JP4956994B2 - 液滴吐出ヘッドの駆動方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ノズルから液滴を吐出させる液滴吐出ヘッドの駆動方法に関するものである。
微小なインク滴を用いて画像を記録するためのインクジェットヘッド(以下、単にヘッドという場合がある)のようにノズルから液滴を吐出させる液滴吐出ヘッドでは、圧力発生手段により圧力発生室内の液体に圧力を付与することでノズルから液滴を吐出させ、記録紙等の基材上に着弾させる。
かかるヘッドの圧力発生室内に気泡が入り込むことがあり、圧力発生室内に気泡が入り込むと、この気泡によって圧力発生室の体積変化に伴う圧力が吸収されるため、インクへの加圧や減圧が阻害され、所望のインク滴を吐出させることができなくなるといった課題があった。
また、圧力発生室には加工屑等の異物が付着していたり、インクに異物が混入していることがあり、これらの異物が圧力発生室内に入り込むと、ノズルを詰まらせ、インク滴の吐出ができなくなるといった課題もあった。
また、圧力発生手段の駆動等による発熱により、インクの温度が上昇することによって、インクの粘度が低下するために、インク滴の吐出特性がかわり、記録する文字や画像の品質が安定しなくなるといった課題もあった。
更に、インク滴の吐出の休止時にノズル近辺にインクが滞留するため、ノズルのインクメニスカスから、インクの揮発性成分が揮発し、その部分のインクの粘度が上昇したりすることがあり、それによりインク滴の吐出ができなくなる場合があるといった課題もあった。(通常、デキャップ現象と呼ばれている)。
ところで、かかるインクジェットヘッドには、エンドシューターとサイドシューターの二種類がある。図11の様な、圧力発生室100の末端にノズル101を有し、インクを循環する機構を持たないエンドシューターのヘッドは、ヘッドの気泡や異物を全てノズルを通して排出せざるを得ない為、ノズルが異物で詰まり易く、又、気泡が抜けにくい。また、前述の発熱やデキャップ現象が起きやすい。
これらを改良する為、図12の様に、マニホールド102とインクタンク103の間を、ポンプによりインクを循環させる方法がある。これは、マニホールド内の異物や気泡や熱はインクを循環する事により持ち去られるので、図11より優れているが、圧力発生室100内に入った異物や気泡や熱はノズル101を通して排出しなければならない。
この為、図13に示す様に、圧力発生室100の列の両端にダミー流路105を設けて、時々、記録を停止して、メンテナンスステーションでノズル面を吸引して、ヘッドに貯まった、異物や気泡を、ダミー流路を通して排出する方法がある。これも圧力発生室内に入った気泡や異物はノズルを通して排出せねばならない。
図14は、入口106と出口107を有する圧力発生室100の中央に設けたノズル101からインクを吐出するサイドシューターと呼ばれるタイプのヘッドである。特許文献1には、このヘッドを用いて、入口106と出口107を有する圧力発生室100に連続して、ポンプ104によりインクを流しながら、圧力発生室100の中央に設けたノズル101からインクを吐出することにより、圧力発生室内にある気泡や異物や圧力発生室内で発生した熱をノズルを介さず、取り去る方法が開示されている。
また、特許文献2には、エンドシュターヘッドの圧力発生室内に、ノズル近傍に、切り欠きを設けた、仕切り板を設けて、ヘッド内のインクを、ポンプにより循環させる事により、非使用時に、ノズル詰まりが起こる事を防ぐ方法が開示されている。
特開2001−162795号公報 特表2003−505281号公報
特許文献1及び2に開示された技術は、インクを外部に設けたポンプで強制的に送るので、装置が大がかりになり、構造が複雑になるという問題がある。
また、ポンプでインクを流しながらインク滴を吐出するので、ノズルでの圧力制御が難しいという問題もある。すなわち、ヘッドの極めて狭い複雑な流路をインクが流動するため、圧損が生じ、各ノズルに於ける、インク圧力(負圧)を一定に保つ事が難しい。ノズルから、一定体積で、一定速度のインク滴を吐出するには、ノズルに於ける、インクの圧力とインクのメニスカス位置を一定に揃えねばならない。
インクを循環させるには、インクタンクから、ポンプで、ヘッドにインクを送り、再びインクタンクに戻す必要がある。この時、圧力発生室の中央部にあるノズルに於ける、インクの圧力が一定になる様に、ポンプの吐出圧力を制御する必要がある。
ノズルに於けるインクの圧力が、流動による圧損(ポンプ出口とノズル間で生じる圧力差)の結果、僅かに負圧になる様に、ポンプでインクを加圧して、ヘッドに送れば良い。
しかし、インクの温度が変動したり、ヘッドの汚れにより、流動抵抗が変化したり、インク種類が変わると、ノズルに於けるインク圧力が変動して、吐出量の変動を生じるので、各ノズルに於いてインク圧力を一定に保つ事は極めて難しい。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、ポンプを用いずに液体の一定方向への流動が可能であり、また、ノズルに於ける液体圧力の制御が容易であり、安定に液滴を吐出することのできる液滴吐出ヘッドの駆動方法を提供することを目的とする。
本発明の目的は、以下のような構成により達成される。

基材に対して液滴を吐出するノズルと、
1つの該ノズルに対して、第1の圧力発生室と第2の圧力発生室と前記第1の圧力発生室及び前記第2の圧力発生室を連結する連結流路とを備え、前記ノズルは前記連結流路に対応して配置されており、
前記第1の圧力発生室に対応して設けられた第1の圧力発生手段と、
前記第2の圧力発生室に対応して設けられた第2の圧力発生手段とを有する液滴吐出ヘッドの駆動方法であって、
前記液滴の吐出時以外の時間に、前記第1の圧力発生室及び前記第2の圧力発生室の容積を膨張させ一定時間後に元に戻す又は容積を収縮させ一定時間後に元に戻す動作を、前記第1の圧力発生手段と前記第2の圧力発生手段とで位相差を持たせて繰り返し行わせるように前記第1の圧力発生手段と前記第2の圧力発生手段を駆動させることにより、前記液滴吐出ヘッドの内部の液体を、前記第1の圧力発生室から前記連結流路を通って前記第2の圧力発生室へ、又は、前記第2の圧力発生室から前記連結流路を通って前記第1の圧力発生室へ流動させることを特徴とする液滴吐出ヘッドの駆動方法。

前記第1の圧力発生室と前記第2の圧力発生室に共通に液体を供給するマニホールドを有し、
前記液滴の吐出時以外の時間に、前記第1の圧力発生室及び前記第2の圧力発生室の容積を膨張させ一定時間後に元に戻す又は容積を収縮させ一定時間後に元に戻す動作を、前記第1の圧力発生手段と前記第2の圧力発生手段とで位相差を持たせて繰り返し行わせるように前記第1の圧力発生手段と前記第2の圧力発生手段を駆動させることにより、前記液滴吐出ヘッドの内部の液体を、前記第1の圧力発生室から前記連結流路及び前記第2の圧力発生室を通って前記マニホールドへ、又は、前記第2の圧力発生室から前記連結流路及び前記第1の圧力発生室を通って前記マニホールドへ流動させることにより、前記液滴吐出ヘッド内で液体を流動させることを特徴とする1に記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。

前記第1の圧力発生手段及び前記第2の圧力発生手段のうちの少なくともいずれか一方を駆動させ、前記第1の圧力発生室及び前記第2の圧力発生室の少なくともいずれか一方の容積の膨張と収縮とを行わせることにより前記液滴を吐出させることを特徴とする1または2に記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。

前記圧電素子は、せん断モード型圧電素子であることを特徴とする1、2または3に記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
本発明によれば、ポンプを用いずに液滴吐出ヘッドの内部の液体の一定方向への流動が可能であり、また、ノズルに於ける液体圧力の制御が容易であり、安定に液滴を吐出することのできる液滴吐出ヘッドの駆動方法を提供することができる。
以下に本発明に関する実施の形態の例を示すが、本発明の態様はこれらに限定されるものではない。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
本発明に係る液滴吐出ヘッドの駆動方法は、基材に対して液滴を吐出するノズルと、1つの該ノズルに対して、第1の圧力発生室と第2の圧力発生室を備え、前記第1の圧力発生室に対応して設けられた第1の圧力発生手段と、前記第2の圧力発生室に対応して設けられた第2の圧力発生手段とを有する液滴吐出ヘッドであれば、どのようなタイプの液滴吐出ヘッドにも適用でき、また、圧力発生室内に満たされる液体はどのような液体であっても良い。以下の説明では、圧力発生室内の容積を膨張又は収縮させることによって圧力を変化させる圧力発生手段を備え、圧力発生室内に満たされる液体としてインクを使用した液滴吐出ヘッドであるせん断モード(シェアモード)タイプのインクジェットヘッド(以下ヘッドと記す場合がある)を用いて説明する。
また、このような液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置としてインクジェット記録装置を例に挙げて説明する。
なお、実施の形態における説明においては、例えば、ヘッドの個々の駆動電極16A1、16B1,16A2、16B2・・・を説明するとき以外は、添え字のアルファベットや数字を省略して統括して説明する場合がある。ヘッドの他の構成要素についても同様である。
<インクジェット記録装置>
図1は、本発明の液滴吐出ヘッドの駆動方法に係る液滴吐出装置が適用されるインクジェット記録装置の概略構成を示す図である。インクジェット記録装置1において、基材である記録媒体Pは、搬送機構3の搬送ローラ対32に挟持され、更に、搬送モータ33によって回転駆動される搬送ローラ31により図示Y方向に搬送されるようになっている。
搬送ローラ31と搬送ローラ対32の間には、記録媒体Pの記録面PSと対向するようにインクジェットヘッド2が設けられている。このヘッド2は、記録媒体Pの幅方向に亘って掛け渡されたガイドレール4に沿って、不図示の駆動手段によって、上記記録媒体Pの搬送方向(副走査方向)と略直交する図示X−X’方向(主走査方向)に沿って往復移動可能に設けられたキャリッジ5に、ノズル面側が記録媒体Pの記録面PSと対向するように配置されて搭載されており、駆動回路24A、24B(図4参照)がFPC6A,6Bを介して本体側の制御基板に電気的に接続されている。
なお、基材としては、紙、樹脂、ガラス、金属等何でも良い。
ヘッド2は、インク供給管26によりインクタンク9(図4参照)と接続されており、インクタンク9からヘッド2にインクが供給される。
かかるヘッド2は、キャリッジ5の移動に伴って記録媒体Pの記録面PSを図示X−X’方向に移動し、この移動過程でインク滴を吐出することによって所望のインクジェット画像を記録するようになっている。
なお、図中、7はインク受け器であり、ヘッド2が記録領域外のホームポジション等の待機位置に設けられている。ヘッド2がこの待機位置にある時、このインク受け器7に向けてインク滴を少量はき捨てるようにする。ヘッド2がこの待機位置において長期間作動停止している時は、図示しないが、ヘッド2のノズル面にキャップを被せることにより保護するようになっている。また、8は記録媒体Pを挟んで上記インク受け器7の反対位置に設けられたインク受け器であり、往復両方向で記録するとき、往動から復動に切り替えるときに、上記同様にはき捨てられたインク滴を受け入れる。
さらに、インク滴の吐出時以外の時間に、ヘッド2の内部のインクを一定方向に流動させるように構成されているが、詳細は後述する。
<ヘッドの構成>
本例のせん断モードタイプのヘッド2では、圧力発生室の側壁を圧力発生手段であるせん断モード型圧電素子により構成し、このせん断モード型圧電素子をせん断変形させることによりノズルからインク滴を吐出する。
なお、本明細書においては、ヘッド2からインクが吐出される側の面を「前面」といい、その反対側の面を「後面」という。また、ヘッド2において並設される圧力発生室を挟んで図示上下に位置する外側面をそれぞれ「上面」及び「下面」という。
図2は圧力発生室であるインク流路が側壁を隔てて連続して設けられている連続流路ヘッド2の一例を示す分解斜視面、図3は圧力発生室であるインク流路とインクが供給されない空気流路が側壁を隔てて交互に設けられている独立流路ヘッド2の一例を示す分解斜視面、図4(a)は、図2、図3のヘッド2の後面に上下の圧力発生室に対して共通の貫通口21を設けた配線基板11とマニホールド20を取り付けた状態でのDーD線に沿うヘッドの縦断面である。図4(b)は、同様な縦断面図であり、貫通口21A、21B及びマニホールド20A、20Bを上下の圧力発生室毎に独立させて取り付けた状態での縦断面図である。なお、図2、図3においては、配線基板とマニホールドを省略してある。
図中、2はヘッド、10はヘッド2の前面に接合されたノズルプレート、11はヘッド2の後面に接合された配線基板(図3、図4)、6A、6Bは配線基板11に接合されるFPCである。
このヘッドは、分極された圧電性セラミック等の圧電材料からなる流路基板12A、12Bのそれぞれ片面に、ダイシングブレード等を用いて流路溝14A、14Bを多数平行に並列させて凹設し、更に、各流路溝14A、14B内に、各流路溝14A、14Bの側壁25A、25B(図5)をせん断変形させるための駆動電圧印加用の駆動電極16A、16Bを形成した後、各流路基板12A、12Bにおける各流路溝14A、14Bの形成面側に、各流路基板12A、12Bの流路溝14A、14Bの並び方向(図2、図3における左右方向)と同幅で且つ各流路溝14A、14Bの長さ(図4における左右方向の長さ)と同じカバー基板13A、13Bをそれぞれ接着する。
ここで、駆動電極16A、16Bは、ヘッド2の後面におけるカバー基板13A、13B側に引き出されて形成される(図4参照)。各流路溝14A、14B内に形成された駆動電極16A、16Bのうち流路溝14A、14Bの側面に形成された部分を利用して引き出し部を設ければよい。
なお、各流路溝14A、14Bの形状は、図4に示すように、ヘッド2の前面から後面に亘る長さ方向で大きさと形状がほぼ変わらないストレートタイプである。このように流路溝14がストレートタイプであることにより、泡抜けが良く、電力効率が高く、発熱が少なく、高速応答性が良いインクジェットヘッドとすることができる。
なお、本発明において、インク流路溝の形状は、特に限定される必要はなく、例えば、ヘッド2の後面側で徐々に流路溝が浅くなる形状の流路を有するヘッドにも本発明は適用可能である。
ここで、以降、上記で説明した流路溝の符号は、流路や圧力発生室にも使用する。
その後、それらカバー基板13A、13Bが接着された流路基板12A、12Bの流路溝14A、14Bの形成面と反対面同士をお互いの流路溝の位置を合わせた状態で(図5参照)接着する。流路溝14A、14Bは、各々カバー基板13A、13Bで閉鎖され、圧力発生室14A、14Bとなる。なお、前述のように、図3に示す独立流路ヘッド2では、圧力発生室であるインク流路とインクが供給されない空気流路が交互に設けられる。
なお、かかるヘッド2では、側壁25A,25Bの変形によって圧力発生室14A,14B内のインクに正負の圧力が付与されるものであり、この側壁25Aは第1の圧力発生手段を構成し、この側壁25Bは第2の圧力発生手段を構成している。また、14Aは第1の圧力発生室を構成し、14Bは第2の圧力発生室を構成している。
その後、接着された流路基板12A、12Bの前面に、縦方向に配列した2つの圧力発生室14A、14Bが連結するように2つの圧力発生室14A、14B毎に1個の連結流路17(開口)が形成された1枚の流路連結基板18を接着する。
連結流路の形状、材質は、圧力波の反射による損失を防ぐため圧力発生室内と特性インピーダンスが略同じになるように決めることが望ましい。本例では、図4に示すように、連結流路17の高さ(流路連結基板18の厚さに相当)をd3、圧力発生室14Aの高さをd1、圧力発生室14Bの高さをd2としたとき、d1=d2=d3としている。また、連結流路17の幅は、圧力発生室14Aの幅及び圧力発生室14Bの幅と同一にしている。なお幅とは、図4における連結流路17、圧力発生室14A、圧力発生室14Bの紙面垂直方向の長さを指す。
さらに、流路連結基板18の表面に、各連結流路17に対応するノズル19が開穿された1枚のノズルプレート10を接着する。
この状態において、液滴を吐出する複数のノズル19と、各ノズル19に対して、第1の圧力発生室14Aと第2の圧力発生室14Bを備え、前記第1の圧力発生室14Aに対応して設けられた第1の圧力発生手段25Aと、前記第2の圧力発生室14Bに対応して設けられた第2の圧力発生手段25Bとを有する液滴吐出ヘッドが完成する。
本例においては、2列の圧力発生室を設け、各列の圧力発生室14Aと14Bを連結流路17で接続する形態のヘッド2の例を示したが、ヘッドの形態は、これに限らず、例えば、1列の圧力発生室を設けて、隣接する2つの圧力発生室を連結する流路連結基板をヘッドの前面に設けることにより、圧力発生室のピッチの2倍のピッチでノズルが配列されたヘッドとしても良い。
また、図14に示すサイドシューター型のヘッドにも適用できる。圧力発生室100における入口106とノズル101との間に第1の圧力発生手段を、出口107とノズルとの間に第2の圧力発生手段を各々設け、液滴の吐出時以外の時間に、前記第1の圧力発生手段と前記第2の圧力発生手段を位相差を持たせて駆動させることにより、前記ヘッド内の液体を一定方向に流動させればよい。
さらにヘッド2の後面には、配線基板11とマニホールド20、20A、20Bが接合され、マニホールドとインクタンク9をインク供給管26で接続する。
配線基板11は、ヘッド2の幅方向(図2、図3における左右方向)と同一の幅を有すると共に、ヘッド2の圧力発生室14A,14Bの並び方向と直交する方向(図2、図3における上下方向)に延び、ヘッド2の上面及び下面からそれぞれ大きく張り出した張り出し部11a、11bを有している。
また、配線基板11に形成された開口部21の形状は、図2の連続流路ヘッド2と図3の独立流路ヘッド2では大きく異なる。
図2に示す連続流路ヘッド2では、ヘッド2の後面と接合される配線基板11には、その幅方向に亘って延びる貫通口21が形成されている。貫通口21は、ヘッド2の流路列方向に沿って全ての圧力発生室14の開口22を覆うことができる大きさに加工されて共通インク室を形成している。
また、図3に示す独立流路ヘッド2では、貫通口21は、流路14の1流路おきの開口22に対応して形成されている。すなわち、前述のように、1流路おきにインクが供給され圧力発生室になり、その間の流路はインク供給がされずに空気流路となるので、圧力発生室と空気流路(ダミー流路)が交互に形成された独立流路ヘッドとしている。圧力発生室に対応してノズル19を設けることにより、ノズル19からインクが吐出される。この場合、圧力発生室の側壁がせん断変形しても、隣接した他の圧力発生室に影響することがなく、側壁の駆動が容易である。
貫通口21は、図4(a)に示すように、圧力発生室14A、14Bの第1の開口22A、第2の開口22Bを覆う共通の貫通口21として形成してもよいし、図4(b)に示すように、圧力発生室14Aの第1の開口22Aを覆う貫通口21Aと圧力発生室14Bの第2の開口22Bを覆う貫通口21Bとして分離して形成してもよい。
図4(a)の場合は、2列の流路列に亘る大きさの貫通口21となるので、2列で共通の1つのマニホールド20を接合し、さらにマニホールド20とインクタンク9をインク供給管26により接続することにより、インクがインクタンク9からマニホールド20、貫通口21を介して、各圧力発生室14A、14Bに共通に供給される。なお、マニホールド20の開口部には、流動によりインクと共に流れてきた気泡や異物をトラップするフィルタ120が、配線基板11の開口部21における圧力発生室14Aの入口に対応する部位には、同様なフィルタ121がそれぞれ取り付けられている。なお、流動時のインクの流れ方向が図4(a)と反対方向の場合は、フィルタ121を配線基板11の開口部21における圧力発生室14Bの入口に対応する部位に設ければよい。
また、図4(b)の場合は、貫通口21A、21Bを流路列毎に独立させて、各々にマニホールド20A、20Bを設け、各マニホールドとインクタンク9をインク供給管26により接続する。インクタンク9からマニホールド20A、貫通口21Aを介して、圧力発生室14Aにインクが供給され、インクタンク9からマニホールド20B、貫通口21Bを介して、圧力発生室14Bにインクが供給される。なお、マニホールド20Aの開口部には、流動によりインクと共に流れてきた気泡や異物をトラップするフィルタ120Aが、マニホールド20Bの開口部には、フィルタ120Bが、取り付けられている。
また、配線基板11の張り出し部11a、11bは、各々FPC6A,6Bの接合部位として機能しており、ヘッド2との接合面側となる表面に、ヘッド2の後面に形成された駆動電極16A,16Bと同数及び同ピッチで、配線電極23A、23Bが形成されている。
また、配線基板11上に、圧電素子からなる側壁25A,25Bを駆動するための駆動回路24A,24Bが実装されており、駆動回路24A、24Bと配線電極23A,23Bは各々電気的に接続されている。
この配線電極23A,23Bは、FPC6A,6Bが接合される際、装置本体の制御基板と電気的に接続されるFPC6A、6Bの配線66A、66Bと電気的に接続される。このような構成により、制御基板からの制御信号に基づいて、駆動回路24Aは、側壁25Aを駆動するための駆動信号を駆動電極16Aに,24Bは、側壁25Bを駆動するための駆動信号を駆動電極16Bにそれぞれ印加する。即ち、第1の圧力発生手段である側壁25Aの駆動と第2の圧力発生手段である側壁25Bの駆動は、独立に制御されるように構成されている。
そして、後述するように、第1の圧力発生手段である側壁25Aと第2の圧力発生手段である側壁25Bとを位相差を持たせて駆動することにより、インクがヘッド2内(図4(b)では、ヘッド2内だけでなく、インクタンク9とインク供給管26を介してインクが流動する)を一方向に流動して流れるようになっている。図4(a),(b)中の矢印はインクの流れる方向を示している。なお、インクが流れる方向は逆方向であってもよい。図4(a)の場合は、インク供給管26、インクタンク9を介さずヘッド2内でインクを流動させることができ、流動の効率を高めることができ、好ましい。所定時間以上駆動することによりインクを循環させることができる。
なお、図4(b)の場合において、図4(a)と同様に共通の1つのマニホールド20を接合してヘッド2内でインク流動させることも可能である。また、本発明においては、必ずしもインクを循環させる必要はなく、マニホールド20Aと20Bを各々別々のインクタンクに接続して流動させても良い。
以下、ヘッド2を構成する材料の好ましい一例を説明する。
圧電材料としては、電圧を加えることにより変形を生じるものであれば特に限定されず、公知のものが用いられ、有機材料からなる基板であっても良いが、圧電性非金属材料からなる基板が好ましく、この圧電性非金属材料からなる基板として、例えば成形、焼成等の工程を経て形成されるセラミックス基板、又は塗布や積層の工程を経て形成される基板等がある。有機材料としては、有機ポリマー、有機ポリマーと無機物とのハイブリッド材料が挙げられる。
セラミックス基板としては、PZT(PbZrO3−PbTiO3)、第三成分添加PZTがあり、第三成分としてはPb(Mg1/3Nb2/3)O3、Pb(Mn1/3Sb2/3)O3、Pb(Co1/3Nb2/3)O3等があり、さらにBaTiO3、ZnO、LiNbO3、LiTaO3等を用いて形成することができる。
また、塗布や積層の工程を経て形成される基板として、例えば、ゾルーゲル法、積層基板コーティング等で形成することができる。
駆動電極16A,16Bに用いられる金属としては、白金、金、銀、銅、アルミニウム、パラジウム、ニッケル、タンタル、チタンを用いることができ、特に、電気的特性、加工性の点から、金、アルミニウム、銅、ニッケルが好ましく、めっき、蒸着、スパッタで形成される。
カバー基板13A,13B、配線基板11の材料は、有機材料からなる基板であっても良いが、非圧電性非金属材料からなる基板が好ましく、この非圧電性非金属材料からなる基板として、アルミナ、窒化アルミニウム、ジルコニア、シリコン、窒化シリコン、シリコンカーバイド、石英、分極されていないPZTの少なくとも1つから選ばれることが好ましい。このカバー基板、配線基板に用いられる材料は、その熱膨張係数が流路基板12に通常用いられる圧電材料であるPZTの熱膨張係数と近いことが好ましく、窒化アルミニウムあるいは分極されていないPZTが特に好ましい。その理由は、カバー基板や配線基板を圧電材料により形成された流路基板と接着する際、熱硬化型接着剤が使用されるが、カバー基板や配線基板の熱膨張係数が圧電材料のそれとかけ離れていると、冷却時に歪みが生じたり、材料間で剥離が生じる問題があるためである。また、圧電材料の駆動の発熱によってカバー基板や配線基板との間に上記同様の歪みや剥離が発生する事態を抑えることもできる。なお、上記で例示した窒化アルミニウムとしては、(株)住金セラミックス社製のAlN−BN(BNは窒化ボロン)を用いることができる。また、有機材料としては、有機ポリマー、有機ポリマーと無機物とのハイブリッド材料が挙げられる。
また、ノズルプレート10の材料としては、ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、液晶ポリマー、アロマティックポリアミド樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリサルフォン樹脂等の合成樹脂のほか、ステンレス等の金属材料を用いることもできる。
流路連結基板18としては、薄板やシート状のもの、或いは塗布して形成したものであっても良い。薄板やシート状のものとしては、金属板、ガラス、セラミックスシート、合成樹脂、それらに種々の充填剤を加えた複合材料等であっても良い。特に、分極していないPZTあるいは窒化アルミニウムが好ましい。分極していないPZTあるいは窒化アルミニウムは、流路基板12に通常用いられる、圧電材料であるPZTと熱膨張係数が近いため、流路基板12に対して正確に接合でき、また、熱膨張率の差に起因する流路基板12の歪み等の発生を抑えることができる。また、塗布型のものとしては、熱硬化型樹脂や紫外線硬化型樹脂とカーボンフィラメントや繊維等のフィラーを加えて形成した樹脂被膜であっても良く、このような樹脂被膜は、ノズルプレート10上に塗布により形成すればよい。また、流路連結基板18とノズルプレート10を一体として形成することも好ましい。厚めのノズルプレート10を用いて、ノズル19と連結流路17を形成させればよい。
<インク滴吐出時のヘッドの駆動方法>
各側壁25表面に密着形成された駆動電極16に駆動回路24から駆動信号が印加されると、以下に例示する動作によってインク滴をノズル19から吐出して画像記録を行う。
図5(a)〜(c)は、図2、図3に示すヘッド2のインク滴吐出時の作動を示す圧力発生室14A、14Bの断面図である(図3の空気流路ヘッドでは、空気流路も含む)。ノズル19は省略してある。図7はこのときの側壁25A,25Bの駆動電極16A,16Bに印加される駆動信号を示す。図7において、横軸はAL時間、縦軸は駆動電圧を表す。
本例においては、第1の圧力発生室14Aに対応して設けられた第1の圧力発生手段である側壁25Aと第2の圧力発生室14Bに対応して設けられた第2の圧力発生手段である側壁25Bのうちの少なくともいずれか一方を駆動させることによりインク滴を吐出させればよいが、本例では、両方を位相差なしで駆動させてインク滴を吐出させる。インク滴吐出時の駆動電圧を下げられるので好ましい態様である。
図5(a)に示すようにカバー基板13Aと流路基板12Aとの間には複数の側壁25A、即ち、25A0、25A1、25A2、…25An+1で隔てられた圧力発生室14A、即ち、14A0、14A1、14A2、…14Anが多数構成されている。また、カバー基板13Bと流路基板12Bとの間には複数の側壁25B、即ち、25B0、25B1、25B2、…25Bn+1で隔てられた圧力発生室14B、即ち、14B0、14B1、14B2、…14Bnが多数構成されている。ここで、圧力発生室の列の両端に位置する流路14A0、14An、14B0、14Bnは画像記録に使用しない流路としている。
なお、図3に示す独立流路ヘッドにおいては、各列の偶数の流路14A2,14B2、14A4、14B4・・・・・にはインクが供給されて圧力発生室になり、各列の奇数の流路14A1,14B1、14A3、14B3・・・・・はインクが供給されない空気流路になっている。なお、偶数の流路を空気流路とし、奇数の流路を圧力発生室としても良い。
各側壁25A0、25B0、25A1、25B1、・・・は、図5(a)の矢印で示すように分極方向が異なる2個の圧電材料からなる側壁から構成されており、各流路14A0、14B0、14A1、14B1、・・・内には、各側壁25A0、25B0、25A1、25B1、・・・の対向する両側面から底面にかけて繋がる駆動電極16A0,16B0,16A1,16B1、・・・が密着形成されている。即ち、例えば側壁25A1には密着形成された駆動電極16A0、16A1が、側壁25A2には密着形成された駆動電極16A1、16A2が、側壁25A3には密着形成された駆動電極16A2、16A3が設けてある。同様に上列、下列の各側壁にそれぞれ電極が密着形成されており、上列の各駆動電極16A0、16A1・・・は駆動回路24Aに、下列の各駆動電極16B0、16B1・・・は駆動回路24Bにそれぞれ接続されている。
なお、各側壁25は、ここでは図5の矢印で示すように分極方向が異なる2枚の圧電材料によって構成されているが、圧電材料は例えば何れか一方のみであってもよく、側壁25の少なくとも一部にあればよい。
かかるヘッド2は、図5(a)に示すように全駆動電極16A0、16B0、16A1、16B1・・・を接地した状態(駆動回路24A,24Bから接地信号が印加される)から、図5(b)に示す状態において、例えば圧力発生室14A2と14B2に対応したノズル19から吐出を行う時は、駆動電極16A2、16B2にパルス幅が1ALの矩形波からなる膨張パルス(+V1(V))を印加すると、膨張パルスの立ち上がり(P1)によって、側壁25A2、25A3、25B2,25B3を構成する圧電材料の分極方向に直角な方向の電界が生じることにより、側壁25A2、25B2共に側壁の接合面にせん断変形を生じ、また側壁25A3、25B3も同様に反対方向にせん断変形を生じて、図5(b)に示すように側壁25A2、25A3及び側壁25B2、25B3は互いに外側に向けて変形し、各々圧力発生室14A2,14B2の容積を拡大して圧力発生室14A2,14B2内に負の圧力が生じてインクが流れ込む。
なお、AL(Acoustic Length)とは、インク流路(本例のヘッド2においては、第1の圧力発生室であるインク流路14A、第2の圧力発生室であるインク流路14B、連結流路17で構成される「コ」の字型のインク流路に相当)の音響的共振周期の1/2である。実際のヘッドのALは、圧電材料により構成される側壁25に矩形波のパルスを印加して出射するインク滴の速度を測定し、矩形波の電圧値を一定にして矩形波のパルス幅を変化させたときに、インク滴の飛翔速度が最大になるパルス幅として求められる。
また、本例におけるパルスは、一定電圧波高値の矩形波であり、0Vを0%、波高値電圧を100%とした場合に、パルス幅とは、電圧の0Vからの電圧の立ち上がり始め又は立ち下がり始めの10%から波高値電圧からの立ち下がり始め又は立ち上がり始めの10%との間の時間として定義する。更に、ここで矩形波とは、電圧の10%と90%との間の立ち上がり時間、立ち下がり時間のいずれもがALの1/2以内、好ましくは1/4以内であるような波形を指す。
インク流路(前述の「コ」の字型のインク流路に相当)内の圧力波は、1AL時間毎に反転を繰り返すので、最初のP1の印加から1AL時間後に電位を0に戻すと(P2に相当)、側壁25A2、25A3、25B2,25B3は各々膨張位置から図5(a)に示す中立位置に戻り、インクに高い圧力が掛かる。引き続いて、パルス幅が2ALの矩形波からなる収縮パルス(−V2(V))を印加する。まずパルスの始端からの立ち下がり(P3)によって、図5(c)に示すように、側壁25A2、25A3及び25B2、25B3を互いに逆方向に変形し、圧力発生室14A2、14B2の容積を縮小すると、圧力発生室14A2、14B2内に更に高い正の圧力が生じる。これにより圧力発生室14A2、14B2を満たしているインクの一部によるノズル19内のインクメニスカスがノズル19から押し出される方向に変化する。この正の圧力がインク滴をノズル19から吐出する程に大きくなると、インク滴はノズル19から吐出する。この状態を2AL保持すると、圧力発生室14A2、14B2内の圧力が反転、再反転するので、電位を0に戻し(P4に相当)、側壁25A2,25A3,25B2、25B3を収縮位置から中立位置に戻すと、残留する圧力波がキャンセルされ、次のインク滴の吐出が可能になる。各圧力発生室も同様に駆動信号の印加によって上記と同様に動作する。
膨張パルスのパルス幅は、効率よくインク滴を吐出する観点から0.7AL〜1.3ALが好ましく、収縮パルスのパルス幅は、残留する圧力波のキャンセルが容易になる観点から1.7AL〜2.3ALが好ましい。
なお、図3に示す独立流路ヘッド2では、全駆動電極16A0、16B0、16A1、16B1・・・を接地した状態から、圧力発生室である偶数の流路(14A2,14B2、14A4、14B4、・・・)の側壁25の駆動電極16に駆動信号を印加すればよい。図2に示す連続流路ヘッド2では、圧力発生室14A2の側壁25A2及び25A3が吐出の動作をすると、隣の圧力発生室14A1、14A3が影響を受けるため、複数の圧力発生室のうち、互いに2本の圧力発生室を挟んで離れている圧力発生室をまとめて一つの組として全圧力発生室を3つの組に分割し、3つの圧力発生室毎に3群に分けて吐出する3サイクル吐出を行う。
下列の圧力発生室14B1,14B2,・・・についても同様な理由により、3サイクル吐出を行う。また、本例において、上列と下列の圧力発生室は位相差なしで同時に駆動される。
従って、例えば、全駆動電極16A0、16B0、16A1、16B1・・・を接地した状態から、圧力発生室14A1(14B1)、14A4(14B4)、14A7(14B7)、・・・の駆動電極16に同一周期の駆動信号を印加して駆動し、次の周期で圧力発生室14A2(14B2)、14A5(14B5)、14A8(14B8)・・・を駆動し、次の周期で圧力発生室14A3(14B3)、14A6(14B6)、14A9(14B9)・・・を駆動する方法を行う。なお、画像データにより駆動されない圧力発生室がある。
また、図2に示す連続流路ヘッド2では、一つの側壁25をその両隣の圧力発生室14で共有しているため、例えば図5に示す圧力発生室14A2、14B2から吐出を行う場合、図7に示すように、圧力発生室14A2の駆動電極16A2及び圧力発生室14B2の駆動電極16B2に1AL幅の矩形波の膨張パルス(+V1(V))を印加し、続いて、この圧力発生室14A2の駆動電極16A2及び圧力発生室14B2の駆動電極16B2に2AL幅の矩形波の収縮パルス(ーV2(V))を印加するが、圧力発生室14A2の駆動電極16A2及び圧力発生室14B2の駆動電極16B2に負電圧を印加する代わりに、図8に示すように、隣接する圧力発生室14A1及び14A3の各駆動電極16A1、16A3及び隣接する圧力発生室14B1及び14B3の各駆動電極16B1、16B3に、2AL幅の矩形波の収縮パルス(+V2(V))を印加する態様とすることで、側壁25に掛かる差電圧を利用して、図7の駆動パルスを印加した場合と同一の駆動を行うようにすることもできる。特にこの態様では、図7に示す駆動パルスを印加する場合のように正負の2電源を使用する煩雑さがないために好ましい。なお、図3に示す、独立流路ヘッド2では、隣接する空気流路14A1及び14A3の各駆動電極16A1、16A3及び隣接する空気流路14B1及び14B3の各駆動電極16B1、16B3に、2AL幅の矩形波の収縮パルス(+V2(V))を印加すればよい。
また、膨張パルスの駆動電圧V1(V)と収縮パルスの駆動電圧V2(V)は|V1|>|V2|の関係にすると、圧力発生室内へのインクの供給を促進する効果があり、特に、高粘度インクで高周波駆動を行う場合に好ましい。
なお、この電圧V1(V)と電圧V2(V)の基準電圧は0とは限らない。この電圧V1と電圧V2は、それぞれ差分の電圧である。
<インク流動時におけるヘッドの駆動方法>
次に、かかるインクジェット記録装置1において、ヘッド2に対してインクを一定方向に流動させる構成について説明する。
図6(a)〜(d)は、図2、図3に示すヘッド2のインク流動時の作動を示す圧力発生室14A、14Bの断面図である。ノズル19は省略してある。図9はこのとき側壁25の駆動電極16に印加される駆動信号を示す。図9において、横軸はAL時間、縦軸は駆動電圧を表す。上段は、第1の圧力発生手段である側壁25Aの駆動電極16Aに対して駆動回路24Aから印加される駆動信号であり、下段は、第2の圧力発生手段である側壁25Bの駆動電極16Bに対して駆動回路24Bから印加される駆動信号である。
この駆動信号は、上列の圧力発生室14Aの側壁25Aの駆動電極16Aに1AL幅の矩形波の膨張パルス(駆動電圧が+V3(V))を1AL間隔で繰り返し印加し、一方、下列の圧力発生室14Bの側壁25Bの駆動電極16Bには、上記駆動電極16Aに印加される駆動信号と同一の1AL幅、1AL間隔の矩形波の膨張パルス(駆動電圧が+V3(V))を、駆動電極16Bに対して0.5AL(位相差は90度)ずらせて繰り返し印加する。駆動信号を印加する時間は、本発明の効果をより高めるために100ms以上あることが好ましい。
各駆動信号における矩形波の膨張パルスのパルス幅及びパルス間隔は、各駆動信号において、矩形波の膨張パルスの立ち上がり、立ち下がりにより発生する圧力波の共振を有効に利用する観点から、1ALの近傍が好ましく、0.7AL〜1.3ALが好ましい。
また、位相差θは、第1の圧力発生手段に印加する駆動信号と第2の圧力発生手段に印加する駆動信号における駆動信号間での圧力波の共振を有効に利用する観点から、0度<θ<150度または210度<θ<360度の範囲であることが好ましく、90度の近傍である60度<θ<120度、または270度の近傍である240度<θ<300度が特に好ましい。なお、90度の場合と270度の場合でインクの流れの方向は反対になる。
θが90度に近いかあるいは、270度に近いかで流れの方向が決定する、図9に示す駆動信号を基本とした場合、90度に近い場合、図4に示す方向に流れ、270度に近い場合は、反対方向に流れる。
さらに、前述のインク滴吐出時の駆動電圧+V2(V)と、インク流動時の駆動電圧+V3(V)との関係を、|V2|=|V3|に設定することが好ましい。1つの電源で両パルスを発生することができる。したがって、電源コストを低減できる。
各側壁25表面に密着形成された駆動電極16に駆動回路24から駆動信号が印加されると、以下に例示する動作によって圧力発生室内のインクが一定方向に流動する。
かかるヘッド2は、図6(a)に示すように全駆動電極16A0、16B0、16A1、16B1・・・を接地した状態から、図6(b)に示す状態において、例えば圧力発生室14A2と14B2に対応した圧力発生室のインクの流動を行う時は、駆動電極16A2にパルス幅が1ALの矩形波の膨張パルス(+V3(V))を印加すると、膨張パルスの立ち上がり(P1)によって、側壁25A2、25A3を構成する圧電材料の分極方向に直角な方向の電界が生じることにより、側壁25A2は側壁の接合面にせん断変形を生じ、また側壁25A3も同様に反対方向にせん断変形を生じて、図6(b)に示すように側壁25A2、25A3は互いに外側に向けて変形し、圧力発生室14A2の容積を拡大して圧力発生室14A2内に負の圧力が生じる。この圧力波は、マニホールド内と連結流路17を介して圧力発生室14B2の2つの方向に伝播していく。0.5AL経過後にはマニホールドのほうに進んだ圧力波はマニホールドとの境界で符号が反転して圧力発生室に戻る。このときインクはマニホールドから圧力発生室に流入する。また圧力発生室14B2に進んだ圧力波は14B2に到達し圧力発生室内を負圧とする。またこのとき圧力発生室14B2の駆動電極16B2に膨張パルスが加わり、膨張パルスの立ち上がり(P3)によって、負圧が発生する。
このように各膨張パルスの立ち上がり(P1,P3)や立ち下がり(P2,P4)により圧力発生室内に発生した圧力波は次々にマニホールドとの境界で反射し、圧力発生室間を往復する。マニホールドで反射するときにインクが圧力発生室内に流出入する。この結果、図9のインク流動駆動信号を1周期(2AL)加えると、次の周期より1周期ごとに流動駆動信号に比例した量のインクが14A2に入り、同じ量のインクが14B2から流出する。圧力波が減衰するまでこの作用は繰り返される。連続してこの駆動信号が繰り返し印加される事により圧力発生室14A2のマニホールドから圧力発生室14B2のマニホールドへのインク流動が継続される。
なお、本発明において、インク流動の駆動信号は、特に限定されるものではなく、インクの物性やヘッドの特性等により適宜決めればよい。例えば、図9と逆極性のパルスを用いても良い。上列の圧力発生室14Aの側壁25Aの駆動電極16Aに1AL幅の矩形波の収縮パルス(駆動電圧がーV3(V))を1AL間隔で繰り返し印加し、一方、下列の圧力発生室14Bの側壁25Bの駆動電極16Bには、上記駆動電極16Aに印加される駆動信号と同一の1AL幅、1AL間隔の矩形波の収縮パルス(駆動電圧がーV3(V))を、駆動電極16Bに対して0.5AL(位相差は90度)ずらせて繰り返し印加すればよい。
また、これらの矩形波は片極でありその電圧値+V3は小さく、印加が上列の圧力発生室と下列の圧力発生室とで互いにずれていることから、インク滴が吐出されるおそれはない。
インク流動の駆動パルスは、圧力発生室の容積を膨張させ一定時間後に圧力発生室の容積を元に戻すか、あるいは、圧力発生室の容積を収縮させ一定時間後に圧力発生室の容積を元に戻す、所謂、片極のパルスを用いることが好ましい。
さらに、圧力発生室内の気泡が大きな場合、音響共振周波数が変化するので、駆動周波数を変化させたほうがインク流動効率が良くなることもある。従って、駆動周波数を変化させた流動駆動信号を印加させるように構成することが好ましい。例えば、第1の駆動周波数から第2の駆動周波数(第1の駆動周波数とは異なる)の間で周波数を掃引して連続駆動信号を駆動電極16に印加して、流動を与える事が有効である。機械的振動の周波数は気泡の大きさによって、気泡に対するその除去効果が異なるため、周波数を掃引しながら振動を与えるのが様々なサイズの気泡を全て除去するのに効果的である。
本発明において、インクを流動させるタイミングは、ヘッド2が記録媒体Pに対する記録領域外にある場合と記録領域内にある場合とに分けられる。本発明では、これらのうちの少なくともいずれかにおいて上記の通りヘッド2内のインクを一定方向に流動させる。
<記録領域外でのインク流動>
まず、ヘッド2が記録媒体Pに対する記録領域外にある場合、画像記録のためのインク滴の吐出は行わないので、ヘッド2の側壁25の駆動電極16に、全圧力発生室14A,14B内のインクを一定方向に流動させるための駆動信号を印加する。偶数の圧力発生室の駆動電極または奇数の圧力発生室(独立流路ヘッドでは、空気流路に相当)の駆動電極の一方を接地し、他方に駆動信号を印加すればよい。
例えば、図9に示す駆動信号を用いて、全駆動電極16A0、16B0、16A1、16B1・・・を接地した状態から、上列の偶数の圧力発生室(14A2、14A4、14A6、・・・)の側壁(25A2、25A4、25A6、・・・)の電極(16A2、16A4、16A6、・・・)に1AL幅の矩形波の膨張パルスを1AL間隔で繰り返し印加し、一方、下列の偶数の圧力発生室(例えば14B2、14B4、14B6、・・・)の側壁(25B2、25B4、25B6、・・・)の電極(16B2、16B4、16B6、・・・)には、上記上列の流路に印加される駆動信号と同一の1AL幅、1AL間隔の矩形波の膨張パルスを、該上列の圧力発生室に対して0.5ALずらせて繰り返し印加する。
図3に示す独立流路ヘッド2では、全ての圧力発生室(14A2,14B2、14A4、14B4、・・・・)において同時にインクを一定方向に流動させることができる。
図2に示す連続流路ヘッド2では、各圧力発生室は隣接する両隣の圧力発生室と側壁25を共有しているため、一つの圧力発生室の側壁25の駆動による影響はその両隣の圧力発生室にも及ぶ。このため、偶数の圧力発生室14の側壁25の駆動電極16に駆動信号を印加すると、自身の圧力発生室のインク流動のみならず、その両隣の奇数の圧力発生室のインクも一定方向に流動させることができる。全ての圧力発生室(14A1、14A2,14B1、14B2、14A3、14B3、・・・・)において同時にインクを一定方向に流動させることができる。
本例において記録領域外とは、ヘッド2によって記録媒体Pに対して画像記録を行わない位置であり、これにはヘッド2が停止位置であるホームポジションにある時、ヘッド2が記録媒体Pに対して画像記録を行うために記録領域内へ向けて加速している時、その記録領域内から記録領域外へ脱出する際に減速している時が挙げられる。本例ではこれらのうちの少なくともいずれかにおいて上記の通り全圧力発生室のインクを一定方向に流動させることが好ましい。
ヘッドが記録領域外にあるときに、常時流動させてもよいが、タイマー等により計時を行い、所定時間おきに流動させることが好ましい。
なお、ヘッド2が記録媒体Pに対する記録領域外にある場合は、以上のようにインクを流動させた後、記録を行うのに先立って、各圧力発生室から一定数(例えば50滴ずつ)のインク滴を吐き捨てる吐き捨て動作を行って回復処理を行い、画像記録の最初の一滴からより一層安定的にインク滴を吐出できるようにすると良い。画像記録開始までの時間に応じて、この吐き捨て動作後には、再度インクに流動を与えるように動作させても良い。キャリッジの往動時と復動時にインク吐出する場合は、往動の前に流動させてインクをはき捨ててから往動を開始し、更に復動の前に流動させてインクをはき捨ててから復動を開始することが好ましい。
<記録領域内でのインク流動>
次に、ヘッド2が記録媒体Pに対する記録領域内にある場合は、ヘッド2は画像記録のために駆動中であるため、画像データから非吐出ノズルを検出して、選択的にインク流動を行う必要がある。この場合、画像記録に寄与しないノズルに対応した圧力発生室14A、14Bの側壁25A,25Bの駆動電極16A,16Bに、図9に示す駆動信号を印加する。ヘッド2が記録領域内に移動した際には、すでにデータバッファには1行分の画像データが送られているため、この画像データからヘッド2が1主走査する間に画像記録に寄与しないインク滴不吐出の圧力発生室を検出することが可能である。従って、ヘッド2が記録領域内にある場合でも、この画像記録に寄与しない圧力発生室14A,14B内のインクを一定方向に流動させることで、記録中の極く僅かな吐出中断でも、インクの増粘(デキャップ現象)を抑えることが可能となる。
図3に示す独立流路ヘッド2では、例えば、全駆動電極16A0、16B0、16A1、16B1・・・を接地した状態から、全ての圧力発生室(14A2,14B2、14A4、14B4、・・・・)のうち、画像記録に寄与する圧力発生室の駆動電極には、図7の駆動信号を印加し、画像記録に寄与しない圧力発生室14A、14Bの側壁25A,25Bの駆動電極16A,16Bに、図9に示す駆動信号を印加してインクを一定方向に流動させればよい。
図2に示す連続流路ヘッド2は、一つの側壁25を両隣の圧力発生室14と共有しているため、前述のように3サイクル吐出法により順次にインク滴が吐出される。また1つの圧力発生室のインクを一定方向に流動させると、その両隣の圧力発生室内のインクも自動的に流動させることができる。従って、非吐出の圧力発生室のすべてに流動の駆動信号を与える必要はない。効率良くインクの増粘を抑える上では、例えば、3サイクル吐出の1つのサイクルにおいて、非吐出の圧力発生室であって画像記録に寄与しない圧力発生室の側壁の電極にのみ印加することが好ましい。
例えば、第1のサイクルで、14A1(14B1)、14A4(14B4)、14A7(14B7)、・・・の圧力発生室のうち、例えば14A4(14B4)が非吐出の圧力発生室であって画像記録に寄与しない場合は、全駆動電極16A0、16B0、16A1、16B1・・・を接地した状態から、画像記録に寄与する圧力発生室の駆動電極には、図7の駆動信号を印加し、この14A4(14B4)の圧力発生室の駆動電極16A4(16B4)に図9の駆動信号を印加してインクを一定方向に流動させれば、その両隣の14A3(14B3)、14A5(14B5)の圧力発生室も圧力は符号が反対で大きさは半分となるが、流速は半分で同じ方向に流動させることができる。
同様に、第2のサイクルで、14A2(14B2)、14A5(14B5)、14A8(14B8)、・・・の圧力発生室のうち、例えば14A5(14B5)が非吐出の圧力発生室であって画像記録に寄与しない場合は、全駆動電極16A0、16B0、16A1、16B1・・・を接地した状態から、画像記録に寄与する圧力発生室の駆動電極には、図7の駆動信号を印加し、この14A5(14B5)の圧力発生室の駆動電極16A5(16B5)に図9の駆動信号を印加してインクを一定方向に流動させれば、その両隣の14A4(14B4)、14A6(14B6)の圧力発生室も圧力は符号が反対で大きさは半分となるが、流速は半分で同じ方向に流動させることができる。
同様に、第3のサイクルで、14A3(14B3)、14A6(14B6)、14A9(14B9)、・・・の圧力発生室のうち、例えば14A6(14B6)が非吐出の圧力発生室であって画像記録に寄与しない場合は、全駆動電極16A0、16B0、16A1、16B1・・・を接地した状態から、画像記録に寄与する圧力発生室の駆動電極には、図7の駆動信号を印加し、この14A6(14B6)の圧力発生室の駆動電極16A6(16B6)に図9の駆動信号を印加してインクを一定方向に流動させれば、その両隣の14A5(14B5)、14A7(14B7)の圧力発生室も圧力は符号が反対で大きさは半分となるが、流速は半分で同じ方向に流動させることができる。
なお、以上説明した記録領域外及び記録領域内でのインクの流動は、それに続く吐出のための駆動パルスの印加によりインク滴を安定的に吐出できるようにするために、画像記録を行うためにインク滴の吐出を開始する少なくとも1AL以上前までには停止させることが好ましい。
以上、本発明の駆動方法による一定方向へのインク流動は、外部ポンプを必要としないので装置を小型化でき、構成を簡素化できる。気泡や異物などが圧力発生室内に入り込んだとしても、流動によって圧力発生室内の気泡や異物をインクとともに排出することができるため、圧力発生室内に気泡や異物が滞在することを防ぐことができるとともに、インクを流動させることで、発熱による圧力発生室内におけるインクの粘度の低下することを防止することができる。
また、吐出休止中は、ノズル内の増粘したインクがノズル近傍を流れる一定方向への流動によるインク流に取り込まれて、ノズル内の増粘したインクが、フレッシュなインクで置換されるので、デキャップ現象を抑制することができる。
また、基材に対するインク滴の吐出時には流動を行わないため、ノズルに於けるインク圧力の制御が容易であり、安定にインク滴を吐出することができる。
以上の実施形態では、圧力発生手段(側壁25)が圧電素子により構成されるものを示した。本発明の駆動方法は、このように圧力発生手段が圧電素子により構成されるものである場合に、圧力発生室の容積を膨張させる制御が容易にできるために好ましい。
また、上記実施形態では、ALに比べて十分に短い立ち上がり時間及び立ち下がり時間を持った矩形波の駆動パルスを圧電素子に印加している。矩形波を用いることで、圧力波の音響的共振をより有効に利用した駆動を行なうことができる。台形波を使用する方法に比べてインク滴を吐出、流動させる効率が良く、低い駆動電圧で駆動することができる上に、簡単なデジタル回路で駆動回路を設計できる効果がある。また、パルス幅の設定が容易になるという利点を有する。
また、上記実施形態例では、圧力発生手段として電界を印加することによりせん断モードで変形するせん断モード型の圧電素子を圧力発生室の側壁に用いた。せん断モード型の圧電素子では、矩形波の駆動パルスをより効果的に利用することができ、インク滴を吐出や流動の駆動電圧が下げられ、より効率的な駆動が可能となるため好ましい。
さらに、図2,3におけるカバー基板13A,13Bの少なくとも一部をせん断モード型の圧電素子で構成することも可能である。せん断モード型の圧電素子の両面に設けられた電極間に電圧を掛けることによって、本例と同様にインクの吐出や流動を行うことができる。
本発明はこれらに限られるものではなく、例えば、圧電素子を単板型の圧電アクチュエータや縦振動タイプの積層型圧電素子等、別の形態の圧電素子を用いてもかまわない。また、静電力や磁力を利用した電気機械変換素子や、沸騰現象を利用して圧力を付与させるための電気熱変換素子等、他の圧力発生手段を用いてもかまわない。
また、上記実施形態例は、ヘッド2の圧力発生室内の圧力を変化させる圧力発生手段を駆動することで、画像記録のためのインク滴の吐出、ヘッド内のインクの流動の各動作を行うことにより、同じ圧力発生手段で上記の全ての動作を行う機能を有する本発明における好適例を用いて説明した。
また、これに限らず、インクを流動させるための構成を、ノズルからインク滴を吐出させるための構成とは別の構成として付加的に設けるようにしてもよい。例えば上記のように、インク滴の吐出を、インクの加熱時に発生する気泡のエネルギーを利用して行うインクジェット記録装置のヘッドにおいて、インク流動させるために、記録ヘッドの圧力発生室の容積を変化させるように例えば圧力発生室の外側に設けられる電気・機械変換手段と、この電気・機械変換手段に駆動パルスを印加する駆動パルス発生回路とを、インク滴の吐出とは別に付加的に設けるようにしてもよい。このような電気・機械変換手段としては圧電素子が挙げられる。
また、以上の説明では、本発明の液滴吐出ヘッドの駆動方法に係る液滴吐出装置としてインクジェット記録装置の適用例を示し、液滴吐出ヘッドとして画像記録を行うためのインクジェットヘッドを用いたが、本発明は、これに限定されるものではなく、基材に対して液滴を吐出するノズルと、1つの該ノズルに対して、第1の圧力発生室と第2の圧力発生室を備え、前記第1の圧力発生室に対応して設けられた第1の圧力発生手段と、前記第2の圧力発生室に対応して設けられた第2の圧力発生手段とを有する液滴吐出ヘッドの駆動方法として広く適用可能である。特に、液晶用カラーフィルターの作製用途など、安定吐出を必要とする産業用途において有効である。
ここで、図2に示す本発明の連続流路ヘッドを用意し、図4(a)に示す形態で配線基板11とマニホールド20を取り付け、3サイクル駆動させた時のインク滴の吐出性能を調べる実験を行った。
本実験にあたり、流路基板12として、分極されたPZTを用い、カバー基板13として、窒化アルミニウム基板((株)住金セラミックス社製のAlN−BN)を用いた、また、ノズルプレート10は、ポリイミド樹脂シートを用い、流路連結基板18として上記と同様の窒化アルミニウム基板を用いた。
なお、ヘッドのサイズは、圧力発生室14A、14Bの高さd1、d2が310μm、幅が82μm、長さが2.5mm、連通流路17の長さが1.02mm、高さd3が310μm、幅が82μmであった。またこのヘッドのALは10(μsec)であった。
<実施例>
このヘッドを、図1のインクジェット記録装置に搭載し、ヘッドを主走査方向に往復移動させながらインク滴の吐出を行うとともに、記録用紙を副走査方向に送ることにより、A4サイズ100ページ分のベタのモノクロ記録を行い、目視により記録の濃度ムラ、ドット抜け等を観察した。なお、1ページ分の記録毎にヘッドをホームポジションに移動させ、1分間休止させた。なお、ヘッド休止時には、全駆動電極16A0、16B0、16A1、16B1・・・を接地した状態から、図9の駆動信号(+V3(V)=+5(V))を偶数の圧力発生室(14A2、14B2、14A4、14B4、・・・・)の駆動電極に1分間の間、繰り返し印加し、インクを一定方向に流動させ、インク滴吐出時は、図8の駆動信号(+V1(V)=+10(V)、+V2(V)=+5(V))を用いて、3サイクル吐出を行った。すなわち、全駆動電極16A0、16B0、16A1、16B1・・・を接地した状態から、圧力発生室14A1(14B1)、14A4(14B4)、14A7(14B7)、・・・の駆動電極16に同一周期の1AL幅の矩形波の膨張パルスを印加したのち、圧力発生室14A1(14B1)、14A4(14B4)、14A7(14B7)、・・・に隣接する圧力発生室14A0(14B0)、14A2(14B2)、14A3(14B3)、14A5(14B5)、14A6(14B6)、14A8(14B8)・・・の駆動電極16に同一周期の2AL幅の矩形波の収縮パルスを印加してインク滴を吐出させた。次の周期で同様に圧力発生室14A2(14B2)、14A5(14B5)、14A8(14B8)・・・を駆動してインク滴を吐出させた。次の周期で圧力発生室14A3(14B3)、14A6(14B6)、14A9(14B9)・・・を駆動してインク滴を吐出させた。この3サイクル吐出動作を繰り返すことで、インク滴の吐出を連続的におこない、ベタ画像を形成させた。
なお、インクは、水系染料インクを用いた。
<比較例1>
ヘッド休止時に、インクを一定方向に流動させるための駆動をおこなわない点を除いては、実施例と同様に評価した。
<比較例2>
図4(b)に示す形態で配線基板11とマニホールド20を取り付け、画像記録時と休止時にポンプにより、インクを一定方向に流動させた点を除いては、実施例と同様に評価した。
この結果、比較例1では、実施例と比較して、ノズルの目詰まりや気泡に起因するドット抜けが多く、また、ヘッドの発熱を受けたインク粘度低下によるインク滴径変化に起因する記録画像に濃淡の差が現れた。
比較例2では、実施例と比較して、ノズルに於けるインク圧力の変動によるインク滴径変化に起因する記録画像に濃淡の差が現れた。
本発明の実施例の実験結果について、インクを一定方向に流動をさせるための駆動時においてインクの流動を直接観察することは容易ではないため、流体解析シミュレーションソフトである「Flow−3D」でシミュレーションにより算出した。
図10(a)は、シミュレーションに用いた図2のヘッド(実施例に用いたヘッドと同一)の概略断面図であり、図10(b)は、図2のヘッドに図9の駆動信号を繰り返し印加して駆動した際の、印加時間(横軸)とインクの移動距離(縦軸)の関係を示している。なお、図10(a)では、配線基板11やマニホールド20を省略して、ノズル19と圧力発生室14A、14Bと連結流路17に注目して示してあり、圧力発生室の長さ方向をX方向、それに垂直方向をy方向としている。また、インクの移動距離は、図10(a)の×印で示した、y=0の位置を始点としたーy方向の移動距離をさす。
図10(b)より駆動信号を約100μsec時間印加するとインクは、約1.5μm移動することがわかる。すなわちインクの移動速度は、1.5(cm/sec)となる。これより、1分間の印加においては、90cmの距離を移動することになり、十分にインクが一定方向に流動して、循環することが裏付けられた。
インクジェット記録装置の概略構成を示す図である。 液滴吐出ヘッドの一態様であるせん断モード(シェアモード)タイプのインクジェットヘッドの概略構成を示す分解斜視図である。 液滴吐出ヘッドの一態様であるせん断モード(シェアモード)タイプのインクジェットヘッドの概略構成を示す分解斜視図である。 (a)、(b)は、図2,図3のヘッドの配線基板、マニホールドを備えた状態の断面図である。 (a)〜(c)はインク滴吐出時のヘッドの動作を示す図である。 (a)〜(d)はインク流動時のヘッドの動作を示す図である。 インク滴吐出時の駆動信号を示す図である。 インク滴吐出時の駆動信号の好ましい例を示す図である。 インク流動時の駆動信号の一例を示す図である。 (a)は、シミュレーションに用いた図2のヘッドの圧力発生室の概略断面図であり、(b)は、図2のヘッドに図9の駆動パルスを繰り返し印加して駆動した際の、シミュレーションにより算出した印加時間(横軸)とインクの移動距離(縦軸)の関係を示すグラフである。 従来例のインクジェットヘッドを示す図である。 従来例のインクジェットヘッドを示す図である。 従来例のインクジェットヘッドを示す図である。 従来例のインクジェットヘッドを示す図である。
符号の説明
1 インクジェット記録装置
2 ヘッド
4 ガイドレール
5 キャリッジ
6、6A,6B FPC
7、8 インク受け器
10 ノズルプレート
14A 流路溝、流路、第1の圧力発生室
14B 流路溝、流路、第2の圧力発生室
19 ノズル
22A 第1の開口
22B 第2の開口
24A、24B 駆動回路
25A 側壁、第1の圧力発生手段
25B 側壁、第2の圧力発生手段
31 搬送ローラ
32 搬送ローラ対
33 搬送モータ
P 記録媒体
PS 記録面

Claims (4)

  1. 基材に対して液滴を吐出するノズルと、
    1つの該ノズルに対して、第1の圧力発生室と第2の圧力発生室と前記第1の圧力発生室及び前記第2の圧力発生室を連結する連結流路とを備え、前記ノズルは前記連結流路に対応して配置されており、
    前記第1の圧力発生室に対応して設けられた第1の圧力発生手段と、
    前記第2の圧力発生室に対応して設けられた第2の圧力発生手段とを有する液滴吐出ヘッドの駆動方法であって、
    前記液滴の吐出時以外の時間に、前記第1の圧力発生室及び前記第2の圧力発生室の容積を膨張させ一定時間後に元に戻す又は容積を収縮させ一定時間後に元に戻す動作を、前記第1の圧力発生手段と前記第2の圧力発生手段とで位相差を持たせて繰り返し行わせるように前記第1の圧力発生手段と前記第2の圧力発生手段を駆動させることにより、前記液滴吐出ヘッドの内部の液体を、前記第1の圧力発生室から前記連結流路を通って前記第2の圧力発生室へ、又は、前記第2の圧力発生室から前記連結流路を通って前記第1の圧力発生室へ流動させることを特徴とする液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  2. 前記第1の圧力発生室と前記第2の圧力発生室に共通に液体を供給するマニホールドを有し、
    前記液滴の吐出時以外の時間に、前記第1の圧力発生室及び前記第2の圧力発生室の容積を膨張させ一定時間後に元に戻す又は容積を収縮させ一定時間後に元に戻す動作を、前記第1の圧力発生手段と前記第2の圧力発生手段とで位相差を持たせて繰り返し行わせるように前記第1の圧力発生手段と前記第2の圧力発生手段を駆動させることにより、前記液滴吐出ヘッドの内部の液体を、前記第1の圧力発生室から前記連結流路及び前記第2の圧力発生室を通って前記マニホールドへ、又は、前記第2の圧力発生室から前記連結流路及び前記第1の圧力発生室を通って前記マニホールドへ流動させることにより、前記液滴吐出ヘッド内で液体を流動させることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  3. 前記第1の圧力発生手段及び前記第2の圧力発生手段のうちの少なくともいずれか一方を駆動させ、前記第1の圧力発生室及び前記第2の圧力発生室の少なくともいずれか一方の容積の膨張と収縮とを行わせることにより前記液滴を吐出させることを特徴とする請求項1または2に記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  4. 前記圧電素子は、せん断モード型圧電素子であることを特徴とする請求項1、2または3に記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
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