JP7034657B2 - 石英ガラスルツボ溶融用カーボン電極、及び該電極を用いた石英ガラスルツボ製造装置、並びに該電極を用いた石英ガラスルツボの製造方法 - Google Patents

石英ガラスルツボ溶融用カーボン電極、及び該電極を用いた石英ガラスルツボ製造装置、並びに該電極を用いた石英ガラスルツボの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、石英ガラスルツボ溶融用カーボン電極、及び該電極を用いた石英ガラスルツボ製造装置、並びに該電極を用いた石英ガラスルツボの製造方法に関する。
シリコン単結晶引上げ用の石英ガラスルツボを製造するには、石英ガラスルツボ製造装置を用いて行なわれている。
一般的に、この石英ガラスルツボ製造装置は、減圧可能な多孔質カーボン製の内側部材と、この内側部材を保持する保持体とから構成されたルツボ成形用型とを備えている。また、このルツボ成形用型は、回転軸により回転可能に支持されている。更に、前記製造装置の内側部材に対向する上部には、アーク放電のための3本の石英ガラス溶融用カーボン電極(以下、単にカーボン電極と称することもある)が設けられている。
そして、この石英ガラスルツボ製造装置では、前記ルツボ成形用型を回転させながら、内側部材の内面に積層されたガラス粒子を、アーク放電による加熱で溶融することによって、石英ガラスルツボを製造する。
ところで、本出願人は、カーボン電極について、特許文献1に示す、分割された電極を提案している。この特許文献1で提案した分割されたカーボン電極は、カーボン電極の先端部がアーク放電により所定量消耗した際、先端部を中間部から取り外し、新規な先端部への部品交換できる。
特開2016-11238号公報
特許文献1で提案したカーボン電極では、先端部、中間部、基部は、共に同材質で同特性のものが使用される。そのため、アーク放電を行う際、カーボン電極に電流が流れると、カーボン電極は発熱する。
このとき、カーボン電極の先端部、中間部、基部が同材質、同特性であるため、カーボン電極の先端部のみならず、中間部、基部の電極部分でも発熱する。
この発熱により、カーボン電極の先端部、中間部、基部が膨張変形し、アーク放電切れが発生する虞があった。
また、ガラス粒子を効率的に溶融するためには、カーボン電極の発熱中心はカーボン電極の先端部にあるのが望ましいが、カーボン電極の先端部、中間部、基部が同材質で同特性であるため、発熱の中心は中間部付近となる。
このように、先端部以外の中間部と後端部が発熱することにより、カーボン電極に供給される入力電気エネルギーをガラス粒子の溶融に効率よく用いることができないという課題があった。
本発明者からは、上記課題を解決するために、アーク切れを抑制すると共に、中間部と後端部の発熱を抑制し、発熱の中心をより先端部付近とすることを鋭意検討し、その結果、本発明を想到するに至ったものである。
本発明の目的は、アーク切れの発生を抑制することができ、また入力電気エネルギーを効率的に活用でき、省エネルギー化を図ることができる石英ガラスルツボ溶融用カーボン電極、及び該電極を用いた石英ガラス製造装置、並びに該電極を用いた石英ガラスルツボの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するためになされた本発明にかかる石英ガラス溶融用カーボン電極は、分解可能な石英ガラスルツボ溶融用カーボン電極において、分解されるカーボン電極の内の先端側の部材である先端部と、前記先端部が着脱可能に取り付けられる、分解されるカーボン電極の内の後端側の部材である基部とを備え、前記基部は、前記先端部が着脱可能に取り付けられる中間部と、前記中間部が着脱可能に取り付けられる後端部とを備え、前記先端部の抵抗値が前記中間部の抵抗値よりも大きく、前記中間部の抵抗値が前記後端部の抵抗値よりも大きく、かつ、先端部の抵抗値が中間部の抵抗値の1倍を越えて2倍以下の範囲にあり、中間部の抵抗値が後端部の抵抗値の1倍を越えて2倍以下の範囲にあることを特徴としている。
このように、基部が中間部と後端部と分割されているカーボン電極であっても、先端部の抵抗値、中間部の抵抗値、後端部の抵抗値が特定の関係を有する場合には、アーク切れの発生を抑制することができ、また入力電気エネルギーを効率的に活用でき、省エネルギー化を図ることができる。
先端部、中間部、後端部の固有抵抗値は5.0μΩm以上10.0μΩm以下であることが好ましい。先端部、中間部、後端部の固有抵抗値が5.0μΩm未満の場合には、アーク溶融時の熱量が足りず溶融時間が延長となり好ましくない。また先端部、中間部、後端部の固有抵抗値が10.0μΩmを超える場合には、アーク切れや異常消耗が多くなり好ましくない。
また、先端部の抵抗値が前記中間部の抵抗値よりも大きい、前記中間部の抵抗値が前記後端部の抵抗値よりも大きく設定されている。
中間部の抵抗値が先端部の抵抗値よりも大きい場合、中間部の抵抗値が前記後端部の抵抗値よりも大きい場合には、発熱の中心を先端部付近とすることができないため、好ましくない。
しかも、先端部の抵抗値が中間部の抵抗値の1倍を越えて2倍以下、中間部の抵抗値が後端部の抵抗値の1倍を越えて2倍以下の範囲に設定される。
先端部の抵抗値が中間部の抵抗値の1倍以下、中間部の抵抗値が後端部の抵抗値の1倍以下の場合には、後端部の抵抗値が中間部の抵抗値よりも大きく、中間部の抵抗値が先端部の抵抗値よりも大きくなるため、後端部、中間部が発熱し、発熱の中心をより先端部付近とすることができず、入力電気エネルギーを効率的に活用でき、省エネルギー化を図ることができない。
また先端部の抵抗値が中間部の抵抗値の2倍を超える場合には、熱量が過大となり、異常消耗が多くなり好ましくない。
また、上記石英ガラスルツボ溶融用カーボン電極を備えた石英ガラスルツボ製造装置にあっては、アーク切れの発生を抑制することができ、また入力電気エネルギーを効率的に活用でき、省エネルギー化を図ることができる。
更に、石英ガラスルツボの製造方法において、上記石英ガラスルツボ溶融用カーボン電極を用いて、回転モールド法により、入力電気エネルギーを効率的に活用し、省エネルギー化を図りつつ、石英ガラスルツボを製造することができる。
本発明によれば、アーク切れの発生を抑制することができ、また入力電気エネルギーを効率的に活用でき、省エネルギー化を図ることができる石英ガラスルツボ溶融用カーボン電極、及び該電極を用いた石英ガラスルツボ製造装置、並びに該電極を用いた石英ガラスルツボの製造方法を得ることができる。
図1は、本発明にかかる石英ガラスルツボ溶融用カーボン電極の実施形態を示す図であって、(a)は分割状態を示す図、(b)は組立て状態を示す図である。 本発明にかかる石英ガラスルツボ溶融用カーボン電極の変形例を示す図であって、(a)は分割状態を示す図、(b)は組立て状態を示す図である。 本発明にかかる石英ガラスルツボ溶融装置の実施形態を示す概略断面図である。
本発明にかかる石英ガラスルツボ溶融用カーボン電極の第1の実施形態について、図1に基づいて説明する。
図1に示すように、この石英ガラスルツボ溶融用カーボン電極1は、アーク放電することによって消耗する先端部2と、前記先端部2が取り付けられる基部3とを備えている。また、前記基部3は、前記先端部2が取り付けられる中間部4と、前記中間部4が取り付けられる後端部5とを備えている。
前記先端部2の一端側には雄螺子部2aが形成され、一方、中間部4の一端側には雌螺子部4aが形成され、前記雄螺子部2aが前記雌螺子部4aに螺合することにより、前記先端部2は中間部4に取り付けられる。
尚、前記中間部4は、一つの部材の場合について説明したが、二個以上の部材に分けたものであっても良い。
この中間部4の他端側には螺子部4bが形成され、一方、後端部5の一端側には雌螺子部5aが形成され、前記螺子部4bが前記雌螺子部5aに螺合することにより、前記中間部4は後端部5に取り付けられる。これにより基部3が形成される。
尚、前記基部3は、中間部4と後端部5の二つの部材に分けた場合について説明したが、三個以上の部材に分けたものであっても良い。
また、図2に示すように、前記基部3は、かならずしも中間部4と後端部5の二つの部材に分けて形成し、その後一体に形成する必要はなく、予め一体に形成したものであっても良い。
また、前記したように、先端部2は前記基部3に対して着脱可能に装着されるのが好ましい。このように先端部2が前記基部3に対して着脱可能に装着される場合には、使用した先端部を基部から取り外し、新たな先端部を前記基部に装着することにより、基部を再利用することもできる。
前記中間部4の直径D4は、先端部2の中間部側の直径D2aと略同一に形成されている。
また、先端部2において、先端部2の全長の1/3から1/2の範囲は直径D2aで形成され、先端に近づくにしたがって、径が小さくなるように傾斜面2bが形成され、先端の直径D2bとなるように形成されている。
一方、後端部5の一端部5cは、前記中間部4の直径D4よりも大きな径D5cで形成され、中間部4側に近づくにしたがって,径が小さくなるように傾斜面5bが形成されている。また、後端部5の中間部側の端面5dの直径D5dは、前記中間部4の直径D4と略同一に形成されている。
更に、先端部2、中間部4、後端部5は、略同一の長さに形成されている。
具体的な形状寸法を示せば、先端部2、中間部4、後端部5は、長さ160mm~620mmに形成され、後端部5の中間部側の端面5dの直径D5dは50mm~90mmに形成され、後端部5の一端部5cの直径D5cは100mm~140mmに形成されている。中間部4の直径D4は、50mm~90mmに形成され、先端部2の一端部の直径D2aは中間部4の直径D4と同一であって50mm~90mmに形成され、先端部2の先端の直径D2bは30mm~60mmに形成されている。
先端部2、中間部4、後端部5の固有抵抗値は、5.0μΩm以上10.0μΩm以下である。
先端部2、中間部4、後端部5の固有抵抗値が、5.0μΩm未満の場合には、前記具体的な形状寸法においては、所定の抵抗値を得ることができず、アーク溶融時の熱量が足りず溶融時間が延長となり、好ましくなく、抵抗値が10.0μΩmを越えると、アーク切れや異常消耗が多くなり、好ましくない。
また、先端部2の抵抗値が中間部4の抵抗値よりも大きく、中間部4の抵抗値が後端部5の抵抗値よりも大きく形成されている。
先端部2の抵抗値が中間部4、後端部5の抵抗値よりも小さい場合には、アーク放電が先端部2ではなく、中間部4、後端部5に生じる虞があり、好ましくない。
また、先端部2の抵抗値が中間部4の抵抗値よりも小さく、中間部4の抵抗値が後端部5の抵抗値よりも小さく形成されている場合には、中間部4、後端部5の発熱が多くなり、発熱中心が先端部2以外の中間部4、後端部5付近となり、ガラス溶融に使用されるエネルギーの損失が大きいため、好ましくない。
具体的には、先端部2の抵抗値が中間部4の抵抗値の1倍を越えて2倍以下の範囲にあり、中間部4の抵抗値が後端部5の抵抗値の1倍を越えて2倍以下の範囲にある。
先端部2の抵抗値が中間部4の抵抗値の1倍以下の場合には、アーク放電が先端部2からではなく、中間部4から生じるため好ましくない。先端部2の抵抗値が中間部4の抵抗値の1倍以下に形成されている場合には、発熱中心が中間部側となり好ましくない。
更に、中間部4の抵抗値が後端部5の抵抗値の1倍以下の場合には、アーク放電が先端部2からではなく、後端部5から生じる虞があり好ましくない。
中間部4の抵抗値が後端部5の抵抗値の1倍以下に低く形成されている場合には、発熱中心が後端部側となり好ましくない。
このカーボン電極1は、カーボンで形成されるが、先端部、中間部、後端部の固有抵抗値を変えるには、カーボン質原料の粒度配合、密度、焼成温度、黒鉛化温度等を適宜変えることにより固有抵抗値を変えることができる。
尚、カーボンの固有抵抗値を高くするためには、粒度配合を細かくする、密度を下げる、焼成温度を高くする、黒鉛化温度を低くする。一方、カーボンの固有抵抗値を低くするためには、粒度配合を粗くする、密度を上げる、焼成温度を低くする、黒鉛化温度を高くすることによって、固有抵抗値を変えることができる。
先端部、中間部、後端部の抵抗値は、同一の固有抵抗値であっても、先端部2、中間部4、後端部5は長さを変えることにより、先端部、中間部、後端部の径を変えることにより、抵抗値を変えることができる。
このカーボン電極1を製造するには、粒子がコークスなどの原料、例えば石炭系ピッチコークス、およびコールタールピッチなどの結合材、例えば石炭系コールタールピッチを炭化した混練物を用いて、押し出し成形やCIP成形により形成することができる。
例えば、押出し成形によるカーボン電極の製造方法では、目的とする粒子径が得られるように調整されたカーボン質原料と結合材とを加熱混練し、加熱混練して得られる混練物を130~200℃で押出し成形し、これを焼成後2600~3100℃で黒鉛化した黒鉛材料を得、これを加工した後、2000℃以上の加熱下で塩素などのハロゲン系ガスにより純化処理する手段を採用することができる。
またCIP成形によるカーボン電極の製造方法では、目的とする粒子径が得られるように調整されたカーボン質原料と結合材とを加熱混練し、得られる混練物を粉砕し、篩分し、得られた2次粒子をCIP成形し、これを焼成後、2600~3100℃で黒鉛化して黒鉛材料を得、これを加工した後、2000℃以上の加熱下で塩素などのハロゲン系ガスにより純化処理する手段を採用することができる。
また、図2に示すように、前記基部3の中間部4と後端部5を予め一体に形成したカーボン電極1の場合も、先端部2及び基部3の固有抵抗値が、5.0μΩm以上10.0μΩm以下である。
また、先端部2の抵抗値が基部3の抵抗値よりも大きく、かつ、先端部2の抵抗値が基部3の抵抗値の1倍を越えて2倍以下の範囲にある。
先端部2の抵抗値が基部3の抵抗値よりも小さい場合には、アーク放電が先端部2ではなく、基部3から生じるため、好ましくない。
また、先端部2の抵抗値が基部3の抵抗値の1倍以下の場合には、基部3の抵抗値が先端部の抵抗値よりも大きくなるため、基部3が発熱し、発熱の中心をより先端部付近とすることができず、入力電気エネルギーを効率的に活用でき、省エネルギー化を図ることができない。
一方、先端部2の抵抗値が基部3の抵抗値の2倍を超える場合には、アーク切れや異常消耗が多くなり、好ましくない。
そして、上記カーボン電極1を備える石英ガラス溶融装置を用いることにより、回転モールド法により、石英ガラスルツボを安定して製造することが可能となる。
即ち、アーク切れの発生を抑制することができ、また入力電気エネルギーを効率的に活用でき、省エネルギー化を図りつつ、石英ガラスルツボを製造することができる。
次に、シリコン単結晶引上げ用の石英ガラスルツボを製造する製造装置、及び製造方法について、図3に基づいて説明する。
石英ガラスルツボを製造するには、図3に示すような石英ガラスルツボ製造装置10を用いて行なわれている。
前記製造装置10はルツボ成形用型11を備えている。このルツボ成形用型11は、減圧可能な多孔質カーボン製の内側部材12と保持体13とから構成され、ルツボ成形用型11は回転軸14により回転可能に支持されている。
また、前記製造装置10には、前記内側部材12に対向する上部にはアーク放電による3本の石英ガラス溶融用カーボン電極1が設けられている。
この石英ガラス溶融用カーボン電極1としては、図1あるいは図2に示した分割可能な電極が用いられる。
そして、前記製造装置10を用いて石英ガラスルツボの製造を行うには、回転軸14を回転させることによってルツボ成形用型11を回転させ、ルツボ成形用型11内に供給管(図示せず)で、上部からガラス粉末(天然石英ガラス粉末及びシリカガラス粉末)を供給する。
供給されたガラス粉末は、遠心力によってルツボ成形用型11の内側部材12に押圧されてルツボ形状の成形体(天然石英ガラス粉末及びシリカガラス粉末の積層体)15として形成される。
次に、前記内側部材12内を減圧し、さらに、前記カーボン電極1に通電して成形体15の内周面側からアーク放電により、加熱し、溶融し、その後冷却することにより、石英ガラスルツボを製造する。
このとき、カーボン電極1の先端部2、中間部4、後端部5の固有抵抗値が、5.0μΩm以上10.0μΩm以下であって、先端部2の抵抗値が中間部4の抵抗値よりも高く、中間部4の抵抗値が後端部5の抵抗値よりも高く、かつ、先端部2の抵抗値が中間部4の抵抗値の1倍を越えて2倍以下の範囲にあり、中間部4の抵抗値が後端部5の抵抗値の1倍を越えて2倍以下の範囲に設定されている。
そのため、アーク切れの発生を抑制することができ、また入力電気エネルギーを効率的に活用でき、省エネ化を図ることができる。
尚、アーク放電により石英ガラスを溶融して石英ガラスルツボを製造する工程において、アーク放電によってカーボン電極1の先端部2が消耗する。前記カーボン電極1の先端部2が所定量消耗した際、前記先端部2を中間部4から取り外し、新規な先端部2への部品交換が行われる。
(実験1)
アーク回転溶融法による石英ガラスルツボ製造装置に、図1に示すカーボン電極を組込み、CZ法によるシリコン単結晶引上げ装置に使用される32インチ用の石英ガラスルツボを製造し、カーボン電極を評価した。
このときの石英ガラスルツボは、以下に示すように既に知られている工程を経て製造される。先ず、図示しない回転駆動装置を稼働して、回転軸上のルツボ成形用型を高速で回転させつつ、図示しない原料粉供給装置から石英原料粉をルツボ成形型に供給した。回転されたルツボ成形用型内に石英原料粉を装填する際には、初めに粗粒の天然石英ガラス原料粉末を装填し、さらにその内表面に例えば微粒の合成シリカ原料粉末を装填した。ルツボ成形用型内に供給した天然石英ガラス原料粉末は、遠心力によってルツボ成形用型の内側部材に押圧され、一つの層が形成された。この天然石英ガラス原料粉末に続いて合成シリカ原料粉末がルツボ成形用型内に供給され、合成シリカ原料粉末は遠心力によって天然石英ガラス原料粉末の層に押圧され、一つの層を形成した。全体としてルツボ形状の2層のルツボ成形体を形成した。
その後、ルツボ成形用型内を減圧にしながらカーボン電極に通電し、アーク火炎によってルツボ成形体の内側から加熱した。これにより、ルツボ成形体の内側から順次溶融され石英ガラスルツボが得られた。
尚、カーボン電極の先端部、中間部、基部の固有抵抗値を5.0μΩm以上10.0μΩm以下の範囲内とするため、カーボン質原料の粒度配合、密度(1.6~1.9g/cm)、焼成温度(600℃~1000℃)、黒鉛化温度(2800℃~3100℃)等を適宜変化させ、表1に示すような抵抗値を有する先端部、中間部 後端部を形成し、一つのカーボン電極とした。
尚、粒度配合を細かくする、密度を下げる、焼成温度を高くする、黒鉛化温度を低くすることによって、カーボンの固有抵抗値を高くすることができる。一方、粒度配合を粗くする、密度を上げる、焼成温度を低くする、黒鉛化温度を高くすることにより、カーボンの固有抵抗値を低くすることができる。
このときの先端部の固有抵抗値は、5.0μΩm~10.0μΩmであり、中間部の固有抵抗値は、5.0μΩm~8.0μΩmであり、 後端部の固有抵抗値は、5.0μΩm~6.0μΩmであった。
また、先端部の長さ300mm、中間部の長さ450mm、後端部の長さ250mmとし、また後端部の中間部側の端面の直径80mm、後端部の一端部の直径120mm、中間部の直径80mm、先端部の中間部側の端面の直径80mm、先端部の一端部の直径を55mmとし、図1に示す形状の電極とした。
そして、先端部、中間部、後端部の各抵抗値を測定した。
尚、表1では、比較例2の抵抗値(基準抵抗値)を1として、各抵抗値を比率で表記した。先端部の中間部に対する倍率、中間部の後端部に対する倍率をカッコ書で示した。
また、アーク切れの回数、溶融にかかる基準時間に対する時間遅速を評価した。尚、先端部、中間部 後端部の抵抗値が同一のもの(比較例2)を基準時間とした。その結果を表1に示す。
Figure 0007034657000001
上記実験の結果、先端部、前記基部、前記後端部の抵抗値が、先端部の抵抗値が中間部の抵抗値の1倍を越えて2倍以下の範囲にあり、中間部の抵抗値が後端部の抵抗値の1倍を越えて2倍以下の範囲にある場合には、アーク切れの発生を抑制することができることが確認された。また、溶融時間が基準時間よりも短くなり、入力電気エネルギーを効率的に活用でき、省エネルギー化を図ることができる確認された。
(実験2)
実験1と同様な条件で製作した、図2に示すカーボン電極を、石英ガラスルツボ製造装置に組込み、CZ法によるシリコン単結晶引上げ装置に使用される32インチ用の石英ガラスルツボを製造し、カーボン電極を評価した。
このルツボ成形体を溶融する前記カーボン電極における先端部、基部の固有抵抗値を5.0μΩm以上10.0μΩm以下の範囲内とするため、カーボン質原料の粒度配合、密度(1.6~1.9g/cm3)、焼成温度(600℃~1000℃)、黒鉛化温度(2800℃~3100℃)等を適宜変化させ、表2に示すような抵抗値を有する先端部、基部を形成し、一つのカーボン電極とした。
このときの先端部の固有抵抗値は、6.0μΩm~10.0μΩmであり、基部の固有抵抗値は、5.0μΩm~9.0μΩmであった。また、先端部の長さ300mm、基部の長さ700mm、基部の後端面の直径120mm、基部の先端の直径80mmとし、先端部の基部側の端面の直径80mm、先端部の一端部の直径を55mmとし、図2に示す形状の電極とした。
そして、先端部、基部の各抵抗値を測定した。尚、表2では、比較例8の抵抗値(基準抵抗値)を1として、各抵抗値を比率で表記した。先端部の基部に対する倍率をカッコ書で示した。
また、アーク切れの回数、溶融にかかる基準時間に対する時間遅速を評価した。尚、先端部、基部の抵抗値が同一のもの(比較例8)を基準時間とした。その結果を表2に示す。
Figure 0007034657000002
上記実験の結果、先端部の抵抗値が基部の抵抗値の1倍を越えて2倍以下の範囲にある場合には、アーク切れの発生を抑制することができることが確認された。
また、溶融時間が基準時間よりも短くなり、入力電気エネルギーを効率的に活用でき、省エネルギー化を図ることができる確認された。
1 石英ガラスルツボ溶融用カーボン電極(カーボン電極)
2 先端部
3 基部
4 中間部
5 後端部
10 石英ガラスルツボ製造装置

Claims (5)

  1. 分解可能な石英ガラスルツボ溶融用カーボン電極において、
    分解されるカーボン電極の内の先端側の部材である先端部と、前記先端部が着脱可能に取り付けられる、分解されるカーボン電極の内の後端側の部材である基部とを備え、
    前記基部は、前記先端部が着脱可能に取り付けられる中間部と、前記中間部が着脱可能に取り付けられる後端部とを備え、
    前記先端部の抵抗値が前記中間部の抵抗値よりも大きく、前記中間部の抵抗値が前記後端部の抵抗値よりも大きく、
    かつ、先端部の抵抗値が中間部の抵抗値の1倍を越えて2倍以下の範囲にあり、中間部の抵抗値が後端部の抵抗値の1倍を越えて2倍以下の範囲にあることを特徴とする石英ガラスルツボ溶融用カーボン電極。
  2. 前記先端部、前記中間部、前記後端部の固有抵抗値が5.0μΩm以上10.0μΩm以下であることを特徴とする請求項1に記載の石英ガラスルツボ溶融用カーボン電極。
  3. 前記中間部が2分割又はそれ以上に分割されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の石英ガラスルツボ溶融用カーボン電極。
  4. 請求項1及至請求項3のいずれかに記載された石英ガラスルツボ溶融用カーボン電極を用いたことを特徴とする石英ガラスルツボ製造装置。
  5. 請求項1及至請求項3のいずれかに記載の石英ガラスルツボ溶融用カーボン電極を用い、回転モールド法により石英ガラスルツボを製造することを特徴とする石英ガラスルツボの製造方法。
JP2017193957A 2017-10-04 2017-10-04 石英ガラスルツボ溶融用カーボン電極、及び該電極を用いた石英ガラスルツボ製造装置、並びに該電極を用いた石英ガラスルツボの製造方法 Active JP7034657B2 (ja)

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