JP6163913B2 - ルーフレール - Google Patents

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本発明は、車両のルーフの上面に組み付けられるルーフレールに関する。
従来から、例えば下記特許文献1及び2に記載されているように、車両のルーフの上面に組み付けられるルーフレールは知られている。特許文献1のルーフレールは、車両前後方向に延設された本体部と、本体部の前端及び後端に組み付けられたカバー部材(端末ピース)を有する。本体部の上面には、車両前後方向に延びる溝部が形成されている。また、本体部には、溝部の底面から本体部の下面へ貫通する貫通孔が形成されている。ルーフの上面にはブラケットが組み付けられている。ブラケットの上面には上方へ突出するようにネジ部が形成されており、このネジ部が本体部に形成された貫通孔に下方から挿入されるようにして、本体部がブラケットの上に載置される。そして、ブラケットのネジ部にナットが螺合される。これにより、本体部がルーフの上面に組み付けられる。次に、溝部の前端部及び後端部にカバー部材がネジで締結される。そして、溝部にモールが嵌め込まれ、ナットやネジがモールで覆われる。
また、下記特許文献2のルーフレールは筒状に形成されている。このルーフレールの上側の壁部には、ルーフレールをルーフの上面に組み付けるためのネジをルーフレール内に取り込むとともに、前記ネジを螺合する際に用いる工具をルーフレール内に挿入するための開口部が形成されている。また、ルーフレールの下側の壁部には、貫通孔が形成されている。この貫通孔は開口部の下方に形成されている。開口部からルーフレールの内部へ取り込まれたネジの先端が前記貫通孔に挿入されるとともに、ルーフに予め組み付けられたナットに螺合される。これにより、ルーフレールがルーフの上面に締結される。そして、開口部にキャップが嵌め込まれ、開口部がキャップで塞がれる。
特開2004−203123号公報 特開2006−282119号公報
特許文献1のルーフレールでは、本体部と端末ピースとの境界部に沿って見切り線(境界線)が形成されるのみならず、本体部とモールとの境界部に沿って見切り線が形成される。そのため、ルーフレールの外観が損なわれる。また、特許文献2のルーフレールでは、上側の壁部に開口部を形成するための切削工程が必要であり、多大な工数がかかる。また、キャップと本体部との境界部に沿って見切り線が形成される。そのため、ルーフレールの外観が損なわれる。また、一般に、本体部は金属材料で構成される。これに対し、モールやキャップは合成ゴムや合成樹脂などで形成される。したがって、本体部の質感と、モールやキャップの質感とは異なる。このように、質感の異なる部品が組み合わされてルーフレールが形成されるため、ルーフレールの外観性能に関し、全体としての統一感が損なわれる。
本発明は上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、製造工数を削減でき、外観性能を向上させることができるルーフレールを提供することにある。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の各構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、車両のルーフ(R)の上面に沿って車両前後方向に延びるように、一体的に形成された本体部(11)と、本体部に組み付けられる第1固定部(121)、及び第1固定部が本体部に組み付けられた状態で本体部の外方へ突出し、ルーフの上面側からルーフに組み付けられる第2固定部(122)を有する固定部材(12)と、固定部材を覆うカバー部材(13)と、を備え、本体部は、ルーフの車両幅方向端部に組み付けられ、固定部材は、第1固定部が本体部に組み付けられた状態で、第2固定部がルーフの車両幅方向中央部側に突出するように構成されたルーフレールとしたことにある。
の場合、第1固定部は、本体部における車両幅方向中央部側の側面部に外方から組み付けられるとよい。
また、本体部は、金属材料で構成された成形体であって押し出し成形法を用いて形成された成形体(C)をルーフの上面に沿うように曲げ加工するとともに長手方向端部の一部を除去して形成されているとよい。この場合、前記成形体は、筒状に形成されているとよい。
上記のように構成されたルーフレールによれば、本体部は一体的に形成されている。そして、本体部に固定部材の第1固定部が組み付けられるとともに、固定部材の第2固定部がルーフの上面側からルーフに組み付けられる。したがって、上記従来のルーフレールのような開口部を本体部に形成する必要が無いので製造工数を削減できる。また、上記従来のルーフレールのような見切り線が本体部に形成されない。そのため、ルーフレールの外観性能に関し、全体としての統一感を向上させることができる。また、固定部材及びカバー部材を車両幅方向中央部側に組み付けた場合には、車両外方からカバー部材が視認され難く、ルーフレールの外観性能に関し、全体としての統一感が損なわれることを抑制できる。
本発明の一実施形態に係るルーフレールが組み付けられる車両のルーフの概略を示す概略図である。 図1のルーフレールの前端部の拡大図である。 筒状部材の概略を示す斜視図である。 筒状部材の中間部、前端部及び後端部を曲げ加工した状態を示す側面図である。 筒状部材の前端部及び後端部の切除部分を示す側面図である。 固定部材の拡大図である。 ルーフの上面に組み付けられたルーフレールの端部であって、本体部に固定部材が組み付けられている部分をルーフレールの長手方向に垂直に切断して前方から見た断面図である。
本発明の一実施形態に係るルーフレール10について説明する。まず、ルーフレール10が組み付けられる車両のルーフRの構成について説明する。ルーフRは、板状にそれぞれ形成されたメインパネルR1及びサイドパネルR2を接合して形成されている(図1及び図5参照)。ルーフRは、車両幅方向中央部を中心として左右対称に形成されているので、以下の説明では、ルーフRの右側部分のみを説明し、左側部分の説明は省略する。メインパネルR1は、車室の車両幅方向中央部を覆うように形成されている。サイドパネルR2は、車室の右端部を覆うように形成されている。メインパネルR1の車両幅方向右端部には、階段状の段差部R11が形成されている。段差部R11の下端にはフランジ部R12が形成されている。段差部R11及びフランジ部R12は車両前後方向に延設されている。段差部R11及びフランジ部R12は、メインパネルR1の右端部を下方へ折り曲げることにより形成されている。サイドパネルR2の左端部には段差部R11及びフランジ部R12と同様の段差部R21及びフランジ部R22が形成されている。フランジ部R12と、フランジ部R22とが重ね合わされた状態で溶接されることにより、ルーフRの上面には、車両前後方向に延びるとともに上方に開放された溝部Dが形成されている。溝部Dにはルーフレール10が被せられる。
ルーフレール10は、車両前後方向に延設された本体部11と、本体部11及びルーフRに組み付けられて本体部11をルーフRの上面に固定する固定部材12,12と、固定部材12,12に被せられるカバー部材13,13を有する(図1及び図2参照)。本体部11は、次のようにして形成される。まず、金属材料(例えばアルミニウム材)を押し出し加工することにより、図3Aに示すような、長尺状の筒状部材Cが形成される。この筒状部材Cは、略平行に形成された上壁部C1及び下壁部C2を有する。上壁部C1の車両幅方向右端部は、車両幅方向中央部及び車両幅方向左端部よりも少し低くなるように湾曲形成されている。上壁部C1及び下壁部C2の右端部及び左端部は、側壁部C3及び側壁部C4によってそれぞれ接続されている。側壁部C3の下端部は、内側(側壁部C4側)に入り込むように湾曲形成されている。これにより、側壁部C3の下端部には、車両前後方向に延びる溝部C31が形成されている(図5参照)。また、下壁部C2の右端部及び左端部の下面には、車両前後方向に延びるレール部C5及びレール部C6がそれぞれ形成されている。レール部C5及びレール部C6には、車両前後方向に延びる溝部C51及び溝部C61がそれぞれ形成されている。なお、筒状部材Cの断面形状は上記実施形態に限られず、どのような形状であってもよい。
次に、図3Bに示すように、ルーフRの上面における車両前後方向中間部のカーブ(ルーフRを側方から見たときのルーフRの上面における車両前後方向中間部の曲率)に、下壁部C2の下面のカーブが合致するように筒状部材Cの長手方向中間部を曲げ加工するとともに、筒状部材Cの前端部及び後端部の曲率が中間部よりもさらに大きくなるように曲げ加工する。次に、図3Cに示すように、筒状部材Cの前端部及び後端部の下面が筒状部材CのルーフRの上面のカーブに合致するように前端部及び後端部の下部(図3Cにおいて斜線を付した部分)を切除する。
また、図3Cに示すように、また、筒状部材Cの中間部の側壁部C4における前端部及び後端部には、後述する固定部材12を本体部11に組み付けるためのネジSC1が螺合されるネジ孔SH1F,SH1Rがそれぞれ形成される。上記のようにして、本体部11が形成される。そして、本体部11の溝部C51及び溝部C61には、合成ゴム、軟質樹脂材などで構成され、車両前後方向に延びるように形成されたリップ部材Lが嵌め込まれる。
固定部材12は、図4及び図5に示すように、本体部11の側壁部C4に沿うように車両前後方向に延設された縦壁部121と、縦壁部121の下端から左方(ルーフRの車幅方向中央部側)へ突出するとともに車両前後方向に延設された横壁部122とを有する。すなわち、固定部材12は、前方から見てL字形を呈するように形成されている。縦壁部121には、左側面から右側面へ貫通する貫通孔H1,H1が形成されている。貫通孔H1,H1は車両前後方向に間隔をおいて形成されている。また、横壁部122の車両前後方向における中央部122Cは、横壁部122の前端部122F及び後端部122Rよりも高く形成され、中央部122Cの下方には空間が形成されている。また、横壁部122の前端部122F及び後端部122Rには、上面から下面へ貫通する貫通孔H2がそれぞれ形成されている。また、横壁部122の中央部Cの右端部(縦壁部121に接続される部分)は、中央部Cの左端側よりもやや高く形成されている。横壁部122の中央部Cの右端部には、上面側から下面側へ貫通する貫通孔H3が形成されている。なお、縦壁部121が本発明の第1固定部に相当し、横壁部122が本発明の第2固定部に相当する。
カバー部材13は、合成樹脂材料で一体的に形成されている。固定部材12に組み付けられた状態で本体部11の側壁部C4の上端から左方且つ下方へ延びるように形成された上壁部131と、上壁部131の前端及び後端から下方へ延設された前壁部132及び後壁部133を有する(図2参照)。上壁部131は、左方へ向かうにしたがって上面の傾斜角度が大きくなるように湾曲形成されている。上壁部131の下面には、横壁部122の貫通孔H3に挿入されて中央部122Cの下面における貫通穴H3の周縁部に係止される図示しない爪部、及び中央部122Cの左端側の縁部に係止される図示しない爪部が形成されている。
次に、ルーフレール10をルーフRの上面に組み付ける手順について説明する。まず、固定部材12,12の貫通孔H1に左方からネジSC1を挿入し、本体部11のネジ孔SH1に螺合する。これにより、固定部材12,12が本体部11の側壁部C4に組み付けられる。次に、固定部材12,12の貫通孔H2に上方からネジSC2を挿入し、ルーフRのメインパネルR1の下面に予め溶接されたナットNTに螺合する。これにより、本体部11が固定部材12,12を介してルーフRの上面に固定される。次に、カバー部材13,13を固定部材12,12の上側に載置し、下方へ軽く押圧する。すると、カバー部材13,13の上壁部131の下面に形成された図示しない爪部が固定部材12,12の横壁部122の貫通孔H3の周縁部及び横壁部122の左端側の縁部に係止される。これにより、固定部材12,12がカバー部材13,13によって覆われる。上記のようにして、ルーフレール10がルーフRの上面に組み付けられる。なお、ルーフレール10がルーフRの上面に組み付けられた状態では、リップ部材Lが溝部Dの上部に当接しており、溝部Dへ異物が侵入することが抑制される。
上記のように構成されたルーフレール10によれば、本体部11は金属材料で一体的に形成されている。そして、固定部材12の縦壁部121が本体部11の外方から本体部11の側壁部C4に組み付けられるとともに、固定部材12の横壁部122がルーフRの上面側からルーフRに組み付けられる。したがって、上記従来のルーフレールのような開口部を本体部11に形成する必要が無いので製造工数を削減できる。また、上記従来のルーフレールのような見切り線が本体部11に形成されない。そのため、ルーフレール10の外観性能に関し、全体としての統一感を向上させることができる。また、本体部11のうちの車両幅方向中央部側に位置する側壁部C4に固定部材12,12が組み付けられ、固定部材12,12にカバー部材13,13が被せられている。そのため、車両外方からカバー部材13が視認され難く、ルーフレール10の外観性能に関し、全体としての統一感が損なわれることを抑制できる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態では本体部11は筒状に形成されているが、下方に開放されていてもよい。すなわち、本体部11が上壁部C1、側壁部C3、側壁部C4、レール部C5及びレール部C6から構成されてもよい。
また、上記実施形態では固定部材12,12は側壁部C4に締結されているが、固定部材12,12は下壁部C2に締結されてもよい。この場合、固定部材12,12を板状に形成するとともにレール部C6の一部を切り欠いておき、この切り欠きから固定部材12,12の端部が本体部11の内部(下壁部C2の下面側)へ挿入されて下壁部C2に締結されると良い。
また、縦壁部121の上端から車両幅方向右側へ延びる水平壁部を形成しておき、前記水平壁部の下面を上壁部C1の上面に当接させた状態で、前記水平壁部と上壁部C1とを締結しても良い。この場合、前記水平壁部が覆われるように、カバー13の上壁部131が上壁部C1の上方まで延設されるとよい。
また、上記実施形態では、固定部材12は、本体部11の前端部及び後端部の2箇所に組み付けられているが、これに限定されず、固定部材12が本体部11に対して1箇所又は3箇所以上組み付けられていても良い。また、本体部11のうちの車両幅方向中央部側(側壁部C4)に固定部材12が組み付けられているが、本体部11のうちの車両幅方向端部側(側壁部C3)に固定部材12が組み付けられていてもよい。また、本体部11は金属材料で構成されているが、樹脂材料で構成されても良い。また、本体部11は筒状(中空状)に形成されているが、中実状に形成されていても良い。
10・・・ルーフレール、11・・・本体部、12・・・固定部材、121・・・縦壁部。122・・・横壁部、13・・・カバー部材、C・・・筒状部材、C1・・・上壁部、C2・・・下壁部、C3,C4・・・側壁部、D・・・溝部、H1,H2・・・貫通孔、NT・・・ナット、R・・・ルーフ、SC1,SC2・・・ネジ

Claims (4)

  1. 車両のルーフの上面に沿って車両前後方向に延びるように、一体的に形成された本体部と、
    前記本体部に組み付けられる第1固定部、及び前記第1固定部が前記本体部に組み付けられた状態で前記本体部の外方へ突出し、前記ルーフの上面側から前記ルーフに組み付けられる第2固定部を有する固定部材と、
    前記固定部材を覆うカバー部材と、
    を備え、
    前記本体部は、前記ルーフの車両幅方向端部に組み付けられ、
    前記固定部材は、前記第1固定部が前記本体部に組み付けられた状態で、前記第2固定部が前記ルーフの車両幅方向中央部側に突出するように構成されている、ルーフレール。
  2. 請求項1に記載のルーフレールにおいて、
    前記第1固定部は、前記本体部における車両幅方向中央部側の側面部に外方から組み付けられる、ルーフレール。
  3. 請求項1又は2に記載のルーフレールにおいて、
    前記本体部は、金属材料で構成された成形体であって押し出し成形法を用いて形成された成形体を前記ルーフの上面に沿うように曲げ加工するとともに長手方向端部の一部を除去して形成されている、ルーフレール。
  4. 請求項3に記載のルーフレールにおいて、
    前記成形体は、筒状に形成されている、ルーフレール。
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