JP6162422B2 - 摺動式スイッチ装置 - Google Patents

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本発明は、テスタ(回路計)、その他の電気測定器などにおいて用いられる、ロータリースイッチなどの摺動式スイッチに関するものである。
従来、例えばテスタやデジタルマルチメータ(DMM)といった電気測定器において、電圧値、電流値、抵抗値などの測定目的(測定機能)や測定レンジの切り替え、或いは電源のON/OFFのために、ロータリースイッチなどとされる摺動式スイッチが用いられている。摺動式スイッチは、一般に、回路基板上に形成されている導通パターン上を滑るように動く接点部材を有する。そして、接点部材を導通パターンに対して相対的に移動させることによって、接点部材の接点部(移動接点)を導通パターンの導通電極(固定接点)に選択的に接触させる。摺動式スイッチとしては、接点部材が直線的に移動するものや、回転するものがある。特に、接点部材が回転し、その回転角度によって所定の接点部が所定の導通電極に接離して、所定の回路を開閉する構成の摺動式スイッチは、ロータリースイッチ装置(或いは単に「ロータリースイッチ」)と呼ばれる(特許文献1)。
図8〜図10は、ロータリースイッチ装置を搭載したテスタの一例の構造を示す。テスタ100は、テスタ本体101を有し、テスタ本体101には、リード線102にてテストプローブ(図示せず)が接続されている(図8)。テスタ本体101は、本体ケース103を構成する上ケース103aと下ケース103bとを有し、内部に回路基板104が設置されている(図9)。上ケース103aには、ロータリースイッチ装置105のダイヤル106、及び表示部107などが配置されている。ダイヤル106は、その回転軸108が基板104の支持穴109に回転自在に取り付けられている。
ロータリースイッチ装置105は、ダイヤル106をクリック的に回転させるクリック機構110と、ダイヤル106の裏面に取り付けられた接点部材112とを有する。ダイヤル106は、接点部材112を支持する支持体をも構成する。この接点部材112により導通される複数の導通電極116が、接点部材112に対向して回路基板104の上に略同心円状に形成され、導通パターン111を構成している(図10)。ロータリースイッチ装置105は、ダイヤル106を回転させることで、電源のON/OFFや回路の切替が可能とされている。図示の例では、ロータリースイッチ装置105は、電源ON/OFFの他、直流電圧、交流電圧、電流及び抵抗の各測定モードの切替が可能となっている。
図11は、接点部材112の一例の構造を示す。図11は、接点部材112の構造を分かり易くするために、ダイヤル106の裏面が上方に位置した状態で図示しており、ダイヤル106の裏面に設けられた接点部材112以外の要素は省略されている。図11に示すように、この接点部材(接点ばね)112は、ダイヤル106の裏面に取り付けるために鋭角に折り曲げて成形された基部113と、この基部113の一方の端部(ダイヤル106の裏面から鋭角に突出している側)に接続された複数のブラシ片(接触片)114とを有する。図示の例では、ダイヤル106の裏面には、ブラシ片114を2つ有する接点部材112が3個と、ブラシ片114を3つ有する接点部材112が1個設けられている。ただし、ロータリースイッチ装置105における接点部材112の配置や個数、1個の接点部材112が有するブラシ片の数などは、テスタ100が備える測定回路(測定機能)の数などに応じて任意に設定されるものである。
図示の例では、各ブラシ片114は、同じ形状、構造とされている。各ブラシ片114は、それぞれの一方の端部である基端部114aが基部113に接続されている。また、他方の端部である先端部114bが回路基板104側に凸の湾曲部が形成され、この湾曲部が回路基板104に形成された導通電極116に所定の接触圧にて当接される接点部115を形成している。接点部材112は、ダイヤル106が回路基板104の主面に対し略垂直な回転軸線を中心に回転させられることで、ブラシ片114の弾性力により接点部115を所定の接触圧にて導通パターン111に接触させた状態で回路基板104上を摺動しながら、その回転方向に沿って移動(回動)させられる。
図12は、テスタ100の一例の概略機能ブロックを示す。テスタ100は、ロータリースイッチ装置105、入力部141、制御部142、表示部107などを有する。入力部141と制御部142とで測定回路140が構成される。そして、ロータリースイッチ装置105の所定の接点部115が所定の導通電極116に接離することで、測定回路140を構成する所定の回路のON/OFFが切り替えられる。測定回路140は、一般に、測定目的(電気的パラメータ)に応じてロータリースイッチ装置105によって選択的にON/OFFされる複数の回路で構成される。入力部141は、電気信号であるテストプローブ(図示せず)からの入力信号(電流信号や電圧信号)を、保護回路(内部保護回路)141aを介して入力し、出力信号(電圧信号)を生成して制御部142に出力する。制御部142は、A/D変換器、選択された測定目的に応じて電流値・電圧値・抵抗値などを算出する演算処理部、記憶部などを有するマイクロコンピュータで構成される。制御部142は、入力部141の出力信号に基づき、選択された測定目的に応じて電流値・電圧値・抵抗値などを算出し、表示用信号を生成して表示部107に出力する。入力部141の保護回路141aは、例えば入力部141に過大電圧が入力された場合に入力部141のI/V変換回路などを保護するために設けられ、例えば各測定目的において1000Vといった高電圧に対して回路を保護するように構成される。
ロータリースイッチ装置105は、比較的少ない部品で、複数の接点を切り替えることが可能であるといった利点を有する。
特開平10−241495号公報
しかしながら、従来のロータリースイッチ装置などの摺動式スイッチ装置には、次のような課題があることがわかった。
図13(a)、(b)は、例えば上述のテスタ100に搭載されたロータリースイッチ装置105における、接点部材112の導通パターン111に対する接離の状態を模式的に示す(各図の下段は導通パターン111に対する接点部材112の接離の状態を示し、上段はその状態に対応するスイッチのON/OFF状態を示す。)。以下、接点部材112によって開閉(OFF/ON)される端子間を「スイッチ部SW」とも呼ぶ。
導通パターン111を構成する一対の導通電極116である第1、第2の導通電極P1、P2は、測定回路140を構成する所定の測定目的に対応した所定の回路の端子として回路基板104上に形成されている。第1、第2の導通電極P1、P2は、接点部材112の回転軸線を中心として略同心円状に、異なる半径方向位置に円弧状に形成されている。第1、第2の導通電極P1、P2のそれぞれの両端部の位置(円周方向における角度位置)は、略同じ位置とされている。また、接点部材112を構成する接点部115である第1、第2の接点部C1、C2は、接点部材112の移動方向と交差(本例では略直交)する方向に整列して設けられている。
図13(a)の状態では、第1、第2の接点部C1、C2は、それぞれ第1、第2の導通電極P1、P2に接触している。この状態で、第1、第2の導通電極P1、P2間が電気的に接続されて、当該回路は閉じられている。そして、図13(b)に示すように、接点部材112が図中矢印A方向に移動(回動)して、第1、第2の接点部C1、C2が、同移動方向の下流側の第1、第2の導通電極P1、P2の一方の端部を通過すると、第1、第2の接点部C1、C2は、導通電極P1、P2から離れて、回路基板104上の導通パターン111が設けられていない部分(電気絶縁性の材料)に達する。この状態で、第1、第2の導通電極P1、P2間の電気的な接続は断たれて、当該回路は開放される。
なお、ダイヤル106が上記とは逆向きに回転させられ、接点部材112が上記とは逆向きの図中矢印B方向に移動(回動)させられる場合も、第1、第2の導通電極P1、P2の他方の端部側で、スイッチ部SWは上記同様にして動作する。
このような構成のスイッチ部SWでは、回路(図12の入力部141などに対応)に高電圧を印加した状態や、保護回路(図12の保護回路141aなどに対応)を経由してロータリースイッチ装置105に電流が流れている状態など、ロータリースイッチ装置105に比較的大きな電流が流れている状態でONからOFFに切り替えると、接点部C1、C2と導通電極P1、P2との間にアーク放電が発生して、回路基板104が炭化してしまうことがある。そして、その回数が重ねられることで、炭化した部分が導通電極P1、P2間をショートさせ、回路に不具合を生じさせることがある。特に、入力定格電圧が高い(例えば、100V〜1000V)テスタ100などの電気測定器では、保護回路機能が作動した場合などに、ロータリースイッチ装置105に比較的大きな電流(例えば、200mA〜500mA)が流れる傾向があるため、上述のような問題が発生し易い。
以上では、摺動式スイッチ装置としてロータリースイッチ装置を例として従来の課題を説明したが、直線的に移動する摺動式スイッチ装置においても同様のことが言える。
したがって、本発明の目的は、比較的大きな電流が流れている状態でONからOFFに切り替えた場合でも、回路基板の炭化による導通パターンのショートなどの不具合の発生を抑制することのできる摺動式スイッチ装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る摺動式スイッチ装置にて達成される。要約すれば、本発明は、基板上に形成された導通パターンと、前記基板上を摺動して前記導通パターンに対して相対的に移動可能な接点部材と、を有し、前記導通パターンに対して前記接点部材を移動させ、前記導通パターンと前記接点部材との接離の状態を切り替えて回路の開閉を行う摺動式スイッチ装置において;前記導通パターンは、前記回路の端子として、前記回路に直接接続された第1、第2の導通電極と、抵抗を介して前記第2の導通電極と並列に前記回路に接続された第3の導通電極と、を有しており;前記導通パターンは、前記接点部材が所定の方向に移動することで、前記接点部材によって少なくとも前記第1の導通電極と前記第2の導通電極とが接続された前記回路の閉状態から前記回路の開状態に切り替わる際に、前記接点部材によって前記第1の導通電極と前記第2の導通電極とが接続されかつ前記第1の導通電極と前記第3の通電極とが接続された状態から、前記接点部材によって前記第1の導通電極と前記第3の導通電極とが接続された状態経るように形成されており;前記第1の導通電極と前記第2及び第3の導通電極とは、前記所定の方向と交差する方向において異なる位置に配置され、前記第3の導通電極は、前記所定の方向と交差する方向において前記第2の導通電極と異なる位置に配置された第1部分と、前記所定の方向において前記第2の導通電極よりも下流側に整列して配置された第2部分と、を有し;前記接点部材は、前記第1の導通電極と接触する第1の接点部と、前記第2の導通電極及び前記第3の導通電極の前記第2部分と接触する第2の接点部と、前記第3の導通電極の前記第1部分と接触する第3の接点部と、を有し;前記第2及び第3の導通電極は、前記接点部材が前記所定の方向に移動して前記回路が前記閉状態から前記開状態に切り替わる際に、前記第2の接点部が前記第2の導通電極から離れた後に、前記第3の接点部が前記第3の導通電極の前記第1部分から離れ、前記第2の接点部が前記第3の導通電極の前記第2部分から離れるように形成されていることを特徴とするスイッチ装置である。
本発明によれば、比較的大きな電流が流れている状態でONからOFFに切り替えた場合でも、回路基板の炭化による導通パターンのショートなどの不具合の発生を抑制することができる。
本発明の一実施例に係るロータリースイッチ装置における接点部材の導通パターンに対する接離の状態を示す模式図である。 本発明の一実施例に係るロータリースイッチ装置における接点部材の導通パターンに対する接離の状態を示す模式図である。 本発明の一実施例に係るロータリースイッチ装置における接点部材の斜視図である。 本発明の一実施例に係るロータリースイッチ装置おける第1、第2の導通電極の間隔と接点部の長さとの関係を説明するためのロータリースイッチ装置の要部の断面図である。 導通パターンの他の例を示す模式図である。 本発明の他の実施例に係るロータリースイッチ装置における接点部材の導通パターンに対する接離の状態を示す模式図である。 本発明の更に他の実施例に係るロータリースイッチ装置における接点部材の導通パターンに対する接離の状態を示す模式図である。 テスタの一例の外観斜視図である。 テスタの一例の分解斜視図である。 テスタの一例の分解斜視図である。 ロータリースイッチ装置を構成する接点部材の一例の斜視図である。 テスタの一例の概略機能ブロック図である。 従来の課題を説明するためのロータリースイッチ装置における接点部材の導通パターンに対する接離の状態を示す模式図である。
以下、本発明に係る摺動式スイッチ装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
本実施例では、本発明に係る摺動式スイッチ装置は、テスタに搭載されるロータリースイッチ装置とされる。
テスタ100及びそのロータリースイッチ装置105の基本的な構成及び動作は、図8〜図12を参照して説明した従来のものと同じであるので、対応する要素には同一の符号を用いて上述の説明を援用し、以下主に本実施例にて特徴的な部分について説明する。
図1(a)、(b)、図2(a)、(b)は、本実施例のテスタ100に搭載されたロータリースイッチ装置105における、接点部材112の導通パターン111に対する接離の状態を模式的に示す(各図の下段は導通パターン111に対する接点部材112の接離の状態を示し、上段はその状態に対応するスイッチのON/OFF状態を示す。)。
摺動スイッチ装置としてのロータリースイッチ装置105は、回路基板104上に形成された導通パターン111と、回路基板104上を摺動して導通パターン111に対して相対的に移動可能な接点部材112と、を有する(図9)。このロータリースイッチ装置105は、導通パターン111に対して接点部材112を移動させ、導通パターン111と接点部材112との接離の状態を切り替えて、測定回路140を構成する所定の測定目的に対応した所定の回路の開閉を行う。所定の回路としては、入力部141を構成する電流測定用の回路、電圧測定用の回路、抵抗測定用の回路などが挙げられる(図12)。以下、対象とする所定の回路を単に「回路」という。
本実施例では、導通パターン111は、回路の端子として、回路に直接接続された第1、第2の導通電極P1、P2と、抵抗Rを介して第2の導通電極P2と並列に回路に接続された第3の導通電極P3と、を有している。
そして、本実施例では、導通パターン111は、その第1、第2、第3の導通電極P1、P2、P3の配置に関し、次のように形成されている。すなわち、接点部材112が所定の方向(例えば図中矢印A方向:以下同様)に移動することで、接点部材112によって少なくとも第1の導通電極P1と第2の導通電極P2とが接続された回路の閉状態(図1(a))から回路の開状態(図2(b))に切り替わる際に、接点部材112によって第1の導通電極P1と第2の導通電極P2とが接続されかつ第1の導通電極P1と第3の通電極P3とが接続された状態(図1(b))と、接点部材112によって第1の導通電極P1と第3の導通電極P3とのみが接続された状態(図2(a))と、を順次に経る。
特に、本実施例では、接点部材112が所定の方向に移動することで回路の閉状態から回路の開状態に切り替わる際に、接点部材112によって第1、第2、第3の導通電極P1、P2、P3のうち第1の導通電極P1と第2の導通電極P2とのみが接続された状態(図1(a))から、接点部材112によって第1の導通電極P1と第2の導通電極P2とが接続されかつ第1の導通電極P1と第3の導通電極P3とが接続された状態(図1(b))と、接点部材112によって第1の導通電極P1と第3の導通電極P3とのみが接続された状態(図2(a))と、を順次に経る。
導通パターン111の構成について更に説明する。導通パターン111を構成する第1、第2の導通電極P1、P2は、測定回路140を構成する所定の測定目的に対応した回路の端子として回路基板104上に形成されている。第1、第2の導通電極P1、P2は、接点部材112の回転軸線を中心として略同心円状に、異なる半径方向位置に円弧状に形成されている。第2の導通電極P2の両端部の位置(円周方向における角度位置)は、第1の導通電極P1の両端部の位置(円周方向における角度位置)よりも内側とされている。
一方、導通パターン111を構成する第3の導通電極P3は、接点部材112の回転軸線を中心として略同心円状に、第2の導通電極P2の両端部側に隣接して、第2の導通電極P2と略同じ半径方向位置に円弧状に形成されている。各第3の導通電極P3の第2の導通電極P2とは反対側の端部の位置(円周方向における角度位置)は、それぞれ第1の導通電極P1の端部の位置(円周方向における角度位置)と略同じ位置とされている。
導通パターン111は、利用可能な任意のプリント基板の作製要領に従って導電性の材料により好適に形成することができ、通常、回路基板104上の配線パターンの一部として銅箔で形成される。そして、本実施例では、第1、第2の導通電極P1、P2は、回路基板104上に形成された配線パターンを介して回路に直接接続されている。一方、第3の導通電極P3は、回路基板104上に形成された配線パターンを介して回路に第2の導通電極P2に対して並列に接続されている。そして、第3の導通電極P3と、第2の導通電極P2を回路に繋ぐ配線パターンとの間に、抵抗素子Rが直列に接続されている。
接点部材112の構成について更に説明する。図3は、本実施例で使用した接点部材112の構成を示す。接点部材(接点ばね)112は、ダイヤル106の裏面に取り付けるために鋭角に折り曲げて成形された基部113と、この基部113の一方の端部(ダイヤル106の裏面から鋭角に突出している側)に接続された複数のブラシ片(接触片)114とを有している。本実施例では、接点部材112は、ブラシ片114を2つ有する。本実施例では、各ブラシ片114は、同じ形状、構造とされている。各ブラシ片114は、それぞれの一方の端部である基端部114aが基部113に接続されている。また、他方の端部である先端部114bが回路基板104側に凸の湾曲部が形成され、この湾曲部が回路基板104に形成された導通電極116に所定の接触圧にて当接される接点部115を形成している。
本実施例では、2つのブラシ片114の先端部114bは、ブラシ片114の軸線方向沿って延びるスリット114cによってそれぞれ二股に分割されており、4カ所の先端部114bの各湾曲部が、それぞれ接点部115を構成する。そして、本実施例では、一方(半径方向内側)のブラシ片114の2つの接点部115が図1、図2における第1の接点部C1を構成し、他方(半径方向外側)のブラシ片114の2つ接点部115が図1、図2における第2の接点部C2を構成する。
接点部材112を構成する導電性の材料(ばね材)としては、厚さが0.1〜0.2mm程度のばね用リン青銅、ばね用ベリリウム銅、ばね用洋白などを好適に使用し得る。また、接点部材112は、基部113に設けられた固定用穴113a、113aを用いて、支持体としてのダイヤル106の裏面に、締結、熱カシメなどの適宜任意の固定手段によって固定される。
本実施例では、第1、第2の接点部C1、C2は、接点部材112の移動方向と交差(本例では略直交:以下同様)する方向に整列して(略直線上に)設けられている。したがって、図1、図2に示すように、第1、第2の接点部C1、C2は、第1、第2、第3の導通電極P1、P2、P3の円周方向に沿って、略同じ角度位置で同期して移動する。接点部材112は、ダイヤル106が回路基板104の主面に対し略垂直な回転軸線を中心に回転させられることで、ブラシ片114の弾性力により接点部115を所定の接触圧にて導通パターン111に接触させた状態で回路基板104上を摺動しながら、その回転方向に沿って移動(回動)させられる。
なお、図中、分かりやすくするために接点部の位置は円で示されているが、導通電極と接点部との接触部は円形に限定されるものではなく、例えば移動方向と交差する方向に延在する帯状などであってよい。
また、ブラシ片114の先端部を分岐させるなどして接点部材112と導通パターン111との接触箇所の数を増やすことで、仮に接触不良がいずれかの接触箇所で発生しても他の接触箇所では導通を維持できるため、導通不良による不具合の発生を抑制する点で好ましい。ただし、本発明は斯かる態様に限定されるものではなく、例えば図11に示すように各ブラシ片114の先端部が分岐されていない接点部材を用いてもよい。このように、接点部材の接点部のうち少なくとも1つは、複数に分割されていることが好ましいが、接点部は分割されていなくてもよい。
上述のような構成において、接点部材112を図中矢印A方向に移動させて、回路を閉状態から開状態に切り替える際の動作について更に説明する。以下、接点部材112によって開閉(OFF/ON)される端子である第1、第2の導通電極P1、P2間を「第1スイッチ部SW1」、第1、第3の導通電極P1、P3間を「第2スイッチ部SW2」とも呼ぶ。
図1(a)の状態では、第1、第2の接点部C1、C2は、それぞれ第1、第2の導通電極P1、P2に接触している。この状態で、第1、第2の導通電極P1、P2間が電気的に接続されて、回路は閉じられている。すなわち、第1スイッチ部SW1が閉じており、第2スイッチ部SW2が開放されている。
次に、図1(b)に示すように、接点部材112が図中矢印A方向に移動(回動)して、第2の接点部C2が、同移動方向の下流側の第2の導通電極P2の一方の端部に到達すると、第1の接点部C1は第1の導通電極P1に接触したままで、第2の接点部C2が第2の導通電極P2から離れる前に第3の導通電極P3に接触した状態となる(メイク・ビフォア・ブレイク接点)。図4は、接点部材112の移動方向と略直交する方向に見た第2、第3の導通電極P2、P3の隣接部の近傍の断面図である。図4に示すように、接点部材112の移動方向において、第2の接点部C2が導通電極(第2、第3の導通電極P2、P3)に接触可能な領域の長さL1は、第2の導通電極P2の下流側の端部と第3の導通電極P3の上流側の端部との間の距離D1よりも長い。そのため、第2の接点部C2が第2、第3の導通電極P2、P3の間を跨いで両電極に接触することができる。この状態で、第1、第2の導通電極P1、P2間が電気的に接続されると共に、第1、第3の導通電極P1、P3間が電気的に接続されて、回路は閉じられている。すなわち、第1スイッチ部SW1、第2スイッチ部SW2の両方ともが閉じている。この場合、第2スイッチ部SWは抵抗Rを介して回路に並列に接続されているため、殆どの電流は第1スイッチ部SW1を介して流れる。
次に、図2(a)に示すように、接点部材112が図中矢印A方向に更に移動して、第2の接点部C2が、同移動方向の下流側の第2の導通電極P2の一方の端部を通過すると、第1の接点部C1は第1の導通電極P1に接触したままで、第2の接点部C2が第2の導通電極P2から離れて第3の導通電極P3に接触した状態となる。この状態で、第1、第2の導通電極P1、P2間の電気的な接続が断たれると共に、第1、第3の導通電極P1、P3間が電気的に接続されて、回路は閉じられている。すなわち、第1スイッチ部SW1が開放され、第2スイッチ部SW2が閉じている。この場合、第2スイッチ部SWに接続された抵抗Rが回路に流れる電流を制限する。その結果、ロータリースイッチ装置105に比較的大きな電流が流れている状態でスイッチOFF動作を開始しても、抵抗Rによってその電流が制限される。
次に、図2(b)に示すように、接点部材112が図中矢印A方向に更に移動すると、第1、第2の接点部C1、C2は、それぞれ第1、第3の導通電極P1、P3から離れて、回路基板104上の導通パターン111が設けられていない部分(電気絶縁性の材料)に達する。この状態で、第1、第2の接点部C1、C2と、第1、第2、第3の導通電極P1、P2、P3との電気的な接続が断たれて、回路は開放される。すなわち、第1スイッチ部SW1、第2スイッチ部SW2の両方ともが開放される。このとき、図2(a)に示す状態において、電流が抵抗Rで制限されて流された後に回路が開放されるので、該開放時に第1、第2の接点部C1、C2と第1、第3の導通電極P1、P3との間にアーク放電が発生することはないか、又はその可能性が低減させられている。
ここで、例えばテスタ100などの電気測定器とされる機器の入力定格電圧などの条件によって異なるが、本実施例では、テスタ100の入力定格電圧が1000Vといった構成に応じて、抵抗値が50kΩの抵抗素子Rを用いた。ただし、これは一例であり、接点部材と導通パターンとの間のアーク放電の発生を十分に抑制できるように、適宜設定されるべきものである。当業者は、本発明の開示を参考に、機器の設計や実験などにより容易にその抵抗値を設定することができる。
なお、ダイヤル106が上記とは逆向きに回転させられ、接点部材112が上記とは逆向きの図中矢印B方向に移動(回動)させられる場合も、第1、第2、第3の導通電極P1、P2、P3の他方の端部側で、第1スイッチ部SW1、第2スイッチ部SW2は上記同様にして動作する。
このように、本実施例では、第1の導通電極P1と第2及び第3の導通電極P2、P3とは、接点部材112の所定の移動方向と交差する方向において異なる位置に配置され、第3の導通電極P3は、接点部材112の所定の移動方向において第2の導通電極P2よりも下流側に整列して配置されている。また、接点部材112は、第1の導通電極P1と接触する第1の接点部C1と、第2及び第3の導通電極P2、P3と接触する第2の接点部C2と、を有する。そして、第2及び第3の導通電極P2、P3は、接点部材112が所定の方向に移動して回路が閉状態から開状態に切り替わる際に、第2の接点部C2が第3の導通電極P3に接触した後に第2の導通電極P2から離れるように形成されている。また、本実施例では、第1の接点部C1と第2の接点部C2とは、接点部材112の所定の移動方向と交差する方向に整列して設けられている。そして、第1の導通電極P1は、接点部材112の所定の移動方向において、第3の導通電極P3の上流側の端部よりも下流側まで延在する。
本実施例では、このような構成により、回路を閉状態から開状態に切り替える際に、第1、第2、第3の導通電極P1、P2、P3が接点部材112により電気的に接続された状態と、第1、第3の導通電極P1、P3が電気的に接続された状態とを、順次に連続的に経るようにすることができる。
すなわち、インピーダンスの低い経路がオープン状態になるとアーク放電が発生してしまうため、本実施例では、過渡的にはインピーダンスの高い経路と、インピーダンスの低い経路との両方に繋げる。そのために、本実施例では、回路基板に、抵抗に繋がる導通パターンと繋がらない導通パターンとを設け、接点部材が回路基板上の導通パターンのある箇所から無い箇所へ移動する際に、抵抗に繋がる導通パターンを経由するようにする。これにより、例えば大きな抵抗やスナバ回路を入れることができない回路であっても、簡易な構成で、スイッチをONからOFFに切り替える際のアーク放電を抑制することができる。
なお、本実施例では、接点部材112は、図中矢印方向A、Bの両方向に移動することが可能であり、両移動方向A、Bのそれぞれの下流側でスイッチがONからOFFに切り替わる。そのため、両移動方向A、Bのそれぞれの下流側の導通パターンの構成を実質的に同一(対称)とした。しかし、本発明は、斯かる態様に限定されるものではなく、例えば接点部材112が所定の一方向にのみ移動するような構成などにおいて、その方向の下流側の、スイッチがONからOFFに切り替わる部分の導通パターンのみを、本発明に従って構成することができる。
また、本実施例では、第2、第3の導通電極P2、P3の隣接する端部は、接点部材112の移動方向と交差する方向に沿って延在する端部同士が対向する形態としたが、他の形態としてもよい。例えば、図5(a)に示すように、第2、第3の導通電極P2、P3の隣接する端部を、それぞれ接点部材112の移動方向に傾斜した端部P21、P31同士が対向する形態としてもよい。また、図5(b)に示すように、第2、第3の導通電極P2、P3の隣接する端部を、それぞれ相補的に入り込む凹凸形状の端部P22、P32から成る櫛歯様の形態としてもよい。これにより、第2の接点部C2が第2、第3の導通電極P、P3の両方に接触した状態をより得やすくすることができる。
以上、本実施例によれば、比較的大きな電流が流れている状態でロータリースイッチ装置105の所定のスイッチ部をONからOFFに切り替えた場合でも、接点部材112と導通パターン111との間でのアーク放電の発生を抑制して、回路基板104の炭化による導通パターン111のショートなどの不具合の発生を抑制することができる。
実施例2
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例では、導通パターンの形態が異なることを除いて、テスタやロータリースイッチ装置の基本的な構成及び動作は実施例1のものと同じである。したがって、実施例1のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
図6は、本実施例のテスタ100に搭載されたロータリースイッチ装置105における、接点部材112の導通パターン111に対する接離の状態を模式的に示す。
本実施例では、接点部材112が所定の方向に移動することで回路の閉状態から回路の開状態に切り替わる際に、接点部材112によって第1、第2、第3の導通電極P1、P2、P3のうち第1の導通電極P1と第2の導通電極P2とが接続されかつ第1の導通電極P1と第3の導通電極P3とが接続された状態(図6(a))から、接点部材112によって第1の導通電極P1と第3の導通電極P3とのみが接続された状態(図6(b))を経る。
導通パターン111の構成について更に説明する。第1、第2の導通電極P1、P2は、接点部材112の回転軸線を中心として略同心円状に、異なる半径方向位置に円弧状に形成されている。第2の導通電極P2の両端部の位置(円周方向における角度位置)は、第1の導通電極P1の両端部の位置(円周方向における角度位置)よりも内側とされている。
一方、第3の導通電極P3は、接点部材112の回転軸線を中心として略同心円状に、第2の導通電極P2よりも半径方向外側に隣接して、第2の導通電極P2とは異なる半径方向位置に円弧状に形成されている。第3の導通電極P3の両端部の位置(円周方向における角度位置)は、第2の導通電極P2の両端部の位置(円周方向における角度位置)よりも外側とされている。また、第3の導通電極P3の両端部の位置(円周方向における角度位置)は、第1の導通電極P1の両端部の位置(円周方向における角度位置)と略同じ位置とされている。
そして、第1、第2の導通電極P1、P2は回路に直接接続されている。一方、第3の導通電極P3は回路に抵抗素子Rを介して第2の導通電極P2に対して並列に接続されている。
接点部材112の構成について更に説明する。本実施例では、図3に示す実施例1で使用した接点部材112と同じ構成のものを使用した。すなわち、本実施例では、接点部材112の2つのブラシ片114の先端部114bは、それぞれ二股に分割されており、4カ所の先端部114bの各湾曲部が、それぞれ接点部115を構成する。そして、本実施例では、一方(半径方向内側)のブラシ片114の2つの接点部115が、図6における第1の接点部C1を構成する。また、他方(半径方向外側)のブラシ片114の2つ接点部115のうち、一方(半径方向内側)が図6における第2の接点部C2を構成し、他方(半径方向外側)が第3の接点部C3を構成する。
本実施例では、実施例1と同様に、第1、第2、第3の接点部C1、C2、C3は、第1、第2、第3の導通電極P1、P2、P3の円周方向に沿って、略同じ角度位置で同期して移動する。
なお、第1の接点部C1を構成するブラシ片114は分岐していなくてもよいし、第2、第3の接点部C2、C3をそれぞれ別個のブラシ片(先端部が分岐していても、いなくてもよい。)114で構成してもよい。例えば、図11中の各ブラシ片114の先端部が分岐されていない3つのブラシ片114を有する接点部材112などを用いることができる。
上述のような構成において、接点部材112を図中矢印A方向に移動させて、回路を閉状態から開状態に切り替える際の動作について更に説明する。
図6(a)の状態では、第1、第2、第3の接点部C1、C2は、それぞれ第1、第2、第3の導通電極P1、P2、P3に接触している。この状態で、第1、第2の導通電極P1、P2間が電気的に接続されると共に、第1、第3の導通電極P1、P3間が電気的に接続されて、回路は閉じられている。すなわち、第1スイッチ部SW1、第2スイッチ部SW2の両方ともが閉じている。この場合、第2スイッチ部SWは抵抗Rを介して回路に並列に接続されているため、殆どの電流は第1スイッチ部SW1を介して流れる。
次に、図6(b)に示すように、接点部材112が図中矢印A方向に移動(回動)して、第2の接点部C2が、同移動方向の下流側の第2の導通電極P2の一方の端部を通過すると、第1、第3の接点部C1、C3はそれぞれ第1、第3の導通電極P1、P3に接触したままで、第2の接点部C2が第2の導通電極P2から離れた状態となる。この状態で、第1、第2の導通電極P1、P2間の電気的な接続が断たれると共に、第1、第3の導通電極P1、P3間が電気的に接続されて、回路は閉じられている。すなわち、第1スイッチ部SW1が開放され、第2スイッチ部SW2が閉じている。この場合、第2スイッチ部SWに接続された抵抗Rが回路に流れる電流を制限する。その結果、ロータリースイッチ装置105に比較的大きな電流が流れている状態でスイッチOFF動作を開始しても、抵抗Rによってその電流が制限される。
次に、図6(c)に示すように、接点部材112が図中矢印A方向に更に移動すると、第1、第3の接点部C1、C3は、それぞれ第1、第3の導通電極P1、P3から離れて、回路基板104上の導通パターン111が設けられていない部分(電気絶縁性の材料)に達する。この状態で、第1、第2、第3の接点部C1、C2、C3と、第1、第2、第3の導通電極P1、P2、P3との電気的な接続が断たれて、回路は開放される。すなわち、第1スイッチ部SW1、第2スイッチ部SW2の両方ともが開放される。このとき、図6(b)に示す状態において、電流が抵抗Rで制限されて流された後に回路が開放されるので、該開放時に第1、第3の接点部C1、C3と第1、第3の導通電極P1、P3との間にアーク放電が発生することはないか、又はその可能性が低減させられている。
なお、ダイヤル106が上記とは逆向きに回転させられ、接点部材112が上記とは逆向きの図中矢印B方向に移動(回動)させられる場合も、第1、第2、第3の導通電極P1、P2、P3の他方の端部側で、第1スイッチ部SW1、第2スイッチ部SW2は上記同様にして動作する。
このように、本実施例では、第1の導通電極P1と第2の導通電極P2と第3の導通電極P3とは、それぞれ接点部材112の所定の移動方向と交差する方向において異なる位置に配置されている。また、接点部材112は、第1の導通電極P1と接触する第1の接点部C1と、第2の導通電極P2と接触する第2の接点部C2と、第3の導通電極P3と接触する第3の接点部C3と、を有する。そして、第2及び第3の導通電極P2、P3は、接点部材112が所定の方向に移動して回路が閉状態から開状態に切り替わる際に、第2の接点部C2が第2の導通電極P2から離れた後に第3の接点部C3が第3の導通電極P3から離れるように形成されている。また、本実施例では、第2の接点部C2と第3の接点部C3とは、接点部材112の所定の移動方向と交差する方向に整列して設けられている。そして、第3の導通電極P3は、接点部材112の所定の移動方向において、第2の導通電極P2の下流側の端部よりも下流側まで延在する。また、本実施例では、第1の接点部C1と第3の接点部C3とは、接点部材112の所定の移動方向と交差する方向に整列して設けられている。そして、第1の導通電極P1は、接点部材112の所定の移動方向において、第2の導通電極P2の下流側の端部よりも下流側まで延在する。
本実施例では、このような構成により、回路を閉状態から開状態に切り替える際に、第1、第2、第3の導通電極P1、P2、P3が接点部材112により電気的に接続された状態と、第1、第3の導通電極P1、P3が電気的に接続された状態とを、順次に連続的に経るようにすることができる。
すなわち、本実施例では、回路基板に、抵抗に繋がる導通パターンと繋がらない導通パターンとを設け、接点部材の移動方向において、抵抗に繋がる導通パターンを繋がらない導通パターンよりも長くしておく。そして、接点部材が回路基板上の導通パターンのある箇所から無い箇所へ移動する際に、抵抗に繋がる導通パターンの方が繋がらない導通パターンよりも後で接点部材から離れるようにする。これにより、例えば大きな抵抗やスナバ回路を入れることができない回路であっても、簡易な構成で、スイッチをONからOFFに切り替える際のアーク放電を抑制することができる。
なお、実施例1と同様、本実施例の構成を、例えば一方向にのみ移動する接点部材112の移動方向の下流側の、スイッチがONからOFFに切り替わる部分の導通パターンのみに適用してもよい。また、本実施例では、第3の導通電極P3は、接点部材112の回転軸線を中心として略同心円状に、第2の導通電極P2よりも半径方向外側に設けたが、半径方向内側に設けてもよい。
以上、本実施例によれば、実施例1と同様の効果が得られる。また、本実施例では、スイッチがON状態からOFF状態になるまで第3の導通電極に接触した状態に維持される第3接点部C3が設けられる。これにより、1回のスイッチOFF動作において第3の導通電極に接触する接点部が導通電極のエッジ部を乗り越える回数を少なくすることができる。そのため、第3の導通電極を設けることで接点部材のブラシ片の消耗が早まる可能性を低減することができる。
実施例3
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例では、導通パターンの形態が異なることを除いて、テスタやロータリースイッチ装置の基本的な構成及び動作は実施例1、2のものと同じである。したがって、実施例1、2のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
図7は、本実施例のテスタ100に搭載されたロータリースイッチ装置105における、接点部材112の導通パターン111に対する接離の状態を模式的に示す。
本実施例では、概して、導通パターン111は、実施例1における第3の導通電極P3と、実施例2における第3の導通パターンP3とのそれぞれに対応する電極部分が一体とされた、1つの第3の導通電極P3を有する。
導通パターン111の構成について更に説明する。第1、第2の導通電極P1、P2の構成は、実施例2と同じである。一方、導通パターン111を構成する第3の導通電極P3は、実施例2における第3の導通電極P3に対応する第1部分P3aと、実施例1における第3の導通電極P3に対応する第2部分P3bとを有する。つまり、第1部分P3aは、接点部材112の回転軸線を中心として略同心円状に、第2の導通電極P2よりも半径方向外側に隣接して、第2の導通電極P2とは異なる半径方向位置に円弧状に形成されている。また、第2部分P3bは、第2の導通電極P2の両端部側に隣接して、接点部材112の回転軸線を中心として略同心円状に、第2の導通電極P2と略同じ半径方向位置に円弧状に形成されている。図中、便宜的に破線によって区別しているが、第1部分P3aと第2部分P3bは連続しており一体的に第3の導通電極P3を形成している。第3の導通電極P3の両端部の位置(円周方向における角度位置)は、第1の導通電極P1の両端部の位置(円周方向における角度位置)と略同じ位置とされている。
そして、第1、第2の導通電極P1、P2は回路に直接接続されている。一方、第3の導通電極P3は回路に抵抗素子Rを介して第2の導通電極P2に対して並列に接続されている。
接点部材112の構成について更に説明する。本実施例では、図3に示す実施例1、2で使用した接点部材112と同じ構成のものを使用した。すなわち、本実施例では、一方(半径方向内側)のブラシ片114の2つの接点部115が、図7における第1の接点部C1を構成する。また、他方(半径方向外側)のブラシ片114の2つ接点部115のうち一方(半径方向内側)が図7における第2の接点部C2を構成し、他方(半径方向外側)が第3の接点部C3を構成する。
上述のような構成において、接点部材112を図中矢印A方向に移動させて、回路を閉状態から開状態に切り替える際の動作について更に説明する。
図7(a)の状態では、第1、第2、第3の接点部C1、C2は、それぞれ第1、第2、第3の導通電極P1、P2、P3に接触している。この状態で、第1、第2の導通電極P1、P2間が電気的に接続されると共に、第1、第3の導通電極P1、P3間が電気的に接続されて、回路は閉じられている。すなわち、第1スイッチ部SW1、第2スイッチ部SW2の両方ともが閉じている。この場合、第2スイッチ部SWは抵抗Rを介して回路に並列に接続されているため、殆どの電流は第1スイッチ部SW1を介して流れる。
次に、図7(b)に示すように、接点部材112が図中矢印A方向に移動(回動)して、第2の接点部C2が、同移動方向の下流側の第2の導通電極P2の一方の端部を通過すると、第1、第3の接点部C1、C3はそれぞれ第1の導通電極P1、第3の導通電極P3の第1部分P3aに接触したままで、第2の接点部C2が第2の導通電極P2から離れて、第3の導通電極P3の第2部分P3bに接触した状態となる。この状態で、第1、第2の導通電極P1、P2間の電気的な接続が断たれると共に、第1、第3の導通電極P1、P3間が電気的に接続されて、回路は閉じられている。すなわち、第1スイッチ部SW1が開放され、第2スイッチ部SW2が閉じている。この場合、第2スイッチ部SWに接続された抵抗Rが回路に流れる電流を制限する。その結果、ロータリースイッチ装置105に比較的大きな電流が流れている状態でスイッチOFF動作を開始しても、抵抗Rによってその電流が制限される。なお、本実施例では、実施例1の場合と同様に、第2の接点部C2が第2の導通電極P2から離れる前に第3の導通電極P3の第2部分P3bに接触した状態となる(メイク・ビフォア・ブレイク接点)。ただし、本実施例では、第3の接点部C3が第3の導通電極P3の第1部分P3aに接触した状態に維持されているので、第2の接点部C2が第2の導通電極P2と第3の導通電極P3の第2部分P3bの両方に同時に接触する期間がない構成とされていてもよい。
次に、図7(c)に示すように、接点部材112が図中矢印A方向に更に移動すると、第1、第3の接点部C1、C3は、それぞれ第1、第3の導通電極P1、P3から離れて、回路基板104上の導通パターン111が設けられていない部分(電気絶縁性の材料)に達する。この状態で、第1、第2、第3の接点部C1、C2、C3と、第1、第2、第3の導通電極P1、P2、P3との電気的な接続が断たれて、回路は開放される。すなわち、第1スイッチ部SW1、第2スイッチ部SW2の両方ともが開放される。このとき、図7(b)に示す状態において、電流が抵抗Rで制限されて流された後に回路が開放されるので、該開放時に第1、第2、第3の接点部C1、C2、C3と第1、第3の導通電極P1、P3との間にアーク放電が発生することはないか、又はその可能性が低減させられている。
なお、ダイヤル106が上記とは逆向きに回転させられ、接点部材112が上記とは逆向きの図中矢印B方向に移動(回動)させられる場合も、第1、第2、第3の導通電極P1、P2、P3の他方の端部側で、第1スイッチ部SW1、第2スイッチ部SW2は上記同様にして動作する。
このように、本実施例では、第1の導通電極P1と第2及び第3の導通電極P2、P3とは、接点部材112の所定の移動方向と交差する方向において異なる位置に配置される。また、第3の導通電極P3は、接点部材112の所定の移動方向と交差する方向において第2の導通電極P2と異なる位置に配置された第1部分P3aと、接点部材112の所定の移動方向において第2の導通電極P2よりも下流側に整列して配置された第2部分P3bと、を有する。また、接点部材112は、第1の導通電極P1と接触する第1の接点部C1と、第2の導通電極P2及び第3の導通電極P3の第2部分P3bと接触する第2の接点部C2と、第3の導通電極P3の第1部分P3aと接触する第3の接点部C3と、を有する。そして、第2及び第3の導通電極P2、P3は、接点部材112が所定の方向に移動して回路が閉状態から開状態に切り替わる際に、第2の接点部C2が第2の導通電極P2から離れた後に、第3の接点部C3が第3の導通電極P3の第1部分P3aから離れ、第2の接点部C2が第3の導通電極P3の第2部分P3bから離れるように形成されている。また、本実施例では、第3の導通電極P3の第1部分P3aは、実施例2における第3の導通電極P3に対応するその他の特徴を備える。また、第3の導通電極P3の第2部分P3bは、実施例1における第3の導通電極P3に対応するその他の特徴を備える。
本実施例では、このような構成により、回路を閉状態から開状態に切り替える際に、第1、第2、第3の導通電極P1、P2、P3が接点部材112により電気的に接続された状態と、第1、第3の導通電極P1、P3が電気的に接続された状態とを、順次に連続的に経るようにすることができる。
なお、実施例1、2と同様、本実施例の構成を、例えば一方向にのみ移動する接点部材112の移動方向の下流側の、スイッチがONからOFFに切り替わる部分の導通パターンのみに適用してもよい。また、本実施例では、第3の導通電極P3の第1部分P3aは、接点部材112の回転軸線を中心として略同心円状に、第2の導通電極P2よりも半径方向外側に設けたが、半径方向内側に設けてもよい。
以上、本実施例によれば、実施例1、2と同様の効果が得られる。また、本実施例では、回路に流れる電流を抑制する際に第3の導通電極に接触する接点部の数を増やすことで、より確実にアーク放電の発生を抑制する効果が得られる。
その他
上述の各実施例では、摺動式スイッチ装置は、接点部材が基板の主面に略垂直な軸線を中心として回転可能であり、導通電極がその軸線を中心とする円弧形状であるロータリースイッチ装置であるものとして説明した。しかし、本発明は接点部材の移動方向を回転方向に限定するものではなく、例えば接点部材が直線的に移動し、導通電極が略直線状に形成された摺動式スイッチ装置などにも、本発明を同様に適用することができ、上述の各実施例と同様の効果を得ることができる。
105 ロータリースイッチ装置
111 導通パターン
112 接点部材
114 ブラシ片
115 接点部
C1 第1の接点部
C2 第2の接点部
C3 第3の接点部
P1 第1の導通電極
P2 第2の導通電極
P3 第3の導通電極

Claims (4)

  1. 基板上に形成された導通パターンと、前記基板上を摺動して前記導通パターンに対して相対的に移動可能な接点部材と、を有し、前記導通パターンに対して前記接点部材を移動させ、前記導通パターンと前記接点部材との接離の状態を切り替えて回路の開閉を行う摺動式スイッチ装置において、
    前記導通パターンは、前記回路の端子として、前記回路に直接接続された第1、第2の導通電極と、抵抗を介して前記第2の導通電極と並列に前記回路に接続された第3の導通電極と、を有しており、
    前記導通パターンは、前記接点部材が所定の方向に移動することで、前記接点部材によって少なくとも前記第1の導通電極と前記第2の導通電極とが接続された前記回路の閉状態から前記回路の開状態に切り替わる際に、前記接点部材によって前記第1の導通電極と前記第2の導通電極とが接続されかつ前記第1の導通電極と前記第3の通電極とが接続された状態から、前記接点部材によって前記第1の導通電極と前記第3の導通電極とが接続された状態経るように形成されており、
    前記第1の導通電極と前記第2及び第3の導通電極とは、前記所定の方向と交差する方向において異なる位置に配置され、前記第3の導通電極は、前記所定の方向と交差する方向において前記第2の導通電極と異なる位置に配置された第1部分と、前記所定の方向において前記第2の導通電極よりも下流側に整列して配置された第2部分と、を有し、
    前記接点部材は、前記第1の導通電極と接触する第1の接点部と、前記第2の導通電極及び前記第3の導通電極の前記第2部分と接触する第2の接点部と、前記第3の導通電極の前記第1部分と接触する第3の接点部と、を有し、
    前記第2及び第3の導通電極は、前記接点部材が前記所定の方向に移動して前記回路が前記閉状態から前記開状態に切り替わる際に、前記第2の接点部が前記第2の導通電極から離れた後に、前記第3の接点部が前記第3の導通電極の前記第1部分から離れ、前記第2の接点部が前記第3の導通電極の前記第2部分から離れるように形成されていることを特徴とするスイッチ装置。
  2. 前記第2及び第3の導通電極は、前記接点部材が前記所定の方向に移動して前記回路が前記閉状態から前記開状態に切り替わる際に、前記第2の接点部が前記第3の導通電極の前記第2部分に接触した後に前記第2の導通電極から離れるように形成されていることを特徴とする請求項に記載のスイッチ装置。
  3. 前記接点部材は、前記基板の主面に略垂直な軸線を中心として回転可能であり、
    前記導通電極は前記軸線を中心とする円弧形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスイッチ装置。
  4. 前記回路は、電圧、電流又は抵抗を含む電気的パラメータを測定する測定回路を構成することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のスイッチ装置。
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