JP2003246064A - インクジェット記録ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド及びその製造方法

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JP2003246064A
JP2003246064A JP2002052450A JP2002052450A JP2003246064A JP 2003246064 A JP2003246064 A JP 2003246064A JP 2002052450 A JP2002052450 A JP 2002052450A JP 2002052450 A JP2002052450 A JP 2002052450A JP 2003246064 A JP2003246064 A JP 2003246064A
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ink
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Shin Ishikura
慎 石倉
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】インクを加圧するための隔壁の剛性を確保し、
全流路にわたってインク滴の吐出性能が均質なインクジ
ェット記録ヘッドを提供する。 【解決手段】複数の隔壁を並設し、各隔壁間をインクの
流路とした流路部材と、上記流路を覆うように上記隔壁
の頂面に接合される天板と、上記流路部材の一面に接合
され各流路に連通するインク吐出孔を有するノズル板と
を備えたインクジェット記録ヘッドにおいて、上記隔壁
を構成する圧電セラミックスのヤング率を50GPaよ
り大きく、100GPa以下とし、上記隔壁の高さHW
と、隔壁の幅WWとの比を、 2.5 ≦ HW/WW ≦ 6.0 とし、かつ上記隔壁の共振周波数をFc、上記圧電セラ
ミックスの密度をρ、上記圧電セラミックスのヤング率
をYとした時、 AC=FC×HW 2×ρ0.5/(WW×Y0.5) 0.30 ≦ AC ≦ 0.80 の関係を満足するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細なインク吐出
孔からインク滴を吐出して文字や画像を印刷する各種プ
リンターや記録計、ファクシミリ、あるいは捺染分野や
窯業分野で文様形成等に用いられる印刷機等の記録装置
に搭載されるインクジェット記録ヘッドに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、マルチメディアの浸透に伴い、イ
ンパクト方式の記録装置に代わって、インクジェット方
式や熱転写方式を利用したノンインパクト方式の記録装
置が開発され、その利用範囲が各種産業分野および一般
家庭分野において広がりつつある。
【0003】かかるノンインパクト方式の記録装置のな
かでも、インクジェット方式を利用した記録装置は、多
階調化やカラー化が容易で、ランニングコストが低いこ
とから将来性が注目されている。
【0004】図9にインクジェット方式を利用した記録
装置に用いられるインクジェット記録ヘッドの一例を示
すように、このインクジェット記録ヘッド40(以下、
単にヘッドという)は、厚み方向に分極した圧電セラミ
ックス板の貼合体の側面に一端を開放した複数の溝を並
設し、各溝をインクの流路22とするとともに、各溝間
を仕切る壁を隔壁21とした流路部材24と、上記各隔
壁21の側面にそれぞれ形成された駆動用電極23と、
上記各流路22を覆うように各隔壁21の頂面に接合さ
れた天板25と、上記天板25に設けられた各流路に連
通するインク溜26及びインク供給孔27と、上記流路
部材24の側面において各流路22と連通するインク吐
出孔29を備えたノズル板28とからなり、このヘッド
40のインク供給孔27よりインク溜26及び各流路2
2へインクを供給した状態で、上記隔壁21の両側面に
備える駆動用電極23に通電して隔壁21を屈曲変位さ
せ、流路22内のインクを加圧することによりインク吐
出孔29よりインク滴として吐出するようになってい
た。
【0005】即ち、上記隔壁21の両側面に備える駆動
用電極23に電圧を印加すると、隔壁21を形成する圧
電セラミックスは剪断モード変形を起こすのに対し、隔
壁21は上下が拘束されていることから略「く」の字上
に屈曲変位するため、この隔壁21の屈曲変位によって
流路22内のインクを加圧し、インク吐出孔29よりイ
ンク滴として吐出するようになっていた。なお、31は
駆動用電極23の引出線である。
【0006】また、このような従来のヘッド40におい
て、隔壁21の変形によって流路22内のインクを効率
よく加圧してインク滴を吐出させるために、特開平6−
218921号公報、特開平6−238886号公報、
特開平6−238887号公報、特開平8−25774
0号公報には、隔壁21と天板25の接合部及び流路2
2の形状、隔壁21を構成する圧電セラミックスの気孔
率並びに剛性の最適値について提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術によるこれまでの提案はヘッドの製造や部材における
制約事項を考慮したものではなく、従来技術に基づいて
設計されたヘッドにおいて、材料の剛性や隔壁21及び
流路22の形状が所定の設計条件を満たしていても、期
待されたインク滴の吐出性能が得られない場合があっ
た。
【0008】例えば、隔壁21を構成する上層と下層の
圧電セラミックス並びに隔壁21と天板25を接着剤に
よって接合する際に接着剤層の厚みがばらついたり、接
着剤に不均一に含まれる気泡が残留したり、接着剤の硬
化時に化学反応によって発生する気泡が接合部分に介在
すると隔壁21の剛性がばらつき、各流路22ごとのイ
ンクの加圧性能が不均一となるといった課題があった。
【0009】また、接着によって形成された二層の圧電
セラミックスからなる基板に、厚みが40〜100μm
程度の回転砥石を用いて流路22となる溝を研削加工に
よって等間隔に形成すると、溝を隔てる隔壁21が形成
されるが、上記研削加工によって隔壁21の接合部分の
接着剤層が剥離したり、隔壁1を構成する圧電セラミッ
クスにクラックが発生すると、隔壁21の所定の剛性が
得られなくなるといった課題もあった。そして、このよ
うな接着剤層の剥離やクラックが不規則に発生し、剛性
が低下した隔壁21に隣接する流路22ではインクの加
圧性能が低下するため、ヘッド40の各インク吐出孔2
9からのインク滴の吐出速度が不均一となり易いもので
あった。
【0010】また、特開平6−238888号公報に
は、隔壁21を構成する圧電セラミックスの微細組織に
含まれる気孔の比率について規定しているが、隔壁21
中に存在する気孔の比率が従来技術で規定される値以下
であっても、隔壁21中の気孔が一部に偏在すると所定
の剛性が得られずインクの加圧性能が低下するといった
課題があり、このような隔壁21がヘッド40中に不規
則に存在すると、各流路22ごとのインクの加圧性能が
不均一となる場合があった。
【0011】このように、隔壁21の空孔やその接合層
に介在する気泡または隔壁21に生じたクラックなどに
より流路22のインクの加圧性能にばらつきが発生する
と、流路22に連通するインク吐出孔29からのインク
滴の吐出速度の分布が大きくなり、印刷面へのインク滴
の着弾位置が不揃いとなるため印画品質が低下するとい
った課題があった。
【0012】また、隔壁21の空孔、クラック及び接合
層の気泡が著しい場合、該隔壁21を隔てて隣接する流
路22同士が連通し、隔壁21を変形させてもインクが
隣接する流路22間で移動し、インク滴を吐出できなく
なる場合もあった。
【0013】以上のように従来技術で規定された設計に
基づくヘッド40においても、材料やプロセスに固有の
問題により所定の性能が得られない場合があった。
【0014】
【課題を解決するための手段】そこで、本件発明者は、
分極方向を対向させた二層の圧電セラミックスからなる
複数の隔壁を並設し、各隔壁間をインクの流路とした流
路部材と、上記流路を覆うように上記隔壁の頂面に接合
される天板を有するインクジェット記録ヘッドにおい
て、隔壁の剛性とインク滴の吐出速度の関係ついて種々
研究を繰り返したところ、有限要素法によるシミュレー
ションと実際のヘッドのインク滴の吐出結果の対比か
ら、隔壁の剛性及び形状と相関性を有する隔壁の共振周
波数が一定の範囲に揃えば良いことを突き止め、本発明
に至った。
【0015】即ち、本発明は、異なる分極方向を有する
二層のセラミック壁を接着して隔壁となし、その側面に
駆動用電極を有する上記隔壁を並設し、各隔壁間をイン
クの流路とした流路部材と、上記流路を覆うように上記
流路部材の隔壁頂面に接着にて接合された天板と、上記
流路に連通するインク吐出孔を有するインクジェット記
録ヘッドにおいて、上記二層のセラミック壁は、ヤング
率が50GPaより大きく、100GPa以下の同一の
圧電セラミックスにより形成するとともに、上記隔壁の
高さをHW、隔壁の幅をWWとした時、両者の比が、 2.5 ≦ HW/WW ≦ 6.0 で、かつ上記隔壁の共振周波数をFc、上記圧電セラミ
ックスの密度をρ、上記圧電セラミックスのヤング率を
Yとした時、 AC=FC×HW 2×ρ0.5/(WW×Y0.5) 0.30 ≦ AC ≦ 0.80 の関係を満足するようにしたことを特徴とする。
【0016】また、本発明を上記インクジェット記録ヘ
ッドを製造するにあたり、厚み方向に分極を施した二枚
の圧電セラミック板を互いの分極方向を異ならせて接着
にて貼り合わせた後、上記接合部を横切る複数の溝加工
を施して上記溝をインクの流路、上記溝を仕切る壁を隔
壁とし、次いで上記隔壁の側面に駆動電極を形成して流
路部材を製作した後、上記駆動電極に通電して隔壁を駆
動させ、上記隔壁の一次の共振周波数をFO 上記隔壁を
形成する圧電セラミックスの密度をρ、上記圧電セラミ
ックスのヤング率をY、上記隔壁の高さをHW、隔壁の
幅をWWとした時、 AO=FO×HW 2×ρ0.5/(WW×Y0.5) 0.40 ≦ AO ≦ 1.60 の関係を満足するようにし、しかる後、上記流路を覆う
ように流路部材の隔壁頂面に天板を接着にて接合した
後、天板を接合した後の隔壁の共振周波数をFcとした
時、 0.50 ≦ FC/FO ≦ 0.75 の関係を満足するようにしたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0018】図1は本発明に係る他のインクジェット記
録ヘッドの一部を破断した斜視図である。また、図2
(a)(b)は図1に示すインクジェット記録ヘッドの
インク滴の吐出原理を説明するための断面図である。
【0019】このインクジェット記録ヘッド20は、流
路部材4とノズル板8及び天板5とからなり、流路部材
4は厚み方向に分極方向を対向する二層の圧電セラミッ
クスからなる複数の隔壁1と、隔壁1間に形成される流
路2が配置されており、図1に示すように隔壁1の側面
と流路2の底部にはそれぞれ駆動用電極3を形成してあ
り、流路部材4の表面に搭載されたドライバーIC10
から引出線11を経て各駆動用電極3に通電するように
なっている。
【0020】なお、流路部材4は、チタン酸ジルコン酸
鉛、ランタンチタン酸ジルコン酸鉛、マグネシウムニオ
ブ酸鉛あるいはこれらの混合物を主成分とする圧電セラ
ミックスにより形成しており、図2に示すように、矢印
方向に分極方向を対向させた二層の圧電セラミックスを
接着により接合し、隔壁1及び流路2を形成しており、
さらに流路2内には窒化珪素等の保護膜Sを被着し、駆
動用電極3がインクによって浸食を受けることを防止し
てある。
【0021】また、流路部材4には各流路2を覆うよう
に、各隔壁1の頂面から引出線11の形成部にかけて天
板5を接着にて接合してあり、天板5には各流路2と連
通するインク溜6とインク溜6を経てヘッド外部に設け
たインク容器からインクを供給するインク供給孔7が形
成されている。
【0022】さらに、流路部材4の各流路2の端部には
ノズル板8が接着により接合されており、ノズル板8に
は各流路2と連通するインク吐出孔9を有している。
【0023】次に、図1に示すインクジェット記録ヘッ
ド20のインク滴の吐出原理について図2(a)(b)
に示す断面図をもって説明する。
【0024】このインクジェット記録ヘッド20にてイ
ンク滴を吐出するには、まず、インクとして顔料タイプ
の油性インクや水性染料インクあるいは紫外線硬化イン
ク等のインクをインク供給孔7からインク溜6を経て各
流路2に供給する。この状態で、例えば図2(a)示す
ように、駆動用電極3b,3c及び駆動用電極3h,3
iにそれぞれ負極の電圧を、駆動用電極3a,3d,3
g,3jに正極の電圧を印加すると、隔壁1a及び隔壁
1bが流路2a側に屈曲変位するとともに、隔壁1d,
1eが流路2d側へ屈曲変位するため、流路2a,2d
内に充填されたインクを加圧して、インク吐出孔9より
インク滴を吐出させることができる。次に、各駆動用電
極3a〜3d,3g〜3jへの通電を遮断すると、屈曲
変位していた隔壁1a,1b,1d,1eが弾性作用に
よって元の形状に戻り、流路2a,2d内が減圧される
結果、インク溜6からインクの導入が開始されることに
なり、さらに前述した駆動用電極3a〜3d,3g〜3
jの正負を逆転して電圧を印加すると、図2(b)に示
すように、隔壁1a,1bが流路2aに対して外側へ屈
曲変位するとともに、隔壁1d,1eが流路2dに対し
外側へ屈曲変位するため、流路2a,2d内がさらに減
圧されてインクが充填されることになる。そして、駆動
用電極3a〜3d,3g〜3jの通電を遮断すると、屈
曲変位していた隔壁1a,1b,1d,1eは弾性作用
によって元の形状にもどり、次のインク滴を吐出する段
階に入るようになっており、これらの動作を順次繰り返
すことによりインク吐出孔9よりインク滴を連続して吐
出することができる。
【0025】ところで、本発明のヘッド20では、上記
隔壁1を構成するセラミック壁を、ヤング率が50GP
aより大きく、100GPa以下の同一の圧電セラミッ
クスにより形成するとともに、上記圧電セラミックスの
密度をρ、上記圧電セラミックスのヤング率をY、上記
隔壁1の高さをHW、隔壁1の幅をWW、上記隔壁1のの
共振周波数をFcとした時、 2.5 ≦ HW/WW ≦ 6.0 で、かつ AC=FC×HW 2×ρ0.5/(WW×Y0.5) 0.30 ≦ AC ≦ 0.80 の関係を満足することが重要である。
【0026】なぜなら、隔壁1を構成する圧電セラミッ
クスのヤング率Yが50GPa以下となると隔壁1の剛
性が不足して流路2内のインクを加圧する効率が低下
し、一方ヤング率Yが100GPa以上となると隔壁1
が一定の電圧を印加した時の変形量が小さくなり、流路
2からインク吐出孔9に向けて移動するインクの量が不
足し、一定体積のインク滴を形成することが困難となる
ためである。
【0027】また、隔壁1の高さと幅の比HW/WW
2.5以下とすると隔壁1の変位量が過少となり、上記
W/WWを6.0以上とすると隔壁1の剛性が低下し、
いずれの場合も流路2内のインクを加圧する効率が低下
して適正なインク滴の吐出に必要な圧力が得られなくな
る。
【0028】さらに、本発明のヘッド20では上記隔壁
1の頂面に天板5を接合した状態において一次の共振周
波数をFCとした場合、有限要素法によるシミュレーシ
ョンから以下の関係を満たすことが重要であることが判
明した。 AC=FC×HW 2×ρ0.5/(WW×Y0.5) 0.30 ≦ AC ≦ 0.50 ここでシミュレーションから判明した天板5の接合した
状態での隔壁1の共振モードの概略図と前記のように印
加電圧の周波数に対するインピーダンスの変化を図3
(a)〜(d)に示す。このうち図3(a)は正常な場
合、図3(b)は隔壁1の頂面と天板の接合部の接着剤
層が厚くなり剛性が低下した場合、図3(c)は天板5
が破損して隔壁1の頂面と共に変形する場合、図3
(d)は隔壁1を構成する二層の圧電セラミックスの接
合部の接着剤層が剥離した場合である。
【0029】例えば、隔壁1と天板5の接合部の接着剤
層が設計値より厚くなって接合部の剛性が不足すると、
シミュレーションでは図3(b)に示す共振モードを呈
し、共振周波数FCは正常な状態に比べて低下した。こ
のような隔壁1を変位させた場合、隔壁1に隣接する流
路2内のインクを加圧する効率が低下する。特に、共振
周波数FCが低下して上式で定義されるACが0.30よ
りも小さな値になるとインク滴の吐出速度が著しく低下
する。
【0030】また、隔壁1の頂面と天板5の接合部の接
着層が剥離すると隔壁1の端部の拘束が弱まり、シミュ
レーションでは図3(c)に示すように隔壁1の頂面が
大きく変位する共振モードとなり共振周波数FCが低下
した。このような隔壁1では剛性が低下するために隔壁
1に隣接する流路2内のインクを加圧する効率が低下す
る。さらに天板5と隔壁1の頂面の剥離が大きくなると
隔壁1の剛性と共に共振周波数FCが低下し、特に上式
で定義されるACが0.30よりも小さな値になるとイ
ンク滴の吐出速度が著しく低下する。
【0031】さらに、天板5が接合された状態で隔壁1
を構成する二層の圧電セラミックスの接合部の接着剤層
が剥離すると、図3(d)に示すように隔壁1を構成す
る各層の共振モードがそれぞれ現れて共振周波数FC
高くなる。このような接合部の剥離によって隔壁1の剛
性が低下したり、さらに著しい場合には該剥離部を経て
隣接する流路2内のインクが相互に移動可能となるため
に流路2内のインク加圧効率が著しく低下する。特に共
振周波数FCが著しく高くなり、上式で定義されるAC
0.50よりも大きくなるとインク滴の吐出に支障をき
たす。
【0032】次に、図1に示すインクジェット記録ヘッ
ド20の製造方法について説明する。
【0033】まず、厚み方向に分極を施した圧電セラミ
ックスの2枚の板を分極方向を対向させて接着剤を介し
て接合し、一方の圧電セラミックスの板をラップによっ
て厚みを落とし、該加工面にレジストマスクを貼付して
紫外線によって硬化した後、ダイヤモンドブレードにて
流路2となる複数の溝、これらに連続する引出線のパタ
ーンとなる浅い溝及び上記溝の間に複数の隔壁1を並設
して流路部材4を形成する。
【0034】次に、上記流路部材4の流路2を形成した
面に、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティン
グ法、CVD法等の膜形成手段にてアルミニウム、パラ
ジウム、ニッケル、金、銅等からなる駆動用電極3及び
引出線11を形成し、マスクを除去した後、前記膜形成
手段にて駆動用電極3及びその引出線11に窒化珪素等
の保護膜Sを被着する。
【0035】この後、インピーダンスアナライザ又はネ
ットワークアナライザ等の機器により、上記複数の全て
の隔壁1の共振周波数を測定し、全ての隔壁1において
所定の剛性が確保されているか検査する。
【0036】具体的には、駆動電極3に通電して隔壁1
を駆動させ、隔壁1の一次の共振周波数をFO 隔壁1を
形成する圧電セラミックスの密度をρ、圧電セラミック
スのヤング率をY、隔壁1の高さをHW、隔壁1の幅を
Wとした時、 AO=FO×HW 2×ρ0.5/(WW×Y0.5) 0.40 ≦ AO ≦ 1.60 の関係を満足するようにする。
【0037】ここで、上記関係を満足するようにするの
は、隔壁1の剛性が適切な範囲となり、効率良くインク
滴を吐出させるためである。
【0038】ここで有限要素法を用いたシミュレーショ
ンによって得られた隔壁1の共振モードと隔壁1に印加
する交流電圧の周波数に対するインピーダンスの変化を
図4(a)〜(e)に示す。このうち図4(a)は正常
な隔壁1の場合、図4(b)は隔壁1を構成する二層の
圧電セラミックスの接合部の接着剤層の厚み等によって
剛性が低下した場合、図4(c)は隔壁1を構成する二
層の圧電セラミックスの接合部の接着剤層が部分的に不
足したり剥離が発生して各層の圧電セラミックスが独立
して共振する場合、図4(d)は隔壁1を構成する二層
の圧電セラミックスのうち一層の圧電特性に不良が発生
した場合、図4(e)は隔壁1を構成する圧電セラミッ
クスに集中して気孔が発生する場合である。
【0039】例えば、隔壁1を構成する二層の圧電セラ
ミックスの層間の接合部で接着剤層が厚くなったり、接
着剤層に気泡が存在して剛性が低下するとシミュレーシ
ョンでは図(b)に示す共振モードを呈し、共振周波数
Oは正常な状態に比べて低下する。このような隔壁1
を有する流路部材4を用いてヘッド20を組み立てる
と、隔壁1を変位させた場合に流路2内のインクが加圧
され難くなる。特に、共振周波数FOが低下して上式で
定義される、AOが0.40よりも小さな値になるとイ
ンク滴の吐出速度が著しく低下する。
【0040】また、隔壁1を構成する二層の圧電セラミ
ックスの接合部において接着剤層によって接合される領
域を減らし、該接合部において接着剤が不足したり該接
着剤層が剥離した場合のシミュレーションを行ったとこ
ろ、図4(c)に示すように隔壁1を構成する各層の共
振モードがそれぞれ現れて共振周波数FOが高くなっ
た。このような隔壁1でも隔壁1の剛性が低下するため
隣接する流路2内のインクを加圧する効率が低下する。
特に隔壁1を上記接合領域が減少して共振周波数FO
高くなり、上記AOが1.60よりも大きくなるとイン
ク滴の吐出速度が著しく低下する。
【0041】さらに、隔壁1を構成する二層の圧電セラ
ミックスのうち一層の圧電特性が著しく低下すると、隔
壁1の変形は残る一層に依存することとなる。この場
合、シミュレーションでは図4(d)に示すように長周
期の共振モードを呈し隔壁1の共振周波数FOが低下し
た。このような隔壁1では変位が半減するため、隣接す
る流路2内のインクを加圧する効率が著しく低下する。
特にFOの低下によって上記AOが0.40よりも小さく
なると流路2内のインクを加圧する効率が低下し、イン
ク滴の吐出速度が著しく低下する。
【0042】また、隔壁1を構成する圧電セラミックス
に気孔が集中して存在し、隔壁1の剛性が低下して、該
隔壁1に隣接する流路2内のインクを加圧する効率が低
下すると、シミュレーションでは図4(e)に示す共振
モードを呈し、共振周波数F Oは正常な状態に比べて低
下する。このような隔壁1を有する流路部材4を用いて
ヘッド20を組み立てると、隔壁1を変位させた場合に
流路2内のインクが加圧され難くなる。特に、共振周波
数FOが低下して上式で定義される、AOが0.40より
も小さな値になるとインク滴の吐出速度が著しく低下す
る。
【0043】次いで、インク溜6となる空間を内部に設
けた天板5を流路2を覆うように流路部材4にエポキシ
系等の接着剤を介して接合し、接着剤の硬化後に再度全
ての隔壁1の共振周波数を測定して天板5を接合した状
態で隔壁1の剛性を検査する。
【0044】具体的には、天板5を接合した後の隔壁1
の共振周波数をFCとした時、 0.50 ≦ FC/FO ≦ 0.75 の関係を満足するようにする。
【0045】なぜなら図3(a)及び図4(a)に示す
ように、隔壁1の頂面を天板5に接合すると、隔壁1の
共振モードにおける節同士の距離が長くなり共振周波数
は低下するが、特に共振周波数の比FC/FOが上記範囲
となる場合に隔壁1と天板5の接合状態は良好となって
おり、隔壁1の剛性が隣接する流路2内のインクを加圧
するために特に適した範囲となるためである。
【0046】さらにポリイミド等の樹脂フィルムに流路
2と同じ間隔でインク吐出孔9をエキシマレーザー等で
開口してノズル板8を形成し、流路2の端部が開口して
いる流路部材4の端面にエポキシ系接着剤等で接合す
る。
【0047】そして引出線11が形成された流路部材4
上にドライバーIC10を搭載し、ワイヤーボンディン
グによって結線を行い、IC及び結線部を樹脂にて封止
して本発明のヘッド20を得ることができる。
【0048】なお、本発明は図1に示したものだけに限
らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば、変更や
改良できることは言うまでもない。
【0049】
【実施例】(実施例1)図1に示すインクジェット記録
ヘッドについて具体的に説明する。
【0050】まず、流路部材4として21×15×0.
9mmの厚み方向に分極を施した2枚の圧電セラミック
スの基板を分極方向を互いに対向させてエポキシ系接着
剤によって接合し、接着剤が硬化した後、ラップによっ
て一方の基板の厚みを0.15mmまで研磨する。
【0051】研磨後、加工面にレジストフィルムを貼付
した後、該レジストフィルムを紫外線の照射によって硬
化させ、流路部材4の長辺側の一端面から厚みが70μ
mのダイヤモンドブレードによって深さ300μm、長さ
10mmの流路2とこれにつながって他の端面まで連通
する深さ7μmの溝をレジストフィルムを貼付した流路
部材4の一面に141μmピッチで130本形成した。
【0052】流路2を形成した後、流路部材4の流路2
を形成した面にスパッタリングによって厚み0.1〜5
μmのアルミニウムの薄膜を形成し、さらに流路部材4
の表面に残った上記レジストフィルムをエッチングによ
って除去することにより駆動電極3及び引出線11のパ
ターンを形成した。
【0053】ここで、各隔壁1の両側面に形成された駆
動用電極3にそれぞれ導通する引出線11を介して、ア
ジレントテクノロジー社製インピーダンスアナライザA
4194を用いて各隔壁1の共振周波数の測定し、隔壁
1の剛性の良否判定を行った。
【0054】一方、21×9×1mmの未分極の圧電セ
ラミックス基板の一面に、深さ0.4mm、幅3mm、
長さ18mmの丸長溝をエンドミルによって削り込んで
インク溜6を形成し、さらにインク溜6の底部から直径
1.5mmの貫通孔を削り込んでインク供給孔7として
天板5を形成する。
【0055】次に上記天板5と、全ての隔壁1の共振周
波数が良品と判定された流路部材4とを、流路2を遮蔽
するようにエポキシ系接着剤を介して接合し、接着剤の
硬化後に再度各隔壁1の共振周波数の測定し隔壁1の剛
性の良否判定を行った。
【0056】そして、エキシマレーザーによって厚み5
0μmのポリイミドのシートに直径27μmのインク吐出
孔9を流路2と同じく141μmピッチで1.208個
開口し、該インク吐出孔9の列が中心に配置されるよう
にポリイミドシートを1.3×20mmの長方形に切断
してノズル板8を形成した後、上記の流路部材4と天板
5の接合体の端面において上記ノズル板8をインク吐出
孔9と流路2の中心を揃えて流路2の開口部を遮蔽する
ようにエポキシ系接着剤を用いて接合する。
【0057】さらに、上記流路部材4の表面にドライバ
ーIC10を搭載してエポキシ系樹脂にて固定した後、
該ドライバーIC10と引出線11をワイヤーボンディ
ングによって結線し、本発明のヘッド20は完成した。
【0058】ここで種々のヤング率Yを有する圧電セラ
ミックスの基板用いて、上記工程によって隔壁1の高さ
Wと幅WWの比を変更した複数のヘッド20を作製し、
これらのヘッド20を用いてインク滴の吐出速度の計測
を行った。
【0059】なお、上記計測では外部のインクタンクか
らインク供給孔7にインクを導入しており、ヘッド20
のドライバーIC10に引出線11を経て外部から信号
を入力するFPC回路を溶着してヘッド20の制御を可
能とし、さらに駆動信号電圧のピーク値を20Vに固定
し、インク吐出孔9から1mmの区間におけるインク滴
の吐出速度を高速度カメラによって計測した。
【0060】図5にヤング率Yの異なる圧電セラミック
スを用いて隔壁1の高さHWと幅WWの比を変更した複数
のヘッド20のインク滴の吐出速度の比較を示す。な
お、ここでは流路部材4と天板5の接合前と接合後に隔
壁1の共振周波数FO及びFCをそれぞれ測定して、以下
の関係を満たした隔壁1に挟まれた流路2に連通するイ
ンク吐出孔9から吐出されたインク滴の吐出速度を計測
した。
【0061】図5に示すように隔壁1を構成する圧電セ
ラミックスのヤング率Yが50GPa以上、100GP
a以下であり、かつ隔壁1の高さと幅の比HW/WW
2.5以上6.0以下の場合にインク滴の吐出速度が
5.0m/s以上で安定する傾向がみられた。 (実施例2)次に、実施例1に示すヘッド20において
流路部材4にヤング率Yが80GPaの圧電セラミック
スを使用し、該圧電セラミックスの基板を接合する接着
剤の量を増減させて、隔壁1の高さと幅の比HW/WW
2.5以上6.0以下複数のヘッド20を作製した。こ
こで流路部材4と天板5の接合前に測定された隔壁1の
共振周波数FO、隔壁1の高さHW、幅WW、隔壁1を構
成する圧電セラミックスのヤング率Y及び密度ρによっ
て次式で定義されるAOと、得られたヘッド20のイン
ク滴の平均吐出速度との関係を図6に示す。 AO=FO・HW 2・ρ0.5/(WW・Y0.5) 図6に示すようにAOが0.40以上、1.60以下の
場合にインク滴の吐出速度5.5m/s以上で安定する
傾向がみられた。
【0062】ここでヘッド20の製造工程において、流
路部材4を構成する圧電セラミックス基板を接合する接
着剤の量を増やした場合、共振周波数FOが低下してAO
が減少する傾向がみられた。特にAOが0.40未満と
なった場合、ヘッド20のインク滴の吐出速度が全イン
ク吐出孔9に渡って一様に低下した。
【0063】また、ヘッド20の製造工程において、流
路部材4を構成する圧電セラミックス基板を接合する接
着剤の量を減らした場合、隔壁1の各層間の接合状態に
分布が発生し、流路部材4に形成された全隔壁1に渡っ
て共振周波数FOが上下に変動してAOの値がばらつく傾
向がみられた。特にAOが0.40未満または1.60
より大きくなった場合インク滴の吐出速度が低下し、ヘ
ッド20の各インク吐出孔9からのインク滴の吐出速度
がばらついた。
【0064】また、ヘッド20の上記製造工程におい
て、流路部材4を構成する圧電セラミックスの基板の一
方に未分極の基板を使用したところ、共振周波数FO
低下してAOが0.40未満となり、ヘッド20のイン
ク滴の吐出速度が全インク吐出孔9に渡って一様に低下
した。
【0065】さらにAOの値が0.40から1.60の
間から著しく外れた隔壁1を含むヘッド20を解体し
て、該当する隔壁1を顕微鏡によって観察したところ、
隔壁1自体にクラックなどの破損が認められた。
【0066】以上のように、本発明のヘッド20では流
路部材4と天板5の接合前に測定された隔壁1の共振周
波数FO、隔壁1の高さHW、幅WW、隔壁1を構成する
圧電セラミックスのヤング率Y及び密度ρによって次式
で定義されるAOが0.40以上、1.60以下の場合
にインク滴の吐出速度が5.5m/sで安定した。 (実施例3)次に、実施例1に示すヘッド20の製造工
程においてAOが0.40以上、1.60以下の流路部
材4を使用して、流路部材4と天板5を接合する接着剤
の量を増減させて、隔壁1の高さと幅の比HW/WW
2.5以上6.0以下複数のヘッド20を作製した。こ
こで流路部材4と天板5の接合後に測定された隔壁1の
共振周波数FC、隔壁1の高さHW、幅WW、隔壁1を構
成する圧電セラミックスのヤング率Y及び密度ρによっ
て次式で定義されるACと、得られたヘッド20のイン
ク滴の平均吐出速度との関係を図7に示す。 AC=FC・HW 2・ρ0.5/(WW・Y0.5) 図7に示すようにACが0.30以上、0.50以下の
場合にインク滴の吐出速度が6.0m/s以上となり安
定する傾向がみられた。
【0067】ここでヘッド20の製造工程において、流
路部材4と天板5を接合する接着剤の量を増やした場
合、共振周波数FCが低下してACが減少する傾向がみら
れた。特にACが0.30未満となった場合、ヘッド2
0のインク滴の吐出速度が全インク吐出孔9に渡って一
様に低下した。
【0068】また、ヘッド20の製造工程において、流
路部材4と天板5を接合する接着剤の量を減らした場
合、隔壁1の各層間の接合状態に分布が発生し、流路部
材4に形成された全隔壁1に渡って共振周波数FCが上
下に変動してACの値がばらつく傾向がみられた。特に
Cが0.30未満または0.50より大きくなった隔
壁1に隣接する流路2に連通するインク吐出孔9ではイ
ンク滴の吐出速度が低下するために、ヘッド20の各イ
ンク吐出孔9からのインク滴の吐出速度がばらついた。
【0069】さらにAoの値が0.30から0.50の
間から著しく外れた隔壁1を含むヘッド20を解体し
て、該当する隔壁1を顕微鏡で観察したところ、隔壁1
や天板5にクラックなどの破損が認められたり、隔壁1
を構成する二層の圧電セラミックスの接合部において接
着剤層の剥離が認められた。
【0070】さらに、上記測定においてACが0.30
以上、0.50以下となった複数のヘッド20に関し
て、流路部材4と天板5の接合後と接合前の隔壁1の共
振周波数FCとFOの比FC/Foと各ヘッド20の全イン
ク吐出孔9からのインク滴の吐出速度の平均値の関係を
図8に示す。図示されるように共振周波数の比が0.5
0以上、0.75以下の場合にインク滴の吐出速度が
6.5m/s以上となり特にインク滴の吐出性能に優れ
たヘッドが得られた。
【0071】以上のように、本発明のヘッド20では流
路部材4と天板5の接合後に測定された隔壁1の共振周
波数FC、隔壁1の高さHW、幅WW、隔壁1を構成する
圧電セラミックスのヤング率Y及び密度ρによって次式
で定義されるACが0.30以上、0.50以下の場合
にインク滴の吐出性能が優れており、さらに流路部材4
と天板5の接合前後の隔壁1の共振周波数FCとFOの比
C/FOが0.50以上、0.75以下の場合に特にイ
ンク滴の吐出効率が高いヘッドが得られた。
【0072】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、厚
み方向に分極を施した二枚の圧電セラミック板を互いの
分極方向を異ならせて接着にて貼り合わせた後、上記接
合部を横切る複数の溝加工を施して上記溝をインクの流
路、上記溝を仕切る壁を隔壁とし、次いで上記隔壁の側
面に駆動電極を形成して流路部材を製作した後、上記駆
動電極に通電して隔壁を駆動させ、上記隔壁の一次の共
振周波数をFO 上記隔壁を形成する圧電セラミックスの
密度をρ、上記圧電セラミックスのヤング率をY、上記
隔壁の高さをHW、隔壁の幅をWWとした時、 AO=FO×HW 2×ρ0.5/(WW×Y0.5) 0.40 ≦ AO ≦ 1.60 の関係を満足するようにし、しかる後、上記流路を覆う
ように流路部材の隔壁頂面に天板を接着にて接合した
後、天板を接合した後の隔壁の共振周波数をFcとした
時、 0.50 ≦ FC/FO ≦ 0.75 の関係を満足するようにして、異なる分極方向を有する
二層のセラミック壁を接着して隔壁となし、その側面に
駆動用電極を有する上記隔壁を並設し、各隔壁間をイン
クの流路とした流路部材と、上記流路を覆うように上記
流路部材の隔壁頂面に接着にて接合された天板と、上記
流路に連通するインク吐出孔を有するインクジェット記
録ヘッドを製造し、上記二層のセラミック壁は、ヤング
率が50GPaより大きく、100GPa以下の同一の
圧電セラミックスにより形成するとともに、上記隔壁の
高さをHW、隔壁の幅をWWとした時、両者の比が、 2.5 ≦ HW/WW ≦ 6.0 で、かつ上記隔壁の共振周波数をFc、上記圧電セラミ
ックスの密度をρ、上記圧電セラミックスのヤング率を
Yとした時、 AC=FC×HW 2×ρ0.5/(WW×Y0.5) 0.30 ≦ AC ≦ 0.80 の関係を満足するようにしたことによって、全隔壁の剛
性がインク滴の吐出に適した範囲で揃えられ、優れたイ
ンク滴の吐出性能が全インク吐出孔に渡って均質なイン
クジェット記録ヘッドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録ヘッドの一部を破
断した斜視図である。
【図2】(a)(b)は本発明のインクジェット記録ヘ
ッドの駆動原理を説明するための断面図である。
【図3】(a)〜(d)は本発明のインクジェット記録
ヘッドの隔壁と天板を接合した状態での各種共振モード
を示すための断面図である。
【図4】(a)〜(e)は本発明のインクジェット記録
ヘッドの隔壁の各種共振モードを示すための断面図であ
る。
【図5】隔壁の高さHWと幅WWとの比に対するインク滴
吐出速度の変化を示す線図である。
【図6】天板を接合しない状態における隔壁の特性Ao
とインク滴吐出速度との関係を示す線図である。
【図7】天板を接合した状態における隔壁の特性Aoと
インク滴吐出速度との関係を示す線図である。
【図8】天板を接合した時の隔壁の共振周波数FCと、
天板を接合していない時の隔壁の共振周波数FOとの比
に対するインク滴の吐出速度との関係を示す線図であ
る。
【図9】従来のインクジェット記録ヘッドの一部を破断
した斜視図である。
【符号の説明】
1:隔壁、2:流路、3:駆動用電極、4:流路部材、
5:天板、6:インク溜、7:インク供給孔、8:ノズ
ル板、9:インク吐出孔、10:ドライバーIC、2
0:インクジェット記録ヘッド、21:隔壁、22:流
路、23:駆動用電極、24:流路部材、25:天板、
26:インク溜、27:インク供給孔、28:ノズル
板、29:インク吐出孔、30:ドライバーIC、3
1:インクジェット記録ヘッド

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】異なる分極方向を有する二層のセラミック
    壁を接着して隔壁となし、その側面に駆動用電極を有す
    る上記隔壁を並設し、各隔壁間をインクの流路とした流
    路部材と、上記流路を覆うように上記流路部材の隔壁頂
    面に接着にて接合された天板と、上記流路に連通するイ
    ンク吐出孔を有するインクジェット記録ヘッドにおい
    て、上記二層のセラミック壁は、ヤング率が50GPa
    より大きく、100GPa以下の同一の圧電セラミック
    スにより形成するとともに、上記隔壁の高さをHW、隔
    壁の幅をWWとした時、両者の比が、 2.5 ≦ HW/WW ≦ 6.0 で、かつ上記隔壁の共振周波数をFc、上記圧電セラミ
    ックスの密度をρ、上記圧電セラミックスのヤング率を
    Yとした時、 AC=FC×HW 2×ρ0.5/(WW×Y0.5) 0.30 ≦ AC ≦ 0.80 の関係を満足することを特徴とするインクジェット記録
    ヘッド。
  2. 【請求項2】厚み方向に分極を施した二枚の圧電セラミ
    ック板を互いの分極方向を異ならせて接着にて貼り合わ
    せた後、上記接合部を横切る複数の溝加工を施して上記
    溝をインクの流路、上記溝を仕切る壁を隔壁とし、次い
    で上記隔壁の側面に駆動電極を形成して流路部材を製作
    した後、上記駆動電極に通電して隔壁を駆動させ、上記
    隔壁の一次の共振周波数をFO 上記隔壁を形成する圧電
    セラミックスの密度をρ、上記圧電セラミックスのヤン
    グ率をY、上記隔壁の高さをHW、隔壁の幅をWWとした
    時、 AO=FO×HW 2×ρ0.5/(WW×Y0.5) 0.40 ≦ AO ≦ 1.60 の関係を満足するようにし、しかる後、上記流路を覆う
    ように流路部材の隔壁頂面に天板を接着にて接合した
    後、該天板を接合した後の隔壁の共振周波数をFcとし
    た時、 0.50 ≦ FC/FO ≦ 0.75 の関係を満足するようにしたことを特徴とするインクジ
    ェット記録ヘッドの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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