JP6157130B2 - 液体吐出装置、液体吐出装置の製造方法、金属配線の製造方法およびカラーフィルターの製造方法 - Google Patents

液体吐出装置、液体吐出装置の製造方法、金属配線の製造方法およびカラーフィルターの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、圧電体からなる隔壁部で仕切られて個別液室が形成された液体吐出装置、液体吐出装置の製造方法、金属配線の製造方法およびカラーフィルターの製造方法に関する。
液体吐出装置である液体吐出ヘッドとして、個別液室内のインクの圧力を変化させ、インクに流れを発生させ、ノズルからインクを吐出させることにより液滴を噴射するものが普及している。特にドロップオンデマンド型のヘッドが最も一般的に普及している。また、インクに圧力を印加する方式には大きく2つの方式がある。それは、圧電素子への駆動信号により個別液室内の圧力を変化させることによりインクの圧力を変化させる方式と、抵抗体への駆動信号により個別液室内に気泡を発生させインクに圧力を加える方式である。
圧電素子を用いた液体吐出ヘッドは、バルクの圧電材料を機械加工することにより、比較的容易に作製することも可能である。また、比較的インクの制約も少なく幅広い材料のインクを記録媒体に選択的に塗布できる利点も有している。このような観点から近年、液体吐出ヘッドをカラーフィルターの製造、配線形成等の工業用に利用する試みも多くなっている。
工業用に利用する圧電方式の液体吐出ヘッドの中でもシェアモード方式が多く採用されている。シェアモード方式は分極処理された圧電体に直交方向に電界を印加することによりせん断変形することを利用している。変形させる圧電体は分極処理されたバルクの圧電材料にダイシングブレードによりインク溝等を加工して形成させる隔壁部である。その隔壁部の両側面には、圧電体を駆動するための電極対が形成され、ノズルが形成されたノズルプレート及びインク供給系を形成することにより液体吐出ヘッドが構成される。
近年、液体吐出ヘッドには、高精細のパターニングが求められている。そのため、吐出液滴の微小化が必要になる。求められている液滴量がサブpl〜数pl程度の場合、液滴の大きさは通常ノズル径の大きさ程度になる。そこで、ノズル径よりも小さな液滴を形成するために、メニスカスを高速で制御するメニスカス駆動による方法が考えられている(特許文献1参照)。
特開2003−165220号公報
しかしながら、ピエゾ駆動による液体吐出装置においてノズル径をφ20[μm]程度でサブplから2pl程度の液滴を駆動方法により安定に吐出させることは困難であった。
工業用に用いられる液体吐出ヘッドにおいては、吐出の安定化と同時に高精細化も必要とされている。特に、シェアモード方式の液体吐出ヘッドにおいて、ノズル径を例えばφ15[μm]以下にした場合、液滴速度をある速度以上にすると、主滴の前に微小な液滴が高速分離してしまう。このように微小な液滴が主滴の前に形成され、しかも液滴速度が高速な場合には、主滴が対象基板に着弾する前に微小な液滴が対象基板に着弾するため、描画ドットが歪む問題があった。また、主滴の前に分離した液滴は極めて微小であるため、空気抵抗による減速の影響が大きく、対象基板に着弾する前に外乱の影響により浮遊して、意図しない箇所に着弾しまう可能性が高かった。このように、主滴の前に微小な液滴が形成されると高精細に描画することができないという問題があった。
そこで、本発明は、ノズル径が小さい場合であっても、主滴の前に微小な液滴が分離吐出せず、安定して液滴を吐出できる液体吐出装置、液体吐出装置の製造方法、液体吐出装置を用いた金属配線の製造方法およびカラーフィルターの製造方法を提供する。
本発明の液体吐出装置は、互いに対向する第1基板及び第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に高さ方向に対して直交する幅方向に間隔をあけて並設され、長手方向に延びる複数の個別液室を形成する、圧電体で構成された複数の隔壁部と、前記各隔壁部の両側面に配置され、前記各隔壁部をせん断変形させる複数の電極対と、前記各個別液室の前記長手方向の第1端部の側に配置され、前記各個別液室に接続される各ノズルが形成されたノズル部材と、前記各個別液室の前記長手方向の前記第1端部に対して反対の第2端部の側に配置され、前記第1基板及び前記第2基板と共に囲んで共通液室を形成する共通液室形成部材と、を備え、前記各個別液室は、前記第2端部において前記長手方向に対して開口する第1開口部と、前記高さ方向に対して開口する第2開口部とを介して前記共通液室に接続され、前記各電極対は、前記各隔壁部を、ノズル側の部分においてせん断変形させる電界を印加する可動領域と共通液室側の部分において前記電界を印加しない非可動領域とに分割するように、前記可動領域を挟んで対向して配置され、前記各個別液室は、前記第2端部における高さが、前記可動領域と前記非可動領域との境界上の前記第1端部に最も近い境界点における高さよりも高くなるように形成されていることを特徴とする。
また、本発明の液体吐出装置は、互いに対向する第1基板及び第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に高さ方向に対して直交する幅方向に間隔をあけて並設され、長手方向に延びる複数の個別液室を形成する、圧電体で構成された複数の隔壁部と、前記各隔壁部の両側面に配置され、前記各隔壁部をせん断変形させる複数の電極対と、前記各個別液室の前記長手方向の第1端部の側に配置され、前記各個別液室に接続される各ノズルが形成されたノズル部材と、前記各個別液室の前記長手方向の前記第1端部に対して反対の第2端部の側に配置され、前記第1基板及び前記第2基板と共に囲んで共通液室を形成する共通液室形成部材と、を備え、前記各個別液室は、前記第2端部において前記長手方向に対して開口する第1開口部と、前記高さ方向に対して開口する第2開口部とを介して前記共通液室に接続され、前記各電極対は、前記各隔壁部を、ノズル側の部分においてせん断変形させる電界を印加する可動領域と共通液室側の部分において前記電界を印加しない非可動領域とに分割するように、前記可動領域を挟んで対向して配置され、前記各個別液室は、前記第1端部における高さが、前記可動領域と前記非可動領域との境界上の前記第1端部に最も近い境界点における高さよりも低くなるように形成されていることを特徴とする。
また、本発明の液体吐出装置は、互いに対向する第1基板及び第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に高さ方向に対して直交する幅方向に間隔をあけて並設され、長手方向に延びる複数の個別液室を形成する、圧電体で構成された複数の隔壁部と、前記各隔壁部の両側面に配置され、前記各隔壁部をせん断変形させる複数の電極対と、前記各個別液室の前記長手方向の第1端部の側に配置され、前記各個別液室に接続される各ノズルが形成されたノズル部材と、前記各個別液室の前記長手方向の前記第1端部に対して反対の第2端部の側に配置され、前記第1基板及び前記第2基板と共に囲んで共通液室を形成する共通液室形成部材と、を備え、前記各個別液室は、前記第2端部において前記長手方向に対して開口する第1開口部と、前記高さ方向に対して開口する第2開口部とを介して前記共通液室に接続され、前記複数の個別液室のうち隣り合う2つの個別液室の間には、前記共通液室に非接続となり、前記各隔壁部で仕切られた空気室が、前記幅方向に前記第2開口部とオーバーラップしないように形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、ノズルの径を小さくし、吐出する液滴量を少なくする場合であっても、主滴の前に微小液滴が分離生成されることなく、安定して液滴を吐出することが可能となる。
本発明の第1実施形態に係る液体吐出装置である液体吐出ヘッドの一例としてのインクジェットヘッドを示す分解模式図である。 吐出ユニットの長手方向に垂直な面に沿う断面図である。 インクジェットヘッドの長手方向に平行な面に沿う断面図である。 個別液室及び共通液室を示す斜視図である。 インクジェットヘッドの製造方法を説明するための図である。 インクジェットヘッドの製造方法を説明するための図である。 インクジェットヘッドの製造方法を説明するための図である。 インクジェットヘッドの製造方法を説明するための図である。 インクジェットヘッドの製造方法を説明するための図である。 インクジェットヘッドの製造方法を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る液体吐出装置である液体吐出ヘッドの一例としてのインクジェットヘッドを示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る液体吐出装置である液体吐出ヘッドの一例としてのインクジェットヘッドを示す断面図である。 実施例1及び比較例のインクジェットヘッドにおける液滴の吐出状態を示す図である。 L1/L2に対するΔV/Vの関係を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る液体吐出装置である液体吐出ヘッドの一例としてのインクジェットヘッドを示す分解模式図である。図1に示すインクジェットヘッド100は、液体吐出方向A1と平行な長手方向A2に対して直交する幅方向Bに一列に並設された複数の個別液室1及び複数のダミー室2が形成された吐出ユニット10を備えている。吐出ユニット10の液体吐出側の面(前面)には、各個別液室1に対応して各ノズル30aが形成されたノズル部材としてのノズルプレート30が配置されている。吐出ユニット10とノズルプレート30とは、個別液室1とノズル30aとの位置が一致するよう(即ち、個別液室1とノズル30aとが連通するよう)アラインメントされて接着されている。これにより、各ノズル30aが各個別液室1に接続される。個別液室1は、前面から液体供給面(背面)に向けて突き抜けている。ダミー室2は、前面側には突き抜けているが、液体供給面(背面)側には突き抜けていない空気室である。
吐出ユニット10の背面側には、インクタンク(不図示)に連通するインク供給口41と、インク回収口(不図示)が設けられた、共通液室形成部材としてのマニホールド40とが接合されている。吐出ユニット10の下面には、フレキシブル基板50が接合されている。
吐出ユニット10は、互いに対向する2つの基板11,12(第1基板11及び第2基板12)と、第1基板11と第2基板12との間に高さ方向Cに対して直交する幅方向Bに間隔をあけて並設された複数の隔壁部3と、を有している。
これら隔壁部3は、長尺に形成されており、複数の隔壁部3により、長手方向A2に延びる複数の個別液室1及び複数のダミー室2が形成されている。各隔壁部3は、高さ方向Cに分極された圧電体で構成されている。
第1基板11は、PZT等の圧電材料で形成されている。第2基板12は、個別液室1及びダミー室2を封止するための天板である。第2基板12の材質は、第1基板11と同一材料であるPZT等の圧電材料、又はアルミナ等のセラミックス材料でも良い。
図2は、吐出ユニット10の長手方向A2に垂直な面に沿う断面図である。また、吐出ユニット10は、図2に示すように、各隔壁部3の幅方向Bの両側面に配置され、各隔壁部3をせん断変形させる複数の電極対(一対の電極)13を有している。つまり、各隔壁部3には、それぞれ電極対13が設けられている。具体的には、各隔壁部3には、液体吐出方向A1(長手方向A2)と直交する方向、即ち、幅方向Bの両側面に、信号電極14及び信号電極15からなる電極対13がそれぞれ設けられている。信号電極14は、ダミー室側に、信号電極15は、個別液室側に配置されている。
第1基板11の一方の面11aには、信号電極14に連続して接続され、信号電極14に電気的に導通する底面電極17と、信号電極15に連続して接続され、信号電極15に電気的に導通する底面電極18とが形成されている。ダミー室2において、両側に形成された底面電極17,17同士は、分断溝19により分断されて電気的に絶縁されている。
フレキシブル基板50(図1)は、ダミー室2側に配置した信号電極14を、グラウンドに接地するためのグラウンド電極51と、個別液室1側に配置した信号電極15に、個別に電気信号を印加するための信号電極52とを有している。
また、第1基板11において、隔壁部3が配置された側の面1aとは反対側の面には、電極生成と同時に全面に導体からなるめっきが施されている。そして、第1基板11において、隔壁部3が配置された側の面1aとは反対側の面には、ダミー室2側の信号電極14に対応する個別信号線を分断する分断溝と、個別液室1側の信号電極15に対応するGND電極信号線を分断する分断溝とが形成されている。
フレキシブル基板50を介して電極対13に電圧が印加されることにより、隔壁部3には、分極方向と直交する方向(幅方向B)に電界が印加され、隔壁部3は、幅方向Bにせん断変形する圧電素子として機能する。具体的には、信号電極15をグラウンド電位とし、この信号電極15に対して信号電極14に電圧を印加する。個別液室1内の信号電極15はグラウンド電位であるため、導電性を有する液体を用いることができる。
図3は、インクジェットヘッド100の長手方向A2に平行な面に沿う断面図であり、図3(a)は、個別液室1の断面図、図3(b)は、ダミー室2の断面図である。
図3(a)に示すように、個別液室1の液体吐出側である長手方向A2の第1端部1aの側には、ノズルプレート30が配置されている。一方、個別液室1の液体供給側である、第1端部1aに対して反対側の長手方向A2の第2端部1bの側には、マニホールド40が配置され、基板11,12及びマニホールド40に囲まれて共通液室43が形成されている。
共通液室43は、各個別液室1に接続されている。共通液室43には、不図示のインクタンクから、インク供給口41を介してインクが供給される。共通液室43に供給されたインクは、各個別液室1へ充填される。そして、電極対13によって分極方向と直交する方向に電界が印加されることにより、隔壁部3がせん断変形し、個別液室1の体積が変化する。これにより、液体(液滴)であるインク(インク滴)がノズル30aから吐出される。
本実施形態では、図2に示すように、複数の隔壁部3は、第1基板11の一方の面11aから突出するように互いに幅方向Bに間隔をあけて形成されている。即ち、複数の隔壁部3は、一方の面11aに、幅方向Bに間隔をあけて突設されている。そして、各隔壁部3の先端部3aと、第2基板12の一方の面12aとが接着剤16によって接合されて、個別液室1とダミー室2とが隔壁部3で仕切られて幅方向Bに交互に形成される。つまり、複数の個別液室1のうち隣り合う2つの個別液室1,1の間には、各隔壁部3で仕切られたダミー室2が形成されている。ダミー室2は、共通液室43に非接続となる空気室である。
隔壁部3は、図2中の矢印で示すように、第1基板11の一方の面11aから突出し、高さ方向Cと平行方向に分極された基端側圧電体3Aと、それとは逆方向に分極された先端側圧電体3Bとが接着剤3Cによって接合された、シェブロン構造となっている。
本実施形態では、ノズル30aの径が、5[μm]〜15[μm]の範囲内である。つまり、ノズル30aから吐出させる液滴量を微小(例えば、1[pl]〜3[pl])にするために、ノズル30aの径を小さくしている。
図4は、個別液室1及び共通液室43を示す斜視図である。図4(a)は、第1開口部、図4(b)は、第2開口部を説明するための個別液室1及び共通液室43を示す斜視図である。
各個別液室1は、第2端部1bにおいて長手方向A2に対して開口する第1開口部1cと、高さ方向Cに対して開口する第2開口部1dとを介して共通液室43に接続されている。つまり、第1開口部1cは、長手方向A2に対して垂直な面に対向し、第2開口部1dは、高さ方向Cに対して垂直な面に対向している。
このように、個別液室1は、共通液室43に2面で接触している。第2開口部1dは、第2端部1b側に配置され、第2端部1bから長手方向A2に沿ってノズル側である第1端部1aに向かって延びている。第1開口部1cと第2開口部1dとは、開口方向が直交している。
第2基板12には、ざぐり部(凹部)12cが形成されている。共通液室43は、マニホールド40により形成された空間である液室部分43Aと、液室部分43Aに連接され、基板12のざぐり部(凹部)12cにより形成された空間である液室部分43Bとで構成されている。このざぐり部12cは、図1に示すように、第2基板12の長手方向A2の共通液室側の端面12bと基板12の面12aとに跨って形成された凹部である。つまり、図3に示すように、液室部分43Bは、液室部分43Aから長手方向A2に沿ってノズル側に延びるようにざぐり部12cにより形成されている。個別液室1は、第1開口部1cを通じて液室部分43Aに接続されると共に、第2開口部1dを通じて液室部分43Bに接続される。
ざぐり部12cはドリル加工にて形成する。深さは0.2[mm]〜1[mm]、ざぐり部12cの長手方向A2に対応する長さL1は、個別液室1の長手方向A2の全長L2の0.2倍〜0.7倍程度である。
また、ダミー室2は、幅方向Bに第2開口部1dとオーバーラップしないように形成されている。つまり、幅方向Bから見てダミー室2と第2開口部1dとが重ならないように、ダミー室2の長手方向A2の長さが設定されている。換言すると、ダミー室2は、ダミー室2と共通液室43の液室部分43Bとが接触しないように、個別液室1よりも長手方向A2に短く形成されている。これにより、ダミー室2と共通液室43とが連通しないようになっている。
本実施形態では、インクが個別液室1の2方向から導入されることから、個別液室1内にてインクの流れが乱れる。これにより、ノズル30aへの液体吐出方向A1への流れだけでなく、液体吐出方向A1に対し、直交方向の流れが局所的に発生する。この作用により、ノズル30aの液体入口付近の流れが、ノズル30aの中心部に集中するようなインクの流速を緩和している。この結果、主滴から微小液滴が分離する現象を抑制することができ、安定して液滴を吐出することが可能となる。
また、第1開口部1cと第2開口部1dとは、接触して形成されている。これにより、第1開口部1cと第2開口部1dとがつながった1つの大きな開口部が形成されている。そのため、個別液室1におけるインクの流路抵抗が低下するので、各開口部1c,1dからインクが個別液室1に流入しやすくなり、より効果的にインクの流速がノズル30aの中心部に集中するのを緩和することができる。したがって、より効果的に、主滴から微小液滴が分離する現象を抑制することができる。
また、第1開口部1cは、個別液室1の第2端部1bにおける長手方向A2に垂直な面に沿う断面、即ち、個別液室1の第2端部1bにおける端面と一致している。つまり、個別液室1の後方側での開口面積が最大となり、絞り部が形成されない。そのため、微小液滴の発生する主滴速度の閾値が更に上昇し、より効果的に、主滴から微小液滴が分離する現象を抑制することができる。
次に、インクジェットヘッド100の製造方法について説明する。まず、圧電基板24の製造方法について図5を用いて説明する。図5(a)に示す圧電板23Aは、圧電材料の母材を板厚方向に分極処理した基板である。圧電材料としては、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛:PbTiZrO)、チタン酸バリウム、PLZT(ランタン置換チタン酸ジルコン酸鉛)等の、圧電作用を有する材料を使用する。
圧電板23Aを形成するためには、まず圧電材料を焼結させ所望の形状に加工する。その後、HIP(Hot Isostatic Pressing)を行う。具体的な処理としては、一度焼結したセラミック素材を1000℃以上、1000気圧以上のガス圧でさらに焼き固める。この処理によって焼結体中のボイド(気泡)を減少させることが可能となる。主に、微細加工を施す場合にこの処理を用いる。このHIP処理後の基板の上下面に分極処理用電極としてAgペーストを数[μm]程度形成させる。次に、2〜5[kV/mm]の電界を電極に印加し分極処理を行う。最終的に、分極に利用した電極を研削処理し、圧電板23Aを形成する。分極の方向は、図5(a)中矢印P1方向である。
同様に、圧電板23Aよりも板厚の薄い基板を同様な工程で図5(b)に示す分極処理が施された圧電板23Bを形成する。圧電板23Bの分極方向は、圧電板23Aの分極方向と逆方向の矢印P2方向である。
次に、図5(c)に示すように、圧電板23Aにエポキシ接着剤等の接着剤3Cをスクリーン印刷等で数[μm]〜十数[μm]程度塗布する。その後、接着剤3Cを塗布してある面に圧電板23Bを分極方向が上方向になるように接合させ、加熱圧着し、圧電板23Aと圧電板23Bとを接着剤3Cにより接合し、図5(d)に示す圧電基板24が得られる。
次に、図6を用いて、個別液室1の加工について説明する。図6(a)は、圧電基板の正面図、図6(b)は、図6(a)のD−D線に沿う圧電基板の断面図である。図6(a)に示すように、ダイシングブレードを用いて圧電基板24に個別液室1を形成する。ダイシングブレード厚さは、40[μm]〜80[μm]とする。ダイシングブレード径はΦ51[mm]〜102[mm]程度を用いるのが一般的である。圧電材料の加工にはダイヤモンド砥粒として#1000〜#1600程度のものを用いる。砥粒ボンドにはレジンボンドを採用するのがよい。ダイシング装置としては、少なくとも2軸制御可能な装置であれば問題無い。ダイシングブレードの回転速度は2000[rpm]〜30000[rpm]程度とする。ダイシングブレードが加工時の加工部材への応力を低減するためにステージ送り速度は0.1[mm/s]〜0.5[mm/s]に設定する。個別液室1の深さは、図6(b)ノズル側である第1端部1aが浅く絞ってある。インク供給側である第2端部1bに対しては、一定の深さであり、その深さは150[μm]〜400[μm]程度である。個別液室1の深さは、接着剤3Cの層がほぼ高さ方向Cに対して中心位置になるように圧電基板24の板厚も設定する必要がある。なお、個別液室1の深さは、第1端部1aから第2端部1bに向かって一定であっても良い。
次に、図7を用いて、ダミー室2の加工について説明する。図7(a)は、圧電基板の正面図、図7(b)は、E−E線に沿う圧電基板の断面図である。図7(a)に示すように、個別液室1と同様、ダイシングブレードを用いて圧電基板24にダミー室2を形成する。ダミー室2は、個別液室1を形成する隔壁部3により挟まれて形成されている。
ダミー室2を持つ構造では、個別液室1を単独で制御可能である利点を有している。ダイシングブレードの厚さは、60[μm]〜150[μm]である。ダイシングブレードの径はΦ51[mm]〜102[mm]程度とするのが一般的である。圧電材料の加工にはダイヤモンド砥粒は#1000〜#1600程度のものを用いる。砥粒ボンドにはレジンボンドを採用するのがよい。ダイシング装置としては、少なくとも2軸制御可能な装置であれば問題無い。ダイシングブレードの回転速度は2000[rpm]〜30000[rpm]程度とする。ダイシングブレードが加工時の加工部材への応力を低減するためにステージ送り速度は0.1[mm/s]〜0.5[mm/s]に設定する。
ダミー室2の加工位置は、図7(a)に示すように、2つの個別液室1の間の中央である。ダミー室2の深さは、図7(b)に示すように、高さ方向Cに対して、インク供給側の端部2bが浅く絞ってあり、インク供給側の端部2bにおいて共通液室43と連通しないように溝が途中までとなっている。これは、ダミー室2にインクが入らないようにするためである。ノズル側の端部2aに対しては一定の深さであり、ダミー室2の加工深さは、個別液室1の深さと同一もしくは+15%以内とする。個別液室1,1の間にダミー室2を加工することにより、隔壁部3が個別液室1の両側に形成される。隔壁部3が変位する圧電素子となる。隔壁部3は反対方向に分極された圧電体からなる。
次に、図8を用いて、引き出し電極溝7の加工について説明する。図8(a)は、圧電基板の正面図、図8(b)は、E−E線に沿う圧電基板の断面図である。図8(a)及び図8(b)に示すように、圧電基板24のノズル側において、ダミー室2の端部2aにつながる引き出し電極溝7を、ダイシングブレードにより同様に形成する。加工条件はダミー室2の形成と同一である。つまり、図8(a)に示すように、ノズルプレートが接着される接着面25に、ダミー室2に連通する引き出し電極溝7を形成する。
次に、図9を用いて、電極対13の形成について説明する。なお、信号電極15は、個別液室1側に配置され、フレキシブル基板50のグラウンド電極51に電気的に接続され、グラウンドに接地される。信号電極14は、ダミー室2側に配置され、フレキシブル基板50の信号電極52に電気的に接続され、電圧が印加される。
電極となる導体26を、電気的絶縁性を有する圧電基板24の表面に無電解めっき処理にて形成する。この無電解めっき処理は、Niめっき等を形成する処理である。無電解めっき工程としては、まず、圧電基板24の表面を適当なエッチング剤で表面に微細な窪みを形成する。次に、圧電材として広く利用されているPbを表面から除去する脱鉛処理を行う。さらに、めっき触媒として、最表面にSnやPdを吸着させる。第1段階は、濃度0.1%塩化第1錫水溶液につけて、塩化第1錫を吸着させる。続いて吸着した塩化錫と塩化パラジウムの酸化還元反応により、金属パラジウムを表面に吸着させる。この状態で、Niめっき液に浸漬することで、Niの無電解めっき膜からなる導体26が成長する。Niめっき膜としては、Ni−P、Ni−Bの何れでも良い。膜厚は、表面を被覆することや抵抗値を考慮して決定される。0.5[μm]〜2.0[μm]程度に設定する。
次に、不要部分のめっき除去について説明する。除去する部分として、隔壁部3の上側部分及びノズルプレート接着面を研磨により除去する。除去する量としては、めっき膜である導体26の厚さの3〜10倍程度除去すると良い。
次に、各個別液室1に対して、個別に隔壁部3を駆動させるために、ダミー室2の底部において、分断溝19により信号電極14,14に分断する。分断溝19は、これまでの溝加工と同様にダイシングブレードで加工する。分断溝19の幅は、ダミー室2の1/2から1/3程度の幅が望ましい。深さとしては10[μm]〜50[μm]程度が望ましい。分断位置は、ダミー室2内の底部の長手方向に全てであり、かつ引き出し電極溝7内の前面に亘って分断する。このように、ダミー室2にて分断溝19で信号電極14,14に分断することで、各個別液室1に対応する信号電極14同士を電気的に絶縁することができる。
次に、図10を用いて、逃げ溝6の加工について説明する。図10(a)は、圧電基板の正面図、図10(b)は、E−E線に沿う圧電基板の断面図である。分断溝19に加えて、図10(a)及び図10(b)に示すように、各引き出し電極溝7を横断するように、圧電基板24の前面の個別液室1の下側に、接着剤の逃げ溝6を形成する。深さとしては、5[μm]〜40[μm]程度が望ましい。
次に、ノズルプレート30(図1参照)にインクを吐出させるためのノズル30aを複数形成する。ノズルプレート30の材質は、ポリイミド、ニッケル、SUS等のいずれでも良い。ポリイミドの場合には、撥インク膜として含フッ素高分子を含む溶媒をスピン塗布方法等でコーティングする。含フッ素高分子としては、ポリジパーフルオロアルキルフマレート、テフロンAF(登録商標)、サイトップ(登録商標)のような溶媒可溶性含フッ素重合体があるがこれに限定されるものではない。ノズル30aは、撥インク膜の裏面側にエキシマレーザ光を集光、照射することで形成する。
そして、隔壁部3が設けられた第1基板11(加工を終えた圧電基板24)に対して、ノズルプレート30、マニホールド40、第2基板12及びフレキシブル基板50をアライメント接着し、インクジェットヘッド100が完成する。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る液体吐出装置について説明する。本実施形態においても、液体吐出装置は、インクジェットヘッドである。図11は、本発明の第2実施形態に係る液体吐出装置である液体吐出ヘッドの一例としてのインクジェットヘッドを示す断面図である。図11(a)は、個別液室に沿う断面図、図11(b)は、ダミー室に沿う断面図である。なお、上記第1実施形態と同様の構成については、同一符号を用い、その説明については省略する。
インクジェットヘッド100Aは、上記第1実施形態と同様、基板11,12、ノズルプレート30及びマニホールド40を備えている。また、インクジェットヘッド100Aは、上記第1実施形態と同様、複数の隔壁部を備えており、複数の個別液室1及び複数のダミー室2が形成されている。
各隔壁部において、各電極対13は、ノズル側の部分でせん断変形させる電界を印加する可動領域R1と、共通液室側の部分で電界を印加しない非可動領域R2とに2分割するように、各隔壁部3の両側面に可動領域R1を挟んで対向して配置されている。
なお、本第2実施形態では、隔壁部3の両側面において、個別液室1側の側面全体、及びダミー室2の側面全体に導体が形成されているが、幅方向から見て互いに重なる部分(図11(a)中、斜線部分)のみが、信号電極14,15となる。
ここで、幅方向から見て、可動領域R1と非可動領域R2との境界X上の第1端部1aに最も近い境界点をPとする。また、境界点Pにおける長手方向A2に垂直な面に沿う個別液室1の断面の断面積をS1とし、第2端部1bにおける長手方向A2に垂直な面に沿う個別液室1の断面の断面積をS2とする。
各個別液室1は、断面積S2が断面積S1よりも広くなるように形成されている。本第2実施形態では、個別液室1の幅は、第1端部1aから第2端部1bに亘って一定の長さに形成されている。したがって、本第2実施形態では、第2端部1bにおける各個別液室1の高さH2が、境界点Pにおける各個別液室1の高さH1よりも高い。
このとき、個別液室1において、長手方向A2に垂直な面に沿う断面の断面積は、境界点Pから長手方向A2に共通液室43に向かって大きくなっており、共通液室43に接する面の断面積S2は、個別液室1の断面積において最大面積である。
本第2実施形態では、各個別液室1は、各個別液室1の長手方向A2に垂直な面に沿う断面の断面積が、境界点Pから第2端部1bに向かうに連れて連続的に広くなるように形成されている。なお、断面積が連続的に変化するものとしたが、段階的に広くなるように形成してもよい。したがって、個別液室1において、長手方向A2の中央部よりもノズル側に圧力中心があり、ノズルにおける液体としてのインクに効果的に圧力を付与することができる。
また、各個別液室1は、第1端部1aにおける高さが、可動領域R1と非可動領域R2との境界上の第1端部1aに最も近い境界点Pにおける高さよりも低くなるように形成されている。したがって、ノズルの近傍で効果的に液体としてのインクに圧力を付与することができる。
以上、本第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様、ノズルの径を小さくし、吐出する液滴量を少なくする場合であっても、主滴の前に微小液滴が分離生成されることなく、安定して液滴を吐出することが可能となる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る液体吐出装置について説明する。本実施形態においても、液体吐出装置は、インクジェットヘッドである。図12は、本発明の第3実施形態に係る液体吐出装置である液体吐出ヘッドの一例としてのインクジェットヘッドを示す断面図である。図12(a)は、個別液室に沿う断面図、図12(b)は、ダミー室に沿う断面図である。
インクジェットヘッド100Bは、上記第1実施形態と同様、基板11,12、ノズルプレート30及びマニホールド40を備えている。また、インクジェットヘッド100Bは、上記第1実施形態と同様、複数の隔壁部を備えており、複数の個別液室1及び複数のダミー室2が形成されている。
上記第1実施形態では、第2基板12にざぐり部12cが形成されて、第2開口部1dを通じて個別液室1に接続される共通液室43の液室部分43Bが形成される場合について説明したが、これに限定するものではない。ざぐり部は、第1基板及び第2基板の少なくとも一方に形成されていればよく、図12に示すように、第1基板11にざぐり部11cが形成されていてもよい。この構成であっても、上記第1実施形態と同様、ノズルの径を小さくし、吐出する液滴量を少なくする場合であっても、主滴の前に微小液滴が分離生成されることなく、安定して液滴を吐出することが可能となる。
[実施例1]
次に、実施例1に係るインクジェットヘッドについて説明する。図5に示す圧電板23A,23Bの材料としてPZT(チタン酸ジルコン酸鉛:PbTiZrO)を使用した。図5の圧電板23A,23Bを形成するために焼結を行った後、HIP処理として1100℃、1000気圧ガスでさらに焼き固めた。ガスはAr100%雰囲気とした。このHIP処理により、ボイドは8%から3%に減少させることができた。このHIP処理後の圧電板23A,23Bの上下面に分極処理用電極としてAgペーストを3[μm]形成させた。次に、2[kV/mm]の電圧を上下電極に印加し分極処理を行った。分極に利用した電極を研削処理し、圧電板23A,23Bを形成した。この時、圧電基板24の板厚が150[μm]になるように研削した。
次に、圧電板23Aと圧電板23Bとをエポキシ接着剤等の接着剤3Cにより接着した。エポキシ接着剤として、(株)スリーボンド社製の2液混合タイプで熱硬化型である接着剤(主剤:2022、硬化剤:2131D)を用いた。基板23Aの分極方向を下方向にするようにして、エポキシ接着剤を上面にスクリーン印刷で10[μm]塗布した。その後、接着剤3Cを塗布してある面に圧電板23Bを分極方向が上方向になるように接合させ、100℃に加熱圧着し圧電板23Aと圧電板23Bとを接合させ、1時間保持し、硬化接着して圧電基板24を作成した。
図6に示すように、圧電基板24に個別液室1を形成した。ダイシングブレード厚さは、50[μm]であった。ダイシングブレード径はΦ64[mm]であった。ダイヤモンド砥粒は#1600を用いた。ダイシング装置としては、ディスコ社製ダイシングソーDAD6240 Fully Automatic Dicing Saw(1.2[kW]スピンドル)を使用した。ダイシングブレードの回転速度は20000[rpm]に設定した。ステージ送り速度は0.2[mm/s]に設定した。個別液室1の深さは300[μm]であった。複数の個別液室1のピッチは、254[μm]であった。本実施例1では1列に100個の個別液室1を製作した。
次に、図7に示すように、圧電基板24にダミー室2を形成した。ダイシングブレード厚さは、100[μm]であった。ダイシングブレード径は個別液室1の加工と同一径であるΦ64[mm]を用いた。砥粒も同一の#1600を用いた。ダイシングブレードの回転速度及びステージの送り速度に関しても個別液室1の加工と同一条件で加工した。ダミー室2の加工深さは、330[μm]であった。隔壁部3の厚さは52[μm]であった。
次に、図8に示すように、ダミー室2に引き出し電極溝7を、ダイシングブレードにより同様に形成した。加工条件はダミー室2の形成と同一とした。溝深さは400[μm]であった。
次に、図9に示すように、信号電極14,15を形成するため、無電解めっき工程として、圧電基板24の表面をフッ酸希釈液にて表面に微細な窪みを形成し、次に、50%硝酸液に5分間室温で浸漬し、Pbを表面から除去する脱鉛処理を行った。触媒付与工程として、第1段階は、濃度0.1%塩化第1錫水溶液に室温で2分間浸漬し、塩化第1錫を吸着させた。続いて吸着した塩化錫と0.1%塩化パラジウム水溶液に室温で2分間浸漬し酸化還元反応により、金属パラジウムを表面に吸着させた。この状態で、Niめっき液としては、基本浴に金属塩として硫酸ニッケル、還元剤としてDMAB{(CHNH・BH}を使用した。めっき浴温度は60℃とし、pH6.0にNaOHとHSOを用いて調整した。この方法で、圧電基板24の表面にNi−Bのめっき導体26を0.8[μm]形成した。さらに、ニッケル表面に金を形成した。金は、置換金めっきにより形成した。置換金めっき浴として亜硫酸金ナトリウム塩とするノーシアンタイプを使用し、浴温68℃、pH7.3にて膜厚として0.05[μm]形成した。
次に、隔壁部3の上側部分及びノズルプレート接着面を、5[μm]研磨により除去した。次に、各個別液室1に対して、個別に隔壁部3を駆動させるために、ダミー室2の底部において信号電極14,14に分断する分断溝19を形成した。分断方法としては、ダイシングブレードで分断加工した。ブレード幅は40[μm]であった。分断溝19の加工深さとしては、20[μm]とした。
また、図10に示すように、引き出し電極溝7を横断するように前面の個別液室の開口部の下側に接着剤の逃げ溝6を、分断溝19と同一のブレードを用いて形成した。深さは、20[μm]とした。
図1に示すように、ノズルプレート30にインクを吐出させるためのノズル30aを形成した。ノズルプレート30の材質は、ポリイミドとした。撥インク膜としてサイトップ(登録商標)を吐出側の表面に形成した。その後、撥インク膜の反対側にエキシマレーザ光を集光し、ノズル30aを形成した。ノズル30aの出射側がφ4、5、7、10、12、15、18[μm]のノズルプレート30を作成した。レーザ加工の出射側の小さい径が液滴形成のためのノズル30aの出射部に相当する。
マニホールド40は、個別液室1にインクを供給するためのインク供給口41を有している。本実施例1では、インク供給口41に対して対称位置にインク出口を設けてインクが循環する構成とした。
天板としての第2基板12の材質は、第1基板11と同一材料であるPZTとした。第2基板12には、ざぐり部12cをドリル加工にて形成した。深さは600[μm]、個別液室1の長手方向A2の第2開口部1dの長さは、個別液室1の長手方向A2の全長の0.4倍とした。
フレキシブル基板50は個別液室1をグランドに接続する電極51及び隔壁部3のダミー室側に設けた信号電極14に個別に電気信号を印加するための電極52がある。また、第1基板11の隔壁部3を設けた面とは反対側の面においては、電極生成時に同時に全面にめっきを形成した。そのため、そのため第1基板11の隔壁部3を設けた面とは反対側の面において、ダミー室2側の信号電極14に対応する個別信号線を分断する分断溝をエキシマレーザを用いて形成した。さらに、個別液室1のGND電極信号線とも電気的に分断する分断溝もエキシマレーザにて形成した。フレキシブル基板50と第1基板11との電気的接合は、熱圧着によりアライメント接着した。
最後に、図1に示すように、隔壁部3が設けられた第1基板11(加工を終えた圧電基板24)に対して、ノズルプレート30、マニホールド40、第2基板12及びフレキシブル基板50をアライメント接着し、インクジェットヘッド100を完成させた。
比較例として、第2基板の材質及び外形寸法が同一のもので、ざぐり部の加工が無いものを作成した。
本実施例1では、インクジェットヘッド100のインクとしてはエチレングリコール85%、水15%の混合液を用いた。インクはマニホールド40のインク供給口41からタイゴンチューブを経由し導入した。
液滴を吐出するための駆動条件としては、パルス幅8[μs]の矩形波を印加した。吐出周波数として5000[Hz]で吐出状態の顕微鏡観察を行った。駆動電圧をスイープさせ液滴の飛翔状態の評価をした。
評価の一例を図13に示す。図13はナノパルス光源を利用した飛翔状態の液滴を顕微鏡観察したものである。図13(a)は、主滴の前に微小な液滴が分離飛翔している状態を示しており、この飛翔状態はNGである。図13(b)は、主滴の前に微小な液滴が分離していない正常な吐出状態を示している。
駆動電圧を上げると主滴の速度も上がる。さらに、駆動電圧を上げるとある速度以上になるとノズル径に応じて主滴の前に微小液滴が分離発生するようになる。この時の最大主滴の速度を表1に示す。特に工業用インクジェットヘッドとしては着弾精度の観点から主滴の速度は5[m/s]以上が必要である。
表1から本実施例1では、ノズル30aの径φが5[μm]以上では主滴の速度が5[m/s]以上であっても、先頭に微小液滴が分離しない正常な吐出が可能であった。ノズル30aの径φが4[μm]以下では安定吐出ができず不吐状態であった。また、ノズル径φが15[μm]を超える場合においては、比較例であっても主滴の速度が5[m/s]以上を達成可能であった。
つまり、ノズル30aの径φが5[μm]〜15[μm]に対して、シェアモード構造を持つ個別液室1において、ノズル30aに対して、後方側に位置する共通液室43との接触面が2面を持つ本実施例1の効果が確認できた。
比較例の後方部のみのインク供給面ではノズルに対するインクの流れが安定となる。通常のノズルの径であれば問題ないが、ノズルの径を小さくして液滴を小さくしようとする場合、個別液室の流速がノズル内の微小領域で急激にノズルの中心部で上昇する現象が発生する。
本実施例1では、インク供給の流れを後方の2方向から導入することにより、インクの流れを乱すことにより液体吐出方向への流れだけでなく、液体吐出方向に対し直交方向の流れを局所的に発生させている。この効果により、ノズル30aの入射付近の流れがノズル30aの中心部に集中するような流速分布を緩和している。この結果、先頭に微小液滴が分離する現象を抑制している。そのため、個別液室1の後方部の共通液室43との接触面ができるだけ広い方が効果が高い。つまり、本実施例1では、個別液室1と共通液室43との接触面積が最大となるように、第1開口部1cには、絞り部は設けない。
なお、絞り構造を付与した場合、先頭分離微小液滴の発生する主滴速度の閾値が低下した。特に、φ10[μm]以下では先頭分離微小液滴の発生する主滴速度の閾値が5[m/s]未満に低下し、安定着弾が可能な吐出ができなくなった。
[実施例2]
次に、実施例2に係るインクジェットヘッドについて説明する。本実施例2では、図11に示すインクジェットヘッドを作成した。
図5に示す分極方向が逆の圧電板23A,23Bを貼り合わせる圧電基板24の作成方法は、上記実施例1と同様とした。
次に、圧電基板24に個別液室1を形成した。ダイシングブレード厚さは、50[μm]であった。ダイシングブレード径はΦ64[mm]であった。ダイヤモンド砥粒は#1600を用いた。ダイシング装置としては、ディスコ社製ダイシングソーDAD6240 Fully Automatic Dicing Saw(1.2[kW]スピンドル)を使用した。ダイシングブレードの回転速度は20000[rpm]に設定した。ステージ送り速度は0.2[mm/s]に設定した。個別液室1の深さは300[μm]であった。複数の個別液室1のピッチは254[μm]であった。本実施例2では1列に100個、個別液室1を製作した。
引き続き、同様の加工方法で、図11に示すように、個別液室1の第2端部1b側が深くなるように追加加工した。追加加工したことによる個別液室1の共通液室側の深さは、800[μm]であった。また、この個別液室1における追加加工した部分の長手方向A2の共通液室側からの長さは、個別液室1の全長の0.6倍とした。本実施例2では、個別液室1の幅は同一で、共通液室側で高さがさらに高い未変位部を持つ構造となっている。
ダミー室2は上記実施例1と同様に製作した。また、引き出し電極溝7、信号電極14,15、不要部のめっき除去、電極分断溝19、接着剤逃げ溝6、ノズルプレート30の加工に関しても上記実施例1と同様とした。
図11にて、第2基板12のざぐり部12cの長手方向A2の長さは、個別液室1の長手方向A2の全長の0.5倍とした。フレキシブル基板の接合工程に関しては上記実施例1と同様である。最後に、図11に示すように、隔壁部が設けられた第1基板11(加工を終えた圧電基板24)に対して、ノズルプレート30、マニホールド40、第2基板12及びフレキシブル基板をアライメント接着し、インクジェットヘッド100Aを完成させた。
本実施例2では、インクジェットヘッド100Aのインクとしては上記実施例1と同一のインクを用いた。インクはマニホールド40のインク供給口41からタイゴンチューブを経由し導入した。吐出観察結果による先頭微小液滴の発生状態を上記実施例1と同様な評価を行った。
上記実施例1と同様にこのときの最大主滴の速度を表2に示す。特に工業用インクジェットヘッドとしては着弾精度の観点から主滴の速度は5[m/s]以上が必要である。
表2から本実施例2においても、ノズルの径φが5[μm]以上では、主滴の速度が5[m/s]以上であっても、先頭に微小液滴が分離しない正常な吐出が可能である。ノズルの径φが4[μm]以下では、安定吐出ができず不吐状態であった。
つまり、ノズルの径φが5[μm]〜15[μm]に対して、シェアモード構造を持つ個別液室において、ノズルに対して後方側に位置する共通液室との接触面が2面を持つ本実施例2の効果が確認できた。
[実施例3]
上記実施例1において、個別液室1の長手方向A2の長さL2に対するざぐり部12c(第2開口部1d)の長手方向A2の長さL1の比L1/L2に対して効果を確認した。ざぐり部12cの長手方向A2の長さの比以外は上記実施例1と同一の形態で実施した。
評価に関しても、上記実施例1と同一の評価を行った。評価結果として、ざぐり部が無い状態での先頭に微小液滴が発生する最大速度をVとして、最大速度の上昇(効果)分をΔVとした。図14に結果を示す。縦軸は比較例での最大速度Vで規格化している。これによると、(ざぐり部の長さ(ざぐり長)L1)/(個別液室1の全長L2)は0.2以上で顕著な効果が見られ、0.7を超えると効果が無くなることがわかった。0.7を超えると個別液室の変位領域の長さが短くなり吐出力が無くなり吐出しなくなった。
つまり、第2開口部1dの長手方向A2の長さをL1、個別液室1の長手方向A2の長さをL2としたとき、L1/L2が0.2〜0.7の範囲内であると、微小液滴の抑制効果が顕著となる。
[実施例4]
次に、実施例4に係るインクジェットヘッドについて説明する。本実施例4では、図12に示すインクジェットヘッドを作成した。
まず、図5に示すように分極方向が逆の圧電板23A,23Bを貼り合わせる圧電基板24の製作に関しては、上記実施例1と同様とした。
次に、図6に示すように、圧電基板24に個別液室1を形成した。ダイシングブレード厚さは、60[μm]とした。ダイシングブレード径はΦ51[mm]であった。ダイヤモンド砥粒は#1600を用いた。ダイシング装置としては、ディスコ社製ダイシングソーDAD6240 Fully Automatic Dicing Saw(1.2[kW]スピンドル)を使用した。ダイシングブレードの回転速度は20000[rpm]に設定した。ステージ送り速度は0.2[mm/s]に設定した。個別液室1の深さは250[μm]であった。複数の個別液室1のピッチは254[μm]であった。本実施例4では1列に100個の個別液室1を製作した。
ダミー室2は上記実施例1と同様に製作した。また、引き出し電極溝7、信号電極14,15、不要部のめっき除去、電極分断溝19、接着剤逃げ溝6、ノズルプレート30の加工に関しても上記実施例1と同様とした。
図12に示すように、第2基板12については、外形加工のみとした。
そして、第1基板11に設けた隔壁部と、第2基板12とをアライメントし、接着した。その後、第1基板11における個別液室1の下部に、共通液室43の液室部分43Bとして、ダイシングブレード加工によりざぐり部11cを加工した。このとき、共通液室との接触隔壁の損傷を防止するために加工領域にワックスを充填し補強した後、ダイシングブレード加工を行った。個別液室との接触長は個別液室の全長の0.5倍とした。フレキシブル基板50の接合工程に関しては上記実施例1と同様である。最後に、図12に示すように、隔壁部が設けられた第1基板11(加工を終えた圧電基板24)に対して、ノズルプレート30、マニホールド40、第2基板12及びフレキシブル基板をアライメント接着し、インクジェットヘッドを完成させた。
本実施例4では、インクジェットヘッドのインクとしては上記実施例1と同一のインクを用いた。インクはマニホールド40のインク供給口41からタイゴンチューブを経由し導入した。
吐出観察結果による先頭微小液滴の発生状態を上記実施例1と同様な評価を行った。上記実施例1と同様に、このときの最大主滴の速度を表3に示す。特に工業用インクジェットヘッドとしては着弾精度の観点から主滴の速度は5[m/s]以上が必要である。
表3から本実施例4においても、ノズルの径φが5[μm]以上では、主滴の速度が5[m/s]以上であっても、先頭に微小液滴が分離しない正常な吐出が可能であった。ノズルの径φが4[μm]以下では安定吐出ができず不吐状態であった。
つまり、ノズルの径φが5[μm]〜15[μm]に対して、シェアモード構造を持つ個別液室において、ノズルに対して後方側に位置する共通液室との接触面が2面を持つ本実施例4の効果が確認できた。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
上記実施形態では、液体吐出ヘッドとして、プリンタ等に用いられるインクジェットヘッドについて説明したが、これに限定するものではない。例えば、液体として、金属配線を形成する際に用いられる、金属微粒子を含有させた液体を吐出するヘッドであってもよいし、レジストパターニングに用いられる、レジストインクであっても良い。
また、上記実施形態では、隔壁部が、高さ方向に分極された基端圧電体と基端圧電体とは反対方向に分極された先端圧電体とを接合して構成された圧電体である場合について説明したが、高さ方向に一方向に分極された圧電体で構成されていてもよい。
1…個別液室、1a…第1端部、1b…第2端部、1c…第1開口部、1d…第2開口部、2…ダミー室、3…隔壁部、11…第1基板、12…第2基板、13…電極対、30…ノズルプレート(ノズル部材)、30a…ノズル、40…マニホールド(共通液室形成部材)、43…共通液室、100…インクジェットヘッド(液体吐出装置)

Claims (19)

  1. 互いに対向する第1基板及び第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板との間に高さ方向に対して直交する幅方向に間隔をあけて並設され、長手方向に延びる複数の個別液室を形成する、圧電体で構成された複数の隔壁部と、
    前記各隔壁部の両側面に配置され、前記各隔壁部をせん断変形させる複数の電極対と、
    前記各個別液室の前記長手方向の第1端部の側に配置され、前記各個別液室に接続される各ノズルが形成されたノズル部材と、
    前記各個別液室の前記長手方向の前記第1端部に対して反対の第2端部の側に配置され、前記第1基板及び前記第2基板と共に囲んで共通液室を形成する共通液室形成部材と、を備え、
    前記各個別液室は、前記第2端部において前記長手方向に対して開口する第1開口部と、前記高さ方向に対して開口する第2開口部とを介して前記共通液室に接続され
    前記各電極対は、前記各隔壁部を、ノズル側の部分においてせん断変形させる電界を印加する可動領域と共通液室側の部分において前記電界を印加しない非可動領域とに分割するように、前記可動領域を挟んで対向して配置され、
    前記各個別液室は、前記第2端部における高さが、前記可動領域と前記非可動領域との境界上の前記第1端部に最も近い境界点における高さよりも高くなるように形成されていることを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記各個別液室は、前記第1端部における高さが、前記可動領域と前記非可動領域との境界上の前記第1端部に最も近い境界点における高さよりも低くなるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記第1開口部と前記第2開口部とが接触して形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記第1開口部が、前記各個別液室の前記第2端部における前記長手方向に垂直な面に沿う断面と一致することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  5. 前記ノズルの径が、5[μm]〜15[μm]の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  6. 前記第2開口部の前記長手方向の長さをL1、前記個別液室の前記長手方向の長さをL2としたとき、L1/L2が0.2〜0.7の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  7. 互いに対向する第1基板及び第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板との間に高さ方向に対して直交する幅方向に間隔をあけて並設され、長手方向に延びる複数の個別液室を形成する、圧電体で構成された複数の隔壁部と、
    前記各隔壁部の両側面に配置され、前記各隔壁部をせん断変形させる複数の電極対と、
    前記各個別液室の前記長手方向の第1端部の側に配置され、前記各個別液室に接続される各ノズルが形成されたノズル部材と、
    前記各個別液室の前記長手方向の前記第1端部に対して反対の第2端部の側に配置され、前記第1基板及び前記第2基板と共に囲んで共通液室を形成する共通液室形成部材と、を備え、
    前記各個別液室は、前記第2端部において前記長手方向に対して開口する第1開口部と、前記高さ方向に対して開口する第2開口部とを介して前記共通液室に接続され、
    前記各電極対は、前記各隔壁部を、ノズル側の部分においてせん断変形させる電界を印加する可動領域と共通液室側の部分において前記電界を印加しない非可動領域とに分割するように、前記可動領域を挟んで対向して配置され、
    前記各個別液室は、前記第1端部における高さが、前記可動領域と前記非可動領域との境界上の前記第1端部に最も近い境界点における高さよりも低くなるように形成されていることを特徴とする液体吐出装置。
  8. 前記第1開口部と前記第2開口部とが接触して形成されていることを特徴とする請求項7に記載の液体吐出装置。
  9. 前記第1開口部が、前記各個別液室の前記第2端部における前記長手方向に垂直な面に沿う断面と一致することを特徴とする請求項7又は8に記載の液体吐出装置。
  10. 前記ノズルの径が、5[μm]〜15[μm]の範囲内であることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  11. 前記第2開口部の前記長手方向の長さをL1、前記個別液室の前記長手方向の長さをL2としたとき、L1/L2が0.2〜0.7の範囲内であることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  12. 互いに対向する第1基板及び第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板との間に高さ方向に対して直交する幅方向に間隔をあけて並設され、長手方向に延びる複数の個別液室を形成する、圧電体で構成された複数の隔壁部と、
    前記各隔壁部の両側面に配置され、前記各隔壁部をせん断変形させる複数の電極対と、
    前記各個別液室の前記長手方向の第1端部の側に配置され、前記各個別液室に接続される各ノズルが形成されたノズル部材と、
    前記各個別液室の前記長手方向の前記第1端部に対して反対の第2端部の側に配置され、前記第1基板及び前記第2基板と共に囲んで共通液室を形成する共通液室形成部材と、を備え、
    前記各個別液室は、前記第2端部において前記長手方向に対して開口する第1開口部と、前記高さ方向に対して開口する第2開口部とを介して前記共通液室に接続され、
    前記複数の個別液室のうち隣り合う2つの個別液室の間には、前記共通液室に非接続となり、前記各隔壁部で仕切られた空気室が、前記幅方向に前記第2開口部とオーバーラップしないように形成されていることを特徴とする液体吐出装置。
  13. 前記第1開口部と前記第2開口部とが接触して形成されていることを特徴とする請求項12に記載の液体吐出装置。
  14. 前記第1開口部が、前記各個別液室の前記第2端部における前記長手方向に垂直な面に沿う断面と一致することを特徴とする請求項12又は13に記載の液体吐出装置。
  15. 前記ノズルの径が、5[μm]〜15[μm]の範囲内であることを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  16. 前記第2開口部の前記長手方向の長さをL1、前記個別液室の前記長手方向の長さをL2としたとき、L1/L2が0.2〜0.7の範囲内であることを特徴とする請求項12乃至15のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  17. 請求項1乃至16のいずれか1項に記載の液体吐出装置の製造方法であって、
    圧電素子からなる第1基板に、複数の隔壁溝を加工し、共通液室と連接する複数の隔壁部を形成する工程と、
    前記複数の隔壁部の前記第1端部側に前面溝を加工する工程と、
    第2基板に凹部を形成する工程と、
    前記第1基板の隔壁溝と前記第2基板の凹部が連接し、前記凹部が共通液室の一部となるように前記第1基板と前記第2基板とを接合する工程と、を有することを特徴とする液体吐出装置の製造方法。
  18. 請求項1乃至16のいずれか1項に記載の液体吐出装置を用いて金属配線を形成することを特徴とする金属配線の製造方法。
  19. 請求項1乃至16のいずれか1項に記載の液体吐出装置を用いてカラーフィルターを製造することを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
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