JP5924764B2

JP5924764B2 - 燃料噴射弁

Info

Publication number: JP5924764B2
Application number: JP2012028816A
Authority: JP
Inventors: 拓也本荘
Original assignee: Keihin Corp
Current assignee: Keihin Corp
Priority date: 2012-02-13
Filing date: 2012-02-13
Publication date: 2016-05-25
Anticipated expiration: 2032-02-13
Also published as: US20170114764A1; US20150001318A1; KR20140108602A; DE112013000957T5; WO2013121806A1; JP2013164057A

Description

本発明は、磁性金属で円筒状に形成される固定コアと、該固定コアの一端に対向して同軸に配置されるとともに前記固定コアに対する近接・離反を可能とした弁プランジャと、軸方向全長にわたって直線状に延びる一条の開口部を有して横断面形状が略Ｃ字状に形成されるとともに軸方向両端部外周にテーパ面をそれぞれ有して前記固定コア内に圧入されるリテーナと、該リテーナおよび前記弁プランジャ間に設けられるコイル状の戻しばねとを備える燃料噴射弁に関する。

横断面形状が略Ｃ字状であるリテーナを円筒状の固定コア内に圧入する際に、リテーナの外周面が固定コアの内周面で削られて微小な切粉が発生することを防止するために、リテーナの軸方向両端部外周に軸方向先端まで延びるテーパ面が形成されるようにした燃料噴射弁が、特許文献１で既に知られている。

特開２００３−３１４３９９号公報

ところで、軸方向両端部外周に軸方向先端まで延びるテーパ面を有して横断面形状を略Ｃ字状としたリテーナは、一般的には、テーパ面を形成するための傾斜面が予め形成されている平板状の素材をローラで丸めて成形されるのであるが、その際、前記素材には伸ばされ易い部位と、伸ばされ難い部位とがあり、丸め成形後の前記テーパ面の角度がリテーナの周方向で不均等となる場合があり、特に、リテーナの開口部を挟む周方向両端部は反りが生じ易く、リテーナの軸方向両端部外周にテーパ面が形成されていても固定コアへのリテーナの圧入時におけるかじりや、切粉発生の原因となることがある。しかもリテーナを形成する材料によっては、丸め成形時の加圧力および材料伸びが異なるので、テーパ面の角度変化が材料によって異なり、材料選択の自由度が狭まる。

本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、固定コアへのリテーナの圧入時にかじりが生じたり、切粉が発生したりするのを防止しつつ、リテーナを形成する材料選択の自由度を確保可能とした燃料噴射弁を提供することを目的とする。

上記目的を達成するために、本発明は、磁性金属で円筒状に形成される固定コアと、該固定コアの一端に対向して同軸に配置されるとともに前記固定コアに対する近接・離反を可能とした弁プランジャと、軸方向全長にわたって直線状に延びる一条の開口部を有して横断面形状が略Ｃ字状に形成されるとともに軸方向両端部外周に軸方向先端まで延びるテーパ面をそれぞれ有して前記固定コア内に圧入されるリテーナと、該リテーナおよび前記弁プランジャ間に設けられるコイル状の戻しばねとを備える燃料噴射弁において、前記テーパ面が形成された前記リテーナの軸方向両端部で、且つ該リテーナの周方向両端部に、前記開口部の長手方向両端部の幅を拡げるようにして切欠きもしくは面取り部が設けられることを第１の特徴とする。

また本発明は、第１の特徴の構成に加えて、前記リテーナの周方向中央部で前記開口部の長手方向両端部に対向する部分に第２の切欠きが設けられることを第２の特徴とする。

本発明の第１の特徴によれば、テーパ面が形成されたリテーナの軸方向両端部で、且つ該リテーナの周方向両端部に、開口部の長手方向両端部を拡げるようにして切欠きもしくは面取り部が設けられるので、開口部があることで丸め成形時に反りが生じ易い部位を除去し、リテーナの固定コアへの圧入時に、かじりが生じたり、切粉が生じたりするのを防止することができる。しかも切欠きもしくは面取り部を設けるだけの構造であり、リテーナを形成する材料が限定されることはないので、材料選択の自由度を確保することができる。

また本発明の第２の特徴によれば、リテーナの周方向中央部のテーパ面は丸め成形時に角度変化が生じ易いのであるが、第２の切欠きによって角度変化が生じ易い部分を除去しておくことにより、テーパ面の角度を周方向で均等化することができ、これによって、テーパ面の角度を矯正する作業を不要として工数を削減し、コストの低減を図ることができるようにしつつ、リテーナの固定コアへの圧入時に、かじりが生じたり、切粉が生じたりするのをより確実に防止することができる。

第１の実施の形態の燃料噴射弁の縦断面図である。リテーナの斜視図である。リテーナの丸め成形を説明するための斜視図である。第２の実施の形態のリテーナの斜視図である。

以下、本発明の実施の形態を、添付の図面を参照しながら説明する。

本発明の第１の実施の形態について図１〜図３を参照しながら説明すると、先ず図１において、この燃料噴射弁Ｉは、エンジンに供給されるガス燃料を噴射するためのものであり、エンジンの吸気管Ｅの管壁に設けられる取り付け孔Ｅａに燃料噴射弁Ｉの一端部が装着され、エンジンの吸気行程時に燃料噴射弁Ｉから吸気管Ｅ内にガス燃料が噴射される。

前記燃料噴射弁Ｉは、磁性金属によって円筒状に形成される固定コア２と、磁性金属によって中空円筒状に形成されるとともに前記固定コア２の一端に非磁性円筒体３を介して連設される弁ハウジング４と、該弁ハウジング４の一端に同軸に結合される円筒状のノズル部材５と、前記固定コア２の他端に一端が一体に連設される円筒状の燃料入口筒６と、磁性体から成るとともに前記固定コア２に対する近接・離反を可能として前記弁ハウジング４に摺動自在に嵌装される弁プランジャ１０とを備える。

前記ノズル部材５は、弁ハウジング４内に臨む平坦な弁座７と、該弁座７の中心部を貫通してノズル部材５の一端面に開口するノズル孔８とを有しており、その弁座７の位置を調整する環状のシム９がノズル部材５および弁ハウジング４間に介装される。

前記弁プランジャ１０は、前記固定コア２の一端の吸引面２ａに対向するようにして前記弁ハウジング４に摺動自在に嵌装される。また弁プランジャ１０の一端には、前記弁座７に着座し得るゴム製の着座部材１１が焼き付けにより接合され、弁プランジャ１０の他端面には、ゴム製である環状のクッション部材１２が、前記吸引面２ａに対向するようにして焼き付けにより接合される。而して前記クッション部材１２および前記固定コア２の対向面間には、着座部材１１の弁座７への着座時に弁プランジャ１０の開弁ストロークに対応する所定の間隙が設定される。

前記固定コア２の一端部から弁ハウジング４の他端部にかけての領域は、コイル組立体１４で囲繞されるものであり、このコイル組立体１４は、弁ハウジング４、非磁性円筒体３および固定コア２の外周に嵌合するボビン１５と、このボビン１５の外周に巻装されるコイル１６とで構成され、該コイル組立体１４は、磁性金属から成るコイルハウジング１７で覆われる。

前記弁ハウジング４には、前記コイル組立体１４の一端を受けるようにして弁ハウジング４の中間部から半径方向外方に張り出す第１ヨークフランジ１８が一体に設けられる。前記コイルハウジング１７の一端部には第１ヨークフランジ１８が嵌合され、コイル組立体１４を第１ヨークフランジ１８との間に挟む第２ヨークフランジ１９が前記コイルハウジング１７の他端部に一体に設けられる。

また燃料入口筒６、第２ヨークフランジ１９を有するコイルハウジング１７および第１ヨークフランジ１８は、連続的に連なる樹脂モールド層２０で被覆され、この樹脂モールド層２０には、その一側方に突出するカプラ２２が、前記コイル１６に連なる通電用端子２１を保持するようにして一体成形される。

前記弁プランジャ１０には、一端を閉じるとともに他端を固定コア２側に開放した有底の縦孔２３と、その縦孔２３を弁プランジャ１０の一端部外周面に開放する複数の横孔２４…とが設けられ、前記縦孔２３の中間部には前記固定コア２側に臨む環状のばね受け段部２５が設けられる。

一方、固定コア２内にはリテーナ２６Ａが圧入されており、このリテーナ２６Ａおよび前記ばね受け段部２５間にコイル状の戻しばね２７が設けられ、この戻しばね２７が発揮するばね力で前記弁プランジャ１０はその一端の着座部材１１を弁座７に着座させる側に付勢される。また固定コア２に連なる燃料入口筒６内には燃料フィルタ２８が装着される。

前記ノズル部材５の外周には、環状の第１シール溝３０を画成する一対の合成樹脂製のリング部材３１，３２が嵌着され、第１シール溝３０には、前記ノズル部材５を吸気管Ｅの取り付け孔Ｅａに挿入したとき、その内周面に密接する前部Ｏリング３３が装着される。

また前記燃料入口筒６の他端部外周には、該燃料入口筒６の他端に形成されるフランジ３６と、前記樹脂モールド層２０とによって環状の第２シール溝３５が画成され、この第２シール溝３５には、前記燃料入口筒６の外周に燃料分配管Ｄが嵌装されたときにその燃料分配管Ｄの内周面に密接するＯリング３７が装着される。

このような燃料噴射弁Ｉでは、コイル１６の消磁状態で、弁プランジャ１０は、戻しばね２７の付勢力により着座部材１１を弁座７に着座させている。この状態で燃料分配管Ｄに送られたガス燃料は、燃料入口筒６に流入して燃料フィルタ２８で濾過され、リテーナ２６Ａ内から弁プランジャ１０の縦孔２３および横孔２４…を通って弁ハウジング４内で待機する。このとき、弁プランジャ１０には、戻しばね２７のセット荷重と、ガス燃料の圧力とが閉弁力として作用し、着座部材１１が弁座７に着座する方向に押圧される。

前記コイル１６を通電により励起すると、それにより生ずる磁束がコイルハウジング１７、第１ヨークフランジ１８、弁ハウジング４、弁プランジャ１０、固定コア２およびコイルハウジング１７を順次走り、その磁力により弁プランジャ１０が戻しばね２７のセット荷重に抗して固定コア２に吸引されて着座部材１１が弁座７から離座し、弁プランジャ１０のゴム製のクッション部材１２が固定コア２の吸引面２ａに当接することで着座部材１１の弁座７に対する開き限界が規制される。

図２において、前記リテーナ２６Ａは、軸方向全長にわたって直線状に延びる一条の開口部３８を有して横断面形状が略Ｃ字状に形成されており、このリテーナ２６Ａの軸方向両端部外周には、軸方向先端まで延びるテーパ面３９，３９がそれぞれ形成される。

ところで、前記リテーナ２６Ａは、図３で示すように、テーパ面３９，３９を形成するための傾斜面４３ａ，４３ａが予め形成されている平板状の素材４３を円筒状の型４４によって丸めるように成形することで成形されるのであるが、その際、前記素材４４には伸ばされ易い部位と、伸ばされ難い部位とがあり、丸め成形後の前記テーパ面３９…の角度がリテーナ２６Ａの周方向で不均等となる場合がある。特に、テーパ面３９，３９が形成されたリテーナ２６Ａの軸方向両端部で且つ開口部３８を挟む周方向両端部は反りが生じ易く、またリテーナ２６Ａの周方向中央部のテーパ面３９，３９は丸め成形時に角度変化が生じ易い。

そのような反りや角度変化をそのままとしてリテーナ２６Ａを固定コア２内に圧入すると、かじりや、切粉発生の原因となることがある。

そこで本発明に従えば、前記テーパ面３９，３９が形成されたリテーナ２６Ａの軸方向両端部で、且つ該リテーナ２６Ａの周方向両端部に、前記開口部３８の長手方向両端部の幅を拡げるようにして第１の切欠き４０，４０…が設けられ、またリテーナ２６Ａの周方向中央部で前記開口部３８の長手方向両端部に対向する部分に第２の切欠き４１，４１が設けられる。

而して第１の切欠き４０，４０…および第２の切欠き４１…は、丸め成形前に素材４４を打ち抜きで形成する際に、図３で示すように、素材４４に予め形成される。

次にこの第１の実施の形態の作用について説明すると、開口部３８の長手方向両端部を拡げるようにして、テーパ面３９，３９が形成されたリテーナ２６Ａの軸方向両端部で、且つ該リテーナ２６Ａの周方向両端部に第１の切欠き４０，４０…が設けられるので、開口部３８があることで丸め成形時に反りが生じ易い部位を除去し、リテーナ２６Ａの固定コア２への圧入時に、かじりが生じたり、切粉が生じたりするのを防止することができる。しかも第１の切欠き４０，４０…を設けるだけの構造であり、リテーナ２６Ａを形成する材料が限定されることはないので、材料選択の自由度を確保することができる。

またリテーナ２６Ａの周方向中央部で開口部３８の長手方向両端部に対向する部分に第２の切欠き４１…が設けられるので、リテーナ２６Ａの周方向中央部のテーパ面３９…は丸め成形時に角度変化が生じ易いのであるが、第２の切欠き４１…によって角度変化が生じ易い部分を除去しておくことにより、テーパ面３９…の角度を周方向で均等化することができ、これによって、テーパ面３９…の角度を矯正する作業を不要として工数を削減し、コストの低減を図ることができるようにしつつ、リテーナ２６Ａの固定コア２への圧入時に、かじりが生じたり、切粉が生じたりするのをより確実に防止することができる。

本発明の第２の実施の形態について図４を参照しながら説明するが、図１〜図３の第１の実施の形態に対応する部分には同一の参照符号を付して図示するのみとし、詳細な説明は省略する。

軸方向全長にわたって直線状に延びる一条の開口部３８を有して横断面形状が略Ｃ字状に形成されるとともに軸方向両端部外周にテーパ面３９，３９をそれぞれ有するリテーナ２６Ｂの周方向両端部に、開口部３８の長手方向両端部の幅を拡げるようにして面取り部４２，４２…が設けられ、リテーナ２６Ｂの周方向中央部で前記開口部３８の長手方向両端部に対向する部分には切欠き４１，４１が設けられる。

この第２の実施の形態によっても第１の実施の形態と同様の効果を奏することができる。

以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。

２・・・固定コア
１０・・・弁プランジャ
２６Ａ，２６Ｂ・・・リテーナ
２７・・・戻しばね
３８・・・開口部
３９・・・テーパ面
４０・・・切欠き
４１・・・第２の切欠き
４２・・・面取り部
Ｉ・・・燃料噴射弁

Claims

磁性金属で円筒状に形成される固定コア（２）と、該固定コア（２）の一端に対向して同軸に配置されるとともに前記固定コア（２）に対する近接・離反を可能とした弁プランジャ（１０）と、軸方向全長にわたって直線状に延びる一条の開口部（３８）を有して横断面形状が略Ｃ字状に形成されるとともに軸方向両端部外周に軸方向先端まで延びるテーパ面（３９）をそれぞれ有して前記固定コア（２）内に圧入されるリテーナ（２６Ａ，２６Ｂ）と、該リテーナ（２６Ａ，２６Ｂ）および前記弁プランジャ（１０）間に設けられるコイル状の戻しばね（２７）とを備える燃料噴射弁において、
前記テーパ面（３９）が形成された前記リテーナ（２６Ａ，２６Ｂ）の軸方向両端部で、且つ該リテーナ（２６Ａ，２６Ｂ）の周方向両端部に、前記開口部（３８）の長手方向両端部の幅を拡げるようにして切欠き（４０）もしくは面取り部（４２）が設けられることを特徴とする燃料噴射弁。
前記リテーナ（２６Ａ，２６Ｂ）の周方向中央部で前記開口部（３８）の長手方向両端部に対向する部分に第２の切欠き（４１）が設けられることを特徴とする請求項１記載の燃料噴射弁。