JP6743743B2 - 助手席用エアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、助手席用エアバッグ装置に関する。
下記特許文献1に記載された運転席用エアバッグ装置では、エアバッグ内に横テザーが設けられている。この横テザーの長手方向両端部は、エアバッグの乗員側基布において、エアバッグの膨張展開状態で車幅方向に対向する2箇所に接続されている。この横テザーは、膨張展開状態のエアバッグ内における上部かつ後部で、車幅方向に長手となるように展開される構成になっている。この運転席用エアバッグ装置では、車両の前面衝突が非対称衝突(斜め衝突又は微小ラップ衝突)の際に、斜め前方へ移動しつつエアバッグに接触した乗員頭部が、横テザーの展開領域を超えてエアバッグを車両前方へ押し込むと、横テザーの張力によって乗員頭部が車幅方向の両側からエアバッグに挟まれる。これにより、乗員頭部の回転を抑制するようにしている。
特開2015−116912号公報
しかしながら、上記構成の運転席用エアバッグ装置では、斜め前方へ移動する乗員からの荷重によってエアバッグの全体が横ずれすると、エアバッグの前面(ステアリングホイールとの接触面)が変形し、エアバッグの後面(乗員拘束面)や横テザーが傾斜する。その結果、乗員頭部の回転を抑制する効果が低減する可能性があるため、改善の余地がある。また、乗員拘束時における乗員頭部の回転抑制は、助手席用エアバッグ装置においても共通する課題であるため、助手席用エアバッグ装置においてもエアバッグ(気室)の横ずれを抑制することが求められる。
本発明は上記事実を考慮し、助手席乗員を拘束する気室が助手席乗員からの荷重によって横ずれすることを抑制可能な助手席用エアバッグ装置を得ることを目的とする。
請求項1に記載の発明に係る助手席用エアバッグ装置は、車両のインストルメントパネル内に収納され、車両前面衝突時に助手席乗員の車両前方でウインドシールドに沿って膨張展開する前気室と、前記インストルメントパネル内に収納され、車両前面衝突時に前記前気室と助手席乗員との間へ膨張展開する後気室と、膨張展開完了状態の前記前気室と前記後気室との間に配置され、前記前気室の左右の端部間に架け渡され、前記左右の端部間で伸張されることにより、前記後気室よりも車両左右方向の幅が広い凹部を前記前気室の後面に形成するストラップ部と、を備えている。
請求項1に記載の発明によれば、車両のインストルメントパネル内には、前気室及び後気室が収納されており、車両前面衝突時には、前気室が助手席乗員の車両前方でウインドシールドに沿って膨張展開し、後気室が前気室と助手席乗員との間へ膨張展開する。このため、車両前方側へ慣性移動する助手席乗員が後気室に当接すると、後気室が前気室を介してウインドシールドから反力を受けつつ助手席乗員を拘束する。
ここで、この発明では、前気室及び後気室の膨張展開状態では、前気室と後気室との間に配置されて前気室の左右の端部間に架け渡されたストラップ部が、前気室の左右の端部間で伸張される。これにより、前気室の後面には、後気室よりも車両左右方向の幅が広い凹部が形成される。このため、助手席乗員が後気室に拘束される際には、上記の凹部内に入り込んだ後気室がストラップ部を押すことにより、ストラップ部の張力が高くなり、前気室の左右の端部が前気室の中央側へ寄せられる。これにより、前気室の左右の端部によって後気室を側方から保持(拘束)することができるので、後気室すなわち助手席乗員を拘束する気室が助手席乗員からの荷重によって横ずれすることを抑制できる。
請求項2に記載の発明に係る助手席用エアバッグ装置は、請求項1において、膨張展開完了状態の前記前気室の内圧は、膨張展開完了状態の前記後気室の内圧よりも高い。
請求項2に記載の発明では、上記のように構成されているので、後気室による助手席乗員の拘束時に、前気室が後気室から大きな荷重を受けた場合でも、前気室の左右の端部が変形し難くなる。これにより、前気室の左右の端部による後気室の保持力を高めることができる。
請求項3に記載の発明に係る助手席用エアバッグ装置は、請求項1又は請求項2において、前記ストラップ部は、前記後気室の前面と、前記前気室の左右の端部とを繋いでいる。
請求項3に記載の発明では、後気室の前面と、前気室の左右の端部とがストラップ部によって繋がれているので、前気室に対する後気室の横ずれを更に抑制できる。
請求項4に記載の発明に係る助手席用エアバッグ装置は、請求項1又は請求項2において、前記ストラップ部は、前記凹部の底面と、前記前気室の左右の端部とを繋いでいる。
請求項4に記載の発明では、膨張展開完了状態の前気室の後面に形成される凹部の底面と、前気室の左右の端部とが、ストラップ部によって繋がれている。このため、ストラップ部は、凹部の底面側(車両前方側)へ窪むので、前気室及び後気室の膨張展開が完了しかつ後気室に助手席乗員が拘束される前の状態において、後気室を前気室の凹部内へ入り込ませることができる。これにより、後気室の車両前後方向の厚みを確保し易くなる。また、助手席乗員が斜め前方へ移動しつつ後気室に当接した場合、ストラップ部が当接側で強く押されることにより、前気室の左右の端部のうち当接側の端部が、前気室の中央側へ大きく寄せられる。これにより、上記当接側の端部が後気室を側方から保持する力を高めることができる。
請求項5に記載の発明に係る助手席用エアバッグ装置は、請求項4において、前記ストラップ部は、前記凹部の底面と前記前気室の左端部とを繋いだ左側部分の中央部が、前記後気室の前面の左側部に繋がれており、前記凹部の底面と前記前気室の右端部とを繋いだ右側部分の中央部が、前記後気室の前面の右側部に繋がれている。
請求項5に記載の発明によれば、ストラップ部は、膨張展開完了状態の前気室の後面に形成される凹部の底面と、前気室の左端部とを繋いだ左側部分の中央部が、後気室の前面の左側部に繋がれている。また、ストラップ部は、上記凹部の底面と、前気室の右端部とを繋いだ右側部分の中央部が、後気室の前面の右側部に繋がれている。これにより、凹部の底面と後気室の前面との間に隙間を形成することができる。その結果、助手席乗員が後気室に当接した際に、上記の隙間の分だけストラップ部が早期に後気室に押されることになるため、前気室の左右の端部を早期に前気室の中央側(後気室側)へ寄せることができる。これにより、後気室の横ずれを早期に抑制することができる。
請求項6に記載の発明に係る助手席用エアバッグ装置は、請求項1〜請求項5の何れか1項において、前記前気室は、2つのガス発生器を有するデュアルステージインフレータによって膨張展開用のガスを供給される。
請求項6に記載の発明によれば、車両前面衝突時には、2つのガス発生器を有するデュアルステージインフレータが前気室に膨張展開用のガスを供給する。これにより、例えば前面衝突の形態に応じて2つのガス発生器の作動を制御することにより、前気室による後気室の保持力を前面衝突の形態に応じて変更することができる。すなわち、例えば、対称衝突(正面衝突)の場合は、一方のガス発生器のみを作動させ、非対称衝突(斜め衝突、微小ラップ衝突等)の場合は、両方のガス発生器を作動させることにより、上記の保持力を適切に調整することができる。
請求項7に記載の発明に係る助手席用エアバッグ装置は、請求項1〜請求項6の何れか1項において、前記前気室の膨張展開完了状態で上下に並ぶ一対の前記ストラップ部を備え、上側の前記ストラップ部が助手席乗員の頭部の高さに配置され、下側の前記ストラップ部が助手席乗員の胸部の高さに配置される。
請求項7に記載の発明によれば、前気室及び後気室の膨張展開完了状態では、前気室の左右の端部間に架け渡された上下一対のストラップ部が、前気室と後気室との間において、助手席乗員の頭部及び胸部の高さにそれぞれ配置される。これにより、後気室に助手席乗員の頭部及び胸部が当接した際には、頭部及び胸部からの荷重を上下のストラップ部に作用させることができるので、上下のストラップ部の張力を前気室の左右の端部に対して広い範囲で作用させることができる。その結果、前気室の左右の端部による後気室の保持力を高めることができる。また、頭部及び胸部のうちの一方が他方より先に後気室に当接した場合でも、当該一方の高さに配置されたストラップ部の張力によって前気室の左右の端部を互いに接近させることができるので、後気室の横ずれ抑制の確実性を高めることができる。
以上説明したように、本発明に係る助手席用エアバッグ装置では、助手席乗員を拘束する気室が助手席乗員からの荷重によって横ずれすることを抑制可能である。
本発明の第1実施形態に係る助手席用エアバッグ装置における前気室及び後気室の膨張展開完了状態を、後気室がインストルメントパネルから車両後方側に取り外された状態で示す斜視図である。 第1実施形態に係る助手席用エアバッグ装置が適用された車両の車室前部を車両左方側から見た断面図であり、前気室及び後気室の膨張展開前の状態を示す図である。 第1実施形態に係る前気室及び後気室の膨張展開完了状態を車両上方から見た状態で示す平断面図である。 対称衝突時に助手席乗員が後気室に当接した状態を示す図3に対応した平断面図である。 本発明の第2実施形態に係る助手席用エアバッグ装置における前気室及び後気室の膨張展開完了状態を示す図1と同様の斜視図である。 第2実施形態に係る前気室及び後気室の膨張展開完了状態を示す図3と同様の平断面図である。 対称衝突時に助手席乗員が後気室に当接した状態を示す図6に対応した平断面図である。 本発明の第3実施形態に係る助手席用エアバッグ装置における前気室及び後気室の膨張展開完了状態を示す図1と同様の斜視図である。 第3実施形態に係る前気室及び後気室の膨張展開完了状態示す図3と同様の平断面図である。 対称衝突時に助手席乗員が後気室に当接した状態を示す図9に対応した平断面図である。 非対称衝突時に助手席乗員が後気室に当接した状態を示す図9に対応した平断面図である。 本発明の第4実施形態に係る助手席用エアバッグ装置における前気室及び後気室の膨張展開完了状態を示す図1と同様の斜視図である。 第4実施形態に係る前気室及び後気室の膨張展開完了状態を示す図3と同様の平断面図である。 対称衝突時に助手席乗員が後気室に当接した状態を示す図13に対応した平断面図である。 非対称衝突時に助手席乗員が後気室に当接した状態を示す図13に対応した平断面図である。 第2実施形態の変形例(第1変形例)を示す図6に対応した平断面図である。 第3実施形態の変形例(第2変形例)を示す図9に対応した平断面図である。
<第1の実施形態>
以下、図1〜図3を用いて、本発明の第1実施形態に係る助手席用エアバッグ装置10について説明する。なお、各図に適宜記す矢印FR、矢印UP、矢印LH(IN)は、車両の前方(進行方向)、上方、左方(車両幅方向の内方)をそれぞれ示している。以下、単に前後、左右、上下の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両左右方向の左右、車両上下方向の上下を示すものとする。また、各図においては、図面を見易くする関係から、一部の部材や一部の符号を省略している場合がある。
図1〜図3に示されるように、本実施形態に係る助手席用エアバッグ装置10は、車両(自動車)12の車室14の前端部に設けられたインストルメントパネル16の上部に搭載されており、所謂トップマウントタイプとされている。この車両12は、ここでは左ハンドル仕様とされており、インストルメントパネル16の車両上方には、ウインドシールド(前面ガラス)18が配設されている。また、車室14の前部の右側でインストルメントパネル16の車両後方には、助手席である車両用シート20が設けられている。この車両用シート20には、AM50(米国人成人男性の50パーセンタイル)と同等の体格を有する乗員Pが着座している。この乗員Pは、本発明における「助手席乗員」に相当しており、3点式のシートベルト装置22によって車両用シート20に拘束されている。なお、上記の車両12が右ハンドル仕様の場合、本実施形態とは左右対称の構成となる。
上記の車両12に適用された助手席用エアバッグ装置10は、袋状に形成されてインストルメントパネル16内に収納され、車両12の前面衝突時に乗員Pの車両前方でウインドシールド18に沿って膨張展開する前気室としての第1気室30と、袋状に形成されてインストルメントパネル16内に収納され、車両12の前面衝突時に第1気室30と乗員Pとの間へ膨張展開する後気室としての第2気室40と、第1気室30の左右の端部30A、30B間に架け渡されたストラップ部としてのストラップ50と、を備えている。
また、この助手席用エアバッグ装置10は、第1気室30に膨張展開用のガスを供給する前インフレータとしての第1インフレータ32と、第2気室40に膨張展開用のガスを供給する後インフレータとしての第2インフレータ42と、第1気室30及び第1インフレータ32が収納される第1ケース(前ケース)34と、第2気室40及び第2インフレータ42が収納される第2ケース(後ケース)44とを備えている。なお、本実施形態において、第1気室30及び第2気室40に関して記載する前後左右上下の方向は、第1気室30及び第2気室40の膨張展開完了状態での方向を示すものであり、車両12の前後左右上下の方向と一致している。
第1気室30及び第2気室40は、独立(分離)した別個の袋体(エアバッグ)とされている。第1気室(第1エアバッグ)30は、例えば膨張展開完了状態で車両前後方向に並ぶ一対の基布が互いに外周縁部を縫製されることにより袋状に形成されている。同様に、第2気室(第2エアバッグ)40は、例えば膨張展開完了状態で車両前後方向に並ぶ一対の基布が互いに外周縁部を縫製されることにより袋状に形成されている。これらの第1気室30及び第2気室40は、互いに異なる内容積を有している。なお、図1では、膨張展開完了状態における第1気室30の形状を理解し易くするために、膨張展開完了状態の第2気室40がインストルメントパネル16から車両後方側に取り外された状態を図示している。実際には、第1気室30は、基端部(下端部)が第1インフレータ32とともに第1ケース34内に収納された状態で膨張展開し、第2気室40は、基端部(下端部)が第2インフレータ42とともに第2ケース44内に収納された状態で膨張展開する。
図1及び図3に示されるように、第1気室30は、膨張展開完了状態において、車両前後方向の厚みが薄くかつ車両左右方向に長い扁平状をなすように形成されている。一方、第2気室40は、膨張展開完了状態において、第1気室30よりも車両前後方向の厚みが厚く、第1気室30よりも車両左右方向の幅が狭くなるように構成されている。また、第1気室30及び第2気室40の膨張展開完了状態を車両前方から見た場合、第1気室30及び第2気室40の車両幅方向中央と、車両用シート20の車両幅方向中央とが一致又は略一致する構成になっている。なお、第1気室30を上記のように扁平状に膨張展開させる方法としては、例えば第1気室30を構成する前後一対の基布を、第1気室30の内部に配設した一又は複数のテザーによって前後に連結する方法などが挙げられる。
ストラップ50は、第1気室30の後面30R側に取り付けられている。このストラップ50は、例えば第1気室30及び第2気室40の基布と同様の布材が長尺帯状に切り出されて形成されたものであり、長手方向一端部が縫製部S1において第1気室30の左端部30Aに結合され、長手方向他端部が縫製部S2において第1気室30の右端部30Bに結合されている。このストラップ50は、第1気室30の膨張展開完了状態では、第1気室30の上下方向中央部付近の高さに配置される。この高さは、乗員Pの顎よりも若干下側の高さとされている。また、このストラップ50は、第1気室30及び第2気室40の膨張展開完了状態では、第1気室30と第2気室40との間に車両左右方向を長手として配置される。
このストラップ50の長さは、第1気室30を平面状に展開した場合の左右の端部30A、30B間の長さよりも短く設定されている。このため、第1気室30が膨張展開すると、図3に示されるように、第1気室30の左右の端部30A、30B間でストラップ50が直線状に伸張され、第1気室30が平断面視で車両前方へ凸をなして曲がる(湾曲する)構成になっている。この第1気室30の膨張展開完了状態を車両上方から見た場合、第1気室30の左右の端部30A、30Bが第1気室30の中央側よりも車両後方側へ突出し、第1気室30の後面30Rには、車両前方へ窪んだ凹部31が形成される構成になっている。つまり、膨張展開完了状態の第1気室30は、乗員Pから見て車両左右方向の中央側が窪んだ形状となる。また、第2気室40は、ストラップ50よりも車両後方側(乗員P側)へ膨張展開し、前面40Fがストラップ50と接触する構成になっている。
図3に示されるように、第1気室30及び第2気室40の膨張展開完了状態では、第1気室30の車両左右方向の幅W1が第2気室40の車両左右方向の幅W2に比べて十分に広くなるように構成されている(W1>W2)。また、第1気室30の車両前後方向の厚みT1が第2気室40の車両前後方向の厚みT2に比べて十分に小さくなるように構成されている(T1<T2)。さらに、凹部31の車両左右方向の幅W3は、第2気室40の車両左右方向の幅W2よりも広くなる(W3>W2)。つまり、第1気室30の後面30Rには、第2気室40が侵入可能な凹部31が形成される構成になっている。
第1インフレータ32及び第2インフレータ42は、例えばシリンダタイプのインフレータとされている。第1インフレータ32は、軸線方向が車両幅方向に沿う姿勢で第1気室30内の下端部に収容されており、第2インフレータ42は、軸線方向が車両幅方向に沿う姿勢で第2気室40内の下端部に収容されている。
第1ケース34及び第2ケース44は、軸線方向両端部が閉塞された円筒状に形成されており、軸線方向が車両幅方向に沿う姿勢でインストルメントパネル16内に配置されている。第1ケース34は、ウインドシールド18寄りに配置されており、第2ケース44は、第1ケース34の車両後方側に配置されている。これらの第1ケース34及び第2ケース44は、インストルメントパネル16内において車両幅方向に延在されたインストルメントパネルリインフォース(図示省略)等に支持されている。
第1ケース34及び第2ケース44の上端部には、車両幅方向を長手とする長尺矩形状の開口部34A、44Aが形成されている。また、インストルメントパネル16には、上記の開口部34A、44Aと対向する箇所に、第1気室30及び第2気室40の膨張圧で破断するティアライン(図示省略)が形成されている。第1ケース34内には、所定の折り畳み方で折り畳まれた第1気室30が、第1インフレータ32と共に収納されており、第2ケース44内には、所定の折り畳み方で折り畳まれた第2気室40が、第2インフレータ42と共に収納されている。
第1インフレータ32及び第2インフレータ42は、図示しないエアバッグECU(制御装置)と電気的に接続されている。このエアバッグECUには、図示しない衝突センサ(又はセンサ群)が電気的に接続されている。このエアバッグECUは、衝突センサからの情報に基づいて、車両12の前面衝突を検知又は予測可能とされている。この前面衝突には、対称衝突(正面衝突;フルラップ前面衝突)の他、斜め衝突や微小ラップ衝突等の非対称衝突が含まれている。
上記のエアバッグECUは、衝突センサからの情報に基づいて前面衝突を検知又は予測すると、先行して第1インフレータ32を作動(起動)させ、遅れて第2インフレータ42を作動(起動)させる構成になっている。具体的には、エアバッグECUは、第1インフレータ32に作動信号を出力した時点から予め設定されたディレイ時間が経過した時点で第2インフレータ42に作動信号を出力する構成になっている。
このため、本実施形態では、エアバッグECUが前面衝突を検知又は予測すると、先ず第1インフレータ32からガスの供給を受ける第1気室30がウインドシールド18に沿って先行して膨張展開する。膨張展開完了状態の第1気室30は、前面30Fがウインドシールド18と接触し、ウインドシールド18によって支持されると共に、基端部がインストルメントパネル16によって支持される。なお、膨張展開した第1気室30は、ウインドシールド18に対してバウンドする場合がある。
次いで、第2インフレータ42からガスの供給を受ける第2気室40が、第1気室30に遅れて第1気室30と乗員Pとの間に膨張展開する。膨張展開完了状態の第2気室40は、前面40Fがストラップ50と接触し、乗員拘束面である後面40Rが乗員Pの頭部H及び胸部Cと対向する構成になっている。なお、第1気室30及び第2気室40が膨張展開する際には、インストルメントパネル16に形成されたティアラインが第1気室30及び第2気室40の膨張圧を受けて破断される。これにより、第1気室30及び第2気室40をインストルメントパネル16の外側へ膨張展開させるための前後一対の開口16F、16R(図1参照)がインストルメントパネル16に形成される構成になっている。また、本実施形態では、膨張展開完了状態の第1気室30の内圧(最大値)が、膨張展開完了状態の第2気室40の内圧(最大値)よりも高くなるように、第1インフレータ32及び第2インフレータ42の出力と、第1気室30及び第2気室40の容積とが設定されている。
(作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
本実施形態では、車両12のインストルメントパネル16には、各々が袋状に形成された第1気室30及び第2気室40が収納されており、車両12の前面衝突時には、第1気室30が乗員Pの車両前方でウインドシールド18に沿って膨張展開し、第2気室40が第1気室30と乗員Pとの間へ膨張展開する。このため、車両前方側へ慣性移動する乗員Pが第2気室40に当接すると、第2気室40が第1気室30を介してウインドシールド18から反力を受けつつ乗員Pを拘束する。
ここで、本実施形態では、第1気室30及び第2気室40の膨張展開状態では、第1気室30と第2気室40との間に配置されて第1気室30の左右の端部30A、30B間に架け渡されたストラップ50が、第1気室30の左右の端部30A、30B間で伸張される。これにより、第1気室30の後面30Rには、第2気室40よりも車両左右方向の幅が広い凹部31が形成される。
このため、乗員Pが第2気室40に拘束される際には、図4に示されるように、第2気室40が上記の凹部31内に入り込んでストラップ50を押すことにより、ストラップ50の張力が高くなり、第1気室30の左右の端部30A、30Bが第1気室30の中央側へ寄せられる。これにより、第1気室30の左右の端部30A、30Bによって第2気室40を側方から保持(拘束)することができるので、第2気室40すなわち乗員Pを拘束する気室が乗員Pからの荷重によって車両左右方向に横ずれすることを抑制できる。特に、前面衝突が非対称衝突の場合、斜め前方へ移動しつつ第2気室40に当接する乗員Pからの荷重によって第2気室40の全体が車両左右方向に横ずれしようとするが、本実施形態ではこれを抑制することができる。その結果、第2気室40の横ずれに起因して乗員Pの頭部Hが首部の軸線回りに回転することを防止又は抑制できる。
また、本実施形態では、膨張展開完了状態の第1気室30の内圧は、膨張展開完了状態の第2気室40の内圧よりも高くなる。このため、第2気室40による乗員Pの拘束時に、第1気室30が第2気室40から大きな荷重を受けた場合でも、第1気室30の左右の端部30A、30Bが変形し難くなる。これにより、第1気室30の左右の端部30A、30Bによる第2気室40の保持力を高めることができる。しかも、低圧の第2気室40によって乗員Pをソフトに拘束することができる。
なお、上記第1実施形態では、第1気室30と第2気室40とが別個の独立した袋体とされた構成にしたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、第1気室30(前気室)と第2気室40(後気室)とが基端部で一体に繋がった構成、すなわち単一の袋体が二股状に形成され、二股の一方が前気室とされると共に、二股の他方が後気室とされた構成にしてもよい。その場合、前気室及び後気室において、インストルメントパネルの外側へ膨張展開する部分が互いに分離(独立)した構成になる。またその場合、例えば二股の付け根部に配設した単一のインフレータから発生するガスを前気室に優先的に供給することにより、前気室を後気室に先行して膨張展開させる構成になる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。なお、先に説明した実施形態と基本的に同様の構成及び作用については、先に説明した実施形態と同符号を付与しその説明を省略する。
<第2の実施形態>
図5には、本発明の第2実施形態に係る助手席用エアバッグ装置60における第1気室(前気室)30及び第2気室(後気室)40の膨張展開完了状態が図1と同様の斜視図にて示されている。また、図6には、第2実施形態に係る第1気室30及び第2気室40の膨張展開完了状態が図3と同様の平断面図にて示されている。この実施形態では、第2気室40の前面40Fと、第1気室30の左右の端部30A、30Bとがストラップ50によって繋がれている。具体的には、膨張展開完了状態における第2気室40の前面40Fの車両左右方向中央部と、ストラップ50の長手方向中間部とが、縫製部S3において互いに結合されている。これにより、第1気室30と第2気室40とがストラップ50を介して連結されている。
このため、この実施形態では、第1気室30と第2気室40とが、インストルメントパネル16内の上部に取り付けられた図示しない単一のケース内に収納されている。第1インフレータ32及び第2インフレータ42は、第1実施形態と同様に第1気室30内の下端部及び第2気室40内の下端部にそれぞれ収容されており、第1気室30及び第2気室40と一緒に上記のケース内に収納されている。また、エアバッグECUは、前面衝突を検知又は予測した際に、第1インフレータ32及び第2インフレータ42を同時又は略同時に作動させる構成になっており、第1気室30及び第2気室は、同時又は略同時に膨張展開される。この膨張展開の際には、インストルメントパネル16に形成されたティアラインが破断することにより、第1気室30及び第2気室40をインストルメントパネル16の外側へ膨張展開させるための単一の開口16Sがインストルメントパネル16に形成される構成になっている。この実施形態では、上記以外の構成は、第1実施形態と同様とされている。
この実施形態においても、第1気室30及び第2気室40の膨張展開状態では、図6に示されるように、ストラップ50が伸張され、第1気室30の後面30Rに凹部31が形成される。この状態で乗員Pが第2気室40に当接すると、図7に示されるように、第2気室40がストラップ50を押すことにより、第1気室30の左右の端部30A、30Bが第1気室30の中央側へ寄せられる。これにより、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。しかも、この実施形態では、第2気室40の前面40Fと、第1気室30の左右の端部30A、30Bとがストラップ50によって繋がれているので、第1気室30に対する第2気室40の横ずれを更に抑制することができる。
<第3の実施形態>
図8には、本発明の第3実施形態に係る助手席用エアバッグ装置70における第1気室(前気室)30及び第2気室(後気室)40の膨張展開完了状態が図1と同様の斜視図にて示されている。また、図9には、第3実施形態に係る第1気室30及び第2気室40の膨張展開完了状態が図3と同様の平断面図にて示されている。この実施形態では、第1気室30の後面30R側には、上下一対のストラップ50A、50Bが取り付けられている。これらのストラップ50A、50Bは、本発明における「ストラップ部」に相当するものであり、第1実施形態に係るストラップ50と同様に長尺帯状に形成されている。
上側のストラップ50Aは、第1気室30の上下方向中央部よりも第1気室30の上端側に設けられており、長手方向一端部が縫製部S4において第1気室30の左端部30Aに結合され、長手方向他端部が縫製部S5において第1気室30の右端部30Bに結合されている。下側のストラップ50Bは、第1気室30の上下方向中央部よりも第1気室30の下端側に設けられており、長手方向一端部が図示しない縫製部において第1気室30の左端部30Aに結合され、長手方向他端部が縫製部S6において第1気室30の右端部30Bに結合されている。そして、第1気室30の膨張展開完了状態では、上側のストラップ50Aが乗員Pの頭部Hの高さに配置され、下側のストラップ50Bが乗員Pの胸部Cの高さに配置される構成になっている。
また、この実施形態では、第1気室30の凹部31の底面31Aと、第1気室30の左右の端部30A、30Bとが上記のストラップ50A、50Bによって繋がれている。具体的には、凹部31の底面31Aにおける車両左右方向の中央部と、上側のストラップ50Aの長手方向中央部とが、縫製部S7において互いに結合されており、凹部31の底面31Aにおける車両左右方向の中央部と、下側のストラップ50Bの長手方向中央部とが、縫製部S8において互いに結合されている。このため、第1気室30の膨張展開完了状態では、上下のストラップ50A、50Bが凹部31の底面31A側へ窪み、平面視で車両後方側が開放された略V字状をなすように構成されている。
また、この実施形態では、第2気室40の下端部内に収容された第2インフレータ42は、1つのガス発生器を有するシングルステージインフレータとされており、第1気室30の下端部内に収容された第1インフレータ32は、2つのガス発生器を有するデュアルステージインフレータとされている。そして、エアバッグECUは、第1インフレータ32が有する2つのガス発生器の作動を、前面衝突の形態に応じて制御(変更)する構成になっている。具体的には、エアバッグECUは、前面衝突が対称衝突の場合は、上記2つのガス発生器のうちの一方のみを作動させ、前面衝突が非対称衝突の場合は、上記2つのガス発生器の両方を作動させる。このように上記2つのガス発生器の両方が作動された場合、第1気室30の内圧が第2気室40の内圧よりも高くなるように構成されている。この実施形態では、上記以外の構成は第1実施形態と同様とされている。
この実施形態では、膨張展開完了状態の第1気室30の後面30Rに形成される凹部31の底面31Aと、第1気室30の左右の端部30A、30Bとが、ストラップ50A、50Bによって繋がれている。このため、ストラップ50A、50Bは、凹部31の底面31A側(車両前方側)へ窪むので、第1気室30及び第2気室40の膨張展開が完了しかつ第2気室40に乗員Pが拘束される前の状態において、第2気室40を第1気室30の凹部31内へ入り込ませることができる(図9参照)。これにより、第2気室40の車両前後方向の厚み、すなわち第2気室40の衝撃吸収ストロークを確保し易くなる。
また、前面衝突が対称衝突であり、図10に示されるように乗員Pが前方へ移動しつつ第2気室40に当接した場合、第2気室40がストラップ50A、50Bを押すことにより、第1気室30の左右の端部30A、30Bが第1気室30の中央側へ寄せられる。これにより、第1実施形態と同様に、第1気室30の左右の端部30A、30bによって、第2気室40の横ずれを抑制することができる。
一方、前面衝突が車両12の左側への非対称衝突であり、図11に示されるように乗員Pが左斜め前方へ移動しつつ第2気室40に当接した場合、ストラップ50A、50Bが当接側で強く押されることにより、第1気室30の左右の端部30A、30Bのうち左側(当接側)の端部30Aが、第1気室30の中央側へ大きく寄せられる。これにより、左側の端部30Aが第2気室40を側方から保持する力を高めることができる。また、前面衝突が車両12の右側への非対称衝突である場合、図示は省略するが、右側(当接側)の端部30Bが、第1気室30の中央側へ大きく寄せられるので、右側の端部30Bが第2気室40を側方から保持する力を高めることができる。
また、本実施形態では、第1気室30に膨張展開用のガスを供給する第1インフレータ32が、2つのガス発生器を有するデュアルステージインフレータとされている。そして、前面衝突が対称衝突の場合は、一方のガス発生器のみが作動され、非対称衝突の場合は、両方のガス発生器が作動される。これにより、前面衝突の形態に応じて上記の保持力を適切に調整することができる。つまり、非対称衝突の場合、対称衝突の場合と比べて、左右の端部30A、30Bのうち衝突側の端部が第2気室40から大きな荷重を受けるが、第1気室30の内圧が高くなることにより、上記衝突側の端部が変形し難くなる。これにより、上記衝突側の端部によって第2気室40を良好に保持することができる。
さらに、本実施形態は、第1気室30及び第2気室40の膨張展開完了状態では、第1気室30の左右の端部30A、30B間に架け渡された上下一対のストラップ50A、50Bが、第1気室30と第2気室40との間において、乗員Pの頭部H及び胸部Cの高さにそれぞれ配置される。これにより、第2気室40に乗員Pの頭部H及び胸部Cが当接した際には、頭部H及び胸部Cからの荷重を上下のストラップ50A、50Bに作用させることができるので、上下のストラップ50A、50Bの張力を第1気室30の左右の端部30A、30Bに対して広い範囲で作用させることができる。その結果、左右の端部30A、30Bによる第2気室40の保持力を高めることができる。また、頭部H及び胸部Cのうちの一方が他方より先に第2気室40に当接した場合でも、当該一方の高さに配置されたストラップの張力によって第1気室30の左右の端部30A、30Bを互いに接近させることができるので、第2気室40の横ずれ抑制の確実性を高めることができる。
<第4の実施形態>
図12には、本発明の第4実施形態に係る助手席用エアバッグ装置80における第1気室(前気室)30及び第2気室(後気室)40の膨張展開完了状態が図1と同様の斜視図にて示されている。また、図13には、第4実施形態に係る第1気室30及び第2気室40の膨張展開完了状態が図3と同様の平断面図にて示されている。この実施形態では、第1気室30の凹部31の底面31Aと、第1気室30の左右の端部30A、30Bとがストラップ50によって繋がれている。具体的には、凹部31の底面31Aにおける車両左右方向の中央部と、ストラップ50Aの長手方向中央部とが、縫製部S9において互いに結合されている。このため、第1気室30の膨張展開完了状態では、ストラップ50が凹部31の底面31A側へ窪み、平面視で車両後方側が開放された略V字状をなすように構成されている。
また、この実施形態では、ストラップ50は、凹部31の底面31Aと第1気室30の左端部30Aとを繋いだ左側部分50Lの中央部が、縫製部S10において第2気室40の前面40Fの左側部と繋がれている。また、このストラップ50は、凹部31の底面31Aと第1気室30の右端部30Bとを繋いだ右側部分50Rの中央部が、縫製部S11において第2気室40の前面40Fの右側部と繋がれている。これにより、第1気室30と第2気室40とがストラップ50を介して連結されている。
このため、この実施形態では、第2実施形態と同様に、第1気室30と第2気室40とが、インストルメントパネル16内の上部に取り付けられた図示しない単一のケース内に収納されている。また、この実施形態では、第2実施形態と同様に、第1インフレータ32及び第2インフレータ42が同時又は略同時に作動され、第1気室30及び第2気室40が同時又は略同時に膨張展開される構成になっている。そして、第1気室30及び第2気室40の膨張展開完了状態では、凹部31の底面31Aと第2気室40の前面40Fとの間に隙間92が形成される構成になっている。この実施形態では、上記以外の構成は、第1実施形態と同様とされている。
この実施形態では、膨張展開完了状態の第1気室30の後面30Rに形成される凹部31の底面31Aと、第1気室30の左右の端部30A、30Bとが、ストラップ50によって繋がれている。このため、ストラップ50は、凹部31の底面31A側(車両前方側)へ窪むので、第1気室30及び第2気室40の膨張展開が完了しかつ第2気室40に乗員Pが拘束される前の状態において、第2気室40を第1気室30の凹部31内へ入り込ませることができる(図13参照)。これにより、第2気室40の車両前後方向の厚み、すなわち第2気室40の衝撃吸収ストロークを確保し易くなる。
また、前面衝突が対称衝突であり、図14に示されるように乗員Pが前方へ移動しつつ第2気室40に当接した場合、隙間92の分だけストラップ50が早期に第2気室40に押されることになるため、第1気室30の左右の端部30A、30Bを早期に第1気室30の中央側(第2気室40側)へ寄せることができる。これにより、第3実施形態よりも第2気室40の横ずれを早期に抑制することができる。
一方、前面衝突が車両12の左側への非対称衝突であり、図15に示されるように乗員Pが左斜め前方へ移動しつつ第2気室40に当接した場合、ストラップ50において当接側の部分である左側部分50Lが強く押されることにより、第1気室30の左右の端部30A、30Bのうち左側(当接側)の端部30Aが、第1気室30の中央側へ大きく寄せられる。これにより、左側の端部30Aが第2気室40を側方から保持する力を高めることができる。また、前面衝突が車両12の右側への非対称衝突である場合、図示は省略するが、ストラップ50の右側部分50Rが強く押されることにより、右側の端部30Bが、第1気室30の中央側へ大きく寄せられるので、右側の端部30Bが第2気室40を側方から保持する力を高めることができる。
<実施形態の補足説明>
なお、前記第2実施形態において、図16に示される助手席エアバッグ装置60’(第1変形例)のように、第1気室30の左右の端部30A、30Bと、第2気室40の前面40Fとが、左右一対のストラップ50L、50Rを介して連結された構成にしてもよい。左側のストラップ50Lは、縫製部S1において左端部30Aと結合され、縫製部S31において第2気室40の前面40Fと結合されている。右側のストラップ50Rは、縫製部S2において右端部30Bと結合され、縫製部S32において第2気室40の前面40Fと結合されている。この変形例では、左側のストラップ50Lと、右側のストラップ50Rと、第2気室40の基布のうち縫製部S31と縫製部S32との間の部位50Sとによって、ストラップ部50が構成されている。この第1変形例においても、第2実施形態と基本的に同様の作用効果を奏する。
また、前記第3実施形態において、図17に示される助手席用エアバッグ装置70’(第2変形例)のように、第1気室30の左右の端部30A、30Bと、第1気室30の凹部31の底面31Aとが、左右一対のストラップ50AL、50ARを介して連結された構成にしてもよい。左側のストラップ50ALは、縫製部S4において左端部30Aと結合され、縫製部S71において凹部31の底面31Aと結合されている。右側のストラップ50ARは、縫製部S5において右端部30Bと結合され、縫製部S72において凹部31の底面31Aと結合されている。この第2変形例では、左側のストラップ50ALと、右側のストラップ50ARと、第1気室30の基布のうち縫製部S71と縫製部S72との間の部位50ASとによって、ストラップ部50が構成されている。この第2変形例においても、第3実施形態と基本的に同様の作用効果を奏する。
以上、幾つかの実施形態を挙げて本発明について説明したが、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記各実施形態に限定されないことは勿論である。
10 助手席用エアバッグ装置
12 車両
16 インストルメントパネル
18 ウインドシールド
30 第1気室(前気室)
30A 左側の端部
30B 右側の端部
31 凹部
31A 底面
32 第1インフレータ(前インフレータ;デュアルステージインフレータ)
40 第2気室(後気室)
40F 第2気室(後気室)の前面
42 第2インフレータ(後インフレータ)
50 ストラップ(ストラップ部)
50A 上側のストラップ
50B 下側のストラップ
60、60’ 助手席用エアバッグ装置
70、70’ 助手席用エアバッグ装置
80 助手席用エアバッグ装置
P 乗員(助手席乗員)
H 頭部
C 胸部

Claims (7)

  1. 車両のインストルメントパネル内に収納され、車両前面衝突時に助手席乗員の車両前方でウインドシールドに沿って膨張展開する前気室と、
    前記インストルメントパネル内に収納され、車両前面衝突時に前記前気室と助手席乗員との間へ膨張展開する後気室と、
    膨張展開完了状態の前記前気室と前記後気室との間に配置され、前記前気室の左右の端部間に架け渡され、前記左右の端部間で伸張され、前記後気室よりも車両左右方向の幅が広い凹部を前記前気室の後面に形成するストラップ部と、
    を備えた助手席用エアバッグ装置。
  2. 膨張展開完了状態の前記前気室の内圧は、膨張展開完了状態の前記後気室の内圧よりも高い請求項1に記載の助手席用エアバッグ装置。
  3. 前記ストラップ部は、前記後気室の前面と、前記前気室の左右の端部とを繋いでいる請求項1又は請求項2に記載の助手席用エアバッグ装置。
  4. 前記ストラップ部は、前記凹部の底面と、前記前気室の左右の端部とを繋いでいる請求項1又は請求項2に記載の助手席用エアバッグ装置。
  5. 前記ストラップ部は、前記凹部の底面と前記前気室の左端部とを繋いだ左側部分の中央部が、前記後気室の前面の左側部に繋がれており、前記凹部の底面と前記前気室の右端部とを繋いだ右側部分の中央部が、前記後気室の前面の右側部に繋がれている請求項4に記載の助手席用エアバッグ装置。
  6. 前記前気室は、2つのガス発生器を有するデュアルステージインフレータによって膨張展開用のガスを供給される請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の助手席用エアバッグ装置。
  7. 前記前気室の膨張展開完了状態で上下に並ぶ一対の前記ストラップ部を備え、上側の前記ストラップ部が助手席乗員の頭部の高さに配置され、下側の前記ストラップ部が助手席乗員の胸部の高さに配置される請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の助手席用エアバッグ装置。
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