JP6170430B2 - 液圧転写用ベースフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、凹凸のある立体面や曲面を有する成形体などの被転写体に印刷を施す際に使用される液圧転写用フィルムを形成するための液圧転写用ベースフィルム、それから形成される液圧転写用フィルムおよび当該液圧転写用フィルムを用いる液圧転写方法に関する。
凹凸のある立体面や曲面を有する成形体の表面に意匠性を付与したり表面物性を向上させたりするための印刷層を形成する手段として、水溶性または水膨潤性のフィルム表面に転写用の印刷層が形成された液圧転写用フィルムを用いる方法が知られている。例えば、特許文献1には液圧転写用フィルムの印刷面を上にして水に代表される液体の液面に浮かべた後、被転写体である各種の成形体をその上方から押し入れることで、液圧を利用して被転写体の表面に印刷層を転写する方法が記載されている。
液圧転写方法においては液圧転写用フィルムを液面に浮かべた際のカールを防止することが重要である。例えば、特許文献2には、近年、意匠の印刷が多層印刷であったり耐久性に優れた印刷用インキが用いられるようになったりして液圧転写用フィルムの意匠印刷面と非印刷面の吸水性に差が生じることなどに起因するカールを防止するため、液圧転写用ベースフィルムを製造する際に製膜ベルトまたは製膜ドラムに接する面と反対側となる面に熱処理を行うことが記載されている。
また、特許文献3には、水溶性高分子薄質膜を水面に浮かべて物体に転写印刷を施すとき薄質膜の周辺端部のカールの発生を有効に防止することにより美麗な転写印刷を達成するため、円、正方形といった形状の小孔を端部に多数設けた薄質膜を用いることが記載されている。
特開昭54−33115号公報 特開2009−1009号公報 特開昭55−41283号公報
しかしながら、特許文献2に記載の方法ではカールの防止効果が未だ不十分なため、転写効率が悪かった。一方、特許文献3に記載の方法には、それに記載されているような小孔を設けるのがそれほど容易ではないため液圧転写用ベースフィルムの生産性(生産速度)が低下したり、小孔を設けた際に切り取られた屑がフィルム表面に付着して液圧転写用ベースフィルムの表面への印刷や被転写体への液圧転写の際に欠点を生じたり、当該小孔を設けた近辺に印刷を施しても液圧転写時に小孔部分が印刷抜けとなるため当該小孔を設けた近辺は実質的に液圧転写に寄与できず液圧転写に寄与できる有効面積が縮小したりする、といった問題のあることが分かった。そこで本発明では、特許文献3に記載された方法とは異なる手段により、液面に浮かべたときのカールを十分に防止できて転写効率に優れた液圧転写用フィルムを形成することのできる液圧転写用ベースフィルム、それから形成される液圧転写用フィルムおよび当該液圧転写用フィルムを用いる液圧転写方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、液圧転写用ベースフィルムの端部に形成が比較的容易な線状の切れ込みを予め入れておくことにより、それを用いてなる液圧転写用フィルムを水に代表される液体の液面に浮かべたときのカールが高度に抑制されることを見出した。本発明者らは当該知見に基づいてさらに検討を重ねて本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
[1]端部に線状の切れ込みを有する液圧転写用ベースフィルムであって、
前記液圧転写用ベースフィルムの端の長さ100mm当たり7mm以上の割合で前記線状の切れ込みを有し、
前記液圧転写用ベースフィルムの端に対して前記線状の切れ込みが略並行に存在し、
前記液圧転写用ベースフィルムの端から前記線状の切れ込みまでの距離が1〜10mmである、液圧転写用ベースフィルム、
]ポリビニルアルコールフィルムである、上記[1]液圧転写用ベースフィルム、
]上記[1]または液圧転写用ベースフィルムの表面に印刷を施してなる液圧転写用フィルム、
]上記[]の液圧転写用フィルムを印刷が施された面を上にして液面に浮かべる工程と浮かべた液圧転写用フィルムの上方から被転写体を押し付ける工程とを有する液圧転写方法、
に関する。
本発明によれば、液面に浮かべたときのカールを十分に防止できて転写効率に優れた液圧転写用フィルムを形成することのできる液圧転写用ベースフィルム、それから形成される液圧転写用フィルムおよび当該液圧転写用フィルムを用いる液圧転写方法が提供される。
本発明の実施態様の一例を示す概略図である。 端の長さ100mm当たりの線状の切れ込みの長さの測定方法を示す概略図である。 実施例において記載した各実施態様を示す概略図である。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明の液圧転写用ベースフィルムは端部(液圧転写用ベースフィルムの端近傍の部分)に線状の切れ込みを有する。端部に線状の切れ込みを有することにより、それから形成される液圧転写用フィルムを液面に浮かべたときのカールを十分に防止することができる。本発明を何ら限定するものではないが、この理由としては、液圧転写用フィルムの端からカールが発生したとしても当該切れ込みによりカールの進行が止まるためと考えられる。また、線状の切れ込みは、特許文献3に記載されているような小孔の場合と異なり、その形成が比較的容易で液圧転写用ベースフィルムを生産性よく製造することができ、屑も発生しにくく、しかも線状の切れ込みが形成された近辺も液圧転写に寄与できて液圧転写用フィルムの有効面積の縮小を低減できる、といった利点も有する。
一般的な液圧転写用ベースフィルムは、長尺のフィルムである場合もあれば、矩形のフィルムである場合もあり、長尺のフィルムの場合にはロール状に巻かれたものを連続的に繰り出しながらその表面に印刷を施して液圧転写用フィルムとし、そのまま、あるいは一旦ロール状に巻き取った後に再度繰り出して連続的に液圧転写に供することができる。本発明の液圧転写用ベースフィルムにおいても、その形状は、長尺のフィルムであっても、比較的長さの短い(例えば一辺の長さがいずれも1m未満の)矩形のフィルムであっても、いずれでもよく、さらには三角形、五角形等の多角形状や、円形状であってもよいが、液圧転写時の取り扱い性などの観点から長尺のフィルムおよび矩形のフィルムが好ましく、印刷や液圧転写を連続的に行うことが可能となる点などを考慮すると長尺のフィルムが好ましい。
長尺のフィルムにおいてその長さおよび幅に特に制限はないが、印刷時の生産性の観点から、長さは1m以上であるのが好ましく、100m以上であるのがより好ましく、1000m以上であるのがさらに好ましい。また長さの上限としては例えば10000mが挙げられる。一方、幅は、印刷時の生産性向上の観点から、50cm以上であるのが好ましく、80cm以上であるのがより好ましく、100cm以上であるのがさらに好ましい。また当該幅は、均一な厚みを有する液圧転写用ベースフィルムの生産が容易であることなどから、4m以下であるのが好ましく、3m以下であるのがより好ましい。
本発明の液圧転写用ベースフィルムは端部に線状の切れ込みを有する。本発明においては、巨視的にみて、液圧転写用ベースフィルムの端部の少なくとも一部に線状の切れ込みを有していればよく、例えば本発明の液圧転写用ベースフィルムが比較的長さの短い矩形の場合には4辺のうちの対向する2辺近傍の端部にのみ線状の切れ込みを有していてもよい。しかしながら、より効果的にカールを防止することができることから、巨視的にみて、液圧転写時に液面に接することになる液圧転写用ベースフィルムの全ての端に沿った端部全体にわたり線状の切れ込みを有していることが好ましい。具体的には、本発明の液圧転写用ベースフィルムが比較的長さの短い矩形のフィルムの場合には、4辺近傍の端部全体にわたり線状の切れ込みを有することが好ましく、長尺のフィルムである場合には、2つの長辺近傍の端部全体にわたり線状の切れ込みを有することが好ましく、円形状の場合には、周回する端部全体にわたり線状の切れ込みを有することが好ましい。
上記の線状の切れ込みは、液圧転写用ベースフィルムの厚み方向に貫通するものであっても、液圧転写用ベースフィルムの一方の面にのみ開口するものであってもどちらでもよいが、切れ込みを容易に形成することができ、しかもカールの防止効果がより顕著に奏されることから、線状の切れ込みは液圧転写用ベースフィルムの厚み方向に貫通するものであることが好ましい。また、液圧転写用ベースフィルムの一方の面にのみ開口するものであっても非貫通部分の厚みを極めて薄くするなどすることにより、得られる液圧転写用フィルムを液面に浮かべた際に数秒以内(例えば3秒以内)に貫通させることができ、このような切れ込みも好ましい態様の1つである。
上記の線状の切れ込みは液圧転写用ベースフィルムの端に沿った方向に間欠的に複数存在していても、当該切れ込みが液圧転写用ベースフィルムの一方の面にのみ開口するものである場合などにおいて端に沿った方向に連続的に存在していてもどちらでもよいが、液圧転写用ベースフィルムの強度などの点から、端に沿った方向に間欠的に複数存在していることが好ましい。個々の線状の切れ込みをフィルム面側からみた形状に特に制限はなく、直線状、折れ線状、曲線状、これらのうちの2つ以上が組み合わされた形状などが挙げられる。これらの中でも、得られる液圧転写用フィルムの転写効率がより優れたものとなり、しかも切れ込みの形成もより簡便なことから、当該形状は直線状が好ましい。
図1は、液圧転写用ベースフィルムが長尺のフィルムであって、2つの長辺近傍の端部全体にわたり線状の切れ込みを有する場合の一例を示す概略図である。図1においては、長尺の液圧転写用ベースフィルム1の2つの長辺に相当する端2近傍の部分である端部3全体にわたり、液圧転写用ベースフィルムの厚み方向に貫通する複数の線状の切れ込み4が形成されている。ここで個々の線状の切れ込み4はフィルム面側からみた形状が直線状であり、複数の切れ込み4が液圧転写用ベースフィルム1の端2に沿った方向に間欠的に存在している。
個々の線状の切れ込みのサイズに特に制限はないが、より効果的にカールを防止することができることから、その長さは、3〜50mmの範囲内であることが好ましく、7〜35mmの範囲内であることがより好ましく、10〜25mmの範囲内であることがさらに好ましい。また線状の切れ込みの開口部分の線幅は通常は200μm未満であり、150μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましく、70μm以下であることがさらに好ましく、また切れ込みの対向する断面同士が少なくともその一部分において互いに接触していてもよい。
また個々の線状の切れ込みは液圧転写用ベースフィルムの端(端が直線でない場合には対象となる切れ込みに一番近い端上の点における接線)に対して略平行に存在することが好ましい。ここで液圧転写用ベースフィルムの端に対して略平行とは液圧転写用ベースフィルムの端と線状の切れ込みとがなす角の角度が0°の場合のみならず、わずかにずれる場合(好ましくは±30°以内、より好ましくは±10°以内)をも包含することを意味する。なお、個々の線状の切れ込みをフィルム面側からみた形状が直線状以外の場合には、個々の線状の切れ込みにおける端点同士を結ぶ線分(複数存在する場合には長さが最大の線分のうちの任意の1線分)が液圧転写用ベースフィルムの端と略平行であることが好ましい。
本発明の液圧転写用ベースフィルムは後述するカール面積率を小さくするために、上記の線状の切れ込みをなるべく端に近い位置に有することが好ましい。具体的には、液圧転写用ベースフィルムの端から線状の切れ込みまでの距離が10mm以下が好ましく、8mm以下がより好ましく、6mm以下がさらに好ましい。一方、端からの距離があまりに短いとカールの防止効果が低減する場合があることから当該距離は1mm以上であることが好ましい。ここで端から線状の切れ込みまでの距離とは、線状の切れ込み上の各点と端との間の各距離のうちで最小の距離(最短距離)のことを指す。
本発明の液圧転写用ベースフィルムは、より効果的にカールを防止することができることから、その端の長さ100mm当たり7mm以上の割合で上記の線状の切れ込みを有することが好ましく、10mm以上の割合で上記の線状の切れ込みを有することがより好ましい。また、液圧転写用ベースフィルムの強度などの点から、端の長さ100mm当たり50mm以下の割合で上記の線状の切れ込みを有することが好ましい。上記の割合は、図2に示すように、線状の切れ込み4(複数存在する場合には全体)を液圧転写用ベースフィルムの端2に対して紙面上で垂直方向に投影した際に得られる線分の長さの合計(図2では長さL1と長さL2の合計)を端2の長さで除した後、端2の長さ100mm当たりの値として算出することができる。
本発明の液圧転写用ベースフィルムを構成する素材としては、得られる液圧転写用ベースフィルムが水溶性となるものを用いることができ、具体的には、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸またはその塩、澱粉、ゼラチンなどが挙げられるが、重合度やけん化度、澱粉等の添加剤の配合等の諸条件を変化させるのが比較的容易で、それによって、必要な機械的強度や取り扱い中の耐湿性を制御することができるためポリビニルアルコールが好ましい。
液圧転写用ベースフィルムがポリビニルアルコール(以下、「ポリビニルアルコール」を「PVA」と略記する場合がある)フィルムである場合、当該PVAとしては、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、酢酸イソプロペニル等のビニルエステルの1種または2種以上を重合して得られるポリビニルエステルをけん化することにより得られるものを使用することができる。上記のビニルエステルの中でも、PVAの製造の容易性、入手容易性、コスト等の点から、酢酸ビニルが好ましい。
上記のポリビニルエステルは、単量体として1種または2種以上のビニルエステルのみを用いて得られたものが好ましく、単量体として1種のビニルエステルのみを用いて得られたものがより好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、1種または2種以上のビニルエステルと、これと共重合可能な他の単量体との共重合体であってもよい。
上記のビニルエステルと共重合可能な他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等の炭素数2〜30のα−オレフィン;(メタ)アクリル酸またはその塩;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸またはその塩、(メタ)アクリルアミドプロピルジメチルアミンまたはその塩、N−メチロール(メタ)アクリルアミドまたはその誘導体等の(メタ)アクリルアミド誘導体;N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン等のN−ビニルアミド;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエーテル;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル;酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合物;マレイン酸またはその塩、エステルもしくは酸無水物;イタコン酸またはその塩、エステルもしくは酸無水物;ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル化合物;不飽和スルホン酸などを挙げることができる。上記のポリビニルエステルは、前記した他の単量体の1種または2種以上に由来する構造単位を有することができる。
上記のポリビニルエステルに占める前記した他の単量体に由来する構造単位の割合は、ポリビニルエステルを構成する全構造単位のモル数に基づいて、25モル%以下であることが好ましく、15モル%以下であることがより好ましく、5モル%以下であることがさらに好ましい。当該割合が25モル%を超えると、液圧転写用ベースフィルムと印刷層との親和性などが低下する傾向がある。
上記のPVAは、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、1種または2種以上のグラフト共重合可能な単量体によって変性されたものであってもよい。当該グラフト共重合可能な単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸またはその誘導体;不飽和スルホン酸またはその誘導体;炭素数2〜30のα−オレフィンなどが挙げられる。PVAにおけるグラフト共重合可能な単量体に由来する構造単位の割合は、PVAを構成する全構造単位のモル数に基づいて、5モル%以下であることが好ましい。
上記のPVAは、その水酸基の一部が架橋されていてもよいし架橋されていなくてもよい。また上記のPVAは、その水酸基の一部がアセトアルデヒド、ブチルアルデヒド等のアルデヒド化合物などと反応してアセタール構造を形成していてもよいし、これらの化合物と反応せずアセタール構造を形成していなくてもよい。
上記のPVAの重合度は500〜3000の範囲内であることが好ましく、700〜2800の範囲内であることがより好ましく、1000〜2500の範囲内であることがさらに好ましい。PVAの重合度が500未満の場合には、得られる液圧転写用ベースフィルムの機械的強度が不足する場合がある。一方、PVAの重合度が3000を超えると、液圧転写用ベースフィルムを製造する際の生産効率が低下する場合があり、また、液圧転写用ベースフィルム、ひいては液圧転写用フィルムの水溶性が低下し経済的な工程速度で液圧転写を行うのが困難になる場合がある。なお、本明細書でいうPVAの重合度はJIS K6726−1994の記載に準じて測定した平均重合度を意味する。
上記のPVAのけん化度は80〜99モル%の範囲内であることが好ましく、83〜96モル%の範囲内であることがより好ましく、85〜90モル%の範囲内であることがさらに好ましい。PVAのけん化度が80モル%未満の場合には、液圧転写用ベースフィルム、ひいては液圧転写用フィルムの水溶性が低下し経済的な工程速度で液圧転写を行うのが困難になる場合がある。一方、PVAのけん化度が99モル%を超えた場合でも、液圧転写用ベースフィルムや液圧転写用フィルムの水溶性が低下し経済的な工程速度で液圧転写を行うのが困難になる場合がある。なお、本明細書におけるPVAのけん化度とは、PVAが有する、けん化によってビニルアルコール単位に変換され得る構造単位(典型的にはビニルエステル単位)とビニルアルコール単位との合計モル数に対して当該ビニルアルコール単位のモル数が占める割合(モル%)をいう。けん化度はJIS K6726−1994の記載に準じて測定することができる。
上記のPVAフィルムに可塑剤を含有させることで柔軟性を付与することができる。可塑剤としては多価アルコールが好ましく、具体例としては、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジグリセリン、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパンなどを挙げることができる。PVAフィルムにおける可塑剤の含有量はPVA100質量部に対して20質量部以下であるのが好ましく、15質量部以下であるのがより好ましい。可塑剤の含有量が20質量部を超えると、PVAフィルムのブロッキングが生じる場合がある。
また、液圧転写用ベースフィルムに印刷層を形成する際に必要な機械的強度を付与し、液圧転写用ベースフィルムを取り扱う際の耐湿性を維持し、あるいは印刷層が形成された液圧転写用フィルムを液面に浮かべた際の液体の吸収による柔軟化の速度、液面での延展性、液体中への拡散に要する時間、液圧転写工程における変形のし易さ等を調節することなどを目的として、上記のPVAフィルムに澱粉および/またはPVA以外の水溶性高分子を含有させることが好ましい。
澱粉としては、例えば、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、コムギ澱粉、コメ澱粉、タピオカ澱粉、サゴ澱粉等の天然澱粉類;エーテル化加工、エステル化加工、酸化加工等が施された加工澱粉類などを挙げることができ、特に加工澱粉類が好ましい。PVAフィルムにおける澱粉の含有量はPVA100質量部に対して15質量部以下であるのが好ましく、10質量部以下であるのがより好ましい。澱粉の含有量が15質量部を超えると、液圧転写用ベースフィルムや液圧転写用フィルムの耐衝撃性が低下して脆くなり、工程通過性が低下する場合がある。
PVA以外の水溶性高分子としては、例えば、デキストリン、ゼラチン、にかわ、カゼイン、シェラック、アラビアゴム、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルメチルエーテル、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体、酢酸ビニルとイタコン酸の共重合体、ポリビニルピロリドン、セルロース、アセチルセルロース、アセチルブチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。PVAフィルムにおけるPVA以外の水溶性高分子の含有量はPVA100質量部に対して15質量部以下であるのが好ましく、10質量部以下であるのがより好ましい。PVA以外の水溶性高分子の含有量が15質量部を超えると、液圧転写時における液圧転写用フィルムの溶解性および分散性が低下する場合がある。
また、印刷層が形成された液圧転写用フィルムを液面に浮かべた際の液体の吸収による柔軟化の速度、液面での延展性、液体中への拡散に要する時間等を調節する目的で、上記のPVAフィルムにホウ素系化合物や界面活性剤などの添加剤を含有させることが好ましい。
ホウ素系化合物としては、ホウ酸や硼砂が好ましい。PVAフィルムにおけるホウ素系化合物の含有量はPVA100質量部に対して5質量部以下であるのが好ましく、1質量部以下であるのがより好ましい。ホウ素系化合物の含有量が5質量部を超えると、液圧転写用ベースフィルムや液圧転写用フィルムの水溶性が低下し経済的な工程速度で液圧転写を行うのが困難になる場合がある。
界面活性剤としては特に制限はなく、公知のアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤などを用いることができる。PVAフィルムにおける界面活性剤の含有量は、PVA100質量部に対して5質量部以下であるのが好ましく、1質量部以下であるのがより好ましい。界面活性剤の含有量が5質量部を超えると、液圧転写用ベースフィルムが密着しやすくなって取り扱い性が低下する場合がある。
PVAフィルムには、上記した成分以外にも、熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、フィラー等の他の成分を含有させることができる。これらの他の成分の含有量は、その種類にもよるが、通常、PVA100質量部に対して10質量部以下であるのが好ましく、5質量部以下であるのがより好ましい。他の成分の含有量が10質量部を超えると、液圧転写用ベースフィルムの耐衝撃性が悪化する場合がある。
本発明の液圧転写用ベースフィルムの水分率は、2〜6質量%の範囲内であることが好ましく、3〜5質量%の範囲内であることがより好ましい。水分率が2質量%未満であると得られる液圧転写用フィルムの水分率も低くなりやすく、液圧転写時にカールの程度が大きくなる傾向がある。一方、水分率が6質量%を超えると印刷の精度が低下するなどの不具合が発生しやすくなる傾向がある。
本発明の液圧転写用ベースフィルムの厚みは、水溶性と工程通過性のバランスを勘案して適宜選択すればよいが、通常、10〜100μmの範囲内、好ましくは20〜80μmの範囲内、より好ましくは30〜50μmの範囲内であるのがよい。厚みが10μm未満になると、液圧転写用ベースフィルムの強度が不足して工程通過性の低下が生じる場合がある。一方、厚みが100μmを超えると、液圧転写用ベースフィルムや液圧転写用フィルムの水溶性が低下し経済的な工程速度で液圧転写を行うのが困難になる場合がある。
また、液圧転写用ベースフィルムに印刷層を形成する際の印刷適性を向上させたり、液圧転写用ベースフィルム表面のスリップ性を向上させたりするために、液圧転写用ベースフィルムの表面にマット処理が施されていることが好ましい。マット処理の方法として、製膜時にロールまたはベルト上のマット表面をフィルムに転写させるオンラインマット処理法、製膜されたフィルムを一旦ロールに巻き取った後にエンボス処理を施す方法などが挙げられる。マット処理が施された面の表面粗さは、Raで0.5μm以上であるのが好ましく、1μm以上であるのがより好ましい。Raの上限としては、例えば、10μmが挙げられる。また、Rmaxで1μm以上であるのが好ましく、3μm以上であるのがより好ましい。Rmaxの上限としては、例えば、20μmが挙げられる。
本発明の液圧転写用ベースフィルムによれば、液面に浮かべたときのカールを十分に防止することができる液圧転写用フィルムを形成することができる。液圧転写用フィルムのカールの程度は液圧転写用ベースフィルム自体のカールの程度を評価することによってモデル的に評価することができる。液圧転写用ベースフィルムのカールの程度を評価する方法として本明細書ではカール面積率を用いる。カール面積率とは、水面に浮かべる前の液圧転写用ベースフィルムの面積に対する、水面に浮かべた後に液圧転写用ベースフィルムの端部がカールすることによって水面と接触しなくなった部分の面積の比率のことであり、後述する方法で測定される。カール面積率は、その値が小さいほどカールが防止され液圧転写用フィルムの転写効率が優れたものとなることを意味し、具体的には7%以下が好ましく、6%以下がより好ましく、5%以下がさらに好ましい。
本発明の液圧転写用ベースフィルムの製造方法に特に制限はなく、例えば、切れ込みのないフィルムを予め製膜しておき、これに線状の切れ込みを形成する方法;製膜用の支持体に線状の切れ込みを形成するための凸部を設けておくなどして、フィルムを製膜する際に線状の切れ込みを同時に形成する方法などが挙げられるが、製膜のしやすさなどから、切れ込みのないフィルムを予め製膜しておき、これに線状の切れ込みを形成する方法が好ましい。製膜されたフィルムへの線状の切れ込みの形成方法としては特に限定されないが、例えば、長尺の液圧転写用ベースフィルムを製造する場合には、長尺のフィルムに対してミシン目カッター等を用いてその両端部に線状の切れ込みを連続的に形成するのがよく、矩形のフィルム等、枚葉形状の液圧転写用ベースフィルムを製造する場合には、カッターナイフ等を用いてバッチ毎に端部に線状の切れ込みを形成するのがよい。
上記のように、切れ込みのないフィルムを予め製膜する場合、および製膜する際に線状の切れ込みを同時に形成する場合のいずれにおいても、フィルムの製膜方法に特に制限はなく、フィルムを構成する素材の種類などに応じ、流延法、押出法、溶融法、インフレーション法等の製膜方法を適宜採用することによりフィルムを製膜することができる。また、製膜後のフィルムは無延伸でもよいし、液面転写時の転写条件などに合わせて機械特性を改善する目的で、1軸延伸または2軸延伸を施してもよい。
本発明の液圧転写用ベースフィルムの表面に印刷を施すことにより液圧転写用フィルムとすることができる。当該印刷方法に特に制限はなく、公知の印刷方式を採用することによって印刷層を形成することができ、例えば、グラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、ロールコート等を採用することができる。当該印刷は、液圧転写用ベースフィルムに印刷インクによって直接行ってもよいし、印刷層を他のフィルム上に一旦形成した後で、それを液圧転写用ベースフィルムに転写することによって印刷を行うこともできる。前者のように液圧転写用ベースフィルムに印刷インクによって直接印刷を行う場合には印刷インクの組成の制限や乾燥工程の問題、多色印刷の際の色ずれの問題などが発生することがあるため、後者のように印刷層を他のフィルムに一旦形成した後で、それを液圧転写用ベースフィルムに転写することによって印刷を行うのが好ましい。印刷に使用される印刷インクとしては従来公知のものを用いることができる。
上記の液圧転写用フィルムを印刷が施された面を上にして水等の液体の液面に浮かべ、その上方から各種成形体などの被転写体を押し付けることにより液圧転写を行うことができる。より詳細な液圧転写方法としては、例えば、液圧転写用フィルムを印刷が施された面を上にして液面に浮かべると共にインク活性剤を吹き付けるなどして印刷層を活性化させる第1工程、液面に浮かべた液圧転写用フィルムの上方から被転写体を被転写面が下方になるようにして降下させて押し付ける第2工程、液圧転写用フィルムの印刷層が被転写体の表面に十分に固着した後で該液圧転写用フィルムにおける液圧転写用ベースフィルム部分を除去する第3工程、被転写面に印刷層が転写させた被転写体を十分に乾燥させる第4工程の各工程からなる液圧転写方法が挙げられる。
被転写体の種類に特に制限はなく、例えば、木、合板、パーティクルボード等の木質基材;各種プラスチック類;石膏ボード;パルプセメント板、スレート板、石綿セメント板等の繊維セメント板;珪酸カルシウム板;珪酸マグネシウム板;ガラス繊維補強セメント;コンクリート;鉄、ステンレス、銅、アルミニウム等の金属の板;これらの複合物などが挙げられる。被転写体は、その表面の形状が平坦であっても、粗面であっても、凹凸形状を有していても、いずれでもよいが、凹凸のある立体面や曲面を有する被転写体であることが、液圧転写の利点をより効果的に活用することができることから好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、液圧転写用ベースフィルムの水分率およびカール面積率の測定方法を以下に記す。
液圧転写用ベースフィルムの水分率の測定
カールフィッシャー水分計を用いて測定した。
液圧転写用ベースフィルムのカール面積率の測定
縦420mm×横320mm×高さ160mmの容器に10リットルの水を入れ、30℃に調整した後、以下の実施例または比較例で作製した液圧転写用ベースフィルム(サイズ:200mm×200mm)を、製膜時のステンレス製ベルトに接する面と反対側となる面が水と接するようにして上記容器中の水面に浮かべた。この操作により、通常は液圧転写用ベースフィルムの端部が水面に対して上向きにカールすることになる。浮かべ始めてから25秒後に水面と接触している部分の面積(Amm)を測定して、次式によりカール面積率(%)を算出した。なお、上記の面積(Amm)は一連の操作をカメラ撮影して得られた画像データをコンピューターで画像処理することによって測定した。

カール面積率(%)=〔1−A/(200×200)〕×100

カール面積率が7%以下のものを「○」(良好)と判定し、7%より大きいものを「×」(不良)と判定した。
[製造例1]
液圧転写用ベースフィルムの製造
けん化度88モル%、重合度2400のPVA100質量部、グリセリン3質量部、コーンスターチ(平均粒度20μm)5質量部、硼砂0.7質量部、およびポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート1質量部を含みPVAの濃度が18質量%の水溶液を、温度95℃のステンレス製ベルト上に流延し、2分間乾燥した。乾燥後、ベルトに接する面と反対側となる面を80℃の熱処理ロールで8秒間熱処理し、厚み40μmのPVAフィルムを得た。
[実施例1]
製造例1で得られたPVAフィルムから200mm×200mmの正方形のフィルムを切り出した後、カッターナイフを用いて、図3の(a)のように、1辺の端から5mmの位置に長さ10mmの直線状の切れ込み(フィルムの厚み方向に貫通するもの;開口部分の線幅は70μm以下)を2つ入れた。残りの3辺の端部にも同様に切れ込みを入れてカール面積率測定用の液圧転写用ベースフィルム(水分率4.0質量%)とし、上記の方法に従って、そのカール面積率を測定した。結果を表1に示した。
[実施例2]
製造例1で得られたPVAフィルムから200mm×200mmの正方形のフィルムを切り出した後、カッターナイフを用いて、図3の(b)のように、1辺の端から5mmの位置に長さ20mmの直線状の切れ込み(フィルムの厚み方向に貫通するもの;開口部分の線幅は70μm以下)を1つ入れた。残りの3辺の端部にも同様に切れ込みを入れてカール面積率測定用の液圧転写用ベースフィルム(水分率4.0質量%)とし、上記の方法に従って、そのカール面積率を測定した。結果を表1に示した。
[実施例3]
製造例1で得られたPVAフィルムから200mm×200mmの正方形のフィルムを切り出した後、カッターナイフを用いて、図3の(c)のように、1辺の端から5mmの位置に長さ40mmの直線状の切れ込み(フィルムの厚み方向に貫通するもの;開口部分の線幅は70μm以下)を1つ入れた。残りの3辺の端部にも同様に切れ込みを入れてカール面積率測定用の液圧転写用ベースフィルム(水分率4.0質量%)とし、上記の方法に従って、そのカール面積率を測定した。結果を表1に示した。
[実施例4]
製造例1で得られたPVAフィルムから200mm×200mmの正方形のフィルムを切り出した後、カッターナイフを用いて、図3の(d)のように、1辺の端から5mmの位置に長さ10mmの直線状の切れ込み(フィルムの厚み方向に貫通するもの;開口部分の線幅は70μm以下)を2つ入れた。残りの3辺の端部にも同様に切れ込みを入れてカール面積率測定用の液圧転写用ベースフィルム(水分率4.0質量%)とし、上記の方法に従って、そのカール面積率を測定した。結果を表1に示した。
[実施例5]
製造例1で得られたPVAフィルムから200mm×200mmの正方形のフィルムを切り出した後、カッターナイフを用いて、図3の(e)のように、1辺の端から10mmの位置に長さ20mmの直線状の切れ込み(フィルムの厚み方向に貫通するもの;開口部分の線幅は70μm以下)を1つ入れた。残りの3辺の端部にも同様に切れ込みを入れてカール面積率測定用の液圧転写用ベースフィルム(水分率4.0質量%)とし、上記の方法に従って、そのカール面積率を測定した。結果を表1に示した。
[実施例6]
製造例1で得られたPVAフィルムから200mm×200mmの正方形のフィルムを切り出した後、カッターナイフを用いて、図3の(f)のように、1辺の端から5mmの位置に長さ5mmの直線状の切れ込み(フィルムの厚み方向に貫通するもの;開口部分の線幅は70μm以下)を4つ入れた。残りの3辺の端部にも同様に切れ込みを入れてカール面積率測定用の液圧転写用ベースフィルム(水分率4.0質量%)とし、上記の方法に従って、そのカール面積率を測定した。結果を表1に示した。
[比較例1]
製造例1で得られたPVAフィルムから200mm×200mmの正方形のフィルム(水分率4.0質量%)を切り出した後、それをそのままカール面積率測定用の液圧転写用ベースフィルムとして用いて、上記の方法に従って、そのカール面積率を測定した。結果を表1に示した。
Figure 0006170430
実施例1〜6の液圧転写用ベースフィルムでは、カール面積率の値が小さくて、液面に浮かべたときのカールを十分に防止できて転写効率に優れた液圧転写用フィルムを形成することができることが分かる。一方、比較例1の液圧転写用ベースフィルムでは、カール面積率の値が大きかった。
本発明の液圧転写用ベースフィルムは、液面に浮かべたときのカールを十分に防止できて転写効率に優れた液圧転写用フィルムを形成することができ、凹凸のある立体面や曲面を有する被転写体の表面に印刷層を形成する際の液圧転写に好適に使用できる。
1 液圧転写用ベースフィルム、2 端、3 端部、4 線状の切れ込み。

Claims (4)

  1. 端部に線状の切れ込みを有する液圧転写用ベースフィルムであって、
    前記液圧転写用ベースフィルムの端の長さ100mm当たり7mm以上の割合で前記線状の切れ込みを有し、
    前記液圧転写用ベースフィルムの端に対して前記線状の切れ込みが略並行に存在し、
    前記液圧転写用ベースフィルムの端から前記線状の切れ込みまでの距離が1〜10mmである、液圧転写用ベースフィルム。
  2. ポリビニルアルコールフィルムである、請求項1記載の液圧転写用ベースフィルム。
  3. 請求項1または2に記載の液圧転写用ベースフィルムの表面に印刷を施してなる液圧転写用フィルム。
  4. 請求項に記載の液圧転写用フィルムを印刷が施された面を上にして液面に浮かべる工程と浮かべた液圧転写用フィルムの上方から被転写体を押し付ける工程とを有する液圧転写方法。
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