JP6169179B2 - トップコーム取付け部材 - Google Patents

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Description

本発明は、コーミング機械用のトップコーム(Fixkamm)であって、トップコームは、支持体プレートに結合された保持区分を有するトップコーム支持体を備えており、支持体プレートには、ニードルストリップもしくはトップコーマ針布が取り付けられており、トップコーム支持体は、その保持区分の領域において、トップコームホルダに所属する少なくとも1つの保持クリップを介して、該トップコームホルダに固定可能である、トップコームに関する。
コーミング機械のトップコームは、コーミングプロセス中に、変化する動的な負荷に曝されている。この負荷の一部は、トップコームの、特にその長手方向の弾性変形において目につく。これは、同様にコーミング機械におけるトップコームの取付け箇所にも作用する。つまり、トップコームの、該トップコームの長手方向に対して横方向に発生する弾性的な撓みによって、固定的に支持された保持エレメント(たとえば保持クリップ)と、トップコームの保持区分との間で相対運動が発生する。これにより、保持区分はこの領域において摩耗する。通常、コーミングヘッドの個数に応じて、8個のトップコームがコーミング機械において使用されている。
運転中のこのトップコームの弾性的な撓みを最小限にするために、欧州特許登録第2085505号では、トップコームを、その支持体プレートの領域において、付加的な補強手段により補強することを提案している。これにより、確かに弾性的な撓みは小さくされ得るが、それぞれの保持クリップの領域およびトップコームの保持区分の領域の摩耗は、完全には阻止されない。動力学的な理由から、トップコーム支持体は、鋼よりも低い比重を有する材料から成っており、たとえばアルミニウムからダイカストもしくは連続鋳造により製造されている。保持クリップは、トップコームを組込み位置において確実にトップコームホルダ内に保持するために、相応のばね作用を及ぼす必要がある。したがって、保持クリップは、トップコーム支持体の保持区分よりも高い表面硬度を有するばね鋼から成っている。したがって、摩耗は、主にトップコームホルダの、比較的軟らかい材料の領域で生じることになる。つまり、所望の最適なコーミング特性を維持するために、トップコームホルダ全体を部分的には短い耐用時間後に早くも交換する必要がある。
摩耗を減少させるために、独国特許出願公開第10252098号明細書では、トップコームとトップコームホルダとの間に摩耗防止部を取り付けることが提案された。
この場合、トップコームの保持区分の領域または各保持クリップに、プラスチックから成るコーティングを設けることが提案される。
これにより、確かにこの領域における摩耗は減じられ得る。しかし、このようなコーティングを被着することには手間がかかり、付加的なコストを生ぜしめる。さらに、コーティングが、この取付け箇所の領域における高い動的負荷によって、既に短時間後に同様に摩耗し、新しくされなければならない恐れが生じる。
したがって、本発明の根底を成す課題は、公知の解決手段の上述の欠点に関して、トップコームホルダにおけるその固定領域において著しく減じられた摩耗を有するトップコームを提案することにある。
この課題を解決するために、トップコームの保持区分には、少なくとも2つの付加的な保持手段が取り付けられており、該保持手段は、それぞれ1つの保持クリップ(31)により取囲み可能であり、保持手段は、少なくとも、各保持クリップにより取囲み可能な領域において、保持区分よりも高いもしくは大きな硬度を有する材料から成っていることが提案される。このことは、たとえばトップコームホルダもしくは保持クリップと、トップコーム支持体との間の提案された付加的な保持手段が、トップコーム支持体の保持区分の材料よりも高い比重を有する材料から成ることにより達成され得る。
これにより、(通常は硬いばね鋼から成っている)保持クリップが、保持区分の比較的軟らかい表面にもはや当て付けられないことが可能にされる。つまり、各保持クリップは、保持区分に付加的に設けられた保持手段にのみ当て付けられる。これらの保持手段は、比較的硬い表面を有している。これにより、トップコームのためのこの固定部もしくは取付け位置の領域における摩滅ひいては摩耗が減じられる。つまり、摩耗は、取付け位置の領域において、提案された材料の組合せによって大幅に最小化され、これにより耐用時間は延長される。それにもかかわらず、この付加的な保持手段の領域において比較的長い使用時間後に摩耗が生じた場合、再び所望の状態を得るために、この保持手段のみを、新しい保持手段に交換することが可能である。この場合、トップコームが確実かつ不動に保持される。
有利には、保持区分の長手方向で見て、それぞれ1つの保持手段が、トップコームの保持区分の各端部に取り付けられることが提案される。これにより、トップコーム支持体の保持区分における付加的な保持手段の容易な取付けが可能である。
さらに、保持手段が、金属製の材料から成るピンであり、該ピンが着脱可能にまたは着脱不能に保持区分に結合されていることが提案される。ピンの使用により、保持手段の組付けもしくは取付けが、トップコームの保持区分に対する特別な位置調整無しに行われ得る。着脱可能な取付け部材の使用時には、ピンは、このピンが比較的長い使用後に摩耗した場合に、迅速に代わりのピンに交換され得る。
有利には、鋼製ピンの使用が提案される。ピンを簡単かつ迅速にトップコームの保持区分に取り付けるためには、ピンがねじ山付きピンを有しており、保持区分が、その両端部の領域においてねじ山付き孔を有していることが提案される。これにより、ピンもしくは保持手段の迅速な組付けおよび取外しが保証される。
さらに、各保持手段の各周面(U)に直に境を接している、保持手段の外側層の材料が、保持手段の別の材料よりも高い硬度を有していることが提案される。硬度は、たとえばショア硬度で表示される。
このことは、たとえば、保持手段が調質(熱処理)工程を受け、外側層が硬化されることにより達成され得る。
同様に、提案された窒化工程によってもこの保持手段の外側層に比較的に大きな硬度を備えることが可能である。保持エレメントの各外側層に大きな硬度を付与することは、別の方法によっても達成される。
本発明の別の利点は、以下の実施の形態につき詳しく示し、説明する。
公知のトップコーム支持体の概略的な側面図である。 図1に示したトップコーム支持体を縮小した尺度で示す概略的な正面図Xである。 図2に示したトップコーム支持体の公知の取付け位置のY方向から見た側面の概略図である。 本発明により提案された保持手段を備える、図3に示した概略図である。 図4に示したトップコームを縮小された縮尺で示すZ方向から見た概略的な正面図である。 図5に示した保持手段の拡大した側面および上面図である。 図5に示した部分Kを保持手段なしに示す拡大図である。
図1は、コーミング機械(図示せず)において使用されるトップコーム(Fixkamm)1の公知のトップコーム支持体2の横断面を示している。トップコーム支持体2は、支持体プレート5が取り付けられている保持区分4から成っている。保持区分4は、円弧状の外面を有する開放した断面の横断面形状を有している。
この場合、保持区分4および支持体プレート5は、(たとえばプラスチックまたは連続押出しされたアルミニウム合金から成る)1つの部材から製造されていてよい。トップコーム支持体2の曲げ剛性を、特にその長手方向Lにおいて高めるために、公知の実施の形態では、保持区分4と支持体プレート5との結合領域において、補強エレメント11が取り付けられる。この補強エレメント11は、図2から判るように、ほぼトップコーム支持体2の全長にわたって延びている。図2から判るように、補強エレメント11は、それぞれトップコーム支持体2の外側の縁部R1,R2に対して間隔aを有して終端している。間隔aの領域のこの自由な空間は、図3に概略的に示されているように、トップコーム支持体2の、トップコームホルダ17における組付けおよび取付けのために必要とされる。
補強エレメント11は、一方の端部で保持区分4に結合されており、他方の端部で支持体プレート5に結合されている。保持区分4および支持体プレート5と共に、補強エレメント11は、三角形の横断面を有する中空プロフィールを形成する。
下方に向かって延びる三角形の横断面により、補強エレメント11は、後続のデタッチングローラ対の押圧胴に衝突しないことが保証される。デタッチングローラ対は、トップコーム1の組込み位置において直接に隣接している。トップコームに対するデタッチングローラの幾何学的な対応配置は、たとえば欧州特許出願公開第354456号から判る。この公開広報では、トップコームホルダ17がどのようにトップコームベッドに取り付けられているかが概略的に示されている。トップコームベッドは、ニッパユニットの下側ニッパに取り付けられている。
支持体プレート5の下側の領域には、トップコーム針布7が複数のねじ14および締付けプレート15を介して取り付けられている。ねじ14の個数に応じて、ねじ山付き孔16が支持体プレート15に設けられている。ねじ14および締付けプレート15を介して針布7が支持体プレート5に緊締される。
トップコーム1の針布7は、相並んだ複数のニードルストリップから成っているか、または相並んで打抜き加工されたか、型押しされた金属薄板から成っているか、または別の形態で設けられていてよい。
一般的に公知であるように、円形コームにより櫛削られたタフトは、次いでデタッチング工程において、流れ方向Dでデタッチングローラを介してトップコーム1の針布7を通じて引っ張られる。この際に生じる力Fは、特にトップコーム2の中間領域において、支持体プレート5の撓みを引き起こす。これは、力Fが無くなった後に再び戻るように振れる弾性的な撓みである。つまり、たとえば今日では通常である500KS/minのコーミングサークル数において、この工程は、1分当たり500回行われる。この弾性的な振動は、トップコーム支持体2の長手方向Lでトップコーム1の取付け部の領域aにまで伝達される。これによって、周期的な相対運動が、保持区分4と、トップコーム1をコーミング機械内で所定の位置に保持している各取付けエレメントとの間で多数、生じる。(Y方向から見た)図3には、保持クリップ21の形態の取付けエレメントのうちの1つが示されている。保持クリップ21は、トップコームホルダ17において軸線22を中心として旋回可能に支承されている。保持クリップ21の自由端は、該保持クリップ21が保持区分4の円弧状の外側輪郭に被さるように係合した場合にロック位置を占めるように、形成されている。この保持クリップの機能は、特に独国特許出願公開第10252098号から判る。
図3において破線で示された部分21’は、保持クリップ21をそのロック解除位置で示している。この場合、トップコーム支持体2は、上方に向かって、トップコームホルダ17の垂直方向の収容部18に設けられたスリット19から引き出され得る。各トップコームのために、このような2つのトップコームホルダ17が、ニッパユニット(図示せず)に取り付けられている。既に冒頭で述べたように、特に保持区分4は、取付け部材21の領域において上記の相対運動により摩耗する。
図4の図面には、本発明により権利を請求された保持手段30の1つの取付けが示されている。保持手段30は、部分的に、図示の組込み位置において、保持クリップ31により取り囲まれる。例として上記で説明したように、保持クリップ31は、トップコームホルダ17において軸線22を中心として旋回可能に支承されている。保持クリップ31の、相応して形成された円弧状の端部により、保持手段30、ひいてはトップコーム支持体2は、図示された組込み位置にロックされる。図4に示した破線の部分31’は、保持クリップ31をそのロック解除位置で示している。この場合、トップコーム支持体2は、上方に向かって、トップコームホルダ17の垂直方向の収容部18のスリット19から引き出され得る。
図5に示した、Z方向から見た縮小された図から判るように、それぞれ1つの保持エレメント30は、保持区分34の外側の縁部R1,R2を越えて突出している。図7に示した、K方向から見た拡大された部分図から判るように、保持区分34は、閉じられた横断面を有している。この場合、この保持区分34の両端部は、それぞれ1つのねじ山付き孔36を有している。このねじ山付き孔36は、ピン状に形成された保持エレメント30のねじ山付きピンGを取り付けるために役立つ。
各保持エレメント30(「ピン」とも呼ぶ)を、縁部R1,R2の領域において、各ねじ山付きピンGでねじ山付き孔36内にねじ込むために、ピン30(保持エレメント)は、図6に示した拡大図から判るように、ねじ頭状の凹部38を備えている。凹部38内に突入する相応に形成された差込キーを介して、ピンは図5に示された組付け位置において各ねじ山付き孔36内に取り付けられ得る。概略的に示されているように、保持クリップ31は、ピン30の領域において取り付けられている。
ピン30の、ピンの周面に接続する外側層Sを調質(硬化)することによって、保持クリップを備えた取付け位置の領域における摩耗は減じられ、耐用時間は大幅に延長される。層Sは図6に概略的に示されている。層Sの外側の画定部は、ピン30の周面Uを形成する。
それにも拘わらずピン30の領域に摩耗が生じた場合、このピン30は、簡単に交換され得る。つまり、公知の実施の形態のように、トップコーム支持体全体を交換することはもはや必要ない。

Claims (9)

  1. コーミング機械用のトップコーム(1)であって、支持体プレート(5)に結合された保持区分(4,34)を有するトップコーム支持体(2)を備え、前記支持体プレート(5)には、ニードルストリップもしくはトップコーム針布(7)が取り付けられており、前記トップコーム支持体(2)は、その保持区分(4,34)の領域において、トップコームホルダ(17)に所属する少なくとも1つの保持クリップ(21,31)を介して、前記トップコームホルダ(17)に固定可能である、トップコームにおいて、
    前記トップコーム(1)の前記保持区分(34)に、少なくとも2つの付加的な保持手段(30)が取り付けられており、該保持手段(30)は、それぞれ1つの保持クリップ(31)により取囲み可能であり、前記保持手段(30)は、少なくとも、それぞれの保持クリップにより取囲み可能な領域において、前記保持区分(34)よりも高い硬度を有する材料から成っていることを特徴とする、トップコーム。
  2. 前記保持区分(34)の長手方向(L)で見て、それぞれ1つの保持手段(30)が、前記トップコームの前記保持区分(34)の両端部(R1,R2)に取り付けられている、請求項1記載のトップコーム。
  3. 前記保持手段は、金属製の材料から成るピン(30)であり、該ピン(30)は、前記保持区分(34)に着脱可能または着脱不能に結合されている、請求項1または2記載のトップコーム。
  4. 前記保持手段が、鋼製ピン(30)である、請求項1から3までのいずれか1項記載のトップコーム。
  5. 前記ピン(30)は、ねじ山付きピン(G)を有しており、前記保持区分(34)は、両端部において、ねじ山付き孔(36)を有している、請求項3または4記載のトップコーム。
  6. 一方では各保持手段(30)の周面(U)により画定される、前記保持手段(30)の外側層(S)の材料は、前記保持手段(30)の残りの材料よりも高い硬度を有している、請求項1から5までのいずれか1項記載のトップコーム。
  7. 前記保持手段(30)は、調質されている、請求項6記載のトップコーム。
  8. 前記保持手段(30)は、窒化されている、請求項6記載のトップコーム。
  9. 請求項1から8までの少なくともいずれか1項記載のトップコームを備えるコーミング機械。
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