JP6165599B2 - エチレン−ビニルアルコール系共重合体のグラフト共重合体、その製造方法及びそれを用いた金属吸着材 - Google Patents

エチレン−ビニルアルコール系共重合体のグラフト共重合体、その製造方法及びそれを用いた金属吸着材 Download PDF

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Description

本発明は、エチレン−ビニルアルコール系共重合体に、チオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の少なくともいずれか1つの構造を有するグラフト鎖が導入されたグラフト共重合体、エチレン−ビニルアルコール系共重合体のグラフト共重合体を用いた金属イオン吸着材及びその製造方法に関する。
近年、貴金属やレアメタルなどの金属資源はその需要の高まりと、資源ナショナリズムによる供給制限とが相まって、供給不安、価格の高騰など市場は不安定である。そのような状況において、使用済みの製品をリサイクルする技術や仕組みの構築、更には、回収や製錬工程で極力ロスを少なくする技術開発が精力的に行われている。
金属イオン含有水溶液から金属を分離・回収する方法としては、ジブチルカルビトールのような有機溶剤を用いて金属を抽出させる溶媒抽出法、キレート樹脂などを用いて分離・回収する吸着法があり、特に後者は希薄な溶液処理に適している。
例えば、側鎖にチオウレア基を有するキレート樹脂がいくつか市販されており、水銀の除去、貴金属の回収に利用されている。しかしながら、市販されているキレート樹脂は、一般的には三次元架橋構造を有する疎水性の高分子母体にキレート形成基が導入された構造であることから、樹脂を一旦乾燥させてしまうと樹脂が疎水性となるため、樹脂内部に存在するキレート形成基に金属イオン水溶液が浸透し難くなり、吸着性能が低下するなどの問題を生じることがあった。
一方、特許文献1ではイソチオウレア基をグラフト化させたポリエチレン繊維が開示されている。しかし、繊維状では、例えばカラムに詰めて使用するなどには好適ではないため、使用形態に制約を有していた。また、一般にグラフト重合の基材として用いられるポリエチレンは、放射線照射にて発生したラジカルが失活し易いため、得られたグラフト体のグラフト率が変動し易く、性能にバラツキが発生しやすいという懸念があった。さらに、特許文献2では、粒子状の結晶性セルロース上にチオウレア基を導入することが開示されている。しかしながら、結晶性セルロースは成形性に乏しいため、そもそも粒子状の結晶性セルロース自体は高価であるため、実使用に制約を有していた。
特許第4198460号公報 特開2009−13204号公報
従って、本発明の目的は、金属イオンの吸着性に優れるだけでなく、安価で耐乾燥性も有するキレート樹脂として有用なグラフト共重合体およびその製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、親水性であるエチレン−ビニルアルコール系共重合体に、チオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の少なくともいずれか1つの構造を有するグラフト鎖を導入することにより、吸着材に親水性を付与することができ、その結果、吸着材が乾燥しても優れた金属イオンの吸着性を発現するキレート樹脂の可能性を見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明第一の構成は、エチレン−ビニルアルコール系共重合体を基材とし、該基材にチオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の少なくともいずれか1つの構造を有するグラフト鎖が導入されたグラフト共重合体である。
高度な吸着性を達成する観点から、基材であるエチレン−ビニルアルコール系共重合体に対するチオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の導入量は、好ましくは1.0mmol/g以上である。
前記グラフト共重合体は、10μm〜2000μmの粒子状であってもよく、導入された官能基を効率的に利用する観点から、粒子の表面に細孔径の平均値が0.01μm〜50μmである細孔が形成された多孔質粒子であることが好ましい。基材として用いるエチレン−ビニルアルコール系共重合体が、多孔質であることで、高いグラフト率を達成することが可能となり、官能基導入量の多い優れた吸着材を与えることが可能である。
また、本発明第二の構成は、基材としてエチレン−ビニルアルコール系共重合体を準備する工程(工程A)と、
前記エチレン−ビニルアルコール系共重合体に対して、チオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の少なくともいずれか1つの構造を有するグラフト鎖を導入し、チオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の少なくともいずれか1つの構造を有するグラフト鎖が導入されたグラフト共重合体を得る工程(工程B)と、を備える、グラフト共重合体の製造方法である。
上記の製造方法の工程Bにおいて、グラフト鎖は電離放射線を用いた放射線グラフト重合法により導入されていてもよい。
また、工程Aにおいて準備される前記エチレン−ビニルアルコール系共重合体が多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体であることが、高グラフト率、高官能基導入量が得られることから好ましい。多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体を得るために、前記工程Aが、エチレン−ビニルアルコール系共重合体と水溶性ポリマーとを溶融混合し、混合された溶融物を冷却固化させることにより、エチレン−ビニルアルコール系共重合体と水溶性ポリマーとを含む複合体を得る工程と、前記複合体から水溶性ポリマーを抽出する工程と、を有することが好ましい。
本発明第3の構成は、上記グラフト共重合体を用いてなる金属イオン吸着材である。
本発明のグラフト共重合体は、基材である親水性のエチレン−ビニルアルコール系共重合体に対して、チオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の少なくともいずれか1つの構造を有するグラフト鎖が導入されているため、親水性が付与されて、耐乾燥性に優れた金属イオンの吸着性を発現させることが可能である。
本発明のグラフト共重合体の製造方法により、上記のような優れた性能を有するグラフト共重合体を、効率よく製造することができる。
特に、本発明のグラフト共重合体は、金属イオン吸着材として有用であり、前記グラフト共重合体で構成された金属イオン吸着材は、耐乾燥性を有するだけでなく、金属イオンの吸着性に優れ、高収率で金属イオンを回収することができる。
(グラフト共重合体)
本発明は、基材であるエチレン−ビニルアルコール系共重合体に、チオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の少なくともいずれか1つの構造を有するグラフト鎖が導入されたグラフト共重合体である。なお、本願発明におけるチオウレア構造もしくはイソチオウレア構造は、塩酸や硝酸等により塩の状態で存在していてもよい。
本発明のグラフト共重合体がグラフト鎖に有するチオウレア構造もしくはイソチオウレア構造は、特に限定されないが、例えば、下記式(1)〜(4)に示す構造である。
Figure 0006165599
式(1)〜(4)中、*はグラフト側鎖と化学結合する部位を表す。
式(4)中、Rは炭素数1〜10の炭素鎖を表す。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などの直鎖または分岐鎖アルキル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基などのシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基などのアリール基などが挙げられる。また、Rは*であってもよい。
グラフト共重合体に対するチオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の導入量は、特に限定されないが、1.0mmol/g以上が好ましく、1.2mmol/g以上がより好ましく、1.5mmol/g以上が更に好ましい。1.0mmol/g未満の場合、チオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の導入効果が充分に発現せず、例えば、吸着材に用いた場合、吸着性能が不十分となる場合がある。また、官能基のモル数は20mmol/g未満が好ましく、10mmol/g未満がより好ましく、5mmol/g未満が特に好ましい。官能基のモル数が20mmol/gを超える場合、粒子の膨潤を抑制することが難しくなる傾向がある。
本発明のグラフト共重合体の形状は、特に限定されず、グラフト共重合体の適用箇所に応じて、繊維やその集合である織布や不織布、粒子、シート、フィルムあるいはそれらの加工品など各種の形状から選択することができる。これらのうち、吸着材として使用する際の取り扱い性の観点から、粒子状であることが好ましい。
粒子状のグラフト共重合体を得る場合、適宜粉砕により目的の粒子径に調整すれば良いが、粒子径は10μm〜2000μmが好ましく、30μm〜1500μmがさらに好ましく、40μm〜1000μmが最も好ましい。粒子径が10μm以下の場合、微粉が飛散し易いなど取り扱いが難しい。粒子径が2000μm以上の場合、金属イオンの吸着性能が充分に得られないことがある。
本発明のグラフト共重合体は、官能基を効率的に利用する観点から、多孔質体であることが好ましい。多孔質体は、少なくとも表面に細孔が形成されていればよく、構造の内部まで細孔が形成されていなくともよい。表面に形成される細孔は、その細孔径の平均値が0.01μm〜50μm程度であってもよく、好ましくは0.05μm〜20μm、より好ましくは0.2μm〜10μm程度であってもよく、さらに好ましくは、0.2μm〜57μmであってもよい。細孔径の平均値が0.05μm以下の場合、官能基が内部まで効率的に使用できず目的の金属イオン吸着能が得られなかったり、グラフト率が上がらず金属イオン吸着能が充分に得られないことがある。一方、細孔径の平均値が50μm以上の場合、グラフト共重合体が脆くなり取り扱いが困難となるおそれがある。
これら細孔の細孔径の平均値は、後述する実施例に記載した方法により測定される値である。
(グラフト共重合体の製造方法)
本発明のグラフト共重合体の製造方法は、
基材としてエチレン−ビニルアルコール系共重合体を準備する工程(工程A)と、
前記エチレン−ビニルアルコール系共重合体に対して、チオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の少なくともいずれか1つの構造を有するグラフト鎖を導入し、チオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の少なくともいずれか1つの構造を有するグラフト鎖が導入されたグラフト共重合体を得る工程(B)と、を備えている。
(エチレン−ビニルアルコール系共重合体)
本発明のグラフト共重合体の基材として用いられるエチレン−ビニルアルコール系共重合体は、上記の性質を有するグラフト共重合体を得ることができる限り特に限定されないが、例えば、そのエチレン含有量は、10〜60モル%程度であってもよく、20〜50モル%程度が好ましい。エチレン含量が10モル%未満の場合、得られるグラフト共重合体の耐水性が低下する虞がある。一方、エチレン含量が60モル%を越えると製造が難しく入手が困難である。
また、エチレン−ビニルアルコール系共重合体のけん化度は、90モル%以上が好ましく、95モル%以上がより好ましく、99モル%以上が特に好ましい。けん化度が90モル%未満の場合、成形性が悪くなったり、得られるグラフト共重合体の耐水性が低下したりする虞がある。
また、エチレン−ビニルアルコール系共重合体のメルトフローレート(MFR)(210℃、荷重2160g)についても特に限定されないが、0.1g/分以上が好ましく、0.5g/分以上がより好ましい。0.1g/分未満の場合、耐水性や強度が低下する虞がある。なお、メルトフローレートの上限は通常用いられる範囲であればよく、例えば、25g/分以下であってもよい。
本発明のエチレン−ビニルアルコール系共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で別の不飽和単量体単位を含んでいてもよい。該不飽和単量体単位の含量は、10モル%以下であることが好ましく、5%モル以下であることがより好ましい。
このようなエチレン−ビニルアルコール系共重合体は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
このようなエチレン−ビニルアルコール系共重合体は、グラフト鎖を効率的に導入する観点から、多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体であってもよい。
多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体は、発泡剤などの気孔形成材とエチレン−ビニルアルコール系共重合体とを溶融混合することにより多孔質化させてもよいが、細孔のサイズを制御する観点から、上記工程Aは、エチレン−ビニルアルコール系共重合体と水溶性ポリマーとを溶融混練などにより混合し、溶融物を冷却固化させた複合体を得る工程と、前記複合体から水溶性ポリマーを抽出する工程の二つの工程によって、多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体を形成してもよい。
なお、本発明において、「溶融物の冷却固化」とは、溶融物を凝固浴など用いることなく冷却固化することを意味している。
本発明に用いられる水溶性ポリマーは、エチレン−ビニルアルコール系共重合体と溶融混合できる限り特に限定されず、一般に知られている水溶性ポリマーが利用できる。当該水溶性ポリマーは、例えば、デンプン;ゼラチン;セルロース誘導体;ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等の水溶性アミン系ポリマー;ポリアクリル酸;ポリイソプロピルアクリルアミド等のポリアクリルアミド;ポリビニルピロリドン;ポリビニルアルコールなどが挙げられる。これらの中でも、エチレン−ビニルアルコール系共重合体との溶融混練のし易さに優れ、空隙の制御が容易であることから、特にポリビニルアルコールが好適に用いられる。
エチレン−ビニルアルコール系共重合体と水溶性ポリマーとの質量割合は、必要とする多孔質の程度に応じて、適宜決めることができるが、例えば、エチレン−ビニルアルコール系共重合体:水溶性ポリマーは、99.9:0.1〜20:80程度であってもよく、好ましくは99.9:0.1〜30:70程度であってもよい。
本発明において、好適な水溶性ポリマーとして用いられるポリビニルアルコールは、本発明の効果が得られる限り、ビニルアルコール単位及びビニルエステル系単量体に由来する構造単位以外の構造単位を有することができる。当該構造単位は、例えば、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセンなどのα−オレフィン類;アクリル酸及びその塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸N−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸N−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル等のアクリル酸エステル基を有する不飽和単量体;メタクリル酸及びその塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸N−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸N−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル等のメタクリル酸エステル基を有する不飽和単量体;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩(例えば4級塩);メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩(例えば4級塩);メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル、2,3−ジアセトキシ−1−ビニルオキシプロパンなどのビニルエーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル類;塩化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン類;酢酸アリル、2,3−ジアセトキシ−1−アリルオキシプロパン、塩化アリルなどのアリル化合物;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸及びその塩またはエステル;ビニルトリメトキシシランなどのビニルシリル化合物、酢酸イソプロペニルである。当該構造単位の含有量は、10モル%未満である。
本発明において、好適な水溶性ポリマーとして用いられるポリビニルアルコールの粘度平均重合度(JIS K6726に準拠して測定)は特に限定されないが、好ましくは100〜10,000であり、より好ましくは200〜7,000であり、さらに好ましくは300〜5,000である。粘度平均重合度が上記範囲から逸脱すると、得られる多孔質体の表面積が低下する虞がある。
本発明において、好適な水溶性ポリマーとして用いられるポリビニルアルコールのけん化度は特に限定されないが、好ましくは50モル%以上であり、より好ましくは60〜98モル%であり、特に好ましくは70〜95モル%である。けん化度が50モル%未満になると水溶性が低下し成形後の熱水抽出での抽出性が悪くなる。けん化度が98モル%より高いポリビニルアルコールは溶融混合が難しい。
本発明の多孔質エチレン−ビニルアルコール系共重合体は、例えば、エチレン−ビニルアルコール系共重合体と前記水溶性ポリマーを溶融混練にて混合して溶融物を冷却固化させた複合体(コンパウンド)を得た後に、この複合体から水溶性ポリマーを抽出することによって得られる。溶融混練する方法は特に限定されず、一軸押出機、二軸押出機、ブラベンダー、ニーダーなど公知の混練機を用いることができる。目的とする形状を得るために、必要に応じて各段階で粉砕などを実施しても良い。
また、エチレン−ビニルアルコール系共重合体を溶解せず、水溶性ポリマーを抽出することができる限り、抽出に用いられる溶媒は特に限定されず、水、各種有機溶媒、水と有機溶媒との混合物などを用いることができるが、水溶性ポリマーを利用している観点から、溶媒としては水、特に熱水を用いるのが好ましい。熱水の温度は、40℃〜120℃が好ましく、50℃〜100℃がさらに好ましい。
このようにして得られた多孔質なエチレン−ビニルアルコール系重合体粒子は、多孔質体であるが、少なくとも粒子の表面に細孔が形成されていればよく、粒子内部まで細孔が形成されている必要はない。表面に形成される細孔は、その細孔径の平均値が0.01μm〜50μm程度であってもよく、好ましくは0.05μm〜20μm、より好ましくは0.2μm〜10μm程度であってもよく、さらに好ましくは、0.2μm〜7μmであってもよい。細孔を有する多孔質な粒子を用いることにより、例えば、後述の放射線グラフト重合において、低線量の電離放射線の照射でも高いグラフト率が達成できるため、チオウレア基またはイソチオウレア基を多量に導入でき、高い吸着性能を有する金属イオン吸着材を得ることが可能になる。
エチレン−ビニルアルコール系共重合体に対して、チオウレア基またはイソチオウレア基を有するグラフト鎖を導入する方法としては、種々の公知の方法が可能であり、例えば、重合開始剤を用いたラジカル重合を利用してグラフト鎖を導入する方法、電離放射線を用いてラジカルを発生させ、グラフト鎖を導入する方法などが挙げられる。これらのうち、グラフト鎖の導入効率が高い観点から、電離放射線を用いて、グラフト鎖を導入する方法が好ましく用いられる。特に、エチレン−ビニルアルコール系共重合体は、後述の実施例において示すように、従来放射線グラフト法で利用されてきたポリエチレンと比べて、放射線照射によって発生したラジカルの安定性が高い。
電離放射線としては、α線、β線、γ線、加速電子線、紫外線などがあるが、実用的には加速電子線またはγ線が好ましい。
電離放射線を用いて、基材であるエチレン−ビニルアルコール系共重合体にチオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の少なくともいずれか1つの構造を有するグラフト鎖を導入しグラフト重合させる方法としては、エチレン−ビニルアルコール系共重合体にチオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の少なくともいずれか1つの構造を有する不飽和単量体とを共存下放射線を照射する混合照射法と、エチレン−ビニルアルコール系共重合体のみに予め放射線を照射した後、エチレン−ビニルアルコール系共重合体とチオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の少なくともいずれか1つの構造を有する不飽和単量体とを接触させる前照射法のいずれでも可能であるが、前照射法がグラフト重合以外の副反応を生成しにくい特徴を有する。
グラフト重合の際に、エチレン−ビニルアルコール系共重合体とチオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の少なくともいずれか1つの構造を有する不飽和単量体とを接触させる方法としては、液状の前記不飽和単量体あるいは前記不飽和単量体溶液と直接接触させる液相重合法と、前記不飽和単量体の蒸気あるいは気化状態で接触させる気相グラフト重合法とがあるが、目的に応じて選択可能である。
電離放射線を照射する線量としては、特に限定されないが、5〜230kGyが好ましく、10〜190kGyがより好ましく、15〜140kGyがさらに好ましい。20〜90kGyが最も好ましい。5kGy未満の場合、線量が少な過ぎるためグラフト率が低下し目的の金属イオン吸着能が得られないことがある。230kGy以上の場合、処理工程にコストがかかる、照射時に樹脂が劣化するなどの懸念がある。
本発明においては、チオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の少なくともいずれか1つの構造を有するグラフト鎖を導入する方法としては、チオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の少なくともいずれか1つの構造を有する不飽和単量体をグラフト化させてもよいし(方法1)、電離放射線を用いて反応性基を有する不飽和単量体をグラフト化させた後にチオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の少なくともいずれか1つの構造に変換してもよい(方法2)。以下それぞれの詳細を述べる。
(方法1)
グラフト重合に用いるチオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の少なくともいずれか1つの構造を有する不飽和単量体としては、特に限定されないが、例えば、下記式(5)で示される不飽和単量体を用いることができる。
Figure 0006165599
上記式(5)において、Rは水素またはメチル基である。また、Xは隣接するカルボニル基とエステル結合またはアミド結合を形成する成分であり、化学的安定性の観点からRはメチル基であることが好ましい。Rは、炭素数2〜10の、置換していてもよいアルキレン鎖であり、末端にチオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の少なくともいずれか1つの構造基を有する。Rが末端に有する構造は前述の式(1)〜(4)のいずれでもよく、合成上の容易さの観点から、特に式(1)の構造を有することが好ましい。
(方法2)
グラフト重合させる不飽和単量体としては、重合後、チオウレア基またはイソチオウレア基に変換可能な反応性基を有するものであればよく、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基を有する不飽和単量体、クロロメチルスチレンやクロロエチル(メタ)アクリレートなどのハロゲン化アルキル基を有する不飽和単量体などが用いられる。
また、チオウレア基に変換する場合は、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート
などのエポキシ基を有する不飽和単量体、クロロメチルスチレンやクロロエチル(メタ)アクリレートなどのハロゲン化アルキル基を有する不飽和単量体を重合した後、当該グラフト体とアミンを反応させてアミノ基を導入し、その後さらに、アミノ基とイソチオシアン酸エステルまたはチオシアン酸およびその塩と反応させるか、もしくは、アミノ基と二硫化炭素と反応させて生成したジチオカルバミン酸基にアミンを反応させることにより導入できる。
上記に用いるアミンとしては、例えば、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、エチルメチルアミン、プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、メチルプロピルアミン、メチルイソプロピルアミン、エチルプロピルアミン、エチルイソプロピルアミン、tert−ブチルアミン、ヒドロキシルアミン、アミノメタノール、アミノエタノール、アミノプロパノール、アミノイソプロパノール、アセトアミド、カルバミン酸メチル、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、2−メチル−1,3−プロパンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、3−メチルアミノプロピルアミン、1,3−ジアミノ−2−プロパノール、2−メチル−1,2−プロパン
ジアミン、N−メチルエチレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,3−ペンタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、tran
s−1,2−シクロヘキサンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタメチレンヘキサミン、ヘキサメチレンヘプタミン、2−アミノベンジルアミン、3−アミノベンジルアミン、4−アミノベンジルアミンなどが挙げられる。
上記に用いるイソチオシアン酸エステルとしては、例えば、イソチオシアン酸メチル、イソチオシアン酸エチル、イソチオシアン酸プロピル、イソチオシアン酸ブチル、イソチオシアン酸シクロヘキシル、イソチオシアン酸フェニル、イソチオシアン酸アダマンチル、イソチオシアン酸ベンゾイル、イソチオシアン酸ベンジル、ジイソチオシアン酸フェニレンなどが挙げられる。チオシアン酸およびその塩としては、例えば、チオシアン酸、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アンモニウム、チオシアン酸鉄、チオシアン酸亜鉛などが挙げられる。
イソチオウレア基に変換する場合は、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基を有する不飽和単量体、クロロメチルスチレンやクロロエチル(メタ)アクリレートなどのハロゲン化アルキル基を有する不飽和単量体を重合した後、当該グラフト体とチオ尿素、アセチルチオ尿素などのチオ尿素化合物と反応させることにより導入できる。
上記チオウレア基またはイソチオウレア基をグラフト鎖に導入する方法(方法1、2)の中でも、エポキシ基やハロゲン化アルキル基を有する不飽和単量体をグラフト重合した後、これらの官能基をチオウレア基もしくはイソチオウレア基に変換する方法(方法2)が、多量にチオウレア基もしくはイソチオウレア基を導入させる方法として好ましい。また、エポキシ基導入時やチオウレア基もしくはイソチオウレア基導入時にエポキシとエチレン−ビニルアルコール系共重合体の水酸基が一部架橋反応することにより、適度に耐水性が付与できる点でも、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレートを介したチオウレア基もしくはイソチオウレア基の導入方法が好ましい。また、チオウレア基もしくはイソチオウレア基の導入においては、安定性を考慮し、塩酸や硝酸等により塩の状態で導入してもよい。
上記不飽和単量体以外にも性能を損なわない範囲で他の不飽和単量体を併用しても構わない。例えば、グラフト鎖の膨潤を抑制するために、多官能不飽和単量体として、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1−(アクリロイルオキシ)−3−(メタクロイルオキシ)−2−プロパノール、ビスメチレンアクリルアミドなどを用いることができる。
グラフト重合により導入する不飽和単量体の量(グラフト率)は、特に限定されないが、基材であるエチレン−ビニルアルコール系重合体100質量部に対して30〜900質量部(30〜900%)であることが好ましく、90〜800質量部(90〜800%)であることがより好ましく、120〜700質量部(120〜700%)であることがさらに好ましく、150〜600質量部(150〜600%)であることが特に好ましい。グラフト率が30質量部(30%)未満の場合は、金属イオン吸着性能が不十分である場合が多い。グラフト率が900質量部(900%)を超える場合は、一般的に合成が難しい。
本発明のグラフト共重合体は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、架橋剤、無機微粒子、光安定剤、酸化防止剤などの添加剤を含んでいても良い。
本発明のグラフト共重合体は、成形体、塗料、接着剤等の広範な用途に使用できる。成形体としては、食品、医薬品、化粧品などの包装材料として有用に用いることが可能であるが、優れた金属イオン吸着能を有しているため、特に、金属イオン吸着材として用いるのが好ましい。
(金属イオン回収方法)
本発明の金属イオン吸着材は、各種金属(特に白金族金属)を、簡単な操作で、高効率かつ低コストで金属イオンとして回収することができる。金属イオン回収方法としては、本発明の金属イオン吸着材を用いる限り特に限定されず、金属イオン吸着材の形状に応じてさまざまな回収方法を利用することができる。
例えば、金属イオン回収方法は、本発明の金属イオン吸着材と、目的とする金属イオンを含有する金属イオン含有液とを接触させ、前記吸着材に金属イオンを吸着させる吸着工程と、金属イオンを吸着した吸着材を回収し、前記吸着材と溶離液とを接触させ、吸着材から金属イオンを溶離させる溶離工程とを備えていてもよい。金属イオンを吸着した吸着材を燃焼させることにより金属を回収してもよい。
本発明の金属イオン吸着材は、耐乾燥性に優れることから、常に一定以上の湿度を維持する必要がないため、品質管理上の制約を受けにくく、さらに、乾燥しやすい使用条件においても性能低下することなく金属イオンを吸着することができる。
本発明の金属イオン吸着材の回収対象となる金属としては、特に限定されないが、白金族金属(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金)、金、銀、銅、ニッケル、クロム、バナジウム、コバルト、鉛、亜鉛、水銀、カドミウム等が挙げられる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「%」および「部」は特に断りのない限り、それぞれ「質量%」および「質量部」を表す。
[細孔の細孔径平均値]
得られた吸着材を40℃、12時間真空乾燥した後、走査型電子顕微鏡を用い粒子表面を観察した。表面に形成されている細孔から任意に50個選択し、それぞれの細孔の長径を計測した。50個の長径を平均し、平均値を導出し、細孔径の平均値とした。但し、1nm以下の場合、傷、付着物等との区別がつかないため、選択から除外した。
[グラフト率]
グラフト率[w/w(%)]=100×(付与したグラフト鎖の重量)/(基材の重量)
[官能基導入量]
官能基導入反応を行う前後の質量変化をWとする。以下に示す式に従い算出した。
官能基量[mmol/g]=(反応基質1分子あたりの硫黄原子数[個]×W[g]/反応基質分子量[g/mol])/(反応後の樹脂粒子質量)×1000
[金属吸着量]
(実施例11〜15及び比較例4〜7)
吸着材50mgを、対象金属イオンの濃度が200mg/Lである0.2規定の硝酸溶液25mLに投入し、23℃にて24時間撹拌する。その後、溶液1mLをサンプリングし100mLにメスアップした後、ICP発光分析装置(日本ジャーレルアッシュ製、IRIS−AP)にて測定した金属濃度をC(mg/L)とする。以下の式より、金属吸着量を求める。
サンプル1gあたりの金属吸着量(mg/g)=(2−C)×50
(実施例16)
吸着材50mgを、対象金属イオンの濃度が200mg/Lである水溶液25mLに投入し、23℃にて24時間撹拌する。その後、溶液1mLをサンプリングし100mLにメスアップした後、ICP発光分析装置(日本ジャーレルアッシュ製、IRIS−AP)にて測定した金属濃度をC(mg/L)とする。以下の式より、金属吸着量を求める。
サンプル1gあたりの金属吸着量(mg/g)=(2−C)×50
[実施例1]
(1)市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ製、F101)50質量部とビニルアルコール系重合体(株式会社クラレ製、PVA205)50質量部をラボプラストミルにて、210℃の温度で3分間溶融混練した後、溶融物を冷却固化させたコンパウンドを粉砕し、篩を用いて粒子径106μm〜212μmの粒子に分級した。さらに得られた粒子を100℃の熱水中で2時間攪拌してビニルアルコール系重合体のみを抽出し、多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体粒子を得た。該多孔質粒子の細孔の細孔径平均値は1.56μmであった。該多孔質粒子に30kGyのγ線を照射し、空気中で1時間放置した後、80℃窒素置換したグリシジルメタクリレートの40質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施した。その後、得られた粒子をメタノールで洗浄し乾燥した後、グラフト率を評価したところ210%であった。
(2)そして、50℃に調整したチオ尿素の7質量%水溶液に、塩酸をチオ尿素に対して0.1等量溶解させた後、さらに上記(1)で得られた粒子を浸漬し、3時間反応させた。反応後、該粒子を水で洗浄、乾燥させ、篩を用いて粒子径106μm〜500μmの粒子に分級し、目的の耐乾燥性の金属イオン吸着材を得た。官能基導入量は1.4mmol/g、細孔の細孔径平均値は1.53μmであった。結果を表1に示す。
[実施例2]
イソチオウレア基導入時の塩酸量を、チオウレアに対して0.7等量としたこと以外は実施例1と同様にして、耐乾燥性の金属イオン吸着材を得た。官能基導入量は2.2mmol/g、細孔の細孔径平均値は1.51μmであった。結果を表1に示す。
[実施例3]
イソチオウレア基導入時の塩酸量を、チオウレアに対して1.4等量としたこと以外は実施例1と同様にして、耐乾燥性の金属イオン吸着材を得た。官能基導入量は2.3mmol/g、細孔の細孔径平均値は1.50μmであった。結果を表1に示す。
[実施例4]
(1)市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ製、F101)60質量部とビニルアルコール系重合体(株式会社クラレ製、PVA205)40質量部をラボプラストミルにて、210℃の温度で3分間溶融混練した後、溶融物を冷却固化させたコンパウンドを粉砕し、篩を用いて粒子径212μm〜425μmの粒子に分級した。さらに得られた粒子を100℃の熱水中で2時間攪拌してビニルアルコール系重合体のみを抽出し、多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体粒子を得た。該多孔質粒子の細孔の細孔径平均値は1.37μmであった。該多孔質粒子に30kGyのγ線を照射し、空気中で1時間放置した後、80℃窒素置換したグリシジルメタクリレートの40質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施した。その後、得られた粒子をメタノールで洗浄し乾燥した後、グラフト率を評価したところ407%であった。
(2)そして、80℃に調整したチオウレアの12質量%水溶液に、塩酸をチオウレアに対して0.7等量溶解させた後、さらに上記(1)で得られた粒子を浸漬し、3時間反応させた。反応後、該粒子を水で洗浄し、乾燥させ、篩を用いて粒子径425μm〜710μmの粒子に分級し、耐乾燥性の金属イオン吸着材を得た。官能基導入量は2.8mmol/g、細孔の細孔径平均値は1.30μmであった。結果を表1に示す。
[実施例5]
(1)市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ製、E105)60質量部とビニルアルコール系重合体(株式会社クラレ製、PVA217)40質量部をラボプラストミルにて、210℃の温度で3分間溶融混練した後、溶融物を冷却固化させたコンパウンドを粉砕し、篩を用いて粒子径212μm〜425μmの粒子に分級した。さらに得られた粒子を100℃の熱水中で2時間攪拌してビニルアルコール系重合体のみを抽出し、多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体粒子を得た。該多孔質粒子の細孔の細孔径平均値は1.40μmであった。該多孔質粒子に30kGyのγ線を照射し、空気中で1時間放置した後、80℃窒素置換したグリシジルメタクリレートの40質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施した。その後、得られた粒子をメタノールで洗浄し乾燥した後、グラフト率を評価したところ223%であった。
(2)そして、該粒子を80℃に調整したチオウレアの12質量%水溶液に、塩酸をチオウレアに対して1.4等量溶解させた後、さらに上記(1)で得られた粒子を浸漬し、3時間反応させた。反応後、該粒子を水で洗浄し、乾燥させ、篩を用いて粒子径425μm〜710μmの粒子に分級し、耐乾燥性の金属イオン吸着材を得た。官能基導入量は2.5mmol/g、細孔の細孔径平均値は1.34μmであった。結果を表1に示す。
[実施例6]
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ製、F101)90質量部とビニルアルコール系重合体(株式会社クラレ製、PVA205)10質量部をラボプラストミルにて、210℃の温度で3分間溶融混練した後、溶融物を冷却固化させたコンパウンドを粉砕し、篩を用いて粒子径212μm〜425μmの粒子に分級した。さらに得られた粒子を100℃の熱水中で2時間攪拌してビニルアルコール系重合体のみを抽出し、多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体粒子を得た。該多孔質粒子の細孔の細孔径平均値は0.27μmであった。該多孔質粒子に30kGyのγ線を照射し、空気中で1時間放置した後、80℃窒素置換したグリシジルメタクリレートの40質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施した。その後、得られた粒子をメタノールで洗浄し乾燥した後、グラフト率を評価したところ274%であった。さらに、該粒子を80℃に調整したジエチレントリアミンの53質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、3時間反応させた。反応後、該粒子をメタノールで洗浄し、乾燥させることで、アミノ基を導入したグラフト共重合体を得た。さらに、該粒子を80℃に調整したイソチオシアン酸メチルの40質量%ジオキサン溶液に浸漬し、3時間反応させた。反応後、該粒子をメタノールで洗浄し、乾燥させ、篩を用いて粒子径212μm〜500μmの粒子に分級し、耐乾燥性の金属イオン吸着材を得た。官能基導入量は1.5mmol/gで、細孔の細孔径平均値は0.21μmであった。結果を表1に示す。
[実施例7]
(1)市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ製、F101)90質量部とビニルアルコール系重合体(株式会社クラレ製、PVA205)10質量部をラボプラストミルにて、210℃の温度で3分間溶融混練した後、溶融物を冷却固化させたコンパウンドを粉砕し、篩を用いて粒子径212μm〜425μmの粒子に分級した。さらに得られた粒子を100℃の熱水中で2時間攪拌してビニルアルコール系重合体のみを抽出し、多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体粒子を得た。該多孔質粒子の細孔の細孔径平均値は0.27μmであった。該多孔質粒子に30kGyのγ線を照射し、空気中で1時間放置した後、80℃窒素置換したグリシジルメタクリレートの40質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施した。その後、得られた粒子をメタノールで洗浄し乾燥した後、グラフト率を評価したところ274%であった。
(2)そして、80℃に調整したチオウレアの12質量%水溶液に、塩酸をチオウレアに対して1.4等量溶解させた後、さらに上記(1)で得られた粒子を浸漬し、3時間反応させた。反応後、該粒子を水で洗浄し、乾燥させ、篩を用いて粒子径425μm〜710μmの粒子に分級し、耐乾燥性の金属イオン吸着材を得た。官能基導入量は2.6mmol/g、細孔の細孔径平均値は0.23μmであった。結果を表1に示す。
[実施例8]
反応器に3−ブロモプロピルメタクリレート100質量部、チオ尿素31質量部、エタノール1200質量部を仕込み、加熱還流下14時間反応した。溶媒を留去し、イソプロパノール中で晶析精製し、3−(カルバミドイルチオ)プロピルメタクリレート臭化水素塩112質量部を得た。次に、市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ製、F101)80質量部とビニルアルコール系重合体(株式会社クラレ製、PVA205)20質量部をラボプラストミルにて、210℃の温度で3分間溶融混練した後、溶融物を冷却固化させたコンパウンドを粉砕し、篩を用いて粒子径212μm〜425μmの粒子に分級した。さらに得られた粒子を100℃の熱水中で2時間攪拌してビニルアルコール系重合体のみを抽出し、多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体粒子を得た。該多孔質粒子の細孔の細孔径平均値は0.43μmであった。該多孔質粒子に30kGyのγ線を照射し、空気中で1時間放置した後、80℃窒素置換した3−(カルバミドイルチオ)プロピルメタクリレート臭化水素塩の10質量%水溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施した。その後、得られた粒子を水/メタノール混合溶液で洗浄し、乾燥させ、篩を用いて粒子径300μm〜500μmの粒子に分級し、耐乾燥性の金属イオン吸着材を得た。官能基導入量は1.5mmol/g、細孔の細孔径平均値は0.40μmであった。結果を表1に示す。
[実施例9]
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ製、F101)90質量部とビニルアルコール系重合体(株式会社クラレ製、PVA205)10質量部をラボプラストミルにて、210℃の温度で3分間溶融混練した後、溶融物を冷却固化させたコンパウンドを粉砕し、篩を用いて粒子径212μm〜425μmの粒子に分級した。さらに得られた粒子を100℃の熱水中で2時間攪拌してビニルアルコール系重合体のみを抽出し、多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体粒子を得た。該多孔質粒子の細孔の細孔径平均値は0.27μmであった。該多孔質粒子に30kGyのγ線を照射し、空気中で1時間放置した後、80℃窒素置換したグリシジルメタクリレートの40質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施した。その後、得られた粒子をメタノールで洗浄し乾燥した後、グラフト率を評価したところ274%であった。さらに、該粒子を80℃に調整したジエチレントリアミンの53質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、3時間反応させた。反応後、該粒子をメタノールで洗浄し、乾燥させることで、アミノ基を導入したグラフト共重合体を得た。さらに、該粒子を100℃に調整した水中でチオシアン酸アンモニウムと12時間反応させた。反応後、該粒子を水で洗浄し、乾燥させ、篩を用いて粒子径212μm〜500μmの粒子に分級し、耐乾燥性の金属イオン吸着材を得た。官能基導入量は1.3mmol/g、細孔の細孔径平均値は0.25μmであった。結果を表1に示す。
[実施例10]
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ製、F101)90質量部とビニルアルコール系重合体(株式会社クラレ製、PVA205)10質量部をラボプラストミルにて、210℃の温度で3分間溶融混練した後、溶融物を冷却固化させたコンパウンドを粉砕し、篩を用いて粒子径212μm〜425μmの粒子に分級した。さらに得られた粒子を100℃の熱水中で2時間攪拌してビニルアルコール系重合体のみを抽出し、多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体粒子を得た。該多孔質粒子の細孔の細孔径平均値は0.27μmであった。該多孔質粒子に30kGyのγ線を照射し、空気中で1時間放置した後、80℃窒素置換したグリシジルメタクリレートの40質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施した。その後、得られた粒子をメタノールで洗浄し乾燥した後、グラフト率を評価したところ274%であった。さらに、該粒子を80℃に調整したエチレンジアミンの50質量%イソプロパノール
溶液に浸漬し、3時間反応させた。反応後、該粒子をメタノールで洗浄し、乾燥させることで、アミノ基を導入したグラフト共重合体を得た。さらに、該粒子を20℃に調整した10質量%水酸化ナトリウム水溶液中で二硫化炭素と2時間反応後、ブチルアミンを添加し、40℃で1時間反応させた。反応後、該粒子をメタノールで洗浄し、乾燥させ、篩を用いて粒子径212μm〜500μmの粒子に分級し、耐乾燥性の金属イオン吸着材を得た。官能基導入量は1.2mmol/g、細孔の細孔径平均値は0.22μmであった。結果を表1に示す。
[実施例11]
実施例1で得られた金属イオン吸着材を用い、Ptの吸着量を評価した。結果を表2に示す。
[実施例12]
実施例2で得られた金属イオン吸着材を用い、Ptの吸着量を評価した。結果を表2に示す。
[実施例13]
実施例3で得られた金属イオン吸着材を用い、Ptの吸着量を評価した。結果を表2に示す。
[実施例14]
実施例9で得られた金属イオン吸着材を用い、Pdの吸着量を評価した。結果を表2に示す。
[実施例15]
実施例9で得られた金属イオン吸着材を用い、Agの吸着量を評価した。結果を表2に示す。
[実施例16]
実施例9で得られた金属イオン吸着材を用い、Hgの吸着量を評価した。結果を表2に示す。
[比較例1]
(1)市販のポリエチレン(株式会社プライムポリマー製 7000F)を粉砕した後、篩を用いて粒子径212μm〜425μmの粒子に分級した。該粒子に30kGyのγ線を照射し、空気中で1時間放置した後、80℃窒素置換したグリシジルメタクリレートの40質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施した。その後、得られた粒子をメタノールで洗浄し乾燥した後、グラフト率を評価したところ7%であった。
(2)そして、50℃に調整したチオウレアの12質量%水溶液に、塩酸をチオウレアに対して0.7等量溶解させた後、さらに上記(1)で得られた粒子を浸漬し、3時間反応させた。反応後、該粒子を水で洗浄し、乾燥させ、篩を用いて粒子径212μm〜500μmの粒子に分級し、金属イオン吸着材を得たが、官能基はほとんど導入されていなかった。結果を表1に示す。
[比較例2]
市販のビニルアルコール系重合体(株式会社クラレ製、PVA117)を粉砕した後、篩を用いて粒子径212μm〜425μmの粒子に分級した。該粒子に30kGyのγ線を照射し、空気中で1時間放置した後、80℃窒素置換したグリシジルメタクリレートの40質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施した。その後、得られた粒子をメタノールで洗浄し乾燥した後、グラフト率を評価したところ0%であり、グラフト重合は全く進行していなかった。
[比較例3]
市販のビニルアルコール系重合体(株式会社クラレ製、PVA117)90質量部とビニルアルコール系重合体(株式会社クラレ製、PVA205)10質量部をラボプラストミルにて、230℃の温度で3分間溶融混練した後、溶融物を冷却固化させたコンパウンドを粉砕し、篩を用いて粒子径212μm〜425μmの粒子に分級した。さらに得られた粒子を100℃の熱水中で2時間攪拌したところ、そのほとんどが溶解してしまい、粒子を取り出すことができなかった。
[比較例4]
比較例1で得られた金属イオン吸着材を用い、Ptの吸着量を評価した。結果を表2に示す。
[比較例5]
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ製、F101)を粉砕した後、篩を用いて粒子径425μm〜710μmの粒子に分級し、Ptの吸着量及を評価した。結果を表2に示す。
[比較例6]
金属イオン吸着材として、キレート樹脂(味の素ファインテクノ社製、MA−A)を室温にて12時間真空乾燥させた後、Ptの吸着量を評価した。結果を表2に示す。
[比較例7]
金属イオン吸着材として、キレート樹脂(Purolite International社製、Purolite S920)を室温にて12時間真空乾燥させた後、Ptの吸着量を評価した。結果を表2に示す。
Figure 0006165599
Figure 0006165599
実施例1〜10に示すように、本発明の製造方法により、チオウレア構造もしくはイソチオウレア構造を有するエチレン−ビニルアルコール系グラフト共重合体を得ることができた。また、実施例11〜16に示す樹脂乾燥後の吸着試験から明らかなように、本発明の金属イオン吸着材は、金属イオンを分離回収する際に非常に有効である。
比較例1のように、ポリエチレンを重合基材として用いた場合、ラジカル安定性に劣るため、十分なグラフト率が得られず、比較例4に示すとおり、該粒子では金属イオン吸着性能も発現しない。比較例5のように、エチレン−ビニルアルコール共重合体そのものでは、金属イオン吸着性能は発現しない。一方、比較例2、3のように、ビニルアルコール重合体を基材とした場合は、グラフト鎖の導入効率が悪い、もしくは、耐水性に劣る。また、比較例6、7に示した市販のキレート樹脂では、乾燥後吸着性能を評価すると充分な吸着特性を発現しなかった。
本発明によれば、耐乾燥性を有しながら、高い金属イオン吸着性をもつ、工業的に使用可能な新規なグラフト共重合体、およびそれを用いた金属イオン吸着材を提供することができる。さらに、そのような性質を有する金属イオン回収方法を提供することもできる。該金属イオン吸着材は、例えば、白金族金属、金、銀、銅、ニッケル、クロム、バナジウム、コバルト、鉛、亜鉛、水銀、カドミウム等のイオンを効率よく回収することができる。
以上のとおり、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、変更または削除が可能であり、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。

Claims (7)

  1. エチレン−ビニルアルコール系共重合体を基材とし、該基材にチオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の少なくともいずれか1つの構造を有するグラフト鎖が導入されたグラフト共重合体からなり、表面に形成される細孔の細孔径の平均値が0.01μm〜50μmである、多孔質粒子
  2. 記エチレン−ビニルアルコール系共重合体に対するチオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の導入量が1.0mmol/g以上である、請求項1に記載の多孔質粒子
  3. 篩を用いて分級された粒子径が10μm〜2000μmの範囲である、請求項1または請求項2に記載の多孔質粒子
  4. 基材としてエチレン−ビニルアルコール系共重合体からなる多孔質粒子を準備する工程(工程A)と、
    前記エチレン−ビニルアルコール系共重合体からなる多孔質粒子に対して、チオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の少なくともいずれか1つの構造を有するグラフト鎖を導入し、チオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の少なくともいずれか1つの構造を有するグラフト鎖が導入されたグラフト共重合体からなり、表面に形成される細孔径の平均値が0.01μm〜50μmである、多孔質粒子を得る工程(工程B)と、を備える、多孔質粒子の製造方法。
  5. 記グラフト鎖が、電離放射線を用いた放射線グラフト重合にて導入される、請求項4に記載の多孔質粒子の製造方法。
  6. 記工程Aが、エチレン−ビニルアルコール系共重合体と水溶性ポリマーとを溶融混合し、混合された溶融物を冷却固化させることにより、エチレン−ビニルアルコール系共重合体と水溶性ポリマーとを含む複合体を得る工程と、前記複合体から水溶性ポリマーを抽出する工程と、を有する、請求項4または5に記載の多孔質粒子の製造方法。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載の多孔質粒子を用いてなる金属イオン吸着材。
JP2013235648A 2012-11-15 2013-11-14 エチレン−ビニルアルコール系共重合体のグラフト共重合体、その製造方法及びそれを用いた金属吸着材 Expired - Fee Related JP6165599B2 (ja)

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