JP6164078B2 - 運転席エアバッグ装置 - Google Patents

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本発明は、運転席エアバッグ装置に関する。
運転席用のエアバッグにおける乗員側基布と反乗員側基布とを、ステアリングホイールのリムに対応する径方向の部位にて、複数のテザーにて繋いだ構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−94224号公報
例えば、相手方車両が斜め前方から衝突してくる斜め衝突の場合、乗員は斜め前方の衝突側に移動する。この場合、乗員の頭部は、斜め方向からエアバッグに接触するため、顔面が反衝突側を向く方向に回転しやすい。微小ラップ衝突の場合も同様である。
本発明は、斜め衝突又は微小ラップ衝突の際に、乗員頭部の回転を抑制することができる運転席エアバッグ装置を得ることが目的である。
第1態様の運転席エアバッグ装置は、車両の前部に衝突が生じた場合にガス供給を受けて乗員の前方で膨張展開されるエアバッグと、長手方向の両端が前記エアバッグに接続され、前記エアバッグの膨張展開状態で該エアバッグ内の車両後方側で車幅方向に長手となるように展開されるテザーと、を備えている。
この運転席エアバッグ装置では、車両の前部に衝突が生じると、エアバッグがガス供給を受けて膨張展開される。この衝突が斜め衝突又は微小ラップ衝突の際には、乗員は斜め前方の衝突側に移動しつつ、エアバッグに接触する。ここで、エアバッグ内の後部ではテザーが展開されている。このため、エアバッグにおけるテザーの展開領域に接触した乗員の頭部は、テザーによって車幅方向の両側から挟まれるようにしてエアバッグに拘束される。これにより、乗員頭部の左右に作用する拘束力の差が小さく抑えられ、該乗員頭部の回転が抑制される。
このように、第1態様の構成では、斜め衝突又は微小ラップ衝突の際に、乗員頭部の回転を抑制することができる。
第2態様の運転席エアバッグ装置は、第1態様の構成において、前記テザーの長さは、前記エアバッグにおける前記テザーの両端が接続される部位間の距離よりも短い。
この運転席エアバッグ装置では、エアバッグの膨張展開の完了状態で、テザーが張力によって張られる。このため、テザーによる乗員頭部の回転抑制効果が大きい。
第3態様の運転席エアバッグ装置は、第1又は第2態様の構成において、前記テザーは、前記エアバッグにおける前面衝突が生じた場合に前記乗員としてのAF05ダミーの頭部が接触する領域の車両上下方向の上端よりも上側で、前記エアバッグにおける斜め衝突又は微小ラップ衝突が生じた場合に前記乗員としてのAM50ダミーの頭部が接触する領域を背面視で横切るように展開される。
この運転席エアバッグ装置では、小柄な女性乗員をモデルとするAF05ダミーは、前面衝突の際に頭部がテザーにより拘束されないため、エアバッグによる拘束に伴い受ける荷重(反力)が小さく抑えられる。一方、標準的な体形の男性乗員をモデルとするAM50ダミーは、エアバッグの展開位置から後方に離れて位置するため、斜め衝突又は微小ラップ衝突の際に、エアバッグへの接触領域が該エアバッグの中心に対し車幅方向にずれやすい。このAM50ダミーの頭部の回転は、上記の通りテザーによって頭部が拘束されることで効果的に抑制される。
第4態様の発明に係る運転席エアバッグ装置は、第3態様の構成において、前記エアバッグは、ステアリングホイールと一体に回転する部分に支持されており、複数の前記テザーが、前記エアバッグにおける前面衝突が生じた場合に前記AF05ダミーの頭部が接触する領域の外側に、該エアバッグの周方向に沿って展開されるように設けられている。
本運転席エアバッグ装置は、ステアリングホイールが回転している状態で斜め衝突又は微小ラップ衝突が生じても、複数のテザーが設けられているため、AM50ダミーの頭部をテザーによって拘束することができる確率が高まる。一方、AF05ダミーの頭部に対しては、ステアリングホイールの回転位置に依らず、テザーによる拘束を避けることができる。
以上説明したように本発明に係る運転席エアバッグ装置は、斜め衝突又は微小ラップ衝突の際に、乗員頭部の回転を抑制することができるという優れた効果を有する。
本発明の第1の実施形態に係る運転席エアバッグ装置による運転者の頭部の保護態様を模式的に示す図であって、(A)は頭部がエアバッグと接触する前の平面図、(B)は頭部がエアバッグと接触し横テザーの拘束を受ける前の平面図、(C)は頭部が横テザーの拘束を受けている状態の平面図、(D)は横テザーにより頭部の回転が抑制されている状態の平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る運転席エアバッグ装置を示す図であって、(A)は概略全体構成を示す側面図、(B)はエアバッグにおける各ダミーの頭部が接触する領域を示す拡大背面図である。 本発明の第1の実施形態に係る運転席エアバッグ装置を構成するエアバッグ及び横テザーを示す図であって、(A)はエアバッグの内部構造及び横テザーを示す側断面図、(B)はエアバッグへの横テザーの接続状態を拡大して示す拡大断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る運転席エアバッグ装置を構成するエアバッグ及び横テザーを模式的に示す背面図である。
本発明の実施形態に係る運転席エアバッグ装置10について、図1〜図3に基づいて説明する。なお、各図に適宜記す矢印FR、矢印UP、矢印LHは、それぞれが適用された自動車の前方向、上方向、車幅方向の一方側である左側を示している。以下、単に前後、上下、左右の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下、車両(前方を向いた場合)の左右を示すものとする。
図2(A)に示されるように、運転席エアバッグ装置10は、インストルメントパネル12から後向き(運転席側)に突出されたステアリングコラム14に設けられている。ステアリングコラム14の後端には、運転者Dにより操作されるステアリングホイール16が取り付けられている。運転席エアバッグ装置10は、ステアリングホイール16と一体に回転するステアリングコラム14に収容されたエアバッグ18をステアリングホイール16の後方で膨張展開させる構成とされている。
具体的には、エアバッグ18の基端側にはガス供給装置としてのインフレータ20の少なくともガス噴出部が内蔵されており、該エアバッグ18は折り畳み状態でインフレータ20と共にエアバッグケース22に収納されている。このエアバッグケース22がステアリングコラム14の後端部に固定されている。また、エアバッグケース22の後端側の開口部は、図示しないステアリングホイールパッドにて閉止されている。ステアリングホイールパッドは、ガス供給を受けたエアバッグ18の膨張圧によって開裂されるようになっている。これにより、エアバッグ18がステアリングホイール16に対する後方へ膨張展開することが許容される構成である。
また、図3(A)に示されるように、エアバッグ18は、膨張展開状態で運転者D側を向く乗員側基布18Dと、反乗員側すなわちステアリングホイール16側を向く反乗員側基布18Rとが縫製されることで、袋状に形成されている。このエアバッグ18内には、その前後方向の展開厚みを調整(設定)する前後テザー26が設けられている。
前後テザー26は、インフレータ20と共にエアバッグ18の反乗員側基布18Rに接続された前テザー26Fと、乗員側基布18Dに接続された後テザー26Rとを縫製により接続することで、エアバッグ18の展開厚みを制限する張力部材として構成されている。この実施形態では、前テザー26F及び後テザー26Rは、それぞれエアバッグ18との接続部位(上下方向中央部)に対する上下両側で互いに接続されており、上下一対の張力部材を構成している。
そして、本実施形態に係る運転席エアバッグ装置10を構成するエアバッグ18内には、本発明におけるテザーとしての横テザー28が設けられている。横テザー28は、膨張展開状態のエアバッグ18内における上部かつ後部で、車幅方向に長手となるように(車幅方向に沿って)展開される構成とされている。
具体的には、図3(B)に示されるように、長尺の基布より成る横テザー28の長手方向両端部は、乗員側基布18Dにおけるエアバッグ18の膨張展開状態で車幅方向に離れて位置する2か所の被接続部位18Fに、縫製Sによって接続されている。この実施形態では、横テザー28の長さは、エアバッグ18の乗員側基布18Dにおける2か所の被接続部位18F間の距離(乗員側基布18Dの表面に沿った最短距離)よりも短く設定されている。
このため、横テザー28は、エアバッグ18の乗員側基布18Dに余長(弛み部)18Sを形成した状態で、2か所の被接続部位18Fに両端が接続されている。この構成によって横テザー28は、エアバッグ18が膨張展開された状態では、車幅方向に張力を受けた状態で展開される(ぴんと張る)状態とされる。
次いで、エアバッグ18内における横テザー28のより具体的な展開位置について、説明する。
図2(B)に示されるように、横テザー28は、エアバッグ18における領域A34の上端よりも上側で、領域A36を車幅方向に横切るように展開される構成とされている。ここで、領域A34は、運転者DとしてのAF05ダミー34(米国の成人女性の5パーセンタイルダミー人形)の頭部Hが、フルラップ前面衝突(正突)の際に接触するエアバッグ18の領域とされる。また、領域A36は、運転者DとしてのAM50ダミー36(米国の成人男性の50パーセンタイルダミー人形)の頭部Hが、斜め衝突の際に接触するエアバッグ18の領域とされる。
以下、フルラップ前面衝突の際におけるAF05ダミー34の挙動、斜め衝突の際におけるAM50ダミー36の挙動、及び横テザー28の展開位置について補足する。
AF05ダミー34は、小柄な女性乗員のモデルであり、3点式のシートベルト装置を装着した状態で、ステアリングホイール16の近くで背筋を立てて(アップライトな姿勢で)着座する。図示は省略するが、フルラップ前面衝突の際にAF05ダミー34の上体は、ラップベルトにて拘束された腰部を中心に前傾するため、頭部Hの軌跡は、円弧に沿って前下方に移動するような形態となる。図2(A)に示すラインLは、AF05ダミー34の頭頂部の円弧状軌跡が横テザー28の下方を通過する点での該軌跡の接線とされている。そして、横テザー28は、このラインLよりも上側、すなわちエアバッグ18の乗員側基布18Dにおけるフルラップ前面衝突の際にAF05ダミー34の頭部Hに接触しない領域で展開される構成とされている。
AM50ダミー36は、標準的な体型の男性乗員のモデルであり、3点式のシートベルト装置を装着した状態で、AF05ダミー34よりもステアリングホイール16から離れて後傾した姿勢で着座する。図示は省略するが、斜め衝突の際にAM50ダミー36の上体は、ラップベルトにて拘束された腰部を中心に後傾姿勢から前傾姿勢に移行しつつ、車幅方向の衝突側にも移動する。そして、AM50ダミー36の頭部Hは、上体が前傾に移行した後にエアバッグ18における車幅方向の中央に対し衝突側にオフセットした位置に接触する(図2(B)参照)。
すなわち、図2(B)に示されるように、エアバッグ18における斜め衝突の際にAM50ダミー36の頭部Hが接触する領域A36は、AF05ダミー34の頭部Hがフルラップ前面衝突の際に接触する領域A34よりも上側でかつ車幅方向にオフセットされる。なお、図2(B)では、AM50ダミー36の頭部Hが左側に移動した場合の領域A36、右側に移動した場合の領域A36の両者が示されている。そして、横テザー28は、上記した通り、領域A36の上下方向のほぼ中央部分を横切るように展開されるようになっている。すなわち、横テザー28は、斜め衝突の際にAM50ダミー36の頭部Hを拘束可能な構成とされている。
なお、斜め衝突(MDB斜突、オブリーク衝突)とは、例えばNHSTAにて規定される斜め前方(一例として、衝突相手方との相対角15°、車幅方向のラップ量35%程度の衝突)からの相手方車両(バリヤ)の衝突とされる。この実施形態では、一例として相対速度90km/hrでの斜め衝突が想定されている。
また、横テザー28は、微小ラップ衝突(衝突形態については後述)の際にAM50ダミー36の頭部Hにおける上下方向のほぼ中央部分を拘束可能な位置で、展開されるようになっている。なお、微小ラップ衝突とは、自動車の前面衝突のうち、例えばIIHSにて規定される相手方車両(バリヤ)との車幅方向のラップ量が25%以下の衝突とされる。例えば車体骨格であるフロントサイドメンバに対する車幅方向外側への衝突が微小ラップ衝突に該当する。この実施形態では、一例として相対速度64km/hrでの微小ラップ衝突が想定されている。
この微小ラップ衝突の場合も、斜め衝突の際と同様に、後傾姿勢から前傾姿勢に移行しつつ、車幅方向の衝突側にも移動する。微小ラップ衝突の場合は、斜め衝突の場合よりも車幅方向の衝突側への移動が遅れて生じるので、AM50ダミー36の頭部Hは、斜め衝突の場合と比較してエアバッグ18の車幅方向中央側に接触する。したがって、斜め衝突に対してAM50ダミー36の頭部Hを拘束可能に設定された横テザー28は、微小ラップ衝突の場合においてもAM50ダミー36の頭部Hを拘束可能とされる。なお、図2(A)に示されるように、この実施形態における横テザー28の展開位置は、エアバッグ18におけるステアリングホイール16の上端よりも上側とされている。
また、運転席エアバッグ装置10のインフレータ20は、制御装置としてのエアバッグECU30によって作動が制御されるようになっている。エアバッグECU30は、インフレータ20及び衝突センサ32と電気的に接続されている。
このエアバッグECU30は、衝突センサ32からの情報に基づいて、適用された自動車に対する前面衝突を検知又は予測可能とされている。この実施形態では、エアバッグECU30は、衝突センサ32からの情報に基づいて、フルラップ前面衝突、オフセット前面衝突、微小ラップ衝突、斜め衝突等の各種前面衝突を区別することなく(又は衝突形態ごとに)検知又は予測可能とされている。エアバッグECU30は、衝突センサ32からの情報に基づいて前面衝突を検知又は予測すると、インフレータ20を作動させるようになっている。
[作用]
次に、第1の実施形態の作用を説明する。
エアバッグECU30は、衝突センサ32からの信号に基づいて自動車への前面衝突を検知又は予測すると、インフレータ20を作動させる。すると、インフレータ20からガス供給を受けたエアバッグ18は、ステアリングホイールパッドを開裂してステアリングホイール16の後方で膨張展開される。以下、運転者DがAF05ダミー34である場合、AM50ダミー36である場合について、それぞれ前面衝突、斜め衝突に対する運転席エアバッグ装置10による保護作用を説明する。
(運転者DがAF05ダミーである場合)
上記した衝突がフルラップ前面衝突であった場合、AF05ダミー34の上体は、膨張展開されたエアバッグ18に接触し、拘束される。この際、AF05ダミー34の頭部Hは、エアバッグ18における横テザー28の展開領域に接触することがない。このため、相対的に耐性の低い(華奢な)AF05ダミー34がエアバッグ18による拘束に伴い受ける荷重(反力)が小さく抑えられる。
上記した衝突が斜め衝突であった場合、上記の通りステアリングホイール16に近接して着座するAF05ダミー34の頭部Hは、エアバッグ18に接触するまでの車幅方向の衝突側への移動量が小さい。このため、AF05ダミー34の頭部Hは、横テザー28に頼ることなく、エアバッグ18にて適正に保護される。
(運転者DがAM50ダミーである場合)
上記した衝突がフルラップ前面衝突であった場合、AM50ダミー36の上体は、膨張展開されたエアバッグ18に接触し、拘束される。この際、AM50ダミー36の頭部Hは、エアバッグ18におけるステアリングホイール16よりも上側の部分を含む領域に接触する。このエアバッグ18内におけるステアリングホイール16よりも上側の部分で横テザー28が展開されているので、頭部Hの拘束性が良好である。
上記した衝突が車体左前部への斜め衝突であった場合について、図1(A)〜図1(D)を参照しつつ説明する。なお、図1(B)〜図1(D)に想像線にて示す頭部Hは、衝突による移動前の頭部Hの位置(図1(A)の位置と同じ)を示している。
図1(A)に矢印Aにて示されるように、AM50ダミー36の頭部Hは、斜め前方の衝突側(左側)に移動し、図1(B)に示されるように、エアバッグ18に接触する。さらに、AM50ダミー36の頭部Hは、エアバッグ18を左前方に向けて押し込みつつ、図1(C)に示されるように、エアバッグ18内の横テザー28を左前方に向けて押し込む。横テザー28は、張力を受けつつAM50ダミー36の頭部Hを左右から挟むように変形する。図1(D)に示されるように、さらに横テザー28の変形が進行する。
そして、AM50ダミー36の頭部Hは、エアバッグ18による拘束に伴って上下方向に沿った軸回りに回転することが、横テザー28によって抑制される。この点を比較例と比較しつつ補足する。例えば横テザー28を有しない比較例の場合、AM50ダミー36の頭部Hの主に右側部分がエアバッグ18に接触して前方への移動が制限される一方、左側部分は慣性にて前方への移動を続けることとなる。この場合、AM50ダミー36の頭部Hは、左側部分が右側部分に先行して前進するので、顔面が右側(反衝突側)を向く方向に回転しやすい。
これに対して運転席エアバッグ装置10では、エアバッグ18内で横テザー28が展開されている。そして、横テザー28は、AM50ダミー36の頭部Hにて押し込まれる力(慣性力)に起因して作用する張力を受けつつ、該AM50ダミー36の頭部Hを左右から挟む(図1(C)、図1(D)参照)。すなわち、横テザー28によってAM50ダミー36の頭部Hの左側部分を拘束(制動)する力が生じ、該頭部Hの左側部分が右側部分に先行して前方へ移動することが抑制される。これにより、本実施形態では、上記した横テザー28を有しない比較例と比較して、AM50ダミー36の頭部Hが上下方向に沿った軸回りに回転することが効果的に抑制される。
また、運転席エアバッグ装置10では、横テザー28の長さがエアバッグ18の乗員側基布18Dにおける被接続部位18F間の距離よりも短いため、エアバッグ18の膨張展開の完了状態で、横テザー28が張力を受けた展開形態とされる(ぴんと張る)。このため、横テザー28が弛んだ状態で展開される構成と比較して、横テザー28によるAM50ダミー36の頭部Hの拘束が開始されるタイミングが早くなり、また拘束が開始される位置が後方に位置することとなる。これにより、横テザー28によるAM50ダミー36の頭部Hの回転がより効果的に抑制される。
なお、説明は省略したが、微小ラップ衝突の際には、AF05ダミー34、AM50ダミー36共に、斜め衝突の場合よりも、エアバッグ18に接触するまでに車幅方向の衝突側への移動量が小さいため、斜め衝突の場合と同等以上の乗員保護効果が得られる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る運転席エアバッグ装置50について、図4に基づいて説明する。なお、第1の実施形態と基本的に同一の部品や部分については、第1の実施形態と同一の符号を付して、その説明、図示を適宜省略する。
図4に示さるように、運転席エアバッグ装置50を構成するエアバッグ18内には、複数(図示例では、6本)の横テザー28が設けられている。複数の横テザー28は、エアバッグ18における領域A34の外側で全体として環状を成すように、該エアバッグ18の周方向に沿って配置されている。これにより、ステアリングホイール16が操作(回転)された状態で、斜め衝突や微小ラップ衝突に至った場合でも、何れかの横テザー28にてAM50ダミー36の頭部Hの回転が抑制されやすい。換言すれば、横テザー28が1本だけ設けられた構成と比較して、該横テザー28によりAM50ダミー36の頭部Hの回転を抑制できる確率が高い。
一方、複数の横テザー28の設置領域は、ステアリングホイール16の各回転位置において領域A34の外側となる。このため、ステアリングホイール16の回転位置に依らず、AF05ダミー34の頭部Hは、フルラップ前面衝突の場合に、エアバッグ18における何れの横テザー28の展開領域と接触することがない。
(変形例)
なお、第2の実施形態では、複数の横テザー28が環状に配置されてステアリングホイール16が360°以上回転しても横テザー28による運転者Dの拘束作用が得られる例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、複数の横テザー28を180°の範囲に設定しても良い。
また、第1、第2の実施形態では、横テザー28の長さがエアバッグ18の乗員側基布18Dにおける被接続部位18F間の距離よりも短い例を示したが、例えば、参考例として、横テザーの長さがエアバッグ18の乗員側基布18Dにおける被接続部位18F間の距離と同等である(余長18Sを設定しない)構成としても良い。この構成の横テザーは、エアバッグ18の膨張展開状態で、張力を受けずに弛んだ状態で車幅方向に長手となるように展開されるが、AM50ダミー36の頭部Hがエアバッグ18に接触した後に張力が作用し、その後は上記した横テザー28と同様に機能する。
さらに、上記した第1、第2の実施形態では、横テザー28が長手方向を車幅方向に一致させるように展開される例を示したが、本発明はこれに限定されない。横テザーは、運転者Dの頭部Hを挟み込むように変形可能な態様で展開されれば足り、例えば、車幅方向に対し傾斜して展開される横テザーを採用しても良く、「X」字状に交差した態様で展開される一対又は複数対の横テザーを採用しても良い。
またさらに、上記した第1、第2の実施形態では、特定のダミー人形との関係で横テザー28の設置領域を特定する例を示したが、本発明はこれに限定されない。本発明は、斜め衝突又は微小ラップ衝突の際に運転者D(特定の保護対象であっても良い)の頭部Hの回転を抑制可能である領域に横テザーを展開させる構成であれば足りる。
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で各種変形して実施可能であることは言うまでもない。
10 運転席エアバッグ装置
16 ステアリングホイール
18 エアバッグ
18F 被接続部位(テザーの両端が接続される部位)
28 横テザー(テザー)
34 AF05ダミー
36 AM50ダミー
50 運転席エアバッグ装置
A34 AF05ダミー34の頭部がフルラップ前面衝突の際に接触するエアバッグの領域(エアバッグにおける前面衝突が生じた場合にAF05ダミーの頭部が接触する領域)
A36 AM50ダミー36の頭部が斜め衝突の際に接触するエアバッグの領域(エアバッグにおける斜め衝突又は微小ラップ衝突が生じた場合にAM50ダミーの頭部が接触する領域)
H 頭部(AF05ダミーの頭部、AM50ダミーの頭部)

Claims (3)

  1. 膨張展開状態で運転者側を向く乗員側基布と反乗員側を向く反乗員側基布とが縫製されて成り、車両の前部に衝突が生じた場合にガス供給を受けて乗員の前方で膨張展開されるエアバッグと、
    長手方向の両端が前記乗員側基布における前記エアバッグの外殻を成す部分に接続され、前記エアバッグの膨張展開状態で該エアバッグ内における前記乗員側基布反乗員側基布との縫製部に対し車両後方側に離れた位置で車幅方向に長手となるように展開されるテザーであって、該テザーの長さは前記乗員側基布における前記テザーの両端が接続される部位間の距離よりも短い前記テザーと、
    を備えた運転席エアバッグ装置。
  2. 前記テザーは、前記エアバッグにおける前面衝突が生じた場合に前記乗員としてのAF05ダミーの頭部が接触する領域の車両上下方向の上端よりも上側で、前記エアバッグにおける斜め衝突又は微小ラップ衝突が生じた場合に前記乗員としてのAM50ダミーの頭部が接触する領域を背面視で横切るように展開される請求項1記載の運転席エアバッグ装置。
  3. 前記エアバッグは、ステアリングホイールと一体に回転する部分に支持されており、
    複数の前記テザーが、前記エアバッグにおける前面衝突が生じた場合に前記AF05ダミーの頭部が接触する領域の外側に、該エアバッグの周方向に沿って展開されるように設けられている請求項2記載の運転席エアバッグ装置。
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