JP6165349B2 - アゾジカルボンアミドの新規製造法 - Google Patents

アゾジカルボンアミドの新規製造法 Download PDF

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Description

本発明は、尿素活性誘導体及び構造を利用して、アゾジカルボンアミドを得る製造方法に関する。
アゾジカルボンアミドは、その分解挙動や、物理的性質、化学的性質に優れるという観点から、発泡剤として広く用いられている有用な化合物である。
最も一般的に実施されている従来の製造方法は、下記反応式(1)で表されるように、尿素又はアンモニアを原料にして製造されるヒドラジンヒドラートと、2モルの尿素との反応を含む数段階の反応でアゾジカルボンアミドを製造する方法である(特許文献1)。この従来の製造法は、目的物アゾジカルボンアミドの分子構造に貢献しない、原料の無駄な消費が生じ、コストアップの原因になっている。また、副生する大量のアンモニアや、地球温暖化の原因となる炭酸ガスの発生も問題である。さらに、この方法では、塩素化剤や酸化剤、あるいは強酸や重金属触媒などを使用するため、廃棄物として多量の塩類や酸、重金属、アンモニア性窒素などを含有する大量の排水が発生する。これらを廃棄する為には処理が必要であることから、大きな処理費用が掛かり、製品コストのアップとなる上、公害の原因となるおそれがあることから、処理を行っても廃棄することが不可能な場合もある。
最近発表された文献では、(特許文献4)尿素から有機電解合成法と言う特殊な方法で特殊な装置を使用して、尿素の構造式とアゾジカルボンアミド(ADCA)の構造式とは全く異なるにも関わらず尿素からいきなりADCAが生成すると記載されている。尿素から他の原料と反応して各種反応中間体生成し、目的物のADCAを得なければ非論理的である。エネルギー収率においても、直接の反応に要する電気エネルギーを計算すると非常に電気エネルギー収率の悪い大量電気エネルギーを無駄に消費する問題点を有する。詳細については、後の項目で示す。
Figure 0006165349
現在実用化されているアゾジカルボンアミドの製造法は、40年以上前に開発された技術であり、その後大きな技術革新が行われていない。比較的最近特許で開示された技術として、上記反応式1のアミノイソシアネート(式(3)で表される化合物)を加圧アンモニア分解してセミカルバジッド(式(5)で表される)を得る方法が報告されている(特許文献2)。しかし、1工程が短縮されるだけであり、その為に加圧容器中での大過剰の液体アンモニアを使用する必要があり、高圧反応の危険性がある。また、高圧反応容器を必要とする。さらに、過剰の液体アンモニアの回収、等量の塩化アンモニウムの副生等の問題もあるため、生産の合理化にも、経済性の革新にもならない。総合的には逆効果である。
本発明において使用される原料又は中間体として使用されるクロル尿素、ブロム尿素の製造法については、(特許文献1)の他に(特許文献3)に記載されている。
最近発表された文献では、(特許文献4)尿素から有機電解合成法と言う特殊な方法と特殊な装置を使用して、反応の実態が全く解明されていない内容である。一般の種々の問題点、欠点については、既に背景技術の項で指摘されている。原料と全く異なる目的物が一挙に中身不明で出来るという特許である事、特殊装置、特殊技術が必要である事、複雑な組成の原材料で連続のリサイクル反応を行わないと目的物を得る事が出来ない。更に原料を大過剰に使用する為原料のリサイクル使用が必須である。副反応、それからの不純物等の予測が付くが、これ等の除外、精製の説明も無い。製造法全体の評価は別として、本特許文献で示す純粋な化学反応のみの消費エネルギーの評価結果を以下に示す。最大の問題は、製造に必要な他のエネルギーは除外して検討すると、電解法であるから電解反応のみに必要なエネルギーは、電気エネルギーである。大量の電気エネルギーを反応の為消費するので、化学原料と同時に電気エネルギーも原料と見なされる。今日使用される電気エネルギーの単位は、ファラデーではなく、クーロンで示される。特許文献(4)の実施例1の内容を検証すると、実施例(1)で消費された(反応に使用された)電気量は、電流×時間(秒単位)(クーロン)で表される。1.5cm(電極面積)×66.7×10−3(A/cm)(電流密度)×5.4×3600秒(5.4時間)=1944.97クーロンである。目的物(ADCA)の収量は純度100%と仮において、0.32gである。アゾジカルボンアミド(ADCA)の分子量は、116である。故に得られたADCAは、0.32÷116=0.00276molである。特許文献中の化学式(8)で1molのADCAを得る為、4電子molが必要と記載されている。クーロンの法則から1mol=96500クーロンで、実質目的物の獲得の為使用された対応電気量は、純度100%と仮定しても266.34クーロン×4=1065.36クーロンである。よって電気収率は、1065.36クーロン(目的物の生成に消費された理論電気量)÷1944.97クーロン(実質消費された電気量)=54.77%である。100%純度のADCAが得られた訳ではなく、分離時におけるロス等も勘案すると、この収率から相当低下する。約50%の非常に電力効率の悪い反応であり、電気エネルギーの塊と言える。電気エネルギーの浪費と言える。社会の流れとして再生可能エネルギーからの発電の要請で電気コストが上がって行く時代である。この特許文献の方法は、製造に高価な電気を大量に浪費する大きな問題点を有していて、経済的に有利な方法、時代の要請に応える方法とは言えない。
米国特許第2799631号明細書 特許第2952712号公報 国際公開番号WO2012/038954 国際公開番号WO2012/147953
本発明は、アゾジカルボンアミドの、簡便で安全かつ環境負荷の軽減された画期的な製造方法を提供することを課題とする。
本発明者等は、上記の課題を解決するために、簡便かつ効率の良い、活性尿素誘導体及び尿素の活性構造と尿素を反応する方法について、鋭意研究を行った。その結果、水又は有機溶媒又はイオン液体、及び有機溶媒又は、及びイオン液体と水との均一系又は不均一な混合系において、反応機構の解析から、論理的な製法として、常圧下で活性尿素誘導体及び尿素の活性構造と尿素の反応を行うことにより、特殊な有機電解装置や微妙なるその運転条件、反応系を常時細かな調整を行う必要がなく、又爆発の危険がある水素の発生がなく、電極間の短絡ショート発火、爆発の危険性の無い、大量、安価に生産されている汎用の工業薬品の過酸化水素や過酸化物、オゾン等の酸化剤とハロゲン酸又はハロゲン塩との組み合わせ使用した、又特殊な装置を新たに製作する事無く、通常の化学製品の生産に係わっている誰でもが容易に運転が出来、現在使用されているプラントをそのまま使用が出来る、実用的で工業的に有利な、環境負荷軽減効果の大きく、省エネルギーなアゾジカルボンアミドの製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
課題を解決するための手段の詳細な説明
本発明は、下記項1〜13に係るアゾジカルボンアミドの製造方法を提供する。
項1:式(1)で表される尿素を、水又は有機溶媒又はイオン液体、及び有機溶媒又は、及びイオン液体と水との均一系又は不均一な混合系において式(10)で表される化合物を使用して、式(10)で表される化合物が、化学的に非常に活性である事から、即時に脱HBr反応を生じて式(7)の化合物に変換することを特徴とするアゾジカルボンアミド式(7)の新規製造方法。
項2:式(1)で表される尿素を、水又は有機溶媒又はイオン液体、及び有機溶媒又は、及びイオン液体と水との均一系又は不均一な混合系において酸性条件下式(9)で表されるブロム尿素活性遷移中間体に尿素分子を反応させる事によって式(10)の化合物を得る。式(10)の化合物は、化学的に活性であり即時に脱HBr反応を生じて式(7)の化合物に変換することを特徴とするアゾジカルボンアミド式(7)の新規製造方法。
項3:式(1)で表される尿素を、水又は有機溶媒又はイオン液体、及び有機溶媒又は、及びイオン液体と水との均一系又は不均一な混合系において、尿素から酸性条件下ブロム化剤又はブロム化方法により式(8)で表されるN−ブロム尿素を生成し、次いでブロム原子が結合するNH基の活性ブロム化合物又は、及び過酸化水素由来活性体による求電子酸化によりブロム尿素活性遷移中間体式(9)を得て、同時に尿素分子が反応し式(10)の化合物を得る。式(10)の化合物は、化学的に活性であり、即時に脱HBr反応を生じて式(7)の化合物に変換することを特徴とするアゾジカルボンアミド式(7)の新規製造方法。
項4:式(1)で表される尿素を、水又は有機溶媒又はイオン液体、及び有機溶媒又は、及びイオン液体と水との均一系又は不均一な混合系において酸性条件下塩素化反応を行い式(11)の化合物を得る。式(11)のモノクロル尿素(N−クロル尿素Na塩を含む)をブロム化剤又はブロム化方法により式(8)で表されるN−ブロム尿素を得る。次いでブロム原子が結合するNH基の活性ブロム化合物又は、及び過酸化水素由来活性体による求電子酸化によりブロム尿素活性遷移中間体式(9)を得て、同時に尿素分子が反応し式(10)の化合物を得る。式(10)の化合物は、化学的に活性であり、即時に脱HBr反応を生じて式(7)の化合物に変換することを特徴とするアゾジカルボンアミド式(7)の新規製造方法。
項5:式(1)で表される尿素を、水又は有機溶媒又はイオン液体、及び有機溶媒又は、及びイオン液体と水との均一系又は不均一な混合系において、尿素から酸性条件下ブロム化剤又はブロム化方法により式(8)で表されるN−ブロム尿素を生成し、次いでブロム原子が結合するNH基の求電子酸化を電解反応により2電子酸化してプロトンとして脱離して、ブロム尿素活性遷移中間体式(9)とする。同時に尿素分子が反応し式(10)の化合物を得る。式(10)の化合物は、化学的に活性であり、即時に脱HBr反応を生じて式(7)の化合物に変換することを特徴とするアゾジカルボンアミド式(7)の新規製造方法。
項6:式(1)で表される尿素を、水又は有機溶媒又はイオン液体、及び有機溶媒又は、及びイオン液体と水との均一系又は不均一な混合系において、電解反応を利用する場合、支持電解質として臭化水素、ブロム塩と塩化水素、塩化物塩の混合物を使用して酸性条件下2電子酸化してブロムカチオンを生成させて式(8)で表されるN−ブロム尿素を生成し、次いでブロム原子が結合するNH基の求電子酸化を電解反応により2電子酸化してプロトンとして脱離して、ブロム尿素活性遷移中間体式(9)とする。同時に尿素分子が反応し式(10)の化合物を得る。式(10)の化合物は、化学的に活性であり、即時に脱HBr反応を生じて式(7)の化合物に変換することを特徴とするアゾジカルボンアミド式(7)の新規製造方法。
項7:式(1)で表される尿素を、水又は有機溶媒又はイオン液体、及び有機溶媒又は、及びイオン液体と水との均一系又は不均一な混合系において、尿素から酸性条件下ブロム化剤又はブロム化方法により式(8)で表されるN−ブロム尿素を生成し、又は必要に寄っては、尿素から酸性条件下塩素化剤又は塩素化方法により、式(11)で示されるクロル尿素(N−クロル尿素Na塩を含む)を生成し、次いでブロム化剤又はブロム化方法により式(8)で表されるN−ブロム尿素を生成し、次いで電解反応を利用して支持電解質として臭化水素、ブロム塩と塩化水素、塩化物塩の混合物を使用して2電子酸化してブロムカチオンを生成させて式(8)で表されるN−ブロム尿素を生成し、次いでブロム原子が結合するNH基の求電子酸化を電解反応により2電子酸化してプロトンとして脱離して、ブロム尿素活性遷移中間体式(9)とする。同時に尿素分子が反応し式(10)の化合物を得る。式(10)の化合物は、化学的に活性であり、即時に脱HBr反応を生じて式(7)の化合物に変換することを特徴とするアゾジカルボンアミド式(7)の新規製造方法。
項8:式(1)で表される尿素を、水又は有機溶媒又はイオン液体、及び有機溶媒又は、及びイオン液体と水との均一系又は不均一な混合系において、酸性条件下臭化水素、ブロム塩と塩化水素、塩化物塩の混合物を使用してこれに過酸化水素等の過酸化物を滴下する事によって臭素を発生させる。発生、変換された臭素、次亜臭素酸、次亜臭素酸塩によって式(1)で表される尿素がブロムカチオンによって2電子酸化されて式(8)で表されるN−ブロム尿素を生成し、次いでブロム原子が結合するNH基の活性ブロム化合物又は、及び過酸化水素由来活性体による求電子酸化によりブロム尿素活性遷移中間体式(9)を得て、同時に尿素分子が反応し式(10)の化合物を得る。式(10)の化合物は、化学的に活性であり、即時に脱HBr反応を生じて式(7)の化合物に変換することを特徴とするアゾジカルボンアミド式(7)の新規製造方法。
項9:式(1)で表される尿素を、水又は有機溶媒又はイオン液体、及び有機溶媒又は、及びイオン液体と水との均一系又は不均一な混合系において、酸性条件下有機ブロム化剤及びブロム‐ジオキサン錯体を酸化剤、活性臭素化化合物発生剤として、尿素がブロムカチオンによって2電子酸化されて式(8)で表されるN−ブロム尿素を生成し、次いでブロム原子が結合するNH基の活性ブロム化合物又は、及び過酸化水素由来活性体による求電子酸化によりブロム尿素活性遷移中間体式(9)を得て、同時に尿素分子が反応し式(10)の化合物を得る。式(10)の化合物は、化学的に活性であり、即時に脱HBr反応を生じて式(7)の化合物に変換することを特徴とするアゾジカルボンアミド式(7)の新規製造方法。
項10:水又は有機溶媒又はイオン液体、及び有機溶媒又は、及びイオン液体と水との均一系又は不均一な混合系において、原料として尿素の臭化水素、塩化水素等のハロゲン酸塩を用いて、酸性条件下これに過酸化水素等の過酸化物を滴下する事によって塩素又は、及び臭素を発生させる。発生、変換された塩素、次亜塩素酸、次亜塩素酸塩、臭素、次亜臭素酸、次亜臭素酸塩によって式(1)で表される尿素がクロル化、ブロム化される事を特徴とする項1から項9までのアゾジカルボンアミドの新規製造方法
項11:原料に尿素及び尿素の塩の混合物を使用する項1から項10の方法から対応する項の方法を取る事を特徴とするアゾジカルボンアミド式(7)の新規製造方法。
項12:酸性条件下、大過剰の尿素を使用し、過酸化水素等の過酸化物を使用する場合、PH=3以下の酸性条件で、20〜80℃の温度で反応を行う。中間体を電解酸化する場合、電解反応時は−25〜60℃の間で反応を行う、反応方法、条件に合わせて酸性度、温度選択、過酸化物選択を行う事を特徴とする項1から項11までのアゾジカルボンアミドの新規製造方法。
項13:過酸化水素等の過酸化物を酸化剤にしてハロゲン及びハロゲン化合物を使用する場合、セリウム化合物、バナジウム化合物、セレン化合物、テルル化合物、遷移金属化合物及びフッ化アルミニウム等の水に安定な強ルイス酸を触媒とする事、またギ酸、酢酸等の酸を使用する事を特徴とする項1から項12までのアゾジカルボンアミド式(7)の新規製造方法。
Figure 0006165349
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[式中、Mは、水素及びLi、Na、K、Mg、Ca、Mn、Fe、Ni、Cu、Ag、Zn、Snよりなる群から選択される1〜4価の金属を示す。Xは塩素原子及び臭素原子を示す。mは1〜4の整数を示す。]及び過酸化水素、オゾン、過酸化物を示す。
Figure 0006165349

[式中、Mは、水素、Li、Na、K、Mg、Ca、Ti、Zr、Mn、Fe、Ni、Cu、Ag、Zn、Al、Si、Sn等の金属イオン、式(13)で表される化合物のカチオン部分はH及びアンモニウムイオン、第1級アンモニウムイオン、第2級アンモニウムイオン、第3級アンモニウムイオンを示し、Xは、ハロゲンアニオン及び有機ブロム化剤アニオン成である]及びヨウ素分子、臭素分子、塩素分子、クロル臭素を示す。
本発明は、式(1)で表される尿素から、式(7)で表されるアゾジカルボンアミドを1工程で直接得る、効率的な製造方法である。水又は有機溶媒又はイオン液体、及び有機溶媒又は、及びイオン液体と水との均一系又は不均一な混合系で行われることから、簡便で安全且つ安価で環境負荷の小さい製造方法である。また、生成するアゾジカルボンアミドが固体として析出するため、分離・精製も容易である。さらに、反応で使用する式(12)〜(13)で表される化合物、ハロゲン化水素又はハロゲンと未反応の尿素とを含む水溶液を、そのまま循環・再利用できることから、ほとんど廃棄物を系外に排出することがなく、環境負荷の少ない製造方法である。式(1)の尿素は尿素の塩酸塩、臭素酸塩、その他の塩であっても良く、ハロゲン化を行う為使用するハロゲン化水素又はハロゲン塩は、反応を行う尿素に対しての量である。酸化剤として使用する過酸化物等が使用出来るが、過酸化水素は、最終水となる為、副生物、廃棄物の生成が無い。また、電解方法を取る場合、ガス拡散電極を使用すれば、水素の発生もなく、消費電力の抑制が可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、水又は有機溶媒又はイオン液体、及び有機溶媒又は、及びイオン液体と水との均一系又は不均一な混合系で、酸性条件下尿素又は尿素の塩の活性ハロゲンによる又は、及び活性ブロム化合物又は、及び過酸化水素由来活性体酸化反応を行うことにより、又はクロル尿素やブロム尿素の中間体を電解酸化を行う事により、副生したハロゲン化水素及びハロゲン塩は循環使用され、廃棄物の出ないアゾジカルボンアミドを製造する方法であり、下記の反応式で表される。
Figure 0006165349

前記化学反応は、水又は有機溶媒又は、及びイオン液体、及び有機溶媒又は、及びイオン液体と水との均一系又は不均一な混合系で、式(1)で表される尿素又はその塩を、酸性条件下式(12)で表される化合物、式(13)で表される化合物から調整された塩素化剤又はブロム化剤と反応させ、複製した塩化水素又は塩化物塩及び臭化水素又は臭化水素塩を副生物が生じない過酸化水素等の酸化剤を使用してリサイクル使用する。化合物(11)又は化合物(8)を活性ブロム化合物又は、及び過酸化水素由来活性体によるか又は電解で2分子の尿素を理論的には四電子酸化することにより進行する。活性ブロム化合物及び過酸化水素由来活性体とは、当該技術分野において公知である化合物、化学種を含むが、特定の化合物、化学種に限定されるものではない。本反応において、酸性条件下では、塩化水素、臭化水素、塩素、臭素、次亜塩素酸、次亜臭素酸と過酸化水素とは相互に相関反応を生じ、競争反応が生じる。又これ等化合物は、尿素に配位し錯体を生じて反応を複雑にする。上記のハロゲン系化合物を酸性条件下、過酸化水素又はその活性体が作用した場合、活性ブロム化合物が生じる。逆に酸性条件下、過酸化水素及びその活性体に上記ハロゲン化合物が作用した場合、過酸化水素由来活性体が生じる。それぞれの活性体の生成を助けるのが、テルル化合物、バナジウム化合物、セリウム化合物、セレン化合物、遷移金属化合物及びフッ化アルミニウム等を担持した水に安定な強ルイス酸およびギ酸、酢酸等の化合物である。活性ブロム化合物及び/又は過酸化水素由来活性体は、ブロム尿素を酸化してブロム尿素活性遷移中間体を形成する化合物、化学種であれば良く、それらに属する多々の化合物、化学種が存在するが、特に特定の化合物、化学種に限定されるものでは無い。
Figure 0006165349

[式中、Mは、水素及びLi、Na、K、Mg、Ca、Mn、Fe、Ni、Cu、Ag、Zn、Snよりなる群から選択される1〜4価の金属を示す。Xは塩素原子及び臭素原子、ヨウ素原子を示す。mは1〜4の整数を示す。]及び過酸化水素、オゾン、過酸化物を示す。
式(12)で表される化合物としては、例えば、次亜塩素酸、次亜塩素酸リチウム、亜塩素酸、亜塩素酸リチウム、塩素酸、塩素酸リチウム、過塩素酸、過塩素酸リチウム、次亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸ナトリウム、塩素酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、亜塩素酸カリウム、塩素酸カリウム、過塩素酸カリウム、次亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸カルシウム、塩素酸カルシウム、過塩素酸カルシウム、次亜塩素酸マグネシウム、亜塩素酸マグネシウム、塩素酸マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、次亜臭素酸、次亜臭素酸リチウム、亜臭素酸、亜臭素酸リチウム、臭素酸、臭素酸リチウム、過臭素酸、過臭素酸リチウム、次亜臭素酸ナトリウム、亜臭素酸ナトリウム、臭素酸ナトリウム、過臭素酸ナトリウム、次亜臭素酸カリウム、亜臭素酸カリウム、臭素酸カリウム、過臭素酸カリウム、次亜臭素酸カルシウム、亜臭素酸カルシウム、臭素酸カルシウム、過臭素酸カルシウム、次亜臭素酸マグネシウム、次亜沃素酸、次亜沃素酸リチウム、亜沃素酸、亜沃素酸リチウム、沃素酸、沃素酸リチウム、過沃素酸、過沃素酸リチウム、次亜沃素酸ナトリウム、亜沃素酸ナトリウム、沃素酸ナトリウム、過沃素酸ナトリウム、次亜沃素酸カリウム、亜沃素酸カリウム、過沃素酸カリウム、次亜沃素酸カルシウム、亜沃素酸カルシウム、沃素酸カルシウム、過沃素酸カルシム、次亜沃素酸マグネシウム、亜沃素酸マグネシウム、沃素酸マグネシウム、過沃素酸マグネシウム等の次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、ハロゲン酸、過ハロゲン酸、及びこれらの塩及び過酸化水素、オゾン、過酸化物を挙げることができる。式(12)で表される化合物は、活性ブロム化合物及び/又は過酸化水素由来活性体を発生させるために使用することができる。活性ブロム化合物は、反応系中で発生する化合物等を含み、例えば、ブロムカチオン、ブロムカチオンラジカル、ブロムラジカル、塩化臭素、臭素錯体(例えば、ジオキサン錯体)等が挙げられる。また、過酸化水素由来活性体としては、反応系中で発生する化合物等を含み、例えば、OHカチオン、OHラジカル、OOHラジカル、1重項酸素、OOHアニオン、OOHカチオン、スーパーオキサイド、スーパーオキサイドアニオン、スーパーオキサイドアニオンラジカル、ペルオキシラジカル、ヒドロペルオキシルラジカル等挙げられる。
式(12)で表される化合物としては、好ましくは、次亜塩素酸、次亜臭素酸、次亜塩素酸ナトリウム、塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、塩素酸カリウム、次亜塩素酸カルシウム、塩素酸カルシウム、次亜塩素酸マグネシウム、塩素酸マグネシウム、次亜臭素酸、次亜臭素酸ナトリウム、臭素酸ナトリウム、次亜臭素酸カリウム、臭素酸カリウム、次亜臭素酸カルシウム、臭素酸カルシウム、次亜臭素酸マグネシウム、臭素酸マグネシウム、次亜沃素酸、次亜沃素酸ナトリウム、沃素酸ナトリウム、次亜沃素酸カリウム、沃素酸カリウム、次亜沃素酸カルシウム、沃素酸カルシウム、次亜沃素酸マグネシウム、沃素酸マグネシウム等及び過酸化水素、オゾン、過酸化物挙げることができるが、これ等の化合物に限定されるものではない。
Figure 0006165349

(式中、Mは、水素、Li、Na、K、Mg、Ca、Mn、Fe、Ni、Cu、Ag、Zn、Snよりなる群から選択される1〜4価の金属を示す。及びH及びアンモニウムイオン、第1級アンモニウムイオン、第2級アンモニウムイオン、第3級アンモニウムイオン及びハロゲンカチオンを示し、Xは、ハロゲンアニオン及び有機ブロム化剤アニオン成分である。及び臭素分子、塩素分子、クロル臭素を示す。)
式(13)のXにおけるハロゲンとしては、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
式(13)で表される化合物としては、例えば、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化銅、塩化マグネシウム、塩化鉄、塩化亜鉛、塩化ニッケル、塩化錫、塩化銀、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化カルシウム、臭化銅、臭化マグネシウム、臭化鉄、臭化マンガン、臭化亜鉛、臭化ニッケル、臭化錫、臭化銀、沃化リチウム、沃化ナトリウム、沃化カリウム、沃化カルシウム、沃化銅、沃化マグネシウム、沃化鉄、沃化マンガン、沃化亜鉛、沃化ニッケル、沃化錫、沃化銀、塩化アンモニウム、モノメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアンモニウムクロライド、トリメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、臭化アンモニウム、モノメチルアンモニウムブロマイド、ジメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムブロマイド等の置換基を有しても良いアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基等を有する第1級、第2級、第3級、第4級アンモニウム塩等、含窒素化合物、含窒素環状化合物のハロゲン化水素塩及び塩素、臭素、クロル臭素及び有機ハロゲン化剤であるジブロモイソシアヌル酸、N−ブロモスクシンイミド、ベンジルトリメチルアンモニウムトリブロマイド、ボロントリブロマイド、ピリヂニウムブロマイドパーブロマイド、1−ブチル−3−メチルイミダゾールトリブロマイド、トリフェニルホスフィンヂブロマイド、ベンジルトリメチルテトラクロロよう素酸塩、ベンゼンスルホンクロラミドナトリウム、N−クロロサクシンイミド、シヌル酸クロリド、N−クロロフタルイミド、オギザリルクロリド、メタンスルホニルクロリド等が挙げられる。式(13)で表される化合物は、活性ブロム化合物及び/又は過酸化水素由来活性体を発生させるために使用することができる。活性ブロム化合物及び/又は過酸化水素由来活性体を発生させるために使用することができる。活性ブロム化合物は、反応系中で発生する化合物等を含み、例えば、ブロムカチオン、ブロムカチオンラジカル、ブロムラジカル、塩化臭素、臭素錯体(例えば、ジオキサン錯体)等が挙げられる。また、過酸化水素由来活性体としては、反応系中で発生する化合物等を含み、例えば、OHカチオン、OHラジカル、OOHラジカル、1重項酸素、OOHアニオン、OOHカチオン、スーパーオキサイドアニオン、スーパーオキサイドアニオンラジカル、ペルオキシラジカル、ヒドロペルオキシルラジカル等挙げられる。
式(13)で表される化合物としては、好ましくは、塩化水素、臭化水素、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化鉄、塩化銅、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化カルシウム、臭化マグネシウム、臭化亜鉛、臭化銅、沃化リチウム、沃化ナトリウム、沃化カリウム、沃化銅、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、塩素、臭素、ヨウ素、クロル臭素、ジブロモイソシアヌル酸、N-ブロモスクシンイミド等を挙げることができるが、特にこれらの化合物に限定されるものではない。
式(13)のXにおけるハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
また、上記ハロゲン化水素としては、例えば、塩化水素、臭化水素、沃化水素が挙げられる。
また、上記ハロゲンとしては、例えば、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。塩素、臭素、ヨウ素、塩素系化合物、臭素系化合物、ヨウ素系化合物を使用して酸化を行う場合、テルル化合物、バナジウム化合物、セリウム化合物、セレン化合物、遷移金属化合物及びフッ化アルミニウム等を担持した水に安定な強ルイス酸を触媒としての使用およびギ酸、酢酸等の酸の使用は効果的である。特にこれに限定されるものではない。
水又は有機溶媒又はイオン液体、及び有機溶媒又は、及びイオン液体との均一系又は不均一な混合系中に、原料である尿素を0.5〜50mol/Lの濃度で含むことが好ましい。好ましくは、2〜30mol/Lの濃度である。特にこれに限定されるものではない。
尿素の濃度は、温度に対する溶解度とブロム系酸化剤との比率に影響されるが、基本的には、高濃度、大量の尿素の存在が好ましい。ハロゲン系酸化剤等の化合物の尿素に対するモル比率では、活性中間遷移化合物ブロム尿素カチオン(化合物9)が生成した時に、その周囲を尿素で包まれた状態が好ましく、その為に尿素1モルに対してハロゲン系酸化剤等の化合物は、0.01〜0.45モル比であるが、好ましくは、0.05〜0.3モル比である。実質の酸化剤である過酸化水素は、これ等数値に対応する。しかし特にこれに限定されるものではない。
本発明の一連の反応は、中間体を分離する必要がない。必要があれば式(8)、式(11)で表される化合物は、分離、貯蔵が可能であり、他の誘導体への原料として利用する事も可能である。
本発明の一連の反応の温度は、ハロゲンアニオンを過酸化水素等の酸化剤でハロゲン分子、ハロゲンカチオン、活性ハロゲン種に変換する場合、及び過酸化水素活性物質の生成の為には、余り低温では、塩の溶解度が低くなる問題及び過酸化水素等の酸化剤の活性の低下となる。−200〜100℃で行われるが、好ましくは、−10〜70℃である。反応中間体、反応活性中間体の安定性、反応性の兼ね合わせから反応条件に合わせて温度調整を行う事が望ましい。しかし尿素の水溶液は、凝固点が大きく低下する。中間体に電解法を適用する場合、電解時の発熱から活性中間体の分解、副反応の抑制の為、低温で反応する事が望ましい。−50〜100℃で行われるが、好ましくは、−20〜40℃である。更に低温で反応を行う事も可能である。又有機溶剤又はイオン液体との均一混合系においても低温で反応を行う事が出来る。特にこれに限定されるものではない。
また、本発明において使用され得る有機溶剤としては、ジクロルエタン、四塩化炭素、クロルベンゼン等のハロゲン系溶剤類、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン等の鎖状又は環状のアルカン類、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、メチル−t−ブチルエーテル、メチルシクロペンチルエーテル等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、DMF、DMSO、HEMPA、リン酸トリブチル、1,3−ジメチルイミダゾリン等の極性溶媒類等を挙げる事が出来る。またイオン液体については、カチオン成分として、置換基を有しても良いイミダゾールニウム類、第4級アンモニウム類、置換基を有しても良いピリジニウム類、ホスフォニウム類、置換基を有しても良いピロリジニウム類、スルホニウム類、アニオン成分としては、4フッ化ホウ素、6フッ化リン、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ビストリフルオロメタンスルホンイミド、アルキルスルホン酸、酢酸、硝酸、塩素、臭素等のアニオンを挙げる事が出来る。これ等カチオン成分とアニオン成分との塩をイオン液体の例として挙げる事が出来る。特にこれ等に限定されるものではない。水、有機溶媒、イオン液体単独の使用であっても良い。又これ等の組み合わせであっても良い。上記溶媒および各溶媒の組合せ溶剤系において、尿素を含む溶液は、均一相であっても不均一相(液相分離状況)であってもよい。水と有機溶媒との混合溶媒を使用する場合、不均一系の場合は、原料および各種試薬は、主に水層に溶解しており、均一系の場合は、有機溶剤に含まれる水に原料及び各種試薬が主に溶解している。尿素及び塩類が全く溶解しない溶媒系においては、尿素及び塩類を極力微粒子にして溶剤に分散している事が重要である。
本合成反応においては、添加した原料の尿素を、反応時間内に全て反応させる必要はなく、むしろ大過剰の尿素が活性中間体の周囲に存在する方が式(10)で示される化合物が生じやすく、収率を上げる効果がある。反応で直接生成するアゾジカルボンアミドの固体を連続的に分離し、尿素、ハロゲン化剤、反応促進剤を含有する溶液をリサイクルし、必要に応じて、尿素、ハロゲン化剤、反応促進剤を添加して液組成を調整しながら循環させる製造方法とすることもできる。基本的には、ハロゲン化剤は、反応後ハロゲン化水素又はハロゲン塩になっているが、過酸化水素等の過酸化物でハロゲンに再生されるので、特に過酸化水素を使用する場合は、酸化副生物が少量の水であり、微量に生成する副生物の蓄積からリサイクルの限界まで液組成の調整は必要がない。
すなわち、ろ液として回収される未反応の尿素および式(12)〜(13)で表される化合物、副生のハロゲン化水素又はハロゲン化塩より選択される化合物と、消費した尿素及び前記化合物を適宜追加して濃度を調整した水又は有機溶媒又はイオン液体、及び有機溶媒又は、及びイオン液体と水との均一系又は不均一な混合系を、再び反応溶液として用いることができる。これらの処理により、最も高い尿素の反応転換率が達成できる、尿素又は尿素塩の濃度、反応混合液の反応槽での撹拌速度、反応温度、過酸化水素等の酸化剤の添加速度、反応促進剤濃度等の条件で、反応系をリサイクルすることが可能である。
電解反応の利用又は組み合わせ利用する場合、本電解反応は、定電圧電解でも定電流電解でもよい。また、電解方法として、無隔膜、隔膜、イオン交換膜の何れの方法も可能である。さらに、これら電解装置の陰極にガス拡散電極を設置することも可能である。
本発明の電解における陽極としては、金属系電極、炭素系電極およびこれらの複合化電極を用いることができる。
陽極材料としては、金、銀、白金、ルテニウム等の貴金属及びチタン、クロム、ニッケル、マンガン等のマイナーメタル、及びチタン、ステンレス、鉄、ハステロイ等の貴金属以外の金属基材に貴金属で被覆した電極及びオレフィン樹脂、エンジニアリング樹脂、炭素系基材等の金属以外の基材に貴金属被覆した電極、酸化イリジウムや酸化ルテニウムなどの金属酸化物と白金との複合被覆電極、マイナーメタルによる上記と同様の被覆電極等が挙げられる。
また、炭素系電極としては、例えば、カーボン、グラッシーカーボン、グラファイト、グラフェン、カーボンシート、炭素繊維シート、炭素繊維布、ダイアモンドライク被覆電極等の炭素系電極及びこれ等の複合化電極が挙げられる。
陽極として好ましいのは、白金、チタン、及びチタン、ステンレス、鉄、ハステロイ等の貴金属以外の金属基材に白金を被覆した電極及びオレフィン樹脂、エンジニアリング樹脂、炭素系基材等の金属以外の基材に白金を被覆した電極、及び酸化イリジウムや酸化ルテニウムなどの金属酸化物と白金との複合被覆電極及びカーボン、グラッシーカーボン、グラファイト、グラフェン、カーボンシート、炭素繊維シート、炭素繊維布、ダイアモンドライク被覆電極等の炭素系電極、及びこれらの複合化電極等であるが、特にこれらに限定されるものではない。
陰極としては、特に制限されず、陽極電極として例示した材料および鉄、銅、アルミニウム等の汎用金属、及びステンレス、ハステロイ、各種合金及びこれ等の複合化電極が全て使用可能である。
陰極として好ましいのは、白金、ステンレス、チタン、ステンレス、ハステロイ、鉄、及びチタン、ステンレス、鉄、ハステロイ等の貴金属以外の金属基材に白金を被覆した電極及びオレフィン樹脂、エンジニアリング樹脂、炭素系基材等の金属以外の基材に白金を被覆した電極、及び酸化イリジウムや酸化ルテニウムなどの金属酸化物と白金との複合被覆電極及びカーボン、グラッシーカーボン、グラファイト、カーボンシート、炭素繊維シート、炭素繊維布等の炭素系電極、及びこれらの複合化電極等であるが、特にこれらに限定されるものではない。
電極の形状としては、板状、布状、すだれ状、パイプ状、不織布状、紙漉き方法で得られる形状物、フェルト状等の形状が使用でき、更にこれら材料を網状、パンチング状、メッシュ状に加工された物が使用できる。好ましくは、陽極は、隙間の無い状態の形状で陰極は穴や隙間がある形状物であるが、ガス拡散電極を使用する場合陰極での水素発生がないため、陰極の形状は限定されない。特にこれらに限定されるものではない。
本発明の電気分解は、電流密度を1〜20,000mA/cm、好ましくは、10〜5000mA/cmで一定に保持した状態で行う。あるいは、電極電位を0.5〜100V vs.Ag/AgCl、好ましくは、1〜70V vs.Ag/AgClで一定に保持し、電解することができるが、特にこれらに限定されるものではない。
また、反応温度は−40〜100℃であるとよい。好ましくは、−20〜70℃であるが、特にこれに限定されるものではない。反応中間体、反応活性中間体の安定性、反応性の兼ね合わせから反応条件に応じて温度調整する事が望ましい。有機溶剤やイオン液体との均一混合系においては、更に低温で反応させる事が出来る。
本反応における反応性、活性中間体の生成のし易さ、活性中間体の尿素との反応性の促進、活性中間体の分解抑制、中間体の生成の為の酸化活性種の生成、2電子酸化の促進、ホフマン転移等の副反応の抑制等の為には、酸性条件下の反応が望ましい。酸性条件とする為に添加される酸は、塩酸、硫酸、リン酸、ホウ酸等の鉱産及び酢酸、プロピオン酸、クエン酸等の有機酸でも良い。またそれらの塩との混合物である緩衝液でも良い。過酸化水素を酸化剤に使用する場合、過酸化水素の活性化の為にPH=3以下で、好ましくはPH=1で行う。反応工程に対応して過酸化水素の反応温度、添加速度、過酸化水素濃度、反応系の酸性度を調整する事が反応を目的通り進行させるのに重要である。特にこれらに限定されるものではない。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下の各実施例で得られたアゾジカルボンアミドは、赤外吸収スペクトル(IR)及びプロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)により同定した。
IR(KBr):3337、3187cm−1(N−H伸縮)、1743,1731cm−1(C=O伸縮)、1637cm−1(N−H変角)、1369,1331cm−1(C−N伸縮).
H−NMR(D6−DMSO):δ8.02(s,2H,NH),7.97(s,2H,NH).
以下の各実施例での未反応の尿素の定量は、高速液体クロマトグラフィーにより行った。
高速液体クロマトグラフィーによる分析条件は、以下のとおりである。
カラム:ODS−3 (4.6mmφ ×250mm)
移動相:10mM 酢酸水溶液
流速:1 ml/min
検出波長:205nm
下記実施例における変換率とは、消費尿素量を示し、下記の式によって算出したものである。
変換率(%)=[(原料尿素の量−回収尿素の量)/(原料尿素の量)]×100
また、収率は、下記の式によって算出した。
収率(%)=[(得られたアゾジカルボンアミドのモル数)×2/(原料尿素のモル数−回収尿素のモル数)]×100
参考例1
攪拌機と温度計を備えた反応容器に尿素75g(1.25mol)を水150mlに溶解し、10℃で29%次亜塩素酸ソーダ水溶液321ml(1.25mol)を撹拌下1時間で滴下する。サンプルを採取してヨウ化カリウム及び酢酸(1:1)を加えて速やかに0.1N−チオ硫酸ナトリウム滴定を行う。滴定分析の結果モノクロル尿素の収率は、98.4%である事を確認した。紫外分析を行うとモノクロロ尿素特有の244nmの吸収を認めた。
参考例2
尿素塩酸塩の溶液に10.7%NaOCl水溶液(Clとしての重量%)およびNaBrの38%水溶液(重量%)を添加することによるブロモ尿素溶液の調製(NaOCl:HCl:尿素:NaBrのモル比 1:2.2:37.7:0.8)
撹拌棒と滴下漏斗と温度計とを備えた250mlの丸底フラスコ内で、46.04gの尿素(767mmol)を30.6gのHOに溶かし、続いて、5.4gの32%HCl(47.2mmol)を添加した(冷却時、発熱を伴う)。尿素塩酸塩の溶液が得られた。13.5gの10.7%NaOCl水溶液(Clとしての重量%、20.3mmol)を添加漏斗に入れ、4.84gの38%NaBr溶液を別の添加漏斗に入れた。NaOCl溶液を尿素塩酸塩溶液に添加し、1分遅れで、38%NaBr水溶液を当該溶液に添加した。紫外分析を行うとブロモ尿素に特有の275nmにおける吸収を示した。サンプルを採取してヨウ化カリウム及び酢酸(1:1)を加えて速やかに0.1N−チオ硫酸ナトリウム滴定を行う。滴定分析の結果モノブロモ尿素の収率は、98.9%である事を確認した。
参考例3
参考例1において生成したモノクロロ尿素を減圧化濃縮すると結晶で分離される。100mlの水にモノクロル尿素31.5g(0.33mol)を溶解し、8%の塩酸80mlを加え、臭化ナトリウムを34g(0.33mol)加えて、撹拌下50℃で30%過酸化水素38ml(0.33mol)を1時間で滴下する。滴下終了後更に30分撹拌して反応を終了させる。サンプル採取して紫外分析を行うとモノブロモ尿素に特有の275nmにおける吸収を示した。サンプルを採取してヨウ化カリウム及び酢酸(1:1)を加えて速やかに0.1N−チオ硫酸ナトリウム滴定を行う。滴定分析の結果モノブロモ尿素の収率は、98.7%である事を確認した。紫外分析を行うとブロモ尿素に特有の275nmにおける吸収を示した。モノブロム尿素は、不安定物質であるが、低温で減圧濃縮するか凍結乾燥すると結晶で得る事が出来る。
実施例1−1
磁気撹拌棒と滴下漏斗と温度計とを備えた500mlの丸底フラスコ内で、水100mlに尿素90g(1.5mol)を溶解し、続いて、5℃の冷却下、5℃に冷却した17.1gの32%HCl(0.15mol)を撹拌下添加した。溶液のPH=1になる様に32%HClの添加量で調整する。当該溶液に、14分間にわたって、133gの10.7%NaOCl水溶液(活性Clとしての重量%、0.2mol)を冷却時に添加した。添加終了後1時間撹拌した後、当該溶液に20.5gのNaBr(0.2mol)を添加した。添加終了後反応液の温度を35℃に上げて1時間撹拌後、30%過酸化水素79.3g(0.7mol)を2分割し、最初の半量を30分間で滴下する。1時間撹拌を行い、その後残りの半量を30分間で滴下する。滴下終了後5時間撹拌を行い反応を終了させる。反応の進行と共に黄色の個体が生成し、反応液に縣濁して来る。反応終了後固形物のろ過分離を行い、水で洗浄した後乾燥させる。得られたアゾジカルボンアミドは、赤外吸収スペクトル(IR)及びプロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)により同定した。消費された尿素からのアゾジカルボンアミドの収率は、95.3%であった。
IR(KBr):3337、3187cm−1(N−H伸縮)、1743,1731cm−1(C=O伸縮)、1637cm−1(N−H変角)、1369,1331cm−1(C−N伸縮).
H−NMR(D6−DMSO):δ8.02(s,2H,NH),7.97(s,2H,NH).
実施例1−2
磁気撹拌棒と滴下漏斗と温度計とを備えた500mlの丸底フラスコ内で、水300mlに尿素90g(1.5mol)を溶解し、続いて、0℃の冷却下、0℃に冷却した22.5gの35%塩酸(0.22mol)を撹拌下添加した。更に溶液がPH=1になる様に35%塩酸で調整を行った。当該溶液に19.6gの臭化アンモニウム(0.2mol)と23.5gのNaCl(0.4mol)を添加した。添加終了後反応液の温度を40℃に上げて、30%過酸化水素140.5g(1.24mol)を2分割し、その半分を30分間で滴下し、1時間撹拌を行った後、残りの過酸化水素を30分間で滴下し、5時間撹拌を行い反応を終了させる。反応の進行と共に黄色の個体が生成し、反応液に縣濁して来る。反応終了後固形物のろ過分離を行い、水で洗浄した後乾燥させる。得られたアゾジカルボンアミドは、赤外吸収スペクトル(IR)及びプロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)により同定した。消費された尿素からのアゾジカルボンアミドの収率は、93.8%であった。
IR(KBr):3337、3187cm−1(N−H伸縮)、1743,1731cm−1(C=O伸縮)、1637cm−1(N−H変角)、1369,1331cm−1(C−N伸縮).
H−NMR(D6−DMSO):δ8.02(s,2H,NH),7.97(s,2H,NH).
実施例1−3
磁気撹拌棒と滴下漏斗と温度計とを備えた500mlの丸底フラスコ内で、水883gに尿素788g(13.1mol)を溶解し、続いて、0℃の冷却下、0℃に冷却した197gの35%HCl(1.891mol)を撹拌下添加した。当該溶液に44.7gのNHCl(836mmol)を添加した。更に40gのNHBr(408mmol)の添加終了後、反応液をPH=1に調整する。反応液を35℃に上げて30%過酸化水素619g(5.46mol)を3分割し、3分の1量の30%過酸化水素を30分間で滴下した後1時間撹拌を行い、次いで3分の1の30%過酸化水素を30分間で滴下した後1時間撹拌を行い、残りの3分の1の30%過酸化水素を30分間で滴下した後5時間撹拌を行い反応を終了させる。反応の進行と共に黄色の個体が生成し、反応液に縣濁して来る。反応終了後固形物のろ過分離を行い、水で洗浄した後乾燥させる。得られたアゾジカルボンアミドは、赤外吸収スペクトル(IR)及びプロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)により同定した。消費された尿素からのアゾジカルボンアミドの収率は、93.6%であった。
IR(KBr):3337、3187cm−1(N−H伸縮)、1743,1731cm−1(C=O伸縮)、1637cm−1(N−H変角)、1369,1331cm−1(C−N伸縮).
H−NMR(D6−DMSO):δ8.02(s,2H,NH),7.97(s,2H,NH).
実施例1−4
磁気撹拌棒と滴下漏斗と温度計とを備えた500mlの丸底フラスコ内で、水300mlに尿素90g(1.5mol)を溶解し、続いて、0℃の冷却下、0℃に冷却した22.5gの35%塩酸(0.22mol)を撹拌下添加した。更に溶液がPH=2になる様に35%塩酸で調整を行った。当該溶液に19.6gの臭化アンモニウム(0.2mol)と47gのNaCl(0.8mol)を添加した。これにギ酸2.3g(0.05mol)を添加する。全ての添加終了後反応液の温度を40℃に上げて、30%過酸化水素231.2g(2.04mol)を2分割し、その半分を30分間で滴下し、1時間撹拌を行った後、残りの過酸化水素を30分間で滴下し、5時間撹拌を行い反応を終了させた。反応の進行と共に黄色の個体が生成し、反応液に縣濁して来る。反応終了後固形物のろ過分離を行い、水で洗浄した後乾燥させる。得られたアゾジカルボンアミドは、赤外吸収スペクトル(IR)及びプロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)により同定した。消費された尿素からのアゾジカルボンアミドの収率は、94.1%であった。
IR(KBr):3337、3187cm−1(N−H伸縮)、1743,1731cm−1(C=O伸縮)、1637cm−1(N−H変角)、1369,1331cm−1(C−N伸縮).
H−NMR(D6−DMSO):δ8.02(s,2H,NH),7.97(s,2H,NH).
実施例1−5
磁気撹拌棒と滴下漏斗と温度計とを備えた500mlの丸底フラスコ内で、水300mlに尿素90g(1.5mol)を溶解し、続いて、0℃の冷却下、0℃に冷却した22.5gの35%塩酸(0.22mol)を撹拌下添加した。更に溶液がPH=1になる様に35%塩酸で調整を行った。当該溶液に1.96gの臭化アンモニウム(0.02mol)と23.5gのNaCl(0.4mol)を添加した。これにSiC多孔質粒子にフッ化アルミニウム微粒子を焼結担持した触媒をフッ化アルミニウムとして0.84g(10mmol)添加分散して、全ての添加終了後反応液の温度を40℃に上げて、30%過酸化水素140.5g(1.24mol)を2分割し、その半分を30分間で滴下し、1時間撹拌を行った後、残りの過酸化水素を30分間で滴下し、5時間撹拌を行い反応を終了させた。反応の進行と共に黄色の個体が生成し、反応液に縣濁して来る。反応終了後触媒を濾別し、次いで固形物のADCAのろ過分離を行い、水で洗浄した後乾燥させる。得られたアゾジカルボンアミドは、赤外吸収スペクトル(IR)及びプロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)により同定した。消費された尿素からのアゾジカルボンアミドの収率は、94.1%であった。
IR(KBr):3337、3187cm−1(N−H伸縮)、1743,1731cm−1(C=O伸縮)、1637cm−1(N−H変角)、1369,1331cm−1(C−N伸縮).
H−NMR(D6−DMSO):δ8.02(s,2H,NH),7.97(s,2H,NH).
実施例2〜14
臭化ナトリウムに替えて他のハロゲン化剤を使用した以外は、実施例1−3に記載の方法と同様に反応及び処理を行った。
Figure 0006165349
実施例15〜26
最初の酸化剤を次亜塩素酸ソーダから理論量より相当少ない量の臭素、臭化塩、臭素酸塩に変換して最初に反応させ、その後過酸化水素を添加して臭化水素になっている物を臭素又は臭素酸又は臭素酸塩に変換して臭素、臭化塩、臭素酸塩をリサイクル反応させるに対応する過酸化水素の2倍量使用する以外は、実施例1−3と同様の反応及び処理を行った。

Figure 0006165349
実施例27〜31
実施例1−1において最初の酸化剤である次亜塩素酸ソーダ等の酸化剤を使用せず最初に少量のNaBrを添加して、溶解した総クロルアニオンのモル数の2倍量に相当量する過酸化水素を添加して反応及び処理を行って、生成したアゾジカルボンアミドを分離して、その母液及びアゾジカルボンアミド分離物の洗浄液を併せて、消費した尿素を添加し、またNaBrが、固形物に付着して減少量が問題になった場合、これ等を添加して組成を調整しながらリサイクル反応を行う。また水の量が増加して来るので適当に膜等を使用して水の除去を行う。それ以外の反応と処理は、実施例1−1と同様に行う。
Figure 0006165349
実施例32
2枚の白金板電極(1.5×1.0cm)を取り付けたビーカー型電解セルに、尿素(1.2g、20mmol)、臭化ナトリウム(41mg、0.4mmol)、5℃に冷却した0.34mgの32%HCl(0.3mmol)、水(2.0g)を秤りとり、かき混ぜて均一溶液とした。電解セルを氷水浴に浸して冷却しつつ、100mAに一定に保ちながら10.7時間電解を行い、5778クーロンの電気量を通電した。反応終了後、生成する沈殿物をろ過により分取し、水洗、乾燥後、目的のアゾジカルボンアミド(0.32g、変換率37%、収率74%) が、淡橙色の結晶として得られた。高速液体クロマトグラフィーにより、ろ液の分析を行ったところ、ろ液中に未反応の尿素(0.746g)が確認された。
実施例33
参考例3で生成したモノブロム尿素を実施例32の尿素に替えて原料にして、実施例32に記載した方法と同様に電解を行った。モノブロム尿素は282mg(2mmol)を使用した所213mgのアゾジカルボンアミドを得た。収率92.0%である。但し通電時間、通電電気量は、半分で電解反応を行う。アゾジカルボンアミドの固形物が生成する。懸濁液をろ過して、水洗して減圧乾燥した。
実施例34〜52
Figure 0006165349

Claims (10)

  1. 水、有機溶媒、及びイオン液体からなる群より選択される少なくとも1つの溶媒の均一系又は不均一な混合系において、酸性条件下、
    式(12):
    Figure 0006165349
    [式中、Mは、Hであるか、Li、Na、K、Mg、Ca、Cu、Agからなる群から選択される1又は2価の金属であり、Xは塩素原子又は臭素原子であり、そしてmは1又は2の整数である]で表される化合物、及び/又は
    式(13):
    Figure 0006165349
    [式中、Mは、Li、Na、K、Mg、Ca、Cu、Agからなる群より選択される金属であるか、NH であるか、又は第1級アンモニウム、第2級アンモニウム、第3級アンモニウム、及び第4級アンモニウムからなる群より選択されるアンモニウムであり、Xはハロゲンであり、そしてmは1又は2の整数である]の化合物若しくはHBrの存在下、
    尿素、或いは尿素及びブロム尿素、クロル尿素又はそれらの塩の混合物を、過酸化水素、過酸化物、又はオゾンで酸化することを特徴とする式(7):
    Figure 0006165349
    で表されるアゾジカルボンアミドの製造方法(但し、有機電解合成法を除く)
  2. ブロム尿素又はそれらの塩が、式(8):
    Figure 0006165349
    で表されるブロム尿素又はブロム尿素Na塩である、請求項1記載のアゾジカルボンアミドの製造方法。
  3. クロル尿素又はそれらの塩が、式(11):
    Figure 0006165349
    で表されるクロル尿素又はクロル尿素Na塩である、請求項1記載のアゾジカルボンアミドの製造方法。
  4. 水、有機溶媒、及びイオン液体からなる群より選択される少なくとも1つの溶媒の均一系又は不均一な混合系において、酸性条件下、
    式(12):
    Figure 0006165349
    [式中、Mは、Hであるか、Li、Na、K、Mg、Ca、Cu、Agからなる群から選択される1又は2価の金属であり、Xは塩素原子又は臭素原子であり、そしてmは1又は2の整数である]で表される化合物、及び/又は
    式(13):
    Figure 0006165349
    [式中、Mは、Li、Na、K、Mg、Ca、Cu、Agからなる群より選択される金属であるか、NH であるか、又は第1級アンモニウム、第2級アンモニウム、第3級アンモニウム、第4級アンモニウムからなる群より選択されるアンモニウムであり、Xはハロゲンであり、そしてmは1又は2の整数である]の化合物若しくはHBrの存在下、
    尿素及び
    式(8):
    Figure 0006165349
    で表されるブロム尿素又はブロム尿素Na塩、或いは
    式(11):
    Figure 0006165349
    で表されるクロル尿素又はクロル尿素Na塩の混合物
    電解酸化することを特徴とする、式(7):
    Figure 0006165349
    で表されるアゾジカルボンアミドの製造方法。
  5. 式(12)の化合物及び/又は式(13)の化合物に対して、過剰の尿素を使用し、−10〜70℃で反応を行う事を特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項記載のアゾジカルボンアミドの製造方法。
  6. 式(12)の化合物及び/又は式(13)の化合物に対して、過剰の尿素を使用し、−20〜40℃で反応を行う事を特徴とする、請求項4記載のアゾジカルボンアミドの製造方法。
  7. セリウム化合物、バナジウム化合物、セレン化合物、テルル化合物、遷移金属化合物及びフッ化アルミニウムからなる群より選択される触媒の存在下で酸化することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項記載のアゾジカルボンアミドの製造方法。
  8. 水、有機溶媒、及びイオン液体からなる群より選択される少なくとも1つの溶媒の均一系又は不均一な混合系において、酸性条件下、
    亜塩素酸ナトリウム、並びに臭化ナトリウム、臭化アンモニウム、臭素、クロル臭素、N−ブロモサクシンイミド、及びN−ブロモフタルイミドからなる群より選択される化合物の存在下、
    臭化アンモニウム及び塩化ナトリウムの存在下、又は
    臭化アンモニウム及び塩化アンモニウムの存在下、
    尿素、或いは尿素及びブロム尿素、クロル尿素又はそれらの塩の混合物を、過酸化水素、過酸化物、又はオゾンで酸化することを特徴とする式(7):
    Figure 0006165349
    で表されるアゾジカルボンアミドの製造方法(但し、有機電解合成法を除く)。
  9. 水、有機溶媒、及びイオン液体からなる群より選択される少なくとも1つの溶媒の均一系又は不均一な混合系において、酸性条件下、
    臭化アンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、臭化トリエチルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムブロミド、1−エチルピリジニウムブロミド及び5−アゾニアスピロ[4.4]ノナンブロミド、ヨウ化アンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、臭素酸ナトリウムからなる群より選択される化合物の存在下、
    尿素及び
    式(8):
    Figure 0006165349
    で表されるブロム尿素又はブロム尿素Na塩、或いは
    式(11):
    Figure 0006165349
    で表されるクロル尿素又はクロル尿素Na塩の混合物を
    電解酸化することを特徴とする、式(7):
    Figure 0006165349
    で表されるアゾジカルボンアミドの製造方法。
  10. 酸性条件が、塩酸、硫酸、リン酸、ホウ酸を含む鉱酸、または酢酸、プロピオン酸、クエン酸を含む有機酸の存在下である、請求項1〜9のいずれか一項記載のアゾジカルボンアミドの製造方法。
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