JP2014114448A - エチレン−ビニルアルコール系共重合体のグラフト共重合体、その製造方法及びそれを用いた金属吸着材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(1)エチレン−ビニルアルコール系共重合体を基材とし、該基材にチオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の少なくともいずれか1つの構造を有するグラフト鎖が導入されたグラフト共重合体。(2)基材としてエチレン−ビニルアルコール系共重合体を準備する工程(工程A)と、 前記エチレン−ビニルアルコール系共重合体に対して、チオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の少なくともいずれか1つの構造を有するグラフト鎖を導入し、チオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の少なくともいずれか1つの構造を有するグラフト鎖が導入されたグラフト共重合体を得る工程(工程B)と、を備える、グラフト共重合体の製造方法。
【選択図】なし
Description
前記グラフト共重合体は、10μm〜2000μmの粒子状であってもよく、導入された官能基を効率的に利用する観点から、粒子の表面に細孔径の平均値が0.01μm〜50μmである細孔が形成された多孔質粒子であることが好ましい。基材として用いるエチレン−ビニルアルコール系共重合体が、多孔質であることで、高いグラフト率を達成することが可能となり、官能基導入量の多い優れた吸着材を与えることが可能である。
前記エチレン−ビニルアルコール系共重合体に対して、チオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の少なくともいずれか1つの構造を有するグラフト鎖を導入し、チオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の少なくともいずれか1つの構造を有するグラフト鎖が導入されたグラフト共重合体を得る工程(工程B)と、を備える、グラフト共重合体の製造方法である。
また、工程Aにおいて準備される前記エチレン−ビニルアルコール系共重合体が多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体であることが、高グラフト率、高官能基導入量が得られることから好ましい。多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体を得るために、前記工程Aが、エチレン−ビニルアルコール系共重合体と水溶性ポリマーとを溶融混合し、混合された溶融物を冷却固化させることにより、エチレン−ビニルアルコール系共重合体と水溶性ポリマーとを含む複合体を得る工程と、前記複合体から水溶性ポリマーを抽出する工程と、を有することが好ましい。
本発明は、基材であるエチレン−ビニルアルコール系共重合体に、チオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の少なくともいずれか1つの構造を有するグラフト鎖が導入されたグラフト共重合体である。なお、本願発明におけるチオウレア構造もしくはイソチオウレア構造は、塩酸や硝酸等により塩の状態で存在していてもよい。
式(4)中、R1は炭素数1〜10の炭素鎖を表す。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などの直鎖または分岐鎖アルキル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基などのシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基などのアリール基などが挙げられる。また、R1は*であってもよい。
これら細孔の細孔径の平均値は、後述する実施例に記載した方法により測定される値である。
本発明のグラフト共重合体の製造方法は、
基材としてエチレン−ビニルアルコール系共重合体を準備する工程(工程A)と、
前記エチレン−ビニルアルコール系共重合体に対して、チオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の少なくともいずれか1つの構造を有するグラフト鎖を導入し、チオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の少なくともいずれか1つの構造を有するグラフト鎖が導入されたグラフト共重合体を得る工程(B)と、を備えている。
本発明のグラフト共重合体の基材として用いられるエチレン−ビニルアルコール系共重合体は、上記の性質を有するグラフト共重合体を得ることができる限り特に限定されないが、例えば、そのエチレン含有量は、10〜60モル%程度であってもよく、20〜50モル%程度が好ましい。エチレン含量が10モル%未満の場合、得られるグラフト共重合体の耐水性が低下する虞がある。一方、エチレン含量が60モル%を越えると製造が難しく入手が困難である。
このようなエチレン−ビニルアルコール系共重合体は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
なお、本発明において、「溶融物の冷却固化」とは、溶融物を凝固浴など用いることなく冷却固化することを意味している。
グラフト重合に用いるチオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の少なくともいずれか1つの構造を有する不飽和単量体としては、特に限定されないが、例えば、下記式(5)で示される不飽和単量体を用いることができる。
グラフト重合させる不飽和単量体としては、重合後、チオウレア基またはイソチオウレア基に変換可能な反応性基を有するものであればよく、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基を有する不飽和単量体、クロロメチルスチレンやクロロエチル(メタ)アクリレートなどのハロゲン化アルキル基を有する不飽和単量体などが用いられる。
などのエポキシ基を有する不飽和単量体、クロロメチルスチレンやクロロエチル(メタ)アクリレートなどのハロゲン化アルキル基を有する不飽和単量体を重合した後、当該グラフト体とアミンを反応させてアミノ基を導入し、その後さらに、アミノ基とイソチオシアン酸エステルまたはチオシアン酸およびその塩と反応させるか、もしくは、アミノ基と二硫化炭素と反応させて生成したジチオカルバミン酸基にアミンを反応させることにより導入できる。
ジアミン、N−メチルエチレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,3−ペンタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、tran
s−1,2−シクロヘキサンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタメチレンヘキサミン、ヘキサメチレンヘプタミン、2−アミノベンジルアミン、3−アミノベンジルアミン、4−アミノベンジルアミンなどが挙げられる。
本発明の金属イオン吸着材は、各種金属(特に白金族金属)を、簡単な操作で、高効率かつ低コストで金属イオンとして回収することができる。金属イオン回収方法としては、本発明の金属イオン吸着材を用いる限り特に限定されず、金属イオン吸着材の形状に応じてさまざまな回収方法を利用することができる。
例えば、金属イオン回収方法は、本発明の金属イオン吸着材と、目的とする金属イオンを含有する金属イオン含有液とを接触させ、前記吸着材に金属イオンを吸着させる吸着工程と、金属イオンを吸着した吸着材を回収し、前記吸着材と溶離液とを接触させ、吸着材から金属イオンを溶離させる溶離工程とを備えていてもよい。金属イオンを吸着した吸着材を燃焼させることにより金属を回収してもよい。
得られた吸着材を40℃、12時間真空乾燥した後、走査型電子顕微鏡を用い粒子表面を観察した。表面に形成されている細孔から任意に50個選択し、それぞれの細孔の長径を計測した。50個の長径を平均し、平均値を導出し、細孔径の平均値とした。但し、1nm以下の場合、傷、付着物等との区別がつかないため、選択から除外した。
グラフト率[w/w(%)]=100×(付与したグラフト鎖の重量)/(基材の重量)
官能基導入反応を行う前後の質量変化をWとする。以下に示す式に従い算出した。
官能基量[mmol/g]=(反応基質1分子あたりの硫黄原子数[個]×W[g]/反応基質分子量[g/mol])/(反応後の樹脂粒子質量)×1000
(実施例11〜15及び比較例4〜7)
吸着材50mgを、対象金属イオンの濃度が200mg/Lである0.2規定の硝酸溶液25mLに投入し、23℃にて24時間撹拌する。その後、溶液1mLをサンプリングし100mLにメスアップした後、ICP発光分析装置(日本ジャーレルアッシュ製、IRIS−AP)にて測定した金属濃度をC(mg/L)とする。以下の式より、金属吸着量を求める。
サンプル1gあたりの金属吸着量(mg/g)=(2−C)×50
(実施例16)
吸着材50mgを、対象金属イオンの濃度が200mg/Lである水溶液25mLに投入し、23℃にて24時間撹拌する。その後、溶液1mLをサンプリングし100mLにメスアップした後、ICP発光分析装置(日本ジャーレルアッシュ製、IRIS−AP)にて測定した金属濃度をC(mg/L)とする。以下の式より、金属吸着量を求める。
サンプル1gあたりの金属吸着量(mg/g)=(2−C)×50
(1)市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ製、F101)50質量部とビニルアルコール系重合体(株式会社クラレ製、PVA205)50質量部をラボプラストミルにて、210℃の温度で3分間溶融混練した後、溶融物を冷却固化させたコンパウンドを粉砕し、篩を用いて粒子径106μm〜212μmの粒子に分級した。さらに得られた粒子を100℃の熱水中で2時間攪拌してビニルアルコール系重合体のみを抽出し、多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体粒子を得た。該多孔質粒子の細孔の細孔径平均値は1.56μmであった。該多孔質粒子に30kGyのγ線を照射し、空気中で1時間放置した後、80℃窒素置換したグリシジルメタクリレートの40質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施した。その後、得られた粒子をメタノールで洗浄し乾燥した後、グラフト率を評価したところ210%であった。
イソチオウレア基導入時の塩酸量を、チオウレアに対して0.7等量としたこと以外は実施例1と同様にして、耐乾燥性の金属イオン吸着材を得た。官能基導入量は2.2mmol/g、細孔の細孔径平均値は1.51μmであった。結果を表1に示す。
イソチオウレア基導入時の塩酸量を、チオウレアに対して1.4等量としたこと以外は実施例1と同様にして、耐乾燥性の金属イオン吸着材を得た。官能基導入量は2.3mmol/g、細孔の細孔径平均値は1.50μmであった。結果を表1に示す。
(1)市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ製、F101)60質量部とビニルアルコール系重合体(株式会社クラレ製、PVA205)40質量部をラボプラストミルにて、210℃の温度で3分間溶融混練した後、溶融物を冷却固化させたコンパウンドを粉砕し、篩を用いて粒子径212μm〜425μmの粒子に分級した。さらに得られた粒子を100℃の熱水中で2時間攪拌してビニルアルコール系重合体のみを抽出し、多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体粒子を得た。該多孔質粒子の細孔の細孔径平均値は1.37μmであった。該多孔質粒子に30kGyのγ線を照射し、空気中で1時間放置した後、80℃窒素置換したグリシジルメタクリレートの40質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施した。その後、得られた粒子をメタノールで洗浄し乾燥した後、グラフト率を評価したところ407%であった。
(1)市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ製、E105)60質量部とビニルアルコール系重合体(株式会社クラレ製、PVA217)40質量部をラボプラストミルにて、210℃の温度で3分間溶融混練した後、溶融物を冷却固化させたコンパウンドを粉砕し、篩を用いて粒子径212μm〜425μmの粒子に分級した。さらに得られた粒子を100℃の熱水中で2時間攪拌してビニルアルコール系重合体のみを抽出し、多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体粒子を得た。該多孔質粒子の細孔の細孔径平均値は1.40μmであった。該多孔質粒子に30kGyのγ線を照射し、空気中で1時間放置した後、80℃窒素置換したグリシジルメタクリレートの40質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施した。その後、得られた粒子をメタノールで洗浄し乾燥した後、グラフト率を評価したところ223%であった。
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ製、F101)90質量部とビニルアルコール系重合体(株式会社クラレ製、PVA205)10質量部をラボプラストミルにて、210℃の温度で3分間溶融混練した後、溶融物を冷却固化させたコンパウンドを粉砕し、篩を用いて粒子径212μm〜425μmの粒子に分級した。さらに得られた粒子を100℃の熱水中で2時間攪拌してビニルアルコール系重合体のみを抽出し、多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体粒子を得た。該多孔質粒子の細孔の細孔径平均値は0.27μmであった。該多孔質粒子に30kGyのγ線を照射し、空気中で1時間放置した後、80℃窒素置換したグリシジルメタクリレートの40質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施した。その後、得られた粒子をメタノールで洗浄し乾燥した後、グラフト率を評価したところ274%であった。さらに、該粒子を80℃に調整したジエチレントリアミンの53質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、3時間反応させた。反応後、該粒子をメタノールで洗浄し、乾燥させることで、アミノ基を導入したグラフト共重合体を得た。さらに、該粒子を80℃に調整したイソチオシアン酸メチルの40質量%ジオキサン溶液に浸漬し、3時間反応させた。反応後、該粒子をメタノールで洗浄し、乾燥させ、篩を用いて粒子径212μm〜500μmの粒子に分級し、耐乾燥性の金属イオン吸着材を得た。官能基導入量は1.5mmol/gで、細孔の細孔径平均値は0.21μmであった。結果を表1に示す。
(1)市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ製、F101)90質量部とビニルアルコール系重合体(株式会社クラレ製、PVA205)10質量部をラボプラストミルにて、210℃の温度で3分間溶融混練した後、溶融物を冷却固化させたコンパウンドを粉砕し、篩を用いて粒子径212μm〜425μmの粒子に分級した。さらに得られた粒子を100℃の熱水中で2時間攪拌してビニルアルコール系重合体のみを抽出し、多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体粒子を得た。該多孔質粒子の細孔の細孔径平均値は0.27μmであった。該多孔質粒子に30kGyのγ線を照射し、空気中で1時間放置した後、80℃窒素置換したグリシジルメタクリレートの40質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施した。その後、得られた粒子をメタノールで洗浄し乾燥した後、グラフト率を評価したところ274%であった。
反応器に3−ブロモプロピルメタクリレート100質量部、チオ尿素31質量部、エタノール1200質量部を仕込み、加熱還流下14時間反応した。溶媒を留去し、イソプロパノール中で晶析精製し、3−(カルバミドイルチオ)プロピルメタクリレート臭化水素塩112質量部を得た。次に、市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ製、F101)80質量部とビニルアルコール系重合体(株式会社クラレ製、PVA205)20質量部をラボプラストミルにて、210℃の温度で3分間溶融混練した後、溶融物を冷却固化させたコンパウンドを粉砕し、篩を用いて粒子径212μm〜425μmの粒子に分級した。さらに得られた粒子を100℃の熱水中で2時間攪拌してビニルアルコール系重合体のみを抽出し、多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体粒子を得た。該多孔質粒子の細孔の細孔径平均値は0.43μmであった。該多孔質粒子に30kGyのγ線を照射し、空気中で1時間放置した後、80℃窒素置換した3−(カルバミドイルチオ)プロピルメタクリレート臭化水素塩の10質量%水溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施した。その後、得られた粒子を水/メタノール混合溶液で洗浄し、乾燥させ、篩を用いて粒子径300μm〜500μmの粒子に分級し、耐乾燥性の金属イオン吸着材を得た。官能基導入量は1.5mmol/g、細孔の細孔径平均値は0.40μmであった。結果を表1に示す。
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ製、F101)90質量部とビニルアルコール系重合体(株式会社クラレ製、PVA205)10質量部をラボプラストミルにて、210℃の温度で3分間溶融混練した後、溶融物を冷却固化させたコンパウンドを粉砕し、篩を用いて粒子径212μm〜425μmの粒子に分級した。さらに得られた粒子を100℃の熱水中で2時間攪拌してビニルアルコール系重合体のみを抽出し、多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体粒子を得た。該多孔質粒子の細孔の細孔径平均値は0.27μmであった。該多孔質粒子に30kGyのγ線を照射し、空気中で1時間放置した後、80℃窒素置換したグリシジルメタクリレートの40質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施した。その後、得られた粒子をメタノールで洗浄し乾燥した後、グラフト率を評価したところ274%であった。さらに、該粒子を80℃に調整したジエチレントリアミンの53質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、3時間反応させた。反応後、該粒子をメタノールで洗浄し、乾燥させることで、アミノ基を導入したグラフト共重合体を得た。さらに、該粒子を100℃に調整した水中でチオシアン酸アンモニウムと12時間反応させた。反応後、該粒子を水で洗浄し、乾燥させ、篩を用いて粒子径212μm〜500μmの粒子に分級し、耐乾燥性の金属イオン吸着材を得た。官能基導入量は1.3mmol/g、細孔の細孔径平均値は0.25μmであった。結果を表1に示す。
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ製、F101)90質量部とビニルアルコール系重合体(株式会社クラレ製、PVA205)10質量部をラボプラストミルにて、210℃の温度で3分間溶融混練した後、溶融物を冷却固化させたコンパウンドを粉砕し、篩を用いて粒子径212μm〜425μmの粒子に分級した。さらに得られた粒子を100℃の熱水中で2時間攪拌してビニルアルコール系重合体のみを抽出し、多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体粒子を得た。該多孔質粒子の細孔の細孔径平均値は0.27μmであった。該多孔質粒子に30kGyのγ線を照射し、空気中で1時間放置した後、80℃窒素置換したグリシジルメタクリレートの40質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施した。その後、得られた粒子をメタノールで洗浄し乾燥した後、グラフト率を評価したところ274%であった。さらに、該粒子を80℃に調整したエチレンジアミンの50質量%イソプロパノール
溶液に浸漬し、3時間反応させた。反応後、該粒子をメタノールで洗浄し、乾燥させることで、アミノ基を導入したグラフト共重合体を得た。さらに、該粒子を20℃に調整した10質量%水酸化ナトリウム水溶液中で二硫化炭素と2時間反応後、ブチルアミンを添加し、40℃で1時間反応させた。反応後、該粒子をメタノールで洗浄し、乾燥させ、篩を用いて粒子径212μm〜500μmの粒子に分級し、耐乾燥性の金属イオン吸着材を得た。官能基導入量は1.2mmol/g、細孔の細孔径平均値は0.22μmであった。結果を表1に示す。
実施例1で得られた金属イオン吸着材を用い、Ptの吸着量を評価した。結果を表2に示す。
実施例2で得られた金属イオン吸着材を用い、Ptの吸着量を評価した。結果を表2に示す。
実施例3で得られた金属イオン吸着材を用い、Ptの吸着量を評価した。結果を表2に示す。
実施例9で得られた金属イオン吸着材を用い、Pdの吸着量を評価した。結果を表2に示す。
実施例9で得られた金属イオン吸着材を用い、Agの吸着量を評価した。結果を表2に示す。
実施例9で得られた金属イオン吸着材を用い、Hgの吸着量を評価した。結果を表2に示す。
(1)市販のポリエチレン(株式会社プライムポリマー製 7000F)を粉砕した後、篩を用いて粒子径212μm〜425μmの粒子に分級した。該粒子に30kGyのγ線を照射し、空気中で1時間放置した後、80℃窒素置換したグリシジルメタクリレートの40質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施した。その後、得られた粒子をメタノールで洗浄し乾燥した後、グラフト率を評価したところ7%であった。
市販のビニルアルコール系重合体(株式会社クラレ製、PVA117)を粉砕した後、篩を用いて粒子径212μm〜425μmの粒子に分級した。該粒子に30kGyのγ線を照射し、空気中で1時間放置した後、80℃窒素置換したグリシジルメタクリレートの40質量%イソプロパノール溶液に浸漬し、90分攪拌しグラフト重合を実施した。その後、得られた粒子をメタノールで洗浄し乾燥した後、グラフト率を評価したところ0%であり、グラフト重合は全く進行していなかった。
市販のビニルアルコール系重合体(株式会社クラレ製、PVA117)90質量部とビニルアルコール系重合体(株式会社クラレ製、PVA205)10質量部をラボプラストミルにて、230℃の温度で3分間溶融混練した後、溶融物を冷却固化させたコンパウンドを粉砕し、篩を用いて粒子径212μm〜425μmの粒子に分級した。さらに得られた粒子を100℃の熱水中で2時間攪拌したところ、そのほとんどが溶解してしまい、粒子を取り出すことができなかった。
比較例1で得られた金属イオン吸着材を用い、Ptの吸着量を評価した。結果を表2に示す。
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ製、F101)を粉砕した後、篩を用いて粒子径425μm〜710μmの粒子に分級し、Ptの吸着量及を評価した。結果を表2に示す。
金属イオン吸着材として、キレート樹脂(味の素ファインテクノ社製、MA−A)を室温にて12時間真空乾燥させた後、Ptの吸着量を評価した。結果を表2に示す。
金属イオン吸着材として、キレート樹脂(Purolite International社製、Purolite S920)を室温にて12時間真空乾燥させた後、Ptの吸着量を評価した。結果を表2に示す。
Claims (9)
- エチレン−ビニルアルコール系共重合体を基材とし、該基材にチオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の少なくともいずれか1つの構造を有するグラフト鎖が導入されたグラフト共重合体。
- 請求項1に記載のグラフト共重合体において、前記エチレン−ビニルアルコール系共重合体に対するチオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の導入量が1.0mmol/g以上であるグラフト共重合体。
- 請求項1または請求項2に記載のグラフト共重合体において、前記グラフト共重合体は、粒子径が10μm〜2000μmの粒子状であるグラフト共重合体。
- 請求項3に記載のグラフト共重合体において、前記グラフト共重合体の粒子の表面に、0.01μm〜50μmの平均細孔径を有する細孔が形成されているグラフト共重合体。
- 基材としてエチレン−ビニルアルコール系共重合体を準備する工程(工程A)と、
前記エチレン−ビニルアルコール系共重合体に対して、チオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の少なくともいずれか1つの構造を有するグラフト鎖を導入し、チオウレア構造もしくはイソチオウレア構造の少なくともいずれか1つの構造を有するグラフト鎖が導入されたグラフト共重合体を得る工程(工程B)と、を備える、グラフト共重合体の製造方法。 - 請求項5に記載の製造方法において、前記グラフト鎖が、電離放射線を用いた放射線グラフト重合にて導入されるグラフト共重合体の製造方法。
- 請求項5または6に記載の製造方法において、工程Aにおいて準備される前記エチレン−ビニルアルコール系共重合体が多孔質なエチレン−ビニルアルコール系共重合体であるグラフト共重合体の製造方法。
- 請求項5〜7のいずれか一項に記載のグラフト共重合体の製造方法において、前記工程Aが、エチレン−ビニルアルコール系共重合体と水溶性ポリマーとを溶融混合し、混合された溶融物を冷却固化させることにより、エチレン−ビニルアルコール系共重合体と水溶性ポリマーとを含む複合体を得る工程と、前記複合体から水溶性ポリマーを抽出する工程と、を有する、グラフト共重合体の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載のグラフト共重合体を用いてなる金属イオン吸着材。
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