JP3312634B2 - キレート型イオン吸着膜および製造方法 - Google Patents

キレート型イオン吸着膜および製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体産業、医薬、原
子力などの分野における超純水製造プロセスあるいは、
各種廃液処理などにおいて、特に金属イオンの除去を目
的として使用されるキレート型イオン吸着膜に関する。
【0002】
【従来の技術】超純水中の金属イオンを特に低濃度まで
除去するプロセスや廃液その他の各種の溶液中の金属イ
オンを除去するプロセスなど水中の金属イオンを除去す
ることを必要とするプロセスでは、キレート樹脂を用い
る方法が試みられ、あるいは実施されている。しかし、
キレート樹脂を用いる方法においては、例えば超純水中
の金属イオンを除去する場合には、樹脂からの溶出によ
る超純水の純度低下などのため実用化には至っておら
ず、廃液その他の各種溶液処理においては、処理液量が
限定されていること、あるいは再生処理等により樹脂の
劣化が著しいことなどの欠点があるために、使用分野が
限定されていた。これまで、多孔膜に電離性の放射線を
照射し、メタクリル酸グリシジルをグラフト重合させ、
キレート形成基を導入する試みはいくつかなされている
(特開平02-187143 号公報)が、これによって得られる
キレート型イオン吸着膜は、耐溶出性、化学的耐久性、
処理水量のいずれにおいても実用化には不十分であっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】本発明は、金属イ
オンの除去に用いるキレート型イオン吸着膜に関する。
特に、本発明は、耐溶出性、化学的耐久性、および処理
水量において優れた性能を有するキレート型イオン吸着
膜を提供することを目的としている。
【0004】
【問題を解決するための手段】本発明者は上記課題を鋭
意検討を行った結果、多孔膜にメタクリル酸グリシジル
および架橋剤をグラフト共重合させたグラフト共重合膜
にキレート形成基を導入することによって得られるキレ
ート型イオン吸着膜が、上記の課題を達成できることを
見出し本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は: 多孔膜に電離性の放射線を照射し、メタクリル酸グ
リシジルおよび架橋剤をグラフト共重合させてグラフト
共重合膜を得、さらに該グラフト共重合膜にキレート形
成基を導入する、キレート型イオン吸着膜の製造方法を
提供する。また、 架橋剤が反応性官能基を2個以上有する脂肪族モノ
マーである点にも特徴を有する。また、 キレート形成基がイミノジ酢酸基、エチレンジアミ
ン、及び硫黄原子を含むキレート形成基からなる群から
選択された少なくとも一つである点にも特徴を有する。
さらに、 三次元網目構造を有し、平均孔径が0.01〜5μm、
空孔率が20〜90%である多孔膜を基材膜とし、該基
材膜にメタクリル酸グリシジルおよび架橋剤がグラフト
共重合されたグラフト共重合膜であって、かつ該グラフ
ト共重合膜にキレート形成基が導入されている、キレー
ト型イオン吸着膜を提供する。また、 該多孔膜が内径0.05〜5mm、肉厚0.01〜
2mmの中空糸状である点にも特徴を有する。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。メタクリ
ル酸グリシジルとグラフト共重合させる架橋剤として
は、反応性官能基を2個以上有する脂肪族モノマーであ
ることが好ましい。キレート型イオン吸着膜に導入され
るキレート形成基としては、イミノジ酢酸基、エチレン
ジアミン、あるいは硫黄原子を含むキレート形成基から
なる群から選択された少なくとも一つであることが好ま
しい。基材膜としての多孔膜の構造としては、三次元網
目構造を有し、平均孔径が0.01〜5μm、好ましく
は0.05〜1μm、空孔率が20〜90%、好ましく
は50〜80%の範囲であることが好ましい。また、該
多孔膜の形状は、内径0.05〜5mm、好ましくは
0.3〜3mm、肉厚0.01〜2mm、好ましくは
0.1〜1.5mmの中空糸条であることが好ましい。
【0007】本発明キレート型イオン吸着膜の製造方法
は、例えば多孔膜の主として細孔内表面に、まずメタク
リル酸グリシジルと共に架橋剤の共存下で放射線グラフ
ト重合してグラフト共重合膜を得、次に該グラフト共重
合膜にキレート形成基を導入してキレート型イオン吸着
膜を得るものである。従って、本発明は、該方法を用い
ることにより、耐溶出性、化学的耐久性、および処理水
量において優れた性能を有するキレート型イオン吸着膜
を提供できる。
【0008】以下製造方法について、さらに詳細に説明
する。まず基材膜の選択について述べる。基材として用
いる多孔膜の材質は、機械的、化学的耐久性、あるいは
耐熱性などを考慮すると、例えばポリエチレン、ポリプ
ロピレンおよびエチレンープロピレン共重合体等に代表
されるポリオレフィン;エチレンーテトラフルオロエチ
レン共重合体、エチレンークロロトリフルオロエチレン
共重合体に代表されるオレフィン−ハロゲン化オレフィ
ン共重合体;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化
ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等に代表
されるハロゲン化ポリオレフィンおよびポリスルホン等
が適用できる。また、特に膜材質の親水性が要求される
場面では、セルロース系の多孔膜を用いることもある。
【0009】特に、耐溶出性、化学的耐久性等の高いキ
レート型イオン吸着膜を合成するためには、ポリエチレ
ンに代表される放射線架橋型の基材を用いることが好ま
しい。キレート型イオン吸着膜の構造及び性能は、基材
として用いる多孔膜の構造を反映することになる。従っ
て、本発明のキレート型イオン吸着膜は、膜単位体積当
たりできるだけ多くの液を処理することができ、しか
も、流通する処理液はできるだけ多くのキレート形成基
と接触する必要がある。したがって、膜単位体積当たり
比表面積が大きく、また、孔径については大きさがそろ
っており、三次元的に均一に分布しているものが好まし
い。
【0010】それ故に、本発明に用いる多孔性基材膜
は、例えば、特公昭40-957号公報、特公昭47-17460号公
報および特公昭59-37292号公報等に示されたミクロ相分
離法や混合抽出法などにより形成される三次元網目構造
が好ましく、特に、特開昭55-131028 号公報に示された
構造を有する膜が好適である。本発明のキレート型イオ
ン吸着膜の平均孔径は0.01〜5μm、好ましくは
0.05〜1μm、空孔率は20〜90%、好ましくは
50〜80%が望ましい。平均孔径は金属イオンの除去
効率および透水量に影響を与える。すなわち、平均孔径
が0.01μmより小さすぎると所定の透水量が得られず、
5μmよりも大きすぎるとイオンのリークが無視できな
くなる。
【0011】本発明に用いる多孔性基材膜の空孔率につ
いては、膜単位体積あたりの金属イオン吸着容量および
処理水量を確保するためには大きいほうが望ましいが、
空孔率が20%未満と小さすぎると処理水量を確保でき
ないなどのため好ましくない。また、90%を越えると
膜の強度が低下し、実用上好ましくない。平均孔径はA
STM F 316-70に記載されている方法で得られた値
であり、通常エアフロー法と呼ばれ、空気圧を変えて乾
燥膜と湿潤膜の空気透過流速を測定し、その比から求め
るものである。
【0012】空孔率は、あらかじめ膜を水等の液体に浸
漬し、その後乾燥させて、その前後の重量変化から測定
したものである。本発明のキレート型イオン吸着膜は、
平膜、繊維状、中空糸状などの形状いずれでもよいが、
これをモジュール化したとき、モジュール内でキレート
形成基量が均一で、単位容積あたりの処理水量を多くで
きる形状として中空糸状が好ましい。
【0013】次にグラフト共重合の方法について述べ
る。多孔膜の主として細孔内表面にメタクリル酸グリシ
ジルを導入する方法は、任意の多孔性基材膜の細孔内表
面に、均一に導入し得る方法が望ましい。例えば、多孔
膜の内部に均一にラジカルを生成させ、そのラジカルを
開始点として、メタクリル酸グリシジルおよび架橋剤を
グラフト共重合させる方法が適当である。ラジカルを生
成させる方法としては、プラズマによる方法、光による
方法、放射線による方法、あるいは各種開始剤による方
法等があるが、三次元網目構造を有する多孔性基材膜に
対して、特に均一性を確保することを意図した場合、放
射線照射によりラジカルを生成させる方法が好適であ
る。また、放射線の種類としては、γ線、電子線、中性
子線などがあるが、ラジカルを均一に生成させるために
は、透過性の高い放射線が望ましく、γ線が好適であ
る。
【0014】このときグラフト共重合に用いる架橋剤と
しては、2個以上の反応性官能基を有する共重合可能な
モノマーを挙げることができる。例えば、エチレングリ
コールジメタクリレートおよびジエチレングリコールジ
メタクリレート等のようなジメタクリル酸系のモノマ
ー、エチレングリコールジアクリレートおよびジエチレ
ングリコールジアクリレート等のようなジアクリル酸系
のモノマー、N,N−メチレンビスアクリルアミド、ま
た、ジビニルベンゼンやトリアリルイソシアヌレート等
が好適である。
【0015】いずれの架橋剤を採用しても実用的な性能
を得ることができるが、架橋剤の種類によっては、得ら
れるキレート型イオン吸着膜の透水性能が、一定時間の
水中浸漬に伴ってあるレベルまで低下する現象が認めら
れるものがある。その原因は、水中浸漬により細孔内の
グラフト鎖構造が膨潤し、細孔径を狭めるためと推定さ
れる。また、架橋剤によっては、メタクリル酸グリシジ
ルとの共重合特性や親和性の影響により、十分に均一な
架橋構造が導入できないことが原因と推定される。その
ことから、特に高透水のキレート型イオン吸着膜を必要
とする用途には、上記の架橋剤の中で、メタクリル酸グ
リシジルとの共重合特性や親和性の優れたもの、すなわ
ち、脂肪族の架橋剤を用いることが望ましく、特に、ポ
リアルキレンオキサイドあるいはジメタクリル酸エステ
ルが好適である。
【0016】グラフト重合の際、メタクリル酸グリシジ
ルに対する架橋剤の比率は1〜30重量%、好ましくは
3〜20重量%が望ましい。架橋剤の比率が30%を超
えると、導入したキレート形成基の金属イオンに対する
接触効率が低下し、金属イオンの吸着容量が制限されて
好ましくない。また、架橋剤の比率が1%より小さくな
ると、透水量維持の効果が低下し、やはり好ましくな
い。
【0017】次に、グラフト共重合膜へのキレート形成
基の導入方法について述べる。上記方法によって得られ
たメタクリル酸グリシジルおよび架橋剤のグラフト共重
合膜に対して、メタクリル酸グリシジル内のエポキシ基
を開環する形で、キレート形成基を導入する方法が適用
できる。すなわち、キレート形成基を溶存させた溶液中
に該グラフト共重合膜を浸漬させることによって、目的
のキレート型イオン吸着膜を得ることができる。グラフ
ト鎖のメタクリル酸グリシジル部分は、下式(1) に示さ
れた構造式で表される構造のものである。
【0018】多孔膜基材に導入されるキレート形成基と
しては、汎用性、耐久性に優れ、金属イオンに対する選
択係数が高いものとして、イミノジ酢酸基が好適であ
る。イミノジ酢酸基を導入した場合の構造を下式(2) に
示す。イミノジ酢酸基は、例えばニッケル、銅、コバル
ト、カドミウムイオン等の金属イオンを選択的に吸着す
るのに好適である。同様に、エチレンジアミンは、例え
ば銅、パラジウム等の金属イオンの吸着に適しており、
汎用性、耐久性においても優れている。エチレンジアミ
ンを導入した場合の構造は、下式(3) に示す。
【0019】その他、硫黄原子を含むキレート形成基を
適用することも可能である。例えば、砒素等には各種メ
ルカプト基が、水銀等にはジチオカルバミン酸基、チオ
尿素基などが適用できる。メルカプト基として、例え
ば、特開昭57-145032 号公報に下式(4) 〜(6) に表され
る構造のものが例示でき、いずれも本発明に適用でき
る。また、その他、ジチオカルバミン酸基を導入した場
合を下式(7) に、チオ尿素基を導入した場合を下式(8)
に表し、これらも本発明に適用できる。
【0020】
【化1】
【0021】
【実施例】以下、本発明に関する実施例を示すが、実施
例は本発明を限定するものではない。
【0022】(実施例1)基材としてポリエチレン製中
空糸状多孔膜を用いた。該中空糸状多孔膜は三次元網目
構造を有し、内径2mm、外径3mm、平均孔径0.2 μ
mのものである。
【0023】該基材膜は公知の方法で製造した。すなわ
ち、微粉ケイ酸(ニプシルVN3LP )22.1重量部、ジブチ
ルフタレート(DBP )55.0重量部、ポリエチレン樹脂粉
末〔旭化成工業(株)製 SH-800 グレード〕23.0重量
部の組成物を予備混合した後、30mm2軸押出機内で内
径2mm、外径3mmの中空糸状に押出した後、1,1,1-
トリクロロエタン中に60分間浸漬し、DBP を抽出し
た。さらに、温度60℃の苛性ソーダ40%水溶液中に約20
分間浸漬して微粉ケイ酸を抽出した後、水洗、乾燥させ
ることにより合成した。
【0024】基材膜に、20kGy のγ線を照射し、メタク
リル酸グリシジル10%およびエチレグリコールジメタ
クリレートの所定量を溶存させたエタノール溶液中に浸
漬し、グラフト共重合を行わせた。なお、エチレグリコ
ールジメタクリレートのメタクリル酸グリシジルに対す
る重量比は5%とした。グラフト共重合膜の基材膜に対
する重量増加率は、96%であった。
【0025】引き続いて、イミノジ酢酸を10%溶存す
るジメチルスルホキシドと水の1対1溶液に浸漬し、キ
レート形成基として、イミノジ酢酸基を有する膜を得
た。得られたキレート型イオン吸着膜は、エタノールで
洗浄後、乾燥し保存した。キレート型イオン吸着膜につ
いて、キレート形成基導入量、透水量、化学的耐久性、
耐溶出性に関する測定を行った。各測定項目の実施方法
は以下のようにした。いずれも乾燥保存した膜にエタノ
ールを通液し、純水で置換した後、測定に用いた。
【0026】 キレート形成基導入量:銅イオンの吸
着容量により求めた。キレート型イオン吸着膜を、1N
塩酸によってコンディショニングを行った後、過剰量の
硫酸銅を含む水溶液に浸漬した。30℃、2日間浸漬
後、水洗し、塩酸により脱着し、原子吸光法により脱着
液中の銅イオン濃度を測定し、銅イオン吸着量を求め
た。その結果を表1に示す。
【0027】 透水量:脱イオン水を1kg/cm2
の差圧で透水させて、透水量を測定した。特に、安定な
透水量を維持する能力を比較するため、水浸漬に伴う透
水量の変化を調べた。その結果を図2に示す。図2にお
いて、横軸は25℃純水中に浸漬した時間であり、縦軸
は中空糸の中空部内面積1m2 あたりの透水量である。
【0028】 化学的耐久性:キレート型イオン吸着
膜に銅イオンを吸着させた後、塩酸による脱着を行い、
吸着した銅イオンの量を測定し、さらに脱着後の膜を4
0℃の1N塩酸に5時間浸漬し水洗した後、再び銅イオ
ンの溶液中に浸漬するという操作を繰り返し、銅イオン
の吸着量の変化を調べた。その結果を図1に示す。
【0029】 耐溶出性:キレート型イオン吸着膜8
cm×5本をモジュール化し、超純水製造ラインの末端
に設置し、有機物の溶出量を、比抵抗の変化およびTO
C濃度の変化を測定することにより求めた。なお、測定
に先立ってモジュールの洗浄を行った。洗浄の手順は、
表2に示す。比抵抗およびTOC濃度の測定は、ANA
TEL社製のA−100PSEによった。その結果を表
1に示す。
【0030】表1において、ブランクで示したのがキレ
ート型イオン吸着膜に供給する純水の水質であり、処理
水の欄に示したのが膜通水後の純水の水質である。膜通
水に伴う溶出を、TOC濃度差、および比抵抗の差によ
って評価した。
【0031】(実施例2)実施例1に従って、架橋剤を
ジビニルベンゼンに変えてキレート型イオン吸着膜を合
成した。架橋剤の種類以外は、すべて、実施例1と同じ
条件である。物性測定は、実施例1に示した方法で行っ
た。
【0032】(比較例1)架橋剤を用いない場合につい
てキレート型イオン吸着膜を合成した。架橋剤を用いな
かった以外は、実施例1と同じ条件である。物性測定
は、実施例1に示した方法で行った。以上の結果を表1
および図1、2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】 本発明のキレート型イオン吸着膜を用いたことによる効
果は、透水量、化学的耐久性、耐溶出性に顕著に現れて
いる。
【0035】本発明において、架橋剤として特にジビニ
ルベンゼンを用いた場合は、得られたキレート型イオン
吸着膜は耐溶出性において良好な結果が得られ、化学的
耐久性においても2回目以降安定しており、良好な性能
と判断できる。水中浸漬により透水量が低下したもの
の、実用上問題のないレベルで安定している。以上の通
り、本発明による架橋剤導入の効果は明らかであるが、
特に高透水のキレート型イオン吸着膜を必要とする用途
には、エチレグリコールジメタクリレートをはじめとす
る脂肪族の架橋剤が好ましいといえる。
【0036】
【発明の効果】本発明は、半導体産業、医薬、原子力な
どの分野における超純水製造プロセスあるいは、各種廃
液処理などにおいて、特に金属イオンの除去を目的とし
て使用されるキレート型イオン吸着膜として、特に耐溶
出性、化学的耐久性、処理水量に優れたキレート型イオ
ン吸着膜を提供するものである。超純水製造プロセス、
各種溶液処理に多大な効果を与えるものと期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のキレート型イオン吸着膜の化学的耐久
性を示すグラフである。
【図2】本発明のキレート型イオン吸着膜の透水量変化
を示すグラフである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08F 220/18 C08F 220/18 C08J 5/22 C08J 5/22 C09K 3/00 106 C09K 3/00 106 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 20/26 B01J 47/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔膜に電離性の放射線を照射し、メタ
    クリル酸グリシジルおよび架橋剤をグラフト共重合させ
    てグラフト共重合膜を得、さらに該グラフト共重合膜に
    キレート形成基を導入することを特徴とする、キレート
    型イオン吸着膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 架橋剤が反応性官能基を2個以上有する
    脂肪族モノマーであることを特徴とする、請求項1記載
    のキレート型イオン吸着膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 キレート形成基がイミノジ酢酸基、エチ
    レンジアミン、及び硫黄原子を含むキレート形成基から
    なる群から選択された少なくとも一つであることを特徴
    とする、請求項1記載のキレート型イオン吸着膜の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 三次元網目構造を有し、平均孔径が0.01
    〜5μm、空孔率が20〜90%である多孔膜を基材膜
    とし、該基材膜にメタクリル酸グリシジルおよび架橋剤
    がグラフト共重合されたグラフト共重合膜であって、か
    つ該グラフト共重合膜にキレート形成基が導入されてい
    ることを特徴とするキレート型イオン吸着膜。
  5. 【請求項5】 該多孔膜が内径0.05〜5mm、肉厚
    0.01〜2mmの中空糸状であることを特徴とする、
    請求項4記載のキレート型イオン吸着膜。
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