JP2012017239A - ルツボ構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】ルツボ上部の径方向内側への倒れ込み、及び直胴部の座屈変形の発生を抑制し、サセプタとの密着性を向上する。
【解決手段】シリコン単結晶を引上げる単結晶引上装置において、ルツボ形状のサセプタ2と、該サセプタに収容される石英ガラスルツボ3とからなるルツボ構造1であって、前記石英ガラスルツボは、円筒状に形成され、上端に開口部を有するルツボ直胴部2bと、前記ルツボ直胴部の下端側に形成されたルツボ底部2cと、前記ルツボ直胴部における外周面の少なくとも一部に、周方向に沿って螺旋状に形成されたリブ4とを有し、前記サセプタは、円筒状に形成され、上端に開口部を有するサセプタ直胴部3bと、前記サセプタ直胴部の下端側に形成されたサセプタ底部3cと、前記サセプタ直胴部の内周面に、周方向に沿って螺旋状に形成された前記リブに係合可能な螺合溝5とを有し、前記石英ガラスルツボは、前記サセプタに螺合され収容される。
【選択図】図2
【解決手段】シリコン単結晶を引上げる単結晶引上装置において、ルツボ形状のサセプタ2と、該サセプタに収容される石英ガラスルツボ3とからなるルツボ構造1であって、前記石英ガラスルツボは、円筒状に形成され、上端に開口部を有するルツボ直胴部2bと、前記ルツボ直胴部の下端側に形成されたルツボ底部2cと、前記ルツボ直胴部における外周面の少なくとも一部に、周方向に沿って螺旋状に形成されたリブ4とを有し、前記サセプタは、円筒状に形成され、上端に開口部を有するサセプタ直胴部3bと、前記サセプタ直胴部の下端側に形成されたサセプタ底部3cと、前記サセプタ直胴部の内周面に、周方向に沿って螺旋状に形成された前記リブに係合可能な螺合溝5とを有し、前記石英ガラスルツボは、前記サセプタに螺合され収容される。
【選択図】図2
Description
本発明は、チョクラルスキー法(以下、「CZ法」という)によって単結晶を育成しながら引き上げる際に用いられるルツボ構造に関する。
シリコン単結晶の育成に関し、CZ法が広く用いられている。この方法は、図10に示すように、ヒータ52の熱により石英ガラスルツボ50内にシリコン溶融液Mを形成し、その表面に種結晶Pを接触させる。そして、石英ガラスルツボ50を回転させるとともに、この種結晶Pを反対方向に回転させながら上方へ引上げることによって、種結晶Pの下端に単結晶Cを形成していくものである。
このCZ法を実施する単結晶引上装置にあっては、図10に示すように石英ガラスルツボ50はルツボ形状のカーボンサセプタ53(或いは炭素/炭素繊維複合材製サセプタなど)内に抱持されるように収容される。
そして、前記石英ガラスルツボ50内にシリコン溶融液を形成するためにヒータ52による加熱が開始されると、石英ガラスルツボ50も加熱され高温となる。
このとき、高温となった石英ガラスルツボ50は軟化し、カーボンサセプタ53に対し隙間無く密着するようになされている。即ち、鉛直軸周りに回転するカーボンサセプタ53に石英ガラスルツボ50が密着することによって、ルツボ50が安定して支持され、シリコン単結晶の引き上げが安定して行われる。
そして、前記石英ガラスルツボ50内にシリコン溶融液を形成するためにヒータ52による加熱が開始されると、石英ガラスルツボ50も加熱され高温となる。
このとき、高温となった石英ガラスルツボ50は軟化し、カーボンサセプタ53に対し隙間無く密着するようになされている。即ち、鉛直軸周りに回転するカーボンサセプタ53に石英ガラスルツボ50が密着することによって、ルツボ50が安定して支持され、シリコン単結晶の引き上げが安定して行われる。
ところで、石英ガラスルツボ50をカーボンサセプタ53内に配置した場合、通常、図11に示すように石英ガラスルツボ50の上端部50aはカーボンサセプタ53の上端部53aよりも高くなるように設計され、不純物がルツボ内に混入しないようになされている(例えば特許文献1)。
しかしながら、図11に示す構成にあっては、石英ガラスルツボ50が加熱されると、ルツボ下部がルツボ上部よりも高温となってより軟化し、カーボンサセプタ53と接触していないルツボ上端部50aが、図12に示すようにルツボの径方向内側に倒れ込む変形が生じることがあった。
また、図13に示すようにルツボの直胴部50bが自重によって座屈変形するといった課題もあった。
即ち、そのように石英ガラスルツボ50に変形が生じると、石英ガラスルツボ50とカーボンサセプタ53との密着性が低下し、シリコン単結晶の引き上げを安定して行うことができないという課題があった。
特に、近年にあっては、石英ガラスルツボの大型化に伴うルツボの高重量化を避けるために、石英ガラスルツボの肉厚がより薄く形成され、石英ガラスルツボの軽量化が図られているが、強度低下により石英ガラスルツボの変形がより発生しやすいという課題があった。
また、図13に示すようにルツボの直胴部50bが自重によって座屈変形するといった課題もあった。
即ち、そのように石英ガラスルツボ50に変形が生じると、石英ガラスルツボ50とカーボンサセプタ53との密着性が低下し、シリコン単結晶の引き上げを安定して行うことができないという課題があった。
特に、近年にあっては、石英ガラスルツボの大型化に伴うルツボの高重量化を避けるために、石英ガラスルツボの肉厚がより薄く形成され、石英ガラスルツボの軽量化が図られているが、強度低下により石英ガラスルツボの変形がより発生しやすいという課題があった。
本発明は、前記したような事情の下になされたものであり、チョクラルスキー法によってシリコン単結晶を引上げる単結晶引上装置において、ルツボ上部の径方向内側への倒れ込み、及び直胴部の座屈変形の発生を抑制し、サセプタとの密着性を向上することのできるルツボ構造を提供することを目的とする。
前記課題を解決するためになされた、本発明に係るルツボ構造は、チョクラルスキー法によってシリコン単結晶を引上げる単結晶引上装置において、ルツボ形状のサセプタと、該サセプタに収容される石英ガラスルツボとからなるルツボ構造であって、前記石英ガラスルツボは、円筒状に形成され、上端に開口部を有するルツボ直胴部と、前記ルツボ直胴部の下端側に形成されたルツボ底部と、前記ルツボ直胴部における外周面の少なくとも一部に、周方向に沿って螺旋状に形成されたリブとを有し、前記サセプタは、円筒状に形成され、上端に開口部を有するサセプタ直胴部と、前記サセプタ直胴部の下端側に形成されたサセプタ底部と、前記サセプタ直胴部の内周面に、周方向に沿って螺旋状に形成された前記リブに係合可能な螺合溝とを有し、前記石英ガラスルツボは、前記サセプタに螺合され収容されることに特徴を有する。
尚、前記リブは、前記直胴部において、その外周面の上端から下端にかけて螺旋状に形成されていることが望ましいが、外周面の少なくとも上端から前記サセプタと接する外周面を含む領域に螺旋状に形成されている構成でもよい。
また、前記石英ガラスルツボにおいて、ルツボ軸の直交面に対する前記リブの傾斜角θは60°以下に形成され、前記直胴部の表面積に占める前記リブの表面積の割合は、9%〜30%の範囲で定められていることが望ましい。
尚、前記リブは、前記直胴部において、その外周面の上端から下端にかけて螺旋状に形成されていることが望ましいが、外周面の少なくとも上端から前記サセプタと接する外周面を含む領域に螺旋状に形成されている構成でもよい。
また、前記石英ガラスルツボにおいて、ルツボ軸の直交面に対する前記リブの傾斜角θは60°以下に形成され、前記直胴部の表面積に占める前記リブの表面積の割合は、9%〜30%の範囲で定められていることが望ましい。
このように構成することによって、石英ガラスルツボの直胴部を軽量化のために薄肉に形成しても、ルツボ直胴部の外周面に形成された螺旋状のリブによって強度が保たれる。
また、前記リブに螺合可能な螺合溝がサセプタ直胴部の内周面に設けられることによって、サセプタに対し石英ガラスルツボが螺入され、収容されると、サセプタ底部によりルツボ底部が支持され、サセプタ直胴部の螺合溝により前記リブを介してルツボ直胴部が支持される。即ち、従来、サセプタ底部のみで支持していたルツボの荷重がサセプタ底部とサセプタ直胴部とに分散され、サセプタ全体でルツボを支持することができる。
したがって、石英ガラスルツボが加熱されて軟化した際に、そのルツボ直胴部の径方向内側への倒れ込み、及び座屈変形の発生を抑制することができる。
また、前記リブに螺合可能な螺合溝がサセプタ直胴部の内周面に設けられることによって、サセプタに対し石英ガラスルツボが螺入され、収容されると、サセプタ底部によりルツボ底部が支持され、サセプタ直胴部の螺合溝により前記リブを介してルツボ直胴部が支持される。即ち、従来、サセプタ底部のみで支持していたルツボの荷重がサセプタ底部とサセプタ直胴部とに分散され、サセプタ全体でルツボを支持することができる。
したがって、石英ガラスルツボが加熱されて軟化した際に、そのルツボ直胴部の径方向内側への倒れ込み、及び座屈変形の発生を抑制することができる。
本発明によれば、チョクラルスキー法によってシリコン単結晶を引上げる単結晶引上装置において、石英ガラスルツボが、サセプタ底部及びサセプタ直胴部により支持されるため、石英ガラスルツボの重量をサセプタ底部及びサセプタ直胴部に分散することができ、石英ガラスルツボ上部の径方向内側への倒れ込み、及び石英ガラスルツボ直胴部の座屈変形の発生を抑制することのできるルツボ構造を得ることができる。
以下、本発明に係るルツボ構造の実施形態について図面に基づき説明する。
図1は本発明に係るルツボ構造の正面図である。このルツボ構造1は、単結晶引上装置の炉体(図示せず)内において鉛直軸周りに回転可能に設けられるルツボ形状のカーボンサセプタ2と、このカーボンサセプタ2内に収容され抱持される石英ガラスルツボ3とにより構成される。
図1は本発明に係るルツボ構造の正面図である。このルツボ構造1は、単結晶引上装置の炉体(図示せず)内において鉛直軸周りに回転可能に設けられるルツボ形状のカーボンサセプタ2と、このカーボンサセプタ2内に収容され抱持される石英ガラスルツボ3とにより構成される。
図2は、石英ガラスルツボ3の正面図である。図2に示すように、石英ガラスルツボ3は、上端に開口部3aを有する円筒状の直胴部3b(ルツボ直胴部)と、直胴部3bの下端側に設けられた碗状の底部3c(ルツボ底部)とを有する。
この石英ガラスルツボ3の直径t1は、例えば800mmに形成されている。また、高さ寸法t2は、例えば500mm〜600mmの範囲内で定められた所定の寸法で形成され、直胴部3bの高さ寸法t3は、例えば300mm〜400mmの範囲内で定められた所定の寸法で形成されている。
また、直胴部3bの肉厚寸法t4は例えば15mmとされ、底部3cの肉厚寸法t5は例えば25mmに形成されている。即ち、底部3cは厚く形成されるが、直胴部3bは薄肉に形成されることによってルツボ全体の軽量化が図られている。
また、図示するように直胴部3bの外周面には、周方向に螺旋状のリブ4が形成されている。このリブ4は、その上端がルツボ開口部3aに形成され、その下端は直胴部3bの下端まで形成されている。このリブ4が直胴部3bに設けられていることにより、直胴部3bを薄肉に形成しても、その強度を保つことができる。
また、図3の一部拡大断面図に示すように、リブ4は、例えば断面半円形状であって、その幅寸法t6は例えば10mmに形成され、高さ寸法t7は直胴部3bの肉厚寸法t4に対して50%〜100%の範囲内で定められた所定の寸法で形成されている。
また、図2に示すように、ルツボ軸の直交面に対するリブ4の傾斜角θは、例えば4°程度に形成されている。この傾斜角θについては、カーボンサセプタ2との密着性を考慮して60°以下、より好ましくは45°以下に形成されることが望ましい。
また、図2に示すように、ルツボ軸の直交面に対するリブ4の傾斜角θは、例えば4°程度に形成されている。この傾斜角θについては、カーボンサセプタ2との密着性を考慮して60°以下、より好ましくは45°以下に形成されることが望ましい。
また、同様にカーボンサセプタ2との密着性、及び収容の難易度を考慮して、直胴部3bの表面積に占めるリブ4の表面積の割合は、9%〜30%の範囲内となされている。
尚、このようなリブ4を直胴部3bの外周面に形成する方法としては、例えば、直胴部3bの外周面に対する切削加工、直胴部3bの外周面に対するルツボと同材質のガラスの溶着、金型での一体形成など、いずれの方法でもよい。
尚、このようなリブ4を直胴部3bの外周面に形成する方法としては、例えば、直胴部3bの外周面に対する切削加工、直胴部3bの外周面に対するルツボと同材質のガラスの溶着、金型での一体形成など、いずれの方法でもよい。
一方、カーボンサセプタ2は、図4の断面図に示すように上端に開口部2aを有する円筒状の直胴部2b(サセプタ直胴部)と、直胴部2bの下端側に設けられた碗状の底部2c(サセプタ底部)とを有する。
図示するように、直胴部2bの内周面には、周方向に沿って螺旋状の螺合溝5が形成されている。この螺旋状の螺合溝5は、図5の一部拡大断面図に示すように、石英ガラスルツボ3の外周面に形成された前記リブ4と係合可能な形状に設けられており、それにより石英ガラスルツボ3をカーボンサセプタ2に対し螺合できるよう構成されている。
図示するように、直胴部2bの内周面には、周方向に沿って螺旋状の螺合溝5が形成されている。この螺旋状の螺合溝5は、図5の一部拡大断面図に示すように、石英ガラスルツボ3の外周面に形成された前記リブ4と係合可能な形状に設けられており、それにより石英ガラスルツボ3をカーボンサセプタ2に対し螺合できるよう構成されている。
尚、図5においては、リブ4を断面半円形の凸形状、螺合溝5を断面V字形(三角形)の凹形状とした例を示すが、いずれの断面形状もその形状に限定されるものではない。例えば、リブ4を断面三角形の凸形状、断面矩形状の凸形状などに形成してもよく、螺合溝5を断面半円形の凹形状、断面矩形状の凹形状などに形成してもよい。
また、螺合溝5は石英ガラスルツボ3とカーボンサセプタ2との熱膨張係数の差を考慮し、リブ4の寸法t6及びt7よりも大きく形成することが望ましい。
また、螺合溝5は石英ガラスルツボ3とカーボンサセプタ2との熱膨張係数の差を考慮し、リブ4の寸法t6及びt7よりも大きく形成することが望ましい。
カーボンサセプタ2内に石英ガラスルツボ3を収容する際には、カーボンサセプタ2の開口部2aに対し、石英ガラスルツボ3をその底部3cから螺入する。これにより、カーボンサセプタ2に石英ガラスルツボ3が螺合された状態で収容される。即ち、図1に示したようにカーボンサセプタ2の底部2cにより石英ガラスルツボ3の底部3cが支持され、カーボンサセプタ2の直胴部2bに形成された螺合溝5によりリブ4を介して石英ガラスルツボ2の直胴部2bが支持される。それにより、従来、サセプタ底部2cのみで支持していた石英ガラスルツボ3の荷重がサセプタ底部2cとサセプタ直胴部2bとに分散され、サセプタ全体で石英ガラスルツボ3が支持される。
このように構成されたルツボ構造1において、石英ガラスルツボ3にシリコン原料(図示せず)が装填され、ルツボ構造1の周りに配置されたヒータ(図示せず)により加熱されると、前記シリコン原料が溶融されると共に、石英ガラスルツボ3も加熱されて軟化する。
ここで、石英ガラスルツボ3とカーボンサセプタ2の直胴部とは螺合しているため、直胴部3bが軟化しても、カーボンサセプタ2の直胴部2bに形成された螺合溝5により直胴部3bが支持され、その変形が抑制される。
また、前記直胴部同士の螺合により、相互の接触面積が大きくなるため、直胴部3bの軟化によって相互の密着性が向上する。その結果、石英ガラスルツボ3の直胴部3bの径方向内側への倒れ込み、及び座屈変形の発生が防止される。
ここで、石英ガラスルツボ3とカーボンサセプタ2の直胴部とは螺合しているため、直胴部3bが軟化しても、カーボンサセプタ2の直胴部2bに形成された螺合溝5により直胴部3bが支持され、その変形が抑制される。
また、前記直胴部同士の螺合により、相互の接触面積が大きくなるため、直胴部3bの軟化によって相互の密着性が向上する。その結果、石英ガラスルツボ3の直胴部3bの径方向内側への倒れ込み、及び座屈変形の発生が防止される。
以上のように、本発明に係る実施の形態によれば、石英ガラスルツボ3において、薄肉に形成された直胴部3bの外周面に螺旋状のリブ4が設けられて強度が保たれ、そのリブ4に螺合可能な螺合溝5がカーボンサセプタ2の直胴部2bの内周面に設けられる。
この構成により、カーボンサセプタ2に対し石英ガラスルツボ3が螺入され、収容されると、前記のようにカーボンサセプタ2の底部2cによりルツボ底部3cを支持し、螺合溝5によりルツボ直胴部3bを支持することができる。
したがって、石英ガラスルツボ3が加熱されて軟化した際に、その直胴部3bの径方向内側への倒れ込み、及び座屈変形の発生を抑制することができる。
この構成により、カーボンサセプタ2に対し石英ガラスルツボ3が螺入され、収容されると、前記のようにカーボンサセプタ2の底部2cによりルツボ底部3cを支持し、螺合溝5によりルツボ直胴部3bを支持することができる。
したがって、石英ガラスルツボ3が加熱されて軟化した際に、その直胴部3bの径方向内側への倒れ込み、及び座屈変形の発生を抑制することができる。
尚、前記実施の形態においては、直胴部3bの外周面に設けられたリブ4は、直胴部3bの上端から下端にかけて形成されるものとしたが、本発明にあっては、その形態に限定されるものではなく、直胴部3bの外周面の少なくとも一部に形成された形態も含む。その場合、リブ4は、少なくとも直胴部3bの上端からカーボンサセプタ2と接する外周面を含む領域に形成されていることが望ましい。
また、前記実施の形態においては、石英ガラスルツボ3を抱持するサセプタとして、カーボンサセプタを例に説明したが、それに限らず黒鉛、炭素/炭素繊維複合材、により形成されたサセプタでもよい。
また、前記実施の形態においては、石英ガラスルツボ3を抱持するサセプタとして、カーボンサセプタを例に説明したが、それに限らず黒鉛、炭素/炭素繊維複合材、により形成されたサセプタでもよい。
本発明に係るルツボ構造について、実施例に基づきさらに説明する。本実施例では、複数の条件にしたがって石英ガラスルツボ及びカーボンサセプタを製造し、そのルツボ構造においてシリコン単結晶の引き上げを行い、操業停止後のルツボ形状を検証した。
(条件1)
条件1では、前記実施の形態において図2に示したリブ4の傾斜角θが4°、直胴部3bの表面積に占めるリブ4の表面積の割合が9.9%の石英ガラスルツボ、及び図4に示した形状のカーボンサセプタを製造し、そのルツボ構造を用いた。
(条件2)
条件2では、図6に示すようにルツボ軸の直交面に対するリブ4の傾斜角θが45°、直胴部3bの表面積に占めるリブ4の表面積の割合が10.8%の石英ガラスルツボ3と、それに螺合可能なカーボンサセプタとを製造し、そのルツボ構造を用いた。
(条件3)
条件3では、図7に示すようにルツボ軸の直交面に対するリブ4の傾斜角θが2°、直胴部3bの表面積に占めるリブ4の表面積の割合が76%の石英ガラスルツボ3と、それに螺合可能なカーボンサセプタとを製造し、そのルツボ構造を用いた。
(条件4)
条件4では、図8に示すようにルツボ軸の直交面に対するリブ4の傾斜角θが11°、直胴部3bの表面積に占めるリブ4の表面積の割合が3.65%の石英ガラスルツボ3と、それに螺合可能なカーボンサセプタとを製造し、そのルツボ構造を用いた。
(条件5)
条件5では、図9に示すようにルツボ軸の直交面に対するリブ4の傾斜角θが90°、直胴部3bの表面積に占めるリブ4の表面積の割合が8.7%の石英ガラスルツボ3と、それに嵌合可能なカーボンサセプタとを製造し、そのルツボ構造を用いた。
条件1では、前記実施の形態において図2に示したリブ4の傾斜角θが4°、直胴部3bの表面積に占めるリブ4の表面積の割合が9.9%の石英ガラスルツボ、及び図4に示した形状のカーボンサセプタを製造し、そのルツボ構造を用いた。
(条件2)
条件2では、図6に示すようにルツボ軸の直交面に対するリブ4の傾斜角θが45°、直胴部3bの表面積に占めるリブ4の表面積の割合が10.8%の石英ガラスルツボ3と、それに螺合可能なカーボンサセプタとを製造し、そのルツボ構造を用いた。
(条件3)
条件3では、図7に示すようにルツボ軸の直交面に対するリブ4の傾斜角θが2°、直胴部3bの表面積に占めるリブ4の表面積の割合が76%の石英ガラスルツボ3と、それに螺合可能なカーボンサセプタとを製造し、そのルツボ構造を用いた。
(条件4)
条件4では、図8に示すようにルツボ軸の直交面に対するリブ4の傾斜角θが11°、直胴部3bの表面積に占めるリブ4の表面積の割合が3.65%の石英ガラスルツボ3と、それに螺合可能なカーボンサセプタとを製造し、そのルツボ構造を用いた。
(条件5)
条件5では、図9に示すようにルツボ軸の直交面に対するリブ4の傾斜角θが90°、直胴部3bの表面積に占めるリブ4の表面積の割合が8.7%の石英ガラスルツボ3と、それに嵌合可能なカーボンサセプタとを製造し、そのルツボ構造を用いた。
表1に示すように、条件1,2では、直胴部の倒れ込み、座屈変形について、いずれも発生しなかった。
条件3では、直胴部の倒れ込み、座屈変形について、いずれも発生しなかったが、リブが密に形成されているため、石英ガラスルツボのカーボンサセプタへの収容が困難であった。
条件4では、石英ガラスルツボのカーボンサセプタへの収容は容易であったが、直胴部の座屈変形が確認された。これは、石英ガラスルツボとカーボンサセプタとの螺合部が少ないためと考えられる。
条件5では、石英ガラスルツボのカーボンサセプタへの収容は容易であったが、直胴部の座屈変形が確認された。これは、カーボンサセプタの直胴部内周面に形成された螺合溝が、石英ガラスルツボのリブを支持できなかったためと考えられる。
条件3では、直胴部の倒れ込み、座屈変形について、いずれも発生しなかったが、リブが密に形成されているため、石英ガラスルツボのカーボンサセプタへの収容が困難であった。
条件4では、石英ガラスルツボのカーボンサセプタへの収容は容易であったが、直胴部の座屈変形が確認された。これは、石英ガラスルツボとカーボンサセプタとの螺合部が少ないためと考えられる。
条件5では、石英ガラスルツボのカーボンサセプタへの収容は容易であったが、直胴部の座屈変形が確認された。これは、カーボンサセプタの直胴部内周面に形成された螺合溝が、石英ガラスルツボのリブを支持できなかったためと考えられる。
以上の結果より、少なくともリブの傾斜角θを4°〜45°、直胴部の表面積に占めるリブの表面積の割合を9%〜30%とすることにより、直胴部の倒れ込み、及び座屈変形の発生を抑制できることを確認した。
1 ルツボ構造
2 カーボンサセプタ(サセプタ)
2a 開口部
2b 直胴部(サセプタ直胴部)
2c 底部(サセプタ底部)
3 石英ガラスルツボ
3a 開口部
3b 直胴部(ルツボ直胴部)
3c 底部(ルツボ底部)
4 リブ
5 螺合溝
2 カーボンサセプタ(サセプタ)
2a 開口部
2b 直胴部(サセプタ直胴部)
2c 底部(サセプタ底部)
3 石英ガラスルツボ
3a 開口部
3b 直胴部(ルツボ直胴部)
3c 底部(ルツボ底部)
4 リブ
5 螺合溝
Claims (5)
- チョクラルスキー法によってシリコン単結晶を引上げる単結晶引上装置において、ルツボ形状のサセプタと、該サセプタに収容される石英ガラスルツボとからなるルツボ構造であって、
前記石英ガラスルツボは、円筒状に形成され、上端に開口部を有するルツボ直胴部と、前記ルツボ直胴部の下端側に形成されたルツボ底部と、前記ルツボ直胴部における外周面の少なくとも一部に、周方向に沿って螺旋状に形成されたリブとを有し、
前記サセプタは、円筒状に形成され、上端に開口部を有するサセプタ直胴部と、前記サセプタ直胴部の下端側に形成されたサセプタ底部と、前記サセプタ直胴部の内周面に、周方向に沿って螺旋状に形成された前記リブに係合可能な螺合溝とを有し、
前記石英ガラスルツボは、前記サセプタに螺合され収容されることを特徴とするルツボ構造。 - 前記リブは、前記直胴部において、その外周面の上端から下端にかけて螺旋状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載されたルツボ構造。
- 前記リブは、前記直胴部において、その外周面の少なくとも上端から前記サセプタと接する外周面を含む領域に螺旋状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載されたルツボ構造。
- 前記石英ガラスルツボにおいて、ルツボ軸の直交面に対する前記リブの傾斜角θは4°以上60°以下に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載されたルツボ構造。
- 前記石英ガラスルツボにおいて、前記直胴部の表面積に占める前記リブの表面積の割合は、9%〜30%の範囲で定められていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載されたルツボ構造。
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