JP2015004304A - コージェネレーションシステム - Google Patents

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Masayuki Shimada
将行 島田
八木 政彦
Masahiko Yagi
政彦 八木
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Abstract

【課題】不適切な操作が実行される場合であっても、精度の高い学習制御が実行されるコージェネレーションシステムを提供する。
【解決手段】熱負荷装置又は電力負荷装置の運転を開始したときに、当該運転に運転エラーが生じているか否かを判定する運転異常判定手段R4と、当該運転異常判定手段R4が運転エラーが生じていると判定したときに、当該運転エラーが使用者による誤った使用操作に起因するエラーである人為的要因エラーか否かを判定する運転異常要因判定手段R2とを備え、学習制御手段R1は、運転異常要因判定手段R2により人為的要因エラーが生じていると判定したときに、当該人為的要因エラーに伴う実負荷を、学習制御に係る実負荷データの更新処理の対象から除外する。
【選択図】図2

Description

本発明は、熱と電力とを併せて発生する熱電併給装置と、当該熱電併給装置から電力の供給を受ける電力負荷装置と、熱の供給を受ける熱負荷装置と、前記電力負荷装置による実電力負荷及び前記熱負荷装置による実熱負荷とから学習運転の学習制御に係る実負荷データの更新処理を実行する学習制御手段と、を備えるコージェネレーションシステムに関する。
従来、上述の如く、コ−ジェネレーションシステムにおいて、電力負荷装置による実電負荷及び熱負荷装置による実熱負荷とから学習制御に係る実負荷データの更新処理を実行する、所謂、学習制御を実行可能なコージェネレーションシステムとして、以下に示す、特許文献1に開示の技術や、特許文献2に開示の技術が知られている。
特許文献1に開示の技術では、熱電併給装置を自動で運転する自動運転モードと、手動で運転する手動運転モードとが切り換え可能に構成されており、特に、手動運転モードに切り換えられている際に、使用者が「不在」であること等を指令する指令スイッチが設けられている。当該指令スイッチにより「不在」指令が指令された場合、熱電併給装置が停止されると共に、停止期間中の実電力負荷及び実熱負荷を計測せず、その実負荷データを学習制御に係るデータ更新処理の対象から除外する構成が採用されている。
即ち、当該特許文献1に示す技術は、使用者の例外的な行動(「不在」とする行動)に伴う電力負荷及び熱負荷を除いた実負荷を、学習制御に係るデータ更新処理の対象とすることにより、学習制御の精度を向上させている。
特許文献2に開示の技術は、停電時の学習制御に係る技術であり、停電が発生してから復電するまでの経過時間を計測する停電時間計測手段を備え、当該停電時間計測手段により計測された経過時間が所定の設定時間閾値(例えば、24時間)を超える場合、その日の実電力負荷及び実熱負荷を、学習制御に係るデータ更新処理の対象から除外するものである。
即ち、当該特許文献2に開示の技術は、自然現象による例外的な状況(地震の発生により長時間停電が発生した状況)に伴う電力負荷及び熱負荷を除いた実負荷を、学習制御に係るデータ更新処理の対象とすることにより、学習運転の学習制御の精度を向上させている。
特許第4036859号公報 特許第4650934号公報
これまで説明してきたコージェネレーションシステムにおける熱負荷装置や、電力負荷装置の操作おいて、昨今、更なるユーザーフレンドリーな操作パネル等の操作手段が開発されており、今後、それらの操作手段の操作を十分な判断を持って行えない子供や老人までもが、その操作を行う場合が増えることが予想される。
このような場合において、操作手段で行われた操作が、適切な操作でない場合に、その操作による実電力負荷及び実熱負荷を、学習制御に係るデータ更新処理の対象に含めると、学習制御の精度が低下することとなり、好ましくない。
上記特許文献1、2に開示の技術では、このような点まで考慮された学習制御が実行できるものにはなっておらず、改善の余地があった。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、不適切な操作が実行される場合であっても、精度の高い学習制御が実行されるコージェネレーションシステムを提供する点にある。
上記目的を達成するための本発明のコージェネレーションシステムは、
熱と電力とを併せて発生する熱電併給装置と、当該熱電併給装置から電力の供給を受ける電力負荷装置と、熱の供給を受ける熱負荷装置と、前記電力負荷装置による実電力負荷及び前記熱負荷装置による実熱負荷とから学習運転の学習制御に係る実負荷データの更新処理を実行する学習制御手段と、を備えるコージェネレーションシステムであって、その特徴構成は、
前記熱負荷装置又は前記電力負荷装置の運転を開始したときに、当該運転に運転エラーが生じているか否かを判定する運転異常判定手段と、
当該運転異常判定手段が前記運転エラーが生じていると判定したときに、当該運転エラーが使用者による誤った使用操作に起因するエラーである人為的要因エラーか否かを判定する運転異常要因判定手段とを備え、
前記学習制御手段は、前記運転異常要因判定手段により前記人為的要因エラーが生じていると判定したときに、当該人為的要因エラーに伴う実負荷を、前記学習制御に係る実負荷データの更新処理の対象から除外する点にある。
通常のコージェネレーションシステムでは、例外処理が発生した場合に当該例外処理に伴う実負荷を、学習制御に係る実負荷データの更新処理の対象から除外するという制御が実行される。
これに対し、本願のコージェネレーションシステムでは、運転異常判定手段により運転エラーと判定されたものに伴う実負荷のすべてを、学習制御に係る実負荷データの更新処理の対象から除外するのではなく、運転エラーと判定されたもののうちで、使用者による誤った使用操作に起因するエラーである人為的要因エラーに伴う実負荷のみを、運転異常要因判定手段により積極的に抽出して、学習制御に係る実負荷データの更新処理の対象から除外している。
これにより、非常に多くの運転エラーのうち、学習制御にほぼ影響することのない運転エラーまでをもすべて含めて例外対象にする必要がなく、学習制御処理をシンプルにして迅速に実行できるというメリットがある。
尚、運転エラーのうち人為的要因エラーとしては、浴槽への自動湯張り運転の際に水栓をし忘れる「水栓忘れエラー」や、給湯を所定時間(例えば、1時間)以上実行し続ける「給湯連続実行エラー」があるが、このような人為的要因エラーは、機器側では、それがエラーであると判定するまでに時間がかかると共に、単位時間当たりの実負荷が比較的大きく、それに伴う実負荷が比較的大きくなる。このため、当該人為的要因エラーに伴う実負荷を、学習制御に係る実負荷データの更新処理の対象から除外することで、本質的な意味で、その学習制御の精度を向上できる。
結果、今後、更なるユーザーフレンドリーな操作パネル等の操作手段が開発され、その操作手段の操作を十分な判断能力を持って行えない子供や老人が実行する場合が増えた場合であっても、適切な学習運転を実行可能なコージェネレーションシステムを実現できる。
本発明のコージェネレーションシステムの更なる特徴構成は、
前記運転エラーのエラーコードと、当該エラーコードに対応する運転エラーが前記人為的要因エラーか否かを示す人為的要因異常判定符号とを対応して記憶する記憶部を備え、
前記運転異常要因判定手段は、前記運転異常判定手段が前記運転エラーが生じていると判定したときに、当該運転エラーのエラーコードを受け付けると共に、当該エラーコードに対応する前記人為的要因異常判定符号を前記記憶部から呼び出し、当該人為的要因異常判定符号により前記運転エラーが前記人為的要因エラーか否かを判定する点にある。
上記特徴構成によれば、運転エラーのエラーコードと、当該エラーコードに対応する運転エラーが人為的要因エラーから否かを示す人為的要因異常判定符号とを対応して記憶する記憶部を備えているから、運転異常要因判定手段は、運転エラーが発生したときに、当該運転エラーが人為的要因エラーか否かを、当該運転エラーに対応する人的要因異常判定符号を参照するだけで判定できるから、複雑な判定処理を伴わず迅速に判定結果を出すことができる。
本発明のコージェネレーションシステムの更なる特徴構成は、
前記運転状態判定手段は、前記人為的要因エラーが、自動湯はり運転における水栓忘れエラーであると判定した場合、
前記学習制御手段は、前記熱負荷装置の実熱負荷のうち、前記自動湯張り運転が開始されてから前記水洗忘れエラーにより停止されるまでの実熱負荷を、前記学習制御に係る実負荷データの更新処理の対象から除外する点にある。
人為的要因エラーの代表的なものとして、自動湯張り運転における「水栓忘れエラー」がある。
上記特徴構成によれば、運転エラーが「水洗忘れエラー」であるときに、当該「水洗忘れエラー」に伴い発生する実熱負荷として、自動湯張り運転が開示されてから水洗忘れエラーにより停止されるまでの実熱負荷を導出し、導出された実熱負荷を学習制御に係る実負荷データの更新処理から除外するから、「水栓忘れエラー」に伴い発生する実熱負荷を確実に除外した学習運転を実行できる。
本発明のコージェネレーションシステムの更なる特徴構成は、
前記運転状態判定手段は、前記人為的要因エラーが、給湯運転において給湯が設定上限時間以上連続して実行される給湯連続実行エラーであると判定した場合、
前記学習制御手段は、前記熱負荷装置の実熱負荷のうち、前記給湯運転において給湯が開始されてから前記給湯連続実行エラーにより給湯が停止されるまでの実熱負荷を、前記学習制御に係る実負荷データの更新処理の対象から除外する点にある。
人為的要因エラーの代表的なものとして、上述した「水栓忘れエラー」以外では、「給湯連続実行エラー」がある。
上記特徴構成によれば、運転エラーが「給湯連続実行エラー」であるときに、当該「給湯連続実行エラー」に伴い発生する実熱負荷として、給湯運転において給湯が開始されてから「給湯連続実行エラー」により給湯が停止されるまでの実熱負荷を導出し、導出された実熱負荷を学習制御に係る実負荷データの更新処理から除外するから、「給湯連続実行エラー」に伴い発生する実熱負荷を確実に除外した学習運転を実行できる。
本発明のコージェネレーションシステムの概略構成図 本発明の制御構成を示すブロック図 データ更新処理を説明する図 時系列的なデータを示す図 省エネルギ度基準演算処理を説明する図 自動湯張り運転の制御フロー図 水栓忘れエラー判定処理及びそれに伴う実熱負荷を学習から除外する制御フロー図 高温注湯エラー判定処理の制御フロー図 給湯連続実行エラー判定処理及びそれに伴う実熱負荷を学習から除外する制御フロー図
本発明のコージェネレーションシステム100は、運転エラーのうち、学習制御に大きく影響する虞のある、使用者による誤った使用操作に起因するエラーである人為的要因エラーが生じた場合に、当該人為的要因エラーに伴う実負荷のみを、学習制御に係る実負荷データの更新処理の対象から除外することで、比較的シンプルな学習制御を維持しながらも、学習制御の精度を向上することができるものに関する。
本発明のコージェネレーションシステム100は、図1及び2に示すように、ガスエンジン12によって発電装置11を駆動するように構成された熱電併給装置10と、その熱電併給装置10にて発生する熱を利用しながら、回収した熱を貯留する貯湯タンク30への貯湯及び熱負荷装置60への熱供給を行う貯湯ユニット50と、熱電併給装置10及び貯湯ユニット50の運転を制御する運転制御部Rと、リモコンR5等から構成されている。
熱電併給装置10のガスエンジン12は、エンジン燃料路13を通じて設定流量(例えば、0.433m3/h)でガス燃料が供給されて、定格運転されるように構成されており、当該定格運転において、熱電併給装置10の発電装置11は、例えば1kW程度の略一定の定格発電電力を出力するように構成されている。
発電装置11の出力側には、熱電併給装置10が有する電力系統を外部電力系統としての商用電力系統16に連係するためのインバータ14が設けられ、そのインバータ14は、発電装置11の出力電力を商用電力系統16から供給される電力と同じ電圧及び同じ周波数に調整するように構成されている。
商用電力系統16は、例えば、単相3線式100/200Vであり、商業用電力供給ライン17を介して、テレビ、冷蔵庫、エアコン等の電力負荷装置18へ電気的に接続されている。
また、インバータ14は、コージェネ用供給ライン15を介して商業用電力供給ライン17に電気的に接続され、発電装置11からの出力電力がインバータ14及びコージェネ用供給ライン15を介して電力負荷装置18へ供給されるように構成されている。
商業用電力供給ライン17には、当該商業用電力供給ライン17にて供給される商業用電力を計測する商用電力計測部M3が設けられ、コージェネ用供給ライン15には、熱電併給装置10の発電電力を計測する熱電併給装置用発電電力計測部M4が設けられている。商用電力計測部M3は、商業用電力供給ライン17を通して流れる電流に逆潮流が発生するか否か、即ち、熱電併給装置10にて余剰電力が発生するか否かをも検出するように構成されている。
熱電併給装置10にて余剰電力が発生した場合には、その余剰電力を消費して熱を発生し、その熱により貯湯タンクへの貯湯を行うことでエネルギの回収を行う余剰電力回収用熱源器としての電気ヒータ22がコージェネ用供給ライン15の途中に接続されている。
電気ヒータ22は、複数の電気ヒータから構成され、ガスエンジン12のエンジン冷却水を循環する冷却水循環路C1にてエンジン冷却水を加熱するように構成され、発電装置11の出力側に接続された作動スイッチ23によりON/OFFが切り換えられている。
よって、夫々の作動スイッチ23のON/OFFを切り換えて、熱電併給装置10の余剰電力としての発電電力分が大きくなるほど、電気ヒータ22の電力負荷量を大きくすることとなる。
貯湯ユニット50は、温度成層を形成する状態で湯水を貯湯する貯湯タンク30、湯水循環路C2を介して貯湯タンク30内の湯水を循環させたり熱負荷装置60へ供給される熱媒を加熱する湯水を循環させる湯水循環ポンプ32、冷却水循環路C1を通流する冷却水にて湯水循環路C2を通流する湯水を加熱させる排熱回収熱交換器24、湯水循環路C2を通流する湯水にて熱媒循環路C3を通流する熱媒を加熱させる熱媒加熱用熱交換器35、バーナ33bの燃焼により湯水循環路C2を通流する湯水を加熱させる補助加熱器33等を備えて構成されている。
当該補助加熱器33は、ガスを燃料として熱を加熱発生させる装置であり、加熱対象の湯水を通流させる熱交換器33aと、その熱交換器33aを加熱するバーナ33bと、そのバーナ33bに燃焼用空気を供給する燃焼用ファン33cを備えて構成されている。当該バーナ33bに燃料を供給する補助燃料路には、バーナ33bへの燃料の供給を断続する補助燃料用電磁弁33eと、バーナ33bへの燃料の供給量を調整する補助燃料用比例弁33dとが設けられている。
湯水循環路C2には、貯湯タンク30の下部と連通する取り出し路31と貯湯タンク30の上部と連通する貯湯路36が接続され、貯湯路36には、電磁比例弁にて構成されて、湯水の通流量の調整及び通流の断続を行う貯湯弁37が設けられている。
そして、湯水循環路C2には、取り出し路31との接続箇所から湯水の循環方向で、排熱回収熱交換器24、湯水循環ポンプ32、補助加熱器33、電磁比例弁にて構成されて、湯水の通流量の調整及び通流の断続を行う暖房弁34、熱媒加熱用熱交換器35が、記載の順に設けられている。
また、湯水循環路C2には、補助加熱器33に流入する湯水の温度を検出する入口サーミスタT1と、補助加熱器33から流出する湯水の温度を検出する出口サーミスタT2が設けられている。補助加熱器33は、入口サーミスタT1と、出口サーミスタT2との検出温度に基づいて、上述の補助燃料用比例弁33dの開度の調整、及び燃焼用ファン33cの開度の調整を実行する。
貯湯タンク30には、貯湯タンク30の貯湯量を検出する4個のタンクサーミスタTtが上下方向に間隔を隔てて設けられている。つまり、タンクサーミスタTtが設定温度以上の温度を検出することにより、その設定位置に湯が貯湯されているとして、検出温度が設定温度以上であるタンクサーミスタTtのうちの最下部のタンクサーミスタTtの位置に基づいて、貯湯量を4段階に検出するように構成され、4個のタンクサーミスタTtすべての検出温度が設定温度以上になると、貯湯タンク30の貯湯量が満杯であることが検出されるように構成されている。
ちなみに、図示しない給湯栓が開栓されると、貯湯タンク30の上部から湯水が取り出されて、給湯路39を通じて給湯端末61へ給湯するように構成され、給湯栓が開栓されたときに、貯湯タンク30内に湯が貯湯されていないときには、湯水循環ポンプ32が作動され、貯湯弁37が開弁されると共に、補助加熱器33が加熱作動されて、その補助加熱器33にて加熱されて、貯湯路36を通じて給湯路39に給湯されるように構成されている。
熱負荷装置60は、貯湯タンク30の上部から取り出された湯水、又は補助加熱器33にて加熱された湯水が給湯路39を介して供給される給湯端末61と、当該給湯端末61における給湯熱負荷量を計測する給湯熱負荷計測部M1と、熱媒循環路C3を循環する熱媒から熱を供給される暖房端末62と、当該暖房端末62での暖房熱負荷量を計測する暖房熱負荷計測部M2とから構成されている。ここで、給湯端末61は、給湯機や風呂設備等を指し、暖房端末62は床暖房装置や浴室暖房装置等を指す。
リモコンR5には、図示は省略するが、各種情報を表示出力する表示部、各種情報を音声にて出力するスピーカ、熱電併給装置10の運転を自動運転と手動運転とに切り換える発電切換スイッチ、熱電併給装置10の運転及び停止を指令する発電スイッチ等が設けられている。
発電切換スイッチにて自動運転に切り替えられると、後述するように熱電併給装置10が学習運転される。一方、発電切換スイッチにて手動運転に切り替えられ、運転時間帯が設定されたときには、設定されている運転時間帯で熱電併給装置10が運転される。
また、熱電切替スイッチにて手動運転に切り換えられている状態では、発電スイッチがONされると直ぐに熱電併給装置10が運転され、発電スイッチがオフされると、直ぐに熱電併給装置10が停止されると共に、その停止状態が、次に発電切換スイッチ又は発電スイッチが操作されるまで継続する。
運転制御部Rは、前述の手動運転及び自動運転において、熱電併給装置10を運転するときには、熱電併給装置10、冷却水循環ポンプ21、湯水循環ポンプ32、熱媒循環ポンプ63の作動状態を制御することで、貯湯タンク30内に湯水を貯湯する貯湯運転、熱負荷装置60としての給湯端末61へ給湯する給湯運転、熱負荷装置60としての暖房端末62への熱媒を介した熱の供給による暖房運転、熱電併給装置10が発生した余剰電力を電気ヒータ22にて熱に変換し貯湯タンク30に熱として貯湯する余剰電力貯湯運転等を実行可能に構成されている。
更に、運転制御部Rの学習制御手段R1は、学習運転により自動運転を実行するために、後述の如く、予測負荷演算処理、データ更新処理、及び運転可否判別処理等を実行するように構成されている。
まず、学習制御手段R1による熱電併給装置10の学習運転の学習制御について説明を加える。
学習制御手段R1は、実際の使用状況に基づいて、1日分の過去負荷データを曜日と対応付ける状態で更新して記憶するデータ更新処理を行い、日付が変わって午前0時になるごとに、記憶されている1日分の過去負荷データから、その日1日分の予測負荷データを求める予測負荷演算処理を行うように構成されている。
そして、学習制御手段R1は、その日1日分の予測負荷データを求めた状態で、予測負荷データから、熱電併給装置10を運転させるか否かの基準となる省エネルギ度基準値を求める省エネルギ度基準値演算処理を行うと共に、その省エネルギ度基準値演算処理にて求められた省エネルギ度基準値よりも現時点での実省エネルギ度が上回っているか否かによって、熱電併給装置10の運転の可否を判別する運転可否判別処理を行うように構成されている。このようにして、学習制御手段R1は、運転可否判別処理において、熱電併給装置10の運転が可と判別されると、熱電併給装置10を運転させ、熱電併給装置10の運転が不可と判別されると、熱電併給装置10の運転を停止させるように構成されている。
そして、学習制御手段R1は、運転時間帯において、貯湯タンク30内の貯湯量が満杯となると、熱電併給装置10の運転を停止させるように構成されている。
データ更新処理について説明を加えると、1日のうちのどの時間帯にどれだけの電力負荷量、熱負荷としての給湯熱負荷量と暖房熱負荷量があったかの1日分の過去負荷データを曜日と対応付ける状態で更新して記憶するように構成されている。
まず、過去負荷データについて説明すると、過去負荷データは、電力負荷量データ、給湯熱負荷量データ、暖房熱負荷量データの3種類の負荷データに分けられており(データ種に関しては図示省略)、図3に示すように、1日分の過去負荷データを日曜日から土曜日までの曜日ごとに区分けした状態で記憶するように構成されている。
そして、1日分の過去負荷データは、24時間のうち1時間を単位時間として、単位時間当たりの電力負荷量データの24個、単位時間当たりの給湯熱負荷量データの24個、及び、単位時間当たりの暖房熱負荷量データの24個から構成されている。
上述のような過去負荷データを更新する構成について説明を加えると、実際の使用状況から、単位時間当たりの電力負荷量、給湯熱負荷量、及び暖房熱負荷量の夫々を、商用電力計測部M3、熱電併給装置用発電電力計測部M4、給湯熱負荷計測部M1、及び暖房熱負荷計測部M2にて計測し、その計測した負荷データを記憶する状態で1日分の実負荷データを曜日と対応付けて記憶させる。
ちなみに、電力負荷装置18の電力負荷量は、商用電力計測部M3で計測した電力と、熱電併給装置用発電電力計測部M4で計測した発電装置11の発電出力との和から、電気ヒータ22の電力負荷量とコージェネレーションシステム固有の補機(例えば、冷却水循環ポンプ21、湯水循環ポンプ32、熱媒循環ポンプ63等)の電力負荷量とを差し引いたものとなる。尚、商用電力計測部M3で計測された電力とは、商用電力系統16から受電する方向を正とした電力を示し、商用電力系統16へ電力を逆潮流している場合には、負の値を取る。
そして、1日分の実負荷データが1週間分記憶されると、曜日ごとに、過去負荷データと実負荷データとを所定の割合で足し合わせることにより、新しい過去負荷データを求めて、その求めた新しい過去負荷データを記憶して、過去負荷データを更新するように構成されている。
日曜日を例に挙げて具体的に説明すると、図3に示すように、過去負荷データのうち日曜日に対応する過去負荷データD1mと、実負荷データのうち日曜日に対応する実負荷データA1とから、下記の〔式1〕により、日曜日に対応する新しい過去負荷データD1(m+1)が求められ、その求められた過去負荷データD1(m+1)を記憶する。
尚、下記の〔式1〕において、D1mを、日曜日に対応する過去負荷データとし、A1を、日曜日に対応する実負荷データとし、Kは、0.75の定数であり、D1(m+1)を、新しい過去負荷データとする。
〔数1〕
D1(m+1)=(D1m×K)+{A1×(1−K)}・・・〔式1〕
予測負荷演算処理について説明を加えると、日付が変わるごとに実行され、その日のどの時間帯にどれだけの電力負荷量、給湯熱負荷量、暖房熱負荷量が予測されているかの1日分の予測負荷データを求めるように構成されている。
即ち、曜日ごとの7つの過去負荷データのうち、その日の曜日に対応する過去負荷データと前日の実負荷データとを所定の割合で足し合わせることにより、どの時間帯にどれだけの電力負荷量、給湯熱負荷量、暖房熱負荷量が予測されているかのその日1日分の予測負荷データを求めるように構成されている。
月曜日1日分の予測負荷データを求める場合を例に挙げて具体的に説明すると、図3に示すように、曜日ごとの7つの過去負荷データD1m〜D7mと曜日ごとの7つの実負荷データA1〜A7とが記憶されているので、月曜日に対応する過去負荷データD2mと、前日の日曜日に対応する実負荷データA1とから、下記の〔式2〕により、月曜日の1日分の予測負荷データBを求める。
そして、1日分の予測負荷データBは、図4に示すように、1日分の予測電力負荷量データ、1日分の予測給湯熱負荷量データ、1日分の予測暖房熱負荷量データからなり、図4の(A)は、1日分の予測電力負荷量を示しており、図4の(B)は、1日分の予測暖房熱負荷量を示しており、図4の(C)は、1日分の予測給湯熱負荷量を示している。
尚、下記の〔式2〕において、D2mを、月曜日に対応する過去負荷データとし、A1を、日曜日に対応する実負荷データとし、Qは、0.25の定数であり、Bは、予測負荷データとする。
〔数2〕
B=(D2m×Q)+[A1×(1−Q)]・・・〔式2〕
省エネルギ度基準値演算処理について説明を加えると、予測給湯熱負荷量データを用いて、現時点から基準値用時間先までの間に必要となる貯湯必要量を賄えるように熱電併給装置10を運転させた場合に、熱電併給装置10を運転させることによって、コージェネレーションシステム100の設置施設における省エネルギ化を実現できる省エネルギ度基準値を求めるように構成されている。
例えば、単位時間を1時間とし、基準値用時間を12時間として説明を加えると、まず、予測負荷データによる予測電力負荷量、予測給湯熱負荷量、及び予測暖房熱負荷量から、下記の〔式3〕により、図5に示すように、熱電併給装置10を運転させた場合の予測省エネルギ度を1時間ごとに12時間先までの12個分を求めると共に、熱電併給装置10を運転させた場合に貯湯タンク30に貯湯することができる予測貯湯量を1時間ごとに12時間先までの12個分を求める。
尚、図5には、説明の都合上、予測貯湯量(kw)、及び予測省エネルギ度の値を例示的に示しており、以下の説明では、当該例示した値に基づいて、選択順位等の説明を行うことがある。
〔数3〕
省エネルギ度P=[EK1+EK2+EK3]/熱電併給装置10の必要エネルギ)×100・・・〔式3〕
但し、EK1は、有効発電出力E1を変数とする関数であり、EK2は、有効暖房熱出力E2を変数とする関数であり、EK3は、有効貯湯熱出力E3を変数とする関数であり、
EK1=有効発電出力E1の発電所一次エネルギ換算値
=f1(有効発電出力E1,発電所での必要エネルギ)
EK2=有効暖房熱出力E2の従来給湯器でのエネルギ換算値
=f2(有効暖房熱出力E2,バーナ効率(暖房時))
EK3=有効貯湯熱出力E3の従来給湯器でのエネルギ換算値
=f3(有効貯湯熱出力E3,バーナ効率(給湯時))
熱電併給装置10の必要エネルギ:5.5kW(ただし、熱電併給装置10を1時間稼動させたときの都市ガス消費量を0.433m3とする)
単位電力発電必要エネルギ:2.8kW
バーナ効率(暖房時):0.8
バーナ効率(給湯時):0.9
また、有効発電出力E1、有効暖房熱出力E2、有効貯湯熱出力E3の夫々は、下記の〔式4〕〜〔式6〕により求められる。
〔数4〕
E1=熱電併給装置10の発電電力−(余剰電力+固有の補機の電力負荷量)・・・〔式4〕
E2=暖房端末62での熱負荷量・・・〔式5〕
E3=(熱電併給装置10の熱出力+電気ヒータ22の熱出力−有効暖房熱出力E2)−放熱ロス・・・〔式6〕
ただし、電気ヒータ22の熱出力=電気ヒータ22の電力負荷量×電気ヒータの熱効率とする。
そして、図5に示すように、1時間ごとの予測省エネルギ度及び予測貯湯量を12個分求めた状態において、まず、予測給湯熱負荷量データから12時間先までに必要とされている予測必要貯湯量を求め、その予測必要貯湯量から現時点での貯湯タンク30内の貯湯量を引いて、12時間先までの間に必要となる必要貯湯量を求める。
例えば、予測給湯熱負荷量データから12時間後に9.8kWの給湯熱負荷量が予測されていて、現時点での貯湯タンク30内の貯湯量が2.5kWである場合には、12時間先までの間に必要となる必要貯湯量は7.3kWとなる。
そして、単位時間の予測貯湯量を足し合わせる状態で、その足し合わせた予測貯湯量が必要貯湯量に達するまで、12個分の単位時間のうち、予測省エネルギ度の数値が高いものから選択していくようにしている。
説明を加えると、例えば、上述の如く、必要貯湯量が7.3kWである場合には、図5に示すように、まず、予測省エネルギ度の一番高い7時間先から8時間先までの単位時間を選択し、その単位時間における予測貯湯量を足し合わせる。
次に予測省エネルギ度の高い6時間先から7時間先までの単位時間を選択し、その単位時間における予測貯湯量を足し合わせて、そのときの足し合わせた予測貯湯量が1.1kWとなる。
また次に予測省エネルギ度の高い5時間先から6時間先までの単位時間を選択し、その単位時間における予測貯湯量を足し合わせて、そのときの足し合わせた予測貯湯量が4.0kWとなる。
このようにして、予測省エネルギ度の数値が高いものからの単位時間の選択と予測貯湯量の足し合わせを繰り返していくと、図5に示すように、8時間先から9時間先までの単位時間を選択したときに、足し合わせた予測貯湯量が7.3kWに達する。
そうすると、8時間先から9時間先までの単位時間の省エネルギ度を省エネルギ度基準値として設定し、図5に示すものでは、省エネルギ度基準値が106となる。
運転可否判別処理について説明を加えると、運転可否判別処理では、現時点での電力負荷量、現時点での給湯熱負荷量、及び現時点での暖房熱負荷量から、上記の〔式3〕により、実省エネルギ度を求める。
そして、その実省エネルギ度が省エネルギ度基準値よりも上回ると、熱電併給装置10の運転が可と判別し、実省エネルギ度が省エネルギ度基準値以下であると、熱電併給装置10の運転が不可と判別するようにしている。
つまり、実際の電力負荷量、給湯熱負荷量、及び暖房熱負荷量が、予測電力負荷量データ、予測給湯熱負荷量データ、及び予測暖房熱負荷量データと略等しければ、実省エネルギ度は、省エネルギ基準値演算処理において求めた予測省エネルギ度と略等しくなるので、必要貯湯量を貯湯できるように予測省エネルギ度の高い時間帯の順に選択した複数の単位時間において、熱電併給装置10が運転されることになる。
従って、必要貯湯量を貯湯できるように予測省エネルギ度の高い時間帯の順に選択した複数の単位時間から成る時間帯が、予測熱負荷量及び予測電力負荷量と省エネルギ運転条件(省エネルギ度Pに相当する)とに基づいて求めた熱電併給装置10を運転するための予測運転時間帯となる。そして、この省エネルギ度基準値演算処理は数秒間隔で行われ、一旦、熱電併給装置10の運転が開始されると少なくとも1時間は運転が継続される。
つまり、学習制御手段R1は、省エネルギ度Pが高く且つ熱負荷量又は電力負荷量が多い時間帯を、熱電併給装置10を運転するための予測運転時間帯として求めるように構成されている。また、学習制御手段R1は、熱の時系列消費データ及び電力の時系列消費データに基づいて、1日という判別対象期間における時系列的な予測熱負荷量及び時系列的な予測電力負荷量を求め、求めた予測熱負荷量及び予測電力負荷量と省エネルギ運転条件(省エネルギ度P)とに基づいて熱電併給装置10を運転するための予測運転時間帯を求めて、その求めた予測運転時間帯に基づいて熱電併給装置10を自動運転するように構成されている。
以上のように、学習制御手段R1は、本願のコージェネレーションシステム100を、省エネルギ運転させる熱電併給装置10の予測運転時間帯を求め、求められた予測運転時間帯に基づいて、熱電併給装置10を自動運転させる学習運転を実行するのであるが、当該学習運転を実行している際には、様々な運転エラーが発生する。
本発明にあっては、学習運転を実行している際に、発生する運転エラーのうち、使用者による誤った使用操作に起因するエラーである人為的要因エラーが発生したときに、当該人為的要因エラーに伴う実負荷のみを、学習運転の学習制御に係る実負荷データの更新処理の対象から除外する学習制御手段R1として機能する。
説明を追加すると、コージェネレーションシステム100にて発生する運転エラーとしては、冷却水循環路C1を循環する冷却水でガスエンジン12を通過した冷却水戻り温度が30℃以上45℃未満となる場合等のエラーである「冷却水循環路出力エラー(エラーコード:909)」、補助加熱器33をその燃焼用ファン33cのファン電流初期補正値が110%以上で且つ10年以上の使用している場合のエラーである「燃焼エラー(エラーコード:990)」、風呂自動循環判定中に風呂設定温度に対して風呂戻り温度が設定温度に対して異常な温度であることを検出した場合のエラーである「高温注湯エラー(エラーコード:162)」、風呂追焚運転で追焚循環路(図示せず)に設けられる水流スイッチ(図示せず)がONしない(追焚循環路に3.5L/min以上の湯水が循環しない)場合のエラーである「風呂水流スイッチエラー(エラーコード:632)」等がある。
一方、運転エラーのうちで、人為的要因エラーに含まれるものの例としては、使用者が浴槽に水栓をし忘れた状態で自動湯張り運転を行ったときのエラーである「水栓忘れエラー(エラーコード:032)」や、給湯が設定上限時間(例えば、60分)以上連続して使用されたときのエラーである「給湯連続実行エラー(エラーコード:011)」がある。
尚、本発明では、運転エラーのうちで、上述の人為的要因エラーに伴う実負荷を、積極的に、学習制御に係る実負荷データの更新処理の対象から除外するものであるが、このような制御を行う理由の一つは、特に、上述したような「水栓忘れエラー(エラーコード:032)」や「給湯連続実行エラー(エラーコード:011)」等の人為的要因エラーは、それをエラーとして機器側で判定するまでに時間かかると共に、単位時間当たりの実負荷が比較的大きく、それに伴う実負荷が比較的大きくなるため、学習制御に与える影響が大きくなるためである。
本願のコージェネレーションシステム100にあっては、図2に示すように、運転制御部Rの記憶部R3に、運転エラーのエラーコードと、当該エラーコードに対応する運転エラーが人為的要因エラーに該当するか否かの情報(2値符号)である人為的要因異常判定符号とを記憶する人為的要因異常判定マップを記憶している。ここで、人為的要因異常判定符号は、人為的要因エラーである場合に「1」が、人為的要因エラーでない場合に「0」が記憶される。
尚、図2の人為的要因異常判定マップにおいては、紙面の都合上、運転エラーのうち、「水栓忘れエラー(エラーコード:032)」、「給湯連続実行エラー(エラーコード:011)」、及び「高温注湯エラー(エラーコード162)」のみを例示している。
運転制御部Rが有する運転異常判定手段R4は、コージェネレーションシステム100に設けられる各種センサ等の測定結果に基づいて、運転エラーが生じているか否かを判定する。
そして、運転制御部Rが有する運転異常要因判定手段R2は、運転異常判定手段R4が運転エラーが生じていると判定したときに、当該運転エラーのエラーコードをキーとして、記憶部R3の人為的要因異常判定マップを参照し、その人為的要因異常判定符号が「1」か「0」を抽出し、「1」である場合には、人為的要因エラーが発生したと判定する。学習制御手段R1は、当該運転異常要因判定手段R2により運転エラーが人為的要因エラーであると判定された場合、当該人為的要因エラーに伴う実負荷を、学習制御に係る実負荷データの更新処理の対象から除外する。
一方、運転異常要因判定手段R2は、「0」を抽出した場合、学習制御手段R1は、特定の処理を実行することなく待機する。
次に、コージェネレーションシステム100の運転中に運転エラーが発生したときに、当該運転エラーが人為的要因エラーか否かの判定を行う判定処理、人為的要因エラーであった場合に当該人為的要因エラーに伴う実負荷を学習制御に係る実負荷データの更新処理の対象から除外する処理につき、図6〜9の制御フローに基づいて説明を加える。
まず一例として、「水栓忘れエラー(エラーコード:032)」、及び「高温注湯エラー(エラーコード162)」が発生する場合がある自動湯張り運転につき、図6に基づいて説明する。
自動湯張り運転は、浴槽の大きさが不明で、残湯があるか否かが不明である場合にも、湯張り完了時の水位を設定水位にするべく、徐々に浴槽への湯水の落し込みを行いながら、追焚循環流路(図示せず)に湯水を循環できるか否かを、一つの判定基準として、現在水位を設定水位にする運転である。
図6に示すように、リモコンR5に設けられる自動スイッチ(図示せず)が押下されると(♯101)、浴槽(図示せず)に設けられる水位センサにより、現在水位が判定水位に達しているかが判定し(♯102)、現在水位が判定水位に達していない場合には10Lの落し込みを行う(♯103)。
♯103で10Lの落し込みを実行した後、追焚循環路に湯水が循環しているか否か(追焚循環路の浴槽における吸込口まで現在水位が達しているか否か)を判定する循環判定を実行する(♯104)。ここで、追焚循環路に湯水が循環しているか否かの判定は、追焚循環路に設けられている水流スイッチSW(図6の制御フローにのみ図示)がONするか否かで判定する(♯105)。因みに、水流スイッチSWは、例えば、追焚循環路に3.5L/分以上の湯水が50秒連続して通流すればONし、30秒〜最長90秒連続して通流しなければOFFするものとする。
尚、図6に示す制御フローでは、循環判定において、追焚循環路に湯水が循環し水流スイッチSWがONした場合を、SW:ONとし、追焚循環路に湯水が循環せず(循環流量が少ない場合を含む)水流スイッチSWがONしない場合を、SW:OFFとして示している。
♯105の循環判定で、水流スイッチSWがOFFである場合、更に、70Lの落し込みを行い(♯106)、それでも、水流スイッチSWがOFFである場合、♯110の循環判定で、水流スイッチSWがONするまで、20Lの落し込みを実行し続ける(♯109)。
ここで、当該20Lの落し込みは、♯110の循環判定で、水流スイッチSWがONするまで実行されるため、浴槽の水栓忘れが発生している場合、落し込まれた湯水が排水口から排水され続けることになる。そこで、♯109の20Lの落し込みの後には、図7の制御フローに示す水栓忘れエラー判定処理(♯200)を実行する。尚、当該水栓忘れエラー判定処理の詳細については後述する。
♯110の循環判定で、水流スイッチSWがONした場合、追焚循環路に湯水が循環するのであるが、追焚循環路に湯水が循環する場合、比較的高温の湯水が浴槽に注湯される「高温注湯エラー」が起きることがある。そこで、循環判定で水流スイッチSWがONした後には、高温注湯エラー判定処理(♯300)を実行する。尚、当該高温注湯エラー判定処理の詳細については後述する。
♯300の処理の後、現在水位が設定水位未満か否かを判定し(♯111)、設定水位未満であれば、残量を計算して導出し、導出した残量を落し込んで、現在水位を設定水位まで上昇させる(♯112、♯113)。一方、現在水位が設定水位以上である場合には、処理を実行せず終了する。
尚、上記♯102の判定において、現在水位が判定水位を超えている場合、循環判定を行い(♯104)、水流スイッチSWがONした場合には、♯300、♯111以降の処理を実行する。
また、上記♯105の循環判定において、水流スイッチがONした場合、更に、10Lの落し込みを行い(♯107)、更に、循環判定を行い(♯108)、水流スイッチがONした場合、♯300、♯111以降の処理を実行する。ここで、♯108の循環判定において、水流スイッチSWがOFFである場合には、♯110の循環判定において、水流スイッチSWがONするまで、♯109の20L落し込みを実行し続ける。
〔水栓忘れエラー判定処理〕
当該水栓忘れエラー判定処理は、上述した自動湯張り運転中に実行される処理であり、人為的要因エラーである「水栓忘れエラー」が発生したか否かを判定し、発生している場合には、「水栓忘れエラー」に係る警報を発報すると共に、当該「水栓忘れエラー」に伴う実給湯負荷を、学習制御に係る実負荷データの更新処理の対象から除外する処理である。
水栓忘れエラー判定処理は、図7に示すように、運転異常判定手段R4が、20L落し込み回数nをカウントし(♯201)、当該20L落し込み回数nが上限回数k以上となった場合、図示しないスピーカ等により、「水栓忘れエラー(エラーコード:032)」に係る警報を発報すると共に(♯203)、自動湯張り運転を停止する(♯204)。
運転異常要因判定手段R2は、運転異常判定手段R4から得たエラーコード:032をキーとして、記憶部R3の人為的要因異常判定マップを探索することで、当該エラーが人為的要因エラーであると判定する。学習制御手段R1は、当該運転異常要因判定手段R2が人為的要因エラーであると判定すると、積算落し込み量SLを算出し(♯205)、当該積算落し込み量SLに対応する実給湯負荷A1'を、学習制御に係る実負荷データの更新処理の対象から除外する(♯206)。
具体的には、上述した〔式1〕で示される過去負荷データの更新処理、〔式2〕で示される予測負荷データの更新処理において、実負荷データA1から実給湯負荷A1'を除算する。
〔高温注湯判定処理〕
高温注湯エラー判定処理は、図8に示すように、運転異常判定手段R4が、暖房運転中か否かを判定し(♯301)、暖房運転中である場合には、高温注湯エラー判定処理は、上述した自動湯張り運転中に実行される処理であり、人為的要因エラーに該当しない運転エラーである。追焚循環路を循環して浴槽に戻る湯水の温度が、設定温度に対して異常な温度である場合に、「高温注湯エラー」が発生したと判定し、図示しないスピーカ等により、「高温注湯エラー発報(エラーコード:162)」に係る警報を発報する(♯302、♯303)。
説明を追加すると、風呂設定温度が45℃以上のときには、風呂戻り温度が50℃を超える場合、風呂設定温度が45℃未満のときには、風呂戻り温度が設定温度+5℃を超える場合に、「高温注湯エラー」が発生したと判定する。
運転異常要因判定手段R2は、運転異常判定手段R4から得たエラーコード:162をキーとして、当該エラーが人為的要因エラーでないと判定し、何の処理も実行しない。
〔給湯連続実行エラー判定処理〕
当該給湯連続実行エラー判定処理は、人為的要因エラーである「給湯連続実行エラー
」が発生したか否かを判定し、発生している場合には、「給湯連続実行エラー」を発報すると共に、当該「給湯連続実行エラー」に伴う実給湯負荷を、学習制御に係る実負荷データの更新処理の対象から除外する処理である。
給湯連続実行エラー判定処理は、図9に示すように、給湯栓が開かれた場合(♯401)に、運転異常判定手段R4が、積算給湯時間Twをカウントし(♯402)、当該積算給湯時間Twが設定上限時間(例えば、60分)以上となった場合(♯404)、図示しないスピーカ等により、「給湯連続実行エラー(エラーコード:011)」に係る警報を発報すると共に(♯405)、給湯を停止する。
運転異常要因判定手段R2は、運転異常判定手段R4から得たエラーコード:011をキーとして、記憶部R3が記憶する人為的要因異常判定マップを探索することで、当該エラーが人為的要因エラーであると判定する。学習制御手段R1は、当該運転異常要因判定手段R2が人為的要因エラーであると判定すると、設定上限時間(例えば、60分)に対応する実給湯負荷A1'を、学習制御に係る実負荷データの更新処理の対象から除外する(♯206)。
具体的には、上述した〔式1〕で示される過去負荷データの更新処理、〔式2〕で示される予測負荷データの更新処理において、実負荷データA1から実給湯負荷A1'を除算する。
尚、当該積算給湯時間Twが設定上限時間(例えば、60分)に達する前に、給湯停止指示があった(給湯栓が閉された)場合(♯403)には、給湯連続実行エラー判定処理を停止する。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、熱電併給装置10として、ガスエンジン12によって回転機等の発電装置11を駆動するように構成されているものを例として示したが、別に、燃料電池等の熱電併給装置を採用しても構わない。
(2)上記実施形態においては、「水栓忘れエラー」に伴う実熱負荷、及び「給湯連続実行エラー」に伴う実熱負荷を、学習制御に係る実負荷データの更新処理の対象から除外する例を示した。
しかしながら、本願は、使用者による誤った使用操作に起因するエラーである人為的要因エラーに伴う実負荷を、学習制御に係る実負荷データの更新処理の対象から除外するものであるので、実熱負荷に限らず、実電力負荷であっても除外する場合もある。
例えば、ドライヤーやホットプレート等で、比較的電力負荷が大きく、人為的要因により、電源が入れられた状態で放置される虞があるものが、比較的長時間(例えば、1時間程度)使用され続けるような「大電力負荷消し忘れエラー」が発生している場合、当該実電力負荷を、学習制御に係る実電力負荷データの更新処理の対象から除外するように構成しても構わない。
尚、「大電力負荷消し忘れエラー」が発生しているか否かは、例えば、数秒間隔での電力負荷が、過去の実電力負荷データに比べて、急激な立ち上がりから始まる高い電力負荷となる状態が続いた場合に、当該エラーが発生していると判定するように構成することができる。
(3)上記実施形態においては、運転制御部Rの記憶部R3が、人為的要因異常判定マップとして、エラーコードと、当該エラーコードに対応する運転エラーが人為的要因エラーか否かを示す2値の符号として人為的要因異常判定符号を備え、運転エラーが人為的要因エラーである場合には、人為的要因異常判定符号として「1」を割り振り、運転エラーが人為的要因エラーでない場合には、人為的要因異常判定符号として「0」を割り振る例を示した。
しかしながら、当該記憶部R3は、人為的要因エラーのエラーコードのみを記憶すると共に、運転異常判定手段R4が運転エラーと判定した運転エラーのエラーコードを、運転異常要因判定手段R2が、当該記憶部R3に記憶されている人的要因エラーのエラーコードと一致するか否かを判定するように構成しても構わない。
本発明のコージェネレーションシステムは、不適切な操作が実行される場合であっても、精度の高い学習制御が実行されるコージェネレーションシステムとして、有効に利用可能である。
10 :熱電併給装置
18 :電力負荷装置
60 :熱負荷装置
100 :コージェネレーションシステム
R :運転制御部
R2 :運転異常要因判定手段
R3 :記憶部
R4 :運転異常判定手段

Claims (4)

  1. 熱と電力とを併せて発生する熱電併給装置と、当該熱電併給装置から電力の供給を受ける電力負荷装置と、熱の供給を受ける熱負荷装置と、前記電力負荷装置による実電力負荷及び前記熱負荷装置による実熱負荷とから学習運転の学習制御に係る実負荷データの更新処理を実行する学習制御手段と、を備えるコージェネレーションシステムであって、
    前記熱負荷装置又は前記電力負荷装置の運転を開始したときに、当該運転に運転エラーが生じているか否かを判定する運転異常判定手段と、
    当該運転異常判定手段が前記運転エラーが生じていると判定したときに、当該運転エラーが使用者による誤った使用操作に起因するエラーである人為的要因エラーか否かを判定する運転異常要因判定手段とを備え、
    前記学習制御手段は、前記運転異常要因判定手段により前記人為的要因エラーが生じていると判定したときに、当該人為的要因エラーに伴う実負荷を、前記学習制御に係る実負荷データの更新処理の対象から除外するコージェネレーションシステム。
  2. 前記運転エラーのエラーコードと、当該エラーコードに対応する運転エラーが前記人為的要因エラーか否かを示す人為的要因異常判定符号とを対応して記憶する記憶部を備え、
    前記運転異常要因判定手段は、前記運転異常判定手段が前記運転エラーが生じていると判定したときに、当該運転エラーのエラーコードを受け付けると共に、当該エラーコードに対応する前記人為的要因異常判定符号を前記記憶部から呼び出し、当該人為的要因異常判定符号により前記運転エラーが前記人為的要因エラーか否かを判定する請求項1に記載のコージェネレーションシステム。
  3. 前記運転状態判定手段は、前記人為的要因エラーが、自動湯はり運転における水栓忘れエラーであると判定した場合、
    前記学習制御手段は、前記熱負荷装置の実熱負荷のうち、前記自動湯張り運転が開始されてから前記水洗忘れエラーにより停止されるまでの実熱負荷を、前記学習制御に係る実負荷データの更新処理の対象から除外する請求項1又は2に記載のコージェネレーションシステム。
  4. 前記運転状態判定手段は、前記人為的要因エラーが、給湯運転において給湯が設定上限時間以上連続して実行される給湯連続実行エラーであると判定した場合、
    前記学習制御手段は、前記熱負荷装置の実熱負荷のうち、前記給湯運転において給湯が開始されてから前記給湯連続実行エラーにより給湯が停止されるまでの実熱負荷を、前記学習制御に係る実負荷データの更新処理の対象から除外する請求項1又は2に記載のコージェネレーションシステム。
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