JP6163355B2 - 電力デマンド制御装置および方法 - Google Patents

電力デマンド制御装置および方法 Download PDF

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Description

この発明は、予測電力が目標電力を超過しないように負荷機器の運転を制御する電力デマンド制御装置および方法に関するものである。
従来より、予め定められた周期を制御インターバル周期とし、この制御インターバル周期毎にその制御インターバル周期が開始されてからの現在までの需要家における電力負荷群の外部からの供給電力の消費量を現在電力量として実測し、この実測した現在電力量に基づいて制御インターバル周期内での外部からの供給電力の消費量を予測し、この予測した予測電力が予め設定されている目標電力を超過する場合、超過しないように電力負荷群中の電力調整用の機器として登録されている負荷機器の運転を制御する電力デマンド制御が行われている(例えば、特許文献1参照)。
図7を用いて従来の電力デマンド制御の一例を説明する。図7において、100は中央監視装置、200は需要家における電力負荷群である。電力負荷群200には、負荷機器として、空調機、ポンプ、ファン、PAC(水冷/空冷一体型空調機器)、冷温水発生器、ターボ冷凍機、蓄熱槽などがある。中央監視装置100の動作は、プロセッサや記憶装置からなるハードウェアと、これらのハードウェアと協働して各種機能を実現させるプログラムとによって実現され、このプログラムの1つとして電力デマンド制御プログラムがインストールされている。
中央監視装置100は、この電力デマンド制御プログラムに従う処理動作として、例えば30分を制御インターバル周期Tとし、この制御インターバル周期T毎にその制御インターバル周期Tが開始されてからの現在までの需要家における電力負荷群200の外部からの供給電力の消費量を現在電力量PWRとして実測する。そして、この実測した現在電力量PWRに基づいて制御インターバル周期T内での外部からの供給電力の消費量を予測し、この予測した予測電力PWPと予め設定されている目標電力PWTとを比較する。
ここで、予測電力PWPが目標電力PWTを超過する場合、この予測電力PWPと目標電力PWTとの差を調整する電力(調整電力)とし、この調整電力が零となるように、電力負荷群200中の電力調整用の機器として登録されている負荷機器の運転を制御する。例えば、温度やCO2濃度などの設定値に対する緩和指令を空調機に送ったり、停止指令をポンプ、ファン,PACなどに送ったり、強弱などの配分変更指令を冷温水発生器やターボ冷凍機に送ったり、起動指令を蓄熱槽に送ったりする。
特開平4−183226号公報
しかしながら、電力負荷群200には、電力デマンド制御とは関係なく動作する負荷機器がある。例えば、揚水ポンプ、排水ポンプなどの機器は、水槽の水位によって作動しており、電力デマンド制御とは関係なく動作する。
図8に排水ポンプの自動制御状況を示す。図8において、1Aは排水ポンプ、2Aは水位計、3Aはタンクである。この排水ポンプの自動制御では、水位が一定レベル以上となると排水ポンプ1AがONとされて、タンク3Aからの排水が行われる。これにより、水位が一定レベル以下となると、排水ポンプ1AがOFFとされて、タンク3Aからの排水が停止される。
図9に揚水ポンプの自動制御状況を示す。図9において、1Bは揚水ポンプ、2Bは水位計、3Bはタンクである。この揚水ポンプの自動制御では、水位が一定レベル以下となると揚水ポンプ1BがONとされて、タンク3Bへの給水が行われる。これにより、水位が一定レベル以上となると、揚水ポンプ1BがOFFとされて、タンク3Bへの給水が停止される。
他にも、駐車場のCO2濃度やCO濃度で発停する換気ファンなども、電力デマンド制御とは関係なく動作する機器として挙げられる。
このように、電力負荷群200には、電力デマンド制御とは関係なく動作する機器があるために、従来の電力デマンド制御では、ピーク時(電力超過が懸念される時間帯)にこれらの機器が起動して、予測電力が目標電力を超え、他の機器を停止せざるを得ない状況が頻繁に発生する虞があった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、電力デマンド制御とは関係なく動作する機器の電力超過が懸念される時間帯における起動頻度を減らし、電力デマンド制御に与える影響を小さくすることが可能な電力デマンド制御装置および方法を提供することにある。
このような目的を達成するために本発明は、予め定められた周期を制御インターバル周期とし、この制御インターバル周期毎にその制御インターバル周期が開始されてからの現在までの需要家における電力負荷群の外部からの供給電力の消費量を現在電力量として実測し、この実測した現在電力量に基づいて制御インターバル周期内での外部からの供給電力の消費量を予測し、この予測した予測電力が予め設定されている目標電力を超過する場合、超過しないように電力負荷群中の電力調整用の機器として登録されている負荷機器の運転を制御する電力デマンド制御を行う電力デマンド制御装置において、制御インターバル周期を開始してからの現在までの需要家における電力負荷群の外部からの供給電力の消費量を現在電力量として実測する現在電力量実測手段と、現在電力量実測手段によって実測された現在電力量に基づいて制御インターバル周期内での外部からの供給電力の消費量を予測する電力予測手段と、電力負荷群中の電力デマンド制御とは関係なく動作する機器として登録された負荷機器を起動待機機器として記憶する起動待機機器記憶手段と、電力予測手段によって予測された予測電力と目標電力とを比較し、予測電力が目標電力量に対して余裕がある場合、その余裕電力で起動することが可能な起動待機機器を追加起動機器とし、この追加起動機器に対して起動指令を出力する追加起動制御手段と、制御インターバル周期を開始してからの時間が所定の時間帯に入るまで追加起動制御手段の動作を禁止する手段とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、制御インターバル周期を開始してからの現在までの需要家における電力負荷群の外部からの供給電力の消費量が現在電力量として実測され、この実測された現在電力量に基づいて制御インターバル周期内での外部からの供給電力の消費量が予測され、この予測された予測電力と目標電力とが比較され、予測電力が目標電力量に対して余裕がある場合、その余裕電力で起動することが可能な起動待機機器(電力負荷群中の電力デマンド制御とは関係なく動作する機器として登録された負荷機器)が追加起動機器とされ、この追加起動機器に対して起動指令が出力される。
また、本発明において、追加起動機器に対して起動指令を出力する動作を追加起動制御とした場合、この追加起動制御は制御インターバル周期を開始してからの時間が所定の時間帯に入るまで禁止される。これにより、制御インターバル周期の最初の方での追加起動制御が禁止され、精度の低い予測電力を用いて起動待機機器が追加起動されてしまうことが防がれる。
例えば、本発明において、起動待機機器として排水ポンプが登録されており、この排水ポンプを余裕電力で起動することが可能であれば、この排水ポンプが追加起動機器とされ、余裕電力で起動(追加起動)される。この場合、排水ポンプは、水位レベルが高くなくても余裕電力で起動され、タンク内の水が排水される(図5(a)参照)。このため、次の制御インターバル周期では、排水ポンプが起動される可能性が少なくなる(図5(b)参照)。
この例のようにして、本発明では、電力の余裕があるときに電力デマンド制御とは関係なく動作する機器ができる限り起動され、電力デマンド制御とは関係なく動作する機器の電力超過が懸念される時間帯における起動頻度が減らされるようになる。
本発明において、起動待機機器記憶手段には、起動待機機器の定格電力情報を合わせて記憶させるようにしてもよく、起動待機機器が複数台ある場合、その起動待機機器の起動優先順位を合わせて記憶させるようにしてもよい。起動優先順位を合わせて記憶させるようにする場合、追加起動制御手段は、起動指令を出力する追加起動機器を、記憶されている起動優先順位に従って決定するようにする。
また、本発明において、追加起動制御手段は、起動指令を出力した追加起動機器に対して、次の制御インターバル周期の開始時に停止指令を出力するようにしてもよく、他からの指示を受けて停止指令を出力するようにしてもよい。また、起動指令を出力した追加起動機器に対する停止指令の出力方式を、次の制御インターバル周期の開始時とするのか、他からの指示を受けた時とするのかを選択可能とする停止指令出力方式選択手段を設け、停止指令出力方式選択手段によって選択された出力方式に従って起動指令を出力した追加起動機器に対して停止指令を出力するようにしてもよい。
また、本発明において、追加起動制御手段は、起動指令を出力した追加起動機器に対して、その追加起動機器の定格電力と余裕電力とから求められる運転可能時間が経過した後、停止指令を出力するようにしてもよい。
また、本発明において、目標電力よりも低い所定値として定められた追加起動制御有効判断閾値を記憶する手段を設け、予測電力が追加起動制御有効判断閾値以下である場合、追加起動制御手段の動作を禁止するようにしてもよい。
本発明によれば、制御インターバル周期を開始してからの現在までの需要家における電力負荷群の外部からの供給電力の消費量を現在電力量として実測し、この実測した現在電力量に基づいて制御インターバル周期内での外部からの供給電力の消費量を予測し、この予測した予測電力と目標電力とを比較し、予測電力が目標電力量に対して余裕がある場合、その余裕電力で起動することが可能な起動待機機器(電力負荷群中の電力デマンド制御とは関係なく動作する機器として登録された負荷機器)を追加起動機器とし、この追加起動機器に対して起動指令を出力するようにしたので、電力の余裕があるときに電力デマンド制御とは関係なく動作する機器ができる限り起動され、電力デマンド制御とは関係なく動作する機器の電力超過が懸念される時間帯における起動頻度が減らされるようになり、電力デマンド制御に与える影響を小さくすることが可能となる。
また、制御インターバル周期を開始してからの時間が所定の時間帯に入るまで追加起動制御手段の動作を禁止するようにしたので、制御インターバル周期の最初の方での追加起動制御が禁止され、精度の低い予測電力を用いて起動待機機器が追加起動されてしまうことが防がれる。
本発明に係る電力デマンド制御装置の一実施の形態の要部を示す機能ブロック図である。 この電力デマンド制御装置における制御インターバル周期内での現在電力量や予測電力、目標電力、余裕電力などの関係を示す図である。 この電力デマンド制御装置で行われる処理動作のフローチャートである。 追加起動機器決定部での追加起動機器の決定について具体例を説明するための図である。 排水ポンプが余裕電力で起動された状態および停止された状態を示す図である。 停止指令出力方式選択部を設けた場合の図1に対応する図である。 従来の電力デマンド制御の一例を説明する図である。 排水ポンプの自動制御状況を示す図である。 揚水ポンプの自動制御状況を示す図である。
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る電力デマンド制御装置の一実施の形態の要部を示す機能ブロック図である。
この電力デマンド制御装置101は、図7に示した中央監視装置100の電力デマンド制御プログラムに追加された本実施の形態特有の機能(追加起動制御機能)を実行する装置であり、その要部の機能ブロックのみを示している。
すなわち、本実施の形態において、中央監視装置100は、図7を用いて説明した従来の電力デマンド制御機能に加えて、本実施の形態特有の機能として追加起動制御機能を有している。なお、図1において、従来の電力デマンド制御機能に関しての機能ブロックは省略している。
電力デマンド制御装置101は、追加起動制御機能を実現するための機能ブロックとして、現在電力量実測部101Aと、電力予測部101Bと、目標電力記憶部101Cと、追加起動制御有効判断閾値記憶部101Dと、追加起動判断時間帯記憶部101Eと、追加起動制御実行判定部101Fと、余裕電力算出部101Gと、追加起動機器決定部101Hと、追加起動機器起動・停止部101Iと、起動待機機器定格電力&優先順位テーブル記憶部10Jと、現在時間測定部101Kとを備えている。以下、図2を参照しながら、この電力デマンド制御装置101の各部の機能について説明する。
現在電力量実測部101Aは、制御インターバル周期T(この例では、T=30分)毎にその制御インターバル周期Tが開始されてからの現在までの需要家における電力負荷群200の外部からの供給電力の消費量(自家発電しているものは含めない)を現在電力量PWRとして実測する。この現在電力量実測部101Aでの現在電力量PWRの実測は、制御インターバル周期Tが開始されてから終了するまでの間、所定周期で行われる。
目標電力予測部101Bは、現在電力量実測部101Aからの現在電力量PWRに基づいて制御インターバル周期T内での外部からの供給電力の消費量を予測し、その予測した予測電力PWPを出力する。目標電力記憶部101Cには予測電力PWPと比較される目標電力PWTが記憶されている。追加起動制御有効判断閾値記憶部101Dには追加起動制御有効判断閾値PWthが記憶されている。この追加起動制御有効判断閾値PWthは目標電力PWTよりも低い所定値として定められている。
追加起動判断時間帯記憶部101Eには追加起動判断時間帯Txが記憶されている。この追加起動判断時間帯Txは制御インターバル周期Tが終了するまでの間の後半の時間帯として定められている。この例では、Tx=10分として定められている。現在時間測定部101Kは、制御インターバル周期Tが開始される毎に、その制御インターバル周期Tが開始されてからの時間を現在時間TRとして測定する。
追加起動制御実行判定部101Fは、電力予測部101Bからの予測電力PWP、目標電力記憶部101Cに記憶されている目標電力PWT、追加起動制御有効判断閾値記憶部101Dに記憶されている追加起動制御有効判断閾値PWth、現在時間測定部101Kからの現在時間TRに基づいて、追加起動制御を実行するか否かを判定する。追加起動制御については後述する。なお、追加起動制御を実行する場合、デマンド警報が未発報であることを前提条件とする。
余裕電力算出部101Gは、追加起動制御実行判定部101Fで追加起動制御を実行すると判定された場合、その時の目標電力PWTと予測電力PWPとの差を余裕のある電力量(余裕電力)PWMとして求める。追加起動機器決定部101Hは、余裕電力算出部101Gからの余裕電力PWMに基づき、起動待機機器定格電力&優先順位テーブル記憶部10Jに記憶されている起動待機機器定格電力&優先順位テーブルTB1を参照して、起動する起動待機機器を追加起動機器として決定する。
起動待機機器定格電力&優先順位テーブルTB1には、電力負荷群200中の電力デマンド制御とは関係なく動作する機器として登録された負荷機器が起動待機機器として、その定格電力と優先順位を付して書き込まれている。この例では、例えば排水ポンプ#1が優先順位1の起動待機機器として、揚水ポンプ#2が優先順位2の起動待機機器として、換気ファン#3が優先順位3の起動待機機器として、その定格電力を付して書き込まれている。
追加起動機器起動・停止部101Iは、追加起動機器決定部101Hによって決定された追加起動機器に対して起動指令を出力し、この起動指令を出力した追加起動機器に対して制御インターバル周期Tの終了後(次の制御インターバル周期Tの開始時)に停止指令を出力する。
図3に電力デマンド制御装置101で行われる処理動作のフローチャートを示す。以下、このフローチャートに従って、電力デマンド制御装置101の各部の機能についてさらに詳細に説明する。
制御インターバル周期Tが開始されると(ステップS101のYES)、現在電力量実測部101Aは、電力負荷群200の外部からの供給電力の消費量の実測(現在電力量PWRの実測)を開始する(ステップS102)。また、目標電力予測部101Bは、現在電力量実測部101Aが実測した現在電力量PWRに基づいて、制御インターバル周期T内での外部からの供給電力の消費量を予測する(ステップS103)。すなわち、予測電力PWPを算出する。この現在電力量PWRの実測、予測電力PWPの算出は、所定周期で繰り返される。
この現在電力量PWRの実測、予測電力PWPの算出の繰り返し中、現在時間測定部101Kで測定されている現在時間(制御インターバル周期Tが開始されてからの時間)TRが追加起動判断時間Tx内に入ると(ステップS104のYES)、追加起動制御実行判定部101Fは、電力予測部101Bからの予測電力PWPが目標電力PWTと追加起動制御有効判断閾値PWthとの間(PWth<PWP<PWT)にあるか否かをチェックする(ステップS105)。
ここで、予測電力PWPが目標電力PWTと追加起動制御有効判断閾値PWthとの間にあれば(ステップS105のYES)、追加起動制御実行判定部101Fは、デマンド警報が未発報であることを前提条件とし、追記起動制御を実行すると判定する。すなわち、追加起動制御を許可する。
〔追加起動制御〕
追加起動制御実行判定部101Fで追記起動制御を実行すると判定されると、余裕電力算出部101Gがその時の目標電力PWTと予測電力PWPとの差を余裕電力PWM(PWM=PWT−PWP)として求める(ステップS106)。この余裕電力PWMは追加起動機器決定部101Hに送られる。
追加起動機器決定部101Hは、余裕電力算出部101Gからの余裕電力PWMを受けて、起動待機機器定格電力&優先順位テーブル記憶部10Jから起動待機機器定格電力&優先順位テーブルTB1を読み出し(ステップS107)、余裕電力PWMと起動待機機器定格電力&優先順位テーブルTB1中の起動待機機器の定格電力と優先順位とから、起動する起動待機機器を追加起動機器として決定する(ステップS108)。
この追加起動機器決定部101Hでの追加起動機器の決定について具体例を挙げて説明する。通常はインターバル周期T=30分であるが、説明し易いように、図4に示すように、T=60分のときを考えて、インターバル周期T=60分、現在時間TR=40分、余裕電力PWMを10kWhであったする。この場合、起動待機機器定格電力&優先順位テーブルTB1では、優先順位1の起動待機機器である排水ポンプ#1が11kW(1時間当たり11kWの電力消費)、優先順位2の起動待機機器である揚水ポンプ#2が15kW(1時間当たり15kWの電力消費)、優先順位3の起動待機機器である換気ファン#3が30kW(1時間当たり30kWの電力消費)であり、残り時間での消費電力量を60分換算すると、図4中に示すように、排水ポンプ#1は11kW×(20/60h)=3.67kWhとなり、揚水ポンプ#2は15kW×(20/60h)=5kWhとなり、換気ファン#3は30kW×(20/60h)=10kWhとなる。この場合、余裕電力PWMは10kWhであるので、優先順位1の排水ポンプ#1、優先順位2の揚水ポンプ#2は起動できるが、優先順位3の換気ファン#3までは起動できない。このため、優先順位1の排水ポンプ#1と優先順位2の揚水ポンプ#2を追加起動機器として決定する。
このようにして、追加起動機器決定部101Hは追加起動機器を決定し、その決定した追加起動機器を追加起動機器起動・停止部101Iに送る。追加起動機器起動・停止部101Iは、追加起動機器決定部101Hによって決定された追加起動機器に対して起動指令を出力し、その機器を起動(追加起動)させる(ステップS109)。
そして、追加起動機器起動・停止部101Iは、制御インターバル周期Tの終了後(ステップS110のYES)、すなわち次の制御インターバル周期Tの開始時に、起動指令を出力した追加起動機器に対して停止指令を出力し、その機器を停止させる(ステップS111)。
例えば、この実施の形態において、排水ポンプ#1が追加起動機器として決定され、起動されたとする。この場合、排水ポンプ#1は、図5(a)に示すように、タンク2B内の水位レベルが高くなくても余裕電力PWMで起動され、タンク3Bからの排水が行われる。このため、次の制御インターバル周期Tでは、排水ポンプ#1が起動される可能性が少なくなる(図5(b)参照)。揚水ポンプ#2が追加起動機器として決定された場合も同様にして、タンク内の水位レベルが低くなくても揚水ポンプ#2が余裕電力PWMで起動され、タンク内に水が給水される。このため、次の制御インターバル周期Tでは、揚水ポンプ#2が起動される可能性が少なくなる。
この例のようにして、本実施の形態では、起動待機機器定格電力&優先順位テーブルTB1に起動待機機器として登録されている負荷機器(電力の余裕があるときに電力デマンド制御とは関係なく動作する機器)ができる限り起動され、電力デマンド制御とは関係なく動作する機器の電力超過が懸念される時間帯における起動頻度が減らされるようになり、電力デマンド制御に与える影響が小さくなる。
また、本実施の形態では、追加起動判断時間帯Txを設け、制御インターバル周期Tの後半で追加起動制御を実行するか否かの判定を行うようにしている。これにより、制御インターバル周期Tの最初の方での追加起動制御が禁止され、精度の低い予測電力PWRを用いて起動待機機器が追加起動されてしまうことが防がれる。
また、本実施の形態では、追加起動制御判断有効判断閾値PWthを設け、予測電力PWRが目標電力PWTと追加起動制御有効判断閾値PWthとの間にあるときを追加起動制御を実行する条件としている。これにより、予測電力PWRが追加起動制御有効判断閾値PWth以下である場合には追加起動制御が禁止され、電力の余裕がある中間期など、基本料金の超過が懸念されることのない時期は、起動待機機器が追加起動されないようにして、通常の自動制御を行わせるようにすることが可能となる。
なお、上述した実施の形態では、次の制御インターバル周期Tの開始時に、起動指令を出力した追加起動機器に対して停止指令を出力するようにしたが、他からの指示を受けて停止指令を出力させるようにしてもよい。例えば、追加起動機器を排水ポンプとした場合、最低水位を検出する水位センサからの検出信号を受けて、その排水ポンプに停止指令を出力するようにしたりするなど、他のプログラムからの停止指令が来るまで待つようにすることが考えられる。また、図4中に示すように、ハンチングを防止するために、通常の電力デマンド制御で停止する機器の停止目標電力と、追加起動機器を起動するための目標電力(起動目標電力)とを異ならせ、停止目標電力と起動目標電力との間に少し幅(停止目標電力>起動目標電力)を持たせるようにしてもよい。
また、図6に示すように停止指令出力方式選択部101Lを設け、起動指令を出力した追加起動機器にする停止指令の出力方式を、次の制御インターバル周期の開始時とするのか、他からの指示を受けた時とするのか選択可能とするようにしてもよい。この場合、追加起動機器・起動停止部101Iは、停止指令出力方式選択部101Lによって選択された出力方式に従って、起動指令を出力した追加起動機器に対して停止指令を出力する。
また、追加起動機器決定部101Hに、決定した追加起動機器の定格電力と余裕電力とからその追加起動機器の運転可能時間を演算する機能を設け、この機能によって演算した運転可能時間が経過した後、追加起動機器・起動停止部101Iより、起動指令を出力した追加起動機器に対して停止指令を出力させるようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、追加起動制御有効判断閾値PWthを設けることによって、自動的に、中間期などの基本料金の超過が懸念されることのない時期に追加起動制御が行われないようにしたが、追加起動制御を行うか否かをオペレータが画面などで選択できるようにしてもよい。
また、上述した実施の形態において、電力予測部101Bでの電力の予測は、現在電力量PWRの傾きによる予測のほか、どのような予測を使ってもよい。
また、図1において、追加起動制御実行判定部101Fにおける目標電力PWTと予測電力PWPとを比較する機能、余裕電力算出部101G、追加起動機器決定部101H、追加起動機器起動・停止部101Iが本発明でいう追加起動制御手段に対応し、追加起動制御実行判定部101Fにおける追加起動判断時間帯Txを用いての判定機能が「制御インターバル周期を開始してからの時間が所定の時間帯に入るまで追加起動制御手段の動作を禁止する手段」に対応し、追加起動制御実行判定部101Fにおける追加起動制御有効判断閾値PWthを用いての判定機能が「予測電力が追加起動制御有効判断閾値以下である場合、追加起動制御手段の動作を禁止する手段」に対応する。
〔実施の形態の拡張〕
以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
100…中央監視装置、101A…現在電力量実測部、101B…電力予測部、101C…目標電力記憶部、101D…追加起動制御有効判断閾値記憶部、101E…追加起動判断時間帯記憶部、101F…追加起動制御実行判定部、101G…余裕電力算出部、101H…追加起動機器決定部、101I…追加起動機器起動・停止部、101J…起動待機機器定格電力&優先順位テーブル記憶部、10K…現在時間測定部、101L…停止指令出力方式選択部、TB1…起動待機機器定格電力&優先順位テーブル、200…電力負荷群、1A…排水ポンプ、2A…タンク、3A…水位計、1B…揚水ポンプ、2B…タンク、3B…水位計。

Claims (16)

  1. 予め定められた周期を制御インターバル周期とし、この制御インターバル周期毎にその制御インターバル周期が開始されてからの現在までの需要家における電力負荷群の外部からの供給電力の消費量を現在電力量として実測し、この実測した現在電力量に基づいて前記制御インターバル周期内での外部からの供給電力の消費量を予測し、この予測した予測電力が予め設定されている目標電力を超過する場合、超過しないように前記電力負荷群中の電力調整用の機器として登録されている負荷機器の運転を制御する電力デマンド制御を行う電力デマンド制御装置において、
    前記制御インターバル周期を開始してからの現在までの需要家における電力負荷群の外部からの供給電力の消費量を現在電力量として実測する現在電力量実測手段と、
    前記現在電力量実測手段によって実測された現在電力量に基づいて前記制御インターバル周期内での外部からの供給電力の消費量を予測する電力予測手段と、
    前記電力負荷群中の前記電力デマンド制御とは関係なく動作する機器として登録された負荷機器を起動待機機器として記憶する起動待機機器記憶手段と、
    前記電力予測手段によって予測された予測電力と前記目標電力とを比較し、予測電力が目標電力量に対して余裕がある場合、その余裕電力で起動することが可能な前記起動待機機器を追加起動機器とし、この追加起動機器に対して起動指令を出力する追加起動制御手段と
    前記制御インターバル周期を開始してからの時間が所定の時間帯に入るまで前記追加起動制御手段の動作を禁止する手段と
    を備えることを特徴とする電力デマンド制御装置。
  2. 請求項1に記載された電力デマンド制御装置において、
    前記起動待機機器記憶手段は、
    前記起動待機機器の定格電力情報を合わせて記憶する
    ことを特徴とする電力デマンド制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載された電力デマンド制御装置において、
    前記起動待機機器記憶手段は、
    前記起動待機機器が複数台ある場合、その起動待機機器の起動優先順位を合わせて記憶し、
    前記追加起動制御手段は、
    前記起動指令を出力する追加起動機器を、前記記憶されている起動優先順位に従って決定する
    ことを特徴とする電力デマンド制御装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載された電力デマンド制御装置において、
    前記追加起動制御手段は、
    前記起動指令を出力した追加起動機器に対して、次の制御インターバル周期の開始時に停止指令を出力する
    ことを特徴とする電力デマンド制御装置。
  5. 請求項1〜3の何れか1項に記載された電力デマンド制御装置において、
    前記追加起動制御手段は、
    前記起動指令を出力した追加起動機器に対して、他からの指示を受けて停止指令を出力する
    ことを特徴とする電力デマンド制御装置。
  6. 請求項1〜3の何れか1項に記載された電力デマンド制御装置において、
    前記起動指令を出力した追加起動機器に対する停止指令の出力方式を、次の制御インターバル周期の開始時とするのか、他からの指示を受けた時とするのかを選択可能とする停止指令出力方式選択手段を備え、
    前記追加起動制御手段は、
    前記停止指令出力方式選択手段によって選択された出力方式に従って前記起動指令を出力した追加起動機器に対して停止指令を出力する
    ことを特徴とする電力デマンド制御装置。
  7. 請求項1〜3の何れか1項に記載された電力デマンド制御装置において、
    前記追加起動制御手段は、
    前記起動指令を出力した追加起動機器に対して、その追加起動機器の定格電力と余裕電力とから求められる運転可能時間が経過した後、停止指令を出力する
    ことを特徴とする電力デマンド制御装置。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載された電力デマンド制御装置において、
    前記目標電力よりも低い所定値として定められた追加起動制御有効判断閾値を記憶する手段と、
    前記予測電力が前記追加起動制御有効判断閾値以下である場合、前記追加起動制御手段の動作を禁止する手段と
    を備えることを特徴とする電力デマンド制御装置。
  9. 予め定められた周期を制御インターバル周期とし、この制御インターバル周期毎にその制御インターバル周期が開始されてからの現在までの需要家における電力負荷群の外部からの供給電力の消費量を現在電力量として実測し、この実測した現在電力量に基づいて前記制御インターバル周期内での外部からの供給電力の消費量を予測し、この予測した予測電力が予め設定されている目標電力を超過する場合、超過しないように前記電力負荷群中の電力調整用の機器として登録されている負荷機器の運転を制御する電力デマンド制御を行う電力デマンド制御方法において、
    前記制御インターバル周期を開始してからの現在までの需要家における電力負荷群の外部からの供給電力の消費量を現在電力量として実測する現在電力量実測ステップと、
    前記現在電力量実測ステップによって実測された現在電力量に基づいて前記制御インターバル周期内での外部からの供給電力の消費量を予測する電力予測ステップと、
    前記電力負荷群中の前記電力デマンド制御とは関係なく動作する機器として登録された負荷機器を起動待機機器として記憶する起動待機機器記憶ステップと、
    前記電力予測ステップによって予測された予測電力と前記目標電力とを比較し、予測電力が目標電力量に対して余裕がある場合、その余裕電力で起動することが可能な前記起動待機機器を追加起動機器とし、この追加起動機器に対して起動指令を出力する追加起動制御ステップと、
    前記制御インターバル周期を開始してからの時間が所定の時間帯に入るまで前記追加起動制御ステップの動作を禁止するステップと
    を備えることを特徴とする電力デマンド制御方法。
  10. 請求項9に記載された電力デマンド制御方法において、
    前記起動待機機器記憶ステップは、
    前記起動待機機器の定格電力情報を合わせて記憶する
    ことを特徴とする電力デマンド制御方法。
  11. 請求項9又は10に記載された電力デマンド制御方法において、
    前記起動待機機器記憶ステップは、
    前記起動待機機器が複数台ある場合、その起動待機機器の起動優先順位を合わせて記憶し、
    前記追加起動制御ステップは、
    前記起動指令を出力する追加起動機器を、前記記憶されている起動優先順位に従って決定する
    ことを特徴とする電力デマンド制御方法。
  12. 請求項9〜11の何れか1項に記載された電力デマンド制御方法において、
    前記追加起動制御ステップは、
    前記起動指令を出力した追加起動機器に対して、次の制御インターバル周期の開始時に停止指令を出力する
    ことを特徴とする電力デマンド制御方法。
  13. 請求項9〜11の何れか1項に記載された電力デマンド制御方法において、
    前記追加起動制御ステップは、
    前記起動指令を出力した追加起動機器に対して、他からの指示を受けて停止指令を出力する
    ことを特徴とする電力デマンド制御方法。
  14. 請求項9〜11の何れか1項に記載された電力デマンド制御方法において、
    前記起動指令を出力した追加起動機器に対する停止指令の出力方式を、次の制御インターバル周期の開始時とするのか、他からの指示を受けた時とするのかを選択可能とする停止指令出力方式選択手段を備え、
    前記追加起動制御ステップは、
    前記停止指令出力方式選択手段によって選択された出力方式に従って前記起動指令を出力した追加起動機器に対して停止指令を出力する
    ことを特徴とする電力デマンド制御方法。
  15. 請求項9〜11の何れか1項に記載された電力デマンド制御方法において、
    前記追加起動制御ステップは、
    前記起動指令を出力した追加起動機器に対して、その追加起動機器の定格電力と余裕電力とから求められる運転可能時間が経過した後、停止指令を出力する
    ことを特徴とする電力デマンド制御方法。
  16. 請求項9〜15の何れか1項に記載された電力デマンド制御方法において、
    前記目標電力よりも低い所定値として定められた追加起動制御有効判断閾値を記憶するステップと、
    前記予測電力が前記追加起動制御有効判断閾値以下である場合、前記追加起動制御ステップの動作を禁止するステップと
    を備えることを特徴とする電力デマンド制御方法。
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