JP6167790B2 - リニアソレノイド - Google Patents
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Description
ところで、リニアソレノイドでは、体格を軸方向に拡大することなく、可動子の軸方向への移動量(以下、ストロークと呼ぶことがある。)を大きくすることができる構造として、可動子に筒状の部分を設けて筒状の部分の内外周それぞれに固定子を配置するものが公知となっている(例えば、特許文献1参照。)。
まず、可動子は、筒状の磁性部を有し、コイルの内周でコイルと同軸に軸方向に可動に組み入れられる。また、第1固定子は、可動子の筒状の磁性部の内周側に配置されて可動子に径方向に磁束を受け渡す。また、第2固定子は、筒状の磁性部であり、可動子の外周側に配置されて第1固定子とともに可動子を径方向に挟み、可動子に径方向に磁束を受け渡す。さらに、第3固定子は、第2固定子から軸方向に離間して配置され、可動子を軸方向に磁気的に吸引する。
まず、可動子は、筒状の磁性部を有し、コイルの内周でコイルと同軸に軸方向に可動に組み入れられる。また、第1固定子は、磁性体製であり、可動子の筒状の磁性部の内周側に配置されて可動子に径方向に磁束を受け渡す。
設けられてコイルの軸心を包囲する環状の樹脂製隆起を溶融樹脂により溶融した後、固化
させることで設けられる。さらに、他端側シールは、軸方向他端側のフランジの2表面の
内、軸方向他端側の表面に設けられてコイルの軸心を包囲する環状の樹脂製隆起を溶融樹
脂により溶融した後、固化させることで設けられる。
また、第1固定子を含む第1磁性体、第2固定子を含む第2磁性体、および、第3固定子を含む第3磁性体は、互いに別体の部材である。そして、第1磁性体は、第1固定子の軸方向他端から外周側に広がる円環板状の鍔部を有し、鍔部は、可動子の当接を受ける内周部、および、内周部の外周側に伸びる外周部を有する。また、第2磁性体は、第2固定子の軸方向他端から外周側に広がってコイルの軸方向他端側を覆う円環板状の他端側ヨークを有し、他端側ヨークは、軸方向他端側のフランジよりも外周側に伸びる外周部、および、外周部の内周側に存在する内周部を有する。
また、リニアソレノイドは、他端側ヨークの外周部と、第3固定子に一体に設けられた別の磁性部とを接触させて磁束を受け渡す第1受渡構造と、鍔部の外周部と他端側ヨークの内周部とを接触させて磁束を受け渡す第2受渡構造とを備える。
そして、他端側ヨークの内、外周部と内周部との間の中間部は軸方向他端側に膨らんでおり、中間部と軸方向他端側のフランジとにより、他端側シールを形成する樹脂製隆起が突出する空間が形成され、この空間に樹脂が充填されている。
イルに到達するのを阻止することができる。このため、外部から浸入したオイルや水等に
よりコイルがダメージを受ける虞を低減することができる。
また、他端側ヨークの中間部を軸方向他端側に膨らませることで、軸方向他端側の樹脂製隆起の周辺に溶融樹脂の充填領域を確保して他端側シールを設けることができる。
これにより、コイルのターミナルを引き出す切り欠き等を設ける工程を容易化することができる。つまり、第2固定子側の磁性部が外周側に延長されているので、磁性部の内、延長している部分を軸方向に貫通するように切り欠き等を設け、コイルのターミナルを引き出すことができる。
実施例のリニアソレノイド1の構成を、図面を用いて説明する。
リニアソレノイド1は、コイル2への通電により発生する磁束を利用して磁気的な吸引力を発生させ推力として出力するものであり、例えば、車両に搭載されて内燃機関のバルブタイミングを変化させるバルブタイミング機構における油圧の供給先を切り替えるために利用される。
そして、リニアソレノイド1は、磁気的な吸引力に関わる構成として以下に説明する可動子3、および、第1、第2、第3固定子4、5、6を備える。
まず、第1受渡構造αとは、第2磁性体10の内の第2固定子5とは別の磁性部と、第3磁性体11の内の第3固定子6とは別の磁性部とを接触させて磁束を受け渡す構造である。
すなわち、他端側ヨーク16は、コイル2の外周縁よりも外周側に伸びており、外周部20は、コイル2の外周縁よりも外周側に存在する。また、外周部20の軸方向一端側の表面20aは軸方向に垂直な平面であり、鍔部19の軸方向他端側の表面19bも軸方向に垂直な平面である。
なお、鍔部19と外周部20とは、凹凸嵌合等を形成していないので、治具15による位置決めの際に自在に径方向に相対移動することができる。
ここで、第1磁性体9は、第1固定子4の軸方向他端から外周側に広がる円環板状の鍔部21を有する。
すなわち、鍔部21は、可動子3の外周縁よりも外周側に伸びており、外周部24は、可動子3の外周縁の外周側にも存在する。また、内周部23の軸方向他端側の表面23bは軸方向に垂直な平面である。さらに、外周部24の軸方向一端側の表面24aも軸方向に垂直な平面である。
なお、内周部23と外周部24とは、凹凸嵌合等を形成していないので、治具15による位置決めの際に自在に径方向に相対移動することができる。
さらに、第1受渡構造αは、第2受渡構造βよりも軸方向一端側に設けられる。
軸受け28は、可動子3の内周に固定されて第1固定子4に直接的に摺接し、可動子3は、軸受け28を介して間接的に第1固定子4に摺接する。また、軸受け28の内、外周側の部分は磁性体製であり、内周側の部分は非磁性体製である。そして、第1固定子4の外周面に、直接、摺接する内周面は非磁性材料からなる。
そして、出力部材29は、円筒状の部分であって可動子3に同軸に固定される固定部36と、軸方向一端側(可動子3が存在する側と反対側)に突出する円柱状の軸部37とを有する。
また、蓋部13の頂部近傍には軸部37が通る開口38が設けられ、軸部37は、開口38から軸方向一端側に突出することで、推力を外部の機器等に出力する。
まず、円筒部40は、第2、第3固定子5、6の外周側に配置されてコイル2が巻かれる部分である。また、フランジ41a、41bは、それぞれ、円筒部40の軸方向一端、他端から外周側に広がってコイル2が巻かれる領域を軸方向一端側、他端側で区画する。
まず、一端側シールγは、フランジ41aの軸方向一端側でコイル2の軸心を包囲するように設けられている。すなわち、フランジ41aの軸方向一端側の表面には、コイル2の軸心を包囲する環状の樹脂製隆起42aが設けられ(図6参照。)、樹脂製隆起42aを溶融樹脂により溶融した後、固化させることで一端側シールγが設けられる。
なお、射出成形工程における溶融樹脂の射出口(図示せず)は、第1磁性体9の軸方向他端側で第1磁性体9と向かい合う範囲gに配置される(図3参照。)。
実施例のリニアソレノイド1は、可動子3を円筒状に設けるとともに可動子3の内外周それぞれに第1、第2固定子4、5を配置し、第1、第2固定子4、5の両方から可動子3に径方向に磁束を受け渡す。また、ボビン30には、フランジ41aの軸方向一端側の表面、および、フランジ41bの軸方向他端側の表面それぞれに樹脂製隆起42a、42bが設けられる。そして、樹脂製隆起42a、42bをそれぞれ溶融樹脂により溶融した後、固化させることで一端側、他端側シールγ、δが設けられる。
これにより、樹脂製隆起42bの周辺に溶融樹脂の充填領域を確保して他端側シールδを設けることができる。
これにより、ターミナル26を引き出す切り欠き25を設ける工程を容易化することができる。つまり、第2磁性体10は、一部分が他端側ヨーク16として外周側に延長されているので、他端側ヨーク16を軸方向に貫通するように切り欠き25を設け、ターミナル26を引き出すことができる。
リニアソレノイド1の構成は、実施例に限定されず、種々の変形例を考えることができる。
すなわち、可動子3、第1〜第3固定子4〜6、第1〜第3磁性体9〜11、第1、第2受渡構造α、β、貫通孔49、軸受け28、呼吸路8、34、出力部材29、ターミナル26の引き出し構造、軸方向長さdと軸方向長さeとの大小関係、第3固定子の内周径aと第2固定子5の内周径bとの大小関係、ならびに、可動子3および出力部材29の一体物の摺動支持構造等に関して様々な態様を採用することができる。
また、実施例のリニアソレノイド1によれば、第1磁性体9の鍔部21に呼吸路34を設けていたが、軸受け28のフランジ32に呼吸路34を設けてもよく、鍔部21およびフランジ32の両方に呼吸路34を設けてもよい。
第3固定子 30 ボビン 40 円筒部(筒部) 41a、41b フランジ 42a、42b 樹脂製隆起 γ、δ 一端側、他端側シール
Claims (2)
- コイル(2)への通電により発生する磁束を利用して、軸方向に作用する推力を出力するリニアソレノイド(1)において、
筒状の磁性部を有し、前記コイル(2)の内周で前記コイル(2)と同軸に軸方向に可動に組み入れられる可動子(3)と、
この可動子(3)の筒状の磁性部の内周側に配置されて前記可動子(3)に径方向に磁束を受け渡す磁性体製の第1固定子(4)と、
筒状の磁性部であり、前記可動子(3)の外周側に配置されて前記第1固定子(4)とともに前記可動子(3)を径方向に挟み、前記可動子(3)に径方向に磁束を受け渡す第2固定子(5)と、
この第2固定子(5)から軸方向に離間して配置され、前記可動子(3)を軸方向に磁気的に吸引する磁性体製の第3固定子(6)と、
前記第2固定子(5)の外周側に配置され、前記コイル(2)が巻かれる樹脂製の筒部(40)、および、この筒部(40)の軸方向両端に設けられて前記コイル(2)が巻かれる領域を軸方向に関して区画する樹脂製の2つのフランジ(41a、41b)を有するボビン(30)と、
軸方向一端側の前記フランジ(41a)の2表面の内、軸方向一端側の表面に設けられて前記コイル(2)の軸心を包囲する環状の樹脂製隆起(42a)を溶融樹脂により溶融した後、固化させることで設けられる一端側シール(γ)と、
軸方向他端側の前記フランジ(41b)の2表面の内、軸方向他端側の表面に設けられて前記コイル(2)の軸心を包囲する環状の樹脂製隆起(42b)を溶融樹脂により溶融した後、固化させることで設けられる他端側シール(δ)とを備え、
前記第1固定子(4)を含む第1磁性体(9)、前記第2固定子(5)を含む第2磁性体(10)、および、前記第3固定子(6)を含む第3磁性体(11)は、互いに別体の部材であり、
前記第1磁性体(9)は、前記第1固定子(4)の軸方向他端から外周側に広がる円環板状の鍔部(21)を有し、この鍔部(21)は、前記可動子(3)の当接を受ける内周部(33)、および、この内周部の外周側に伸びる外周部(24)を有し、
前記第2磁性体(10)は、前記第2固定子(5)の軸方向他端から外周側に広がってコイル(2)の軸方向他端側を覆う円環板状の他端側ヨーク(16)を有し、この他端側ヨーク(16)は、軸方向他端側の前記フランジ(41b)よりも外周側に伸びる外周部(20)、および、この外周部(20)の内周側に存在する内周部(23)を有し、
また、前記リニアソレノイド(1)は、
前記他端側ヨーク(16)の外周部(20)と、前記第3固定子(6)に一体に設けられた別の磁性部(19)とを接触させて磁束を受け渡す第1受渡構造(α)と、
前記鍔部(21)の外周部(24)と前記他端側ヨーク(16)の内周部(23)とを接触させて磁束を受け渡す第2受渡構造(β)とを備え、
さらに、前記他端側ヨーク(16)の内、前記外周部(20)と前記内周部(23)との間の中間部(46)は軸方向他端側に膨らんでおり、この中間部(46)と軸方向他端側の前記フランジ(41b)とにより、前記他端側シール(δ)を形成する前記樹脂製隆起(42b)が突出する空間(47)が形成され、この空間(47)に樹脂が充填されていることを特徴とするリニアソレノイド(1)。 - 請求項1に記載のリニアソレノイド(1)において、
前記第1受渡構造(α)は、前記コイル(2)のターミナル(26)よりも軸方向一端側に設けられることを特徴とするリニアソレノイド(1)。
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