合比が50:1である実施例2、4、5、及び7とは、適度な硬さを有し取り扱いが容易であった。薬液とゲル化剤との配合比が70:1である実施例6は、他のものと比較して粘度がやや低くなったが、十分な取り扱い性を有するものであった。このように、本発明の特徴構成を備えた実施例2~7の多足類害虫防除用毒餌剤は、優れた摂食性、及び良好な取り扱い性を両立したものであり、多足類害虫の防除に適することが確認された。
一方、摂食促進成分を含有していない比較例1の多足類害虫防除用毒餌剤では、摂食促進成分以外の組成が同一である実施例4の多足類害虫防除用毒餌剤と比較して、摂食率が低下することが確認された。誘引成分を含有していない比較例2の多足類害虫防除用毒餌剤では、誘引成分以外の組成が同一である実施例4の多足類害虫防除用毒餌剤と比較して、摂食率が低下することが確認された。保湿成分を含有していない比較例3の多足類害虫防除用毒餌剤では、保湿成分以外の組成が同一である実施例5の多足類害虫防除用毒餌剤と比較して、摂食率が低下することが確認された。このように、本発明の特徴構成を備えていない比較例1~3の多足類害虫防除用毒餌剤は、何れも摂食率が41%以下の低い値であり、摂食性が劣るものであることが確認された。なお、比較例4は、本発明に規定する誘引成分の好ましい含有量の範囲である0.1~5重量%から外れた値(アセトイン0.04重量%、鰹・鮪エキス0.04重量%)で誘引成分を含有するように調製されている。このような比較例4では、誘引成分の含有量以外の組成が同一である実施例4の多足類害虫防除用毒餌剤と比較して、摂食率が低下することが確認された。
なお、界面活性剤を含有する参考例1の多足類害虫防除用毒餌剤は、界面活性剤以外の組成が、摂食促進成分を60重量%含有し摂食率が最も高い88%であった実施例7の多足類害虫防除用毒餌剤と同一であるにも関わらず、摂食率が0%であった。このことから、多足類害虫防除用毒餌剤に界面活性剤を添加した場合、ムカデに対する摂食性が低下することが確認された。以上の結果より、誘引性確認試験においてムカデに対する誘引性が高い食品香料として選定したもののうち、水溶性が高いストロベリーエッセンス、アセトイン、マンゴーエッセンス、鰹・鮪エキス、カマンベールチーズフレーバー、鰹塩辛エキス、鮪エキス、バナナエッセンス、ノリフレーバー、イカペースト、及びメープルエッセンスは、多足類害虫防除用毒餌剤を調製する際に、可溶化剤として界面活性剤を添加する必要がないため、誘引成分により適した食品香料であることが確認された。
本発明の多足類害虫防除用毒餌剤は、ムカデ、ヤスデ等の多足類害虫を駆除する用途に利用可能であり、多足類害虫のうち特に、トビズムカデ、アオズムカデ、アカズムカデ等のムカデ類に対して好適に利用可能であり、さらにはワラジムシ、ダンゴムシ等にも利用可能である。

Claims (3)

  1. ムカデ類防除用毒餌剤であって、
    害虫防除成分、摂食促進成分である糖類、誘引成分である食品香料、保湿成分である多価アルコール、及び水を含有し、吸水性樹脂にてゲル化されている薬液を含み、
    前記害虫防除成分は、ジノテフランを含み、
    前記薬液における前記糖類の含有量は、10~60重量%であり、
    前記薬液における前記多価アルコールの含有量は、20~40重量%であり、
    前記薬液と前記吸水性樹脂とは、重量比として、50:1~70:1で配合されており、
    界面活性剤を含有しないムカデ類防除用毒餌剤(但し、アルギン酸エステルを含有する
    場合を除く)。
  2. 前記薬液中の前記害虫防除成分の含有量は、0.3重量%以上である請求項1に記載のムカデ類防除用毒餌剤。
  3. 前記食品香料は、フレッシュミルクオイル、ストロベリーエッセンス、アセトイン、マンゴーエッセンス、鰹・鮪エキス、カマンベールチーズフレーバー、アップルオイル、鰹塩辛エキス、鮪エキス、バナナエッセンス、ノリフレーバー、及びメープルエッセンスからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載のムカデ類防除用毒餌剤。
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