JP2001277499A - インクジェット記録ヘッド - Google Patents

インクジェット記録ヘッド

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JP2001277499A
JP2001277499A JP2000094152A JP2000094152A JP2001277499A JP 2001277499 A JP2001277499 A JP 2001277499A JP 2000094152 A JP2000094152 A JP 2000094152A JP 2000094152 A JP2000094152 A JP 2000094152A JP 2001277499 A JP2001277499 A JP 2001277499A
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JP2000094152A
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Toshikazu Kishino
敏和 岸野
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Kyocera Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】流路2の両側の隔壁1をアクチュエータとし、
流路2の長手方向に対して垂直なインク吐出孔6を有す
るインクジェット記録ヘッド10において、隔壁1や駆
動用電極3の寸法バラツキによって、流路2を構成する
両側の隔壁1の変位量に差ができたり、インク吐出孔6
が流路2の幅方向中央よりずれて配置されたとしても、
インクの加圧力をインク吐出孔6に集中させ、インク滴
の吐出速度を高めるとともに、インク滴の着弾位置にバ
ラツキが発生することを防ぐことができるインクジェッ
ト記録ヘッドを提供する。 【解決手段】流路2の両側の隔壁1をアクチュエータと
し、流路2の長手方向に対して垂直なインク吐出孔6を
有するインクジェット記録ヘッド10において、前記イ
ンク吐出孔6の吐出側開口部6aの径Mを流路幅Kより
小さくするとともに、流路側開口部6bの径Lを流路幅
Kよりも大きくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細なインク吐出
孔からインク滴を吐出して文字や画像を印刷する各種プ
リンターや記録計、あるいは捺染分野で文様形成に用い
られる印刷機等の記録装置に搭載されるインクジェット
記録ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、マルチメディアの浸透に伴い、イ
ンパクト方式の記録装置にかわって、インクジェットや
熱転写等を利用したノンインパクト方式の記録装置が開
発され、その利用範囲が各種産業分野及び一般家庭分野
において広まりつつある。
【0003】かかるノンインパクト方式の記録装置のな
かでも、前記インクジェット方式を利用した記録装置
は、多階調化やカラー化が容易で、ランニングコストが
低いことから将来性が注目されている。
【0004】図5に従来の記録装置に搭載されているイ
ンクジェット記録ヘッド40の一例を示すように、複数
の隔壁31を並設し、各隔壁31間をインクの流路32
として成り、各流路32の底部にはインク供給孔37を
備えた圧電セラミックスから成る流路部材34と、前記
隔壁31の両側面上半分にそれぞれ形成された駆動用電
極33と、隔壁31の頂面に熱硬化性の接着剤やガラス
にて接合され、各流路32と連通するインク吐出孔36
を備えた蓋体35とから成り、前記駆動用電極33に通
電して前記隔壁31を「く」字状に屈曲変位させること
により、不図示のインクタンクよりインク供給孔37を
介して流路32内に導入されたインクを加圧してインク
吐出孔36よりインク滴として吐出するようになってい
た。
【0005】また、この種のインクジェット記録ヘッド
40のインク吐出孔36は、基本的に流路32の中央に
配置され、流路側開口部36bの穴径を吐出側開口部3
6aの穴径と同等又は若干大きくするとともに、流路側
開口部36bの穴径と吐出側開口部36aの穴径とは流
路幅よりも小さくなっていた。
【0006】なお、図中38は駆動用電極33の引出線
であり、また、矢印は流路部材34を形成する圧電セラ
ミックスの分極方向を示す。
【0007】また、このヘッド40を製造するには、予
め厚み方向に分極処理したチタン酸ジルコン酸鉛等を主
成分とする圧電セラミック体に、例えばダイシングソー
と呼ばれる回転刃によって複数の溝を等間隔に刻設し、
各溝をインクの流路32とするとともに、流路32を構
成する壁を隔壁31として成る流路部材34を製作し、
次いでレーザー加工等によって流路32の底部にインク
供給孔37を設けた後、隔壁31の頂面及び側面上半分
に、蒸着法、スパッタリング法、メッキ法などの膜形成
手段により金属膜を被着し、隔壁31の側面上半分に被
着した金属膜を駆動用電極33とし、隔壁31の頂面に
被着された金属膜の中央を、その長手方向に沿ってレー
ザー加工により分断することにより、各駆動用電極33
の引出線38を形成し、しかる後、レーザー加工等によ
って蓋体35に穿孔されたインク吐出孔36が、流路3
2の幅方向の中央に位置するよう位置決めした後、隔壁
31の頂部に蓋体35を熱硬化性の接着剤やガラスにて
接合することにより製作されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5に
示す従来のインクジェット記録ヘッドでは、インク吐出
孔36の流路側開口部36bの穴径が流路幅よりも小さ
いため、インク滴の吐出速度の低下を招いたり、吐出し
たインク滴の着弾位置がばらついてしまうといった課題
があった。
【0009】即ち、図5に示すインクジェット記録ヘッ
ドのように、流路32を構成する両側の隔壁31をアク
チュエータとし、流路32の長手方向に対して垂直な方
向にインク吐出孔36を有するヘッドにおいては、流路
32の中央に配置したインク吐出孔36近傍にインクの
加圧力を集中させるため、流路32を構成する両側の隔
壁31に設けた駆動用電極33に同じ電圧値を印加し、
両側の隔壁31を同じ変位量でもって屈曲変位させるの
であるが、各隔壁31や各駆動用電極33には、製作時
における寸法バラツキがあるため、両側の隔壁31に備
える駆動用電極33に同じ電圧値を印加しても両側の隔
壁31を同じ変位量でもって屈曲変位させることができ
ず、前述したように、インク吐出孔36の流路側開口部
36bの穴径が流路幅よりかなり小さいため、インク吐
出孔36近傍にインクの加圧力を集中させることができ
なかった。
【0010】その為、インク吐出孔36に集中するイン
クの加圧力が減少し、インク滴の吐出速度が低下すると
ともに、インク吐出孔36の中心軸に対して斜め方向か
ら圧力が加わるため、インク滴がインク吐出孔36の中
心軸よりずれて吐出させる結果、記録媒体への着弾位置
にずれが発生していた。
【0011】また、前述したように、インク吐出孔36
は、流路32の幅方向中央に位置するように位置決めす
るのであるが、流路32の幅は数十μm〜数百μm程度
とかなり狭いため、流路32の幅方向中央に正確に位置
決めすることが難しく、この位置ズレがあると、インク
の加圧力を流路32の幅方向中央に集中させることがで
きたとしても、インク吐出孔36に集中するインクの加
圧力が減少するため、インク滴の吐出速度の低下やイン
ク滴の着弾位置のバラツキが発生するといった課題があ
った。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記課
題に鑑み、少なくとも一部が圧電材料からなる複数の隔
壁を並設し、該隔壁間をインクの流路とする流路部材
と、前記隔壁の両側面にそれぞれ形成する駆動用電極
と、前記隔壁の頂面に接合し、各流路と連通するインク
吐出孔を備えたノズル板とから成り、前記駆動用電極に
通電して隔壁を屈曲変位させることにより、前記流路内
のインクを加圧して上記インク吐出孔からインク滴を吐
出するインクジェット記録ヘッドにおいて、前記インク
吐出孔の吐出側開口部の径を流路幅より小さくするとと
もに、流路側開口部の径を流路幅よりも大きくしたこと
を特徴とする。
【0013】また、本発明は、前記インク吐出孔の少な
くとも流路側開口部を、流路の長手方向の長さが流路の
幅方向よりも長くなるようにしたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0015】図1は本発明のインクジェット記録ヘッド
の一例を示す図で、(a)はその一部を破断した斜視
図、(b)は(a)のX−X線断面図であり、図2
(a)(b)は本発明のインクジェット記録ヘッドの駆
動原理を説明するための部分断面図である。
【0016】このインクジェット記録ヘッド10(以
下、ヘッドと称す)は、複数の隔壁1を並設し、各隔壁
1間をインクの流路2として成り、各流路2の底部には
インク供給孔7を備えた圧電セラミックスから成る流路
部材4と、前記隔壁1の両側面上半分にそれぞれ形成さ
れた駆動用電極3と、隔壁1の頂面に熱硬化性の接着剤
やガラスにて接合され、各流路2と連通するインク吐出
孔6を備えた蓋体5とから成り、各流路2と連通するイ
ンク吐出孔6は、吐出側開口部6aの径Mを流路幅Kよ
り小さくし、かつ流路側開口部6bの径Lを流路幅Kよ
り大きくしてある。ただし、インク吐出孔6の吐出側開
口部6a及び流路側開口部6bの形状はいずれも円形と
してある。
【0017】また、各流路2の両端は閉じた構造とし、
流路部材4を形成する圧電セラミックスには矢印の方向
に分極処理を施してある。また8は駆動用電極3の引出
線である。
【0018】そして、このヘッド10を用いて記録媒体
(不図示)へ印刷するには、インクとして顔料タイプの
油性インク、水性染料インクまたは紫外線硬化インク等
のインクをインク供給孔6より各流路7へ導入し、図2
(a)に示すように、例えば駆動用電極3b,3c及び
駆動用電極3h,3iにそれぞれ負極の電圧を、駆動用
電極3a,3d,3g,3jに正極の電圧を印加する
と、隔壁1a及び隔壁1bが流路2a側へ屈曲変位する
とともに、隔壁1d,1eが流路2d側へ屈曲変位する
ため、流路2a,2d内に充填されたインクを加圧し
て、インク吐出孔6よりインク滴を吐出するようになっ
ている。
【0019】次に、各駆動用電極3a〜3d,3g〜3
jへの通電を遮断すると、屈曲変位していた隔壁1a,
1b,1d,1eが弾性作用によって元の形状に戻り、
流路2a,2d内が減圧される結果、インク供給孔7か
らインクの導入が開始されることになり、さらに前述し
た駆動用電極3a〜3d,3g〜3jへ正負を逆転して
電圧を印加すると、図2(b)に示すように隔壁1a,
1bが流路2aに対して外側へ屈曲変位するとともに、
隔壁1d,1eがインク流路2dに対して外側へ屈曲変
位するため、流路2a,2d内がさらに減圧されてイン
クが充填されることになる。そして、各駆動用電極3a
〜3d,3g〜3jへの通電を遮断すると、屈曲変位し
ていた隔壁1a,1b,1d,1eが弾性作用によって
元の形状に戻り、次のインクの吐出段階に入るようにな
っており、これらの動作を順次繰り返すことでインク吐
出孔6からインク滴を連続的に吐出するようになってい
る。
【0020】そして、本発明によれば、インク吐出孔6
の吐出側開口部6aの径を流路幅Kより小さくし、かつ
流路側開口部6bの径を流路幅Kより大きくしてあるこ
とから、各隔壁1や各駆動用電極3に寸法バラツキがあ
り、流路2を構成する両側の隔壁1の変位量に差があっ
たり、インク吐出孔6が流路2の幅方向中央からずれて
いたとしても、インクの加圧力をインク吐出孔6に向か
って集中させることが出きるため、インク滴の吐出速度
が低下したり、インク滴の着弾位置にバラツキが発生す
ることを効果的に防止することができる。
【0021】即ち、本発明は、インク吐出孔6の流路側
開口部6bの径Lを流路幅Kより大きくしたことから、
各隔壁1や各駆動用電極3に寸法バラツキがあって流路
2を構成する両側の隔壁1の変位量に差ができ、流路2
の幅方向中央にインクの加圧力を集中させることができ
なかったり、また、インク吐出孔6が流路2の幅方向中
央からずれて配置されていたとしても、インク吐出孔6
の流路側開口部6bの径Lは流路幅Kより大きいため、
流路2の幅方向においてどの位置でインクの加圧力が集
中しようとインク吐出孔6に向かわせることができ、イ
ンク吐出孔6の吐出側開口部6aの径Mは流路幅Kより
小さくしてあることから、絞り作用によってインク滴の
吐出圧を高め、所定量のインク滴を吐出させることがで
きるとともに、インク滴の着弾位置のバラツキを抑える
ことができる。
【0022】また、図1ではインク吐出孔6の吐出側開
口部6a及び流路側開口部6bの穴形を、いずれも円形
とした例を示したが、図3に示すように、少なくとも流
路側開口部6bの穴形を楕円形とし、楕円の長軸を流路
2の長手方向に、短軸を流路2の幅方向に設けても良
く、流路側開口部6bを楕円形とすることで、流路2内
の圧力を集中させる位置が流路2の長手方向にずれたと
しても、流路2内の圧力をインク吐出孔6に向かって集
中させることが出き、好適である。なお、このような効
果を奏することができる流路側開口部6bの穴形として
は楕円形に限るものではなく、例えば、小判型、長方
形、菱形など、流路2の長手方向の長さNが流路2の幅
方向の長さLよりも長くなるようにしてあれば良い。
【0023】ところで、上記ヘッド10を製造するに
は、まず、予め厚み方向に分極処理した圧電セラミック
ス基板を用意し、この圧電セラミック基板に、ダイシン
グソー等の研削加工によって複数の溝を列設し、各溝を
インクの流路2とするとともに、各流路2を仕切る壁を
隔壁1とする流路部材4を作製する。
【0024】この流路部材4を形成する圧電セラミック
スとしては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT系)を主成
分とする圧電セラミックス、マグネシウムニオブ酸鉛
(PMN系)を主成分とする圧電セラミックス、ニッケ
ルニオブ酸鉛(PNN系)を主成分とする圧電セラミッ
クス、さらにはこれら主成分を複合した圧電セラミック
スを用いることができる。
【0025】次に、各隔壁1の頂面及び両側面上半分
に、蒸着法、無電解メッキ法、スパッタリング法等に
て、白金、金、パラジウム、ロジウム、ニッケル、アル
ミニウム等の金属、あるいは白金−金、パラジウム−
銀、白金−パラジウム等を主体とする合金から成る金属
膜を被着した後、隔壁1の頂面に被着した金属膜中央を
長手方向に沿って、YAGレーザー、CO2レーザー、
エキシマレーザー等のレーザー加工にて分断することに
より、隔壁1の側面上半分に被着された金属膜を駆動用
電極3とし、かつ隔壁1の頂面周縁に被着された金属膜
を駆動用電極3の引出線8とする。
【0026】一方、蓋体5として、金属、セラミック
ス、ガラス、シリコン等から成る板状体を用意し、YA
Gレーザー、CO2レーザー、エキシマレーザー等のレ
ーザー加工やエッチング加工にて、吐出側開口部6aの
径Mが流路2の幅Kより小さく、流路側開口部6bの径
Lが流路2の幅Kより大きく形成されたインク吐出孔6
を穿孔する。この時、インク吐出孔6の内壁面は、図2
に示すようなテーパ状に限らず、階段状や曲面状など流
路側開口部6bから吐出側開口部6aに向かって狭くな
るように形成されていれば良い。
【0027】そして、蓋体5に備える各インク吐出孔6
の吐出側開口部6aが、流路2の幅方向中央に位置する
よう位置合わせした後、各隔壁1の頂面と蓋体5とを熱
硬化性の接着剤やガラスにて接合することにより、本発
明のヘッド10を得ることができる。
【0028】次に、本発明の他の実施形態を図4に基づ
いて説明する。なお、図1のヘッド10と同一部分につ
いては同一符号で示す。
【0029】このヘッド30は、インク吐出孔20を有
する蓋体17の構造が異なる以外は図1のヘッド10と
同様の構造をしたもので、蓋体17はカバー部15とノ
ズル部16とから成り、カバー部15には、流路部材4
の各流路2と連通する円形の案内孔18を有するととも
に、ノズル部16には、案内孔18と連通し、かつ案内
孔18より小径の円形をした細孔19を有し、細孔19
と案内孔18を合わせてインク吐出孔20としてある。
そして、インク吐出孔20の吐出側開口部20aをなす
細孔19の穴径は流路幅より小さく、また、流路側開口
部20bをなす案内孔18の穴径は流路幅より大きくし
てある。
【0030】その為、このヘッド30においても、各隔
壁1や各駆動用電極3に寸法バラツキがあり、流路2を
構成する両側の隔壁1の変位量に差があったり、インク
吐出孔6が流路2の幅方向中央からずれていたとして
も、流路2内の圧力をインク吐出孔6に向かって集中さ
せることが出きるため、インク滴の吐出速度が低下した
り、インク滴の着弾位置にバラツキが発生することを効
果的に防止することができる。
【0031】なお、蓋体17を構成するカバー部15
は、金属、ガラス、シリコン、セラミックス等により形
成し、ノズル部16は、樹脂製のフィルム、特にポリイ
ミド樹脂等により形成することが好ましい。なぜなら、
蓋体17に要求される特性として、隔壁1の変位に対し
て変形することがなく、また、インク滴を吐出するイン
ク吐出孔20は、精度良く形成されていることが必要で
あるからで、特に隔壁1と接合されるカバー部15は、
隔壁1の変位による応力を直に受けるため、剛性の高い
材料にて形成することが好ましく、また、ノズル部16
は均一なインク滴を形成するため、また、インク滴の着
弾位置を正確にするためにも、細孔19を精度よく穿孔
する必要があることから、加工性の良い樹脂にて形成す
ることが好ましく、特に、ヘッド30を製作する際に加
えられるさまざまな熱に対して、耐熱性の良いポリイミ
ド樹脂は好適である。
【0032】また、インク吐出孔20の流路側開口部2
0bをなす案内孔18は、円形だけでなく、長軸が流路
2の長手方向に形成されている楕円形、小判型、長方
形、菱形としても良く、これらのように、流路2の長手
方向の長さNが流路2の幅方向の長さLよりも長くなる
ようにすることで、流路2内の圧力を集中させる位置が
流路2の長手方向にずれたとしても、インクの加圧力を
インク吐出孔6に向かって集中させることが出きるた
め、より安定したインク滴の吐出を実現することができ
る。
【0033】以上、本実施形態について説明したが、本
発明は実施形態に示したものだけに限定されるものでは
なく、例えば、図1のヘッド10及び図4のヘッド30
では、隔壁1を構成する流路部材4の全体を圧電セラミ
ックスにて形成した例を示したが、本発明では、少なく
とも隔壁1のみが圧電セラミックスにより形成されてい
れば良く、また、隔壁1は、対向する分極方向を持った
2層の圧電セラミック部材を接着等にて接合したもので
あっても構わない。特に、対向する分極方向を備えた2
層の圧電セラミック部材から成る隔壁1を備えたヘッド
は、隔壁1の接合部を中心に、図1のヘッド10や図4
のヘッド30よりも大きく「く」の字状に屈曲変位させ
ることができるため、インク滴の吐出特性をより一層高
めることができる。なお、このような効果を奏するため
には、隔壁1の側面全体に駆動用電極3を形成すること
が必要である。
【0034】また、これら以外に本発明の要旨を逸脱し
ない範囲であれば改良や変更できることは言うまでもな
い。
【0035】
【実施例】(実施例1)まず、予め厚み方向に分極処理
を施したチタン酸ジルコン酸鉛を主体とする圧電セラミ
ック基板を用意し、厚み方向に分極処理した後、ダイシ
ングソーによる研削加工にて両端が閉じられた複数の溝
を並設し、各溝を流路とするとともに、各溝を仕切る壁
を隔壁とした流路部材を作製した。
【0036】この時、隔壁の幅を70μm、隔壁の高さ
を350μm、流路の幅を70μmとした。
【0037】次に、上記流路部材を傾けて、隔壁の頂面
及び側面上半分にアルミニウムの金属膜をスパッタリン
グ法にて形成した後、隔壁の頂面に被着した金属膜の中
央を長手方向に沿ってYAGレーザーにて分断し、隔壁
の両側面上半分に形成した金属膜を駆動用電極とすると
ともに、隔壁の頂面周縁に形成した金属膜を駆動用電極
の引出線とした。また、YAGレーザーにて流路の底部
にインクを供給するためのインク供給孔を形成した。
【0038】一方、モリブデン製の蓋体にエッチング加
工を施し、流路側開口部の穴径及び吐出側開口部の穴径
を表1のように異ならせたインク吐出孔を穿孔した。そ
して、インク吐出孔と流路との位置合わせをした後、エ
ポキシ系接着剤にて蓋体を隔壁の頂面に接合することに
よりヘッドを得た。
【0039】そして、ヘッドの駆動用電極に電圧を印加
してインク滴を吐出させ、高速度画像撮影装置でインク
滴の飛翔状態を撮影し、上記飛翔距離と時間から、イン
ク滴の吐出速度を計算にて求めるとともに、記録媒体に
インク滴を着弾させて、該各インク滴の着弾位置間隔
と、撮影用カメラと連結した画像処理装置で測定した各
インク吐出孔間のピッチを比較することによって、上記
インク滴の着弾位置ばらつきを百分率で算出した。
【0040】結果は表1に示す通りである。なお、表1
において流路の幅方向の径と流路の長手方向の径が同じ
ものは開口部の平面形状を円形とし、流路の幅方向の径
と流路の長手方向の径が異なるものは開口部の平面形状
を楕円形とした。
【0041】
【表1】
【0042】この結果、試料No.5〜12のように、
インク吐出孔の吐出側開口部の穴径を流路幅より小さ
く、かつ流路側開口部の穴径を流路側より大きくすれ
ば、従来例を示す試料No.1〜4のヘッドよりもイン
ク滴の吐出速度を高めることができるとともに、インク
滴の着弾位置のばらつきが小さく、インク滴をインク吐
出孔6から真っ直ぐに吐出させることができることが判
る。
【0043】また、特に試料No.6,7,10〜12
のように、インク吐出孔の流路側開口部を、流路の長手
方向の長さが流路の幅方向よりも長くなるようにするこ
とで、インク滴の吐出速度を高められることが判る。 (実施例2)次に、実施例1のヘッドにおける蓋体を、
カバー部とノズル部の2層構造から成る蓋体に代え、か
つカバー部に備える案内孔の穴径と、ノズル部に備える
細孔の穴径をそれぞれ表2に示すように異ならせ、実施
例1と同様の実験を行った。なお、カバー部はモリブデ
ンにより形成し、ノズル部はポリイミド樹脂のフィルム
により形成した。また、カバー部とノズル部の接合はエ
ポキシ系接着剤により行った。
【0044】結果は表2に示す通りである。なお、表2
において流路の幅方向の径と流路の長手方向の径が同じ
ものは開口部の平面形状を円形とし、流路の幅方向の径
と流路の長手方向の径が異なるものは開口部の平面形状
を楕円形とした。
【0045】
【表2】
【0046】この結果、試料No.15〜23のよう
に、インク吐出孔の吐出側開口部をなす細孔の穴径を流
路幅より小さく、かつ流路側開口部をなす案内孔の穴径
を流路側より大きくすれば、本発明範囲外を示す試料N
o.13,14のヘッドよりもインク滴の吐出速度を高
めることができるとともに、インク滴の着弾位置のばら
つきが小さく、インク滴をインク吐出孔6から真っ直ぐ
に吐出させることができることが判る。
【0047】また、特に試料No.17,18,21〜
23のように、インク吐出孔の流路側開口部を、流路の
長手方向の長さが流路の幅方向よりも長くなるようにす
ることで、インク滴の吐出速度を高められることが判
る。
【0048】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、少なく
とも一部が圧電材料からなる複数の隔壁を並設し、該隔
壁間をインクの流路とする流路部材と、前記隔壁の両側
面にそれぞれ形成する駆動用電極と、前記隔壁の頂面に
接合し、各流路と連通するインク吐出孔を備えたノズル
板とから成り、前記駆動用電極に通電して隔壁を屈曲変
位させることにより、前記流路内のインクを加圧して上
記インク吐出孔からインク滴を吐出するインクジェット
記録ヘッドにおいて、前記インク吐出孔吐出側開口部の
径を流路幅より小さくするとともに、流路側開口部の径
を流路幅よりも大きくしたことから、流路部材を構成す
る各隔壁や各駆動用電極の寸法バラツキによって流路を
構成する両側の隔壁の変位量に差ができ、流路の幅方向
中央にインクの加圧力を集中させることができなかった
り、インク吐出孔が流路の幅方向中央からずれて配置さ
れていたとしても、流路内の圧力をインク吐出孔に集中
させることができるため、インク滴の吐出速度を向上さ
せることができるとともに、インク滴をインク吐出孔か
ら真っ直ぐに吐出させることができるため、インク滴の
着弾位置のバラツキを低下することができる。
【0049】また、本発明は、前記インク吐出孔の少な
くとも流路側開口部を、流路の長手方向の長さが流路の
幅方向よりも長くなるようにしたことから、インク吐出
孔にインクをより確実に集中させることができるため、
インク滴の吐出速度を更に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット記録ヘッドの一例
を示す図で、(a)はその一部を破断した斜視図、
(b)は(a)のX−X線断面図である。
【図2】(a)(b)は本発明のインクジェット記録ヘ
ッドの駆動原理を説明するための部分断面図である。
【図3】本発明に係るインクジェット記録ヘッドに備え
るインク吐出孔の他の例を示す平面図である。
【図4】本発明に係るインクジェット記録ヘッドの他の
例を示す一部を破断した斜視図である。
【図5】従来のインクジェット記録ヘッドの一部を破断
した斜視図である。
【符号の説明】 1,31:隔壁 2,32:流路 3,33:駆動用電極 4,34:流路部材 5,17,35:蓋体 6,20,36:インク吐出孔 6a,20a,36a:吐出側開口部 6b,20b,36b:流路側開口部 7,37:インク供給孔 8,38:引出線 10,30,40:インクジェット記録ヘッド 15:カバー部 16:ノズル部 18:案内孔 19:細孔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一部が圧電材料からなる複数の
    隔壁を並設し、該隔壁間をインクの流路とした流路部材
    と、前記隔壁の両側面にそれぞれ形成された駆動用電極
    と、前記隔壁の頂面に接合され、各流路と連通するイン
    ク吐出孔を備えたノズル板とから成り、前記駆動用電極
    に通電して隔壁を屈曲変位させることにより、前記流路
    内のインクを加圧して上記インク吐出孔からインク滴を
    吐出するインクジェット記録ヘッドにおいて、前記イン
    ク吐出孔は、吐出側開口部の径が流路幅より小さく、か
    つ流路側開口部の径が流路幅よりも大きいことを特徴と
    するインクジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】前記インク吐出孔の少なくとも流路側開口
    部は、流路の長手方向の長さが流路の幅方向よりも長い
    ことを特徴とする請求項1のインクジェット記録ヘッ
    ド。
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