JPH0741574A - 耐溶出性アニオン吸着膜の製造方法およびその膜 - Google Patents

耐溶出性アニオン吸着膜の製造方法およびその膜

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JPH0741574A
JPH0741574A JP5189926A JP18992693A JPH0741574A JP H0741574 A JPH0741574 A JP H0741574A JP 5189926 A JP5189926 A JP 5189926A JP 18992693 A JP18992693 A JP 18992693A JP H0741574 A JPH0741574 A JP H0741574A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐溶出性に優れたアニオン吸着膜を提供す
る。 【構成】 三次元網目構造を有し、平均孔径が、0.01〜
5μm、空孔率が20〜90%である多孔性基材膜に電
離性の放射線を照射し、クロロメチルスチレンおよび架
橋剤をグラフト共重合させ、さらに該グラフト共重合膜
に4級アミンを導入する。 【効果】 半導体産業などにおける超純水製造システム
において、特にTOC濃度の低い超純水を提供すること
が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体産業、医薬、原
子力などの分野における超純水製造プロセスをはじめ、
特に低濃度までアニオンを吸着除去する必要のあるプロ
セスに、イオン除去効率が高く、高い透水量を有し、特
にTOC(全有機炭素)溶出が極めて少ないアニオン吸
着膜を提供することを目的としている。
【0002】
【従来の技術】TOC濃度の低い超純水を得るために、
紫外線照射により水中の有機物をイオン化し、イオン交
換基により該イオンを除去するシステムが一般に採用さ
れている。現在、このイオン除去には、主にイオン交換
樹脂が用いられており、イオン交換樹脂そのものからの
TOCの溶出が特に問題になっている。
【0003】本発明者らは、上記問題点を解決するため
に極低濃度までのイオン除去能力を有し、特に溶出の少
ないイオン交換体を得ることを目的として、多孔膜の細
孔内にイオン交換基を化学結合させた多孔性のイオン吸
着膜の開発を行ない、アニオン吸着膜については、多孔
性基材膜にピリジン等の窒素原子を含む複素環をグラフ
ト重合した後4級化した膜(特願平4−29895号)
あるいはメタクリル酸グリシジルをグラフト重合した後
4級アミンを導入した膜(特開平2−132132号公
報)を提供し、高い性能を得ることに成功した。
【0004】本発明者は、アニオンに対する選択係数の
高いものを合成することを意図して、スチレンおよびジ
ビニルベンゼンをグラフト共重合させ、導入されたスチ
レンをクロロメチル化し、さらに4級化して、4級アミ
ンを導入する方法を採用した。しかし、この方法によっ
て得られるアニオン吸着膜を超純水製造ライン内に設置
したところ、TOC溶出量を一定量以下まで下げること
ができないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水中のアニ
オンに対する吸着能力が高く、しかもTOCの溶出が十
分に低いアニオン吸着膜を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、鋭意検討を行った結果、多孔膜にクロロメチルスチ
レンおよび架橋剤をグラフト共重合させたグラフト共重
合膜に4級アミンを導入することによって得られるアニ
オン吸着膜が、上記の課題を達成できることを見出だ
し、本発明を成すに至った。
【0007】すなわち、本発明は以下のとおりである。 1.多孔膜に電離性の放射線を照射し、該多孔膜にクロ
ロメチルスチレンおよび架橋剤をグラフト共重合させた
後に該グラフト共重合膜に4級アミンを導入することを
特徴とするアニオン吸着膜の製造方法。 2.三次元網目構造を有し、平均孔径が、0.01〜5μ
m、空孔率が20〜90%である多孔膜を基材膜とし、
該基材膜にクロロメチルスチレンおよび架橋剤をグラフ
ト共重合させて得られたグラフト共重合膜に、さらに4
級アミンを導入してなることを特徴とするアニオン吸着
膜。 3.多孔膜が、内径0.05〜5mm、肉厚0.01〜
2mmの中空糸状であることを特徴とする上記2記載の
アニオン吸着膜。
【0008】以下に本発明についてさらに詳しく説明す
る。基材膜としての多孔膜の構造としては、三次元網目
構造を有し、平均孔径が、0.01〜5μm、好ましく
は0.05〜1μm、空孔率が20〜90%、好ましく
は50〜80%の範囲であることが好ましい。また、該
多孔膜の形状は、内径0.05〜5mm、好ましくは
0.3〜4mm、肉厚0.01〜2mm、好ましくは
0.1〜1.5mmの中空糸状であることが好ましい。
【0009】本発明のアニオン吸着膜の製造方法は、例
えば多孔膜の主として細孔内表面に、まずクロロメチル
スチレンおよび架橋剤を放射線グラフト重合法によりグ
ラフト共重合させ、次に該グラフト共重合膜に4級アミ
ンを導入してアニオン吸着膜を得るものである。本発明
者らは、本発明より先に、多孔膜に電離性の放射線を照
射し、スチレンおよび架橋剤をグラフト共重合させてグ
ラフト共重合膜を得た後に、導入したスチレンをクロロ
メチル化し、さらに該グラフト共重合膜に4級アミンを
導入する方法を行い、アニオン吸着膜を作製した。クロ
ロメチル化反応はFriedel-Crafts型触媒による一般的な
手法に従った。この方法によって得られるアニオン吸着
膜は、本発明によって得られるアニオン吸着膜と基本的
には同じ構造を有するはずである。
【0010】ところが、純水通水時におけるTOC溶出
挙動に、両者の間で明確な差異が存在することを見出だ
した。グラフト共重合時におけるスチレン−ジビニルベ
ンゼン共重合とクロロメチルスチレン−ジビニルベンゼ
ン共重合の共重合特性の差によって、クロロメチルスチ
レン−ジビニルベンゼンの方がより均一な架橋構造が形
成されること、あるいは、グラフト共重合の後クロロメ
チル化して4級化する方法に比べ、もともと塩素原子が
はいった状態でグラフト共重合し、4級アミンを導入す
る方が4級アミン導入に伴う寸法変化が小さいことなど
が原因として推測される。
【0011】本発明の方法を用いることにより、特に耐
溶出性において優れたアニオン吸着膜を提供できる。以
下本発明について、さらに詳細に説明する。本発明にお
いて基材膜として用いる多孔膜の材質は、機械的および
化学的耐久性あるいは耐熱性などを考慮すると、ポリエ
チレン、ポリプロピレンおよびエチレン−プロピレン共
重合体等に代表されるポリオレフィン;エチレン−テト
ラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフ
ルオロエチレン共重合体に代表されるオレフィン−ハロ
ゲン化オレフィン共重合体;ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエ
チレン等に代表されるハロゲン化ポリオレフィンおよび
ポリスルホン等が適用できる。特に膜材質の親水性が要
求される場合には、セルロース系の多孔膜を用いること
もある。
【0012】特に、耐溶出性、化学的耐久性等の高いア
ニオン吸着膜を合成するためには、ポリエチレンに代表
される放射線架橋型の基材を用いることが好ましい。ア
ニオン吸着膜の構造および性能は、基材として用いる多
孔膜の構造を反映することになる。本発明のアニオン吸
着膜は、膜単位体積あたりできるだけ多くの液を処理す
ることができ、しかも、流通する処理液はできるだけ多
くのアニオン交換基と接触する必要があることから、膜
単位体積あたりの比表面積が大きく、また、孔径につい
ては、大きさがそろっており、三次元的に均一に分布し
ているものが好ましい。
【0013】それ故に、本発明に用いる多孔性基材膜
は、例えば特公昭40-957号公報、特公昭47-17460号公報
および特公昭59-37292号公報等に示されたミクロ相分離
法や混合抽出法などにより形成される三次元網目構造が
好ましく、特に特開昭55-131028 号公報に示された構造
を有する膜が好適である。本発明に用いる多孔性基材膜
の平均孔径は0.01〜5μm、好ましくは0.05〜
1μm、空孔率は20〜90%、好ましくは50〜80
%が望ましい。平均孔径はアニオンの除去効率および透
水量に影響を与えることから、平均孔径が0.01μm
より小さいと所定の透水量が得られず、5μmより大き
いとイオンのリークが無視できなくなる。多孔性基材膜
の空孔率については、空孔率が20%未満と小さすぎる
と処理水量を確保できないなどのため好ましくない。ま
た、90%を越えると膜の強度が低下し、実用上好まし
くない。
【0014】平均孔径は、ASTMF316-70に記載され
ている方法で得られた値であり、通常エアフロー法と呼
ばれ、空気圧を変えて乾燥膜と湿潤膜の空気透過流速を
測定してその比から求めるものである。空孔率は、水を
含浸させた状態と乾燥状態の重量の差により求める。す
なわち、膜をエタノールに1時間浸漬後純水中へ20分
×5回浸漬し、膜表面の水を切った後重量を測定する。
その後、再びエタノールに浸漬した後50℃で10時間
乾燥させ、乾燥後の重量を測定して両者の差から空孔率
を求める。
【0015】本発明のアニオン吸着膜は、平膜、繊維
状、中空糸状などの形状いずれでもよいが、これをモジ
ュール化したとき、モジュール内で、アニオン交換基量
が均一で、単位容積あたりの処理水量を多くできる形状
として中空糸状が好ましい。中空糸の寸法としては、内
径0.05〜5mm、好ましくは0.3〜4mm、肉厚
0.01〜2mm、好ましくは、0.1〜1.5mmで
あることが望ましい。内径が0.05mmより小さい
と、中空部を流通する水の圧力損失が高くなり、中空糸
壁を透過する水量が中空糸長手方向で不均一になり、透
過水量の少ない部分においてイオン吸着容量を十分使わ
ないうちに、モジュールとして破過点に達してしまうこ
とになり好ましくない。また、内径が5mmより大きい
と、モジュール内の中空糸充填率が少なくなり、全体の
イオン吸着容量が制限を受けるため、やはり好ましくな
い。肉厚については、2mmより厚いと透水量が制限を
受け、0.01mmより薄いとアニオン交換基導入量が
制限を受けるため、同様に好ましくない。。
【0016】次にグラフト共重合方法について述べる。
多孔膜の主として細孔内表面にクロロメチルスチレンを
導入する方法は、任意の多孔性基材膜の細孔内表面に、
均一に導入し得る方法が好ましい。例えば、多孔膜の内
部に均一にラジカルを生成させ、そのラジカルを開始点
として、クロロメチルスチレンおよび架橋剤をグラフト
共重合させる方法が適当である。
【0017】ラジカルを生成させる方法としては、プラ
ズマによる方法、光による方法、放射線による方法また
は各種ラジカル開始剤による方法があるが、三次元網目
構造を有する多孔性基材膜に対し、特に均一性を確保す
ることを意図した場合、放射線照射によりラジカルを生
成させる方法が好適である。また、放射線の種類として
はγ線、電子線、中性子線などがあるが、ラジカルを均
一に生成させるためには透過性の高い放射線が望まし
く、γ線が好適である。
【0018】なお、このとき共重合に用いる架橋剤とし
ては、2個以上の反応性官能基を有する共重合可能なモ
ノマーが対応する。例えばエチレングリコールジメタク
リレートおよびジエチレングリコールジメタクリレート
等のようなジメタクリル酸系のモノマー、エチレングリ
コールジアクリレートおよびジエチレングリコールジア
クリレート等のようなジアクリル酸系のモノマー、N,
N−メチレンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン並
びにトリアリルイソシアヌレート等が好適である。
【0019】グラフト重合の際、クロロメチルスチレン
に対する架橋剤の重量による添加比率は0.5〜30
%、好ましくは3〜20%用いるのが望ましい。架橋剤
の比率が30%を越えると導入したアニオン交換基のア
ニオンに対する接触効率が低下し、アニオンの吸着容量
が制限されて好ましくない。また、架橋剤の比率が0.
5%より小さくなると、耐溶出性あるいは透水量維持の
効果が低下し、やはり好ましくない。
【0020】次に、グラフト共重合膜へのアニオン交換
基の導入方法について述べる。上記方法によって得られ
たクロロメチルスチレンおよび架橋剤のグラフト共重合
膜を3級アミンを溶存させた溶液中に浸漬する方法が好
ましい。このとき使用する3級アミンはトリメチルアミ
ン、トリエチルアミンのようなトリアルキルアミンの
他、ジメチルエタノールアミンのようなアミノアルコー
ルなど多種類あり、いずれも用いることができる。特に
アニオンに対する選択係数の高いものを得るためには、
該グラフト共重合膜をトリメチルアミンの溶液中に浸漬
させることによって4級アミンを導入する方法が好まし
い。
【0021】アニオン吸着膜において膜重量1gあたり
0.1ミリ等量以上のアニオン交換基が結合しているこ
とが好ましく、より好ましくは膜1gあたり1ミリ等量
以上のアニオン交換基が結合していることである。アニ
オン交換容量が1gあたり0.1ミリ等量より小さいと
短期間で破過してしまうため、アニオン吸着膜の交換頻
度が高くなり好ましくない。また、細孔内表面において
アニオン交換基の密度が低いとイオン除去効率が低くな
り、出口における液中イオン濃度を十分に下げることが
できなくなり、やはり好ましくない。
【0022】なお、ここでいう膜1gあたりのアニオン
交換基量とは、膜のかなりマクロ的な重量を基準にした
値のことであって、膜全体に導入されたアニオン交換基
量を単純にその膜の重量で除したものである。なお、ア
ニオン吸着膜に導入されたアニオン交換基の量は、アニ
オン交換基に配位しているアニオンを溶離し、溶離液中
のアニオンの濃度を測定することによって求める。本発
明においては、得られるアニオン吸着膜のアニオン交換
基には塩素イオンが配位しているため、溶離する塩素イ
オンの量によってアニオン交換基導入量を求めることが
できる。
【0023】以下、本発明に関する実施例を示すが、実
施例は、本発明を限定するものではない。
【0024】
【実施例】測定方法は以下のようにした。いずれも乾燥
保存してある膜にエタノールを通液し、純水で置換した
後に測定に用いた。 アニオン交換基導入量:実施例で得られたアニオン吸
着膜は、アニオン交換基にCl- イオンが配位してい
る。2NのNaOHを通水し、Cl- イオンをOH-
オンに置換し、溶離してくるCl- イオン量を硝酸銀に
よる沈殿滴定により測定し、導入されたアニオン交換基
量を求めた。 透水量:脱イオン水を1kg/cm2 の差圧で透水さ
せて、透水量を測定した。 耐溶出性:アニオン吸着膜8cm×5本をモジュール
化し、超純水製造ラインの末端に設置し、耐溶出性を比
抵抗の変化およびTOC濃度の変化を測定することによ
り評価した。なお測定に先立って、モジュールの洗浄を
行った。洗浄の手順は、表3に示す。比抵抗およびTO
C濃度の測定は、ANATEL社製のA−100PSE
によった。
【0025】
【実施例1】基材として、ポリエチレン性の中空糸状多
孔膜を用いた。該中空糸状多孔膜は三次元網目構造を有
し、内径2mm、肉厚0.5mm、平均孔径0.2μ
m、空孔率70%のものである。基材膜は、公知の方法
で製造した。すなわち、微粉ケイ酸(ニプシルVN3LP )
22.1重量部、ジブチルフタレート(DBP )55.0重量部、
ポリエチレン樹脂粉末〔旭化成工業(株)製 SH-800 グ
レード〕23.0重量部の組成物を予備混合した後、30ミリ
2軸押し出し機内で内径2mm、外径3mmの中空糸状に押
し出した後、1,1,1-トリクロロエタン中に60分間浸漬
し、DBP を抽出した。さらに温度60℃の苛性ソーダ40%
水溶液中に約20分間浸漬して微粉ケイ酸を抽出した後、
水洗、乾燥させることにより合成した。
【0026】基材膜に50kGy のγ線を照射し、クロロメ
チルスチレン10重量%およびジビニルベンゼンを溶存
させたエタノール溶液中に浸漬し、グラフト共重合を行
わせた。なお、ジビニルベンゼンのクロロメチルスチレ
ンに対する重量比は3%、7%、12%と3種類につい
て合成した。グラフト共重合膜の基材膜に対する重量増
加率は、それぞれ、89%、88%、92%であった。
得られたグラフト共重合膜をエタノールおよび純水で洗
浄した後、トリメチルアミン30重量%水溶液とアセト
ンの等量混合液に浸漬し、30℃、70時間反応させ
て、4級アミンを導入した。
【0027】得られたアニオン吸着膜は、エタノールで
洗浄後、乾燥し保存した。アニオン吸着膜について、ア
ニオン交換基導入量、透水量、耐溶出性に関する測定を
行った。結果を表1に示す。表1においてblankに
示したのがアニオン吸着膜に供給する純水の水質であ
り、処理水の欄に示したのが膜通水後の純水の水質であ
る。膜通水に伴う溶出を、TOC濃度差および比抵抗の
差によって評価した。
【0028】
【実施例2】実施例1に用いたのと同じ基材膜を使用し
て、やはり実施例1と同様に放射線グラフト重合法によ
り、クロロメチルスチレン−エチレングリコールジメタ
クリレートグラフト共重合膜を合成した。すなわち、基
材膜に50kGy のγ線を照射し、クロロメチルスチレン1
0%およびエチレングリコールジメタクリレートを溶存
させたエタノール溶液中に浸漬し、グラフト共重合を行
わせた。なお、エチレングリコールジメタクリレートの
クロロメチルスチレンに対する重量比は実施例1と同様
に3%、7%、12%と3種類について合成した。グラ
フト共重合膜の基材膜に対する重量増加率は、それぞ
れ、87%、91%、93%であった。得られたグラフ
ト共重合膜をエタノールおよび純水で洗浄した後、実施
例1と同様に、4級アミンを導入し、エタノールで洗浄
後、乾燥し保存した。
【0029】アニオン吸着膜について、アニオン交換基
導入量、透水量、耐溶出性に関する測定を行った。結果
を表1に示す。
【0030】
【比較例1】実施例1に用いたのと同じ基材膜を使用し
て、やはり実施例1と同様に放射線グラフト重合法によ
り、スチレン−ジビニルベンゼングラフト共重合膜を合
成した。すなわち、基材膜に50kGy のγ線を照射し、ス
チレン10%およびジビニルベンゼンを溶存させたエタ
ノール溶液中に浸漬し、グラフト共重合を行わせた。ジ
ビニルベンゼンのスチレンに対する重量比は3%、7
%、12%とした。グラフト共重合膜の基材膜に対する
重量増加率は、それぞれ、88%、88%、92%であ
った。引き続いて、導入したスチレンをクロロメチル化
した。得られたグラフト共重合膜を、Friedel-Crafts型
触媒である塩化第2スズを含むクロロメチルエーテルに
浸漬し、58℃で還流下で5時間反応させた。反応後、
1N塩酸による洗浄、水洗およびエタノール洗浄を繰り
返した後、実施例と同様に、トリメチルアミン溶液に浸
漬し、4級アミンを導入した。得られたアニオン吸着膜
は、エタノール洗浄後、乾燥保存した。
【0031】実施例と同様に物性測定を行った。結果を
表1に示す。
【0032】
【比較例2】比較例1において合成し、モジュール化し
て、超純水製造ラインによる溶出試験を行ったアニオン
吸着膜について、さらに、表3に示した洗浄を繰り返
し、再び超純水製造ラインに設置し、耐溶出性の評価を
行った。結果を表2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【発明の効果】TOCの溶出が極めて少ないこと、紫外
線照射により発生する有機酸を効率よく除去できること
からTOC濃度の十分低い高価値の超純水を供給するこ
とが可能になり、半導体産業、医薬、原子力などの分野
における超純水製造プロセスに大いに有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔膜に電離性の放射線を照射し、該多
    孔膜にクロロメチルスチレンおよび架橋剤をグラフト共
    重合させた後に該グラフト共重合膜に4級アミンを導入
    することを特徴とするアニオン吸着膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 三次元網目構造を有し、平均孔径が、0.
    01〜5μm、空孔率が20〜90%である多孔膜を基材
    膜とし、該基材膜にクロロメチルスチレンおよび架橋剤
    をグラフト共重合させて得られたグラフト共重合膜に、
    さらに4級アミンを導入してなることを特徴とするアニ
    オン吸着膜。
  3. 【請求項3】 多孔膜が、内径0.05〜5mm、肉厚
    0.01〜2mmの中空糸状であることを特徴とする請
    求項2記載のアニオン吸着膜。
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