JP6162654B2 - 石英ガラス溶融用カーボン電極及び該電極を用いた石英ガラスルツボ製造装置 - Google Patents
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Description
前記製造装置21のルツボ成形用型22は減圧可能な多孔質カーボン製の内側部材23と保持体24とから構成され、回転軸25により回転可能に支持されている。
また、前記内側部材23に対向する上部にはアーク放電による3本の石英ガラス溶融用カーボン電極27が設けられている。
そして、先端部27に形成された雄螺子部27a1と、中間部27bに形成された雌螺子部27b1とを螺合させ、また中間部27に形成された雄螺子部27b2と、基部27cに形成された雌螺子部27c1とを螺合させることにより、図10(b)に示すような、一つのカーボン電極27が形成される。
供給されたシリカ粉末は、遠心力によってルツボ成形用型22の内側部材23に押圧されてルツボ形状の成形体26として形成される。
特に、石英ガラス内にこの泡を有する石英ガラスルツボを用いてシリコン単結晶の引上げを行うと、石英ガラスルツボの内表面付近(特に透明層)に形成された透明層に存在する泡が膨脹して大きな泡となり、前記泡が透明層の溶解と共にシリコン融液中に混入する。
そのため、前記泡はシリコン単結晶の成長に悪影響を与え、シリコン単結晶の単結晶化歩留りを低下させる原因となり、好ましいものでない。
しかしながら、石英ガラスルツボの製造コスト削減のため、前記中間部の交換頻度を低減することが社会から求められている。
また、前記課題を解決するためになされた本発明にかかる石英ガラス溶融用カーボン電極は、アーク放電がされる先端部と、前記先端部が取り付けられる基部とを備え、前記基部は、前記先端部が取り付けられる中間部と、前記中間部が取り付けられる後端部とを備え、少なくとも、前記中間部が円筒状の石英ガラスかなる石英筒内に収容されており、前記石英筒の上端部の内周面に形成された爪部と、前記中間部の上端に形成された被係止部とを備え、前記石英筒の爪部が前記被係止部に係止されることにより、前記石英筒が取り付けられることを特徴としている。
また、石英ガラス溶融用カーボン電極の基部が、円筒状の石英ガラスガラスかなる石英筒内に収容され、前記石英筒に覆われているため、SiO系ガスによる消耗が抑制され、前記基部の交換頻度を低減することができる。
また、前記基部は、前記先端部が取り付けられる中間部と、前記中間部が取り付けられる後端部とを備え、少なくとも、前記中間部が円筒状の石英ガラスガラスかなる石英筒内に収容されている場合には、消耗した中間部のみを新規な中間部へ部品交換することができる。
前記石英筒の下端が、先端部の先端から(使用前のカーボン電極先端)から150mm未満である場合には、アーク放電中に生じた熱エネルギーにより変形する虞があり、前記石英筒、あるいはカーボン電極の先端部、中間部の交換が困難になるため、先端部の先端から少なくとも150mm離れていることが望ましい。
前記石英筒の長さが300mm未満の場合、消耗する範囲を覆うことができず、カーボン粒子の脱落により石英ガラスルツボ内表面の気泡密度が高くなるという弊害が生じる虞がある。
図2に示すように、この石英ガラス溶融用カーボン電極1は、アーク放電することによって消耗する先端部2と、前記先端部2が取り付けられる基部3とを備えている。
前記先端部2の一端側には雄螺子部2aが形成され、一方、基部3の一端側には雌螺子部3aが形成され、前記雄螺子部2aが前記雌螺子部3aに螺合することにより、前記先端部2は基部3に取り付けられる。
この中間部4の一端側には螺子部(図示せず)が形成され、一方、後端部5の一端側には雌螺子部(図示せず)が形成され、前記螺子部が前記雌螺子部に螺合することにより、前記中間部4は後端部5に取り付けられることにより、基部3が形成されている。
尚、前記基部3は、かならずしも中間部4と後端部5の二つの部材に分けて形成し、その後一体に形成する必要はなく、予め一体に形成したものであっても良い。
前記中間部4の直径は、先端部2の中間部側の直径よりも小さく形成され、前記石英筒6内に前記中間部4を収容した際、前記石英筒6下端面6aは先端部2aの端面2bに係止される。
また、後端部5の中間部側の端面5bの直径は、前記中間部4の直径よりも大きな径で形成されている。したがって、前記石英筒6内に前記中間部4を収容した際、前記石英筒6の上端面6bは後端部5の端面5bに係止される。
前記石英筒の下端面6aが、使用前のカーボン電極先端P(先端部2の先端)から150mm未満である場合には、アーク放電中に生じた熱エネルギーにより前記石英筒6が変形する虞がある。
この石英筒4の変形により、前記石英筒4、あるいはカーボン電極1の先端部2、中間部4の交換が困難になるため、カーボン電極先端Pから150mm以上離れていることが好ましい。
前記石英筒の長さ寸法Bが300mm未満の場合、アーク放電により消耗する範囲を覆うことができず、カーボン粒子の脱落によって、石英ガラスルツボ内表面の気泡密度が高くなるという弊害が生じる虞がある。
また、この支持部材7は、前記石英筒6と同様に石英ガラスから構成されている。そして、前記支持部材7には貫通孔7aが形成され、前記先端部2の螺子部2aが、前記貫通孔7aを挿通し、基部3の雌螺子部3aに螺合することにより、前記支持部材7は先端部2と基部3(中間部4)の間に取り付けられる。
この第3の実施形態にあっては、図4に示すように、前記石英筒10の上端部の内周面に爪部10aが形成され、前記中間部4の上端に被係止部4aが形成されている。
そして、前記石英筒10の爪部10aが前記被係止部4aに係止されることにより、前記石英筒10が取り付けられる。
即ち、後端部5と中間部4の境界部分において、中間部4の上端面が前記傾斜面部5の外方向に露出するように形成されている。
したがって、前記中間部4の上端面(被係止部4a)に、前記石英筒10の爪部10aを係止することにより、前記石英筒10が取り付けられる。
これら場合においても、前記中間部4の段部4bに、前記石英筒10の爪部10aを係止することにより、前記石英筒10が取り付けられる。
図2に示すカーボン電極を用いて、前記石英筒の下端位置の最適値を検証した。その際、先端部の先端からの距離A(石英筒の下端位置)を条件1〜条件6と変え、石英筒の長さ寸法Bの長さを700mmとした。また、石英筒の肉厚は5mmとした。
そして、アーク回転溶融法による石英ガラスルツボ製造装置にカーボン電極として組込み、CZ法によるシリコン単結晶引上げ装置に使用される32インチ用の石英ガラスルツボを製造し、石英ガラスルツボを評価した。その結果を表1に示す。
この表1からわかるように、Aの距離寸法が短くなるに従い、気泡の低減が図られる。ただし、Aの距離寸法が100mm以下になると石英筒に変形が見られ、好ましくないことが判明した。
図2に示すカーボン電極を用いて、石英筒の最適長さ寸法を検証した。その際、前記Aの距離寸法を150mmに固定し、Bの寸法長さを条件1〜条件7と変更した。また、石英筒の肉厚は5mmとした。
そして、アーク回転溶融法による石英ガラスルツボ製造装置にカーボン電極として組込み、CZ法によるシリコン単結晶引上げ装置に使用される32インチ用の石英ガラスルツボを製造し、石英ガラスルツボを評価した。その結果を表2に示す。
この表2からわかるように、Bの距離寸法が長くなるに従い、気泡は低減していくことがわかる。ただし、300mm以上になると気泡低減効果が見られないことが判明した。
図5に示すように、先端部と中間部の径が同一に形成され、石英筒の爪部が前記石英筒の端面に係止されているカーボン電極と、図6に示すように、先端部より中間部の径が大きく形成され、石英筒の爪部が前記石英筒の端面に係止されているカーボン電極について、上記実験1,2を行った。
その結果、いずれのカーボン電極も、上記実験1,2と同様な結果が得られた。
図3に示すように、石英筒の下端面を保持する支持部材を設けたカーボン電極について、上記実験1,2を行った。尚、先端部と中間部の径は同一に形成した。
その結果、このカーボン電極についても、上記実験1,2と同様な結果が得られた。尚、前記支持部材は、先端部よりも消耗しないため、交換頻度が少ないという利点があるが、交換は必要であることが判明した。
2 先端部
3 基部
4 中間部
4a 被係止部(端面)
4b 段部
5 後端部
6 石英筒
7 支持部材
10 石英筒
10a 爪部
Claims (9)
- アーク放電がされる先端部と、前記先端部が取り付けられる基部とを備え、前記基部の一部または全部が、円筒状の石英ガラスかなる石英筒内に収容されており、
前記石英筒の上端部の内周面に形成された爪部と、前記基部に形成された被係止部とを備え、前記石英筒の爪部が前記被係止部に係止されることにより、前記石英筒が取り付けられることを特徴とする石英ガラス溶融用カーボン電極。 - アーク放電がされる先端部と、前記先端部が取り付けられる基部とを備え、前記基部は、前記先端部が取り付けられる中間部と、前記中間部が取り付けられる後端部とを備え、少なくとも、前記中間部が円筒状の石英ガラスかなる石英筒内に収容されており、
前記石英筒の上端部の内周面に形成された爪部と、前記中間部の上端に形成された被係止部とを備え、前記石英筒の爪部が前記被係止部に係止されることにより、前記石英筒が取り付けられることを特徴とする石英ガラス溶融用カーボン電極。 - 前記石英筒の下端が、前記先端部の先端から少なくとも150mm離れていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の石英ガラス溶融用カーボン電極。
- アーク放電がされる先端部と、前記先端部が取り付けられる基部とを備え、前記基部の一部または全部が、円筒状の石英ガラスかなる石英筒内に収容されており、
前記石英筒の下端が、前記先端部の先端から少なくとも150mm離れていることを特徴とする石英ガラス溶融用カーボン電極。 - アーク放電がされる先端部と、前記先端部が取り付けられる基部とを備え、前記基部は、前記先端部が取り付けられる中間部と、前記中間部が取り付けられる後端部とを備え、少なくとも、前記中間部が円筒状の石英ガラスかなる石英筒内に収容されており、
前記石英筒の下端が、前記先端部の先端から少なくとも150mm離れていることを特徴とする石英ガラス溶融用カーボン電極。 - 前記石英筒が、少なくとも300mmの長さを有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の石英ガラス溶融用カーボン電極。
- アーク放電がされる先端部と、前記先端部が取り付けられる基部とを備え、前記基部の一部または全部が、円筒状の石英ガラスかなる石英筒内に収容されており、
前記石英筒が、少なくとも300mmの長さを有することを特徴とする石英ガラス溶融用カーボン電極。 - アーク放電がされる先端部と、前記先端部が取り付けられる基部とを備え、
前記基部は、前記先端部が取り付けられる中間部と、前記中間部が取り付けられる後端部とを備え、少なくとも、前記中間部が円筒状の石英ガラスかなる石英筒内に収容されており、
前記石英筒が、少なくとも300mmの長さを有することを特徴とする石英ガラス溶融用カーボン電極。 - 前記請求項1乃至請求項8のいずれかに記載された石英ガラスルツボ溶融用カーボン電極を備えることを特徴とする石英ガラス溶融装置。
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