JP6168026B2 - 溶融金属容器 - Google Patents

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Description

本発明は、溶融金属を収容する溶融金属容器に関し、溶融金属容器に設けられた耐火物の補修に掛かるコストを抑えることが可能な溶融金属容器に関する。
溶銑、溶鋼などの溶融鉄や溶融アルミニウムなどの溶融金属の温度は数百℃以上となるので、溶融金属を収容する溶融金属容器は、外殻となる鉄皮の内側に耐火物が張り付けられた構造となっている。製鉄所において、例えば、高炉から排出される溶銑を収容するなどして、溶融金属容器を使用し続けているうちに、耐火物が損耗し、溶融金属容器が溶融金属を収容できなくなる。そこで、耐火物を補修し元の状態とすることになる。補修において、耐火物全体を解体し、耐火物を再度張り付けると、損耗していない健全な耐火物まで解体することになり、耐火物資源を無駄に使用することになる上、耐火物の解体及び張り付けの工期が長くなる。
そこで、溶融金属と接する耐火物が損耗したり抜け落ちたりした時にそなえ、耐火物のうち、鉄皮の内面に耐火物(以下適宜「パーマネント耐火物」と呼ぶ)を複数張り付けて、パーマネント耐火物層を形成し、更に該パーマネント耐火物層の内側に耐火物(以下適宜「ウェア耐火物」と呼ぶ)を張り付けたウェア耐火物層を形成して、耐火物を2層構造とした溶融金属容器が用いられている。この溶融金属容器で溶融金属を収容する操業において、パーマネント耐火物が損耗し始める前、すなわち、ウェア耐火物の厚みを若干残した状態で、溶融金属容器の使用を中断し、耐火物の補修の際には、健全なパーマネント耐火物を残存させた状態でウェア耐火物を解体する。次いで、パーマネント耐火物層にウェア耐火物を張り付けて、ウェア耐火物層を再び形成できる。
但し、上記溶融金属容器においても、ウェア耐火物を解体するに伴い健全なパーマネント耐火物を解体せざるを得ない可能性がある。ウェア耐火物層が薄くなってくると、ウェア耐火物とパーマネント耐火物とが接合している部分は、溶融金属の温度に近づき高温となるので、接合している部分のウェア耐火物とパーマネント耐火物とが互いに焼き付く場合があり、その部分近傍のパーマネント耐火物同士も焼き付く可能性がある。この焼き付きが生じると、ウェア耐火物層を解体すると、パーマネント耐火物の焼き付いた部分も一緒に解体されることがある。このようにウェア耐火物層の解体に伴って解体されるパーマネント耐火物の量が増加してしまうと、補修のための耐火物コストが上昇する。
そこで、特許文献1には、鉄皮の内側に形成された永久内張材層(本発明の「パーマネント耐火物層」に対応)と、最内面となるワーク内張層(本発明の「ウェア耐火物層」に対応)と、の間に、有機物で表面コーチングされた粒状耐火骨材などからなる離型材層が設けられた構成の溶融金属容器が提案されており、これにより、ワーク内張層(ウェア耐火物層)の解体の際に永久内張材層(パーマネント耐火物層)まで解体してしまうことを防ぐことができると推察される。
特開平5−161959号公報
特許文献1の溶融金属容器では、離型材層とウェア耐火物層とは、強度や熱膨張率などが著しく異なるので、ウェア耐火物にひびが形成されたり、あるいは、ウェア耐火物層を形成するウェア耐火物間に緩みが生じることがある。このようなひびや緩みにより形成されたウェア耐火物層の隙間に溶融金属が流れ入ると、ウェア耐火物の損耗が進む可能性がある。結局の所、ウェア耐火物層にひびや緩みを形成させずに、ウェア耐火物とパーマネント耐火物とが互いに焼き付いたり、パーマネント耐火物同士が焼き付くという問題を効果的に解決して溶融金属容器の補修コストを低減する技術は確立されていないというのが実情である。
本発明はこの実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、特に、離型材層を設けることなく、ウェア耐火物層の解体に伴って健全なパーマネント耐火物層が解体されることを防ぐことで、耐火物の補修に掛かるコストを抑えることが可能な溶融金属容器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下の通りである。
(1)溶融金属を収容する容器であって、容器の外殻となる鉄皮と、該鉄皮の内側に形成される少なくとも2層のパーマネント耐火物層と、該パーマネント耐火物層の内側に形成されるウェア耐火物層と、を有し、前記パーマネント耐火物層は複数の耐火物を有し、鉄皮側のパーマネント耐火物層を形成する耐火物同士を接合するモルタルAは、ウェア耐火物層側のパーマネント耐火物層を形成する耐火物同士を接合するモルタルBよりも、接合力が大きいことを特徴とする溶融金属容器。
(2)前記モルタルAの接合力が前記モルタルBの接合力の1.1倍以上であることを特徴とする(1)に記載の溶融金属容器。
(3)前記鉄皮側のパーマネント耐火物層と前記鉄皮との間に断熱材を有することを特徴とする(1)または(2)に記載の溶融金属容器。
本発明の溶融金属容器は、ウェア耐火物層と鉄皮の間にパーマネント耐火物層を少なくとも2層有し、鉄皮側のパーマネント耐火物層を構成する耐火物間の目地のモルタルは、ウェア耐火物側のパーマネント耐火物層を構成する耐火物間の目地のモルタルよりも、接合力が大きく、ウェア耐火物の解体時、ウェア耐火物と焼き付いたパーマネント耐火物があった場合に、その焼き付いたパーマネント耐火物と鉄皮側のパーマネント耐火物層との接合部のモルタルは比較的接合力が小さいことから、ウェア耐火物層側のパーマネント耐火物のみが解体されることになり、鉄皮側の健全なパーマネント耐火物が解体されることが防止され、耐火物の補修に掛かるコストを抑えることができる。
本発明の実施形態の一例に係る溶融金属容器の鉛直断面を示す図である。 試験片の曲げ強さTrを測定する装置を示す図である。 図1とは別の形態の溶融金属容器の鉛直断面を示す図である。
本発明の実施形態の一例に係る溶融金属容器の鉛直断面を図1に示す。溶融金属容器100は、容器の外殻となる鉄皮1と、該鉄皮1の内側に形成される2層のパーマネント耐火物層30,50と、パーマネント耐火物層50の内側に形成されるウェア耐火物層70と、を有する。鉄皮1は、溶融金属容器100の外殻なので、例えば鍋形などの、溶融金属101を収容可能な形状を有している。溶融金属容器100を製造する際には、このような形状を有する鉄皮1を準備する。なお、図1では、鉄皮1の側面の一部の鉛直断面を示してある。
準備された鉄皮1の内側にモルタル(A)2で、パーマネント耐火物3を複数張り付けることで、パーマネント耐火物層30が形成される。パーマネント耐火物3としては、例えば、長方形や正方形の板状の煉瓦などの耐火物を採用することができ、そのような形状のパーマネント耐火物3を、鉄皮1の周方向及び高さ方向に沿って複数並べることで、パーマネント耐火物層30が形成され、該パーマネント耐火物層30と鉄皮1との間にモルタルA層20が形成される。パーマネント耐火物3同士はモルタル(A)2で接合され、モルタル(A)2と複数のパーマネント耐火物3とが、パーマネント耐火物層30を構成している。
パーマネント耐火物層30の内側にモルタル(B)4で、パーマネント耐火物5を鉄皮1の周方向及び高さ方向に沿って複数張り付けることで、パーマネント耐火物層50が形成され、該パーマネント耐火物層50とパーマネント耐火物層30との間に、モルタルB層40が形成される。パーマネント耐火物5同士はモルタル(B)4で接合され、モルタル(B)4と複数のパーマネント耐火物5とがパーマネント耐火物層50を構成している。
更には、パーマネント耐火物層50の内側にモルタル(C)6で、ウェア耐火物7を鉄皮1の周方向及び高さ方向に沿って複数張り付けることで、ウェア耐火物層70が形成され、該ウェア耐火物層70とパーマネント耐火物層50との間に、モルタルC層60が形成される。ウェア耐火物7同士は、モルタル(C)6で接合され、モルタル(C)6と複数のウェア耐火物7とがウェア耐火物層70を構成している。
パーマネント耐火物3,5やウェア耐火物7の材料には、アルミナやマグネシアやシリカなどの材料及び/またはそれらの混合物を使用可能である。また、鉄皮1の周方向及び高さ方向に沿って形成されるパーマネント耐火物3間の目地とパーマネント耐火物5間の目地と、パーマネント耐火物5間の目地とウェア耐火物7間の目地との、高さ方向における位置及び周方向における位置を一致させないように、パーマネント耐火物3,5及びウェア耐火物7を張り付けることが望ましい。耐火物自体に比べてモルタルは耐火性能が低いので、目地のモルタルが損耗して溶融金属101が差し込むことがあるが、高さ方向における位置及び周方向における位置での目地が一致しなければ、溶融金属101の差し込みが抑えられる。
本発明に係る溶融金属容器100においては、鉄皮1側のパーマネント耐火物層30を形成しているモルタル(A)2は、ウェア耐火物層70側のパーマネント耐火物層50を形成しているモルタル(B)4よりも、接合力が大きい。これにより、パーマネント耐火物層50は、パーマネント耐火物層30より、比較的壊れ易くなっている。
溶融金属容器100に溶融金属101を収容すると、図1に示すように、内側表面となるウェア耐火物層70に溶融金属101が接触する。溶融金属101は収容時や排出時などに、ウェア耐火物層70の表面上を激しく流動するので、該ウェア耐火物層70を構成するモルタル(C)6とウェア耐火物7とは、流動する溶融金属101から受ける摩擦などによって損耗を受ける。損耗によって、ウェア耐火物層70の厚みが小さくなってくると、ウェア耐火物7とパーマネント耐火物5とが接合している接合部分は、溶融金属101の温度に近づき高温となる。このため、接合部分のウェア耐火物7とパーマネント耐火物5とが、モルタル(C)6を含む状態で互いに焼き付き易くなる。
本発明は、溶融金属容器100を所定期間使用してウェア耐火物層70の損耗が進んだ後に補修する際に、健全なパーマネント耐火物層が解体されることを防ぐことを目的とし、モルタル(A)2として、モルタル(B)4よりも大きな接合力を持つものを使用するものである。損耗が進んだウェア耐火物層70を解体する場合で、解体時にウェア耐火物7とパーマネント耐火物5とが焼き付くことによってパーマネント耐火物層50まで解体させてしまったとしても、パーマネント耐火物層50とパーマネント耐火物層30の間のモルタル(B)4は、パーマネント耐火物層30のパーマネント耐火物3を接合するモルタル(A)2よりも比較的壊れ易いので、パーマネント耐火物3まで破壊が進むことを防ぐことができる。このため、健全な状態のパーマネント耐火物層30を構成するパーマネント耐火物3が残存する。パーマネント耐火物3が残存すれば、残存する耐火物分、耐火物を補修する際の耐火物の使用量を抑えることができる。
パーマネント耐火物5は、ウェア耐火物7の解体時にほとんど解体される場合が多いので、薄くすることが好ましく、パーマネント耐火物3は、パーマネント耐火物5よりも厚くすることが好ましい。パーマネント耐火物5の厚みは、耐火物製造と施工性の観点から20〜40mmとすることが望ましく、パーマネント耐火物3の厚みは、50mm以上とすることが望ましい。上記モルタル(A)2の組成の調整によって接合力を大きくした上に、パーマネント耐火物5よりパーマネント耐火物3が厚くなると、モルタル(A)2の接合力が更に大きくなり、パーマネント耐火物層30がより強固となる。
モルタル(A)2,モルタル(B)4の接合力は、モルタルの材料やその粒度を調整することによって、様々に設定することができる。モルタル(B)4の接合力を小さくし、パーマネント耐火物層50をある程度脆弱なものとできるし、モルタル(A)2の接合力を大きくし、パーマネント耐火物層30を強固なものとすることができる。モルタルの材料としては、アルミナやマグネシアやシリカから選ばれる1種以上の粉体とバインダーが挙げられる。モルタルの接合力を大きくするためには、モルタルの材料に、粒径が10μm以下の粉体の割合を多くすることが有効である。モルタルで接合される耐火物の気孔径よりも小さい粉体をモルタルに配合することで接合力を大きくすることができる。パーマネント耐火物の気孔径は材質や配合によるが一般に10μm程度であり、モルタルの10μm以下の粉体の量を増加させることが有効となる。
また、モルタルの接合力を大きくするために、モルタルで接合する耐火物と同じ物質を、モルタルの主原料とすることが望ましい。熱膨張率が、モルタルで接合する耐火物と大きく異なる場合には、耐火物とモルタルとの接着面が剥離しやすくなるが、耐火物と同じ材料を主原料とするモルタルは、熱膨張率が耐火物と同程度となり、耐火物とモルタルとの接合力が大きくなる。
モルタル(A)2の接合力がモルタル(B)4の接合力の1.1倍以上であることが好ましい。これにより、パーマネント耐火物層50が、パーマネント耐火物層30からより剥離し易くなる。前述の通り、モルタル(A)2の接合力を大きくするが、モルタル(A)2に比べてモルタル(B)4の接合力を小さくする。モルタル(B)4を構成する材料のうち、粒径の小さい粉体の割合を少なくし、粒径が数百μmの比較的大きな粉体を増やせば、モルタルの接合力は小さくなるが、モルタルの厚みのおよそ3分の1よりも大きい粉体が配合されていると、厚みが均一となるモルタル層を形成することが困難となる。一般に、モルタル層は厚みが2〜3mmである場合が多く、よって、モルタルに粒径600μm以上の粉体を配合することは望ましくない。
なお、モルタル(C)6の材料についても、モルタル(A)2,モルタル(B)4と同様の材料を使用することが可能であり、モルタル(C)6の接合力は、モルタルを構成する材料や組成を調整することによって、様々に設定することができる。
モルタルの接合力(接着力)は、耐火レンガの曲げ強さの試験、すなわち、曲げ試験JIS−R2213に準拠した方法・試験機(装置)で測定することができる。曲げ試験JIS−R2213に規定される試験はレンガ単体の曲げ強さを測定するための試験であるが、ここでは、2つの耐火レンガをモルタルで接合したときの接合部に力を加えて、接合部が破壊するときの最大荷重でモルタルの接合力を評価しようとするものである。
試験片の曲げ強さTrを測定する装置(モルタルの接合力測定装置)を図2に示す。図2においては、例えば、曲げ強さTr(接合力)の測定対象の試験片として、モルタル(B)4で接合された2つのパーマネント耐火物5(耐火レンガ)としてある。
接合力測定装置10は、測定対象の試験片が載置される支持用ロール12を2つ有し、該支持用ロール12間で上方に配置される荷重用ロール11と、上側から前記該荷重用ロール11に荷重を加える加圧装置(図示しない)と、を更に有する。モルタル(B)4で接合されているパーマネント耐火物5(試験片)の曲げ強さTr[MPa]を測定する。曲げ強さTrは、次の式で算出される。
Tr=(3×W×l)/(2×b×d
Wは、モルタルの接合が破壊されることになる最大荷重[N]、
lは、支持用ロール12の中心間の距離[mm]、
bは、試験片の幅[mm]、
dは、試験片の厚さ[mm]である。
図2に示す装置は、JIS−R2213の曲げ試験の試験機であり、モルタルの接合力を測る場合には、図2に示すように、パーマネント耐火物5を接合しているモルタル(B)4を荷重用ロール11の直下に配置して、モルタルに最大荷重Wが掛かるように、モルタルで接合されている耐火物を支持用ロール12間に配置する。本発明では、前述の通りに算出された曲げ強さTr[MPa]をモルタルの接合力とみなす。最大荷重Wが掛かるモルタルの長さsdは、図1に示すように、実際に耐火物層を形成する耐火物同士の目地に充填されるモルタルの長さsdとする。試験片の幅b(mm)及び厚さd(mm)は、実際の溶融金属容器中の耐火物層の耐火物の寸法に基づくものとする。
以上のように測定された耐火物層を構成するモルタル(A)2の接合力は、5.0MPa以上、モルタル(B)4の接合力は、1.0MPa以上4.5MPa以下であることが望ましい。
従来の溶融金属容器において、溶融金属の放散熱量を抑えるべく、鉄皮とパーマネント耐火物層との間に断熱材を施工した構造とした溶融金属容器がある。この断熱材を適用した本発明の実施形態の一例を図3に示し説明する。図3に示す鉛直断面となる溶融金属容器は、図1とは別の形態のものであり、図1に示したものと同一の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。溶融金属容器200は、鉄皮1の内面に断熱材8を設けた構造を有する。図示は省略してあるが、必要に応じて、鉄皮1と断熱材8との間のモルタルを設けてもよい。
断熱材8によって、溶融金属容器200から放散される溶融金属101の熱量を抑えることが可能となる。従来の溶融金属容器においては、鉄皮とパーマネント耐火物の間に断熱材を施工した場合、熱が放散されにくいので、パーマネント耐火物層の温度が高まり、パーマネント耐火物同士の焼き付きがさらに進み、解体されるパーマネント耐火物の量が増加していた。しかしながら、溶融金属容器200では、ウェア耐火物側のパーマネント耐火物層50は、焼き付き易く且つパーマネント耐火物層30から剥離し易くなっていて、鉄皮側のパーマネント耐火物層30は、焼き付き難く且つ鉄皮1から剥離しにくくなっている。よって、溶融金属容器200では、断熱材8によって、溶融金属101の熱量を抑えつつも、鉄皮側のパーマネント耐火物を健全なものとし、その解体を防止できる。
上記実施形態の溶融金属容器を製造する方法としては、まずは、溶融金属容器の外殻となる鉄皮1を準備する。次いで、鉄皮1の内面にモルタル(A)2でパーマネント耐火物3を複数張り付けて、パーマネント耐火物層30を形成する。そして、パーマネント耐火物層30にモルタル(B)4でパーマネント耐火物5を複数張り付けて、パーマネント耐火物層50を形成する。最後に、パーマネント耐火物層50にモルタル(C)6でウェア耐火物7を複数張り付けて、ウェア耐火物層70を形成することで、溶融金属容器100を製造する。溶融金属容器200を製造する場合には、鉄皮1の内面にパーマネント耐火物3を複数張り付ける代わりに、鉄皮1に断熱材8を張り付けて、断熱材8にパーマネント耐火物3を複数張り付ければよい。
上記実施形態に係る溶融金属容器では、パーマネント耐火物層を2層形成してある。しかしながら、本発明に係る溶融金属容器はこの形態に限定されることはなく、本発明に係る溶融金属容器では、鉄皮側のパーマネント耐火物層とウェア耐火物層側のパーマネント耐火物層とのパーマネント耐火物層が、鉄皮の内側に少なくとも2層形成されていればよく、これにより、ウェア耐火物の解体時、ウェア耐火物層側のパーマネント耐火物を容易に解体でき、鉄皮側の健全なパーマネント耐火物が解体されることを防止できる。
上記実施形態に係る溶融金属容器では、パーマネント耐火物層30,50やウェア耐火物層70の耐火物層の裏面にモルタル層を形成してある。しかしながら、本発明に係る溶融金属容器はこの形態に限定されることはなく、本発明に係る溶融金属容器では、少なくとも、耐火物層を構成する耐火物間の目地にモルタルが充填されていればよい。これにより、パーマネント耐火物層30,50やウェア耐火物層70の耐火物層の強度が調整可能となる。
以上のように、本発明の溶融金属容器では、耐火物の補修の際には、ウェア耐火物の解体に伴って解体されるパーマネント耐火物として、ウェア耐火物層側のパーマネント耐火物だけで済ませることができ、健全な鉄皮側のパーマネント耐火物が解体されることが防止される。よって、耐火物の補修に掛かるコストを抑えることができる。
図1に示す構造を有する溶融金属容器100を用いて、1400℃の溶銑を1回1時間収容する操業を繰り返し行った。溶融金属容器の外殻として38mmの厚みの鉄皮1を準備した。溶融金属容器100では、鉄皮1の内面に、65mmの厚みを有するアルミナ質からなるパーマネント耐火物3を複数張り付けて、鉄皮側のパーマネント耐火物層30を形成し、該パーマネント耐火物層30に、25mmの厚みを有するアルミナ質からなるパーマネント耐火物5を張り付けて、ウェア耐火物層側のパーマネント耐火物層50を形成し、該パーマネント耐火物層50に、130mmの厚みを有するアルミナ−マグネシア質からなるウェア耐火物7を張り付けて、ウェア耐火物層70を形成した。
モルタル(A)2には、粒径15μm以下のアルミナ質の微紛を約50質量%含み、粒径15μm以上のアルミナ質の微紛を約40質量%含み、他はバインダーなどであるモルタルを用い、モルタルA層20及びパーマネント耐火物3の間の目地は2mmとした。モルタル(B)4には、粒径15μm以下のアルミナ質の微紛を約25質量%含み、粒径15μm以上のアルミナ質の微紛を約65質量%含み、他はバインダーなどであるモルタルを用い、モルタルB層40及びパーマネント耐火物5の間の目地は2mmとした。モルタル(C)6には、モルタル(B)4と同じモルタルを用いた。モルタルC層60及びウェア耐火物7の間の目地は2mmとした。また、図2に示す装置での測定によれば、モルタル(A)2の接合力は6MPaであり、モルタル(B)4の接合力は2MPaであった。
250回溶銑を収容すると、ウェア耐火物層70厚みが最小の部分で50mmとなったので、ウェア耐火物7を補修するべく、ウェア耐火物7を解体した。このとき、パーマネント耐火物5の約半数をウェア耐火物7とともに解体することになったが、パーマネント耐火物3は全く解体する必要がなかった。その後2年間に亘って、250回毎にウェア耐火物7の補修を繰り返したが、パーマネント耐火物3は全く解体する必要がなかった(本発明例)。
また、特許文献1に基づいて、鉄皮の内面に、65mmの厚みを有するアルミナ質からなる永久内張材層を、本発明例で用いたモルタル(C)で複数張り付け、永久内張材層に、ポリビニルアルコールで表面コーチングされたアルミナ質からなり、25mmの厚みを有する離型材層をモルタル(C)で張り付け、プレキャストブロックからなり、130mmの厚みを有するワーク内張層をモルタル(C)で張り付けて、溶融金属容器を製造した。
本発明例と比較するべく、溶融金属容器で本発明例と同様にして、溶銑を1回1時間収容する操業を繰り返し行った(比較例)。比較例における溶融金属容器では、100回程度の使用で、ワーク内張層(本発明の「ウェア耐火物」に対応)にひびが形成され、ひびが形成された時点で、ワーク内張層及び離型材層の補修を行った。
本発明例の補修では、2年間で使用したウェア耐火物及びパーマネント耐火物は50トンで済んだ。一方で、比較例の補修においては、ワーク内張層及び離型材層を構成する耐火物を230トンも使用した。本発明例では、補修に使用する耐火物の量を、比較例に比べて8割程度削減できた。
1 鉄皮
2 モルタルA
3 パーマネント耐火物(鉄皮側)
4 モルタルB
5 パーマネント耐火物(ウェア耐火物層側)
6 モルタルC
7 ウェア耐火物
8 断熱材
10 接合力測定装置
11 荷重用ロール
12 支持用ロール
20 モルタルA層
30 パーマネント耐火物層(鉄皮側)
40 モルタルB層
50 パーマネント耐火物層(ウェア耐火物層側)
60 モルタルC層
70 ウェア耐火物層
100 溶融金属容器
101 溶融金属
200 溶融金属容器(溶融金属容器100とは別の形態)

Claims (3)

  1. 溶融金属を収容する容器であって、
    容器の外殻となる鉄皮と、
    該鉄皮の内側に形成される少なくとも2層のパーマネント耐火物層と、
    該パーマネント耐火物層の内側に形成されるウェア耐火物層と、を有し、
    前記パーマネント耐火物層は複数の耐火物を有し、鉄皮側のパーマネント耐火物層を形成する耐火物同士を接合するモルタルAは、ウェア耐火物層側のパーマネント耐火物層を形成する耐火物同士を接合するモルタルBよりも、接合力が大きいことを特徴とする溶融金属容器。
  2. 前記モルタルAの接合力が前記モルタルBの接合力の1.1倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の溶融金属容器。
  3. 前記鉄皮側のパーマネント耐火物層と前記鉄皮との間に断熱材を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の溶融金属容器。
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