JP6974801B2 - 黒鉛含有耐火物 - Google Patents
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Description
これらの精錬容器や搬送容器で内張りに使用される耐火物は、装入物による機械的衝撃、溶鋼や溶融スラグの撹拌による摩耗、溶融スラグによるスラグ浸食、操業中の急激な温度変化などが生じる非常に過酷な条件下で使用される。このため、安定した操業を行うためにも、そのような過酷な条件に耐えられる耐用性の高い耐火物を使用する必要がある。
[1]黒鉛含有量が1〜80質量%の耐火物本体(x)の表面の少なくとも一部に、1m2当たりの質量が40〜1300gの炭素繊維織物(y)が接着剤硬化物(a)を介して接着された黒鉛含有耐火物であって、
常温から1000℃まで昇温させたときの接着剤硬化物(a)の熱膨張率と耐火物本体(x)の熱膨張率の差が2.0%以下であり、且つ1000℃から常温まで降温させたときの接着剤硬化物(a)の残存膨張率と耐火物本体(x)の残存膨張率の差が2.0%以下であることを特徴とする黒鉛含有耐火物。
耐火物本体(x)の表面の少なくとも一部に、炭素繊維織物(y)が接着剤硬化物(a)を介して1層または2層以上接着され、
前記炭素繊維束は、繊維径が1〜45μmの炭素繊維を束に纏めたものであって、1束当たりの炭素繊維の本数が100本超120000本以下であることを特徴とする黒鉛含有耐火物。
[3]上記[1]または[2]の黒鉛含有耐火物において、接着剤硬化物(a)は、酸化物系接着剤の硬化物であることを特徴とする黒鉛含有耐火物。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの黒鉛含有耐火物において、耐火物本体(x)は、マグネシア濃度が90質量%以上のマグネシア原料を20〜99質量%含有することを特徴とする黒鉛含有耐火物。
[6]上記[5]の黒鉛含有耐火物において、耐火物本体(x)は、炭化珪素濃度が80質量%以上の炭化珪素原料を1質量%以上含有することを特徴とする黒鉛含有耐火物。
[7]上記[1]〜[3]、[5]、[6]のいずれかの黒鉛含有耐火物において、耐火物本体(x)は、シリカ原料を1〜50質量%含有することを特徴とする黒鉛含有耐火物。
[8]上記[1]〜[7]のいずれかの黒鉛含有耐火物において、耐火物本体(x)は、使用済み耐火物を粉砕した耐火物屑を10〜90質量%含有することを特徴とする黒鉛含有耐火物。
長手方向を分割面として分割された複数の煉瓦構成部材(1)が接着層(3)で接合されることにより構成され、
各煉瓦構成部材(1)を構成する耐火物本体(x1)の表面の少なくとも一部に、接着剤硬化物(a)を介して炭素繊維織物(y)が接着されていることを特徴とする精錬容器用の羽口煉瓦。
[10]上記[9]の羽口煉瓦において、各煉瓦構成部材(1)を構成する耐火物本体(x1)の一側面にはガス通孔(2)の一部を構成する溝(4)が形成され、
各煉瓦構成部材(1)を構成する耐火物本体(x1)の少なくとも上部側部位の表面に、耐火物本体(x1)の全周を被覆するように、接着剤硬化物(a)を介して炭素繊維織物(y)が接着されていることを特徴とする精錬容器用の羽口煉瓦。
耐火物本体xの表面に接着剤硬化物aを介して接着される炭素繊維織物yの層数は任意であり、1層または2層以上とすることができるが、炭素繊維織物yを2層以上とすると、亀裂進展抑制効果がより向上するので好ましい。
炭素繊維織物yは、耐火物本体xの全体を覆うように耐火物本体xの表面に接着してもよいが、特に亀裂が進展しやすい部位の表面にのみ接着してもよい。この場合、炭素繊維織物yをその部位の外周に接着し、亀裂が進展しないように拘束する。
接着剤硬化物aと耐火物本体xの熱膨張率の差や残存膨張率の差が2.0%を超えると、黒鉛含有耐火物を大きな熱勾配や熱変動が生じる条件下で長期間使用すると、耐火物本体xと炭素繊維織物yの接着性が低下して炭素繊維織物yが耐火物本体xから剥がれやすくなり、使用中に破壊エネルギーが低下し、耐割れ性の低下により亀裂進展抑制効果が得られなくなる。特に転炉の内張り耐火物(転炉の内壁を構成する煉瓦)、とりわけ転炉の羽口部を構成する羽口煉瓦は、上述したように極めて過酷な条件で使用されるため、長期間の耐用性が得られなくなる。
耐火物本体xの熱膨張率および残存膨張率が決まっているときは、耐火物本体xと接着剤硬化物aの熱膨張率の差および残存膨張率の差が2.0%以下になるような接着剤が選択される。
耐火物本体xの黒鉛含有量は1〜80質量%であり、黒鉛含有量が1質量%未満では、熱応力による割れの発生を抑制できず、耐割れ性が大幅に低下してしまう。一方、黒鉛含有量が80質量%を超えると、耐火物本体xの材質によって、耐溶損性、耐割れ性、破壊エネルギーといった特性に悪影響がでる場合がある。
一般に、精錬工程において使用される転炉の内張り(羽口部を含む)には、マグネシアおよびカーボンを主成分とする耐火物であるマグネシア・カーボン質耐火物(マグネシア原料を骨材とした黒鉛含有耐火物)が使用される。耐火物本体xがマグネシア・カーボン質耐火物の場合、耐火物本体xは、マグネシア濃度が90質量%以上の高純度のマグネシア原料を20〜99質量%含有することが好ましく、これにより熱スポーリングによる割れが抑制され、且つ転炉スラグの浸食にも耐えられる耐火物とすることができる。マグネシア原料の含有量が20質量%未満では、転炉スラグの浸食に耐えられず、耐溶損性が大幅に低下する。カーボン原料としては、一般に鱗状黒鉛などが用いられる。
また、耐火物本体xがアルミナ・炭化珪素・シリカ・カーボン質耐火物の場合、シリカ原料を1〜50質量%含有することが好ましく、これにより高耐割れ性と高耐溶損性を両立できる。シリカ原料の含有量が1質量%未満では、膨張量が少なく微細亀裂が生成しないため、熱衝撃破壊抵抗も大きくならず耐割れ性が低下しやすい。一方、シリカ原料の含有量が50質量%を超えると耐溶損性が大幅に劣化する。
黒鉛含有耐火物は、製鉄容器からの放熱量を抑制しながら、耐用性を高くすることを目的として、さらに金属粉末原料を含有(配合)することができる。金属粉末原料としては、例えば、金属Si、金属Al、金属Al−Si、Al4SiC4、B4Cなどが挙げられ、これらの1種以上を含有させることができる。金属粉末原料の含有量は特に規定しないが、通常、1〜5質量%程度が好ましい。金属粉末原料の含有量(配合量)が1質量%未満では、金属粉末原料を配合することによる耐用性の向上効果が十分に得られず、一方、5質量%を超えると、強度が高くなりすぎるため、実機で使用した際に亀裂が発生し易くなって煉瓦が割れ易くなり、実機での使用回数が低下するおそれがある。
このように耐火物屑を含有する場合、耐火物原料の残部は未使用の原料(バージン原料)である。
図1および図2は、本発明の黒鉛含有耐火物を羽口煉瓦に適用した場合一実施形態を示すものである。図1は、羽口煉瓦を構成する煉瓦構成部材の1つを模式的に示すものであり、図1(A)は斜視図、図1(B)は平面図である。図2は、2つの煉瓦構成部材を組み付けて構成された羽口煉瓦を示す平面図である。
羽口煉瓦は、ガス通孔長手方向を分割面として分割された複数の煉瓦構成部材1で構成される。本実施形態では、羽口煉瓦が1対の煉瓦構成部材1で構成されており、各煉瓦構成部材1の一側面にはガス通孔用の溝4が形成されている。
各煉瓦構成部材1は、耐火物本体x1の上部側の所定範囲(稼働面となる上面5に接する上部側の所定範囲)の表面に接着剤硬化物aを介して炭素繊維織物yが接着されている。この炭素繊維織物yは、ガス通孔用の溝4を含む耐火物本体x1の全周(上記所定範囲の全周)を覆うように接着されている。炭素繊維織物yは耐火物本体x1の全長を被覆するように設けてもよいが、羽口煉瓦は上部側の所定範囲(この範囲は羽口煉瓦の外面温度が800〜1000℃程度にもなり、特に熱応力が発生しやすい)で特に割れが生じやすいので、少なくとも本実施形態のような上部側の所定範囲に設ける必要がある。
図2に示すように、1対の煉瓦構成部材1は、両者の溝4によりガス通孔2が構成されるように組み付けられ、モルタルなどの接着層3を介して接合されることで羽口煉瓦が構成される。
図3は、本発明の黒鉛含有耐火物の製造工程の一例を示している。この製造工程では、耐火物原料に適量のバインダーを加えて混練し、その混練物を型に充填してプレス成型を行い、耐火物成型品を得る。バインダーとしては、例えば、フェノールレジン(主剤)+ヘキサミン(硬化剤)、カーボンボンド、セラミックボンドなどが用いられる。このようにして得られた耐火物成型品(耐火物本体xを構成する成型品)の表面に接着剤により炭素繊維織物を接着し、次いで乾燥させる。この乾燥は耐火物成型品の乾燥(キュアリング)を目的として、通常、200〜230℃程度で行われるが、接着剤の乾燥を兼ねて行うことができる。なお、耐火物成型品を乾燥させた後、その表面に接着剤により炭素繊維織物を接着し、その後、必要に応じて接着剤の乾燥を行ってもよい。また、場合によっては、外部から耐火物成型品を調達し、この耐火物成型品の表面に接着剤により炭素繊維織物を接着し、その後、必要に応じて接着剤の乾燥を行うようにしてもよい。また、乾燥(キュアリング)後、さらに還元焼成(コーキング処理)を施して製品煉瓦(焼成煉瓦)としてもよい。なお、耐火物成型品を乾燥(キュアリング)させてから炭素繊維織物を接着する場合には、還元焼成(コーキング処理)は炭素繊維織物の接着前・接着後のいずれで行ってもよい。
本発明の黒鉛含有耐火物は、種々の設備や容器の耐火物として使用できるが、なかでも製鉄所内で使用される精錬容器や搬送容器の内張り耐火物として好適である。特に、非常に過酷な使用環境である転炉の内張り耐火物として好適であり、そのなかでも羽口部を構成する羽口煉瓦として特に好適である。
耐火物本体と接着剤硬化物の熱膨張率および残存膨張率は、以下のようにして作成された測定用サンプルについて、JIS R2207に記載された方法に準拠して測定した。
耐火物本体については、ボーリングマシーンにより直径40mm、高さ40mmの円柱型サンプルを切り出し、これを測定用サンプルとした。
酸化物系接着剤の原液および希釈用アルコールを準備し、酸化物系接着剤の原液に対して原液量の3mass%の希釈用アルコールを添加することにより、酸化物系接着剤に流動性を持たせた。次に、80×80×3mm厚のポリ塩化ビニル製の水平板と、内径40mm、高さ40mm、厚さ3mmのポリ塩化ビニル製のパイプを準備し、図4に示すように水平板の上にパイプを立てて固定し、このパイプ中に酸化物系接着剤を流し込んで充填した。この酸化物系接着剤を大気中で硬化させた後、接着剤の外枠となるパイプのみを外し、測定用サンプルを作成した。
熱膨張率(%)=(L1−L0)/L0×100
残存膨張率(%)=(L2−L0)/L0×100
曲げ強度については、図5(試験方法)に示すとおり、耐火物本体の長手方向の全側面に酸化物系接着剤を介して炭素繊維織物を1層接着させた試験片(試験片サイズ:40mm×40mm×160mm)を用い、中心間距離を100mm、荷重印加速度を0.5mm/minとし、JIS R2213に記載された3点曲げ試験方法に準拠して測定した。なお、図5(B)は図5(A)の試験片の端面を模式的に示したものである。
耐溶損性については、図7(試験方法)に示すとおり、高周波誘導炉を用いた内張り分け法で溶損量を測定し、その溶損量に基づき評価した。内張り分け法による試験では、試験温度を1650℃、温度保持時間を4時間として表2に示す組成の合成スラグを1時間毎に投入し、冷却後に稼働面の溶損量を測定した。そして、その溶損量から表1中の発明配合例1−3の溶損量を100とした溶損指数を求めた。試験片としては、図7(C)に示すように、耐火物本体の長手方向の全側面に酸化物系接着剤を介して炭素繊維織物を1層接着させたものを用いた。なお、図7(A)は試験の実施状況を試験炉および筒状サンプルを縦断面した状態で模式的に示す説明図、図7(B)は図7(A)に示される筒状サンプルの平面図、図7(C)は図7(A),(B)に示す筒状サンプルを構成する試験片の1つを示す斜視図である。
表1の発明配合例1−1〜発明配合例1−7に示す通り、黒鉛含有量を1〜80質量%とした場合には耐溶損性と耐割れ性は良好であるが、比較配合例1−1に示す通り、黒鉛含有量を1質量%未満とした場合には耐割れ性が大幅に低下している。また、比較配合例1−2に示す通り、黒鉛含有量を80質量%超とした場合には耐溶損性が大幅に低下している。
また、発明配合例1−1〜発明配合例1−7に示す通り、マグネシア・カーボン質原料の配合において、マグネシア原料(表1の場合にはマグネシア濃度100質量%)の含有量が20〜99質量%であれば、耐溶損性と耐割れ性は良好である。以上のことから、耐火物の耐溶損性と耐割れ性を両立させるためには、黒鉛含有量は1〜80質量%とする必要があり、また、マグネシア・カーボン質原料の場合には、マグネシア原料の含有量を20〜99質量%とすることが適当であることが分かる。
表3の実施例は、耐火物本体に接着した炭素繊維織物の1m2当たりの質量が黒鉛含有耐火物の曲げ強度、破壊エネルギー・耐割れ性、および耐溶損性に及ぼす影響を調査したものである。また、炭素繊維織物を構成する炭素繊維束の1束当たりの炭素繊維の本数と炭素繊維織物の1m2当たりの質量との関係も調べた。この実施例では、100〜150,000本の炭素繊維(繊維径7μm)を束に纏めた炭素繊維束を2方向に配向した1m2当たりの質量が異なる炭素繊維織物を、マグネシア・カーボン質耐火物(耐火物本体)の表面に酸化物系接着剤による接着剤硬化物を介して接着した。
一方、比較例2−1が示す通り、炭素繊維織物を構成する炭素繊維束の1束当たりの炭素繊維の本数が100本以下の場合、炭素繊維織物の1m2当たりの質量が40g未満となり、炭素繊維織物が薄過ぎるため、高い曲げ強度および破壊エネルギー・耐割れ性は得られない。
以上のことから、耐火物本体に接着する炭素繊維織物の1m2当たりの質量を40〜1300gとすることにより、高い曲げ強度および破壊エネルギー・耐割れ性が得られることが分かる。また、炭素繊維織物の1m2当たりの質量を40〜1300gとするためには、炭素繊維織物を構成する炭素繊維束の1束当たりの炭素繊維の本数を100本超120,000本以下とすることが好ましいことが分かる。
一方、比較例3−1が示す通り、炭素繊維織物(炭素繊維束)を構成する炭素繊維の繊維径が1μm未満の場合、炭素繊維織物の1m2当たりの質量が40g未満となり、炭素繊維織物が薄過ぎるため、高い曲げ強度および破壊エネルギー・耐割れ性は得られない。また、比較例3−2が示す通り、炭素繊維織物(炭素繊維束)を構成する炭素繊維の繊維径が45μm超の場合、炭素繊維織物1m2当たりの質量が1300g超となり、炭素繊維が厚過ぎるため施工性が悪く、炭素繊維織物と耐火物の間に隙間ができ、高い曲げ強度および破壊エネルギー・耐割れ性は得られない。
以上のことから、耐火物本体に接着する炭素繊維織物の1m2当たりの質量を40〜1300gとすることで高い曲げ強度および破壊エネルギー・耐割れ性が得られるようにするには、炭素繊維織物(炭素繊維束)を構成する炭素繊維の繊維径を1〜45μmとすることが好ましいことが分かる。
なお、表5において、マイナスの値の残存膨張率は接着剤硬化物が収縮したことを示しており、耐火物本体と接着剤硬化物の残存膨張率の差は発明例4−1が1.0%、発明例4−2が2.0%、比較例4−1が3.0%、比較例4−2が4.0%、比較例4−3が1.5%である。
発明例3−2、発明例4−1、発明例4−2が示す通り、耐火物本体と接着剤硬化物の熱膨張率の差および残存膨張率の差が2.0%以下の場合、耐火物本体と炭素繊維織物の接着性が維持できるため、炭素繊維織物が耐火物本体から剥がれることがなく、このため高い曲げ強度および破壊エネルギー・耐割れ性が得られている。
以上のことから、耐火物本体と炭素繊維織物の接着性を維持し、高い曲げ強度および破壊エネルギー・耐割れ性を得るには、耐火物本体と接着剤硬化物の熱膨張率(常温から1000℃まで昇温させたときの熱膨張率)の差および残存膨張率(1000℃から常温まで降温させたときの残存膨張率)の差を2.0%以下にする必要があること、また、炭素繊維織物を耐火物本体に接着する接着剤は、酸化物系接着剤が好ましいことが分かる。
発明例5−1〜発明例5−7が示す通り、アルミナ原料の含有量を10〜95質量%、シリカ原料の含有量を1〜50質量%、黒鉛含有量を1〜80質量%とした場合、高い曲げ強度および破壊エネルギー・耐割れ性が得られている。
以上のことから、アルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質耐火物において、アルミナ原料の含有量を10〜95質量%、シリカ原料の含有量を1〜50質量%、黒鉛含有量を1〜80質量%とすれば、高耐溶損性と高い破壊エネルギー・耐割れ性を両立できることが分かる。
これに対して、比較例6−1が示す通り、耐火物屑含有量が90質量%超、シリカ原料の含有量が1質量%未満、黒鉛含有量が1質量%未満の場合、破壊エネルギー・耐割れ性および耐溶損性が大幅に低下している。
以上のことから、使用済みのアルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質耐火物を粉砕して得られた耐火物屑を骨材原料とした黒鉛含有耐火物については、耐火物屑の含有量を10〜90質量%、シリカ原料の含有量を1質量%以上、黒鉛含有量を1〜80質量%とすれば、破壊エネルギー・耐割れ性を高く維持でき、さらに、バージン原料のみを使用した黒鉛含有耐火物と同等の耐溶損性を有することが分かる。
発明例7−1〜発明例7−3が示す通り、アルミナ原料の含有量を10〜95質量%、黒鉛含有量を1〜80質量%とした場合、高い曲げ強度および破壊エネルギー・耐割れ性と耐溶損性が得られている。
以上のことから、アルミナ・炭化珪素・カーボン質耐火物において、アルミナ原料の含有量を10〜95質量%、黒鉛含有量を1〜80質量%とすれば、高い破壊エネルギー・耐割れ性と耐溶損性が得られることが分かる。
発明例8−1、発明例8−2が示す通り、シリカ原料の含有量を1〜50質量%、黒鉛含有量を1〜80質量%とした場合、高い曲げ強度および破壊エネルギー・耐割れ性と耐溶損性が得られている。
これに対して、比較例8−1が示す通り、シリカ原料の含有量を1質量%未満、黒鉛含有量を80質量%超とした場合、破壊エネルギー・耐割れ性が低下している。また、比較例8−2が示す通り、黒鉛含有量を80質量%超とした場合も破壊エネルギー・耐割れ性が低下している。
以上のことから、シリカ・炭化珪素・カーボン質耐火物において、シリカ原料の含有量を1〜50質量%、黒鉛含有量を1〜80質量%とすれば、高い曲げ強度および破壊エネルギー・耐割れ性と耐溶損性が得られることが分かる。
これらの羽口煉瓦を転炉の羽口部に施工し、使用後の羽口煉瓦の状態を調べ、使用前の厚み、使用後の残厚、羽口の使用回数(ch)から損耗速度を算出した。その結果を図8に示す。
発明例の羽口煉瓦には亀裂や目立った溶損は見られず、図8に示すように損耗速度は従来例と比較して約40%低減した。
2 ガス通孔
3 接着層
4 溝
5 上面
6 底面
x,x1 耐火物本体
y 炭素繊維織物
a 接着剤硬化物
Claims (10)
- 黒鉛含有量が1〜80質量%の耐火物本体(x)の表面の少なくとも一部に、1m2当たりの質量が40〜1300gの炭素繊維織物(y)が接着剤硬化物(a)を介して接着された黒鉛含有耐火物であって、
常温から1000℃まで昇温させたときの接着剤硬化物(a)の熱膨張率と耐火物本体(x)の熱膨張率の差が2.0%以下であり、且つ1000℃から常温まで降温させたときの接着剤硬化物(a)の残存膨張率と耐火物本体(x)の残存膨張率の差が2.0%以下であることを特徴とする黒鉛含有耐火物。 - 炭素繊維織物(y)は炭素繊維束を2方向以上に配向した織物であり、
耐火物本体(x)の表面の少なくとも一部に、炭素繊維織物(y)が接着剤硬化物(a)を介して1層または2層以上接着され、
前記炭素繊維束は、繊維径が1〜45μmの炭素繊維を束に纏めたものであって、1束当たりの炭素繊維の本数が100本超120000本以下であることを特徴とする請求項1に記載の黒鉛含有耐火物。 - 接着剤硬化物(a)は、酸化物系接着剤の硬化物であることを特徴とする請求項1または2に記載の黒鉛含有耐火物。
- 耐火物本体(x)は、マグネシア濃度が90質量%以上のマグネシア原料を20〜99質量%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の黒鉛含有耐火物。
- 耐火物本体(x)は、アルミナ濃度が70質量%以上のアルミナ原料を10〜95質量%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の黒鉛含有耐火物。
- 耐火物本体(x)は、炭化珪素濃度が80質量%以上の炭化珪素原料を1質量%以上含有することを特徴とする請求項5に記載の黒鉛含有耐火物。
- 耐火物本体(x)は、シリカ原料を1〜50質量%含有することを特徴とする請求項1〜3、5、6のいずれかに記載の黒鉛含有耐火物。
- 耐火物本体(x)は、使用済み耐火物を粉砕した耐火物屑を10〜90質量%含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の黒鉛含有耐火物。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の黒鉛含有耐火物からなり、稼働面となる上面から底面に亘って長手方向を貫通するガス通孔(2)を有する羽口煉瓦であって、
長手方向を分割面として分割された複数の煉瓦構成部材(1)が接着層(3)で接合されることにより構成され、
各煉瓦構成部材(1)を構成する耐火物本体(x1)の表面の少なくとも一部に、接着剤硬化物(a)を介して炭素繊維織物(y)が接着されていることを特徴とする精錬容器用の羽口煉瓦。 - 各煉瓦構成部材(1)を構成する耐火物本体(x1)の一側面にはガス通孔(2)の一部を構成する溝(4)が形成され、
各煉瓦構成部材(1)を構成する耐火物本体(x1)の少なくとも上部側部位の表面に、耐火物本体(x1)の全周を被覆するように、接着剤硬化物(a)を介して炭素繊維織物(y)が接着されていることを特徴とする請求項9に記載の精錬容器用の羽口煉瓦。
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