JP3555967B2 - 耐溶出性アニオン吸着膜の製造方法およびその膜 - Google Patents

耐溶出性アニオン吸着膜の製造方法およびその膜 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、半導体産業、医薬、原子力などの分野における超純水製造プロセスをはじめ、特に低濃度までアニオンを吸着除去する必要のあるプロセスに、イオン除去効率が高く、高い透水量を有し、特にTOC(全有機炭素)溶出が極めて少ないアニオン吸着膜を提供することを目的としている。
【0002】
【従来の技術】
TOC濃度の低い超純水を得るために、紫外線照射により水中の有機物をイオン化し、イオン交換基により該イオンを除去するシステムが一般に採用されている。現在、このイオン除去には、主にイオン交換樹脂が用いられており、イオン交換樹脂そのものからのTOCの溶出が特に問題になっている。
【0003】
本発明者らは、上記問題点を解決するために極低濃度までのイオン除去能力を有し、特に溶出の少ないイオン交換体を得ることを目的として、多孔膜の細孔内にイオン交換基を化学結合させた多孔性のイオン吸着膜の開発を行ない、アニオン吸着膜については、多孔性基材膜にピリジン等の窒素原子を含む複素環をグラフト重合した後4級化した膜(特願平4−29895号)あるいはメタクリル酸グリシジルをグラフト重合した後4級アミンを導入した膜(特開平2−132132号公報)を提供し、高い性能を得ることに成功した。
【0004】
本発明者は、アニオンに対する選択係数の高いものを合成することを意図して、スチレンおよびジビニルベンゼンをグラフト共重合させ、導入されたスチレンをクロロメチル化し、さらに4級化して、4級アンモニウム基を導入する方法を採用した。しかし、この方法によって得られるアニオン吸着膜を超純水製造ライン内に設置したところ、TOC溶出量を一定量以下まで下げることができないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、水中のアニオンに対する吸着能力が高く、しかもTOCの溶出が十分に低いアニオン吸着膜を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、鋭意検討を行った浩果、多孔膜にクロロメチルスチレンおよび架橋剤をグラフト共重合させたグラフト共重合膜に4級アンモニウム基を導入することによって得られるアニオン吸着膜が、上記の課題を達成できることを見出だし、本発明を成すに至った。
【0007】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
1.三次元網目構造を有し、平均孔径が0.01〜5μm、空孔率が20〜90%、内径0.05〜5mm、肉厚0.01〜2mmのポリエチレン製中空糸状多孔性基材膜に電離性の放射線を照射した後、該多孔性基材膜にクロロメチルスチレンおよび架橋剤のみを溶液中でグラフト共重合させた後に該グラフト共重合膜を3級アミンを溶存させた溶液に浸漬することにより4級アンモニウム基を導入することを特徴とする透水量が2350(L/m 2 ・hr・atm)以上であるアニオン吸着膜の製造方法。
.三次元網目構造を有し、平均孔径が、0.01〜5μm、空孔率が20〜90%、内径0.05〜5mm、肉厚0.01〜2mmのポリエチレン製中空糸状多孔膜を基材膜とし、該基材膜に電離性の放射線を照射した後、クロロメチルスチレンおよび架橋材のみをグラフト共重合させて得られたグラフト共重合膜を、さらに3級アミン溶液に浸漬して4級アンモニウム基を導入してなることを特徴とする透水量が2350(L/m 2 ・hr・atm)以上であるアニオン吸着膜。
【0008】
以下に本発明についてさらに詳しく説明する。
基材膜としての多孔膜の構造としては、三次元網目構造を有し、平均孔径が、0.01〜5μm、好ましくは0.05〜1μm、空孔率が20〜90%、好ましくは50〜80%の範囲であることが好ましい。また、該多孔膜の形状は、内径0.05〜5mm、好ましくは0.3〜4mm、肉厚0.01〜2mm、好ましくは0.1〜1.5mmの中空糸状であることが好ましい。
【0009】
本発明のアニオン吸着膜の製造方法は、例えば多孔膜の主として細孔内表面に、まずクロロメチルスチレンおよび架橋剤を放射線グラフト重合法によりグラフト共重合させ、次に該グラフト共重合膜に4級アンモニウム基を導入してアニオン吸着膜を得るものである。
本発明者らは、本発明より先に、多孔膜に電離性の放射線を照射し、スチレンおよび架橋剤をグラフト共重合させてグラフト共重合膜を得た後に、導入したスチレンをクロロメチル化し、さらに該グラフト共重合膜に4級アンモニウム基を導入する方法を行い、アニオン吸着膜を作製した。クロロメチル化反応はFriedel-Crafts型触媒による一般的な手法に従った。この方法によって得られるアニオン吸着膜は、本発明によって得られるアニオン吸着膜と基本的には同じ構造を有するはずである。
【0010】
ところが、純水通水時におけるTOC溶出挙動に、両者の間で明確な差異が存在することを見出だした。グラフト共重合時におけるスチレン−ジビニルベンゼン共重合とクロロメチルスチレン−ジビニルベンゼン共重合の共重合特性の差によって、クロロメチルスチレン−ジビニルベンゼンの方がより均一な架橋構造が形成されること、あるいは、グラフト共重合の後クロロメチル化して4級化する方法に比べ、もともと塩素原子がはいった状態でグラフト共重合し、4級アンモニウム基を導入する方が4級アンモニウム基導入に伴う寸法変化が小さいことなどが原因として推測される。
【0011】
本発明の方法を用いることにより、特に耐溶出性において優れたアニオン吸着膜を提供できる。
以下本発明について、さらに詳細に説明する。
本発明において基材膜として用いる多孔膜の材質は、機械的および化学的耐久性あるいは耐熱性などを考慮すると、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびエチレン−プロピレン共重合体等に代表されるポリオレフィン;エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体に代表されるオレフィン−ハロゲン化オレフィン共重合体;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等に代表されるハロゲン化ポリオレフィンおよびポリスルホン等が適用できる。特に膜材質の親水性が要求される場合には、セルロース系の多孔膜を用いることもある。
【0012】
特に、耐溶出性、化学的耐久性等の高いアニオン吸着膜を合成するためには、ポリエチレンに代表される放射線架橋型の基材を用いることが好ましい。
アニオン吸着膜の構造および性能は、基材として用いる多孔膜の構造を反映することになる。本発明のアニオン吸着膜は、膜単位体積あたりできるだけ多くの液を処理することができ、しかも、流通する処理液はできるだけ多くのアニオン交換基と接触する必要があることから、膜単位体積あたりの比表面積が大きく、また、孔径については、大きさがそろっており、三次元的に均一に分布しているものが好ましい。
【0013】
それ故に、本発明に用いる多孔性基材膜は、例えば特公昭40−957号公報、特公昭47−17460号公報および特公昭59−37292号公報等に示されたミクロ相分離法や混合抽出法などにより形成される三次元網目構造が好ましく、特に特開昭55−131028 号公報に示された構造を有する膜が好適である。
本発明に用いる多孔性基材膜の平均孔径は0.01〜5μm、好ましくは0.05〜1μm、空孔率は20〜90%、好ましくは50〜80%が望ましい。平均孔径はアニオンの除去効率および透水量に影響を与えることから、平均孔径が0.01μmより小さいと所定の透水量が得られず、5μmより大きいとイオンのリークが無視できなくなる。多孔性基材膜の空孔率については、空孔率が20%未満と小さすぎると処理水量を確保できないなどのため好ましくない。また、90%を越えると膜の強度が低下し、実用上好ましくない。
【0014】
平均孔径は、ASTMF316−70に記載されている方法で得られた値であり、通常エアフロー法と呼ばれ、空気圧を変えて乾燥膜と湿潤膜の空気透過流速を測定してその比から求めるものである。
空孔率は、水を含浸させた状態と乾燥状態の重量の差により求める。すなわち、膜をエタノールに1時間浸漬後純水中へ20分×5回浸漬し、膜表面の水を切った後重量を測定する。その後、再びエタノールに浸漬した後50℃で10時間乾燥させ、乾燥後の重量を測定して両者の差から空孔率を求める。
【0015】
本発明のアニオン吸着膜は、平膜、繊維状、中空糸状などの形状いずれでもよいが、これをモジュール化したとき、モジュール内で、アニオン交換基量が均一で、単位容積あたりの処理水量を多くできる形状として中空糸状が好ましい。
中空糸の寸法としては、内径0.05〜5mm、好ましくは0.3〜4mm、肉厚0.01〜2mm、好ましくは、0.1〜1.5mmであることが望ましい。内径が0.05mmより小さいと、中空部を流通する水の圧力損失が高くなり、中空糸壁を透過する水量が中空糸長手方向で不均一になり、透過水量の少ない部分においてイオン吸着容量を十分使わないうちに、モジュールとして破過点に達してしまうことになり好ましくない。また、内径が5mmより大きいと、モジュール内の中空糸充填率が少なくなり、全体のイオン吸着容量が制限を受けるため、やはり好ましくない。肉厚については、2mmより厚いと透水量が制限を受け、0.01mmより薄いとアニオン交換基導入量が制限を受けるため、同様に好ましくない。。
【0016】
次にグラフト共重合方法について述べる。
多孔膜の主として細孔内表面にクロロメチルスチレンを導入する方法は、任意の多孔性基材膜の細孔内表面に、均一に導入し得る方法が好ましい。例えば、多孔膜の内部に均一にラジカルを生成させ、そのラジカルを開始点として、クロロメチルスチレンおよび架橋剤をグラフト共重合させる方法が適当である。
【0017】
ラジカルを生成させる方法としては、プラズマによる方法、光による方法、放射線による方法または各種ラジカル開始剤による方法があるが、三次元網目構造を有する多孔性基材膜に対し、特に均一性を確保することを意図した場合、放射線照射によりラジカルを生成させる方法が好適である。
また、放射線の種類としてはγ線、電子線、中性子線などがあるが、ラジカルを均一に生成させるためには透過性の高い放射線が望ましく、γ線が好適である。
【0018】
なお、このとき共重合に用いる架橋剤としては、2個以上の反応性官能基を有する共重合可能なモノマーが対応する。例えばエチレングリコールジメタクリレートおよびジエチレングリコールジメタクリレート等のようなジメタクリル酸系のモノマー、エチレングリコールジアクリレートおよびジエチレングリコールジアクリレート等のようなジアクリル酸系のモノマー、N,N−メチレンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン並びにトリアリルイソシアヌレート等が好適である。
【0019】
グラフト重合の際、クロロメチルスチレンに対する架橋剤の重量による添加比率は0.5〜30%、好ましくは3〜20%用いるのが望ましい。架橋剤の比率が30%を越えると導入したアニオン交換基のアニオンに対する接触効率が低下し、アニオンの吸着容量が制限されて好ましくない。また、架橋剤の比率が0.5%より小さくなると、耐溶出性あるいは透水量維持の効果が低下し、やはり好ましくない。
【0020】
次に、グラフト共重合膜へのアニオン交換基の導入方法について述べる。上記方法によって得られたクロロメチルスチレンおよび架橋剤のグラフト共重合膜を3級アミンを溶存させた溶液中に浸漬する方法が好ましい。
このとき使用する3級アミンはトリメチルアミン、トリエチルアミンのようなトリアルキルアミンの他、ジメチルエタノールアミンのようなアミノアルコールなど多種類あり、いずれも用いることができる。特にアニオンに対する選択係数の高いものを得るためには、該グラフト共重合膜をトリメチルアミンの溶液中に浸漬させることによって4級アンモニウム基を導入する方法が好ましい。
【0021】
アニオン吸着膜において膜重量1gあたり0.1ミリ等量以上のアニオン交換基が結合していることが好ましく、より好ましくは膜1gあたり1ミリ等量以上のアニオン交換基が結合していることである。アニオン交換容量が1gあたり0.1ミリ等量より小さいと短期間で破過してしまうため、アニオン吸着膜の交換頻度が高くなり好ましくない。また、細孔内表面においてアニオン交換基の密度が低いとイオン除去効率が低くなり、出口における液中イオン濃度を十分に下げることができなくなり、やはり好ましくない。
【0022】
なお、ここでいう膜1gあたりのアニオン交換基量とは、膜のかなりマクロ的な重量を基準にした値のことであって、膜全体に導入されたアニオン交換基量を単純にその膜の重量で除したものである。
なお、アニオン吸着膜に導入されたアニオン交換基の量は、アニオン交換基に配位しているアニオンを溶離し、溶離液中のアニオンの濃度を測定することによって求める。本発明においては、得られるアニオン吸着膜のアニオン交換基には塩素イオンが配位しているため、溶離する塩素イオンの量によってアニオン交換基導入量を求めることができる。
【0023】
以下、本発明に関する実施例を示すが、実施例は、本発明を限定するものではない。
【0024】
【実施例】
測定方法は以下のようにした。いずれも乾燥保存してある膜にエタノールを通液し、純水で置換した後に測定に用いた。
▲1▼アニオン交換基導入量:
実施例で得られたアニオン吸着膜は、アニオン交換基にClイオンが配位している。2NのNaOHを通水し、ClイオンをOHイオンに置換し、溶離してくるClイオン量を硝酸銀による沈殿滴定により測定し、導入されたアニオン交換基量を求めた。
▲2▼透水量:
脱イオン水を1kg/cmの差圧で透水させて、透水量を測定した。
▲3▼耐溶出性:
アニオン吸着膜8cm×5本をモジュール化し、超純水製造ラインの末端に設置し、耐溶出性を比抵抗の変化およびTOC濃度の変化を測定することにより評価した。なお測定に先立って、モジュールの洗浄を行った。洗浄の手順は、表3に示す。比抵抗およびTOC濃度の測定は、ANATEL社製のA−100PSEによった。
【0025】
【実施例1】
基材として、ポリエチレンの中空糸状多孔膜を用いた。該中空糸状多孔膜は三次元網目構造を有し、内径2mm、肉厚0.5mm、平均孔径0.2μm、空孔率70%のものである。
基材膜は、公知の方法で製造した。すなわち、微粉ケイ酸(ニプシル VN3LP)22.1重量部、ジブチルフタレート(DBP )55.0重量部、ポリエチレン樹脂粉末〔旭化成工業(株)製 SH −800グレード〕23.0重量部の組成物を予備混合した後、30ミリ2軸押し出し機内で内径2mm、外径3mmの中空糸状に押し出した後、1,1,1-トリクロロエタン中に60分間浸漬し、DBP を抽出した。さらに温度60℃の苛性ソーダ40%水溶液中に約20分間浸漬して微粉ケイ酸を抽出した後、水洗、乾燥させることにより合成した。
【0026】
基材膜に50kGy のγ線を照射し、クロロメチルスチレン10重量%およびジビニルベンゼンを溶存させたエタノール溶液中に浸漬し、グラフト共重合を行わせた。なお、ジビニルベンゼンのクロロメチルスチレンに対する重量比は3%、7%、12%と3種類について合成した。グラフト共重合膜の基材膜に対する重量増加率は、それぞれ、89%、88%、92%であった。得られたグラフト共重合膜をエタノールおよび純水で洗浄した後、トリメチルアミン30重量%水溶液とアセトンの等量混合液に浸漬し、30℃、70時間反応させて、4級アンモニウム基を導入した。
【0027】
得られたアニオン吸着膜は、エタノールで洗浄後、乾燥し保存した。
アニオン吸着膜について、アニオン交換基導入量、透水量、耐溶出性に関する測定を行った。
結果を表1に示す。表1においてblankに示したのがアニオン吸着膜に供給する純水の水質であり、処理水の欄に示したのが膜通水後の純水の水質である。膜通水に伴う溶出を、TOC濃度差および比抵抗の差によって評価した。
【0028】
【実施例2】
実施例1に用いたのと同じ基材膜を使用して、やはり実施例1と同様に放射線グラフト重合法により、クロロメチルスチレン−エチレングリコールジメタクリレートグラフト共重合膜を合成した。
すなわち、基材膜に50kGy のγ線を照射し、クロロメチルスチレン10%およびエチレングリコールジメタクリレートを溶存させたエタノール溶液中に浸漬し、グラフト共重合を行わせた。なお、エチレングリコールジメタクリレートのクロロメチルスチレンに対する重量比は実施例1と同様に3%、7%、12%と3種類について合成した。グラフト共重合膜の基材膜に対する重量増加率は、それぞれ、87%、91%、93%であった。得られたグラフト共重合膜をエタノールおよび純水で洗浄した後、実施例1と同様に、4級アミンを導入し、エタノールで洗浄後、乾燥し保存した。
【0029】
アニオン吸着膜について、アニオン交換基導入量、透水量、耐溶出性に関する測定を行った。結果を表1に示す。
【0030】
【比較例1】
実施例1に用いたのと同じ基材膜を使用して、やはり実施例1と同様に放射線グラフト重合法により、スチレン−ジビニルベンゼングラフト共重合膜を合成した。
すなわち、基材膜に50kGyのγ線を照射し、スチレン10%およびジビニルベンゼンを溶存させたエタノール溶液中に浸潰し、グラフト共重合を行わせた。ジビニルベンゼンのスチレンに対する重量比は3%、7%、12%とした。グラフト共重合膜の基材膜に対する重量増加率は、それぞれ、88%、89%、92%であった。引き続いて、導入したスチレンをクロロメチル化した。得られたグラフト共重合膜を、Friedel-Crafts型触煤である塩化第2スズを含むクロロメチルエーテルに浸漬し、58℃で還流下で5時間反応させた。反応後、1N塩酸による洗浄、水洗およびエタノール洗浄を繰り返した後、実施例と同様に、トリメチルアミン溶液に浸漬し、4級アンモニウム基を導入した。得られたアニオン吸着膜は、エタノール洗浄後、乾燥保存した。
【0031】
実施例と同様に物性測定を行った。結果を表1に示す。
【0032】
【比較例2】
比較例1において合成し、モジュール化して、超純水製造ラインによる溶出試験を行ったアニオン吸着膜について、さらに、表3に示した洗浄を繰り返し、再び超純水製造ラインに設置し、耐溶出性の評価を行った。
結果を表2に示す。
【0033】
【表1】
Figure 0003555967
【0034】
【表2】
Figure 0003555967
【0035】
【表3】
Figure 0003555967
【0036】
【発明の効果】
TOCの溶出が極めて少ないこと、紫外線照射により発生する有機酸を効率よく除去できることからTOC濃度の十分低い高価値の超純水を供給することが可能になり、半導体産業、医薬、原子力などの分野における超純水製造プロセスに大いに有用である。

Claims (2)

  1. 三次元網目構造を有し、平均孔径が0.01〜5μm、空孔率が20〜90%、内径0.05〜5mm、肉厚0.01〜2mmのポリエチレン製中空糸状多孔性基材膜に電離性の放射線を照射した後、該多孔性基材膜にクロロメチルスチレンおよび架橋剤のみを溶液中でグラフト共重合させた後に該グラフト共重合膜を3級アミンを溶存させた溶液に浸漬することにより4級アンモニウム基を導入することを特徴とする透水量が2350(L/m 2 ・hr・atm)以上であるアニオン吸着膜の製造方法。
  2. 三次元網目構造を有し、平均孔径が、0.01〜5μm、空孔率が20〜90%、内径0.05〜5mm、肉厚0.01〜2mmのポリエチレン製中空糸状多孔膜を基材膜とし、該基材膜に電離性の放射線を照射した後、クロロメチルスチレンおよび架橋材のみをグラフト共重合させて得られたグラフト共重合膜を、さらに3級アミン溶液に浸漬して4級アンモニウム基を導入してなることを特徴とする透水量が2350(L/m 2 ・hr・atm)以上であるアニオン吸着膜。
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