JP2014198330A - 金イオン吸着材、その製造方法及び金の回収方法 - Google Patents

金イオン吸着材、その製造方法及び金の回収方法 Download PDF

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雄介 天野
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拓未 高山
圭介 森川
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圭介 森川
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Abstract

【課題】金イオンを効率よく吸着し回収することを可能にする吸着材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】(1)少なくとも一つ以上の重合体を含む金イオン吸着材であって、前記重合体の側鎖に、エーテル基及び/又は第3級アミド基の官能基が導入されていることを特徴とする金イオン吸着材。(2)重合体基材を準備する工程(工程a)と、前記重合体を化学修飾することにより、エーテル基および/または第3級アミド基の官能基を前記重合体の側鎖に導入する工程(工程b)と、を備える、金イオン吸着材の製造方法。前記官能基としてオキシアルキレン基、フリル基、テトラヒドロフリル基及び第3級アミド基から選ばれる少なくとも一つ以上の官能基を1.5〜20mmol/g重合体の側鎖に導入されている金イオン吸着材。
【選択図】なし

Description

本発明は、金イオンを選択的に吸着する吸着材、その製造方法、及び金の回収方法に関する。
近年、金属資源はその需要の高まりと、資源ナショナリズムによる供給制限とが相まって、供給不安や価格高騰など市場は不安定である。そのような状況において、使用済みの製品をリサイクルする技術や仕組みの提案、更には、回収や製錬工程で極力ロスを少なくする技術開発が精力的になされている。
金を含有する排水から金を分離回収する方法としては、例えば、加熱濃縮、活性炭、溶媒抽出、電気分解利用などが知られている。しかし、これらの方法では、回収されずに溶液中に残存する金が多くなり、回収率が低下するといった問題がある。また、複数の金属を含む排水中から金を選択的に回収することが困難であった。
金に選択的な抽出剤として、ジブチルカルビトールや特許文献1に記載のピロリジノン環を有する抽出剤が知られている。
また、金を選択的に吸着する吸着材として、特許文献2ではポリアニリン吸着材が、特許文献3では強酸で処理されたセルロース吸着材が報告されている。
特許4198460号公報 特開2008−49315号公報 特開2012−170950号公報
しかし、特許文献1に示されるような溶媒抽出法は、例えば、希薄な金属溶液から金を回収する際、多量の有機溶媒が必要となるため、環境負荷が大きい、大規模な抽出設備が必要など問題を抱えていた。
また、特許文献2に示されたポリアニリンは高価格、成形性に乏しいなどの問題点を有するため、実使用においては、かなりの制約を有している。
特許文献3に示される強酸処理セルロースは、処理時のセルロース同士の融着や黒色劣化が著しく、所望の形状に加工し、且つ収率よく目的の吸着材を得ることは難しい。
本発明は、上記課題を解決するためになされてものであり、金イオンの選択的な吸着性に優れる新規な吸着材を提供すること、そのような吸着材の簡便な製造方法を提供することを目的とする。また、該吸着材を用いた金の回収方法を提供することも目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、重合体基材に特定の官能基を導入した金属イオン吸着材が、複数の金属種が混在する溶液中から金のみを高い選択性で吸着することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の第1の構成は、少なくとも一つ以上の重合体を含む金イオン吸着材であって、前記重合体の側鎖に、エーテル基および/または第3級アミド基の官能基が導入されていることを特徴とする金イオン吸着材である。
本発明において、官能基とは、液中の金イオンに対して吸着性を示す基を意味する。
前記金イオン吸着材において、前記側鎖が導入されるベースとなる重合体(重合体基材)は、スチレン系重合体、フェノール系重合体、オレフィン系重合体、アミド系重合体、メタクリル酸メチル系重合体およびビニルアルコール系重合体からなる群から選ばれる少なくとも一つ以上の重合体であってもよい。
前述の、側鎖に導入される官能基であるエーテル基は、オキシアルキレン基、フリル基、またはテトラヒドロフリル基であり、前記重合体の側鎖には、オキシアルキレン基、フリル基、テトラヒドロフリル基および第3級アミド基からなる官能基群から選ばれる少なくとも一つ以上の官能基が導入されていることが好ましく、その導入量は、1.5mmol/g以上であってもよい。
本発明の吸着材は多孔質体であってもよく、表面に形成された細孔の平均細孔径が0.01μm〜50μmであってもよい。
吸着材の形状は、粒子径10μm〜2000μmの粒子状であってもよい。
吸着材において、予め形成されている重合体基材の化学修飾により、前記重合体の側鎖に、エーテル基および/または第3級アミド基の官能基が導入されたものであってもよく、前記化学修飾はグラフトであり、前記側鎖は、エーテル基および/または第3級アミド基の官能基を有するグラフト鎖であり、前記重合体は、前記グラフト鎖が導入されたグラフト共重合体であってもよい。
また、グラフト鎖は、重合体基材に電離放射線を作用させることで導入されたものであってもよい。
前記ビニルアルコール系重合体が、エチレン−ビニルアルコール系共重合体であってもよい。この場合、エチレン−ビニルアルコール系共重合体が粒子状の多孔質体であり、粒子の表面に形成された細孔の平均細孔径が0.01μm〜50μmであることが好ましい。
本発明の第2の構成は、重合体基材を準備する工程(工程a)と、
前記重合体を化学修飾することにより、エーテル基および/または第3級アミド基の官能基を前記重合体の側鎖に導入する工程(工程b)と、を備える、金イオン吸着材の製造方法である。
この製造方法において、工程bは、前記重合体基材に電離放射線を作用させ、前記エーテル基および/または第3級アミド基の官能基を有する重合性単量体をグラフトすることにより、重合体側鎖にエーテル基および/または第3級アミド基の官能基を導入する工程であってもよい。
また、多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体の場合、この製造方法において、工程aは、エチレン−ビニルアルコール系共重合体と水溶性ポリマーとを溶融混合し、溶融物を冷却固化させた複合体を得る工程と、前記複合体から水溶性ポリマーを抽出して多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体を形成する工程とを備える。前記水溶性ポリマーがポリビニルアルコールであってもよい。
なお、本発明において、多孔質とは、多孔質体中に複数の細孔が存在していることを意味している。なお、この細孔は、連続構造であってもよく、独立構造であってもよい。
本発明第3の構成は、金イオンを含有する溶液から金を回収する方法であって、前述の金イオン吸着材に前記溶液中の金イオンを吸着させ、吸着された金イオンを熱水によって前記吸着材から溶離させる。
本発明第1の構成に係る金イオン吸着材は、金イオン吸着の選択性が極めて高く、複数の金属種が混在する溶液中から、金のみを選択的に回収するような用途において有用である。
本発明第2の構成に係る金イオン吸着材の製造方法においては、予め形成された重合体基材の表面(好ましくは、多孔質粒子状)に高密度にエーテル基および/または第3級アミド基の官能基を集積させることができるので、効率的に金を回収可能な金イオン吸着材を得ることができる。
本発明第3の構成に係る金の回収方法においては、吸着剤として本発明第1の構成に係る金イオン吸着材を用いるので、高い選択性で金を吸着し、熱水で簡便に溶離回収することが可能である。
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を限定するものではない。
本発明の金イオン吸着材を形成するベースとなる重合体は特に限定されないが、例えば、スチレン系重合体、フェノール系重合体、オレフィン系重合体、アミド系重合体、メタクリル酸メチル系重合体およびビニルアルコール系重合体からなる群から選ばれる少なくとも一つ以上の重合体であることが好ましい。
本発明において用いられるスチレン系重合体は、ポリスチレン、架橋ポリスチレン等が挙げられる。架橋ポリスチレンとは、スチレン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、クロロメチルスチレン等のモノビニル芳香族化合物と、ジビニルベンセン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、ジビニルナフタレン、トリビニルベンゼン等のポリビニル芳香族化合物との架橋共重合体である。
本発明において用いられるフェノール系重合体は、フェノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、イソプロピルフェノール、t−ブチルフェノール、t−アミルフェノール、n−ヘキシルフェノール、フェニルフェノール、o−、m−、p−クレゾール等のフェノール類と、ベンズアルデヒド、ナフチルアルデヒド、ビフェニルアルデヒド等のアルデヒド類との重縮合体である。
本発明において用いられるオレフィン系重合体としては、ポリエチレンのほか、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデンなどのハロゲン化ポリオレフィン等が挙げられる。
本発明において用いられるアミド系重合体としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46等が挙げられる。
本発明において用いられるメタクリル酸メチル系重合体としては、ポリメタクリル酸メチルのほか、メタクリル酸メチルと、アクリル酸、メタクリル酸、スチレン等の種々の共重合体が挙げられる。
本発明において用いられるビニルアルコール系重合体としては、エチレン−ビニルアルコール系共重合体のほか、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール等が挙げられる。
本発明の金イオン吸着材は、官能基を効率的に利用する観点から、多孔質体であることが好ましい。多孔質体は、少なくとも表面に細孔が形成されていればよく、構造の内部まで細孔が形成されている必要はない。表面に形成される細孔は、その平均細孔径が0.01μm〜50μm程度であってもよく、好ましくは0.05μm〜20μm、より好ましくは0.2μm〜10μm程度である。これら細孔の平均細孔径は、後述する実施例に記載した方法により測定される値である。細孔径の平均値が0.05μm以下の場合、グラフト率が上がらず目的の金イオン吸着能が充分に得られないことがある。一方、細孔径の平均値が50μm以上の場合、グラフト共重合体が脆くなり取り扱いが困難となるおそれがある。
本発明の金イオン吸着材の形状としては、特に限定されず、適用箇所に応じて、繊維やその集合である織布や不織布、粒子、シート、フィルムあるいはそれらの加工品など各種の形状から選択することができる。これらのうち、金イオンの吸着性能の観点から、粒子状であることが好ましい。粒子状である場合、適宜粉砕などにより目的の粒子径の粒子を用いることができるが、粒子径としては10μm〜2000μmであることが好ましく、30μm〜1500μmがさらに好ましく、40μm〜1000μmが最も好ましい。粒子径が10μm以下の場合、微粉が舞い易いなど取り扱いが難しい。粒子径が2000μm以上の場合、金イオンの吸着性能が充分に得られないことがある。
本発明の金イオン吸着材においては、上記重合体側鎖にエーテル基および/または第3級アミド基の官能基が導入されている。側鎖の導入方法としては、(1)上記の重合体形成時にエーテル基または第3級アミド基を有する単量体を共重合させることにより導入してもよく、(2)上記重合体の形成後、上記重合体を基材として、エーテル基および/または第3級アミド基の官能基を有する側鎖で前記重合体を化学修飾させてもよい。金イオンを選択的に吸着する機能を有する上記のエーテル基および/または第3級アミド基の官能基を高密度に吸着材表面に形成する点から、重合体基材の粒子表面に化学修飾によりエーテル基および/または第3級アミド基の官能基側鎖を導入することが好ましい。
該エーテル基の具体例としては、オキシアルキレン基、フリル基またはテトラヒドロフリル基が挙げられるが、オキシアルキレン基としては、エチレングリコール基、ジエチレングリコール基、トリエチレングリコール基等のポリエチレングリコール基、プロピレングリコール基、ジプロピレングリコール基、トリプロピレングリコール基等のポリプロピレングリコール基、これらがモノエーテル化された官能基、フリル基としては、2−フリル基、3−フリル基、テトラヒドロフリル基としては、2−テトラヒドロフリル基、3−テトラヒドロフリル基、などを例示することができる。フリル基およびテトラヒドロフリル基は、一部が置換されていてもよい。
また、第3級アミド基としては、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、メチルエチルアミド基、ピロリドン基などを例示することができる。
本発明において用いられる上記の重合体の中でも、基材に親水性が高く、成形性に優れるビニルアルコール系重合体が好ましく、その中でも、親水性と耐酸性のバランスに優れる、エチレン−ビニルアルコール系共重合体が特に好ましい。
前述のエチレン−ビニルアルコール系共重合体は特に限定されないが、例えば、そのエチレン含有量は、10〜60モル%程度であってもよく、20〜50モル%程度が好ましい。エチレン含量が10モル%未満の場合、得られる吸着材の耐水性が低下する虞がある。一方、エチレン含量が60モル%を越えると製造が難しく入手が困難である。
また、エチレン−ビニルアルコール系共重合体のけん化度は、90モル%以上が好ましく、95モル%以上がより好ましく、99モル%以上が特に好ましい。けん化度が90モル%未満の場合、成形性が悪くなったり、得られる吸着材の耐水性が低下したりする虞がある。
また、エチレン−ビニルアルコール系共重合体のメルトフローレート(MFR)(210℃、荷重2160g)についても特に限定されないが、0.1g/分以上が好ましく、0.5g/分以上がより好ましい。0.1g/分未満の場合、耐水性や強度が低下する虞がある。なお、メルトフローレートの上限は通常用いられる範囲であればよく、例えば、25g/分以下であってもよい。
本発明のエチレン−ビニルアルコール系共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で別の不飽和単量体単位を含んでいてもよい。該不飽和単量体単位の含量は、10モル%以下であることが好ましく、5%モル以下であることがより好ましい。
このようなエチレン−ビニルアルコール系共重合体は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
このようなエチレン−ビニルアルコール系共重合体は、反応性の観点から、後述の官能基群で化学修飾する際に、予め多孔質化されたエチレン−ビニルアルコール系共重合体として用いられるのが好ましい。
多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体は、発泡剤などの気孔形成材とエチレン−ビニルアルコール系共重合体とを溶融混合することにより多孔質化させてもよいが、細孔のサイズを制御する観点から、多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体はエチレン−ビニルアルコール系共重合体と水溶性ポリマーとを溶融混練などにより混合し、溶融物を冷却固化させた複合体を得る工程と、前記複合体から水溶性ポリマーを抽出する工程と、によって形成するのが好ましい。
なお、本発明において、「溶融物の冷却固化」とは、溶融物を凝固浴など用いることなく冷却固化することを意味している。
本発明に用いられる水溶性ポリマーは、エチレン−ビニルアルコール系共重合体と溶融混合できる限り特に限定されず、一般に知られている水溶性ポリマーが利用できる。当該水溶性ポリマーは、例えば、デンプン;ゼラチン;セルロース誘導体;ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等の水溶性アミン系ポリマー;ポリアクリル酸;ポリイソプロピルアクリルアミド等のポリアクリルアミド;ポリビニルピロリドン;ポリビニルアルコールなどが挙げられる。これらの中でも、エチレン−ビニルアルコール系共重合体との溶融混練のし易さに優れ、空隙の制御が容易であることから、特にポリビニルアルコールが好適に用いられる。
エチレン−ビニルアルコール系共重合体と水溶性ポリマーとの質量割合は、必要とする多孔質の程度に応じて、適宜決めることができるが、例えば、エチレン−ビニルアルコール系共重合体:水溶性ポリマーは、99.9:0.1〜20:80程度であってもよく、好ましくは、99.9:0.1〜30:70程度であってもよい。
本発明に用いられるポリビニルアルコールは、本発明の効果が得られる限り、ビニルアルコール単位及びビニルエステル系単量体に由来する構造単位以外の構造単位を有することができる。当該構造単位は、例えば、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセンなどのα−オレフィン類;アクリル酸及びその塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸N−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸N−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル等のアクリル酸エステル基を有する不飽和単量体;メタクリル酸及びその塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸N−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸N−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル等のメタクリル酸エステル基を有する不飽和単量体;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩(例えば4級塩);メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩(例えば4級塩);メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル、2,3−ジアセトキシ−1−ビニルオキシプロパンなどのビニルエーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル類;塩化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン類;酢酸アリル、2,3−ジアセトキシ−1−アリルオキシプロパン、塩化アリルなどのアリル化合物;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸及びその塩またはエステル;ビニルトリメトキシシランなどのビニルシリル化合物、酢酸イソプロペニルである。当該構造単位の含有量は、10モル%未満である。
本発明に用いられるポリビニルアルコールの粘度平均重合度(JIS K6726に準拠して測定)は特に限定されないが、好ましくは100〜10,000であり、より好ましくは200〜7,000であり、さらに好ましくは300〜5,000である。粘度平均重合度が上記範囲から逸脱すると、得られる多孔質体の表面積が低下する虞がある。
本発明に用いられるポリビニルアルコールのけん化度は特に限定されないが、好ましくは50モル%以上であり、より好ましくは60〜98モル%であり、特に好ましくは70〜95モル%である。けん化度が50モル%未満になると水溶性が低下し成形後の熱水抽出での抽出性が悪くなる。けん化度が98モル%より高いポリビニルアルコールは溶融混合が難しい。
本発明の多孔質エチレン−ビニルアルコール系共重合体は、例えば、エチレン−ビニルアルコール系共重合体と水溶性ポリマーを溶融混練にて混合して溶融物を冷却固化させた複合体(コンパウンド)を得た後に、この複合体から水溶性ポリマーを抽出することによって得られる。溶融混練する方法は特に限定されず、一軸押出機、二軸押出機、ブラベンダー、ニーダーなど公知の混練機を用いることができる。目的とする形状を得るために、必要に応じて各段階で粉砕などを実施しても良い。
また、エチレン−ビニルアルコール系共重合体を溶解せず、水溶性ポリマーを抽出することができる限り、抽出に用いられる溶媒は特に限定されず、水、各種有機溶媒、水と有機溶媒との混合物などを用いることができるが、水溶性ポリマーを利用している観点から、溶媒としては水、特に熱水を用いるのが好ましい。熱水の温度は、40℃〜120℃が好ましく、50℃〜100℃がさらに好ましい。
このようにして得られた多孔質なエチレン−ビニルアルコール系重合体は、多孔質体であるが、少なくとも表面に細孔が形成されていればよく、内部まで細孔が形成されていなくともよい。表面に形成される細孔は、その平均細孔径が0.01μm〜50μm程度であってもよく、好ましくは0.05μm〜20μm、より好ましくは0.2μm〜10μm程度であってもよい。これら細孔の平均細孔径は、後述する実施例に記載した方法に
より測定される値である。
本発明の金イオン吸着材は、エーテル基および/または第3級アミド基の官能基を有する。該官能基は、液中の金イオンにのみ吸着性を示すことから、本発明の吸着材は金イオンの選択吸着性が高い。また、金の吸着性、他金属種との選択性の観点から、該官能基は特に、オキシアルキレン基、フリル基、テトラヒドロフリル基、第3級アミド基から選ばれる官能基群のうち少なくとも一つ以上の官能基であることが好ましい。該官能基の導入量、すなわち、本発明の吸着材が単位質量あたりに保有する該官能基のモル数は特に限定されないが、金イオン吸着性能の観点から、1.5mmol/g以上であることが好ましく、1.7mmol/g以上であることがより好ましく、2.0mmol/g以上であることがさらに好ましい。導入量が1.5mmol/g未満の場合、金イオンの吸着性能が充分に得られないことがある。一方、粒子の膨潤状態の観点から20mmol/g未満であることが好ましく、10mmol/g未満であることがより好ましく、5mmol/g未満であることがさらに好ましい。官能基のモル数が20mmol/gを超える場合、粒子の膨潤を抑制することが難しく、また製造上も困難な場合が多い。
本発明の吸着材は、その形状が粒子状であってもよい。その場合、粒子径は10μm〜2000μmが好ましく、30μm〜1500μmがさらに好ましい。粒子径が10μm以下の場合、微粉が舞い易いなど取り扱いが難しい。粒子径が2000μm以上の場合、金属イオンの吸着性能が充分に得られないことがある。
本発明の吸着材は、基材となる前述の重合体に、エーテル基および/または第3級アミド基の官能基を有するグラフト鎖が導入されたグラフト共重合体からなるものであってもよい。この場合、吸着材表面に前述の官能基を集積させることができ、金イオンをより効率的に吸着させることができる。
前述の官能基の導入方法としては、(1)クロロメチルスチレンやクロロエチル(メタ)アクリレートなどのハロゲン化アルキル基を有する不飽和単量体、またはグリシジルメタクリレートなどのエポキシ基を有する不飽和単量体を、予め基材となる重合体に、共重合等の方法によって導入し、該基材と、前述の官能基を有する化合物を反応させる方法、(2)前述の官能基を有する不飽和単量体を、基材となる重合体を基点に重合し、グラフトポリマーを生成する方法、が挙げられる。以下それぞれについて説明する。
上述の(1)の方法を適用する場合、反応させる化合物としては、例えば、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等のオキシアルキレン基含有アルコールや、フルフラール、テトラヒドロフルフラール、1−(3−ヒドロキシプロピル)−2−ピロリジノン等の化合物が好適に用いられる。
上記(2)の方法を適用する場合、反応させる不飽和単量体としては、例えば、2−メトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレート、ポリエチレン−ポリプロピレングリコールメタクリレート等の、オキシアルキレン構造を連続して有する(メタ)アクリレート型モノマーあるいは(メタ)アクリルアミド型モノマーや、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、またジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ジメチルメタクリルアミド、ジエチルメタクリルアミド、N−ビニルピロリドン等の第3級アミド型モノマーが好適に用いられる。また、これらの不飽和単量体を、基材となる重合体にグラフトさせる方法としては特に限定されないが、官能基導入量を多くすることができる観点から、電離放射線を用いてグラフト重合させる方法が好適である。
電離放射線としては、α線、β線、γ線、加速電子線、紫外線などがあるが、実用的には加速電子線またはγ線が好ましい。
電離放射線を用いて、基材に前述の不飽和単量体をグラフト重合させる方法としては、基材と不飽和単量体とを共存下放射線を照射する混合照射法と、基材のみに予め放射線を照射した後、不飽和単量体と基材とを接触させる前照射法のいずれでも可能であるが、前照射法がグラフト重合以外の副反応を生成しにくい特徴を有する。
グラフト重合の際に、基材と不飽和単量体とを接触させる方法としては、液状の不飽和単量体あるいは不飽和単量体溶液と直接接触させる液相重合法と、不飽和単量体の蒸気あるいは気化状態で接触させる気相グラフト重合法とがあるが、目的に応じて選択可能である。
電離放射線を照射する線量としては、特に限定されないが、5〜230kGyが好ましく、10〜190kGyがより好ましく、10〜140kGyがさらに好ましく、10〜90kGyが最も好ましい。5kGy未満の場合、線量が少な過ぎるためグラフト率が低下し目的の金イオン吸着能が得られないことがある。230kGy以上の場合、処理工程にコストがかかる、照射時に樹脂が劣化するなどの懸念がある。
本発明の金イオン吸着材は、効果を阻害しない範囲で他の樹脂を含有していても良い。また、必要に応じて各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、安定剤、滑剤、加工助剤、帯電防止剤、着色剤、耐衝撃助剤、発泡剤、架橋剤などを配合されていてもよい。
本発明の吸着材は、金イオンの選択吸着性に優れる。本発明の吸着材を用いることにより、種々の金属を含有する溶液から、金を、簡単な操作で、高効率かつ低コストで金イオンとして回収することができる。
そこで、本発明はさらに、金イオンを含有する溶液から金を回収する方法であって、上述の吸着材に該溶液中の金イオンを吸着させること、及び吸着させた該金イオンを溶離液によって吸着材から溶離させることを含む金の回収方法である。
吸着材による金イオンの吸着は、例えば、以下の方法により行うことができる。
・吸着材を所望の長さに切断して金イオンを含有する溶液に投入し、金イオンを吸着させた後引き上げる。
・吸着材が粒子状の場合は、吸着材粒子をカラムに充填し、金イオンを含有する溶液を通液する。
・吸着材粒子を、金イオンを含有する溶液に投入し、金イオンを吸着させた後引き上げる。
・吸着材が繊維状の場合は、側面に穴を有する筒状の芯に吸着材繊維を巻きつけ、筒の内部から外部へ或いはその逆方向に金イオンを含有する溶液を通液する。
・吸着材繊維を適当な長さに切断してカラムに充填し、金イオンを含有する溶液を通液する。
・吸着材繊維を紙、不織布、織物などのシートに加工し、これを積層してカラムに充填し、金属イオンを含有する溶液を通液する。
溶離液による金イオンの吸着材からの溶離は、金イオンを吸着した吸着材を溶離液に投入することにより行うことができる。また、吸着材をカラムに充填した場合は、溶離液を通液することによって行うこともできる。
溶離液の種類は、適宜選択すればよく、例えば、チオ尿素、尿素、水酸化ナトリウム、アンモニア、塩化ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸などを含むものを用いることができるが、本発明の吸着材は、水でも金イオンの溶離を行うことができる。
前述の水を用いた金イオンの吸着材からの溶離では、熱水で溶離させる。熱水の温度は、好ましくは40℃〜100℃であり、より好ましくは60℃〜100℃で行われる。溶離温度が低すぎると溶離性能が悪化する恐れがある。
種々の金属を含有する溶液から金を回収する場合は、金属を含有する溶液は、通常、塩化水素を含む溶液であり、塩化水素濃度は適宜調整される。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「%」および「部」は特に断りのない限り、それぞれ「質量%」および「質量部」を表す。
[細孔の平均細孔径の算出]
走査型電子顕微鏡を用い粒子表面を観察した。表面に形成されている細孔から任意に50個選択し、それぞれの細孔の長径を計測した。50個の長径を平均し、平均値を導出して、平均細孔径とした。但し、1nm以下の場合、傷、付着物等との区別がつかないため、選択から除外した。
[官能基量]
官能基導入反応を行う前後の質量変化をWとする。以下に示す式に従い算出した。
官能基量[mmol/g]=(反応基質1分子あたりの官能基数[個]×W[g]/反応基質分子量[g/mol])/(反応後の樹脂粒子質量)×1000
[金属イオン吸着率]
金イオン吸着材のサンプル50mgを、1mmol/L濃度の金属イオンを含有する23℃の5N−塩酸20mLに投入し、24時間攪拌した。その後、上澄み1mLをサンプリングし50mLにメスアップした後、ICP発光分析装置(日本ジャーレルアッシュ製
IRIS−AP)にて測定した金属濃度をC(mmol/L)とした。以下の式より、金属吸着率を求めた。
金属吸着率=(1−C×50)×100 (%)
[金属イオンの溶離率]
吸着測定後のサンプルを溶液から取り出して付着液をふき取り、80℃のイオン交換水20mLに3時間浸漬して金属を溶離させ、溶離液1mLをサンプリングし50mLにメスアップした後、ICP発光分析装置で金属濃度を測定し、これをD(mmol/L)とする。以下の式より、溶離率を求めた。
溶離量[mmol]:D(mmol/L)×50(倍)×0.02(L)
吸着量[mmol]:(1−C×50)(mmol/L)×0.02(L)
溶離率=溶離量/吸着量
溶離率={D×50/(1−C×50)}×100(%)
[実施例1]
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ社製、F101)90質量部とビニルアルコール系重合体(株式会社クラレ社製、PVA205)10質量部をラボプラストミルにて、210℃の温度で3分間溶融混練した後、溶融物を冷却固化させたコンパウンドを粉砕し、篩を用いて粒子径212μm〜425μmの粒子を作製した。さらに得られた粒子を100℃の熱水中で2時間攪拌してビニルアルコール系重合体のみを抽出し、多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体粒子を得た。該多孔質粒子の細孔の平均細孔径は0.27μmであった。該多孔質粒子に30kGyのγ線を照射した後、80℃窒素置換したN,N’−ジエチルアクリルアミドの80質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施し、グラフト率72%のグラフト共重合体多孔質粒子を得た。その後、得られた粒子をメタノールで洗浄し乾燥することで、目的の吸着材を得た。得られた吸着材を、篩を用いて粒子径300μm〜500μmの粒子に分級し、Au、Pd、Rhの吸着、およびAuの溶離性能を評価した。粒子組成を表1、吸着/溶離性能評価結果を表2に示す。なお、該吸着材の細孔の平均細孔径は0.21μm、官能基量は3.3mmol/gであった。
[実施例2]
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ社製、F101)90質量部とビニルアルコール系重合体(株式会社クラレ社製、PVA205)10質量部をラボプラストミルにて、210℃の温度で3分間溶融混練した後、溶融物を冷却固化させたコンパウンドを粉砕し、篩を用いて粒子径212μm〜425μmの粒子を作製した。さらに得られた粒子を100℃の熱水中で2時間攪拌してビニルアルコール系重合体のみを抽出し、多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体粒子を得た。該多孔質粒子の細孔の平均細孔径は0.27μmであった。該多孔質粒子に30kGyのγ線を照射した後、80℃窒素置換したテトラヒドロフルフリルメタクリレートの60質量%イソプロ
パノール溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施し、グラフト率87%のグラフト重合体多孔質粒子を得た。その後、得られた粒子をメタノールで洗浄し乾燥することで、目的の吸着材を得た。得られた吸着材を、篩を用いて粒子径300μm〜500μmの粒子に分級し、Au、Pd、Rhの吸着性能、およびAuの溶離性能を評価した。粒子組成を表1、吸着/溶離性能評価結果を表2に示す。なお、該吸着材の細孔の平均細孔径は0.19μm、官能基量は2.7mmol/gであった。
[実施例3]
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ社製、F101)70質量部とビニルアルコール系重合体(株式会社クラレ社製、PVA217)30質量部をラボプラストミルにて、210℃の温度で3分間溶融混練した後、溶融物を冷却固化させたコンパウンドを粉砕し、篩を用いて粒子径212μm〜425μmの粒子を作製した。さらに得られた粒子を100℃の熱水中で2時間攪拌してビニルアルコール系重合体のみを抽出し、多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体粒子を得た。該多孔質粒子の細孔の平均細孔径は0.88μmであった。該多孔質粒子に30kGyのγ線を照射した後、80℃窒素置換したフルフリルメタクリレートの60質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施し、グラフト率65%のグラフト共重合体多孔質粒子を得た。その後、得られた粒子をメタノールで洗浄し乾燥することで、目的の吸着材を得た。得られた吸着材を、篩を用いて粒子径300μm〜500μmの粒子に分級し、Au、Pd、Rhの吸着性能、およびAuの溶離性能を評価した。粒子組成を表1、吸着/溶離性能評価結果を表2に示す。なお、該吸着材の細孔の平均細孔径は0.79μm、官能基量は2.3mmol/gであった。
[実施例4]
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ社製、F101)を粉砕し、篩を用いて粒子径212μm〜425μmの粒子を作製した。該粒子に30kGyのγ線を照射した後、80℃窒素置換したテトラヒドロフルフリルメタクリレートの50質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施し、グラフト率29%のグラフト重合体粒子を得た。その後、得られた粒子をメタノールで洗浄し乾燥することで、目的の吸着材を得た。得られた吸着材を、篩を用いて粒子径300μm〜500μmの粒子に分級し、Au、Pd、Rhの吸着性能、およびAuの溶離性能を評価した。粒子組成を表1、吸着/溶離性能評価結果を表2に示す。なお、該吸着材の官能基量は1.3mmol/gであった。
[実施例5]
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ社製、E105)60質量部とビニルアルコール系重合体(株式会社クラレ社製、PVA217)40質量部をラボプラストミルにて、210℃の温度で3分間溶融混練した後、溶融物を冷却固化させたコンパウンドを粉砕し、篩を用いて粒子径1180μm〜1400μmの粒子を作製した。さらに得られた粒子を100℃の熱水中で2時間攪拌してビニルアルコール系重合体のみを抽出し、多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体粒子を得た。該多孔質粒子の細孔の平均細孔径は1.40μmであった。該多孔質粒子に100kGyのγ線を照射した後、80℃窒素置換したテトラヒドロフルフリルメタクリレートの60質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施し、グラフト率100%のグラフト共重合体多孔質粒子を得た。その後、得られた粒子をメタノールで洗浄し乾燥することで、目的の吸着材を得た。得られた吸着材を、篩を用いて粒子径2360μm〜2880μmの粒子に分級し、Au、Pd、Rhの吸着性能、およびAuの溶離性能を評価した。粒子組成を表1、吸着/溶離性能評価結果を表2に示す。なお、該吸着材の細孔の平均細孔径は1.19μm、官能基量は3.9mmol/gであった。
[実施例6]
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ社製、F101)80質量部とビニルアルコール系重合体(株式会社クラレ社製、PVA205)20質量部をラボプラストミルにて、210℃の温度で3分間溶融混練した後、溶融物を冷却固化させたコンパウンドを粉砕し、篩を用いて粒子径212μm〜425μmの粒子を作製した。さらに得られた粒子を100℃の熱水中で2時間攪拌してビニルアルコール系重合体のみを抽出し、多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体粒子を得た。該多孔質粒子の細孔の平均細孔径は0.43μmであった。該多孔質粒子に30kGyのγ線を照射した後、80℃窒素置換したN−ビニルピロリドンの40質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施し、グラフト率54%のグラフト共重合体多孔質粒子を得た。その後、得られた粒子をメタノールで洗浄し乾燥することで、目的の吸着材を得た。得られた吸着材を、篩を用いて粒子径300μm〜500μmの粒子に分級し、Au、Pd、Rhの吸着性能、およびAuの溶離性能を評価した。粒子組成を表1、吸着/溶離性能評価結果を表2に示す。なお、該吸着材の細孔の平均細孔径は0.40μm、官能基量は3.2mmol/gであった。
[実施例7]
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ社製、F101)60質量部とビニルアルコール系重合体(株式会社クラレ社製、PVA205)40質量部をラボプラストミルにて、210℃の温度で3分間溶融混練した後、溶融物を冷却固化させたコンパウンドを粉砕し、篩を用いて粒子径212μm〜425μmの粒子を作製した。さらに得られた粒子を100℃の熱水中で2時間攪拌してビニルアルコール系重合体のみを抽出し、多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体粒子を得た。該多孔質粒子の細孔の平均細孔径は1.37μmであった。該多孔質粒子に30kGyのγ線を照射した後、80℃窒素置換したジエチレングリコールモノメチルエーテルメタクリレートの60質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施し、グラフト率107%のグラフト多孔質粒子を得た。その後、得られた粒子をメタノールで洗浄し乾燥することで、目的の吸着材を得た。得られた吸着材を、篩を用いて粒子径300μm〜500μmの粒子に分級し、Au、Pd、Rhの吸着性能、およびAuの溶離性能を評価した。粒子組成を表1、吸着/溶離性能評価結果を表2に示す。なお、該吸着材の細孔の平均細孔径は1.20μm、官能基量は2.8mmol/gであった。
[実施例8]
市販のポリエチレン(株式会社プライムポリマー社製、7000F)を粉砕し、篩を用いて粒子径212μm〜425μmの粒子を作製した。該粒子に200kGyのγ線を照射し、80℃窒素置換したN,N’−ジエチルアクリルアミドの80質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施し、グラフト率25%のグラフト重合体粒子を得た。その後、得られた粒子をメタノールで洗浄し乾燥することで、目的の吸着材を得た。得られた吸着材を、篩を用いて粒子径300μm〜500μmの粒子に分級し、Au、Pd、Rhの吸着性能、およびAuの溶離性能を評価した。粒子組成を表1、吸着/溶離性能評価結果を表2に示す。なお、該吸着材の官能基量は1.6mmol/gであった。
[実施例9]
架橋ポリクロロメチルスチレン(クロロメチレン基含有量6.55mmol/g)(PCMS)粒子を、テトラヒドロフルフラールを20質量%含有する、2質量%の水酸化ナトリウム−イソプロパノール溶液に添加し、5時間加熱還流した。その後、得られた粒子をメタノールで洗浄し乾燥することで、目的の吸着材を得た。得られた吸着材を、篩を用いて粒子径300μm〜500μmの粒子に分級し、Au、Pd、Rhの吸着性能、およびAuの溶離性能を評価した。粒子組成を表1、吸着/溶離性能評価結果を表2に示す。なお、該吸着材の官能基量は2.0mmol/gであった。
[比較例1]
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ社製、E105)を粉砕し、篩を用いて粒子径300μm〜500μmの粒子を作製した。該粒子を用いて、Au、Pd、Rhの吸着性能、およびAuの溶離性能を評価した。吸着/溶離性能評価結果を表2に示す。
[比較例2]
市販の結晶性セルロース粒子(旭化成ケミカルズ株式会社社製、セルフィアCP−203)を、篩を用いて粒子径212μm〜300μmの粒子に分級した。該粒子を濃硫酸に添加、攪拌しながら100℃で6時間加熱処理を行った。処理開始後直ちに粒子同士の融着が発生したが、部分的に採取できた粒子形状のものを、篩を用いて粒子径300μm〜500μmの粒子に分級した。該粒子を用いて、Au、Pd、Rhの吸着性能、およびAuの溶離性能を評価した。吸着/溶離性能評価結果を表2に示す。
Figure 2014198330
Figure 2014198330
実施例1〜9に示すように、本発明の吸着材は、金イオンのみを高い選択性で吸着でき、且つ吸着した金イオンを、特殊な溶離剤を必要とせず、熱水で簡便に溶離回収ことが可能であり、金を分離回収する際に非常に有効である。
比較例1のように、エチレン−ビニルアルコール共重合体そのものでは、金属イオン吸着性能は発現しない。比較例2のように、セルロースを強酸で処理した場合、均一な形状に成形することが難しく、量産化を考慮する場合には現実的でない。また、一度吸着した金イオンの溶離性に劣ることから、繰り返し使用することが難しい。
本発明によれば、高い選択性で金イオンを吸着できる、工業的に使用可能な新規な吸着材を提供することができる。さらに、そのような性質を有する金イオン回収方法を提供することもできる。
以上のとおり、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、変更または削除が可能であり、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。

Claims (16)

  1. 少なくとも一つ以上の重合体を含む金イオン吸着材であって、前記重合体の側鎖に、エーテル基および/または第3級アミド基の官能基が導入されていることを特徴とする金イオン吸着材。
  2. 請求項1に記載の金イオン吸着材において、前記重合体がスチレン系重合体、フェノール系重合体、オレフィン系重合体、アミド系重合体、メタクリル酸メチル系重合体、ビニルアルコール系重合体から選ばれる少なくとも一つ以上の重合体である金イオン吸着材。
  3. 請求項1または2に記載の金イオン吸着材において、前記重合体の側鎖には、前記官能基としてオキシアルキレン基、フリル基、テトラヒドロフリル基および第3級アミド基からなる官能基群から選ばれる少なくとも一つ以上の官能基が導入されている金イオン吸着材。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の金イオン吸着材において、前記重合体の側鎖に導入される前記エーテル基および/または第3級アミド基の官能基の導入量が1.5〜20mmol/gである金イオン吸着材。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の金イオン吸着材において、前記金イオン吸着材が多孔質体であり、表面に形成された細孔の平均細孔径が0.01μm〜50μmである、金イオン吸着材。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の金イオン吸着材が、粒子径10μm〜2000μmの粒子状である金イオン吸着材。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の金イオン吸着材において、予め形成されている重合体基材の化学修飾により、前記重合体の側鎖に、エーテル基および/または第3級アミド基の官能基が導入されている金イオン吸着材。
  8. 請求項7に記載の金イオン吸着材において、前記化学修飾はグラフト重合による修飾であり、前記側鎖は、エーテル基および/または第3級アミド基の官能基を有するグラフト鎖であり、前記重合体は、前記グラフト鎖が導入されたグラフト共重合体である金イオン吸着材。
  9. 請求項8に記載の金イオン吸着材において、グラフト鎖が前記重合体基材に電離放射線を作用させることで導入された金イオン吸着材。
  10. 請求項2〜9のいずれか一項に記載の金イオン吸着材において、前記ビニルアルコール系重合体がエチレン−ビニルアルコール系共重合体である金イオン吸着材。
  11. 請求項10に記載の金イオン吸着材において、前記エチレン−ビニルアルコール系共重合体が粒子状の多孔質体であり、粒子の表面に形成された細孔の平均細孔径が0.01μm〜50μmである金イオン吸着材。
  12. 重合体基材を準備する工程(工程a)と、
    前記重合体を化学修飾することにより、エーテル基および/または第3級アミド基の官能基を前記重合体の側鎖に導入する工程(工程b)と、を備える、金イオン吸着材の製造方法。
  13. 請求項12に記載の金イオン吸着材の製造方法において、工程bは、前記重合体基材に電離放射線を作用させ、前記エーテル基および/または第3級アミド基の官能基を有する重合性単量体をグラフトすることにより、重合体側鎖にエーテル基および/または第3級アミド基の官能基を導入する工程である、金イオン吸着材の製造方法。
  14. 請求項12または13に記載の金イオン吸着材の製造方法において、工程aは、エチレン−ビニルアルコール系共重合体と水溶性ポリマーとを溶融混合し、溶融物を冷却固化させた複合体を得る工程と、前記複合体から水溶性ポリマーを抽出して多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体を形成する工程とから構成された、請求項11に記載の金イオン吸着材の製造方法。
  15. 請求項14に記載の製造方法において、前記水溶性ポリマーがポリビニルアルコールである金イオン吸着材の製造方法。
  16. 金イオンを含有する溶液から金を回収する方法であって、請求項1〜11のいずれか一項に記載の金イオン吸着材に前記溶液中の金イオンを吸着させること、及び吸着された金イオンを熱水によって前記吸着材から溶離させることを含む金の回収方法。
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