JP2001162795A - インクジェット記録ヘッド - Google Patents

インクジェット記録ヘッド

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JP2001162795A
JP2001162795A JP35297599A JP35297599A JP2001162795A JP 2001162795 A JP2001162795 A JP 2001162795A JP 35297599 A JP35297599 A JP 35297599A JP 35297599 A JP35297599 A JP 35297599A JP 2001162795 A JP2001162795 A JP 2001162795A
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flow path
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ink flow
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Shin Okubo
慎 大久保
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Kyocera Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/12Embodiments of or processes related to ink-jet heads with ink circulating through the whole print head

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】異物によるインク吐出孔4の目詰まりと、気泡
によるインク滴の吐出性能の劣化を防止するとともに、
圧電セラミックスからなる隔壁1が変位することで発生
する熱によるインクの粘度低下を防止する。 【解決手段】駆動用電極3を備える圧電セラミック製の
複数の隔壁1にて仕切られた複数のインク流路2を有す
るとともに、上記各インク流路2を連通するインク吐出
孔4を備えたインクジェット記録ヘッドに、前記各イン
ク流路2内のインクを循環させる循環機構を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細なインク吐出
孔からインク滴を吐出して文字や画像等を記録媒体に印
刷する各種プリンタや記録計、あるいは捺染分野や窯業
分野で文様形成等に用いる印刷機等の記録装置に搭載さ
れるインクジェット記録ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、マルチメディアの浸透に伴い、少
量多品種の用途に適した小型軽量の各種情報の印刷とし
て、インパクト方式の記録装置に代わり、インク滴を記
録媒体に吐出して印刷するインクジェット方式や、イン
クリボンを記録媒体上に接触させて加熱及び浸透させる
熱転写方式などのノンインパクト方式の記録装置が開発
され、これらの利用範囲が各種産業分野や一般家庭分野
等に拡大している。
【0003】かかるノンインパクト方式の記録装置のな
かでも、前記インクジェット方式の記録装置は、多階調
化やカラー化が容易で、ランニングコストが低いことか
ら将来性が注目されている。
【0004】このインクジェット方式の記録装置に搭載
されるインクジェット記録ヘッドとしては、必要なイン
ク滴だけを吐出するドロップ・オン・デマンド型が主流
になっており、具体的には、カイザー型やサーマルジェ
ット型が代表的な方式として採用されている。
【0005】カイザー型は、隔壁にて仕切られたインク
流路を密閉する薄肉のカバープレートを圧電素子にて変
形させ、インク流路内のインクを加圧してインク吐出孔
からインク滴を吐出するタイプであり、また、サーマル
ジェット型は、隔壁にて仕切られたインク流路内の一部
に発熱体を設け、インク流路内のインクを加熱する際に
発生する気泡の体積膨張を利用してインクを加圧し、イ
ンク吐出孔からインク滴を吐出するタイプである。
【0006】しかしながら、カイザー型は、カバープレ
ート上に圧電素子を設ける必要があることから、インク
ジェット記録ヘッドの小型化が困難であり、また、サー
マルジェット型は、インクを急激に高温に加熱するた
め、インクの種類が限定されるとともに、インクを熱膨
張させるのに時間がかかり、応答性が悪いといった問題
点があった。
【0007】そこで、前記問題点を解決するものとし
て、図4や図5に示すようなインクジェット記録ヘッド
が提案されている。
【0008】図4に示すインクジェット記録ヘッドは、
圧電セラミック板に一端が閉じられた複数の溝を並設
し、各溝をインク流路31とするとともに、各インク流
路31を仕切る壁を隔壁30とした流路部材33と、前
記各隔壁30の側面上半分に形成された駆動用電極32
と、各隔壁30の頂部に接合され、各インク流路31と
連通するインク供給穴35を備えたカバープレート34
と、流路部材33の開放端側に接合され、各インク流路
31と連通するインク吐出孔37を備えたノズル板36
とからなるもので、また、図5に示すインクジェット記
録ヘッドは、圧電セラミック板に両端が閉じられた複数
の溝を並設し、各溝をインク流路51とするとともに、
各インク流路51を仕切る壁を隔壁50としてなり、各
インク流路51の底部にはインク吐出孔54を備えた流
路部材53と、前記各隔壁50の側面上半分に形成され
た駆動用電極52と、各隔壁50の頂部に接合され、各
インク流路51と連通するインク供給穴56を備えたカ
バープレート55とからなるものがあった。
【0009】なお、図4中、38は駆動用電極32に通
電するための引出線、39は駆動用電極32に通電し、
隔壁30を変位させるためのドライバーIC、40は不
図示の外部駆動用回路とドライバーIC39を接続する
ための配線であり、図5中、57は駆動用電極52に通
電するための引出線、59は駆動用電極52に通電し、
隔壁50を変位させるためのドライバーIC、58は不
図示の外部駆動回路とドライバーIC59を接続するた
めの配線で、インク流路51を挟んで流路部材53の両
側にそれぞれ配してある。また、図4及び図5の隔壁3
0,50は、いずれも高さ方向に分極処理してある。
【0010】そして、図4及び図5に示すインクジェッ
ト記録ヘッドは、いずれも駆動用電極32,52に電圧
を印加し、隔壁30,50を形成する圧電セラミックス
の剪断モード変形を利用して隔壁30,50を「く」字
状に変位させ、インク流路31,51内のインクを加圧
することにより、インク吐出孔37,54からインク滴
を吐出するようになっていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図4及
び図5に示すインクジェット記録ヘッドを繰り返し駆動
させると、誤動作によってインク吐出孔37,54から
インク流路31,51内に気泡が入り込むことがあり、
インク流路31,51内に気泡が入り込むと、この気泡
によってインク流路31,51の体積変化に伴う圧力が
吸収されるため、インクへの加圧や減圧が阻害され、所
望のインク滴を吐出させることができなくなるといった
課題があった。
【0012】また、インク流路31,51には加工屑等
の異物が付着していたり、インクに異物が混入している
ことがあり、これらの異物がインク流路31,51内に
入り込むと、インク吐出孔37,54を詰まらせ、イン
ク滴の吐出ができなくなるといった課題もあった。
【0013】さらに、前述したサーマルジェット型のヘ
ッドほどではないが、隔壁30,50を変位させると熱
を発生し、インクの温度が上昇することによって、イン
クの粘度が低下するために、インク滴の吐出特性がかわ
り、記録する文字や画像の品質が安定しなくなるといっ
た課題もあった。
【0014】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記課
題に鑑み、駆動用電極を有する圧電セラミック製の隔壁
にて仕切られた複数のインク流路を有するとともに、上
記各インク流路と連通するインク吐出孔を備え、前記駆
動用電極に通電して隔壁を屈曲変位させることにより、
上記インク流路内のインクを加圧してインク吐出孔から
インク滴を吐出させるインクジェット記録ヘッドであっ
て、前記各インク流路にはその内部のインクを循環させ
る循環機構を設けたことを特徴とする。
【0015】
【作用】本発明のインクジェット記録ヘッドによれば、
インク流路内のインクを循環させる循環機構を設けたこ
とにより、気泡や異物などがインク流路内に入り込んだ
としても、循環によってインク流路内の気泡や異物をイ
ンクとともに排出することができるため、インク流路内
に気泡や異物が滞在することを防ぐことができるととも
に、インクを循環させることで、インク流路内における
インクの粘度が大きく低下することを防止することがで
きる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0017】図1は本発明に係るインクジェット記録ヘ
ッドの一部を破断した斜視図、図2は図1のインクジェ
ット記録ヘッドにおけるインクの循環機構を説明するた
めの模式図、図3(a)(b)は図1のインクジェット
記録ヘッドの駆動原理を説明するための断面図である。
【0018】このインクジェット記録ヘッド(以下、ヘ
ッドと称す)は、厚み方向に分極した圧電セラミック板
に両端が閉じられた複数の溝を並設し、これらの溝をイ
ンク流路2とするとともに、各インク流路2を仕切る壁
を隔壁1となし、各インク流路2の底部中央付近にはイ
ンク吐出孔4を備えた流路部材5と、各隔壁1の側面上
半分に形成された駆動用電極3と、各隔壁1の頂面に接
合させ、各インク流路2と連通するインク供給穴9及び
インク回収穴10をそれぞれ有するカバープレート6
と、上記インク供給穴9と連通するインク供給通路12
及びインク回収穴10と連通するインク回収通路13を
有する容器11とから構成してある。
【0019】カバープレート6のインク供給穴9とイン
ク回収穴10は、各インク流路2の両端にそれぞれ位置
するように配置してあり、容器11のインク供給通路1
2には、図2に示すように、メインタンク22より供給
されたインクがフィルタ24を経て供給されるようにな
っており、インク供給穴9を介して各インク流路2に供
給されたインクは、インク回収穴10を介してインク回
収通路13に回収され、サブタンク23に貯められたあ
と、フィルタ25にて気泡や異物を取り除き、ポンプ2
1を経由してメインタンク22に戻されるようになって
おり、各インク流路2内のインクを循環させる循環機構
を構成してある。
【0020】また、インク流路2の内壁全面には、図3
に示すように、インクによる駆動用電極3の劣化を防ぐ
ため、窒化珪素等のセラミック膜や樹脂膜を保護膜14
として被着してある。ただし、保護膜14は必ずしもイ
ンク流路2の内壁全面に設ける必要はなく、駆動用電極
3のみ被着してあれば良い。
【0021】なお、図1中、7は駆動用電極3に通電す
るための引出線、8は駆動用電極3に通電し、隔壁1を
変位させるためのドライバーIC、15は不図示の外部
駆動用回路とドライバーIC8を接続するための配線
で、インク流路2を挟んで流路部材5の両側にそれぞれ
配置してある。
【0022】そして、このヘッドを用いてインク滴を吐
出するには、図2に示すポンプ21を駆動させ、メイン
タンク22から容器11のインク供給通路12にインク
を供給するとともに、図1に矢印で示すように、インク
をインク供給穴9から各インク流路2へ供給し、さらに
インク回収穴10から容器11のインク回収通路13に
回収するように循環させた状態で、図3(a)に示すよ
うに、駆動用電極3b,3c,3h,3iにそれぞれ負
極の電圧を、駆動用電極3a,3d,3e,3f,3
g,3jに正極の電圧をそれぞれ印加すると、隔壁1a
及び隔壁1bがインク流路2a側へ屈曲変位するととも
に、隔壁1d,1eがインク流路2d側へ屈曲変位する
ため、インク流路2a,2d内に充填されたインクを加
圧し、インク吐出孔4よりインク滴を吐出するようにな
っており、次に、各駆動用電極3a〜3jへの通電を遮
断すると、屈曲変位していた隔壁1a,1b,1d,1
eが弾性作用によって元の形状に戻り、さらに前述した
駆動用電極3a〜3jへ正負を逆転して電圧を印加する
と、図3(b)に示すように隔壁1a,1bがインク流
路2aに対して外側へ屈曲変位するとともに、隔壁1
d,1eがインク流路2dに対して外側へ屈曲変位する
ため、インク流路2a,2d内がさらに減圧されてイン
クが充填されることになる。そして、各駆動用電極3a
〜3jへの通電を遮断すると、屈曲変位していた隔壁1
a,1b,1d,1eが弾性作用によって元の形状に戻
り、次のインク滴の吐出段階に入るようになっており、
これらの動作を順次繰り返すことでインク滴の吐出を連
続的に行うようになっている。なお、図3(a)(b)
において矢印は、各隔壁1a〜1eの分極方向を示す。
【0023】そして、本発明によれば、前述したよう
に、インク流路2内のインクを循環させる循環機構を有
することから、ヘッドの誤動作によってインク吐出孔4
からインク流路2内に気泡が侵入したり、インク流路2
に付着していた加工屑等の異物やインクに混入していた
異物がインク流路2に入り込んだとしても、インク回収
穴10より排出することができるため、隔壁1の変位に
よってインクに与えた圧力が気泡によって吸収されるこ
とがなく、安定した所望の圧力をインクに加えることが
できるため、インク吐出孔4から所定量のインク滴を安
定して吐出することができるとともに、異物によってイ
ンク吐出孔4が目詰まりを起こすことを効果的に防止す
ることができる。
【0024】また、インク流路2内のインクを循環させ
ることで、隔壁1の変位に伴って発生する熱によるイン
クの温度上昇を抑え、インクの粘度が低下することを防
止することもできるため、インク滴の吐出特性を安定さ
せることができる。
【0025】ところで、循環機構を設ける場合、インク
流路2の長手方向に対して垂直にインク吐出孔4が開口
するヘッドに適用することが重要である。
【0026】即ち、図4に示す従来のヘッドのように、
インク吐出孔37がインク流路31の長手方向に開口し
たものでは、インクの循環機構を設けた場合、インクの
流れがインク滴の吐出方向と同じであると、インクを加
圧する圧力がインクの流れに吸収され、逆にインクの流
れがインク滴の吐出方向と逆の方向であると、インクの
流れがインクを加圧する圧力と衝突して吐出圧が吸収さ
れるというように、いずれの場合においてもインク滴の
吐出性能が低下するのに対し、インク流路2の長手方向
に対して垂直にインク吐出孔4が開口するヘッドでは、
インクを加圧する圧力が吸収されることなく、大きな吐
出圧を得ることができるからである。
【0027】また、インク吐出孔4は、インク流路2の
底部のいずれに形成しても構わないが、隔壁1を変位さ
せた時に最も大きな変位が得られ、大きな圧力を発生さ
せることができるインク流路2の中央付近に設けること
が好ましい。
【0028】次に、本発明のインクジェット記録ヘッド
の製造方法について説明する。
【0029】まず、予め厚み方向に分極を施した、チタ
ン酸ジルコン酸鉛(PZT系)、マグネシウムニオブ酸
鉛(PMN系)、ニッケルニオブ酸鉛(PNN系)等を
主成分とする圧電セラミック板を用意し、その表面に、
蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVD
などの真空成膜法により、アルミニウム、パラジウム、
ニッケル、金、銅などの金属膜を被着し、フォトレジス
ト法にて引出線7と配線15を形成した後、圧電セラミ
ック板上に、ダイヤモンドブレードによって両端が閉じ
られた複数の溝を研削し、溝をインク流路2とするとと
もに、溝を仕切る壁を隔壁1としてなる流路部材5を製
作する。
【0030】次に、各隔壁1の側面上半分に、前述した
真空成膜法にて、アルミニウム、パラジウム、ニッケ
ル、金、銅などの金属膜を被着して駆動用電極3を形成
するとともに、引出線7と接続した後、駆動用電極3を
覆うように、インク流路2の内壁全面に、窒化珪素等の
セラミック膜や樹脂膜を保護膜14として被着し、次い
でレーザー加工等にて各インク流路2の底部中央付近に
インク吐出孔4を穿設する。
【0031】しかる後、各隔壁1の頂面に、インク供給
穴9とインク回収穴10が開口した、ガラスやセラミッ
クスからなるカバープレート6を接着等にて接合した
後、カバープレート6のインク供給穴9上に容器11の
インク供給通路12が、カバープレート6のインク回収
穴10上に容器11のインク回収通路13がそれぞれ位
置するように位置合わせした状態で容器11をカバープ
レート6に接着等にて接合し、次いで、ドライバーIC
8を引出線7及び配線15と接続して流路部材5の両端
にそれぞれ搭載することにより、図1のヘッドを得るこ
とができ、得られたヘッドの容器11に、図2に示す循
環機構を接続すれば良い。
【0032】なお、本実施形態では、ヘッドを形成する
流路部材5として、圧電セラミックスにより一体的に形
成したものを示したが、絶縁性セラミック板上に圧電セ
ラミックスからなる複数の隔壁を接着にて並設した流路
部材であっても良く、また、インク吐出孔4は必ずしも
インク流路2の底部に限らず、カバープレートに形成
し、インク流路2の底部にインク供給穴9とインク回収
穴10を形成したものでも良い。さらにインクの循環機
構としては図2に示すものだけに限定されず、インクを
循環させる機構を備えていれば、どのようなものでも良
いというように、これらに限らず、本発明の要旨を逸脱
しない範囲であれば改良や変更できることは言うまでも
ない。
【0033】
【実施例】ここで、図1に示す本発明のインクジェット
記録ヘッドと、図5に示す従来のインクジェット記録ヘ
ッドとを用意し、各インクジェット記録ヘッドを駆動さ
せた時のインク滴の吐出性能を調べる実験を行った。
【0034】本実験では、50mm×25mm×1mm
の板状をなし、予め厚み方向に分極処理したチタン酸ジ
ルコン酸鉛を主成分とする圧電セラミック板を用意し、
その表面に真空蒸着法により、膜厚が1μm程度のアル
ミニウム膜を被着した後、フォトレジスト法にて引出線
7,57及び配線15,58を形成し、次いで、圧電セ
ラミック板上に、厚みが60μmのダイヤモンドブレー
ドによって、長さ10mm、深さ450μmの溝を10
0μmのピッチで234本形成し、溝をインク流路2,
51とするとともに、溝を仕切る壁を隔壁1,50とし
た流路部材5,53を製作した。
【0035】次に、真空蒸着法にて隔壁1,50の側面
上半分に、膜厚が1μm程度のアルミニウム膜を被着し
て駆動用電極3,52を形成するとともに、引出線7,
57と接続した後、インク流路2,51の内壁全面に、
真空蒸着法にて窒化珪素の保護膜14を被着し、さらに
YAGレーザーにてインク流路2,51の底部中央にイ
ンク吐出孔4,54を穿設した。
【0036】一方、50mm×9mm×1mmのアルミ
ナセラミック板を用意し、CO2レーザーによって断面
形状が42mm×2mmの長方形をしたインク供給穴9
とインク回収穴10を開口させたカバープレート6と、
断面形状が42mm×2mmの長方形をしたインク供給
穴56のみを開口させたカバープレート55を製作し
た。
【0037】そして、流路部材5の各隔壁1の頂面に、
カバープレート6を接着にて接合するとともに、カバー
プレート6上にインク供給通路12とインク回収通路1
3を有する容器11を接着した後、ドライバーIC8を
引出線7及び配線15と接続して流路部材5の両端に搭
載し、次いで図2に示すメインタンク22、サブタンク
23、ポンプ21、フィルタ24,25からなるインク
の循環機構を接続することにより、本発明のインクジェ
ット記録ヘッドを製作した。
【0038】また、流路部材53の各隔壁50の頂面
に、カバープレート55を接着にて接合した後、ドライ
バーIC59を引出線57及び配線58と接続して流路
部材53の両端に搭載することにより、従来のインクジ
ェット記録ヘッドを製作した。
【0039】そして、製作した各インクジェット記録ヘ
ッドを、インク吐出孔群が印刷の主走査方向に対して垂
直になるように各ヘッドを記録装置に搭載し、各ヘッド
を主走査方向に往復移動させながらインク滴の吐出を行
うとともに、記録用紙を副走査方向に送ることにより、
350dpiの線や格子模様及び文字などからなる同一
面積のモノクロテストパターン印刷を行い、目視により
印刷の濃度ムラを観察したあと、各ヘッドを連続駆動さ
せ、印刷不良が発生するまでの印刷時間について調べる
実験を行った。
【0040】また、各ヘッドを固定し、紙を除去した状
態で、拡大鏡とCCDカメラによる高速撮影によって、
インク滴の吐出状態を観察し、画像解析によってインク
滴の大きさが最大となる時の駆動周波数をそれぞれ求め
たあと、その駆動周波数で各ヘッドを駆動させた時のイ
ンク滴の直径とそのバラツキを印刷用紙上の印刷面から
求めた。なお、印刷用紙には、インク滴の直径が安定す
るように、シリカのコーティングを施したインクジェッ
ト専用紙を用いた。
【0041】それぞれの結果は表1に示す通りである。
【0042】
【表1】
【0043】この結果、従来のインクジェット記録ヘッ
ドは、本発明のインクジェット記録ヘッドと比較して、
インク滴の直径及びバラツキが大きく、また印刷画像に
濃淡の差が現れた。
【0044】そこで、各ヘッドを30分間連続駆動させ
た後、流路部材5,53の底部に温度センサーを接触さ
せて発熱具合を測定したところ、本発明のインクジェッ
ト記録ヘッドでは、試験開始前の20℃から35℃に上
昇した程度であったのに対し、従来のインクジェット記
録ヘッドは、試験開始前の20℃から65℃まで上昇し
ており、インク流路41内のインクが熱せられ、インク
の粘度が下がったことにより、インク滴の直径が大きく
なり、ばらつきが発生したことが判った。
【0045】また、インク吐出孔4,54のメンテナン
スなしに連続印刷を繰り返したところ、従来のインクジ
ェット記録ヘッドは、4.5時間でインク吐出孔54の
目詰まりに起因する印刷不良が生じたのに対し、本発明
のインクジェット記録ヘッドでは、22時間の連続印刷
までインク吐出孔4の目詰まりはなく、安定した印刷を
長時間持続させることができた。
【0046】さらに、このような安定性の要因を詳細に
検討するため、本発明のインクジェット記録ヘッドと従
来のインクジェット記録ヘッドに、わざと直径1〜10
μmのセラミック粉体や気泡をインクに混入させ、印刷
を行ったところ、従来のインクジェット記録ヘッドで
は、セラミック粉体がインク吐出孔54を詰まらせ、ま
た、気泡がインク流路51に達した場合、インク吐出孔
54からインク滴を吐出させることができなかったのに
対し、本発明のインクジェット記録ヘッドでは、セラミ
ック粉体や気泡が、インクの循環と共にインク流路2を
通過する際にインク滴の吐出が一時的に停止するだけ
で、セラミック粉体や気泡がインク流路2を抜けると、
インク滴の吐出が可能となり、インク流路2内に異物や
気泡が入り混んでもそれを排出し、連続駆動させること
ができることが確認できた。
【0047】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、駆動用
電極を有する圧電セラミック製の隔壁にて仕切られた複
数のインク流路を有するとともに、上記各インク流路と
連通するインク吐出孔を備え、前記駆動用電極に通電し
て隔壁を屈曲変位させることにより、上記インク流路内
のインクを加圧してインク吐出孔からインク滴を吐出さ
せるインクジェット記録ヘッドであって、前記各インク
流路にはその内部のインクを循環させる循環機構を設け
たことから、気泡や異物などがインク流路内に入り込ん
だとしても、循環によってインク流路内の気泡や異物を
インクとともに排出することができるため、インク流路
内に気泡や異物が滞在することを防ぐことができるとと
もに、インクを循環させることで、インク流路内におけ
るインクの粘度が低下することを防止することができ
る。
【0048】その為、本発明のインクジェット記録ヘッ
ドを用いれば、インク吐出孔の目詰まりがなく、また、
インク吐出孔から所望のインク滴を安定して吐出するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット記録ヘッドを示す
一部を破断した斜視図である。
【図2】図1のインクジェット記録ヘッドにおけるイン
クの循環機構を説明するための模式図である。
【図3】(a)(b)は図1のインクジェット記録ヘッ
ドの駆動原理を説明するための断面図である。
【図4】従来のインクジェット記録ヘッドを示す一部を
破断した斜視図である。
【図5】従来の他のインクジェット記録ヘッドを示す一
部を破断した斜視図である。
【符号の説明】
1:隔壁 31:インク
流路 2:インク流路 32:駆動用
電極 3:駆動用電極 33:流路部
材 4:インク吐出孔 34:カバー
プレート 5:流路部材 35:インク
供給穴 6:カバープレート 36:ノズル
板 7:引出線 37:インク
吐出孔 8:ドライバーIC 38:引出線 9:インク供給穴 39:ドライ
バーIC 10:インク回収穴 40:配線 11:容器 50:隔壁 12:インク供給通路 51:イン
ク流路 13:インク回収通路 52:駆動
用電極 14:保護膜 53:流路
部材 15:配線 54:イン
ク吐出孔 21:ポンプ 55:カバ
ープレート 22:メインタンク 56:イン
ク供給穴 23:サブタンク 57:引出
線 24,25:フィルタ 58:配線 30:隔壁 59:ドラ
イバーIC

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動用電極を有する圧電セラミック製の隔
    壁にて仕切られた複数のインク流路を有するとともに、
    上記各インク流路と連通するインク吐出孔を備え、前記
    駆動用電極に通電して隔壁を屈曲変位させることによ
    り、上記インク流路内のインクを加圧してインク吐出孔
    からインク滴を吐出するインクジェット記録ヘッドであ
    って、前記各インク流路はその内部のインクを循環させ
    る循環機構を有することを特徴とするインクジェット記
    録ヘッド。
JP35297599A 1999-12-13 1999-12-13 インクジェット記録ヘッド Pending JP2001162795A (ja)

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