JP2010230194A - 耐火物の施工方法および施工された加熱炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、耐火物が剥離や落下を起こすことなく耐火物を確実に保持するための耐火物の施工方法およびその耐火物が施工された加熱炉を提供する。
【解決手段】
スタッドを加熱炉の内壁面に固定し、加熱炉の壁面に開口部を設け、開口部から加熱炉内に向かってアンカーレンガを挿入し、アンカーレンガは加熱炉の内部に向かって延出する延出部と、延出部に設けられ延出方向に交差する方向に突出したアンカー部を有しており、アンカーレンガの先端部を前記開口部で固定し、加熱炉内に耐火物を敷設するための型枠を設けた後に型枠に耐火物を敷設し、その後型枠を除去することにより、スタッドとアンカーレンガにより耐火物を保持することを特徴とする加熱炉への耐火物の施工方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、耐火物を確実に保持するための耐火物の施工方法およびその耐火物が施工された加熱炉に関する。
図2に通常のセメント焼成装置の概略図を示す。予熱塔10の最下段サイクロン11の天井部12の内部には耐火物が施工されている。図3に従来の該内張り耐火物の断面図を示す。この2層の耐火物の構造は、キャスタブルの断熱層2と、キャスタブルの耐火層4から成っている。各耐火物を固定する金属製であるスタッド5,6は、最下段サイクロン11の鉄皮1に溶接されている。ここに、スタッドとは、現地で流し込み固化するキャスタブル耐火物を炉壁の内側に強固に固定するための一種の埋め込み用の鋲であって、キャスタブルの内部に多数埋設される。スタッドは、スタッドの先端部が分岐したY字型スタッド5や、スタッドの途中と先端が分岐したYY字型スタッド6のいずれかでそれぞれ交互に混成され、耐火物の落下を防止する目的で設置されている。
しかし、近年の廃棄物をセメント原料に有効利用する状況において、その廃棄物の使用量が徐々に増加するにしたがって、耐火物の剥落が見られるようになった。この結果、耐火物の全体的な厚さが薄くなって、鉄皮1の温度が上昇してしまう。そのため、セメント焼成装置を停止して補修せざるをえなかった。
特許文献1には、2層または3層の耐火物の施工方法が示されている。しかし、廃棄物の使用量が徐々に増加することに起因すると思われる上記の問題点について記載されておらず、耐火物の剥落を防止する対策が待望されていた。
特開平11−130485号公報
本発明は、耐火物が剥離や落下を起こすことなく耐火物を確実に保持するための耐火物の施工方法およびその耐火物が施工された加熱炉を提供することを目的とする。
本発明者らは、内張り耐火物である断熱層2と耐火層4の状況を注意深く観察するとともに、種々の検討の結果、以下のような知見を得るに至った。
まず、図3に示す断熱層2と耐火層4の境界部13の温度は、熱計算を行うと790℃になった。この温度近辺の領域では、セメント原料中の化学成分の塩化カリウム(KCl)と塩化ナトリウム(NaCl)とが液体の状態で存在していることが推測された。温度域が700〜800℃の範囲内であると、断熱層2と耐火層4の境界部13にできた間隙より炉内7から侵入した気相のアルカリ塩であるKClとNaClが液相になる。この液相が凝縮し、断熱層2や耐火層4を保持している境界部13部分の金属製のスタッド5,6を腐食させ、さらに場合によっては境界部13付近において切断15を起しやすくしていたと推測された。この範囲の温度域を腐食温度領域9と呼ぶ。
耐火層4とスタッド5,6の熱膨張差の熱応力による亀裂や、最下段サイクロン11のサイクロンガス出口19の下端部である内筒部17において、耐火物を設置しない付近の部分などを経由して、炉内7で気化したKClやNaClなどが境界部13に侵入すると推定できた。炉内7に含有するアルカリ塩の腐食性ガスによって腐食し穴が開いた状態でのスリーブ18と内筒部17との間隙や、スリーブ18と耐火層4の間隙などを経由して液相温度領域の境界部13で液化して侵入してくると考えられた。セメント原料としての各種廃棄物のうち塩素化合物の多い廃棄物が増えることが、KCl、NaClをさらに増加させている理由であることを特定するに至った。
本発明者らは、セメント焼成装置の予熱塔10における内張り耐火物について、スタッドの他にアンカーレンガを使用することにより耐火層4や断熱層2などのキャスタブル耐火物を保持することを見出した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)スタッドを加熱炉の内壁面に固定し、加熱炉の壁面に開口部を設け、開口部から加熱炉内に向かってアンカーレンガを挿入し、アンカーレンガは加熱炉の内部に向かって延出する延出部と、延出部に設けられ延出方向に交差する方向に突出したアンカー部を有しており、アンカーレンガの先端部を前記開口部で固定し、加熱炉内に耐火物を敷設するための型枠を設けた後に型枠に耐火物を敷設し、その後型枠を除去することにより、スタッドとアンカーレンガにより耐火物を保持することを特徴とする加熱炉への耐火物の施工方法。
(2)前記耐火物の敷設は、耐火層のキャスタブルを型枠に流し込み乾燥した後に、断熱層のキャスタブルを耐火層の上に流し込み乾燥させる前記(1)記載の加熱炉への耐火物の施工方法。
(3)耐火物が内壁面に施工された加熱炉において、加熱炉の内壁面に一端が固定され、他端が加熱炉内に向かって延出したスタッドと、加熱炉の壁面に設けられた開口部と、開口部から加熱炉内に向かって延出するアンカーレンガを有しており、前記アンカーレンガは加熱炉の内部に向かって延出する延出部と、延出部に設けられ延出方向に交差する方向に突出したアンカー部を有しており、前記アンカーレンガの先端部は開口部で固定され、スタッドとアンカーレンガが耐火物を保持することを特徴とする加熱炉。
(4)耐火物の施工部分における単位面積あたりのアンカーレンガとスタッドの設置数の比率が、1:4〜1:8の範囲である前記(3)記載の加熱炉。
(5)前記加熱炉は、セメント製造装置における予熱塔の最下段サイクロン、仮焼炉、ライジングダクト、またはロータリーキルンの窯尻部のうちの少なくとも1つである前記(3)または(4)に記載の加熱炉。
本発明によれば、スタッド5、6が腐食し、切断した場合においても、アンカーレンガによって、耐火物が保持され、炉内7への剥離や落下を低減することが可能となる。この結果、耐火物を補修する頻度を大幅に低下することができ、セメント焼成装置の操業度を向上させることができる。
本発明における耐火物施工方法の一例目の構造の概略図である。 通常のセメント焼成装置の概略図である。 従来の耐火物施工方法の構造の概略図である。 本発明におけるY字型スタッドの構造の概略図である。 本発明におけるYY字型スタッドの構造の概略図である。 本発明における耐火物施工方法の二層の構造で、キャスタブルの1層目の流し込みの概略図である。 本発明における耐火物施工方法の二層の構造で、キャスタブルの2層目の流し込みの概略図である。 アルカリ塩が耐火物の境界部へ侵入する間隙の想定概略図である。 本発明のアンカーレンガを固定する方法の概略図で、左が側面図、右が正面図である。
本発明でいう加熱炉とは、セメントの仮焼炉のような微粉炭を燃焼させ高温となるため炉壁に耐火物を敷設することが必要である炉をいうが、これに限るものではなく、例えば高温のガスが導通されるような耐火物を敷設する必要がある箇所を含む概念である。加熱炉の一例として、セメント製造装置における予熱塔10の最下段サイクロン11の天井部12に施工する内張り耐火物について2つの例を詳細に説明する。本発明の該内張り耐火物の断面図について、図1にキャスタブルの1層打ち施工方法を、図6と図7にキャスタブルの2層打ちの施工方法を示す。内張り耐火物の全体の厚さは、250〜300mmである。鉄皮1(内壁面)を貫通し施工しているアンカーレンガ3の形状は、施工されたキャスタブルを保持する形状であれば特に問わない。一例を示すと、アンカーレンガ3の全体の形状は図9に示すように該直方体であり、鉛直方向に施工される。アンカーレンガ3は鉛直方向に延在する延出部3aと、この延出部3aから水平方向に突出するアンカー部23とを有する。アンカー部23はキャスタブルを保持し、延出部3aの長手方向に複数設けられている。延出部3aは鉛直方向の高さが350〜400mmで、切断面の1辺が100〜130mm長方角柱の形状が好ましいが、同じ断面積相当の円形断面であってもよい。なお、アンカーレンガ3の材質は、高アルミナ質系耐火レンガが好ましい。具体的には、コンバレントマテリアル株式会社の製品名:SPALZIT−A相当品を使用することができる。アンカーレンガ3は、所定の材質の配合素材を、規定の寸法の型枠に入れて焼結したものを使用する。
図9に一例を示すように、アンカー部23の個数はアンカーレンガ3の1本の1側面に対して2〜6個である。この範囲以外になるとアンカー部23にキャスタブルの重量の力が掛かかった際に折れやすくなる。アンカーレンガ3の周囲形状は外周1周りから4半周の範囲で断面が山型のひだ形状の山脈であるが、螺旋形状であってもよい。複数のアンカー部23の凸凹形状の断面で1つの山型の形状は、台形、半円、長方形などが好ましいが、これらいずれの組み合わせた形状であってもよい。なお、アンカー部23の突出量は、配置が可能な限り長くすることで、キャスタブルとの摩擦抵抗を大きくさせることができ、キャスタブルを確実に保持するために有効である。
なおアンカー部23の山型の高さは、7〜30mmであるが、好ましくは10〜20mmである。7mm未満であったら、アンカー部23にキャスタブルの重量の力が掛かかった際に滑りやすくなるし、30mmを越えるとアンカー部23が折れやすくなる。複数のアンカー部23の最適な凸凹形状によって、キャスタブルの剥離や落下がし難い構造となる。なお、アンカーレンガの長さは、炉内の耐火物層の厚さから先端が炉内に出ない程度で、また、鉄皮に炉外部から固定できる程度の長さが最適である。一般的には、予熱塔の下部における炉内の内張り耐火物の層厚は、250〜300mmである。
なお、本発明の適用は、耐火物の境界部13の温度が700〜800℃の範囲である場合、予熱塔10におけるどこの場所であってもよく、最下段サイクロン11の天井部12に限るものではない。本発明が適用できる場所は、最下段サイクロン11、仮焼炉25、ライジングダクト26、ロータリーキルンの窯尻部27などにおいて、炉壁のキャスタブルが重力によって、それぞれの鉄皮から剥がれる可能性がある天井部や傾斜部分などであって、炉内部の雰囲気温度が700℃以上の位置である。
耐火物を固定するものは、耐食性・耐熱性のあるアンカーレンガ3のみでもよいが、良好な施工性と経済性から見て、耐食性・耐熱性には弱いがスタッド5,6を併用した方が好ましい。スタッド5,6は、最下段サイクロン11の鉄皮1に溶接部14で盛り付け溶接された丸鋼からできており、Y字型スタッド5やYY字型スタッド6のいずれかで交互に配置され混成されている。
なお、先端部のY字の開き角度は、55〜80度であり、スタッド5,6の材質がステンレス鋼の丸鋼で、直径が10〜20mmである。なお、10mm未満であると、耐火物の自重やスタッド5,6の腐食による切断によって、キャスタブルが落下しやすくなる。20mmを越えると熱的性能のスペックが過剰となり経済性に劣る。また、スタッド5とスタッド6はそれぞれが千鳥配列であって、同形状のスタッド同士の距離は400〜500mmであることが好ましく、耐火物の落下防止と経済性の観点から、最適な範囲である。
アンカーレンガ3とスタッド5,6の単位面積あたりの設置数の比率は、これまでのスタッド5,6の耐久実績とアンカーレンガ3とスタッド5,6の価格等を考慮して、1:4〜1:8の範囲が好ましい。1:8を越えスタッド5,6の比率が大きくなると、アンカーレンガ3を配置した効果が減少し、1:4を下回りアンカーレンガ3が多くなると施工費用が増大する。いずれの場合も、アンカーレンガ3やスタッド5,6などが均等な位置に分布していることが大切である。
次にアンカーレンガ3の鉄皮1への固定方法について説明する。アンカーレンガ3の鉄皮1への吊り方は、どんな方法や手段であってもよく、長期的に耐久性のあるものであればよい。例えば、図9に示すように、アンカーレンガ3の頭部を鉄皮1の貫通孔29(開口部)から貫通させ、弾力性のある吊り金具22でアンカーレンガ3の首を引っ掛けて、炉外8の鉄皮1に溶接した支持部28で固定した吊り棒21から吊るして、アンカーレンガ3を固定することができる。吊り金具22や吊り棒21は、特に形状や材質を規定するものではない。
次に、図6と図7によって耐火物の施工例を説明する。キャスタブルについて、2層打ちの場合の1層目の耐火層4は高アルミナ質キャスタブルであって、アンカーレンガ3を前記のように、鉄皮1に固定した後、アンカーレンガ3を埋め込むように型枠24を作る。型枠24を固定するために、まず、型枠止めボルト30のナット用座金が型枠24の板が所定の位置に来るように該座金の位置を決め、型枠止めボルト30が垂直になるようにしながら、スタッド5,6のY字型部分に型枠止めボルト30を溶接し固定する。付近にスタッド5,6がない場合は、鉄皮1に溶接し固定する。型枠止めボルト30を固定する間隔は、基本的にはスタッド5.6のY字の位置と同じ位置に設置することが好ましい。型枠止めボルト30の直径は、必要な耐久強度からφ5〜7mmの直径のボルトである。型枠止めボルト30の取り付けが終わったら、型枠24の板を型枠止めボルト30に通してナットで締め付けながら、所定の位置に固定する。なお、型枠24の厚みは、12mmの寸法である。型枠24の取り付けが完了したら、図6に示すように、上部の貫通孔29から型枠24の上に1層目の耐火層4としてキャスタブルが流し込まれ、1層目の耐火物として施工される。
この際の耐火層4の厚さは、125〜225mmであり、この材質は高いアルミナ質である。1層目が乾燥したら、次に、図7に示すように、2層目の断熱層2は軽量粘土質キャスタブルであって、鉄皮1と耐火層4とに接して、50〜150mmの厚みを、上部の貫通孔29から流し込む。2層目も乾燥し固化したら、型枠24を剥がし取り除いて施工は完了する。このように施工すると、鉄皮1は操業時においても赤熱しない。
次に、図1の施工例においては、1層打ち施工の耐火層4は高アルミナ質キャスタブルであって、アンカーレンガ3を鉄皮1に固定した後、アンカーレンガ3を埋め込むように型枠24を作り、上部の貫通孔29から型枠24に流し込まれ耐火物として鉄皮1に接して施工される。耐火層4の厚さは、250〜300mmであり、この材質は高いアルミナ質である。乾燥し固化したら、型枠24を剥がし取り除いて施工は完了する。なお、型枠の材質は、木質系・樹脂系であれば、そのまま、操業することができるが、金属製の場合には、操業の直前に型枠24を除去する。このような施工によっても、鉄皮1は操業時においても赤熱しない。
本発明のような、耐火物の施工方法を行うことによって、アンカーレンガ3の近くに位置するスタッドが仮に腐食しても、アンカーレンガ3には耐食性があってアンカー部23とキャスタブルとの接触摩擦抵抗が高いので、耐火物が剥離や落下を起こすことが大幅に低減でき、また炉内の傾斜天井部などの場所によっては耐火物の剥離を防止することができる。
上記においては、加熱炉としてセメント製造装置における予熱塔10の最下段サイクロン11の天井部12に施工する内張り耐火物を例に挙げて説明したが、本発明が適用できる場所は、これに限定されるものではない。例えば、セメント製造装置における最下段サイクロン11、仮焼炉25、ライジングダクト26、ロータリーキルンの窯尻部27などの少なくとも1箇所において、炉壁のキャスタブルが重力によって、鉄皮から剥がれる可能性がある炉の天井部や傾斜部分などであって、炉内部の雰囲気温度が700℃以上の位置にも本発明を適用することができる。
また、上記のようなセメント焼成装置の他にも、加熱炉としては炉内で発生したガスが耐火物層の内部で液相となる温度領域が存在する各種の工業炉の炉壁にも適用することができる。
図2に示すセメント焼成の予熱塔10における最下段サイクロン11の天井部12の内張り耐火物として、本発明の図6と図7に示す施工方法で実施した。最下段サイクロン11内のガス温度は、平均900℃であって、最下段サイクロン11のシュート部20での原料中の塩素濃度が、0.5〜2.5質量%であった。耐火物廻りの温度分布については、炉内7の温度が平均900℃で、境界部13の温度が平均780℃であって、腐食温度領域9の範囲内であった。
また、アンカーレンガ3は、材質が高アルミナ質の耐火レンガで、寸法は、高さが350mm、切断面が100mm×125mmの長方角柱であった。アンカー部23の個数は上下の高さ方向に4個で、周囲の形状は1/4周ごとに長方断面の各辺に独立していて、山型の高さが、12.5mmであった。なお、アンカー部23の山形形状は断面が台形の山脈形状であった。また、アンカーレンガ3の材質は、高アルミナ質の耐火レンガとした。
鉄皮1の厚さは、9mmであった。2層の耐火物の構造は、厚さが100mmのキャスタブルの軽量粘土質キャスタブルの断熱層2と、厚さが175mmのキャスタブルの高アルミナ質の耐火層4から成っている。キャスタブル耐火物の全体の厚さ寸法は275mmとした。
図9に示すように、アンカーレンガ3の固定方法は、炉外8に固定した吊り棒21に巻き付けた吊り金具22でもって、鉄皮1の貫通孔29から炉外3に露出させたアンカーレンガ3の上部の首に引っ掛ける構造とした。なお、外径がφ60.5mm(規格:SGP50A)の鋼管製の吊り棒21の両端は、最下段サイクロン11の上面の天井部12の鉄皮1に溶接で固定した支持部28としては、I型鋼に2本のUボルトを使用して固定した。吊り棒21は外径がφ60.5mmの鋼管であり、また吊り金具22は外径φ9mmの丸鋼を曲げ加工して製作した。
Y字型スタッド5の寸法は、高さが250mmで、YY字型スタッド6の寸法は、高さが250mmであって、いずれも太さの直径がφ16mmで、先端部のY字の開き角度は60度であった。また、スタッド5とスタッド6はそれぞれが千鳥配列であって、同形状のスタッド同士の距離は450mmとして鉄皮1に溶接した。アンカーレンガ3とスタッド5,6の単位面積あたりの設置数の比率は、1:8とした。
耐火物等の施工手順は次のとおりである。
アンカーレンガ3の敷設については、加熱炉の鉄皮1を貫通する貫通孔29について前記の所定の間隔で、貫通孔29を酸素カス切断器で穴を開けた。次に、鉄皮1の炉内側の内面にスタッド5,6を前記の所定の間隔で溶接し、固定した。
そして、鉄皮1から300mmのキャスタブルを流し込む空間を形成し、アンカーレンガ3を埋め込むように型枠24を設けるために、型枠止めボルト30を近くのスタッド5,6に溶接して固定した。その後、厚さが12mmの型枠24を、型枠止めボルト30に通してナットで締め付けながら、所定の位置に固定した。
型枠30の設定が全て終わったら、図6に示すように、貫通孔29から、耐火層4のキャスタブルを流し込む。キャスタブルは、高アルミナ質キャスタブルであって、主成分がAl23=83%、SiO2=12%で、その時の圧縮強さ=123MPa、曲げ強さ=16.7MPa、最高温度=1500℃、線変化率=0%、熱伝導率=0.41W/(m・K)などであった。
耐火層4が固まったら、図7に示すように、軽量粘土質キャスタブルの断熱層2を耐火層4の上に鉄皮1に達するまで、貫通孔29から流し込んだ。厚さは約100mmで、キャスタブル耐火物の全体の厚さ寸法は275mmとした。断熱層2が固まったら、キャスタブルを流し込んだ穴に鉄板でふたをした。その後、型枠30を解体して炉外に除去した。
約1年間、予熱塔10の連続操業を行い、1年後、要所のキャスタブルを分解して点検調査を行った結果、スタッド5,6は一部腐食しているものがあったが、アンカーレンガ3の損傷は全くなく、施工した耐火物の剥離や割れなど一切、発生していないことを確認した。
本発明は、セメント焼成装置などの各種の工業炉において耐火物を施工する際に利用することができる。
1 鉄皮(内壁面)
2 断熱層
3 アンカーレンガ
3a 延出部
4 耐火層
5 Y字型スタッド
6 YY字型スタッド
7 炉内
8 炉外
9 腐食温度領域
10 予熱塔
11 最下段サイクロン
12 天井部
13 境界部
14 溶接部
15 腐食切断
16 目地
17 内筒部
18 スリーブ
19 サイクロンガス出口
20 シュート部
21 吊り棒
22 吊り金具
23 アンカー部
24 型枠
25 仮焼炉
26 ライジングダクト
27 窯尻部
28 支持部
29 貫通孔(開口部)
30 型枠止めボルト

Claims (5)

  1. スタッドを加熱炉の内壁面に固定し、加熱炉の壁面に開口部を設け、開口部から加熱炉内に向かってアンカーレンガを挿入し、アンカーレンガは加熱炉の内部に向かって延出する延出部と、延出部に設けられ延出方向に交差する方向に突出したアンカー部を有しており、アンカーレンガの先端部を前記開口部で固定し、加熱炉内に耐火物を敷設するための型枠を設けた後に型枠に耐火物を敷設し、その後型枠を除去することにより、スタッドとアンカーレンガにより耐火物を保持することを特徴とする加熱炉への耐火物の施工方法。
  2. 前記耐火物の敷設は、耐火層のキャスタブルを型枠に流し込み乾燥した後に、断熱層のキャスタブルを耐火層の上に流し込み乾燥させる請求項1記載の加熱炉への耐火物の施工方法。
  3. 耐火物が内壁面に施工された加熱炉において、加熱炉の内壁面に一端が固定され、他端が加熱炉内に向かって延出したスタッドと、加熱炉の壁面に設けられた開口部と、開口部から加熱炉内に向かって延出するアンカーレンガを有しており、前記アンカーレンガは加熱炉の内部に向かって延出する延出部と、延出部に設けられ延出方向に交差する方向に突出したアンカー部を有しており、前記アンカーレンガの先端部は開口部で固定され、スタッドとアンカーレンガが耐火物を保持することを特徴とする加熱炉。
  4. 耐火物の施工部分における単位面積あたりのアンカーレンガとスタッドの設置数の比率が、1:4〜1:8の範囲である請求項3記載の加熱炉。
  5. 前記加熱炉は、セメント製造装置における予熱塔の最下段サイクロン、仮焼炉、ライジングダクト、またはロータリーキルンの窯尻部のうちの少なくとも1つである請求項3または4に記載の加熱炉。
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