JP2009107213A - インクジェットヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェットヘッド内においてインクの循環が円滑に行なわれ、かつ、インクジェットヘッドチップの小型化を図ることができるインクジェットヘッドを提供する。
【解決手段】ホルダ部3は、複数の個別インク溝6の一端側において複数の個別インク溝6と連通する第1共通インク溝11を有すると共に複数の個別インク溝6の他端側において複数の個別インク溝6と連通する第2共通インク溝21を有する。個別インク溝6の両端は、圧電基板1の両端面に開口し、個別インク溝6の内面には、第1の電極部が設けられている。圧電基板1の一方の端面には、第1の電極部に電気的に接続する第2の電極部が、各個別インク溝6に対応するように、設けられている。
【選択図】図2

Description

この発明は、例えばプリンターなどに用いられるインクジェットヘッド、および、その製造方法に関するものである。
近年、プリンターにおいては、インパクト印字装置に代わって、カラー化、多階調化に対応しやすいインクジェット方式などのノンインパクト印字装置が急速に普及している。これに用いるインク噴射装置としてのインクジェットヘッドとしては、特に、印字に必要なインク滴のみを噴射するというドロップ・オン・デマンド型が、噴射効率の良さ、低コスト化の容易さなどから注目されている。ドロップ・オン・デマンド型としては、カイザー(Kyser)方式やサーマルジェット方式が主流となっている。
しかし、カイザー方式は、小型化が困難で高密度化に不向きであるという欠点を有していた。また、サーマルジェット方式は、高密度化には適しているものの、ヒータでインクを加熱してインク内にバブル(泡)を生じさせて、そのバブルのエネルギーを利用して噴射させる方式であるため、インクの耐熱性が要求され、また、ヒータの長寿命化も困難であり、エネルギー効率が悪いため、消費電力も大きくなるという問題を有していた。
このような各方式の欠点を解決するものとして、圧電材料のシェアモード変形を利用したインクジェット方式が提案されている。この方式は、圧電材料からなるインクチャンネルの壁(以下、「チャンネル壁」という。)の両側面に形成した電極を用いて、圧電材料の分極方向と直交する方向に電界を生じさせることで、シェアモードでチャンネル壁を変形させ、その際に生じる圧力波変動を利用してインク滴を吐出するものであり、ノズルの高密度化、低消費電力化、高駆動周波数化に適している。
最近はこのシェアモード変形を利用したインクジェットヘッドを産業用途に利用することが盛んに行われるようになり始めている。たとえば、インクとして導電材料を吐出させることによって配線を描画したり、R,G,Bの各色のインクを吐出させることによってカラーフィルタを作製したり、熱硬化性または紫外線(UV)硬化性のインクを吐出させることによって、マイクロレンズやスペーサなどのような3次元構造物を作製したり、といった応用が進められている。
このように多岐にわたるインクジェット応用分野の発展に伴い、使用されるインクも多種多様になっている。たとえば、有機溶剤を含有して揮発性の高いインクや、強酸性・強アルカリ性のインク、顔料や樹脂成分を含むインク、ビーズなどの微粒子を含有するインク、さらにはこれらを複合したインクなどが挙げられる。中でもビーズなどの微粒子を含有するインクは、インクの溶媒と含有される微粒子の比重差により、微粒子が沈殿または浮遊し、インク中の微粒子濃度に分布の偏在が引き起こされるおそれがある。分布が偏った場合、吐出時の液滴中に含まれる微粒子数にばらつきが生じてしまい、製品の性能劣化、不良発生をもたらす。さらには、ノズル孔を目詰まりさせてしまうおそれもある。
このような事態を回避するためには、インクジェットヘッド内でインクを循環、撹拌させることによって微粒子の沈殿を防止する必要がある。さらに厳密には、吐出時の液滴中に含まれる微粒子数を安定させて吐出させるためには、上述のインクの循環、撹拌はインクがノズル孔の直近にある時点においてもなされることが重要である。
ノズル孔直近までインクを循環、撹拌させるための技術として、国際公開WO95/31335(特許文献1)に記載されたものがある。特許文献1の第2図、第3図に示されたインクジェットヘッドでは、圧力発生室は、前側にノズル孔を有するノズル板、後ろ側に振動板を配置された空間である。この圧力発生室を挟むように圧力発生室の両側に2つの共通インク室が配置されており、これら2つの共通インク室は圧力発生室に連通している。この装置では、一方の共通インク室から他方の共通インク室へ圧力発生室を介してインクを供給できる構造となっている。このインクジェットヘッドにおいては、ノズル孔のある圧力発生室自体がインクの通り道となるため、ノズル孔の直近までインクを循環することが可能である。また、特許文献1の第4図では、上記インクジェットヘッドを備える記録装置の全体が示されており、この記録装置では、インクカートリッジからインクジェットヘッドを経由してサブタンクへとインクを補充する一方、サブタンクからインクジェットヘッドを経由してインクカートリッジへと水頭差を利用してインクを戻すことも可能となっている。特許文献1の記録装置では、このようにしてインクを循環させている。
また、特開2006−142509号公報(特許文献2)に記載されたインクジェットヘッドでは、圧電基板の表面に互いに平行な2本の溝として2つの共通インク室が設けられている。これら2つの共通インク室の間に挟まれ、なおかつこれら2つの共通インク室の両方に連通するように、多数の溝状の圧力発生室が設けられている。特許文献2に提案されているのは、この溝状圧力発生室の壁部分の圧電材料のシェアモード変形を利用したインクジェットヘッドである。
また、特開2004−1368号公報(特許文献3)には、インクの供給/排出のための共通溝を基板裏面から加工した構造のインクジェットヘッドが記載されている。
インクジェットヘッドのひとつの方式として積層型というものがある。これは各部材を位置合わせしながら重ね合わせることによってインクジェットヘッドの構造を組み立てるものであり、その一例は、特開平6−183029号公報(特許文献4)に記載されている。
国際公開WO95/31335 特開2006−142509号公報 特開2004−1368号公報 特開平6−183029号公報
上述したように特許文献1に記載の記録装置では、インクカートリッジとサブタンクとの間でインクがやりとりされる際に、その流通の途上でインクは一方の共通インク室から他方の共通インク室へと圧力発生室を介して供給されるため、ノズル孔直近までインクを循環することが可能であるが、このインクジェットヘッドは積層型のインクジェットヘッドであるという欠点がある。
積層型のインクジェットヘッドは、特許文献4に記載されているように、基台に振動子を取り付けたものである振動子ユニットと、流路構成部材と、振動板形成部材と、圧力発生室となるべき間隙を形成するためのスペーサと、ノズル孔を有するノズル板との5つの部材から構成されている。これらの部材をそれぞれ位置合わせし、重ね合わせることによって組み立てられている。インクジェットヘッドにおいて高い着弾精度と均一な吐出性能を実現するためには、ノズル孔と駆動部の相対位置精度がきわめて重要であり、ノズル孔の中心と駆動部におけるインクの通り道の中心とが合って配置されている必要がある。したがって、これら5つの部材はそれぞれについて高精度な位置合わせが要求される。つまり1つのインクジェットヘッドを作製するためにはこのような高精度な位置合わせを4回繰り返す必要があり、歩留まりの低下を招く。また、特許文献4のインクジェットヘッドは、変位量を確保するため積層型の圧電素子を用いており、かつ、インクジェットヘッドを構成する部品点数自体が多い。このような場合、小型化に適していないとともにコストの増大につながる。
これに対し、非積層型のインクジェットヘッドの例として、特許文献2に記載のシェアモード型のインクジェットヘッドが挙げられる。このインクジェットヘッドは、複数の溝を形成した圧電基板を、長円形の凹部を有するマニホールドに収め、複数個のノズル孔を有するノズルプレートを被せることによって組み立てられている。
この特許文献2のインクジェットヘッドで用いられている圧電基板には次のような溝が形成されている。まず、第1の溝として、ノズルプレートを被せることによって圧力発生室となる複数の平行な溝Aがある。この圧力発生室となる溝Aの内壁には電極が形成されており、外部から電圧が印加されることによりこの圧力発生室となる溝がシェアモード変形しノズルからインクを吐出する。
次に、第2の溝として、前述した各圧力発生室となる溝Aに電気的に接続している溝Bがある。この溝Bの内壁にも電極が形成されており、溝Bと外部の電圧印加機構を電気的に接続することにより、溝Bを介して圧力発生室となる溝Aと電圧を印加することができる。外部の電圧印加機構と電気的に接続するために、またインク漏れを抑制するために、溝Bの深さは圧力発生室となる溝Aに対して非常に浅い必要がある。このため溝Bは溝AとR形状部を介してつながっている。本来、このR形状部は必要のない部分であるが、ダイシングマシン等で溝深さの異なる溝同士を接続するように加工する際に、ブレードのRが転写されることで発生してしまう。ブレードの半径は、各溝に対して非常に大きいため、このR形状部が圧電基板に占める領域は非常に大きく、このR形状部の存在が圧電基板の大型化を招く。
さらに、第3の溝として、圧力発生室となる溝Aと直交するように形成された溝Cがあり、溝Cとノズルプレートにより囲まれた部分が共通インク室となる。共通インク室は、各圧力発生室にインクを供給する働きがあるため、共通インク室は複数の圧力発生室と交わるようにする必要がある。また、共通インク室は十分な量のインクを供給する必要があるため、その容積は十分大きいほうがよい。共通インク室の容積を大きくするためには、溝Cの幅を広げるか、深さを深くする手段があるが、深さを圧力発生室となる溝Aよりも深くすると溝Aと溝Bとを電気的に分断してしまうため、溝Aよりも深くすることができない。そこで幅を広げる必要があるが、溝Cの幅を広げることにより圧電基板は大型化してしまう。
これらの結果により特許文献2の構成ではインクジェットヘッドに必要な圧電基板は大型化し、圧電基板は高価なため材料費の増大が発生してしまう。
また、これに対し、特許文献3に記載のインクジェットヘッドは、インクの供給/排出用の共通溝(共通インク室)を基板裏面から加工した構造であるので、特許文献2に記載のインクジェットヘッドに比べて共通インク室の深さを深くすることができる。これは共通インク室の流路抵抗を下げることにつながるので、インクジェットヘッド内のインクの循環をより円滑にすることができるという利点がある。
しかし、特許文献3に記載のインクジェットヘッドは基板に形成された溝の側壁の一部のみを圧電セラミクスで形成している構成となっているため、吐出性能および信頼性に問題がある。
この構成においては、圧力発生室の側壁のうちインク吐出に寄与する領域は圧電セラミクスで形成されているが、それ以外の領域では側壁は絶縁性のセラミクスなどで構成されている。したがって、側壁の一部である圧電セラミクスが、インクを吐出させるために変形する場合、側壁の圧電セラミクスの両端は絶縁性のセラミクスなどに接着されているので、変形を阻害され、その結果、インクの吐出効率が低下する。また、絶縁性のセラミクスなどに圧電セラミクスを接着している場合、接着剤の厚みばらつきによっても圧電セラミクスの変形ばらつきに影響を及ぼす。したがって、チャンネルごとに吐出特性がばらつくことが予想される。さらに、溝を加工する場合、接着剤部と圧電セラミクスと絶縁性のセラミクスとでは加工特性が異なることにより、段差が生じる場合がある。この段差により電極形成時に導通が得られない場合があり、信頼性に問題がある。
そこで、この発明の課題は、インクジェットヘッド内においてインクの循環が円滑に行なわれ、かつ、インクジェットヘッドチップの小型化を図ることができるインクジェットヘッドおよびその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明のインクジェットヘッドは、
一方向に延在して両端が開口する互いに平行な複数の個別インク溝を有する圧電基板と、
この圧電基板が取り付けられ、上記複数の個別インク溝の一端側において上記複数の個別インク溝と連通する第1共通インク溝を有すると共に上記複数の個別インク溝の他端側において上記複数の個別インク溝と連通する第2共通インク溝を有するホルダ部と、
上記複数の個別インク溝を上側から覆うように配置され、上記個別インク溝に対応する位置にノズル孔を有するノズルプレートと
を備え、
上記個別インク溝の両端は、上記圧電基板の両端面に開口し、上記個別インク溝の内面には、第1の電極部が設けられ、
上記圧電基板の上記両端面のうちの少なくとも一方の端面には、上記第1の電極部に電気的に接続する第2の電極部が、上記各個別インク溝に対応するように、設けられていることを特徴としている。
この発明のインクジェットヘッドによれば、上記ホルダ部は、上記複数の個別インク溝の一端側において上記複数の個別インク溝と連通する第1共通インク溝を有すると共に上記複数の個別インク溝の他端側において上記複数の個別インク溝と連通する第2共通インク溝を有するので、上記第1共通インク溝や上記第2共通インク溝の幅や深さを適宜調整することにより、上記第1共通インク溝や上記第2共通インク溝の流路抵抗を、上記個別インク溝の流路抵抗に比べ、充分小さくできて、インクジェットヘッド内において上記個別インク溝を経由したインク流れを、容易に促進できる。
また、上記圧電基板の上記両端面のうちの少なくとも一方の端面には、上記第1の電極部に電気的に接続する上記第2の電極部が、上記各個別インク溝に対応するように、設けられているので、上記圧電基板における上記一方向の長さ(つまり、上記圧電基板の上記両端面の間の長さ)を、上記個別インク溝の上記一方向の長さのみの長さとすることができる。このように、上記圧電基板を小型にできて、上記圧電基板の高価な材料を抑えて、コストダウンを図ることができる。
したがって、インクジェットヘッド内においてインクの循環が円滑に行なわれ、かつ、インクジェットヘッドチップの小型化を図ることができる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドでは、
上記個別インク溝の内面は、上記ノズルプレートに対向する底面と、この底面の両側に位置し互いに対向する側面とを含み、
上記第2の電極部は、上記第1の電極部における上記個別インク溝の底面および両方の側面に位置する部分に、接続している。
この実施形態のインクジェットヘッドによれば、上記第2の電極部は、上記第1の電極部における上記個別インク溝の底面および両方の側面に位置する部分に、接続しているので、上記第1の電極部と上記第2の電極部との接続部分を大きくできて、上記第1の電極部と上記第2の電極部との断線の危険性を低下して、信頼性を向上できる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドでは、
上記個別インク溝の内面は、上記ノズルプレートに対向する底面と、この底面の両側に位置し互いに対向する側面とを含み、
上記第2の電極部は、上記第1の電極部における上記個別インク溝の一方の側面に位置する部分に、接続している。
この実施形態のインクジェットヘッドによれば、上記第2の電極部は、上記第1の電極部における上記個別インク溝の一方の側面に位置する部分に、接続しているので、隣接する上記第2の電極部の間隔を十分に広げることができる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドでは、
上記個別インク溝の内面は、上記ノズルプレートに対向する底面と、この底面の両側に位置し互いに対向する側面とを含み、
上記第2の電極部は、上記第1の電極部における上記個別インク溝の両方の側面に位置する部分に、接続している。
この実施形態のインクジェットヘッドによれば、上記第2の電極部は、上記第1の電極部における上記個別インク溝の両方の側面に位置する部分に、接続しているので、隣接する上記第2の電極部の間隔を十分に広げることができると共に、上記第1の電極部と上記第2の電極部との断線の危険性を低下できる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドでは、
上記個別インク溝の内面は、上記ノズルプレートに対向する底面と、この底面の両側に位置し互いに対向する側面とを含み、
上記第2の電極部は、上記第1の電極部における上記個別インク溝の底面に位置する部分に、接続している。
この実施形態のインクジェットヘッドによれば、上記第2の電極部は、上記第1の電極部における上記個別インク溝の底面に位置する部分に、接続しているので、隣り合う上記個別インク溝の間隔を小さくしても、隣り合う上記第2の電極部の接触を回避できて、上記個別インク溝を狭ピッチで配置したインクジェットヘッドに好適となる。つまり、個別インク溝の幅やピッチに関わらず、第2の電極部を形成できる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドでは、上記第2の電極部は、上記圧電基板の一方の端面にのみ、設けられている。
この実施形態のインクジェットヘッドによれば、上記第2の電極部は、上記圧電基板の一方の端面にのみ、設けられているので、圧電基板に電極を形成することが効率よく行うことができる。例えば、圧電基板にスパッタ法により導電膜を形成すると、圧電基板を保持するためのホルダと接触している面以外、つまり圧電基板の溝形成面と全ての側面に導電膜が形成される。この圧電基板を少なくとも2分割以上に分割することにより、一方の側面にのみ導電膜が形成された圧電基板を、複数、容易に製造できて、タクトタイムの短縮になる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドでは、隣接する上記第2の電極部は、分離溝によって、電気的に分断されている。
この実施形態のインクジェットヘッドによれば、隣接する上記第2の電極部は、分離溝によって、電気的に分断されているので、上記圧電基板の端面全体に導電膜を形成したのち、ダイシングマシンなどの機械加工により分離溝を形成すればよく、溝加工に用いたダイシングマシンを使用できて新規装置を追加する必要がない。また、第2の電極部の形成も容易である。また、フレキシブルケーブルなどの導電部材と圧電基板との接続面に凹凸があることによるアンカー効果で、圧電基板と導電部材との接着強度を増す効果がある。
また、一実施形態のインクジェットヘッドでは、上記分離溝の幅は、20μm以上である。
この実施形態のインクジェットヘッドによれば、上記分離溝の幅は、20μm以上であるので、ダイシングブレードやレーザー加工により分離溝を形成した際に、導電膜のバリが発生しても、この導電膜のバリは、大きいものでも15μm以下であるため、隣接する第2の電極部間で電気的に短絡することはない。
また、一実施形態のインクジェットヘッドでは、上記分離溝の深さは、100μm以下である。
この実施形態のインクジェットヘッドによれば、上記分離溝の深さは、100μm以下であるので、分離溝が、共通インク溝にさらされると共に圧電基板における個別インク溝を形成した面に対して裏面側に開口している場合、接着剤等の封止材が毛細管力で分離溝内に広がることで、分離溝を容易に封止してインクの漏洩を防ぐことができる。これに対して、分離溝の深さが、100μmを越えると、分離溝を通じて共通インク溝のインクが圧電基板の裏面側に漏洩する虞がある。
また、一実施形態のインクジェットヘッドでは、隣接する上記第2の電極部は、壁部によって、電気的に分断されている。
この実施形態のインクジェットヘッドによれば、隣接する上記第2の電極部は、壁部によって、電気的に分断されているので、圧電基板の端面の壁部間の凹部内に、第2の電極部が形成されるため、第2の電極部が外部との衝突等によって傷つけられることにより電気的に断線することを、抑制することができる。また、第2の電極部を凹部内に形成することで、第2の電極部とフレキシブルケーブルなどの導電部材との接着面積を増加させることができる。さらに、フレキシブルケーブルなどの導電部材と圧電基板との接続面に、凹凸があるため、圧電基板と導電部材との接着強度を増す効果がある。
また、一実施形態のインクジェットヘッドでは、上記壁部の高さは、100μm以下である。
この実施形態のインクジェットヘッドによれば、上記壁部の高さは、100μm以下であるので、圧電基板の端面の壁部間の凹部が、共通インク溝にさらされると共に圧電基板における個別インク溝を形成した面に対して裏面側に開口している場合、接着剤等の封止材が毛細管力で凹部内に広がることで、凹部内を容易に封止してインクの漏洩を防ぐことができる。これに対して、壁部の高さが、100μmを越えると、凹部を通じて共通インク溝のインクが圧電基板の裏面側に漏洩する虞がある。
また、一実施形態のインクジェットヘッドでは、上記圧電基板の厚みは、2mm以上である。
この実施形態のインクジェットヘッドによれば、上記圧電基板の厚みは、2mm以上であるので、圧電基板に形成した個別インク溝と、フレキシブルケーブルなどの導電部材を接続する位置とを離すことができる。さらに、導電部材を第2の電極部に接続するための面積を増加させることができるため、導電部材と圧電基板との接続信頼性を向上することができる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドでは、上記第1の電極部の厚みは、0.5μm以上である。
この実施形態のインクジェットヘッドによれば、上記第1の電極部の厚みは、0.5μm以上であるので、上記個別インク溝を構成している部材と上記第1の電極部との熱膨張率の違いにより、温度変化に伴って収縮膨張が起こって、上記第1の電極部が破断することを抑制する。
また、一実施形態のインクジェットヘッドでは、上記第2の電極部の厚みは、1μm以上である。
この実施形態のインクジェットヘッドによれば、上記第2の電極部の厚みは、1μm以上であるので、上記第2の電極部にフレキシブルケーブルなどの導電部材が接続されると、温度変化に伴う圧電基板と導電部材との収縮膨張の差により発生する応力が大きくなるが、上記第2の電極部がはがれて断線することを抑制できる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドでは、上記第2の電極部に、外部から電圧が印加されるフレキシブルケーブルが接続されている。
この実施形態のインクジェットヘッドによれば、上記第2の電極部に、外部から電圧が印加されるフレキシブルケーブルが接続されているので、上記第2の電極部に接続される導電部材を、変形のしやすいフレキシブルケーブルにすることにより、後工程でホルダ部に組み込むことが容易になる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドでは、上記ホルダ部は、上記第2の電極部と上記フレキシブルケーブルとの接続部を、上記第1共通インク溝および上記第2共通インク溝に露出しないように覆っている。
この実施形態のインクジェットヘッドによれば、上記ホルダ部は、上記第2の電極部と上記フレキシブルケーブルとの接続部を、上記第1共通インク溝および上記第2共通インク溝に露出しないように覆っているので、上記フレキシブルケーブルは、上記第1共通インク溝および上記第2共通インク溝内のインクに接しない。このため、導電性インクを使用した場合でも、このインクを介して、上記第2の電極部と上記フレキシブルケーブルとは、電気的に短絡することがない。また、上記ホルダ部は、上記フレキシブルケーブルがインクに接しないためのカバーを兼用しているので、部品点数を減らすことができる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドでは、上記第2の電極部と上記フレキシブルケーブルとの接続部は、絶縁性材料で覆われている。
この実施形態のインクジェットヘッドによれば、上記第2の電極部と上記フレキシブルケーブルとの接続部は、絶縁性材料で覆われているので、上記フレキシブルケーブルは、上記第1共通インク溝および上記第2共通インク溝内のインクに接しない。このため、導電性インクを使用した場合でも、このインクを介して、上記第2の電極部と上記フレキシブルケーブルとは電気的に短絡することがない。また、上記ホルダ部の形状を複雑にすることなく、インクによる短絡を防止する。
また、この発明のインクジェットヘッドの製造方法は、
一方向に延在して両端が開口する互いに平行な複数の個別インク溝を圧電基板に形成する個別インク溝形成工程と、
上記圧電基板の上記個別インク溝の内面に第1の電極部としての導電膜を形成すると共に、上記圧電基板における上記個別インク溝の両端が開口する両端面のうちの少なくとも一方の端面に、導電膜を形成する導電膜形成工程と、
上記圧電基板の上記少なくとも一方の端面に形成された導電膜を、上記各個別インク溝に対応するように分離して、上記第1の電極部に電気的に接続する第2の電極部とする分離工程と、
ホルダ部に上記圧電基板を取り付けて、上記複数の個別インク溝の一端に連通する第1共通インク溝および上記複数の個別インク溝の他端に連通する第2共通インク溝を、上記ホルダ部に形成する取付工程と
を備えることを特徴としている。
この発明のインクジェットヘッドの製造方法によれば、上記ホルダ部に上記圧電基板を取り付けて、上記複数の個別インク溝の一端に連通する上記第1共通インク溝および上記複数の個別インク溝の他端に連通する上記第2共通インク溝を、上記ホルダ部に形成する取付工程を備えるので、上記第1共通インク溝や上記第2共通インク溝の幅や深さを適宜調整することにより、上記第1共通インク溝や上記第2共通インク溝の流路抵抗を、上記個別インク溝の流路抵抗に比べ、充分小さくできて、インクジェットヘッド内において上記個別インク溝を経由したインク流れを、容易に促進できる。
また、上記圧電基板の上記少なくとも一方の端面に形成された導電膜を、上記各個別インク溝に対応するように分離して、上記第1の電極部に電気的に接続する上記第2の電極部とする分離工程を備えるので、上記圧電基板における上記一方向の長さ(つまり、上記圧電基板の上記両端面の間の長さ)を、上記個別インク溝の上記一方向の長さのみの長さとすることができる。このように、上記圧電基板を小型にできて、上記圧電基板の高価な材料を抑えて、コストダウンを図ることができる。
したがって、インクジェットヘッド内においてインクの循環が円滑に行なわれ、かつ、インクジェットヘッドチップの小型化を図ることができる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドの製造方法では、
上記導電膜形成工程は、
上記圧電基板における上記個別インク溝の両端が開口する両端面のうちの少なくとも一方の端面に、上記各個別インク溝に対応するように、凹部を形成してから、
上記圧電基板の上記個別インク溝の内面に第1の電極部としての導電膜を形成すると共に、上記圧電基板の上記少なくとも一方の端面の少なくとも上記凹部に、導電膜を形成する。
この実施形態のインクジェットヘッドの製造方法によれば、上記導電膜形成工程は、上記圧電基板における上記個別インク溝の両端が開口する両端面のうちの少なくとも一方の端面に、上記各個別インク溝に対応するように、凹部を形成してから、上記圧電基板の上記個別インク溝の内面に第1の電極部としての導電膜を形成すると共に、上記圧電基板の上記少なくとも一方の端面の少なくとも上記凹部に、導電膜を形成するので、圧電基板の凹部内に、第2の電極部が形成されるため、第2の電極部が外部との衝突等によって傷つけられることにより電気的に断線することを、抑制することができる。また、第2の電極部を凹部内に形成することで、第2の電極部とフレキシブルケーブルなどの導電部材との接着面積を増加させることができる。さらに、フレキシブルケーブルなどの導電部材と圧電基板との接続面に、凹凸があるため、圧電基板と導電部材との接着強度を増す効果がある。
また、一実施形態のインクジェットヘッドの製造方法では、上記導電膜形成工程より後に、上記圧電基板を複数に分断する分断工程を備える。
この実施形態のインクジェットヘッドの製造方法によれば、上記導電膜形成工程より後に、上記圧電基板を複数に分断する分断工程を備えるので、インクジェットヘッドの生産効率を上げ、タクトタイムを短縮できる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドの製造方法では、上記導電膜形成工程は、スパッタ法によって、導電膜を形成する。
この実施形態のインクジェットヘッドの製造方法によれば、上記導電膜形成工程は、スパッタ法によって、導電膜を形成するので、スパッタ法では膜厚制御を時間管理で行えて、インクジェットヘッドの生産性を高めることができる。また、スパッタ法により形成した導電膜は、密着力が強い。
また、一実施形態のインクジェットヘッドの製造方法では、上記導電膜形成工程は、イオンプレーティング法によって、導電膜を形成する。
この実施形態のインクジェットヘッドの製造方法によれば、上記導電膜形成工程は、イオンプレーティング法によって、導電膜を形成するので、イオンプレーティング法では、導電膜を複雑な形状の物体に対して付きまわりを向上できると共に、蒸着法よりも導電膜の密着力を高くできて、溝の内部まで、膜厚ばらつきが小さくて密着力が強い導電膜を、容易に形成できる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドの製造方法では、上記導電膜形成工程は、無電解めっき法によって、導電膜を形成する。
この実施形態のインクジェットヘッドの製造方法によれば、上記導電膜形成工程は、無電解めっき法によって、導電膜を形成するので、溝の内部まで、膜厚ばらつきの小さい導電膜の形成を容易に行うことができる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドの製造方法では、上記分離工程は、ダイシングブレードもしくはワイヤーソーによって、導電膜を分離する。
この実施形態のインクジェットヘッドの製造方法によれば、上記分離工程は、ダイシングブレードもしくはワイヤーソーによって、導電膜を分離するので、使用する装置を増やすことなく容易に分離溝を高精度で形成できる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドの製造方法では、上記分離工程は、レーザー照射によって、導電膜を分離する。
この実施形態のインクジェットヘッドの製造方法によれば、上記分離工程は、レーザー照射によって、導電膜を分離するので、圧電基板へのダメージを最小限に抑えることができると共に、マスクパターンを用いて複数の第2の電極部を同時に形成することが可能であり、インクジェットヘッド製造のタクトタイムを短縮できる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドの製造方法では、上記第2の電極部に、外部から電圧が印加されるフレキシブルケーブルが、ACF(異方性導電フィルム;Anisotropic Conductive Film)接続によって、接続される。
この実施形態のインクジェットヘッドの製造方法によれば、上記第2の電極部に、外部から電圧が印加されるフレキシブルケーブルが、ACF接続によって、接続されるので、凹凸形状を有する第2の電極部にフレキシブルケーブルを高い接続信頼性で接続できる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドの製造方法では、上記第2の電極部に、外部から電圧が印加されるフレキシブルケーブルが、導電性ペーストによって、接続される。
この実施形態のインクジェットヘッドの製造方法によれば、上記第2の電極部に、外部から電圧が印加されるフレキシブルケーブルが、導電性ペーストによって、接続されるので、特別な装置を必要とせず低コストで、第2の電極部にフレキシブルケーブルを高い接続信頼性で接続できる。
また、一実施形態のインクジェットヘッドの製造方法では、上記第2の電極部と上記フレキシブルケーブルとの接続部を、絶縁性材料で覆う。
この実施形態のインクジェットヘッドの製造方法によれば、上記第2の電極部と上記フレキシブルケーブルとの接続部を、絶縁性材料で覆うので、導電性インクを吐出する際に、このインクによって、上記第2の電極部と上記フレキシブルケーブルとの短絡を防ぐことができる。
この発明のインクジェットヘッドによれば、上記ホルダ部は、上記複数の個別インク溝の一端側において上記複数の個別インク溝と連通する第1共通インク溝を有すると共に上記複数の個別インク溝の他端側において上記複数の個別インク溝と連通する第2共通インク溝を有し、上記圧電基板の上記両端面のうちの少なくとも一方の端面には、上記第1の電極部に電気的に接続する上記第2の電極部が、上記各個別インク溝に対応するように、設けられているので、インクジェットヘッド内においてインクの循環が円滑に行なわれ、かつ、インクジェットヘッドチップの小型化を図ることができる。
この発明のインクジェットヘッドの製造方法によれば、上記ホルダ部に上記圧電基板を取り付けて、上記複数の個別インク溝の一端に連通する上記第1共通インク溝および上記複数の個別インク溝の他端に連通する上記第2共通インク溝を、上記ホルダ部に形成する取付工程と、上記圧電基板の上記少なくとも一方の端面に形成された導電膜を、上記各個別インク溝に対応するように分離して、上記第1の電極部に電気的に接続する上記第2の電極部とする分離工程とを備えるので、インクジェットヘッド内においてインクの循環が円滑に行なわれ、かつ、インクジェットヘッドチップの小型化を図ることができる。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、この発明のインクジェットヘッドの第1実施形態である斜視図を示している。図2は、図1におけるA−A’断面図を示す。図3は、インクジェットヘッドのノズルプレートを外した状態を示す。図1〜図3に示すように、このインクジェットヘッド100は、圧電基板1とノズルプレート2とホルダ部3とを備える。
上記圧電基板1は、隔壁20によって互いに隔てられ、かつ内面に第1の電極部が設けられた複数の個別インク溝6を上面に有する。各個別インク溝6は、一方向(X軸方向)に延在して両端が開口している。上記複数の個別インク溝6は、上記一方向に直交する他方向(Y軸方向)に互いに間隔をおいて平行に配列されている。上記個別インク溝6の両端は、上記圧電基板1の両端面に開口している。なお、分かりやすくするため、個別インク溝6の数や深さ等は、正確に図示してはいない。
上記圧電基板1の上記一方向(X軸方向)の長さは、上記個別インク溝6の長さであるため、例えば、上記個別インク溝6の長さが5mmの場合には、上記圧電基板1の上記一方向(X軸方向)の長さは5mmあればよい。上記圧電基板1の上記他方向(Y軸方向)の長さは、上記個別インク溝6の数や幅やピッチによって異なる。
上記圧電基板1には、上記個別インク溝6の深さ方向における略中央にて分極方向が相反する2枚の圧電材料があらかじめ接着剤で貼りあわされている。例えば、0.15mmの薄板と、1.85mmの厚板とが、貼りあわされている。この構成により、外部より電圧を印加した際に、個別インク溝6の薄板部分と厚板部分とが反対方向に変形することにより、個別インク溝6とノズルプレート2とで囲まれた領域である圧力発生室の容積を変えることによって、インクを吐出する。
上記ホルダ部3は、凹部を有し、この凹部に、上記圧電基板1が取り付けられる。上記圧電基板1は、接着剤を介して、上記ホルダ部3に接着固定されている。ここで、上記接着剤とは、例えば、弾性接着剤、瞬間接着剤、エポキシ系接着剤やUV接着剤などである。
上記ホルダ部3は、第1部材3aと第2部材3bとからなる。上記ホルダ部3は、第1共通インク溝11および第2共通インク溝21を有する。上記第1共通インク溝11は、上記複数の個別インク溝6の一端側において上記複数の個別インク溝6と連通する。上記第2共通インク溝21は、上記複数の個別インク溝6の他端側において上記複数の個別インク溝6と連通する。
上記ノズルプレート2は、上記複数の個別インク溝6、上記第1共通インク溝11および上記第2共通インク溝21を上側から覆うように配置され、上記複数の個別インク溝6と共に複数の個別インク室6aを定義し、上記第1共通インク溝11と共に第1共通インク室11aを定義し、上記第2共通インク溝21と共に第2共通インク室21aを定義する。つまり、上記ノズルプレート2は、上記ホルダ部3の凹部を密閉する大きさである。上記ノズルプレート2は、上記個別インク溝6に対応する位置にノズル孔8を有する。
上記ホルダ部3の上記ノズルプレート2の接触面側端部は、上記圧電基板1の上記隔壁20における上記ノズルプレート2の接触面側端部よりも、突出していない必要がある。これは、上記ホルダ部3の端部と上記隔壁20の端部とが、同時に、上記ノズルプレート2に接着するため、もし、上記ホルダ部3の端部が突出していた場合、上記ノズルプレート2が上記ホルダ部3によって持ち上げられて、上記ノズルプレート2が上記隔壁20の端部に接着できない、つまり、上記個別インク室6aの連通状態の領域が発生する。そして、上記個別インク室6aに連通した領域があると、インクが行き来することで、効率良くインクを吐出できず速度低下等の原因になる。
上記ホルダ部3は、上記第1共通インク室11aに連通する第1流路口13aと、上記第2共通インク室21aに連通する第2流路口13bとを有する。上記第1流路口13aおよび上記第2流路口13bは、それぞれ、一つ設けられている。上記第1流路口13aは、インクの流入口であり、上記第2流路口13bは、インクの流出口である。上記ホルダ部3は、上記第1流路口13aが開口端である第1配管5aと、上記第2流路口13bが開口端である第2配管5bとを有する。
そして、上記インクジェットヘッド100では、(図示しない)供給タンクから上記第1配管5aを介して上記第1共通インク室11aにインクが供給され、このインクは、上記各個別インク室6aを通って、上記第2共通インク室21aに流入し、上記第2配管5bを介して廃液タンクへ流れる。
一方、インクの吐出において、上記個別インク溝6の第1の電極部に印加された電圧により、上記隔壁20が剪断変形し、上記個別インク室6aの容積が変形して、上記ノズル孔8からインクが吐出される。
ここで、上記インクジェットヘッド100は、例えば、上記ノズル孔8を下向き(重力方向)に配置して上記ノズル孔8からインクを下向きに吐出するように、使用される。つまり、上記インクジェットヘッド100は、Z軸方向を下向きにして、使用される。
上記ノズル孔8は、上記個別インク溝6の長手方向(X軸方向)における中心に位置する。これは、上記ノズル孔8が上記個別インク溝6の長手方向における中心に位置したときが、外部電圧印加機構により上記個別インク溝6に電圧を印加した際に、上記個別インク溝6による圧力波の伝搬効率が最良となり、低い吐出電圧でインクを吐出できるからである。
図4に示すように、上記圧電基板1の一方の端面には、上記各個別インク溝6に対応するように、第2の電極部(電極引き出し部)9が形成されている。この第2の電極部9は、上記個別インク溝6の内面に設けられた第1の電極部7に、電気的に接続している。上記第2の電極部9には、フレキシブルケーブル4が接続されている。なお、図4中、上記第1の電極部7および上記第2の電極部9を、斜線にて、示している。
上記フレキシブルケーブル4は、図2に示すように、上記第1部材3aと上記第2部材3bとの接合面に位置している。つまり、上記第2部材3bの接合面には、上記フレキシブルケーブル4を嵌め込む凹部を有する。
上記第2の電極部9は、外部から上記フレキシブルケーブル4を介して、電圧を印加され、印加された電圧は、上記第2の電極部9と導通している上記個別インク溝6の第1の電極部7に伝わる。この第1の電極部7に印加された電圧により、上記圧電基板1の上記個別インク溝6の壁面が剪断変形し、上記個別インク室6aの容積が変形して、押し出されたインクがノズル孔8から吐出される。
次に、上記構成のインクジェットヘッドの製造方法について説明する。
まず、図5Aに示すように、個別インク溝形成工程を行い、一方向に延在して両端が開口する互いに平行な複数の個別インク溝6を圧電基板1に形成する。つまり、アクチュエータ部材である圧電基板1にダイシングブレードを複数回一定方向(X軸方向)に走査して複数の個別インク溝6を形成する。ここで、圧電基板1の大きさは、5mm×50mmであり厚さは2mmのものを使用した。個別インク溝6の深さは、およそ300μm、幅は100μmとし、個別インク溝6のピッチは、約200μmで、個別インク溝6の数は200本とした。個別インク溝6の幅は、使用するダイシングブレードの厚みで変えることができ、個別インク溝6の深さは、ダイシングブレードの切り込み量を変えることにより変更することができる。
その後、図5Bに示すように、導電膜形成工程を行い、上記圧電基板1の上記個別インク溝6の内面に上記第1の電極部7としての導電膜を形成すると共に、上記圧電基板1における上記個別インク溝6の両端が開口する両端面に、導電膜を形成する。
この実施の形態では、銅をスパッタ法により成膜した。このとき成膜した銅の個別インク溝6の内壁における膜厚は、もっとも薄い部分で0.5μmとなるようにした。なお、斜線部が導電膜を形成した部分である。
この実施形態におけるスパッタ法による導電膜形成工程では、圧電基板1の個別インク溝6を形成した面の裏側の面を除く全面に導電膜が形成されるため、目的以外の部分にも導電膜が形成される。このとき、圧電基板1の個別インク溝6が開口する側面に成膜された銅の厚みは1μmであった。個別インク溝6の内壁に成膜された銅の膜厚と、個別インク溝6が開口する圧電基板1の端面に成膜された銅の膜厚とが、異なるのは、形状による銅のつきまわりの差によるものである。
そして、図5Cに示すように、除去工程を行う。つまり、圧電基板1の個別インク溝6を形成した面における不要な導電膜を除去する。この除去工程では、例えば、圧電基板1の上部表面をダイシングブレードで複数回走査することで行うことができる。このとき、圧電基板1の個別インク溝6形成面において隣接する個別インク溝6同士が確実に絶縁するように、ダイシングブレードにより圧電基板1の表面もわずかに研削することが好ましい。除去工程後の圧電基板1には、個別インク溝6の内壁に第1の電極部7と、圧電基板1の端面に導電膜とが、形成される。
その後、図5Dおよび図5Eに示すように、分離工程を行い、上記圧電基板1の上記一方の端面に形成された導電膜を、上記各個別インク溝6に対応するように分離して、第2の電極部9とする。つまり、圧電基板1の端面に形成されている導電膜に対してダイシングブレードを複数回一定方向(Z軸方向)に走査して、分離溝12を形成する。この分離工程により、個別インク溝6にそれぞれ対応した第2の電極部9を形成する。このように、上記第2の電極部9は、上記圧電基板1の一方の端面にのみ、設けられている。隣接する上記第2の電極部9は、分離溝12によって、電気的に分断されている。
個別インク溝6の内面に形成された第1の電極部7と第2の電極部9とは、個別インク溝6が開口する圧電基板1の端面において電気的に接続されている。つまり、上記個別インク溝6の内面は、上記ノズルプレート2に対向する底面6cと、この底面6cの両側に位置し互いに対向する側面6bとを含む。上記第2の電極部9は、上記第1の電極部7における上記個別インク溝6の底面6cおよび両方の側面6bに位置する部分に、接続している。
この実施形態では、分離溝12の深さを10μm、幅を50μmとして、個別インク溝6が開口する圧電基板1の端面にそれぞれ分離工程を行った。また、分離溝12を形成した部分は、個別インク溝6の間であり、隣接する個別インク溝6の間で電気的に導通することがない位置としている。このような分離工程を、個別インク溝6が開口する圧電基板1の端面の両側に行った。両側に分離工程を行うことにより、圧電基板1は対称形となるため、後工程において方向を間違うことはない。また、片側の第2の電極部9に損傷があった場合には、反対側の第2の電極部9を使用することができるため歩留まりを向上できる。
このようにして加工を施した圧電基板1の第2の電極部9に、外部から電圧が印加される導電部材を接続する。図4に示すように、この実施の形態では、導電部材としてのフレキシブルケーブル4を用い、第2の電極部9との接続は、ACF(異方性導電フィルム;Anisotropic Conductive Film)接続を用いた。
フレキシブルケーブル4の他方の端部は、インクを吐出するために、直接または他部材を介して、外部電圧印加機構と接続される。本実施形態において、導電部材としてフレキシブルケーブルを使用するのは、フレキシブルケーブルは変形が容易であるため後工程においてプロセス上使用しやすく歩留まりの低下を抑制できるからであるが、必ずしもフレキシブルケーブルである必要はない。
そして、図5Fに示すように、ホルダ部3の第1部材3aに圧電基板1を接着する。第1部材3aと圧電基板1との接着面に上記接着剤を塗布して圧電基板1に押し当てた。
その後、図3に示すように、第1部材3aと第2部材3bとの接着面に、同様に、上記接着剤を塗布して、第1部材3aに第2部材3bを押し当てた。この状態を室温にて24時間保持して接着した。
つまり、取付工程を行い、上記ホルダ部3に上記圧電基板1を取り付けて、上記複数の個別インク溝6の一端に連通する上記第1共通インク溝11および上記複数の個別インク溝6の他端に連通する上記第2共通インク溝21を、上記ホルダ部3に形成する。
上記ホルダ部3は、上記第2の電極部9と上記フレキシブルケーブル4との接続部を、上記第1共通インク溝11および上記第2共通インク溝21に露出しないように覆っている。つまり、第2部材3bには、フレキシブルケーブル4と第2の電極部9との接続部分がインクに曝されないようにカバーが設けられている。
その後、図1に示すように、上記個別インク溝6、上記第1共通インク溝11および上記第2共通インク溝21を覆うようにノズルプレート2を接着して、インクジェットヘッドを完成する。
なお、本実施の形態では、第1の電極部として銅を使用したが、導電性材料ならば何でもよい。さらに、導電膜形成工程をスパッタ法により行っているが、イオンプレーティング法や無電解めっき法でも、同様の導電膜を形成することができることを確認している。イオンプレーティング法は密着力良く導電膜を形成することができ、無電解めっき法では、複数の複雑な溝形状が形成されている圧電基板1に対しても少ない膜厚ばらつきで導電膜を形成することができる。一方、気相成長法や蒸着法は、圧電基板1の基板表面温度が上がりやすいため適していないことが分かった。これは、圧電材料の圧電特性が高温において劣化してしまうことによるものである。イオンプレーティング法、無電解めっき法を導電膜形成工程に用いて形成したインクジェットヘッドでも、スパッタ法で導電膜形成を行ったインクジェットヘッドと同等の吐出性能を有することを確認した。
また、本実施形態では、導電膜形成工程の後に除去工程を行ったが、導電膜形成工程の前にレジスト材料などで予め導電膜を成膜したくない部分を被覆しておき、導電膜形成工程後にレジスト材料を剥離して分離してもよい。
また、分離工程において、ダイシングブレードによる分離溝12の形成を行っているが、ワイヤーソーなどのダイシングブレード以外の機械加工でもよい。さらには、ダイシングブレードによる分離ではなく、YAGレーザー照射により不要な部分の導電膜を除去して、第2の電極部9を形成したインクジェットヘッドについても、ダイシングブレードで分離したインクジェットヘッドと同様の吐出性能、循環性能を持つことを確認した。レーザーの種類に関しては、YAGレーザーである必要はなく、例えば、COレーザーやエキシマレーザーを用いて、圧電基板1の端面の導電膜を分離して第2の電極部9を形成することができることを確認した。
また、第2の電極部9と導電部材の接続方法は、本実施形態ではACF接続により行ったが、これに限るものではなく、銀ペーストやハンダなどの導電性ペーストを用いても接続できることを確認した。しかしながら、圧電基板1の厚さが薄いときには第2の電極部9に塗布した導電性ペーストやハンダが溝6に流入する虞があるため、圧電基板1の厚さから溝6の深さを差し引いた長さ、つまり、第2の電極部9にフレキシブルケーブル4などの導電部材を接続することができる長さががすくなくとも1.5mm以上のときにのみ導電性ペーストやハンダを用いることが好ましい。
また、本実施の形態に記載した工程は必要最小限の工程であり、必要に応じて前述した以外の工程を追加していてもよい。例えば圧電基板1のどこかに加工の基準とするための目印として溝を加工する工程や、第1の電極部7がインクに接することで腐食する場合などには第1の電極部7を保護膜で覆うような工程を追加してもよい。
上記構成のインクジェットヘッドによれば、上記ホルダ部3は、上記複数の個別インク溝6の一端側において上記複数の個別インク溝6と連通する第1共通インク溝11を有すると共に上記複数の個別インク溝6の他端側において上記複数の個別インク溝6と連通する第2共通インク溝21を有するので、上記第1共通インク溝11や上記第2共通インク溝21の幅や深さを適宜調整することにより、上記第1共通インク溝11や上記第2共通インク溝21の流路抵抗を、上記個別インク溝6の流路抵抗に比べ、充分小さくできて、インクジェットヘッド内において上記個別インク溝6を経由したインク流れを、容易に促進できる。
また、上記圧電基板1の上記両端面のうちの少なくとも一方の端面には、上記第1の電極部7に電気的に接続する上記第2の電極部9が、上記各個別インク溝6に対応するように、設けられているので、上記圧電基板1における上記一方向の長さ(つまり、上記圧電基板1の上記両端面の間の長さ)を、上記個別インク溝6の上記一方向の長さのみの長さとすることができる。このように、上記圧電基板1を小型にできて、上記圧電基板1の高価な材料を抑えて、コストダウンを図ることができる。
したがって、インクジェットヘッド内においてインクの循環が円滑に行なわれ、かつ、インクジェットヘッドチップの小型化を図ることができる。
また、上記第2の電極部9は、上記第1の電極部7における上記個別インク溝6の底面6cおよび両方の側面6bに位置する部分に、接続しているので、上記第1の電極部7と上記第2の電極部9との接続部分を大きくできて、上記第1の電極部7と上記第2の電極部9との断線の危険性を低下して、信頼性を向上できる。
また、上記第2の電極部9は、上記圧電基板1の一方の端面にのみ、設けられているので、圧電基板1に電極を形成することが効率よく行うことができる。例えば、圧電基板1にスパッタ法により導電膜を形成すると、圧電基板1を保持するためのホルダと接触している面以外、つまり圧電基板1の溝形成面と全ての側面に導電膜が形成される。この圧電基板1を少なくとも2分割以上に分割することにより、一方の側面にのみ導電膜が形成された圧電基板1を、複数、容易に製造できて、タクトタイムの短縮になる。
また、隣接する上記第2の電極部9は、分離溝12によって、電気的に分断されているので、上記圧電基板1の端面全体に導電膜を形成したのち、ダイシングマシンなどの機械加工により分離溝12を形成すればよく、溝加工に用いたダイシングマシンを使用できて新規装置を追加する必要がない。また、第2の電極部9の形成も容易である。また、フレキシブルケーブル4などの導電部材と圧電基板1との接続面に凹凸があることによるアンカー効果で、圧電基板1と導電部材との接着強度を増す効果がある。
また、上記第2の電極部9に、外部から電圧が印加されるフレキシブルケーブル4が接続されているので、上記第2の電極部9に接続される導電部材を、変形のしやすいフレキシブルケーブル4にすることにより、後工程でホルダ部3に組み込むことが容易になる。
また、上記ホルダ部3は、上記第2の電極部9と上記フレキシブルケーブル4との接続部を、上記第1共通インク溝11および上記第2共通インク溝21に露出しないように覆っているので、上記フレキシブルケーブル4は、上記第1共通インク溝11および上記第2共通インク溝21内のインクに接しない。このため、導電性インクを使用した場合でも、このインクを介して、上記第2の電極部9と上記フレキシブルケーブル4とは、電気的に短絡することがない。また、上記ホルダ部3は、上記フレキシブルケーブル4がインクに接しないためのカバーを兼用しているので、部品点数を減らすことができる。
上記構成のインクジェットヘッドの製造方法によれば、上記ホルダ部3に上記圧電基板1を取り付けて、上記複数の個別インク溝6の一端に連通する上記第1共通インク溝11および上記複数の個別インク溝6の他端に連通する上記第2共通インク溝21を、上記ホルダ部3に形成する取付工程を備えるので、上記第1共通インク溝11や上記第2共通インク溝21の幅や深さを適宜調整することにより、上記第1共通インク溝11や上記第2共通インク溝21の流路抵抗を、上記個別インク溝6の流路抵抗に比べ、充分小さくできて、インクジェットヘッド内において上記個別インク溝6を経由したインク流れを、容易に促進できる。
また、上記圧電基板1の上記少なくとも一方の端面に形成された導電膜を、上記各個別インク溝6に対応するように分離して、上記第1の電極部7に電気的に接続する上記第2の電極部9とする分離工程を備えるので、上記圧電基板1における上記一方向の長さ(つまり、上記圧電基板1の上記両端面の間の長さ)を、上記個別インク溝6の上記一方向の長さのみの長さとすることができる。このように、上記圧電基板1を小型にできて、上記圧電基板1の高価な材料を抑えて、コストダウンを図ることができる。
したがって、インクジェットヘッド内においてインクの循環が円滑に行なわれ、かつ、インクジェットヘッドチップの小型化を図ることができる。
また、上記導電膜形成工程は、スパッタ法によって、導電膜を形成するので、スパッタ法では膜厚制御を時間管理で行えて、インクジェットヘッドの生産性を高めることができる。また、スパッタ法により形成した導電膜は、密着力が強い。
また、上記導電膜形成工程は、イオンプレーティング法によって、導電膜を形成するので、イオンプレーティング法では、導電膜を複雑な形状の物体に対して付きまわりを向上できると共に、蒸着法よりも導電膜の密着力を高くできて、溝の内部まで、膜厚ばらつきが小さくて密着力が強い導電膜を、容易に形成できる。
また、上記導電膜形成工程は、無電解めっき法によって、導電膜を形成するので、溝の内部まで、膜厚ばらつきの小さい導電膜の形成を容易に行うことができる。
また、上記分離工程は、ダイシングブレードもしくはワイヤーソーによって、導電膜を分離するので、使用する装置を増やすことなく容易に分離溝12を高精度で形成できる。
また、上記分離工程は、レーザー照射によって、導電膜を分離するので、圧電基板1へのダメージを最小限に抑えることができると共に、マスクパターンを用いて複数の第2の電極部9を同時に形成することが可能であり、インクジェットヘッド製造のタクトタイムを短縮できる。
また、上記第2の電極部9に、外部から電圧が印加されるフレキシブルケーブル4が、ACF接続によって、接続されるので、凹凸形状を有する第2の電極部9にフレキシブルケーブル4を高い接続信頼性で接続できる。
また、上記第2の電極部9に、外部から電圧が印加されるフレキシブルケーブル4が、導電性ペーストによって、接続されるので、特別な装置を必要とせず低コストで、第2の電極部9にフレキシブルケーブル4を高い接続信頼性で接続できる。
次に、比較例として、従来構造のインクジェットヘッドの概略斜視図を図6Aに示す。
ノズルプレート102は、本来、圧電基板101とホルダ部103に接着されているが、説明しやすいように分離して描いている。ノズルプレート102の構成は、実施形態と同様である。
比較例のインクジェットヘッド内のインクの流れを説明する。第1配管105aとホルダ部103を通じて第1共通インク室111aに供給されたインクは、第1共通インク室111aと第2共通インク室121aの間に形成された個別インク溝106を通って、第2共通インク室121aに流れ、ホルダ部103と(図示しない)第2配管を介して、排出される。
また、圧電基板101の個別インク溝106の内壁に形成された第1の電極部には、第2の電極部が電気的に接続されており、第2の電極部には導電部材104が接続されている。この導電部材104に外部から電圧を印加することによってノズル孔108からインクが吐出される。
図6Bは、比較例のインクジェットヘッドに用いている圧電基板101の概略斜視図を示す。圧電基板101には、ノズルプレートで覆うことによりインク室となる個別インク溝106と、同じくノズルプレートで覆うことによりインク室となる幅広溝114と、幅広溝114の使用しない領域を塞いでインクの流れを塞き止める封止部材115と、第2の電極部109とを有する。
また、比較例の個別インク溝106は、深さ300μm、幅100μm、長さ5mmとし、個別インク溝106のピッチは、約200μmで、個別インク溝106の数は200個として、第1実施形態と同じにした。第2の電極部109は、深さ10μm、幅100μm、個別インク溝106の長手方向の長さ1mmとし、第2の電極部109のピッチおよび数は、個別インク溝106と同じである。
個別インク溝106と第2の電極部109のような深さが異なる直線状の溝は、ダイシングブレードの高さを変えながら走査する所謂チョッパー加工により、形成することができる。しかしながら、チョッパー加工では、個別インク溝106と第2の電極部109がつながる部分にダイシングブレードのR形状が転写されてしまう。
比較例の圧電基板101を加工するために使用した直径50mmのダイシングブレードにより、圧電基板101に転写されたR形状は、圧電基板101の個別インク溝106の長手方向におよそ4mmで、この形状が両側にあるため計8mmとなる。
このため、圧電基板101の個別インク溝106の長手方向の大きさは、個別インク溝106の長さ5mmと、両端にあるそれぞれ1mmの第2の電極部109と、圧電基板101に転写された2つのそれぞれ4mmのR形状領域と、の和となるため、圧電基板101の個別インク溝106の長手方向における長さは15mmとなる。なお、個別インク溝106が並ぶ方向に関しては、個別インク溝106のピッチと個別インク溝106の本数によって決定され、本比較例では50mm、厚さは2mmである。
また、第1、第2共通インク室11a,21aは、各個別インク溝106にインクを供給するため、十分な容積が必要であるが、比較例のインクジェットヘッドの構造では幅広溝114は、個別インク溝106の内壁に形成された第1の電極部を分断しないために、個別インク溝106よりも溝深さを深くすることができない。このため、幅広溝114は、溝幅(図中X方向の幅)を増加させることにより、十分な容積を確保する構造が必要となる。本比較例では、幅広溝114の深さは200μm、図中X方向の幅は、それぞれ1.5mmとした。つまり、比較例のインクジェットヘッドの構造では、ダイシングブレードによる加工以外の何らかの加工方法を用いて、圧電基板101に転写されるR形状領域をなくしたとしても、幅広の第1、第2共通インク室11a,21aを圧電基板101に作りこむ必要があるとともに、第2の電極部109の長さも必要であることから、どうしても圧電基板101の大型化は避けることができない。
本実施形態で説明したインクジェットヘッドと、比較例として説明した従来構造のインクジェットヘッドとでは、同じ個別インク溝の構造であるにもかかわらず、圧電基板の個別インク溝の長手方向における長さは、比較例の15mmに対して、本実施形態では5mmと、1/3になっており、圧電基板の小型化が実現できていることが確認できた。圧電基板の小型化に伴い、同じ原材料から3倍量のインクジェットヘッド用圧電基板を製造することができるため、大幅なコストダウン効果がある。また、圧電基板の小型化に伴い、ホルダ部を小型化することが可能となり、インクジェットヘッド自体の小型化が実現できる。インクジェットヘッドの小型化は、装置内の限られたスペースに設置することができるインクジェットヘッドの数を増やすことができるため非常に有用である。
(第2実施形態)
図7A〜図7Eは、この発明のインクジェットヘッドの第2実施形態を示している。上記第1実施形態と相違する点を説明すると、この第2実施形態では、圧電基板の分離溝および第2の電極部の位置が相違する。なお、その他の構造は、上記第1実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
図7A〜図7Eでは、分離溝および第2の電極部の位置が、互いに相違している。ここで、分離溝は、ダイシングブレードを複数回走査することにより形成し、ダイシングブレードは、幅が40μmのものを使用し、分離溝の深さは、30μmとした。
図7Aに示す圧電基板1Aでは、第2の電極部9は、第1の電極部7における個別インク溝6の底面6cに位置する部分に、接続している。つまり、個別インク溝6の底面6cでのみ、第1の電極部7と第2の電極部9とが、電気的に接続されている。したがって、隣り合う個別インク溝6の間隔を小さくしても、隣り合う第2の電極部9の接触を回避できて、個別インク溝6を狭ピッチで配置したインクジェットヘッドに好適となる。つまり、個別インク溝6の幅やピッチに関わらず、第2の電極部9を形成できる。また、個別インク溝6を形成するために使用したダイシングブレードを、分離溝12を形成するブレードとして兼用できて、ダイシングブレードを多種用意する必要がない。
図7Bに示す圧電基板1Bでは、個別インク溝6の底面6cの一部でのみ、第1の電極部7と第2の電極部9とが、電気的に接続されている。第1の電極部7と第2の電極部9とが接続されている長さは、個別インク溝6の底面6cの幅の半分である50μm程度である。
図7Cに示す圧電基板1Cでは、個別インク溝6の底面6cおよび一方の側面6bによって、第1の電極部7と第2の電極部9とが接続されている。
図7Dに示す圧電基板1Dでは、第2の電極部9は、第1の電極部7における個別インク溝6の一方の側面6cに位置する部分に、接続している。つまり、個別インク溝6の片側の側面6bのみで、第1の電極部7と第2の電極部9とが、接続されている。したがって、隣接する上記第2の電極部9の間隔を十分に広げることができる。
図7Eに示す圧電基板1Eでは、個別インク溝6の底面6cと、個別インク溝6の両側面6bの高さ略2/3とで、第1の電極部7と第2の電極部9とが、接続されている。
このほかの構成として、図示しないが、第2の電極部9は、第1の電極部7における個別インク溝6の両方の側面6bに位置する部分に、接続している。つまり、個別インク溝6の両側面6bでのみ、第1の電極部7と第2の電極部9とが接続されている。これは、図5Eで説明した接続方法に含まれるものとする。したがって、隣接する上記第2の電極部9の間隔を十分に広げることができると共に、第1の電極部7と第2の電極部9との断線の危険性を低下できる。
次に、上記圧電基板1,1A〜1E(図5E、図7A〜図7E)に対してフレキシブルケーブル4を接続し、−20℃を10分間維持した後80℃を10分間維持することを1サイクルとして、100サイクルの温度サイクル試験を行った。
この結果、図5Eと図7Cと図7Eで説明した接続方法では、温度サイクル試験後の静電容量の測定結果は、温度サイクル試験を実施する前と変わらず良好であった。
しかしながら、図7Aおよび図7Bで説明した接続方法では、温度サイクル試験後に極少数ではあるが、断線が発生した。これは、個別インク溝6の底面6cに成膜された銅が薄いため、底面6cにおいて断線しやすいことによるものと考えられる。底面6cの銅の膜厚が薄くなるのは、スパッタ法により成膜する際の形状によるつきまわりによるものである。
また、図7Dで説明した接続方法でも断線が発生した。スパッタ法で第1の電極部7を形成した場合、個別インク溝6の膜厚は、圧電基板1のノズルプレート2で覆う面が最大であり、底面6cに近づくほど薄くなる。つまり、片側の側面6bでのみ、第1の電極部7と第2の電極部9とが接続されている場合、接続されていない側面6bとは、底面6cを介して、接続されているのみであるため、底面6cにて断線する虞がある。個別インク溝6の底面6cに成膜される導電膜が薄くなるのは、スパッタ法によるものであり、無電解めっき法などで導電膜形成工程を行えばこの限りではない。しかしながら、第1の電極部7と第2の電極部9との接続はできるだけ広範囲である方が、電気的な信頼性が高いことは明白である。
つまり、第1の電極部7と第2の電極部9との接続は、いずれの導電膜形成方法においても、できるだけ広範囲であったほうが、断線が発生しにくいため好ましく、さらには、個別インク溝6の底面6cと少なくとも両側面6bの一部により接続されていることがより好ましい。
(第3実施形態)
次に、この発明のインクジェットヘッドの第3実施形態を説明する。上記第1実施形態と相違する点を説明すると、この第3実施形態では、導電膜形成工程と分離工程との間に、圧電基板を複数に分断する分断工程を備える。なお、その他の構造は、上記第1実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
この第3実施形態では、導電膜形成工程を行った圧電基板を、第1実施形態と同様に、除去工程と分離工程を行った。このとき、分離工程は、圧電基板の個別インク溝が開口する両側の側面に行った。続いて、ダイシングブレードにより、個別インク溝の長手方向における中央位置で2つに分断する。このようにして、圧電基板の個別インク溝が開口する側面のうち一方にだけ、第2の電極部が形成された圧電基板を2つ用意できる。
この圧電基板の個別インク溝が開口する側面のうち一方にのみ、第2の電極部が形成されている圧電基板を用いて、第1実施形態と同様の手順で製造したインクジェットヘッドにおいて、吐出性能および循環性は、良好であることを確認した。したがって、インクジェットヘッドの生産効率を上げ、タクトタイムを短縮できる。
なお、この第3実施形態では、導電膜を形成した圧電基板を2つに分割したが、2つである必要はない。
例えば、図8に示したように、圧電基板を、B−B’面およびC−C’面で分断して4分割することにより、個別インク溝6が開口する側面の一方にだけ導電膜が形成されている圧電基板1Fを4つ用意することができる。つまり、必要に応じて分割数を変更すればよい。このように、側面の一方にのみ第2の電極部を形成した圧電基板1Fは、1つの圧電基板を分割して、複数製造することができる。したがって、インクジェットヘッドの製造に適している。
(第4実施形態)
図9Aおよび図9Bは、この発明のインクジェットヘッドの第4実施形態を示している。上記第1実施形態と相違する点を説明すると、この第4実施形態では、隣接する第2の電極部は、壁部によって、電気的に分断されている。なお、その他の構造は、上記第1実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
つまり、圧電基板1Gの端面に、各個別インク溝6に対応するように、凹部16が形成され、この凹部16内に、(図示しない)第2の電極部が形成される。つまり、隣接する第2の電極部は、凹部16を形成する壁部15によって、電気的に分断されている。
したがって、第2の電極部が外部との衝突等によって傷つけられることにより電気的に断線することを、抑制することができる。また、第2の電極部を凹部16内に形成することで、第2の電極部とフレキシブルケーブルなどの導電部材との接着面積を増加させることができる。さらに、フレキシブルケーブルなどの導電部材と圧電基板1Gとの接続面に、凹凸があるため、圧電基板1Gと導電部材との接着強度を増す効果がある。
次に、この第4実施形態の圧電基板の製法を説明すると、上記第1実施形態の導電膜形成工程が相違し、その他の工程は同じである。
つまり、この導電膜形成工程は、圧電基板1Gにおける個別インク溝6の両端が開口する両端面のうちの少なくとも一方の端面に、各個別インク溝6に対応するように、凹部16を形成してから、圧電基板1Gの個別インク溝6の内面に第1の電極部としての導電膜を形成すると共に、圧電基板1Gの上記少なくとも一方の端面の少なくとも上記凹部16に、導電膜を形成する。
したがって、圧電基板1Gの凹部16内に、第2の電極部が形成されるため、第2の電極部が外部との衝突等によって傷つけられることにより電気的に断線することを、抑制することができる。また、第2の電極部を凹部16内に形成することで、第2の電極部とフレキシブルケーブルなどの導電部材との接着面積を増加させることができる。さらに、フレキシブルケーブルなどの導電部材と圧電基板1Gとの接続面に、凹凸があるため、圧電基板1Gと導電部材との接着強度を増す効果がある。
具体的に述べると、個別インク溝6を形成した圧電基板に対して、個別インク溝6が開口する圧電基板の側面両側にダイシングブレードを走査することにより凹部16を形成した。この凹部16は、深さ20μm、幅90μmであり、1つの個別インク溝6に対して1つの凹部16がつながるような位置に形成した。
続いて、圧電基板に導電膜を形成した後、第1実施形態と同様に除去工程を行った。さらに、圧電基板1Gの凹部16が形成された側面に対して、ダイシングブレードによって、10μm研削をおこなうことにより、圧電基板1Gの側面のうち凹部16の内壁にのみ導電膜が残る。この凹部16に形成された導電膜が、第2の電極部9となる。隣り合う第2の電極部9は、壁部15によって、電気的に分断されている。
次に、第3実施形態と同様に分断工程を行って、圧電基板の個別インク溝6の長手方向における中央位置で、圧電基板を二つに分断した。つまり、個別インク溝6が開口する側面のうち一方の側面にのみ、第2の電極部9を有する圧電基板1Gを2つ用意することができた。
このような形状の圧電基板1Gも、圧電基板1Gの個別インク溝6長手方向の大きさは、個別インク溝6の長さ分でよく、圧電基板1Gの小型化が実現できている。
このようにして形成した圧電基板1Gを用いたインクジェットヘッドにおいて、吐出特性とインクの循環性が良好であることを確認した。また、壁部15で分離された第2の電極部では、凹部16の内面に導電膜が形成されていることから、導電膜を形成した後に分離溝で分離して形成した第2の電極部よりも、面積が大きくて、長期的な電気的接続性の信頼性が高くなる。これは、−20℃を10分間維持した後80℃を10分間維持することを1サイクルとして、100サイクルの温度サイクル試験により確認した。また、第2の電極部が凹部16内にあることから、第2の電極部が外部からの物理ダメージを受けにくく製造プロセスに適している。
なお、本実施形態では、凹部16の幅を個別インク溝6の幅より狭い90μmとしたが、電気的な接続信頼性を考慮すると、個別インク溝6よりも凹部16の幅が広く、個別インク溝6の底面6cおよび少なくとも側面6bの一部で、第1の電極部と第2の電極部とが接続されているほうが好ましい。
(第5実施形態)
次に、この発明のインクジェットヘッドの第5実施形態を説明する。上記第1実施形態と相違する点を説明すると、この第5実施形態では、分離溝を形成する分離工程が相違する。なお、その他の構造は、上記第1実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
つまり、分離工程において、YAGレーザー装置によって分離溝を形成している。YAGレーザーを照射して分離溝を形成した場合、発生する導電膜のバリの大きさは、最大でも15μmである。また、第1実施形態でのダイシングブレードによる分離工程でも、15μmを超える導電膜のバリは発生しない。
そこで、レーザー加工により、幅20μm、深さ5μmの分離溝12を形成した後に、導電膜のバリを取る工程をせずに、その圧電基板1を用いてインクジェットヘッドを作製し、吐出特性とインクの循環性の能力に問題がないことを確認した。
つまり、分離溝の幅を20μm以上とすることで、ダイシングブレードやレーザー加工により分離溝を形成した際に、導電膜のバリが発生しても、この導電膜のバリは、大きいものでも15μm以下であるため、隣接する第2の電極部間で電気的に短絡することはない。したがって、バリを除去するための工程を追加することなく、工程の簡略化とタクトタイムの短縮を図ることができる。
(第6実施形態)
次に、この発明のインクジェットヘッドの第6実施形態を説明する。上記第1実施形態と相違する点を説明すると、この第6実施形態では、分離溝を形成する分離工程が相違する。なお、その他の構造は、上記第1実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
この第6実施形態では、ダイシングブレードを用いて分離溝を形成して分離工程を行う。このとき、ブレードの幅を50μmとすることで、分離溝の幅は50μmとなる。分離溝の深さを、10μm、50μm、100μm、150μm200μmとする。
分離工程を行った圧電基板1Hに対して、第1実施形態と同様にフレキシブルケーブルを接続し、ホルダ部に接着する。本実施形態で使用したホルダ部3Aを、図10Aに示す。本実施形態では、矩形枠状のホルダ部3Aを使用する。
このホルダ部3Aには、第1配管5aおよび第2配管5bが接続されている。第1配管5aは、インクを供給する供給タンクにつながれ、第2配管5bは、排出されたインクをためる廃液タンクにつながれている。
このホルダ部3Aにノズルプレート2を接着して作製したインクジェットヘッド100Aにおける個別インク溝6の長手方向の断面図を、図10Bに示す。
分離溝12が150μm200μmの深さのインクジェットヘッドでは、分離溝12からインクが漏洩することがある。これは、分離溝12の深さが大きすぎることにより、第2共通インク室21aとインクジェットヘッド100Aの外部とが、分離溝12を介して、つながってしまったことによるものである。
接着剤等を用いて分離溝12を完全に封止するプロセスを入れることにより、このようなインクの漏洩は、ほぼ防げたが、分離溝12の深さが100μm以下の場合には、このようなインクの漏洩は見られない。これは、分離溝12の深さが100μm以下の場合には、ホルダ部3Aを接着する際の接着剤が毛細管力により分離溝12内を容易に封止することができるためである。
つまり、分離溝12の深さを100μm以下とするのが好ましく、分離溝12が、第2共通インク溝21aにさらされると共に圧電基板1Hにおける個別インク溝6を形成した面に対して裏面側に開口している場合、接着剤等の封止材が毛細管力で分離溝12内に広がることで、分離溝12を容易に封止してインクの漏洩を防ぐことができる。これに対して、分離溝12の深さが、100μmを越えると、分離溝12を通じて第2共通インク溝21aのインクが圧電基板1Hの裏面側に漏洩する虞がある。
さらに、凹部内に第2の電極部を形成し、隣接する第2の電極部を、壁部によって、電気的に分離している場合にも、全く同様であることを確認した。つまり、壁部の高さを100μm以下とすることが好ましい。
(第7実施形態)
図11は、この発明のインクジェットヘッドの第7実施形態を示している。上記第1実施形態と相違する点を説明すると、この第7実施形態では、第2の電極部とフレキシブルケーブルとの接続部は、絶縁性材料で覆われている。なお、その他の構造は、上記第1実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
つまり、この第7実施形態のインクジェットヘッド100Bでは、ホルダ部3Bに、第2の電極部とフレキシブルケーブル4との接続部がインクに曝されないためのカバーがないものを、用いている。このため、第2の電極部とフレキシブルケーブル4との接続部が、第2共通インク室21a内に存在する。
このような構成は、高価な材料である圧電基板1をできるだけ薄くし、かつ、各個別インク溝6にインクを供給するために十分な容積の第1共通インク溝11aおよび第2共通インク室21aを確保することができる。
第2の電極部とフレキシブルケーブル4との接続部は、インクに曝されることを防止するため、第2の電極部とフレキシブルケーブル4との接続部を、絶縁性材料としての接着剤17で覆っている。
接着剤17としては、例えば、粘度が4000cP程度のエポキシ接着剤を用いている。エポキシ接着剤を使用している理由としては、エポキシ接着剤の有機溶媒に対する耐性が高いためである。
このように、接着剤17で、第2の電極部とフレキシブルケーブル4との接続部を覆うことにより、導電性インクを使用することができる。一方、導電性を有しないインクを使用する場合でも、少量でも導電性の液体がインクに混入することにより、第2の電極部とフレキシブルケーブル4との接続部にて、短絡してしまうため、接着剤17で第2の電極部とフレキシブルケーブル4との接続部を覆うことが好ましい。
したがって、第2の電極部とフレキシブルケーブル4との接続部は、絶縁性材料としての接着剤17で覆われているので、上記フレキシブルケーブル4は、第2共通インク溝内のインクに接しない。このため、導電性インクを使用した場合でも、このインクを介して、上記第2の電極部と上記フレキシブルケーブル4とは電気的に短絡することがない。また、上記ホルダ部3Bの形状を複雑にすることなく、インクによる短絡を防止する。また、圧電基板1を薄くできると共にホルダ部3Bを小さくできて、インクジェットヘッドを小型化できる。
(第8実施形態)
次に、この発明のインクジェットヘッドの第8実施形態を説明する。上記第1実施形態と相違する点を説明すると、この第8実施形態では、圧電基板の厚みが相違する。なお、その他の構造は、上記第1実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
この第8実施形態では、厚みが0.9mm、2mm、4mmの圧電基板を使用している。2mmと4mmの厚さの圧電基板を用いた場合には、第1実施形態と同様のプロセスによりインクジェットヘッドを製造し、その吐出特性とインクの循環性に問題が無いことを確認した。
しかしながら0.9mmの厚さの圧電基板で製作したインクジェットヘッドでは、使用を繰り返すうちに、第2の電極部とフレキシブルケーブルとの間で断線が生じることがある。これは、圧電基板の厚みが0.9mmと薄いことに対して、形成した個別インク溝の深さが0.3mmあるため、フレキシブルケーブルと第2の電極部との接続部として使用できる領域が最大でも0.6mmしかなく、十分な接続面積が得られなかったことが原因であった。第2の電極部とフレキシブルケーブルとの接続には、第2の電極部方向に対して好ましくは1mm以上で、さらに、ACF接続工程におけるばらつきなどを考慮した場合には、1.5mm以上が好ましいことがわかった。つまり、個別インク溝を形成するための領域も必要であるため、個別インク溝が開口する圧電基板の側面に導電部材を接続するためには、圧電基板の厚さは少なくとも2mm以上が好ましい。
つまり、圧電基板の厚みを、2mm以上とすることで、圧電基板に形成した個別インク溝と、フレキシブルケーブルを接続する位置とを離すことができる。さらに、フレキシブルケーブルを第2の電極部に接続するための面積を増加させることができるため、フレキシブルケーブルと圧電基板との接続信頼性を向上することができる。
(第9実施形態)
次に、この発明のインクジェットヘッドの第9実施形態を説明する。上記第1実施形態と相違する点を説明すると、この第9実施形態では、導電膜(電極部)の厚みが相違する。なお、その他の構造は、上記第1実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
この第9実施形態では、第1実施形態と同様にスパッタ法により、導電膜を形成し、個別インク溝の内面に成膜された銅の最も薄い部分が、0.3μm、0.5μm、1μmとした。
個別インク溝の内面に成膜された銅の最も薄い部分が、0.3μm、0.5μm、1μmの場合に、形成した第2の電極部の厚さの最も小さい部分は、それぞれ、0.6μm、1μm、2μmであった。
第1の電極部および第2の電極部の膜厚が異なるのは、その形状による銅のつきまわりが原因である。イオンプレーティング法や無電解めっき法を用いて、導電膜を形成することにより、このような差を小さくすることができる。
続いて、それぞれの第2の電極部に対してACF接続によりフレキシブルケーブルを接続し、−20℃で10分間維持した後80℃で10分間維持することを1サイクルとして、100サイクルの温度サイクル試験を行った。
温度サイクル試験後にフレキシブルケーブルを介して圧電基板の隣接する第1の電極部の間で静電容量を測定した。個別インク溝の内面に形成された第1の電極部の最も薄い部分の厚みが0.3μmとした圧電基板では、温度サイクル試験前に同様にして測定した静電容量と比較して、静電容量が2/3〜1/2となっている箇所が200個の個別インク室に対しおよそ2%存在した。
第1の電極部の最も薄い部分の厚みが0.5μm以上では、温度サイクル試験前後に違いはなかった。第1の電極部が断線して静電容量が低下した場合、吐出されるインクの速度などが低下や不吐出が発生するため、例えばインクジェットヘッドを搭載したステージを動かしながら基板等へインクを吐出するような場合には、インクの飛翔速度の違いにより基板上の着弾する位置がばらついたり、吐出しなかったりするので、装置構成や用途によっては好ましくない。
この静電容量の低下は、個別インク溝の内面に形成された第1の電極部が個別インク溝の内面で断線していることによるものであった。圧電基板1の断面図を図12に示す。圧電基板1は、圧電材料である薄板19aおよび厚板19bが接着層18により接着されて、形成されている。接着層18は、個別インク溝6の深さ方向における中央位置に存在している。このため本実施形態のインクジェットヘッドは、個別インク溝6の薄板19a部分に形成された第1の電極部7と、厚板19b部分に形成された第1の電極部7とが、接着層18に形成された第1の電極部7を介して接続されている。よって、温度変化に伴い、特に高い熱膨張率をもつ接着層18が収縮膨張することにより、第1の電極部7が追随できなくなり、第1の電極部7に用いている導電性材料の引っ張り強度を超える応力を受けて断線するものである。この応力による断線は、銅の厚みを増加させることにより、緩和して、断線を防ぐことができる。薄板19a、厚板19b、接着層18および第1の電極部7の熱膨張率をあわせることは難しい。第1の電極部7の材料としてニッケルやアルミニウム、金などの導電性材料の熱膨張率は、銅と大差なく、接着層18の熱膨張率との差は大きい。つまり、一般的な導電性材料を用いた場合には、第1の電極部7が薄いと断線の可能性が避けられない。よって、少なくとも第1の電極部7の厚みは0.5μm以上が好ましい。
要するに、第1の電極部7の厚みを0.5μm以上とすることにより、個別インク溝6を構成している部材と第1の電極部7との熱膨張率の違いにより、温度変化に伴って収縮膨張が起こって、第1の電極部7が破断することを抑制する。
また、フレキシブルケーブルを接続した圧電基板1に対して−20℃を10分間維持した後80℃を10分間維持することを1サイクルとして、100サイクルの温度サイクル試験を行ったところ、第2の電極部の最も膜厚の小さい部分が0.6μmの圧電基板1のみ、両側の5〜10個の個別インク溝6がそれぞれ第2の電極部とフレキシブルケーブルとの間で断線していた。これは、圧電基板1とフレキシブルケーブルとの熱膨張係数が異なることにより、膨張率の大きいフレキシブルケーブルに、膨張率の小さい圧電基板1が追随できず、第2の電極部に形成された銅を引き剥がして断線していた。
一方、第2の電極部の厚さが1μm以上の場合にはこのような断線は発生しなかった。これは、第2の電極部に形成された銅が1μm以上あることにより、熱膨張の差による応力に耐える強度を有するためである。つまり、圧電基板1とフレキシブルケーブルとの接続信頼性を確保するためには、第2の電極部の膜厚の最も小さい部分が1μm以上であることが望ましいことを確認した。
要するに、第2の電極部の厚みを1μm以上とすることにより、第2の電極部にフレキシブルケーブルなどの導電部材が接続されると、温度変化に伴う圧電基板と導電部材との収縮膨張の差により発生する応力が大きくなるが、第2の電極部がはがれて断線することを抑制できる。
なお、この発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、圧電基板の両端面に第2の電極部を設けてもよく、電気的断線を一層防止できる。また、個別インク溝を、V字溝、台形溝、R形状がついた溝に、形成してもよい。また、ホルダ部は、一体型でもよく、または、3つ以上の部材から形成されていてもよい。
本発明のインクジェットヘッドの第1実施形態を示す斜視図である。 図1のA−A’断面図である。 ノズルプレートを外した状態を示すインクジェットヘッドの斜視図である。 圧電基板およびフレキシブルケーブルの斜視図である。 インクジェットヘッドの製造方法の第1の工程を説明する斜視図である。 インクジェットヘッドの製造方法の第2の工程を説明する斜視図である。 インクジェットヘッドの製造方法の第3の工程を説明する斜視図である。 インクジェットヘッドの製造方法の第4の工程を説明する斜視図である。 図5Dの要部の拡大図である。 インクジェットヘッドの製造方法の第5の工程を説明する斜視図である。 従来のインクジェットヘッドの斜視図である。 従来のインクジェットヘッドに用いている圧電基板の斜視図である。 本発明のインクジェットヘッドの第2実施形態を示すと共に分離溝が第1の位置にある説明図である。 本発明のインクジェットヘッドの第2実施形態を示すと共に分離溝が第2の位置にある説明図である。 本発明のインクジェットヘッドの第2実施形態を示すと共に分離溝が第3の位置にある説明図である。 本発明のインクジェットヘッドの第2実施形態を示すと共に分離溝が第4の位置にある説明図である。 本発明のインクジェットヘッドの第2実施形態を示すと共に分離溝が第5の位置にある説明図である。 本発明のインクジェットヘッドの第3実施形態を示すと共に圧電基板の分断位置の説明図である。 本発明のインクジェットヘッドの第4実施形態を示す圧電基板の斜視図である。 図9Aの要部の拡大図である。 本発明のインクジェットヘッドの第6実施形態を示すホルダ部の斜視図である。 インクジェットヘッドの断面図である。 本発明のインクジェットヘッドの第7実施形態を示す断面図である。 圧電基板の断面図である。
符号の説明
1、1A〜1H 圧電基板
2 ノズルプレート
3、3A、3B ホルダ部
3a 第1部材
3b 第2部材
4 フレキシブルケーブル
5a 第1配管
5b 第2配管
6 個別インク溝
6a 個別インク室
6b 側面
6c 底面
7 第1の電極部
8 ノズル孔
9 第2の電極部
11 第1共通インク溝
11a 第1共通インク室
12 分離溝
13a 第1流路口
13b 第2流路口
15 壁部
16 凹部
17 接着剤
18 接着層
19a 薄板
19b 厚板
20 隔壁
21 第2共通インク溝
21a 第2共通インク室
100、100A、100B インクジェットヘッド

Claims (28)

  1. 一方向に延在して両端が開口する互いに平行な複数の個別インク溝を有する圧電基板と、
    この圧電基板が取り付けられ、上記複数の個別インク溝の一端側において上記複数の個別インク溝と連通する第1共通インク溝を有すると共に上記複数の個別インク溝の他端側において上記複数の個別インク溝と連通する第2共通インク溝を有するホルダ部と、
    上記複数の個別インク溝を上側から覆うように配置され、上記個別インク溝に対応する位置にノズル孔を有するノズルプレートと
    を備え、
    上記個別インク溝の両端は、上記圧電基板の両端面に開口し、上記個別インク溝の内面には、第1の電極部が設けられ、
    上記圧電基板の上記両端面のうちの少なくとも一方の端面には、上記第1の電極部に電気的に接続する第2の電極部が、上記各個別インク溝に対応するように、設けられていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 請求項1に記載のインクジェットヘッドにおいて、
    上記個別インク溝の内面は、上記ノズルプレートに対向する底面と、この底面の両側に位置し互いに対向する側面とを含み、
    上記第2の電極部は、上記第1の電極部における上記個別インク溝の底面および両方の側面に位置する部分に、接続していることを特徴とするインクジェットヘッド。
  3. 請求項1に記載のインクジェットヘッドにおいて、
    上記個別インク溝の内面は、上記ノズルプレートに対向する底面と、この底面の両側に位置し互いに対向する側面とを含み、
    上記第2の電極部は、上記第1の電極部における上記個別インク溝の一方の側面に位置する部分に、接続していることを特徴とするインクジェットヘッド。
  4. 請求項1に記載のインクジェットヘッドにおいて、
    上記個別インク溝の内面は、上記ノズルプレートに対向する底面と、この底面の両側に位置し互いに対向する側面とを含み、
    上記第2の電極部は、上記第1の電極部における上記個別インク溝の両方の側面に位置する部分に、接続していることを特徴とするインクジェットヘッド。
  5. 請求項1に記載のインクジェットヘッドにおいて、
    上記個別インク溝の内面は、上記ノズルプレートに対向する底面と、この底面の両側に位置し互いに対向する側面とを含み、
    上記第2の電極部は、上記第1の電極部における上記個別インク溝の底面に位置する部分に、接続していることを特徴とするインクジェットヘッド。
  6. 請求項1から5の何れか一つに記載のインクジェットヘッドにおいて、
    上記第2の電極部は、上記圧電基板の一方の端面にのみ、設けられていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  7. 請求項1から6の何れか一つに記載のインクジェットヘッドにおいて、
    隣接する上記第2の電極部は、分離溝によって、電気的に分断されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  8. 請求項7に記載のインクジェットヘッドにおいて、
    上記分離溝の幅は、20μm以上であることを特徴とするインクジェットヘッド。
  9. 請求項7または8に記載のインクジェットヘッドにおいて、
    上記分離溝の深さは、100μm以下であることを特徴とするインクジェットヘッド。
  10. 請求項1から6の何れか一つに記載のインクジェットヘッドにおいて、
    隣接する上記第2の電極部は、壁部によって、電気的に分断されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  11. 請求項10に記載のインクジェットヘッドにおいて、
    上記壁部の高さは、100μm以下であることを特徴とするインクジェットヘッド。
  12. 請求項1から11の何れか一つに記載のインクジェットヘッドにおいて、
    上記圧電基板の厚みは、2mm以上であることを特徴とするインクジェットヘッド。
  13. 請求項1から12の何れか一つに記載のインクジェットヘッドにおいて、
    上記第1の電極部の厚みは、0.5μm以上であることを特徴とするインクジェットヘッド。
  14. 請求項1から13の何れか一つに記載のインクジェットヘッドにおいて、
    上記第2の電極部の厚みは、1μm以上であることを特徴とするインクジェットヘッド。
  15. 請求項1から14の何れか一つに記載のインクジェットヘッドにおいて、
    上記第2の電極部に、外部から電圧が印加されるフレキシブルケーブルが接続されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  16. 請求項15に記載のインクジェットヘッドにおいて、
    上記ホルダ部は、上記第2の電極部と上記フレキシブルケーブルとの接続部を、上記第1共通インク溝および上記第2共通インク溝に露出しないように覆っていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  17. 請求項15に記載のインクジェットヘッドにおいて、
    上記第2の電極部と上記フレキシブルケーブルとの接続部は、絶縁性材料で覆われていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  18. 一方向に延在して両端が開口する互いに平行な複数の個別インク溝を圧電基板に形成する個別インク溝形成工程と、
    上記圧電基板の上記個別インク溝の内面に第1の電極部としての導電膜を形成すると共に、上記圧電基板における上記個別インク溝の両端が開口する両端面のうちの少なくとも一方の端面に、導電膜を形成する導電膜形成工程と、
    上記圧電基板の上記少なくとも一方の端面に形成された導電膜を、上記各個別インク溝に対応するように分離して、上記第1の電極部に電気的に接続する第2の電極部とする分離工程と、
    ホルダ部に上記圧電基板を取り付けて、上記複数の個別インク溝の一端に連通する第1共通インク溝および上記複数の個別インク溝の他端に連通する第2共通インク溝を、上記ホルダ部に形成する取付工程と
    を備えることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  19. 請求項18に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
    上記導電膜形成工程は、
    上記圧電基板における上記個別インク溝の両端が開口する両端面のうちの少なくとも一方の端面に、上記各個別インク溝に対応するように、凹部を形成してから、
    上記圧電基板の上記個別インク溝の内面に第1の電極部としての導電膜を形成すると共に、上記圧電基板の上記少なくとも一方の端面の少なくとも上記凹部に、導電膜を形成することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  20. 請求項18または19に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
    上記導電膜形成工程より後に、上記圧電基板を複数に分断する分断工程を備えることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  21. 請求項18から20の何れか一つに記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
    上記導電膜形成工程は、スパッタ法によって、導電膜を形成することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  22. 請求項18から20の何れか一つに記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
    上記導電膜形成工程は、イオンプレーティング法によって、導電膜を形成することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  23. 請求項18から20の何れか一つに記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
    上記導電膜形成工程は、無電解めっき法によって、導電膜を形成することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  24. 請求項18から23の何れか一つに記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
    上記分離工程は、ダイシングブレードもしくはワイヤーソーによって、導電膜を分離することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  25. 請求項18から23の何れか一つに記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
    上記分離工程は、レーザー照射によって、導電膜を分離することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  26. 請求項18から25の何れか一つに記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
    上記第2の電極部に、外部から電圧が印加されるフレキシブルケーブルが、ACF接続によって、接続されることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  27. 請求項18から25の何れか一つに記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
    上記第2の電極部に、外部から電圧が印加されるフレキシブルケーブルが、導電性ペーストによって、接続されることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  28. 請求項26または27に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
    上記第2の電極部と上記フレキシブルケーブルとの接続部を、絶縁性材料で覆うことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
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