JP6160414B2 - 画像処理装置及びプログラム - Google Patents

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本発明は、画像処理装置及びプログラムに関する。
トナーやインク等の色材を用いて画像を形成する画像形成装置の中には、銀色(Si)や金色(Go)等のメタリックトナーやメタリックインク等を用いるものがある。例えば、青メタリック色や赤メタリック色等のようにメタリック感(金属光沢感やキラキラ感)のある画像を記録媒体上に形成する場合、メタリックトナーからなるメタリック層が、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)及びブラック(K)等のカラートナーからなるカラー層に積層して形成される。
また、画像形成装置の中には、白色(W)トナーや白色インク等を用いるものがある。例えば、透明材や反射率の低い色紙といった記録媒体上に画像を形成する場合、白色トナーからなる白色層が、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)及びブラック(K)等のカラートナーからなるカラー層に積層して形成される。このようにカラー層と白色層とを積層することで、色再現性の低下が防止又は軽減される。
特許文献1には、トナー顔料としてアルミニウムや黄銅等の金属粉末を用いることにより、銀色や金色等のメタリック感を実現する画像形成装置が開示されている。
特許文献2には、金色トナーをYトナー上に形成する画像形成装置が開示されている。
特許文献3には、Kトナーの量を維持し、他の色のトナー量の比率を維持しつつ、他の色のトナー量を制限する装置が開示されている。
特許文献4には、メタリックトナーは隠蔽性が高いことから、メタリック層が最下層となるように画像を形成する画像形成装置が開示されている。
特許文献5には、用紙の不透明度、白色度合い、光沢度等の用紙情報を検出し、その用紙情報に基づき白色トナーの量を制御する画像形成装置が開示されている。
特開昭62−67558号公報 特許第4750465号公報 特開2004−21202号公報 特開2006−50347号公報 特開2002−268318号公報
ところで、メタリック層がカラー層上に形成されると、カラー層がメタリック層によって遮蔽されることになるので、カラー層によって実現される色相が変化してしまい、期待通りの色再現性が得られない問題がある。また、メタリックトナーを用いる場合、メタリックトナーを用いない場合と比較してトナー総量が多くなるので、転写ディフェクト(トナーの飛び散り等)や定着ディフェクト(トナーの定着不良等)が発生しやすくなる。メタリックトナーやカラートナーの量を制限することで、転写ディフェクトや定着ディフェクトの発生が防止又は軽減されるが、カラートナーによる色再現性が低下するとともに、メタリックトナーによるメタリック感が低下してしまう。
また、白色トナーの隠蔽力は、白色トナーの量が多いほど高くなる。よって、良好な色再現性を生じさせるためには、白色トナーの量を増大させることが望ましい。しかしながら、白色トナーの量を増大させると、その分、トナー総量が多くなるので、転写ディフェクトや定着ディフェクトが発生しやすくなる。白色トナーの量を制限することで、転写ディフェクトや定着ディフェクトの発生が防止又は軽減されるが、白色トナーによる隠蔽性が低下するので、色再現性が低下してしまう。
本発明の目的は、転写ディフェクトや定着ディフェクトの発生を防止するとともに、色再現性の低下を軽減することである。
請求項1に係る発明は、記録媒体上にカラー層を発現させるための複数のカラー成分と、前記カラー層に積層されるメタリック層を発現させるためのメタリック色成分と、を含む複数の色成分の量を示す色成分信号を受け、前記複数の色成分の量を加算することで色材総量を求める総量算出手段と、前記色材総量が総量制限値を超える場合、前記メタリック色成分の種類に応じて制限対象の色成分を変えて、前記複数の色成分の中の少なくとも1つの色成分の量を制限する制限手段と、を有し、前記メタリック色成分は銀色成分であり、前記制限手段は、前記カラー成分の量よりも前記銀色成分の量を優先的に制限する、ことを特徴とする画像処理装置である。
請求項に係る発明は、前記制限手段は、前記銀色成分の量を、予め設定されたメタリック色材最低量以上に設定しつつ、前記複数の色成分の中の少なくとも1つの色成分の量を制限する、ことを特徴とする請求項に記載の画像処理装置である。
請求項に係る発明は、記録媒体上にカラー層を発現させるための複数のカラー成分と、前記カラー層に積層されるメタリック層を発現させるためのメタリック色成分と、を含む複数の色成分の量を示す色成分信号を受け、前記複数の色成分の量を加算することで色材総量を求める総量算出手段と、前記色材総量が総量制限値を超える場合、前記メタリック色成分の種類に応じて制限対象の色成分を変えて、前記複数の色成分の中の少なくとも1つの色成分の量を制限する制限手段と、を有し、前記メタリック色成分は金色成分であり、前記制限手段は、前記金色成分の量よりも前記カラー成分の量を優先的に制限する、ことを特徴とする画像処理装置である。
請求項に係る発明は、前記制限手段は、前記金色成分の量を維持し、前記各カラー成分の比率を維持しつつ前記各カラー成分の量を制限する、ことを特徴とする請求項に記載の画像処理装置である。
請求項に係る発明は、前記制限手段は、前記複数のカラー成分の中のシアン色成分の量及びマゼンダ色成分の量と、前記金色成分の量と、を維持しつつ、前記複数のカラー成分の中の前記シアン色成分及び前記マゼンダ色成分以外の色成分の量を制限する、ことを特徴とする請求項に記載の画像処理装置である。
請求項に係る発明は、特別色成分を含む複数の色成分の量を示す色成分信号を受け、前記複数の色成分の量を加算することで色材総量を求める総量算出手段と、前記色材総量が総量制限値を超える場合、前記特別色成分の種類に応じて制限対象の色成分を変えて、前記複数の色成分の中の少なくとも1つの色成分の量を制限する制限手段と、を有し、前記複数の色成分は、記録媒体上にカラー層を発現させるための複数のカラー成分と、前記カラー層に積層される白色層を発現させるための色成分であって前記特別色成分としての白色成分と、を含み、前記制限手段は、前記複数のカラー成分の中のブラック成分と前記白色成分とを含む隠蔽色成分の総量が、予め設定された隠蔽色材最低量以上となるように、前記複数の色成分の中の少なくとも1つの色成分の量を制限する、ことを特徴とする画像処理装置である。
請求項に係る発明は、前記制限手段は、前記複数のカラー成分の総量が前記総量制限値以下であり、前記複数のカラー成分の中の複数の非ブラック成分の総量を前記総量制限値から減算することで得られた差分値が、前記隠蔽色材最低量以上となる場合、前記複数のカラー成分の量を維持しつつ、前記隠蔽色成分の総量が前記隠蔽色材最低量以上となるように、前記白色成分の量を制限する、ことを特徴とする請求項に記載の画像処理装置である。
請求項に係る発明は、前記制限手段は、前記複数のカラー成分の総量が前記総量制限値以下であり、前記複数のカラー成分の中の複数の非ブラック成分の総量を前記総量制限値から減算することで得られた差分値が、前記隠蔽色材最低量未満となる場合、前記隠蔽色成分の総量を前記隠蔽色材最低量に設定し、前記複数の非ブラック成分の比率を維持しつつ前記複数の非ブラック成分の量を制限する、ことを特徴とする請求項に記載の画像処理装置である。
請求項に係る発明は、前記制限手段は、前記複数のカラー成分の総量が前記総量制限値を超える場合、前記隠蔽色成分の総量を前記隠蔽色材最低量に設定し、前記複数のカラー成分の中の複数の非ブラック成分の比率を維持しつつ前記複数の非ブラック成分の量を制限する、ことを特徴とする請求項に記載の画像処理装置である。
請求項10に係る発明は、コンピュータ記録媒体上にカラー層を発現させるための複数のカラー成分と、前記カラー層に積層されるメタリック層を発現させるためのメタリック色成分と、を含む複数の色成分の量を示す色成分信号を受け、前記複数の色成分の量を加算することで色材総量を求める総量算出手段、前記色材総量が総量制限値を超える場合、前記メタリック色成分の種類に応じて制限対象の色成分を変えて、前記複数の色成分の中の少なくとも1つの色成分の量を制限する制限手段として機能させ、前記メタリック色成分は銀色成分であり、前記制限手段は、前記カラー成分の量よりも前記銀色成分の量を優先的に制限する、ことを特徴とするプログラムである。
請求項11に係る発明は、コンピュータを、記録媒体上にカラー層を発現させるための複数のカラー成分と、前記カラー層に積層されるメタリック層を発現させるためのメタリック色成分と、を含む複数の色成分の量を示す色成分信号を受け、前記複数の色成分の量を加算することで色材総量を求める総量算出手段、前記色材総量が総量制限値を超える場合、前記メタリック色成分の種類に応じて制限対象の色成分を変えて、前記複数の色成分の中の少なくとも1つの色成分の量を制限する制限手段、として機能させ、前記メタリック色成分は金色成分であり、前記制限手段は、前記金色成分の量よりも前記カラー成分の量を優先的に制限する、ことを特徴とするプログラムである。
請求項12に係る発明は、コンピュータを、特別色成分を含む複数の色成分の量を示す色成分信号を受け、前記複数の色成分の量を加算することで色材総量を求める総量算出手段、前記色材総量が総量制限値を超える場合、前記特別色成分の種類に応じて制限対象の色成分を変えて、前記複数の色成分の中の少なくとも1つの色成分の量を制限する制限手段、として機能させ、前記複数の色成分は、記録媒体上にカラー層を発現させるための複数のカラー成分と、前記カラー層に積層される白色層を発現させるための色成分であって前記特別色成分としての白色成分と、を含み、前記制限手段は、前記複数のカラー成分の中のブラック成分と前記白色成分とを含む隠蔽色成分の総量が、予め設定された隠蔽色材最低量以上となるように、前記複数の色成分の中の少なくとも1つの色成分の量を制限する、ことを特徴とするプログラムである。
請求項1,1に係る発明によると、転写ディフェクトや定着ディフェクトの発生が防止されるとともに、色再現性の低下が軽減される。
請求項に係る発明によると、転写ディフェクトや定着ディフェクトの発生が防止されるとともに、カラー成分による色再現性の低下が軽減され、また、銀色成分によるメタリック感の低下が軽減される。
請求項3,11に係る発明によると、転写ディフェクトや定着ディフェクトの発生が防止されるとともに、金色成分によるメタリック感の低下が防止又は軽減される。
請求項に係る発明によると、転写ディフェクトや定着ディフェクトの発生が防止されるとともに、金色成分によるメタリック感の低下が防止され、また、カラー成分による色再現性の低下が軽減される。
請求項に係る発明によると、転写ディフェクトや定着ディフェクトの発生が防止されるとともに、金色成分によるメタリック感の低下が防止され、また、色相の変化が軽減される。
請求項6,12に係る発明によると、転写ディフェクトや定着ディフェクトの発生が防止されるとともに、隠蔽色成分による隠蔽性の低下が軽減される。
請求項に係る発明によると、転写ディフェクトや定着ディフェクトの発生が防止されるとともに、隠蔽色成分による隠蔽性の低下が軽減され、また、カラー成分による色再現性の低下が防止される。
請求項に係る発明によると、隠蔽色成分の総量として隠蔽色材最低量を用いる余裕がない場合であっても、転写ディフェクトや定着ディフェクトの発生が防止されるとともに、隠蔽色成分による隠蔽性の低下が軽減され、また、カラー成分による色再現性の低下が軽減される。
請求項に係る発明によると、複数のカラー成分の総量が総量制限値を超える場合であっても、転写ディフェクトや定着ディフェクトの発生が防止されるとともに、隠蔽色成分による隠蔽性の低下が軽減され、また、カラー成分による色再現性の低下が軽減される。
第1実施形態に係る画像形成システムの一例を示す図である。 画像構造体の一例を示す模式図である。 第1実施形態に係る画像処理装置の一例を示すブロック図である。 第1実施形態に係る画像処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る画像処理装置の一例を示すブロック図である。 第1実施形態に係る画像処理装置の一例を示すブロック図である。 第2実施形態に係る画像形成システムの一例を示すブロック図である。 画像構造体の一例を示す模式図である。 第2実施形態に係る画像処理装置の一例を示すブロック図である。 第2実施形態に係る画像処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る画像処理装置の一例を示すブロック図である。 第2実施形態に係る画像処理装置の一例を示すブロック図である。
[第1実施形態]
図1に、本発明の第1実施形態に係る画像形成システムの一例を示す。画像形成システム10は、画像処理装置20と画像形成装置30とを含む。
画像処理装置20は、画像データを受けて画像処理を施し、画像処理が施された画像データを画像形成装置30に出力する。
画像形成装置30は、複数の色材を用いて、画像データに応じた画像を記録媒体としての用紙上に形成する。第1実施形態では、色材としてトナーが用いられる。他の色材としてインク等が用いられてもよい。画像形成装置30は、例えば、メタリック色のトナー(メタリックトナー)と、メタリック色以外の複数の基本色のトナー(カラートナー)とを用いて、電子写真プロセスを適用して用紙上に画像を形成する。第1実施形態では、メタリックトナーとして、銀色(Silver:Si)トナーや金色(Gold:Go)トナーが用いられる。画像形成装置30は、複数の基本色のトナー層(カラー層)を用紙上に形成し、カラー層上にメタリックトナーからなるトナー層(特別層としてのメタリック層)を形成する。例えば、メタリック感(金属光沢感やキラキラ感)がある青メタリック色や赤メタリック色等のメタリック特色のように、メタリックトナーを用いることで発現される特色が指定された場合、画像形成装置30は、メタリックトナーとカラートナーとを用いることで、指定された特色の画像を用紙上に形成する。第1実施形態では、基本色として、例えば、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)及びブラック(K)の4色が用いられる。但し、本発明はこの例に限定されるものではなく、5色以上の色が基本色として用いられてもよい。例えば、オレンジ(O)、バイオレット(V)及びグリーン(G)等の色が基本色に含まれてもよい。以下では、CMYKの4色を基本色として説明する。また、メタリック色成分を記号Mtで表す。
画像形成装置30は、給紙トレイ31と、画像形成エンジン32と、中間転写ベルト33と、2次転写器34と、定着器35と、搬送路36とを含む。
給紙トレイ31は、複数枚の用紙を収容するものである。給紙トレイ31に収容された用紙は、給紙トレイ31から一枚ずつ取り出され、2次転写器34及び定着器35を経由して排紙口へと繋がる搬送路36上を順次搬送されるようになっている。
画像形成エンジン32は、一例として、メタリック色(Mt)のトナー像を中間転写ベルト33に形成するMt機構、イエロー(Y)のトナー像を中間転写ベルト33に形成するY機構、マゼンダ(M)のトナー像を中間転写ベルト33に形成するM機能、シアン(C)のトナー像を中間転写ベルト33に形成するC機構、及び、ブラック(K)のトナー像を中間転写ベルト33に形成するK機構を含む。一例として、中間転写ベルト33の上流側から順番に、Mt機構、Y機構、M機構、C機構及びK機構の順番で、各機構が配置されている。画像形成エンジン32は、CMYKMt各色の画像データに応じて像保持体である感光体ドラムを走査露光して感光体ドラム上に静電潜像を形成し、CMYKMt各色のトナーを用いて現像することで各色のトナー像を感光体ドラム上に形成し、感光体ドラム上に形成されたトナー像を中間転写ベルト33に重畳して転写する。
2次転写器34は、中間転写ベルト33上に重畳形成された各色のトナー像を中間転写ベルト33から用紙へ転写する。定着器35は、加熱ロールによる加熱作用と加圧ロールによる加圧作用とによって、用紙に転写されたトナー像を用紙に定着させる。
ここで、画像形成装置30の動作を説明する。例えば青メタリック色や赤メタリック色等の特色が指定された場合、画像形成エンジン32によって、MtYMCKの順番で各色のトナー像が中間転写ベルト33に重畳して転写される。そして、2次転写器34によって、中間転写ベルト33から用紙にMtYMCKのトナー像が転写される。用紙に転写されたトナー像は、定着器35によって定着させられる。これにより、例えば図2に示すように、カラートナーからなるカラー層42が用紙40上に形成され、メタリックトナーからなるメタリック層44がカラー層42上に重畳して形成される。カラー層42とメタリック層44とによって、青メタリック色や赤メタリック色等の特色が発現することになる。なお、特色ではなく、カラートナーのみによって発現される色が指定された場合、画像形成装置30は、画像形成エンジン32のMt機構を用いずに、YMCKのトナー像を用紙上に転写して定着させる。
次に、図3を参照して、第1実施形態に係る画像処理装置20の構成について説明する。画像処理装置20は、画像受付部21と、色変換部22と、総量制限値設定部23と、トナー総量制限部24とを含む。
画像受付部21は、印刷対象となる画像データを受け付け、当該画像データを色変換部22に出力する。画像受付部21は、一例として、CMYKMtの組み合わせで表される画像データ(C1M1Y1K1Mt1色信号)を受け付ける。
色変換部22は、カラーマネジメントシステム(CMS)として機能し、画像受付部21から受けた画像データを、画像形成装置30に依存する色空間であるデバイス依存色空間上の画像データに変換する。一例として、画像形成装置30のデバイス依存色空間がCMYKMt色空間である場合、色変換部22は、画像受付部21から受けた画像データを、CMYKMt色空間のデータに変換する。例えば、色変換部22は、画像受付部21から受けた画像データ(C1M1Y1K1Mt1色信号)に対して、多次元ルックアップテーブル(多次元LUT)を適用する等して、C1M1Y1K1Mt1色信号を、デバイス依存色空間上の画像データ(C2M2Y2K2Mt2色信号)に変換する。そして、色変換部22は、C2M2Y2K2Mt2色信号をトナー総量制限部24に出力する。
総量制限値設定部23は、トナー総量の制限値TAC1をトナー総量制限部24に出力する。一例として、総量制限値設定部23は、1画素単位の制限値TAC1をトナー総量制限部24に出力する。制限値TAC1は予め決定された値であり、例えば、CMYKMtの各色成分のトナー出力(網点面積率)の最大値をそれぞれ100%とした場合、制限値TAC1は、240〜280%に設定される。なお、制限値TAC1の値は一例であり、他の値が設定されてもよい。また、ユーザが制限値TAC1を任意の値に変更してもよい。
また、総量制限値設定部23は、用紙上に形成されるメタリックトナーの最低量(メタリックトナー最低量α)をトナー総量制限部24に出力する。一例として、総量制限値設定部23は、1画素単位のメタリックトナー最低量αをトナー総量制限部24に出力する。メタリックトナー最低量αは、メタリックトナーによって最低限のメタリック感を発現さえるためのトナー量(メタリックトナーの量)であり、予め決定された値である。メタリックトナー最低量αは、例えば、メタリックトナーの種類、メタリックトナーの特性、及び、定着器35における定着温度等によって決定されてもよい。例えば、メタリックトナーの出力(網点面積率)の最大値を100%とした場合、メタリックトナー最低量αは、0〜100%に設定される。なお、ユーザがメタリックトナー最低量αを任意の値に変更してもよい。
トナー総量制限部24は、色変換部22から出力されたC2M2Y2K2Mt2色信号の和であるトナー総量Ha(=C2+M2+Y2+K2+Mt2)を算出する。例えば、CMYKMtの各色成分のトナー出力(網点面積率)の最大値をそれぞれ100%とした場合、トナー総量Haは0〜500%の範囲に含まれる。一例として、トナー総量制限部24は、トナー総量Haを画素毎に算出する。そして、トナー総量制限部24は、トナー総量Haが制限値TAC1を超える場合、メタリックトナーの種類に応じて制限対象の色成分を変え、トナー総量が制限値TAC1以下となるように、制限対象の色成分の量(トナー量)を制限する。このとき、トナー総量制限部24は、メタリック色信号の値(メタリックトナー量)を、メタリックトナー最低量α以上に設定する。例えば、トナー総量制限部24は、画素毎にトナー量を制限する。なお、トナー総量制限部24は、総量算出手段及び制限手段の一例に相当する。
第1実施形態では、メタリックトナーとして、銀色(Si)トナー又は金色(Go)トナーが用いられる。トナー総量制限部24は、銀色トナーが用いられる場合と金色トナーが用いられる場合とで、トナー総量制限のアルゴリズムを変えて各色成分の量(トナー量)を制限する。
例えば、メタリックトナーとしてSiトナーが用いられる場合、トナー総量制限部24は、Si色信号の値(Siトナーの量)をメタリックトナー最低量α以上に設定しつつ、トナー総量が制限値TAC1以下となるように、カラートナーよりもSiトナーの量を優先的に制限する。Siトナーは遮蔽性を有し、かつ、光源からの光をそのまま反射する特性を有するので、Siトナーの効果としては、遮蔽性を有する無彩色のトナーのような効果がある。そのため、Siトナーからなるメタリック層をカラー層上に形成した場合、カラー層による色再現性が低下する。そこで、第1実施形態では、カラートナーよりもSiトナーの量を優先的に制限することで、カラートナーの量を確保し、カラー層による色再現性の低下を防止又は軽減させる。このとき、Siトナーの量をメタリックトナー最低量α以上に設定することで、メタリック感の低下を軽減させる。
一方、メタリックトナーとしてGoトナーが用いられる場合、トナー総量制限部24は、トナー総量が制限値TAC1以下となるように、Goトナーよりもカラートナーの量を優先的に制限する。Goトナーは、Siトナーと同様に遮蔽性を有するが、一部の波長域の光を吸収する特性を有するため(色が付いているため)、Goトナーの効果としては、遮蔽性を有するカラートナーのような効果がある。このように、Goトナーは単体で色彩を有するため、Siトナーが用いられる場合と比較して、色再現性の低下の程度が小さい。そこで、第1実施形態では、Goトナーよりもカラートナーの量を優先的に制限することで、Goトナーの量を確保し、メタリック感の低下を防止又は軽減させる。Goトナーは単体で色彩を有するため、Goトナーよりもカラートナーを優先的に制限しても、色再現性の低下が軽減される。
以下では、Siトナーが用いられる場合(実施例1)と、Goトナーが用いられる場合(実施例2,3)と、に分けて、画像処理装置20による具体的な処理について説明する。
(実施例1)
まず、図3及び図4を参照して、実施例1について説明する。図4は、実施例1に係る処理を示すフローチャートである。実施例1では、メタリックトナーとしてSiトナーが用いられる。
まず、画像受付部21が画像データ(C1M1Y1K1Si1色信号)を受け付け(S01)、C1M1Y1K1Si1色信号を色変換部22に出力する。色変換部22は、C1M1Y1K1Si1色信号に対して、多次元ルックアップテーブルを適用する等して、C1M1Y1K1Si1色信号をデバイス依存色空間上の画像データ(C2M2Y2K2Si2色信号)に変換する(S02)。トナー総量制限部24は、トナー総量の制限値TAC1とメタリックトナー最低量αとを総量制限値設定部23から取得する(S03)。また、トナー総量制限部24は、C2M2Y2K2Si2色信号の和であるトナー総量Ha(=C2+M2+Y2+K2+Si2)を画素毎に求める。そして、トナー総量制限部24は、以下に示す処理を行うことで、画素毎に各色信号の値を決定する。
トナー総量Haが制限値TAC1を超えない場合(S04,No)、トナー総量制限部24は、各色信号の値を変更せずに維持する(S05)。具体的には、トナー総量制限部24は、以下の処理(1)に従って、各色信号の値を決定する。
(1)C2+M2+Y2+K2+Si2≦TAC1(Ha≦TAC1)の場合
C3=C2
M3=M2
Y3=Y2
K3=K2
Si3=Si2
すなわち、トナー総量Haが制限値TAC1以下であれば、各色成分のトナー量を制限する必要がないので、トナー総量制限部24は、各色信号の値を維持する。
一方、トナー総量Haが制限値TAC1を超える場合(S04,Yes)、トナー総量制限部24は、カラートナー総量Hb(=C2+M2+Y2+K2)と制限値TAC1との大小関係に応じて異なる処理を実行する(S06)。
まず、カラートナー総量Hbが制限値TACを超えない場合であって(S06,No)、制限値TAC1からカラートナー総量Hbを減算して得られた差分値(TAC1−Hb)が、メタリックトナー最低量α以上となる場合(S07,Yes)、トナー総量制限部24は、以下の処理(2)に従って、各色信号の値を決定する(S08)。
(2)C2+M2+Y2+K2+Si2>TAC1(Ha>TAC1)かつ、
C2+M2+Y2+K2≦TAC1(Hb≦TAC1)、かつ、
TAC1−(C2+M2+Y2+K2)≧αとなる場合
Si3=TAC1−(C2+M2+Y2+K2)=TAC1−Hb(≧α)
C3=C2
M3=M2
Y3=Y2
K3=K2
すなわち、トナー総量制限部24は、カラートナーの成分であるCMYK色信号の値を変更せずに維持する。一方、トナー総量制限部24は、制限値TAC1からカラートナー総量Hbを減算して得られる差分値(TAC1−Hb)を、Si3色信号の値として用いる。差分値(TAC1−Hb)がメタリックトナー最低量α以上となるということは、CMYK色信号の値を維持した場合に、Siトナーの量をメタリックトナー最低量α以上にしても、C3M3Y3K3Si3色信号の和が制限値TAC1を超えることがないことを意味する。そこで、メタリックトナー最低量α以上のSiトナーを確保するために、トナー総量制限部24は、差分値(TAC1−Hb)をSi3色信号の値として用いる。換言すると、制限値TAC1の観点からして、Siトナーの量をメタリックトナー最低量α以上にする余裕があるので、Si3色信号の値として差分値(TAC1−Hb)を用いる。これにより、Siトナーの量は、メタリックトナー最低量α以上に設定される。
以上のように、カラートナー総量Hbが制限値TAC1以下の場合であって、差分値(TAC1−Hb)がメタリックトナー最低量α以上となる場合、Si3色信号を差分値(TAC1−Hb)に制限することで、C3M3Y3K3Si3色信号の和が制限値TAC1以下となるので、転写ディフェクトや定着ディフェクトの発生が防止される。また、CMYK色信号の値が変更されていないので、カラートナーによる色再現性の低下が防止される。また、Si色信号の値がメタリックトナー最低量α以上に設定されるので、Siトナーによるメタリック感の低下が軽減される。すなわち、最低でもメタリックトナー最低量αのSiトナーが用いられるので、メタリック感の低下が軽減される。
また、ステップS06において、カラートナー総量Hbが制限値TAC1を超える場合(S06,Yes)、トナー総量制限部24は、以下の処理(3)に従って、各色信号の値を決定する(S09)。
(3)C2+M2+Y2+K2+Si2>TAC1(Ha>TAC1)、かつ、
C2+M2+Y2+K2>TAC1(Hb>TAC1)の場合
n1=TAC1−(K2+α)
Si3=α
C3=n1×C2/(C2+M2+Y2)
M3=n1×M2/(C2+M2+Y2)
Y3=n1×Y2/(C2+M2+Y2)
K3=K2
すなわち、トナー総量制限部24は、K色信号の値を変更せずに維持し、メタリックトナー最低量αをSi3色信号の値として用いる。また、トナー総量制限部24は、K2色信号(K3色信号)の値と制限値TAC1とメタリックトナー最低量αとを用いて、CMY色信号の比率(CMYのトナー量の比率)を維持しつつ、CMY色信号を制限する。具体的には、トナー総量制限部24は、K2色信号の値とメタリックトナー最低量αとを加算し、制限値TAC1から加算値(K2+α)を減算することで、調整係数n1を決定する。そして、トナー総量制限部24は、C2M2Y2色信号の和に対する各色信号の割合に調整係数n1を乗算することで、C3M3Y3色信号の値を決定する。これにより、C3M3Y3色信号の比率が、C2M2Y2色信号の比率に維持される。
カラートナー総量Hbが制限値TAC1を超えるということは、CMYK色信号の値を維持したのでは、転写ディフェクトや定着ディフェクトが発生するおそれがあることを意味する。このとき、C3M3Y3K3Si3色信号の和を制限値TAC1以下にするために、Si3色信号の値をメタリックトナー最低量α未満に制限した場合、メタリック感が損なわれることになる。そこで、第1実施形態では、Si3色信号の値をメタリックトナー最低量αに設定するとともに、CMY色信号を制限することで、メタリック感の低下を軽減するとともに、転写ディフェクトや定着ディフェクトの発生を防止する。
以上のように、カラートナー総量Hbが制限値TAC1を超える場合、Si3色信号の値としてメタリックトナー最低量αを用い、K色信号の値を維持し、CMY色信号の比率を維持しつつCMY色信号を制限することで、C3M3Y3K3Si3色信号の和が制限値TAC1以下になるので、転写ディフェクトや定着ディフェクトの発生が防止される。また、Si3色信号の値がメタリックトナー最低量αに設定されるので、Siトナーによるメタリック感の低下が軽減される。すなわち、メタリック感を出すための最低限のSiトナー量が確保されるので、メタリック感の低下が軽減される。また、CMY色信号の比率が維持されるので、カラートナーによる色再現性の低下が軽減される。さらに、K色信号の値を維持することで、色味のバランスの低下が軽減される。
なお、トナー総量制限部24は、K色信号の値も制限してもよい。この場合、トナー総量制限部24は、CMYK色信号の比率を維持しつつ、C3M3Y3K3色信号を決定する。具体的には、トナー総量制限部24は、C2M2Y2K2色信号の和に対する各色信号の割合に調整係数(TAC1−α)を乗算することで、C3M3Y3K3色信号を決定する。このように、K色信号を制限した場合であっても、カラートナーによる色再現性の低下が軽減される。
また、ステップS07において、差分値(TAC1−Hb)がメタリックトナー最低量α以上とならない場合(S07,No)、トナー総量制限部24は、上記の処理(3)に従って、各色信号の値を決定する(S09)。すなわち、トナー総量制限部24は、以下に示す条件に従って各色信号の値を決定する。
(3)C2+M2+Y2+K2+Si2>TAC1(Ha>TAC1)、かつ、
C2+M2+Y2+K2≦TAC1(Hb≦TAC1)、かつ、
TAC1−(C2+M2+Y2+K2)<αとなる場合
n1=TAC1−(K2+α)
Si3=α
C3=n1×C2/(C2+M2+Y2)
M3=n1×M2/(C2+M2+Y2)
Y3=n1×Y2/(C2+M2+Y2)
K3=K2
差分値(TAC1−Hb)がメタリックトナー最低量α未満となるということは、CMYK色信号を維持した場合に、Siトナーの量をメタリックトナー最低量α以上とすると、C3M3Y3K3Si3色信号の和が制限値TAC1を超えることを意味する。そこで、トナー総量制限部24は、メタリックトナー最低量αをSi3色信号の値として用いる。換言すると、制限値TAC1の観点からして、Siトナーをメタリックトナー最低量α以上にする余裕がないので、最低限のSiトナー量を確保するために、Si3色信号の値としてメタリックトナー最低量αを用いる。
一方、カラートナー総量Hbが制限値TAC1以下となるので、仮に、CMYK色信号の値を維持しても、転写ディフェクトや定着ディフェクトが発生しないはずである。しかしながら、差分値(TAC1−Hb)がメタリックトナー最低量α未満となる場合に、Si3色信号の値をメタリックトナー最低量αに設定し、CMYK色信号の値を維持すると、C3M3Y3K3Si3色信号の和は制限値TAC1を超えることになる。そこで、第1実施形態では、Si3色信号の値としてメタリックトナー最低量αを用いる分、CMY色信号を制限することで、メタリック感の低下を軽減するとともに、転写ディフェクトや定着ディフェクトの発生を防止する。
以上のように、カラートナー総量Hbが制限値TAC1以下の場合であって、差分値(TAC1−Hb)がメタリックトナー最低量α未満となる場合、Si3色信号の値としてメタリックトナー最低量αを用い、K色信号の値を維持し、CMY色信号の比率を維持しつつCMY色信号を制限することで、C3M3Y3K3Si3色信号の和が制限値TAC1以下になるので、転写ディフェクトや定着ディフェクトの発生が防止される。また、Si3色信号の値がメタリックトナー最低量αに設定されるので、Siトナーによるメタリック感の低下が軽減される。すなわち、メタリック感を出すための最低限のSiトナー量が確保されるので、メタリック感の低下が軽減される。また、CMY色信号の比率が維持されるので、カラートナーによる色再現性の低下が軽減される。さらに、K色信号の値を維持することで、色味のバランスの低下が軽減される。
なお、この場合も、トナー総量制限部24は、CMYK色信号の比率を維持しつつ、CMYK色信号を制限してもよい。
以上のように、トナー総量Haが制限値TAC1を超える場合に、Si色信号の値をメタリックトナー最低量α以上に設定しつつ、CMYK色信号よりもSi色信号を優先して制限することで、転写ディフェクトや定着ディフェクトの発生が防止されるとともに、カラートナーによる色再現性の低下が防止又は軽減され、Siトナーによるメタリック感の低下が防止又は軽減される。
(実施例2)
次に、図5を参照して、実施例2について説明する。図5は、第1実施形態に係る画像処理装置20を示すブロック図である。実施例2では、メタリックトナーとしてGoトナーが用いられる。
実施例2においては、画像受付部21は、画像データ(C1M1Y1K1Go1色信号)を受け付け、C1M1Y1K1Go1色信号を色変換部22に出力する。
色変換部22は、C1M1Y1K1Go1色信号に対して多次元ルックアップテーブルを適用する等して、C1M1Y1K1Go1色信号をデバイス依存色空間上の画像データ(C2M2Y2K2Go2色信号)に変換する。
トナー総量制限部24は、C2M2Y2K2Go2色信号の和であるトナー総量Hc(=C2+M2+Y2+K2+Go2)を画素毎に求める。また、トナー総量制限部24は、制限値TAC1を総量制限値設定部23から取得する。そして、トナー総量制限部24は、トナー総量Hcと制限値TAC1との大小関係に基づき、画素毎に各色信号の値を決定する。
例えば、トナー総量Hcが制限値TAC1以下となる場合、トナー総量制限部24は、各色信号の値を変更せずに維持する。具体的には、トナー総量制限部24は、以下の処理(4)に従って、各色信号の値を決定する。
(4)C2+M2+Y2+K2+Go2≦TAC1(Hc≦TAC1)の場合
C3=C2
M3=M2
Y3=Y2
K3=K2
Go3=Go2
すなわち、トナー総量Hbが制限値TAC1以下であれば、各色成分のトナー量を制限する必要がないので、トナー総量制限部24は、各色信号の値を維持する。
一方、トナー総量Hcが制限値TAC1を超える場合、トナー総量制限部24は、以下の処理(5)に従って、各色信号の値を決定する。
(5)C2+M2+Y2+K2+Go2>TAC1(Hc>TAC1)の場合
Go3=Go2
K3=K2
n2=TAC1−(K3+Go3)
C3=n2×C2/(C2+M2+Y2)
M3=n2×M2/(C2+M2+Y2)
Y3=n2×Y2/(C2+M2+Y2)
すなわち、トナー総量制限部24は、Go色信号及びK色信号の値を変更せずに維持する。また、トナー総量制限部24は、K3(K2)色信号とGo3(Go2)色信号と制限値TAC1とを用いて、CMY色信号の比率(CMYのトナー量の比率)を維持しつつ、CMY色信号を制限する。具体的には、トナー総量制限部24は、K3色信号の値とGo3色信号の値とを加算し、制限値TAC1から加算値(K3+Go3)を減算することで、調整係数n2を決定する。トナー総量制限部24は、C2M2Y2色信号の和に対する各色信号の割合に調整係数n2を乗算することで、C3M3Y3色信号の値を決定する。これにより、C3M3Y3色信号の比率が、C2M2Y2色信号の比率に維持される。
以上のように、トナー総量Hcが制限値TAC1を超える場合、Go色信号の値を維持することで、メタリック感の低下が防止される。また、K色信号の値を維持することで、色味のバランスの低下が防止される。また、CMY色信号の比率を維持しつつCMY色信号を制限することで、C3M3Y3K3Go3色信号の和が制限値TAC1以下になるので、転写ディフェクトや定着ディフェクトの発生が防止されるとともに、カラートナーによる色再現性の低下が軽減される。Goトナーは単体で色彩を有するため、CMY色信号を制限しても、Go色信号の値を維持することで、色再現性の低下が軽減される。
(実施例3)
次に、図6を参照して、実施例3について説明する。実施例3では、メタリックトナーとしてGoトナーが用いられる。実施例3は、例えば、青メタリック色や赤メタリック色等のメタリック特色について色再現シミュレーションを実行する場合に適用される。
実施例3においては、画像受付部21は、一例として、青メタリック色や赤メタリック色等のメタリック特色で表される画像データを受け付ける。メタリック特色を表す画像データには、例えば、画素毎にメタリック特色名とメタリック特色の濃さとを示す特色情報が付加されている。メタリック特色名は、例えば、青メタリック色や赤メタリック色等の名称である。メタリック特色の濃さは、例えば0〜100%の値で表される。画像受付部21は、画像データとともに特色情報を色変換部22に出力する。
色変換部22は、例えば、特色情報が示すメタリック特色名と濃さとに対応する色信号であって、画像形成装置30に依存しない色空間であるデバイス非依存色空間(例えばL*a*b*色空間)上の色信号(例えばL*a*b*色信号)を求める。例えば、メタリック特色毎に、メタリック特色の各濃さ(0〜100%)とL*a*b*の各値との対応関係を示す対応情報を予め作成しておき、メタリック特色毎の対応情報を、図示しない記憶部に記憶させておく。色変換部22は、当該記憶部に記憶されている対応情報を参照することで、メタリック特色名と濃さとに対応するL*a*b*色信号の値を決定する。例えば、メタリック特色名が青メタリック色であり、濃さが50%の場合、色変換部22は、青メタリック色の対応情報を参照することで、濃さ50%に対応するL*a*b*色信号の値を決定する。そして、色変換部22は、メタリック特色の濃さに応じたL*a*b*色信号を、CMYKGo色空間上のデータ(C2M2Y2K2Go2色信号)に変換する。例えば、色変換部22は、L*a*b*色信号に対して多次元ルックアップテーブルを適用する等して、L*a*b*色信号をC2M2Y2K2Go2色信号に変換する。
なお、色変換部22は、メタリック特色の濃さに基づいてC2M2Y2K2Go2色信号の値を直接決定してもよい。例えば、メタリック特色毎に、メタリック特色の各濃さとCMYKGo色信号との対応関係を示す対応情報を予め作成しておき、メタリック特色毎の対応情報を、図示しない記憶部に記憶させておく。そして、色変換部22は、その対応情報を参照することで、メタリック特色の濃さに対応するC2M2Y2K2Go2色信号の値を決定してもよい。
色変換部22は、変換後のC2M2Y2K2Go2色信号をトナー総量制限部24に出力する。
トナー総量制限部24は、C2M2Y2K2Go2色信号の和であるトナー総量Hc(=C2+M2+Y2+K2+Go2)を画素毎に求める。また、トナー総量制限部24は、制限値TAC1を総量制限値設定部23から取得する。そして、トナー総量制限部24は、トナー総量Hcと制限値TAC1との大小関係に基づき、画素毎に各色信号の値を決定する。
例えば、トナー総量Hcが制限値TAC1以下となる場合、トナー総量制限部24は、各色信号の値を変更せずに維持する。具体的には、トナー総量制限部24は、以下の処理(6)に従って、各色信号の値を決定する。
(6)C2+M2+Y2+K2+Go2≦TAC1(Hc≦TAC1)の場合
C3=C2
M3=M2
Y3=Y2
K3=K2
Go3=Go2
すなわち、トナー総量Hbが制限値TAC1以下であれば、各色成分のトナー量を制限する必要がないので、トナー総量制限部24は、各色信号の値を維持する。
一方、トナー総量Hcが制限値TAC1を超える場合、トナー総量制限部24は、以下の処理(7)に従って、各色信号の値を決定する。
(7)C2+M2+Y2+K2+Go2>TAC1(Hc>TAC1)の場合
Go3=Go2
C3=C2
M3=M2
n3=TAC1−(C3+M3+Go3)
Y3=n3×Y2/(Y2+K2)
K3=n3×K2/(Y2+K2)
すなわち、トナー総量制限部24は、Go色信号、C色信号及びM色信号の値を変更せずに維持する。また、トナー総量制限部24は、C3(C2)色信号、M3(M2)色信号、Go3(Go2)色信号及び制限値TAC1を用いて、YK色信号の比率(YKのトナー量の比率)を維持しつつ、YK色信号を制限する。具体的には、トナー総量制限部24は、C3色信号の値とM3色信号の値とGo3色信号の値とを加算し、制限値TAC1から加算値(C3+M3+Go3)を減算することで、調整係数n3を決定する。トナー総量制限部24は、Y2K2色信号の和に対する各色信号の割合に調整係数n3を乗算することで、Y3K3色信号の値を決定する。これにより、Y3K3色信号の比率が、Y2K2色信号の比率に維持される。
以上のように、トナー総量Hcが制限値TAC1を超える場合、Go色信号、C色信号及びM色信号の値を維持し、YK色信号の比率を維持しつつYK色信号を制限することで、C3M3Y3K3Go3色信号の和が制限値TAC1以下になるので、転写ディフェクトや定着ディフェクトの発生が防止される。また、Go色信号の値を維持することで、メタリック感の低下が防止される。さらに、C色信号及びM色信号の値を維持することで、色相の変化が防止又は軽減される。従って、トナー総量Hcが制限値TAC1を超える場合であっても、メタリックトナーを用いた色再現シミュレーションにおいて、色の再現性の低下が防止又は軽減される。
なお、画像処理装置20は、一例としてハードウェア資源とソフトウェアとの協働により実現される。具体的には、画像処理装置20は、図示しないCPU等のプロセッサを備えている。当該プロセッサが、図示しない記憶装置に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、画像受付部21、色変換部22、総量制限値設定部23及びトナー総量制限部24のそれぞれの機能が実現される。上記プログラムは、CDやDVD等の記憶媒体を経由して、又は、ネットワーク等の通信手段を経由して、記憶装置に記憶される。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図7に、本発明の第2実施形態に係る画像形成システムの一例を示す。画像形成システム50は、画像処理装置60と画像形成装置70とを含む。
画像処理装置60は、画像データを受けて画像処理を施し、画像処理が施された画像データを画像形成装置70に出力する。
画像形成装置70は、複数の色材を用いて、画像データに応じた画像を記録媒体としての用紙上に形成する。第2実施形態では、色材としてトナーが用いられる。他の色材としてインク等が用いられてもよい。第2実施形態では、画像形成装置70は、白色(W)トナーと、複数の基本色のトナー(カラートナー)とを用いて、電子写真プロセスを適用して用紙上に画像を形成する。例えば、画像形成装置70は、複数の基本色のトナー層(カラー層)と、白色トナーからなるトナー層(特別層としての白色層)と、を積層して用紙上に形成する。第2実施形態では、基本色として、CMYKの4色が用いられる。但し、本発明はこの例に限定されるものではなく、5色以上の色が基本色として用いられてもよい。例えば、OVG等の色が基本色に含まれていてもよい。以下では、CMYKの4色を基本色として説明する。
画像形成装置70は、給紙トレイ31と、画像形成エンジン72と、中間転写ベルト33と、2次転写器34と、定着器35と、搬送路36とを含む。
給紙トレイ31、中間転写ベルト33、2次転写器34、定着器35及び搬送路36は、第1実施形態に係る画像形成装置30に含まれる各部と同じものであるため、これらについての説明は省略する。
第2実施形態に係る画像形成エンジン72は、一例として、イエロー(Y)のトナー像を中間転写ベルト33に形成するY機構、マゼンダ(M)のトナー像を中間転写ベルト33に形成するM機構、シアン(C)のトナー像を中間転写ベルト33に形成するC機構、ブラック(K)のトナー像を中間転写ベルト33に形成するK機構、及び、白色(W)のトナー像を中間転写ベルト33に形成するW機構を含む。一例として、中間転写ベルト33の上流側から順番に、Y機構、M機構、C機構、K機構及びW機構の順番で、各機構が配置されている。画像形成エンジン72は、CMYKW各色の画像データに応じて像保持体である感光体ドラムを走査露光して感光体ドラム上に静電潜像を形成し、感光体ドラム上に形成されたトナー像を中間転写ベルト33に重畳して転写する。
ここで、画像形成装置70の動作を説明する。例えば、透明フィルム等の透明媒体に画像を形成する場合について説明する。第2実施形態では、画像形成エンジン72によって、YMCKWの順番で各色のトナー像が中間転写ベルト33に重畳して転写される。そして、2次転写器34によって、中間転写ベルト33から透明媒体にYMCKWのトナー像が転写される。透明媒体に転写されたトナー像は、定着器35によって定着させられる。これにより、例えば図8(a)に示すように、白色トナーからなる白色層81が透明媒体80上に形成され、カラートナーからなるカラー層82が白色層81上に形成される。この場合、画像(白色層81及びカラー層82)が形成されている面の方向(矢印で示す方向)から、画像が見られることを想定している。白色層81は、カラー層82の下地層として機能することになる。
また、画像形成装置70は、WKCMYの順番で各色のトナー像を中間転写ベルト33に重畳して転写し、WKCMYのトナー像を透明媒体に転写してもよい。これにより、図8(b)に示すように、カラー層82が透明媒体80上に形成され、白色層81がカラー層82上に形成される。この場合、画像が形成されている面とは反対の面の方向(矢印で示す方向)から、画像が見られることを想定している。白色層81は、カラー層82の下地層として機能するとともに、保護層としても機能する。
また色紙等の非白色媒体上に画像を形成する場合、画像形成装置70は、YMCKWの順番で各色のトナー像を中間転写ベルト33に重畳して転写し、YMCKWのトナー像を用紙に転写する。これにより、図8(c)に示すように、白色層81が非白紙媒体83上に形成され、カラー層82が白色層81上に形成される。白色層81は、カラー層82の下地層として機能することになる。
次に、図9を参照して、第2実施形態に係る画像処理装置60の構成について説明する。画像処理装置60は、画像受付部61と、色変換部62と、総量制限値設定部63と、トナー総量制限部64とを含む。
画像受付部61は、印刷対象となる画像データを受け付け、当該画像データを色変換部62に出力する。画像受付部61は、一例として、CMYKWの組み合わせで表される画像データ(C1M1K1Y1W1色信号)を受け付ける。
色変換部62は、カラーマネジメントシステム(CMS)として機能し、画像受付部61から受けた画像データを、画像形成装置70に依存する色空間であるデバイス依存色空間上の画像データに変換する。一例として、画像形成装置70のデバイス依存色空間がCMYKW色空間である場合、色変換部62は、画像受付部61から受けた画像データを、CMYKW色空間のデータに変換する。例えば、色変換部62は、画像受付部61から受けた画像データ(C1M1Y1K1W1色信号)に対して、多次元ルックアップテーブル(多次元LUT)を適用する等して、C1M1Y1K1W1色信号をデバイス依存色空間上の画像データ(C2M2Y2K2W2色信号)に変換する。そして、色変換部62は、変換後のC2M2Y2K2W2色信号をトナー総量制限部64に出力する。
総量制限値設定部63は、トナー総量の制限値TAC2をトナー総量制限部64に出力する。一例として、総量制限値設定部63は、1画素単位の制限値TAC2をトナー総量制限部64に出力する。トナー総量の制限値TAC2は予め決定された値であり、例えば、CMYKWの各色成分のトナー出力(網点面積率)の最大値をそれぞれ100%とした場合、制限値TAC2は、240〜280%に設定される。なお、制限値TAC2の値は一例であり、他の値が設定されてもよい。また、ユーザが制限値TAC2を任意の値に変更してもよい。
また、総量制限値設定部63は、用紙上に形成される隠蔽トナーの最低量(隠蔽トナー最低量β)をトナー総量制限部64に出力する。隠蔽トナーは、非隠蔽トナーと比較して、隠蔽性(隠蔽率)が高いトナーである。第2実施形態では、一例として、Wトナー及びKトナーが隠蔽トナーに該当し、CMYの各色成分のトナーが非隠蔽トナーに該当する。例えば、総量制限値設定部63は、1画素単位の隠蔽トナー最低量βをトナー総量制限部64に出力する。隠蔽トナー最低量βは、隠蔽トナー(Wトナー及びKトナー)によって最低限の隠蔽力を発現させるためのトナー量(Wトナー及びKトナーの総量)であり、予め決定された値である。隠蔽トナー最低量βは、例えば、トナーの種類、トナーの特性、及び、定着器35における定着温度等によって決定されてもよい。例えば、Wトナー及びKトナーのそれぞれの出力(網点面積率)の最大値を100%とした場合、隠蔽トナー最低量βは、0〜100%に設定される。なお、ユーザが隠蔽トナー最低量βを任意の値に変更してもよい。
トナー総量制限部64は、色変換部62から出力されたC2M2Y2K2W2色信号の和であるトナー総量Hd(=C2+M2+Y2+K2+W2)を算出する。例えば、CMYKWの各色成分のトナー出力(網点面積率)の最大値をそれぞれ100%とした場合、トナー総量Hdは0〜500%の範囲に含まれる。一例として、トナー総量制限部64は、トナー総量Hdを画素毎に算出する。そして、トナー総量制限部64は、トナー総量Hdが制限値TAC2を超える場合、隠蔽性のある色信号の和(隠蔽トナーの総量)を、隠蔽トナー最低量β以上に設定しつつ、C3M3Y3K3W3色信号の和が制限値TAC2以下となるように、各色信号を制限する。例えば、トナー総量制限部64は、画素毎にトナー量を制限する。
次に、図9及び図10を参照して、画像処理装置60の動作について説明する。図10は、画像処理装置60による処理を示すフローチャートである。
まず、画像受付部61が画像データ(C1M1Y1K1W1色信号)を受け付け(S20)、C1M1Y1K1W1色信号を色変換部62に出力する。色変換部62は、C1M1Y1K1W1色信号に対して、多次元ルックアップテーブルを適用する等して、C1M1Y1K1W1色信号をデバイス依存色空間上の画像データ(C2M2Y2K2W2色信号)に変換する(S21)。トナー総量制限部64は、制限値TAC2と隠蔽トナー最低量βとを総量制限値設定部63から取得する(S22)。また、トナー総量制限部64は、C2M2Y2K2W2色信号の和であるトナー総量Hd(=C2+M2+Y2+K2+W2)を画素毎に求める。そして、トナー総量制限部64は、以下に示す処理を行うことで、画素毎に各色信号の値を制限する。
トナー総量Hdが制限値TAC2を超えない場合(S23,No)、トナー総量制限部64は、各色信号の値を変更せずに維持する(S24)。具体的には、トナー総量制限部64は、以下の処理(10)に従って、各色成分の値を決定する。
(10)C2+M2+Y2+K2+Si2≦TAC2(Hd≦TAC2)の場合
C3=C2
M3=M2
Y3=Y2
K3=K2
W3=W2
すなわち、トナー総量Hdが制限値TAC2以下であれば、各色成分のトナー量を制限する必要がないので、トナー総量制限部64は、各色信号の値を維持する。
一方、トナー総量Hdが制限値TAC2を超えた場合(S23,Yes)、トナー総量制限部64は、カラートナー総量He(=C2+M2+Y2+K2)と制限値TAC2との大小関係によって異なる処理を実行する(S25)。
まず、カラートナー総量Heが制限値TAC2を超えない場合であって(S25,No)、制限値TAC2から非隠蔽トナー総量Hf(=C2+M2+Y2)を減算して得られる差分値(TAC2−Hf)が、隠蔽トナー最低量β以上となる場合(S26,Yes)、トナー総量制限部64は、以下の処理(11)に従って、各色信号の値を決定する(S27)。
(11)C2+M2+Y2+K2+W2>TAC2(Hd>TAC2)、かつ、
C2+M2+Y2+K2≦TAC2(He≦TAC2)、かつ、
TAC2−(C2+M2+Y2)≧β(TAC2−Hf≧β)となる場合
W3=TAC2−(C2+M2+Y2+K2)=TAC−He
C3=C2
M3=M2
Y3=Y2
K3=K2
なお、W3=β−K3でもよい。
すなわち、トナー総量制限部64は、カラートナーの成分であるCMYK色信号の値を変更せずに維持する。一方、トナー総量制限部64は、制限値TAC2からカラートナー総量Heを減算して得られる差分値(TAC2−He)を、W3色信号の値として用いる。差分値(制限値TAC2−非隠蔽トナー総量Hf)が隠蔽トナー最低量β以上となるということは、CMY色信号の値を維持した場合に、隠蔽トナーの総量(Wトナー及びKトナーの総量)を隠蔽トナー最低量β以上に設定しても、C3M3Y3K3W3色信号の和は制限値TAC2を超えることがないことを意味する。また、カラートナー総量Heが制限値TAC2以下であるので、カラートナーの色成分であるCMYK色信号の値を維持しても、C3M3Y3K3W3色信号の和は制限値TAC2を超えることはない。そこで、トナー総量制限部64は、差分値(制限値TAC2−カラートナー総量He)(=β−K3)をW3色信号の値として用いる。換言すると、制限値TAC2の観点からして、隠蔽トナーの総量(Wトナー及びKトナーの総量)を隠蔽トナー最低量β以上にする余裕があるので、K3色信号の値をK2色信号の値に維持し、W3色信号の値として差分値(制限値TAC2−カラートナー総量He)を用いる。これにより、隠蔽トナーの総量は、隠蔽トナー最低量β以上に設定される。
以上のように、カラートナー総量Heが制限値TAC2以下の場合であって、差分値(制限値TAC2−非隠蔽トナー総量Hf)が隠蔽トナー最低量β以上となる場合、W3色信号を差分値(制限値TAC2−カラートナー総量He)に制限することで、C3M3Y3K3W3色信号の和が制限値TAC2以下となるので、転写ディフェクトや定着ディフェクトの発生が防止される。また、CMYK色信号の値が変更されていないので、カラートナーによる色再現性の低下が防止される。また、隠蔽トナーの総量(Wトナー及びKトナーの総量)が隠蔽トナー最低量β以上に設定されるので、隠蔽トナーによる隠蔽性の低下が軽減され、その結果、色再現性の低下が軽減される。すなわち、最低でも隠蔽トナー最低量βの隠蔽トナーが用いられるので、隠蔽性の低下が軽減される。
なお、トナー総量制限部64は、W色信号を維持することで、W3色信号の値としてW2色信号の値を用い(W3=W2)、K3色信号の値として、差分値(TAC2−(C2+M2+Y2+W2))を用いてもよい。この場合であっても、隠蔽トナーによる隠蔽性の低下が軽減される。なお、WトナーよりもKトナーの方が、隠蔽率が高いため、隠蔽率がより高いKトナーの量を維持し、Wトナーの量を制限することで、隠蔽性の低下がより軽減され、また、より少ないトナー量によって隠蔽性が確保される。また、トナー総量制限部64は、要求されている明度に応じて、K色信号又はW色信号のいずれか一方を優先的に制限してもよい。
また、ステップS26において、差分値(制限値TAC2−非隠蔽トナー総量Hf)が隠蔽トナー最低量β以上とならない場合(S26,No)、トナー総量制限部64は、以下の処理(12)に従って、各色信号の値を決定する(S28)。
(12)C2+M2+Y2+K2+W2>TAC2(Hd>TAC2)、かつ、
C2+M2+Y2+K2≦TAC2(He≦TAC2)、かつ、
TAC2−(C2+M2+Y2)<β(TAC2−Hf<β)となる場合
K3=K2
W3=β−K3
n4=TAC2−β
C3=n4×C2/(C2+M2+Y2)
M3=n4×M2/(C2+M2+Y2)
Y3=n4×Y2/(C2+M2+Y2)
すなわち、トナー総量制限部64は、K色信号の値を変更せずに維持し、隠蔽トナー最低量βとK3色信号の値との差分値(β−K3)を、W3色信号の値として用いる。また、トナー総量制限部64は、制限値TAC2と隠蔽トナー最低量βとを用いて、CMY色信号の比率(CMYのトナー量の比率)を維持しつつ、CMY色信号を制限する。具体的には、トナー総量制限部64は、制限値TAC2から隠蔽トナー最低量βを減算することで、調整係数n4を決定する。トナー総量制限部64は、C2M2Y2色信号の和に対する各色信号の割合に調整係数n4を乗算することで、C2M3Y3色信号の値を決定する。これにより、C3M3Y3色信号の比率が、C2M2Y2色信号の比率に維持される。
差分値(制限値TAC2−非隠蔽トナー総量Hf)が隠蔽トナー最低量β未満となるということは、CMY色信号の値を維持した場合に、隠蔽トナーの総量(Wトナー及びKトナーの総量)を隠蔽トナー最低量β以上にすると、C3M3Y3K3W3色信号の和は制限値TAC2を超えることを意味する。そこで、トナー総量制限部64は、K色信号の値を維持し、差分値(β−K3)をW3色信号の値として用いる。換言すると、制限値TAC2の観点からして、隠蔽トナーを隠蔽トナー最低量β以上にする余裕がないので、最低限の隠蔽トナー量を確保するために、K色信号の値を維持し、差分値(β−K3)をW3色信号として用いる。
一方、カラートナー総量Heが制限値TAC2以下となるので、仮に、CMYK色信号の値を維持しても、転写ディフェクトや定着ディフェクトが発生しないはずである。しかしながら、差分値(制限値TAC2−非隠蔽トナー総量Hf)が隠蔽トナー最低量β未満となる場合に、隠蔽トナーの総量(Wトナー及びKトナーの総量)を隠蔽トナー最低量βに設定し、CMYK色信号の値を維持すると、C3M3Y3K3W3色信号の和は制限値TAC2を超えることになる。そこで、第2実施形態では、隠蔽トナーの総量を隠蔽トナー最低量βに設定する分、CMY色信号を制限することで、隠蔽性の低下を軽減するとともに、転写ディフェクトや定着ディフェクトの発生を防止する。
以上のように、カラートナー総量Heが制限値TAC2以下の場合であって、差分値(制限値TAC2−非隠蔽トナー総量Hf)が隠蔽トナー最低量β未満となる場合、K色信号の値を維持し、W3色信号の値として差分値(β−K3)を用い、CMY色信号の比率を維持しつつCMY色信号を制限することで、C3M3Y3K3W3色信号の和が制限値TAC2以下になるので、転写ディフェクトや定着ディフェクトの発生が防止される。また、W色信号及びK色信号の和が隠蔽トナー最低量βに設定されるので、隠蔽トナーによる隠蔽性の低下が軽減される。すなわち、隠蔽性を出すための最低限の隠蔽トナーが確保されるので、隠蔽性の低下が軽減される。また、CMY色信号の比率が維持されるので、カラートナーによる色再現性の低下が軽減される。さらに、K色信号の値を維持することで、色味のバランスの低下が軽減される。
なお、トナー総量制限部64は、W色信号を維持することで、W3色信号の値としてW2色信号の値を用い(W3=W2)、K3色信号の値として、差分値(β−W3)を用いてもよい。この場合であっても、隠蔽トナーによる隠蔽性の低下が軽減される。なお、隠蔽率がより高いKトナーの量を維持し、Wトナーの量を制限することで、Kトナーの量を制限し、Wトナーの量を維持するよりも、隠蔽性の低下がより軽減され、また、より少ないトナー量によって隠蔽性が確保される。また、トナー総量制限部64は、要求されている明度に応じて、K色信号又はW色信号のいずれか一方を優先的に制限してもよい。
また、ステップS25において、カラートナー総量Heが制限値TAC2を超える場合であって(S25,Yes)、K2色信号の値が隠蔽トナー最低量β以上となる場合(S29,Yes)、トナー総量制限部64は、以下の処理(13)に従って、各色信号の値を決定する(S30)。
(13)C2+M2+Y2+K2+W2>TAC2(Hd>TAC2)、かつ、
C2+M2+Y2+K2>TAC2(He>TAC2)、かつ、
K2≧βの場合
n5=TAC2−β
W3=0
K3=β
C3=n5×C2/(C2+M2+Y2)
M3=n5×M2/(C2+M2+Y2)
Y3=n5×Y2/(C2+M2+Y2)
すなわち、トナー総量制限部64は、W色信号の値を零(0)に設定し、K色信号の値を隠蔽トナー最低量βに設定する。また、トナー総量制限部64は、制限値TAC2と隠蔽トナー最低量βとを用いて、CMY色信号の比率(CMYのトナー量の比率)を維持しつつ、CMY色信号を制限する。具体的には、トナー総量制限部64は、制限値TAC2から隠蔽トナー最低量βを減算することで、調整係数n5を決定する。トナー総量制限部64は、C2M2Y2色信号の和に対する各色信号の割合に調整係数n5を乗算することで、C3M3Y3色信号の値を決定する。これにより、C3M3Y3色信号の比率が、C2M2Y2色信号の比率に維持される。
カラートナー総量Heが制限値TAC2を超えるということは、CMYK色成分の値を維持したのでは、転写ディフェクトや定着ディフェクトが発生するおそれがあることを意味する。このとき、C3M3Y3K3W3色信号の和を制限値TAC2以下にするために、隠蔽トナーの総量を隠蔽トナー最低量β未満に制限した場合、隠蔽性が損なわれることになる。そこで、第2実施形態では、隠蔽トナーの量を隠蔽トナー最低量βに設定するとともに、CMY色信号を制限することで、隠蔽性の低下を軽減するとともに、転写ディフェクトや定着ディフェクトの発生を防止する。
また、K2≧βとなる場合、K色信号だけで、隠蔽トナー最低量βが満たされるので、K3色信号の値として隠蔽トナー最低量βを用いることで、最低限の量の隠蔽トナーを確保する。一方で、カラートナー総量He>制限値TAC2となる場合、K色信号とW色信号との和を隠蔽トナー最低量βよりもよりも大きくした場合、CMY色信号をより制限する必要があるので、CMY色信号による色再現性がより低下してしまう。そこで、色再現性の低下を軽減するために、白色信号の値を零(0)にし、K色信号のみによって隠蔽トナー最低量βを確保する。このように、隠蔽トナー量と非隠蔽トナー量とのバランスを考慮することで、隠蔽性の低下が軽減されるともに、非隠蔽トナーによる色再現性の低下が軽減される。
また、ステップS29において、K2色信号の値が隠蔽トナー最低量β以上とならない場合(S29,No)、トナー総量制限部64は、上記の処理(12)に従って、各色信号の値を決定する(S28)。すなわち、トナー総量制限部64は、以下に示す条件に従って各色信号の値を決定する。
(12)C2+M2+Y2+K2+W2>TAC2(Hd>TAC2)、かつ、
C2+M2+Y2+K2>TAC2(He>TAC2)、かつ、
K2<βの場合
K3=K2
W3=β−K3
n4=TAC2−β
C3=n4×C2/(C2+M2+Y2)
M3=n4×M2/(C2+M2+Y2)
Y3=n4×Y2/(C2+M2+Y2)
カラートナー総量Heが制限値TAC2を超えるということは、CMYK色成分の値を維持したのでは、転写ディフェクトや定着ディフェクトが発生するおそれがあることを意味する。このとき、C3M3Y3K3W3色信号の和を制限値TAC2以下にするために、隠蔽トナーの総量を隠蔽トナー最低量β未満に制限した場合、隠蔽性が損なわれることになる。そこで、第2実施形態では、隠蔽トナーの量を隠蔽トナー最低量βに設定するとともに、CMY色信号を制限することで、隠蔽性の低下を軽減するとともに、転写ディフェクトや定着ディフェクトの発生を防止する。
また、K2<βとなる場合、K2色信号だけは、隠蔽トナーの量として隠蔽トナー最低量βが確保されないので、隠蔽力を高めるために、W色信号も用いることで隠蔽トナーの量として隠蔽トナー最低量βを確保する。一方で、カラートナー総量He>制限値TAC2となる場合、K色信号とW色信号との和を隠蔽トナー最低量βよりもよりも大きくした場合、CMY色信号をより制限する必要があるので、CMY色信号による色再現性がより低下してしまう。そこで、色再現性の低下を軽減するために、K色信号とW色信号との和を隠蔽トナー最低量βに制限する。このように、隠蔽トナー量と非隠蔽トナー量とのバランスを考慮することで、隠蔽性の低下が軽減されるともに、非隠蔽トナーによる色再現性の低下が軽減される。
以上のように、トナー総量Hdが制限値TAC2を超える場合、隠蔽トナーの量として隠蔽トナー最低量βを確保しつつ、各色信号を制限することで、転写ディフェクトや定着ディフェクトの発生が防止されるとともに、隠蔽トナーによる隠蔽性の低下が防止又は軽減され、また、カラートナーによる色再現性の低下が防止又は軽減される。
なお、上記の第2実施形態では、WトナーとKトナーとを隠蔽トナーとして扱う場合について説明したが、メタリックトナーが用いられる場合、そのメタリックトナーを隠蔽トナーとして扱って上記の第2実施形態に係る処理を行ってもよい。メタリックトナーも隠蔽性を有するため、第2実施形態に係る処理を行うことで、メタリックトナーによる隠蔽性の低下が防止又は軽減される。
(変形例1)
次に、図11を参照して、第2実施形態の変形例1について説明する。変形例1では、画像受付部61は、画像データ(C1M1Y1K1色信号)と用紙情報とを受け付ける。用紙情報は、用紙の色を示す情報や、用紙の反射率を示す情報や、用紙の透過率を示す情報等を含む。
色変換部62は、C1M1Y1K1色信号に対して、多次元ルックアップテーブルを適用する等して、C1M1Y1K1色信号をC2M2Y2K2色信号に変換する。また、色変換部62は、用紙情報に基づいてW2色信号を決定する。例えば、色変換部62は、用紙の色や反射率や透過率に応じたW2色信号を決定する。一例として、色変換部62は、用紙の反射率が低いほど、W2色信号の値を大きくする。また、用紙が透明媒体の場合、色変換部62は、用紙の透過率が高いほど、W2色信号の値を大きくする。
総量制限値設定部63は、用紙情報に応じた隠蔽トナー最低量βを決定する。例えば、用紙が色紙の場合、総量制限値設定部63は、用紙の反射率が低いほど、大きい値の隠蔽トナー最低量βをトナー総量制限部64に出力する。また、用紙が透明媒体の場合、総量制限値設定部63は、透過率が高いほど、大きい値の隠蔽トナー最低量βをトナー総量制限部64に出力する。
トナー総量制限部64は、用紙情報に基づいて決定された隠蔽トナー最低量βを用いて、上述した第2実施形態と同じ処理を行うことで、C3M3Y3K3W3色信号の値を決定する。
以上のように、用紙の色や反射率や透過率に応じた隠蔽トナー最低量βを用いることで、用紙の特性に応じた隠蔽トナーの量が確保されるので、用紙の特性に応じて要求される最低限の隠蔽性が確保されるとともに、転写ディフェクトや定着ディフェクトの発生が防止される。
(変形例2)
次に、図12を参照して、第2実施形態に係る変形例2について説明する。変形例2に係る画像処理装置60Aは、ユーザによる階調調整に応じて、隠蔽トナー最低量βを変える。
階調指示部65は、例えばユーザインターフェースであり、ユーザによる階調調整の指示を受け付ける。例えば、ユーザが階調指示部65を用いて、入力画像データに対する出力画像データの階調を指示する。
階調調整部66は、トナー総量制限部64によって決定されたC3M3Y3K3W3色信号の階調を、ユーザの指示に従って変更することで、階調調整されたC4M4Y4K4W4色信号を出力する。画像形成装置70は、そのC4M4Y4K4W4色信号に応じた画像を用紙上に形成する。
総量制限値設定部63は、ユーザによる階調調整に応じて、隠蔽トナー最低量βを変える。例えば、ユーザによって指定された階調によっては、カラートナーの量を増大させる必要がある場合がある。この場合、カラートナーの量が増大させられるほど、総量制限値設定部63は、隠蔽トナー最低量βの値を小さくする。一方、カラートナーの量を減少させても指定された階調が表現される場合、総量制限値設定部63は、隠蔽トナー最低量βの値を大きくしてもよい。このように、ユーザによって指定された階調に応じてカラートナーの量が増大させられるほど、総量制限値設定部63は、隠蔽トナー最低量βの値を小さくしてもよい。これにより、ユーザの要望に応じた階調が表現されるとともに、最低限の隠蔽トナーの量が確保される。
なお、画像処理装置60,60Aは、一例としてハードウェア資源とソフトウェアとの協働により実現される。具体的には、画像処理装置20は、図示しないCPU等のプロセッサを備えている。当該プロセッサが、図示しない記憶装置に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、画像受付部61、色変換部62、総量制限値設定部63、トナー総量制限部64及び階調調整部66のそれぞれの機能が実現される。上記プログラムは、CDやDVD等の記憶媒体を経由して、又は、ネットワーク等の通信手段を経由して、記憶装置に記憶される。
なお、以下に、付記として本発明の一例を示す。
付記1に係る発明は、特別色成分を含む複数の色成分の量を示す色成分信号を受け、前記複数の色成分の量を加算することで色材総量を求める総量算出手段と、前記色材総量が総量制限値を超える場合、前記特別色成分の種類に応じて制限対象の色成分を変えて、前記複数の色成分の中の少なくとも1つの色成分の量を制限する制限手段と、を有することを特徴とする画像処理装置である。
付記2に係る発明は、前記複数の色成分は、記録媒体上にカラー層を発現させるための複数のカラー成分と、前記カラー層に積層されるメタリック層を発現させるための色成分であって前記特別色成分としてのメタリック色成分と、を含み、前記制限手段は、前記メタリック色成分の種類に応じて制限対象の色成分を変える、ことを特徴とする付記1に記載の画像処理装置である。
付記3に係る発明は、前記メタリック色成分は銀色成分であり、前記制限手段は、前記カラー成分の量よりも前記銀色成分の量を優先的に制限する、ことを特徴とする付記2に記載の画像処理装置である。
付記4に係る発明は、前記制限手段は、前記銀色成分の量を、予め設定されたメタリック色材最低量以上の値に設定しつつ、前記複数の色成分の中の少なくとも1つの色成分の量を制限する、ことを特徴とする付記3に記載の画像処理装置である。
付記5に係る発明は、前記制限手段は、前記複数のカラー成分の総量が前記総量制限値以下であり、前記総量制限値から前記複数のカラー成分の総量を減算することで得られた差分値が、前記メタリック色材最低量以上となる場合、前記各カラー成分の量を維持しつつ、前記銀色成分の量を前記差分値に設定する、ことを特徴とする付記4に記載の画像処理装置である。
付記5に係る発明によると、転写ディフェクトや定着ディフェクトの発生が防止されるとともに、銀色成分によるメタリック感の低下が軽減され、また、カラー成分による色再現性の低下が防止される。
付記6に係る発明は、前記制限手段は、前記複数のカラー成分の総量が前記総量制限値以下であり、前記総量制限値から前記複数のカラー成分の総量を減算することで得られた差分値が、前記メタリック色材最低量未満となる場合、前記銀色成分の量を前記メタリック色材最低量に設定し、前記各カラー成分の比率を維持しつつ前記各カラー成分の量を制限する、ことを特徴とする付記4に記載の画像処理装置である。
付記6に係る発明によると、銀色成分の量としてメタリック色材最低量を用いる余裕がない場合であっても、転写ディフェクトや定着ディフェクトの発生が防止されるとともに、銀色成分によるメタリック感の低下が軽減され、また、カラー成分による色再現性の低下が軽減される。
付記7に係る発明は、前記制限手段は、前記複数のカラー成分の総量が前記総量制限値を超える場合、前記銀色成分の量を、前記メタリック色材最低量に設定し、各カラー成分の比率を維持しつつ前記各カラー成分の量を制限する、ことを特徴とする付記4に記載の画像処理装置である。
付記7に係る発明によると、複数のカラー成分の総量が総量制限値を超える場合であっても、転写ディフェクトや定着ディフェクトの発生が防止されるとともに、銀色成分によるメタリック感の低下が軽減され、また、カラー成分による色再現性の低下が軽減される。
付記8に係る発明は、前記制限手段は、前記複数のカラー成分の中のブラック成分の量を維持し、前記複数のカラー成分の中の複数の非ブラック成分の比率を維持しつつ前記複数の非ブラック成分の量を制限する、ことを特徴とする付記6又は付記7に記載の画像処理装置である。
付記8に係る発明によると、色味のバランスの低下が軽減される。
付記9に係る発明は、前記メタリック色成分は金色成分であり、前記制限手段は、前記金色成分の量よりも前記カラー成分の量を優先的に制限する、ことを特徴とする付記2に記載の画像処理装置である。
付記10に係る発明は、前記制限手段は、前記金色成分の量を維持し、前記各カラー成分の比率を維持しつつ前記各カラー成分の量を制限する、ことを特徴とする付記9に記載の画像処理装置である。
付記11に係る発明は、前記制限手段は、前記金色成分の量と、前記複数のカラー成分の中のブラック成分の量、とを維持し、前記複数のカラー成分の中の複数の非ブラック成分の比率を維持しつつ前記複数の非ブラック成分の量を制限する、ことを特徴とする付記10に記載の画像処理装置である。
付記11に係る発明によると、色味のバランスの低下が軽減される。
付記12に係る発明は、前記制限手段は、前記複数のカラー成分の中のシアン色成分の量及びマゼンダ色成分の量と、前記金色成分の量と、を維持しつつ、前記複数のカラー成分の中の前記シアン色成分及び前記マゼンダ色成分以外の色成分の量を制限する、ことを特徴とする付記9に記載の画像処理装置である。
付記13に係る発明は、前記複数の色成分は、記録媒体上にカラー層を発現させるための複数のカラー成分と、前記カラー層に積層される白色層を発現させるための色成分であって前記特別色成分としての白色成分と、を含み、前記制限手段は、前記複数のカラー成分の中のブラック成分と前記白色成分とを含む隠蔽色成分の総量が、予め設定された隠蔽色材最低量以上となるように、前記複数の色成分の中の少なくとも1つの色成分の量を制限する、ことを特徴とする付記1に記載の画像処理装置である。
付記14に係る発明は、前記制限手段は、前記複数のカラー成分の総量が前記総量制限値以下であり、前記複数のカラー成分の中の複数の非ブラック成分の総量を前記総量制限値から減算することで得られた差分値が、前記隠蔽色材最低量以上となる場合、前記複数のカラー成分の量を維持しつつ、前記隠蔽色成分の総量が前記隠蔽色材最低量以上となるように、前記白色成分の量を制限する、ことを特徴とする付記13に記載の画像処理装置である。
付記15に係る発明は、前記制限手段は、前記複数のカラー成分の総量が前記総量制限値以下であり、前記複数のカラー成分の中の複数の非ブラック成分の総量を前記総量制限値から減算することで得られた差分値が、前記隠蔽色材最低量未満となる場合、前記隠蔽色成分の総量を前記隠蔽色材最低量に設定し、前記複数の非ブラック成分の比率を維持しつつ前記複数の非ブラック成分の量を制限する、ことを特徴とする付記13に記載の画像処理装置である。
付記16に係る発明は、前記制限手段は、前記複数のカラー成分の総量が前記総量制限値を超える場合、前記隠蔽色成分の総量を前記隠蔽色材最低量に設定し、前記複数のカラー成分の中の複数の非ブラック成分の比率を維持しつつ前記複数の非ブラック成分の量を制限する、ことを特徴とする付記13に記載の画像処理装置である。
付記17に係る発明は、前記制限手段は、前記ブラック成分の量よりも前記白色成分の量を優先して制限する、ことを特徴とする付記13から付記16のいずれか一項に記載の画像処理装置である。
付記17に係る発明によると、隠蔽力は白色成分よりもブラック成分の方が高いため、白色成分の量よりもブラック成分の量を優先して制限する場合と比較して、隠蔽性の低下が軽減される。
10,50 画像形成システム、20,60,60A 画像処理装置、21,61 画像受付部、22,62 色変換部、23,63 総量制限値設定部、24,64 トナー総量制限部、30,70 画像形成装置、31 給紙トレイ、32,72 画像形成エンジン、33 中間転写ベルト、34 2次転写器、35 定着器、36 搬送路、65 階調指示部、66 階調調整部。

Claims (12)

  1. 記録媒体上にカラー層を発現させるための複数のカラー成分と、前記カラー層に積層されるメタリック層を発現させるためのメタリック色成分と、を含む複数の色成分の量を示す色成分信号を受け、前記複数の色成分の量を加算することで色材総量を求める総量算出手段と、
    前記色材総量が総量制限値を超える場合、前記メタリック色成分の種類に応じて制限対象の色成分を変えて、前記複数の色成分の中の少なくとも1つの色成分の量を制限する制限手段と、
    を有し、
    前記メタリック色成分は銀色成分であり、
    前記制限手段は、前記カラー成分の量よりも前記銀色成分の量を優先的に制限する、
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記制限手段は、前記銀色成分の量を、予め設定されたメタリック色材最低量以上に設定しつつ、前記複数の色成分の中の少なくとも1つの色成分の量を制限する、
    ことを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  3. 記録媒体上にカラー層を発現させるための複数のカラー成分と、前記カラー層に積層されるメタリック層を発現させるためのメタリック色成分と、を含む複数の色成分の量を示す色成分信号を受け、前記複数の色成分の量を加算することで色材総量を求める総量算出手段と、
    前記色材総量が総量制限値を超える場合、前記メタリック色成分の種類に応じて制限対象の色成分を変えて、前記複数の色成分の中の少なくとも1つの色成分の量を制限する制限手段と、
    を有し、
    前記メタリック色成分は金色成分であり、
    前記制限手段は、前記金色成分の量よりも前記カラー成分の量を優先的に制限する、
    ことを特徴とする画像処理装置。
  4. 前記制限手段は、前記金色成分の量を維持し、前記各カラー成分の比率を維持しつつ前記各カラー成分の量を制限する、
    ことを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  5. 前記制限手段は、前記複数のカラー成分の中のシアン色成分の量及びマゼンダ色成分の量と、前記金色成分の量と、を維持しつつ、前記複数のカラー成分の中の前記シアン色成分及び前記マゼンダ色成分以外の色成分の量を制限する、
    ことを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  6. 特別色成分を含む複数の色成分の量を示す色成分信号を受け、前記複数の色成分の量を加算することで色材総量を求める総量算出手段と、
    前記色材総量が総量制限値を超える場合、前記特別色成分の種類に応じて制限対象の色成分を変えて、前記複数の色成分の中の少なくとも1つの色成分の量を制限する制限手段と、
    を有し、
    前記複数の色成分は、記録媒体上にカラー層を発現させるための複数のカラー成分と、前記カラー層に積層される白色層を発現させるための色成分であって前記特別色成分としての白色成分と、を含み、
    前記制限手段は、前記複数のカラー成分の中のブラック成分と前記白色成分とを含む隠蔽色成分の総量が、予め設定された隠蔽色材最低量以上となるように、前記複数の色成分の中の少なくとも1つの色成分の量を制限する、
    ことを特徴とする画像処理装置。
  7. 前記制限手段は、前記複数のカラー成分の総量が前記総量制限値以下であり、前記複数のカラー成分の中の複数の非ブラック成分の総量を前記総量制限値から減算することで得られた差分値が、前記隠蔽色材最低量以上となる場合、前記複数のカラー成分の量を維持しつつ、前記隠蔽色成分の総量が前記隠蔽色材最低量以上となるように、前記白色成分の量を制限する、
    ことを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  8. 前記制限手段は、前記複数のカラー成分の総量が前記総量制限値以下であり、前記複数のカラー成分の中の複数の非ブラック成分の総量を前記総量制限値から減算することで得られた差分値が、前記隠蔽色材最低量未満となる場合、前記隠蔽色成分の総量を前記隠蔽色材最低量に設定し、前記複数の非ブラック成分の比率を維持しつつ前記複数の非ブラック成分の量を制限する、
    ことを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  9. 前記制限手段は、前記複数のカラー成分の総量が前記総量制限値を超える場合、前記隠蔽色成分の総量を前記隠蔽色材最低量に設定し、前記複数のカラー成分の中の複数の非ブラック成分の比率を維持しつつ前記複数の非ブラック成分の量を制限する、
    ことを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  10. コンピュータ
    記録媒体上にカラー層を発現させるための複数のカラー成分と、前記カラー層に積層されるメタリック層を発現させるためのメタリック色成分と、を含む複数の色成分の量を示す色成分信号を受け、前記複数の色成分の量を加算することで色材総量を求める総量算出手段
    前記色材総量が総量制限値を超える場合、前記メタリック色成分の種類に応じて制限対象の色成分を変えて、前記複数の色成分の中の少なくとも1つの色成分の量を制限する制限手段
    として機能させ、
    前記メタリック色成分は銀色成分であり、
    前記制限手段は、前記カラー成分の量よりも前記銀色成分の量を優先的に制限する
    とを特徴とするプログラム。
  11. コンピュータを、
    記録媒体上にカラー層を発現させるための複数のカラー成分と、前記カラー層に積層されるメタリック層を発現させるためのメタリック色成分と、を含む複数の色成分の量を示す色成分信号を受け、前記複数の色成分の量を加算することで色材総量を求める総量算出手段、
    前記色材総量が総量制限値を超える場合、前記メタリック色成分の種類に応じて制限対象の色成分を変えて、前記複数の色成分の中の少なくとも1つの色成分の量を制限する制限手段、
    として機能させ、
    前記メタリック色成分は金色成分であり、
    前記制限手段は、前記金色成分の量よりも前記カラー成分の量を優先的に制限する、
    ことを特徴とするプログラム。
  12. コンピュータを、
    特別色成分を含む複数の色成分の量を示す色成分信号を受け、前記複数の色成分の量を加算することで色材総量を求める総量算出手段、
    前記色材総量が総量制限値を超える場合、前記特別色成分の種類に応じて制限対象の色成分を変えて、前記複数の色成分の中の少なくとも1つの色成分の量を制限する制限手段、
    として機能させ、
    前記複数の色成分は、記録媒体上にカラー層を発現させるための複数のカラー成分と、前記カラー層に積層される白色層を発現させるための色成分であって前記特別色成分としての白色成分と、を含み、
    前記制限手段は、前記複数のカラー成分の中のブラック成分と前記白色成分とを含む隠蔽色成分の総量が、予め設定された隠蔽色材最低量以上となるように、前記複数の色成分の中の少なくとも1つの色成分の量を制限する、
    ことを特徴とするプログラム。
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