JP2001277504A - インクジェットヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッドおよびその製造方法

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JP2001277504A
JP2001277504A JP2000089599A JP2000089599A JP2001277504A JP 2001277504 A JP2001277504 A JP 2001277504A JP 2000089599 A JP2000089599 A JP 2000089599A JP 2000089599 A JP2000089599 A JP 2000089599A JP 2001277504 A JP2001277504 A JP 2001277504A
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ink
substrate
rear end
groove
jet head
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JP2000089599A
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Kenichi Yoneyama
健一 米山
Ayumi Matsumoto
歩 松元
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements

Abstract

(57)【要約】 【課題】溝へ安定してインクを供給し、精度良くインク
液滴を吐出して、高精度、高画質の印刷が可能なインク
ジェットヘッドを提供する。 【解決手段】前端3aと後端壁3bを有し互いに平行に
配列され、後端3bが封止された複数の溝3を具備する
第一の基板2と、前端壁4a、5aと後端壁4b、5b
を有し複数の溝3にインクを導入するインク溜部4と、
インク溜部4内にインクを供給するインク導入路5を有
する第二の基板6が、溝3の封止部A付近でインク溜部
4と連結するように積層一体化されてなるインクジェッ
トヘッド1にて、第二の基板6におけるインク導入路5
がインク溜部4の最後端側に設けられ、かつインク溜部
4が溝3の最後端側に設けられるとともに、インク導入
路5、インク溜部4および溝3の後端壁5b、4b、3
bを第一の基板2と第二の基板6との積層面Bに対して
垂直に配設、または後端側に傾斜させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細なノズル孔か
らインク滴を吐出して印字、画像を形成するインクジェ
ットヘッドおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、マルチメディアの浸透に伴い、印版
が不要で少量多品種の用途に適した小型軽量の各種情報
の印刷用インターフェイスとして、従来のインパクト方
式の印字装置に代わってノンインパクト方式の各種印刷
装置が開発され、中でも、インクジェットヘッドは、多
階調化やカラー化が容易で、ランニングコストが低いこ
とから急速に普及している。
【0003】前記インクジェットヘッドは、溝を有する
基板の該溝開口面に他の基板を接着、固定し、ノズル孔
が形成されたノズル板を前記溝の一端面に形成して、前
記溝内にインクを充填し前記ノズル孔からインクの液滴
を吐出するものである。
【0004】かかるインクジェットヘッドの具体的な構
造の一例は、その一部切り欠き斜視図である図4および
その概略断面図である図5に示すとおり、インクジェッ
トヘッド30は互いに平行に配列された複数の溝31を
有する第一の基板32と、インクタンクからインクを溝
31へ導くために設けられたインク導入路34およびイ
ンク溜部35とを備えた第二の基板33とを、第一の基
板32の溝31が第二の基板33に設けられたインク溜
部35と連通するように配設して積層した構成からな
り、溝31内にインクを充填し溝31の壁面を変形させ
て溝31の容積を減ずるか、または溝31近傍に配設し
たヒータ等によって溝31内のインクを加熱、発泡して
体積膨張を生ぜしめることによって溝31内に内圧を発
生させて、溝31の一端に設けられたノズル板36のノ
ズル孔37を通してインク液滴を吐出するものである。
【0005】なお、図4においては、溝31を形成する
隔壁38を圧電体セラミックスによって形成し、該圧電
体セラミックスの側面における所定の位置に形成した正
極および負極をなす一対の電極39に電位差を付与して
前記圧電体セラミックスに剪断モードの変形を生ぜしめ
る構造となっており、これによれば、単純構造で高密度
化でき、インクの種類を限定することなく、応答性に優
れる高速印刷が可能なインクジェットヘッドを作製でき
ることが提案されている。
【0006】一方、上記インクジェットヘッド30をプ
リンタ等に組み込む場合には、第一の基板32と第二の
基板33との後端が鉛直上方となるように配置して組み
込まれるものであるが、従来、かかるインクジェットヘ
ッド30においては、図4および図5に示すように溝3
1の一部がインク溜部35よりも後端側に突出して形成
されるか、またはインク溜部35の一部がインク導入路
34よりも後端側に形成されるものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成からなるインクジェットヘッド30では、インクジェ
ットヘッド30の溝31とインク溜部35との境界部す
なわち積層部、またはインク溜部35とインク導入路3
4との境界部で溝31またはインク溜部35が突出して
いるために、インク液滴の吐出過程またはノズル孔をク
リーニングする際等に、ノズル孔から溝31中のインク
内に気泡が混入した場合には、該気泡が溝31またはイ
ンク溜部35の前記後端側の突出部に滞留して、インク
の流路抵抗が変化し、安定したインクの供給が困難にな
る結果、吐出される液滴の大きさが変化してしまい印刷
ムラが生じてしまうという問題があった。
【0008】また、インク液滴を吐出するため溝31内
のインクに圧縮力を付与したりインクを加熱するような
駆動力を付与する場合にも、前記突出部に滞留する気泡
の体積変化によって前記インク液滴を吐出するための駆
動力を吸収してしまう結果、精度良くインク液滴を吐出
することができないという問題があった。
【0009】本発明は前記課題に対してなされたもので
あり、その目的は、溝やインク溜部での気泡の滞留を防
止して、溝へ安定してインクを供給することができると
ともに、精度良くインク液滴を吐出して、色ムラや画質
の乱れのない高精度、高画質の印刷が可能なインクジェ
ットヘッドを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
に対し、溝、インク溜部およびインク導入路の配置につ
いて検討した結果、インク導入路−インク溜部溝の後端
壁に突出部が生じない構成とすることにより、例えイン
ク内に気泡が発生しても該気泡が溝やインク溜部内に滞
留することなく容易にインクタンク側に抜けるために、
溝へ安定してインクを供給することができるとともに、
精度良くインク液滴を吐出して、色ムラや画質の乱れの
ない高精度、高画質の印刷が可能なインクジェットヘッ
ドとなることを見いだし、本発明に至った。
【0011】即ち、本発明のインクジェットヘッドは、
所定の基板表面に前端と後端を有して互いに平行に配列
され、前記後端が封止された複数の溝を具備する第一の
基板と、該第一の基板における前記複数の溝にインクを
導入するために所定の基板内に設けられ、前端壁と後端
壁を有するインク溜部と、該インク溜部内にインクを供
給するためのインク導入路とを有する第二の基板とを有
し、前記第一の基板における前記溝の封止された後端付
近と、前記第二の基板における前記インク溜部の開口部
とが連結するように第一および第二の基板を積層一体化
されてなるものであって、前記第二の基板における前記
インク導入路が前記インク溜部の最後端壁側に設けら
れ、かつ前記インク溜部が前記溝の最後端側に設けられ
るとともに、前記インク導入路、インク溜部および溝の
後端壁は前記第一の基板と前記第二の基板との積層面に
対して垂直に配設されるか、または後端側に傾斜してい
ることを特徴とするものである。
【0012】ここで、前記第一の基板において、隣接す
る前記溝間に位置する隔壁が圧電体セラミックスからな
ることが望ましい。
【0013】また、前記第二の基板において、前記イン
ク溜部の前端壁が前記第一の基板と前記第二の基板との
接合面に対して垂直に配設されるか、または後端側に傾
斜していることが望ましい。
【0014】さらに、本発明のインクジェットヘッドの
製造方法は、(a)第一の基板表面に前端と後端を有
し、該溝の後端が封止された複数の溝を互いに平行に形
成する工程と、(b)第二の基板内の前端壁と後端壁と
開口部を有するインク溜部と、該インク溜部内にインク
を供給するためのインク導入路を形成する工程と、
(c)前記(a)工程で得られた前記第一の基板におけ
る前記溝開口面に、前記(b)工程で得られた前記第二
の基板を前記溝の封止された後端付近と前記第二の基板
における前記インク溜部の開口部が連結するように前記
第一の基板と前記第二の基板を接着する工程とを備えた
ものであって、前記第二の基板における前記インク導入
路が前記インク溜部の最後端壁側に設けられ、かつ前記
インク溜部が前記溝の最後端側に設けられるとともに、
前記インク導入路、インク溜部および溝の後端壁は前記
第一の基板と前記第二の基板との接合面に対して垂直に
形成するか、または後端側に傾斜して形成することを特
徴とするものである。
【0015】ここで、隣接する前記溝間に位置する隔壁
が圧電体セラミックスからなることが望ましい。
【0016】また、前記インク溜部の前端壁が前記第一
の基板と前記第二の基板との接合面に対して、垂直また
は後端側に傾斜していることが望ましい。
【0017】さらに、前記(a)工程において回転ディ
スクを用いて前記溝を形成することが望ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェットヘッドの
一例について、その一部切り欠き斜視図を図1に、概略
断面図を図2に示す。図1、2のインクジェットヘッド
1においては、第一の基板2の表面には互いに平行に配
列された複数の溝3が形成され、かつ溝3は長手方向に
前端3aと後端壁3bを有するとともに、後端壁3bが
封止されている。
【0019】また、第一の基板2の溝3形成面には、溝
3にインクを導入するためのインク溜部(いわゆるマニ
ホールド)4と、該インク溜部4内にインクを供給する
ためのインク導入路5が形成されており、この第二の基
板6は溝3の後端壁3bの封止部A付近でインク溜部4
の開口部と連結するように積層一体化されている。な
お、インク溜部4とインク導入路5はそれぞれ前端壁4
a、5aと後端壁4b、5bを有している。なお、イン
ク溜部4はインク導入路5から溝3に供給されるインク
の流れを層流状態に保つ働きがある。
【0020】また、インクジェットヘッド1は、第一の
基板2並びに第二の基板6の後端壁が鉛直上方となるよ
うにしてプリンタ等の印刷装置に取りつけられる。
【0021】第一の基板2は、アルミナ、ジルコニア、
ムライト、コージェライト、窒化ケイ素、窒化アルミニ
ウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸バ
リウム、タングステンブロンズ等のセラミックス、ホウ
ケイ酸ガラス、ソーダガラス等のガラスおよびシリコン
等の金属の群から選ばれる少なくとも1種からなる。
【0022】中でも、第一の基板2の隣接する溝3、3
間に位置する隔壁8をチタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸
鉛、チタン酸バリウム、タングステンブロンズ等の圧電
体セラミックス、特に、チタン酸ジルコン酸鉛を主体と
し、所望により圧電性を高めるための公知の添加物、例
えば、Ba,Ca,Sr,Nb等を添加したものである
ことが望ましく、圧電体セラミックスからなる隔壁8の
壁面の所定の位置に電極9を被着形成して、前記圧電体
セラミックスに電圧を付与し剪断モードの変形を生ぜし
めることによって素速くインク液滴を吐出でき、かつ単
純構造で溝間隔の小さい高密度な溝を形成できる。また
かかるインクジェットヘッドによれば、インクの種類を
限定することなく作動可能となる。
【0023】電極9は、例えば、金、銀、銅、白金、ニ
ッケル、タングステン、クロム、アルミニウムの少なく
とも1種等の導電材料からなり、厚み0.5〜10μm
であることが望ましい。
【0024】また、図1、2によれば、隔壁8の両側壁
面には、隔壁8の所定の高さ、例えば隔壁のほぼ半分の
高さに電極9が形成されており、例えば、電極9を第一
の基板2における溝3の封止部Aにおける所定の位置に
取り出し電極10を形成し、さらに別途形成したチップ
素子(図示せず。)と取り出し電極10とをリード端
子、配線回路等を介して接続して、電極9に印加する電
圧を制御することにより隔壁8の圧電体セラミックスに
所定の変形を生ぜしめることができる。また、隔壁8の
圧電体セラミックスを反対の2方向に分極されたものを
用いてもよい。
【0025】また、第一の基板2の形状は、例えば、幅
8〜350mm×長さ1〜200mm×高さ0.5〜5
mmであり、また、第一の基板2に形成される溝3の形
状は、幅30〜250μm×高さ200〜450μmで
あり、さらに溝3間の隔壁8の幅は100μm以下、特
に70μm以下にて構成される。また、第一の基板2の
後端には所定の長さにわたって溝3が形成されないか、
または浅い溝が形成された溝3の封止部Aが形成されて
いる。さらに、溝3の底面は後端3b側に位置する開口
端に向かって連続的に、特に円弧状に形成されているこ
とが溝3内に充填されるインク内に発生した気泡を除去
する点で望ましい。
【0026】一方、第二の基板6はセラミックス、ガラ
ス、プラスチック等の絶縁材料からなり、その形状は高
さ0.4〜4mmで、第一の基板2の前端から封止部A
の所定の位置にわたって形成されることが望ましく、ま
た第二の基板6の幅は第一の基板2と同じであることが
望ましい。
【0027】また、第二の基板6におけるインク溜部4
の形状は、長さ0.4〜80mm×厚さ0.2〜3mm
程度で、第一の基板2におけるそれぞれの溝3と連通し
ている。さらに、インク導入路5はインク溜部4から第
二の基板6におけるインク溜部4の開口面と反対側の表
面、またはインク溜部4の後端壁4bから第二の基板6
の後側面6C間を貫通して形成され、インク導入路5の
断面は直径0.2〜2mmの円形またはインク溜部4と
同じ幅で長さ0.3〜80mm程度の概略長方形である
ことが望ましい。
【0028】本発明によれば、第二の基板6におけるイ
ンク導入路5がインク溜部4の最後端壁4b側に設けら
れ、かつインク溜部4が溝3の最後端3b側に設けられ
るとともに、インク導入路5、インク溜部4および溝3
の後端壁5b、4b、3bが第一の基板2と第二の基板
6との積層面Bに対して垂直に配設されるか、または図
3に示すように後端側に傾斜していることが大きな特徴
であり、これによって、例えインク溜部4および溝3内
のインク中に気泡が発生しても該気泡が溝3やインク溜
部4内の後端付近に滞留することなく容易にインク導入
路5からインクタンク側に抜けるために、溝3へ安定し
てインクを供給することができるとともに、精度良くイ
ンク液滴を吐出して、色ムラや画質の乱れのない高精
度、高画質の印刷が可能となる。
【0029】なお、第一の基板2と第二の基板6との間
を接着剤にて貼り合わせて一体化する場合には、溝3の
後端壁頂部7がインク溜部4の開口部内に1mm以下、
特に0.5mm以下の長さx突出して形成されることが
望ましく、これによって第一の基板2と第二の基板6と
の貼り合わせ面端部に接着剤がはみ出して形成されるこ
となく、溝3の後端壁3bおよびインク溜部4の後端壁
4b間にインク溜部4内にはみ出した接着剤に気泡が滞
留したり、該はみ出した接着剤によってインクの流れを
阻害したりすることを防止できる。
【0030】ここで、本発明によれば、上記のとおり溝
3およびインク溜部4に気泡が滞留することなく溝3へ
安定してインクを供給できることから、上述した溝3内
に大量のインクを安定して供給する必要がある図1、2
の剪断モード型のインクジェットヘッド1、すなわち隔
壁8を圧電性セラミックスにて構成したものに対して特
に有効である。さらに、このタイプのインクジェットヘ
ッド1では、後述するノズル孔12を塞いだ状態で圧電
体セラミックスを振動させることによって気泡をインク
タンク側にさらに抜けやすくすることができる。
【0031】また、図3に示す本発明のインクジェット
の他の一例についての概略断面図に示すように、インク
溜部4の前端壁4aが後端側に連続的または段階的に角
度θにて傾斜して形成されていてもよく、これによれ
ば、溝3内に流入されるインクの流れを層流状態に保ち
やすく流路抵抗を低減することができる結果、溝3内に
安定してインクを供給することができる。なお、図3に
よれば、インク溜部4前端側の角部4cにテーパーを設
けたり、該角部4cをR形状としてもよい。
【0032】一方、溝3の前端3aにはノズル孔12を
備えたノズル板13が接着形成されており、前述した隔
壁8によって容積が減ずるように溝3を変形させること
によりインク液滴をノズル孔12から吐出することがで
きる。
【0033】ノズル板13は、プラスチック、金属、セ
ラミックス等が使用することができ、例えば、ポリエチ
レンテレフタレートやポリイミド、ポリエーテルイミ
ド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリ
カーボネイト、酢酸セルロース等のプラスチック、ある
いはステンレス鋼やクロムモリブデン鋼、アルミニウム
等の金属、もしくはアルミナやジルコニア、チタン酸ジ
ルコン酸鉛、コージェライト等のセラミックスが挙げら
れるが、特に、加工のし易さからは、ポリエチレンテレ
フタレートやポリイミドから成るプラスチック板が好適
に使用できる。
【0034】さらに、ノズル孔12を形成したノズル板
13と溝3との間にはノズル孔12より大きな空隙を有
する絶縁体からなるスペーサ(図示せず。)を介在させ
ることもでき、このスペーサによって数10μmの薄い
ノズル板13を補強することができ、インクジェットヘ
ッドの耐久信頼性を高めることができる。
【0035】また、上記のインクとしては、顔料又は/
及び染料と、水やアルコール等の水系の溶剤、あるいは
ヘキサンやトルエン等の非水系の溶剤を主成分としたも
の等が適用可能である。
【0036】なお、図1乃至3では、ノズル板13が第
一の基板2における溝3の前端3a側に設けられるもの
であったが、本発明はこれに限られるものではなく、溝
3の底面側にノズル板を配設することも可能である。こ
の場合には、第一の基板2における溝3の前端3aは必
ずしも開口する必要はなく、封止されていてもよい。
【0037】次に、本発明のインクジェットヘッドを製
造する方法の一例について、上述の図1乃至3の隔壁8
を圧電体セラミックスにて形成した場合について説明す
る。先ず、上述の圧電体セラミック材料からなる基板に
対して、その上下面に分極処理を施すための導体層を形
成し、これに電圧を印加することによって板状体の厚み
方向に分極処理を行う。
【0038】次に、ダイシングソーなどを用いた公知の
切削加工等により分極された基板表面に複数の溝を並列
に形成して隔壁を形成する。その際、回転ディスク等を
用いて溝加工を行えば、図1乃至3のように溝の後端壁
を円弧状とすることができる。また、溝を形成する他の
方法としては、溝の後端に封止材を埋め込んでもよい。
【0039】そして、隔壁の側面、すなわち溝の両側壁
面に電極を形成する。具体的には、前記隔壁の壁面にお
ける所定の位置に、例えば、金、銀、銅、白金、ニッケ
ル、タングステン、クロム、アルミニウムの少なくとも
1種等の導電材料からなる厚み0.5〜10μmの電極
を形成する。電極を形成する手段は、例えば、スパッタ
リング法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法
等の気相法やめっき法等により隔壁の先端面を含む隔壁
壁面に電極を被着形成した後、隔壁の先端面に形成され
た電極部分を隔壁の長手方向に研磨するか、レーザーを
照射する方法等で一部を除去して両壁面の電極が短絡す
ることを防止する。また、電極を形成する前に隔壁先端
部にマスキングを施し、電極を被着形成した後、マスキ
ングを除去することもできる。
【0040】ここで、上述の分極処理により隔壁が一方
向に分極されたものについては、隔壁を効率よく駆動さ
せるために、電極は隔壁の壁面の上端部、特に、隔壁先
端から溝の半分の深さまで形成されることが望ましい。
また、第一の基板の封止部Aにも前記電極形成時に連続
して導体層を形成し、該導体層について中央部分のみを
隔壁の長手方向に除去、絶縁することによって一対の取
出し電極を形成することができる。
【0041】また、隔壁端面に形成された取出し電極
は、外部に形成された配線パターンまたはワイヤ、リー
ド、TAB等によってチップ素子(図示せず。)に接続
する。
【0042】一方、所定の板形状からなる第二の基板を
準備し、切削加工またはレーザー加工等によって、イン
ク溜部の後端壁およびインク導入路の後端壁が、第一の
基板と第二の基板との積層、接着面に対して垂直または
後端側に傾斜するとともに、前記インク導入路が前記イ
ンク溜部の最後端壁側に位置するようにして、インク溜
部およびインク流入路を形成する。
【0043】そして、前記第一の基板の溝を形成した表
面にスクリーン印刷、グラビア印刷、バーコータ法等の
公知の印刷法によりエポキシ樹脂等の接着剤を塗布した
後、前記インク溜部が前記インク導入路の最後端側に位
置するようにして、上記第二の基板を前記第一の基板の
表面に接着、固定する。
【0044】さらに、レーザー加工等によって直径10
〜30μmのノズル孔を穿孔したノズル板を上記貼り合
わせた第一の基板および第二の基板の前端壁、または第
一の基板の溝底面に貼り合わせ、固定する。なお、ノズ
ル孔はノズル板を貼り合わせた後、穿孔することもでき
る。
【0045】なお、本発明によれば、図1乃至3の剪断
モード型のインクジェットヘッドに限定されるものでは
なく、例えば、カイザー型のインクジェットヘッドやサ
ーマルジェット型のインクジェットヘッドであってもよ
い。
【0046】
【実施例】(実施例)まず、平均粒径0.5μmのチタ
ン酸ジルコン酸鉛(PZT)粉末に対して、有機バイン
ダおよび溶剤を添加してスラリーを作製した後、ドクタ
ーブレード法にてシート状の成形し、カットし、115
0℃にて焼成して外辺寸法で厚み2mm、長さ40m
m、幅25mmの板状のチタン酸ジルコン酸鉛(PZ
T)質焼結体を作製した。この板状の焼結体の両面に導
体層を塗布して電圧を印加することによって、厚み方向
分極した圧電体セラミックスを得た。
【0047】次に、該圧電体セラミックスの表面をラッ
プ加工によって導体層および圧電体セラミックスの一部
について所定の厚みまで研磨した後、この表面全体にレ
ジスト液をスピンコータによって塗布し、硬化してレジ
ストマスクを形成した。
【0048】そして、厚み75μmのダイヤモンドブレ
ードを備えたスライサ用いて、上記圧電体セラミックス
のレジストマスクを被着形成した面から141.1μm
ピッチで基板幅方向に回転ディスクを用いてスライシン
グ加工を行い、幅75μm、高さ300μm、長さ20
mmの溝、および幅66μmの隔壁を259本作製して
第一の基板とした。
【0049】次に、前記溝を形成した基板に蒸着法によ
って隔壁壁面それぞれの所定の高さに金電極を被着形成
した後、レジストマスクを除去して隔壁の両壁面それぞ
れに電極を被着形成した。
【0050】次に、厚み0.7mmのガラスからなる基
板にエンドミル加工にて、幅2.5mm×長さ37mm
×高さ0.3mmの概略直方体形状のインク溜部と、該
インク溜部の最後端側に長さ37mm×高さ0.4mm
の概略直方体形状のインク導入路を形成した。なお、イ
ンク溜部の後端壁とインク導入路の後端壁は同一平面と
し、かつ基板表面(第一の基板との接合面)に対して直
交するように形成した。
【0051】そして、前記第一の基板の溝開口面側の表
面にスクリーン印刷法にてエポキシ系接着剤を塗布した
後、前記第二の基板を前記インク溜部の開口部が前記溝
の最後端側に位置するようにして前記第一の基板の溝開
口面に接着した。なお、その際、前記溝の後端壁頂部が
インク溜部の後端壁からインク導入路の開口面内に0.
4mm突出するように配置した。
【0052】一方、第一の基板の前端面には厚み50μ
mのポリイミド製のノズル板をエポキシ系接着剤にて貼
り合わせた後、ノズル板の溝の前端にレーザー加工にて
直径20μmのノズル孔を穿孔してインクジェットヘッ
ドを作製した。
【0053】得られたインクジェットヘッドを後端が鉛
直上方となるように固定した状態で、該インクジェット
ヘッドの溝、インク溜部およびインク導入路内にインク
を充填した後、ノズル孔から溝内に気泡を混入させて5
分間以上放置し、溝およびインク溜部に気泡が滞留した
か、否かをガラス基板上部から目視により確認した結
果、気泡の滞留は見られず、溝へ安定してインクを供給
することができるとともに、精度良くインク液滴を吐出
して、色ムラや画質の乱れのない高精度、高画質の印刷
が可能なインクジェットヘッドであることが示唆され
た。
【0054】(比較例)実施例の第一の基板と第二の基
板とを貼り合わせる際に、図5のように前記第一の基板
の溝開口端40が前記第二の基板のインク溜部の後端に
位置する壁面から後端側への突出量yが1mmとなるよ
うにして配置する以外は実施例と同様にインクジェット
ヘッドを作製し、同様に評価した結果、溝およびインク
溜部の後端、すなわち上端部に気泡が滞留していること
が確認された。
【0055】
【発明の効果】以上、詳述したのように、本発明のイン
クジェットヘッドでは、インク導入路−インク溜部溝の
後端壁に突出部が生じない構成とすることにより、例え
インク内に気泡が発生しても該気泡が溝やインク溜部内
に滞留することなく容易にインクタンク側に抜けるため
に、溝へ安定してインクを供給することができるととも
に、精度良くインク液滴を吐出して、色ムラや画質の乱
れのない高精度、高画質の印刷が可能なインクジェット
ヘッドとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェットヘッドの一例を示す一
部切り欠き斜視図である。
【図2】図1のインクジェットヘッドの概略断面図であ
る。
【図3】本発明のインクジェットヘッドの他の一例を示
す概略断面図である。
【図4】従来のインクジェットヘッドの一例を示す一部
切り欠き斜視図である。
【図5】図4のインクジェットヘッドの概略断面図であ
る。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド 2 第一の基板 3 溝 4 インク溜部 5 インク導入路 6 第二の基板 7 溝3の後端壁頂部 8 隔壁 9 電極 10 取り出し電極 12 ノズル孔 13 ノズル板 A 封止部 B 積層面 C 第二の基板の後端壁面

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の基板表面に前端と後端を有して互い
    に平行に配列され、前記後端が封止された複数の溝を具
    備する第一の基板と、 該第一の基板における前記複数の溝にインクを導入する
    ために所定の基板内に設けられ、前端壁と後端壁を有す
    るインク溜部と、該インク溜部内にインクを供給するた
    めのインク導入路とを有する第二の基板とを有し、 前記第一の基板における前記溝の封止された後端付近
    と、前記第二の基板における前記インク溜部の開口部と
    が連結するように第一および第二の基板を積層一体化さ
    れてなるインクジェットヘッドにおいて、 前記第二の基板における前記インク導入路が前記インク
    溜部の最後端壁側に設けられ、かつ前記インク溜部が前
    記溝の最後端側に設けられるとともに、前記インク導入
    路、インク溜部および溝の後端壁は前記第一の基板と前
    記第二の基板との積層面に対して垂直に配設されるか、
    または後端側に傾斜していることを特徴とするインクジ
    ェットヘッド。
  2. 【請求項2】前記第一の基板において、隣接する前記溝
    間に位置する隔壁が圧電体セラミックスからなることを
    特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】前記第二の基板において、前記インク溜部
    の前端壁が前記第一の基板と前記第二の基板との接合面
    に対して垂直に配設されるか、または後端側に傾斜して
    いることを特徴とする請求項1または2記載のインクジ
    ェットヘッド。
  4. 【請求項4】(a)第一の基板表面に前端と後端を有
    し、該溝の後端が封止された複数の溝を互いに平行に形
    成する工程と、(b)第二の基板内の前端壁と後端壁と
    開口部を有するインク溜部と、該インク溜部内にインク
    を供給するためのインク導入路を形成する工程と、
    (c)前記(a)工程で得られた前記第一の基板におけ
    る前記溝開口面に、前記(b)工程で得られた前記第二
    の基板を前記溝の封止された後端付近と前記第二の基板
    における前記インク溜部の開口部が連結するように前記
    第一の基板と前記第二の基板を接着する工程とを備えた
    インクジェットヘッドの製造方法において、前記第二の
    基板における前記インク導入路が前記インク溜部の最後
    端壁側に設けられ、かつ前記インク溜部が前記溝の最後
    端側に設けられるとともに、前記インク導入路、インク
    溜部および溝の後端壁は前記第一の基板と前記第二の基
    板との接合面に対して垂直に形成するか、または後端側
    に傾斜して形成することを特徴とするインクジェットヘ
    ッドの製造方法。
  5. 【請求項5】隣接する前記溝間に位置する隔壁が圧電体
    セラミックスからなることを特徴とする請求項4記載の
    インクジェットヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】前記インク溜部の前端壁が前記第一の基板
    と前記第二の基板との接合面に対して、垂直または後端
    側に傾斜していることを特徴とする請求項4または5記
    載のインクジェットヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】前記(a)工程において回転ディスクを用
    いて前記溝を形成することを特徴とする請求項4乃至6
    のいずれか記載のインクジェットヘッドの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009125969A (ja) * 2007-11-20 2009-06-11 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置
JP2011213055A (ja) * 2010-04-01 2011-10-27 Sii Printek Inc 液体噴射記録ヘッド、液体噴射記録装置及び液体噴射ヘッドの製造方法

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